(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827377
(24)【登録日】2021年1月21日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】スカートガード隙間調整装置およびスカートガード隙間調整方法
(51)【国際特許分類】
B66B 31/00 20060101AFI20210128BHJP
B66B 23/22 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
B66B31/00 D
B66B23/22 G
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-131133(P2017-131133)
(22)【出願日】2017年7月4日
(65)【公開番号】特開2019-14559(P2019-14559A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2020年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(74)【代理人】
【識別番号】100206782
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】白澤 直之
【審査官】
羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−069102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00−31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の踏段と、前記踏段の幅方向端面に対して幅方向に対向して設けられた複数のスカートガードと、前記スカートガードを支持する支持部材とを備えた乗客コンベヤにおける前記スカートガードと前記踏段との間の隙間を調整する際に用いられるスカートガード隙間調整装置であって、
簡易板部と、前記簡易板部に設けられ、前記支持部材に支持される複数の簡易クリップとを有する簡易スカートガードを備え、
前記簡易板部には、前記簡易板部よりも幅方向内側から前記支持部材の幅方向位置が調整可能な作業窓が形成されており、
前記簡易板部の長手方向の寸法は、前記スカートガードの長手方向の寸法と一致しており、
複数の前記簡易クリップのうちの2個の前記簡易クリップは、前記簡易板部の長手方向に離れて配置されており、
前記作業窓は、前記簡易板部の長手方向に離れて配置された2個の前記簡易クリップの間に配置されているスカートガード隙間調整装置。
【請求項2】
複数の前記踏段の中から一部の前記踏段が取り外されて形成された踏段開口部に取り付けられる簡易踏段をさらに備え、
前記簡易踏段の幅方向寸法は、前記踏段の幅方向寸法と一致しており、
前記簡易踏段の踏板およびライザにおける幅方向中間部には、空間が形成されている請求項1に記載のスカートガード隙間調整装置。
【請求項3】
前記簡易スカートガードは、前記簡易板部と前記簡易踏段との間に配置されるように前記簡易板部に設けられ肉厚部をさらに有し、
前記肉厚部が前記簡易踏段に接触された場合に、前記支持部材の幅方向位置が、前記スカートガードと前記踏段との間の隙間が所定寸法となる位置となる請求項2に記載のスカートガード隙間調整装置。
【請求項4】
前記簡易スカートガードは、前記簡易板部に設けられた把持部をさらに有している請求項1から請求項3までの何れか一項に記載のスカートガード隙間調整装置。
【請求項5】
複数の踏段と、前記踏段の幅方向端面に対して幅方向に対向して設けられた複数のスカートガードと、前記スカートガードを支持する支持部材とを備えた乗客コンベヤにおける前記スカートガードと前記踏段との間の隙間を調整するスカートガード隙間調整方法であって、
簡易板部と、前記簡易板部に設けられ、前記支持部材に支持される複数の簡易クリップとを有し、前記簡易板部には、前記簡易板部よりも幅方向内側から前記支持部材の幅方向位置が調整可能な作業窓が形成されており、前記簡易板部の長手方向の寸法は、前記スカートガードの長手方向の寸法と一致しており、複数の前記簡易クリップのうちの2個の前記簡易クリップは、前記簡易板部の長手方向に離れて配置されており、前記作業窓は、前記簡易板部の長手方向に離れて配置された2個の前記簡易クリップの間に配置されている簡易スカートガードを前記支持部材に支持させる簡易スカートガード取付工程と、
前記簡易スカートガード取付工程の後、前記作業窓を利用して前記支持部材の幅方向位置を調整することによって、前記簡易板部と前記踏段との間の隙間を調整する隙間調整工程と
を備えたスカートガード隙間調整方法。
【請求項6】
複数の踏段と、前記踏段の幅方向端面に対して幅方向に対向して設けられた複数のスカートガードと、前記スカートガードを支持する支持部材とを備えた乗客コンベヤにおける前記スカートガードと前記踏段との間の隙間を調整する際に用いられるスカートガード隙間調整装置であって、
簡易板部と、前記簡易板部に設けられ、前記支持部材に支持される簡易クリップとを有する簡易スカートガードと、
複数の前記踏段の中から一部の前記踏段が取り外されて形成された踏段開口部に取り付けられる簡易踏段と
を備え、
前記簡易板部には、前記簡易板部よりも幅方向内側から前記支持部材の幅方向位置が調整可能な作業窓が形成されており、
前記簡易踏段の幅方向寸法は、前記踏段の幅方向寸法と一致しており、
前記簡易踏段の踏板およびライザにおける幅方向中間部には、空間が形成されているスカートガード隙間調整装置。
【請求項7】
複数の踏段と、前記踏段の幅方向端面に対して幅方向に対向して設けられた複数のスカートガードと、前記スカートガードを支持する支持部材とを備えた乗客コンベヤにおける前記スカートガードと前記踏段との間の隙間を調整するスカートガード隙間調整方法であって、
簡易板部と、前記簡易板部に設けられ、前記支持部材に支持される簡易クリップとを有し、前記簡易板部には、前記簡易板部よりも幅方向内側から前記支持部材の幅方向位置が調整可能な作業窓が形成されている簡易スカートガードを前記支持部材に支持させる簡易スカートガード取付工程と、
複数の前記踏段の中から一部の前記踏段が取り外されて形成された踏段開口部に簡易踏段を取り付ける簡易踏段取付工程と、
前記簡易スカートガード取付工程および前記簡易踏段取付工程の後、前記作業窓を利用して前記支持部材の幅方向位置を調整することによって、前記簡易板部と前記簡易踏段との間の隙間を調整する隙間調整工程と
を備え、
前記簡易踏段の幅方向寸法は、前記踏段の幅方向寸法と一致しており、
前記簡易踏段の踏板およびライザにおける幅方向中間部には、空間が形成されているスカートガード隙間調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、踏段とスカートガードとの間の隙間を調整する際に用いられるスカートガード隙間調整装置およびこれを用いたスカートガード隙間調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スカートガードを着脱可能に支持する支持部材からスカートガードが取り外された状態で支持部材に取り付けられるスカートガード隙間調整装置であって、取り外されるスカートガードの幅方向寸法よりも幅方向寸法が小さい簡易板部と、簡易板部に設けられ、支持部材に支持される簡易クリップとを備えたスカートガード隙間調整装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−69102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、簡易板部の幅方向寸法がスカートガードの幅方向寸法よりも小さいので、スカートガード隙間調整装置を支持部材に対して長手方向にスライドさせながら、簡易板部と踏段との間の隙間を調整しなければならず、隙間調整作業の作業効率が悪いという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、隙間調整作業の作業効率を向上させることができるスカートガード隙間調整装置およびスカートガード隙間調整方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るスカートガード隙間調整装置は、複数の踏段と、踏段の幅方向端面に対して幅方向に対向して設けられた複数のスカートガードと、スカートガードを支持する支持部材とを備えた乗客コンベヤにおけるスカートガードと踏段との間の隙間を調整する際に用いられるスカートガード隙間調整装置であって、簡易板部と、簡易板部に設けられ、支持部材に支持される
複数の簡易クリップとを有する簡易スカートガードを備え、簡易板部には、簡易板部よりも幅方向内側から支持部材の幅方向位置の調整が可能な作業窓が形成されて
おり、簡易板部の長手方向の寸法は、スカートガードの長手方向の寸法と一致しており、複数の簡易クリップのうちの2個の簡易クリップは、簡易板部の長手方向に離れて配置されており、作業窓は、簡易板部の長手方向に離れて配置された2個の簡易クリップの間に配置されている。
この発明に係るスカートガード隙間調整装置は、複数の踏段と、踏段の幅方向端面に対して幅方向に対向して設けられた複数のスカートガードと、スカートガードを支持する支持部材とを備えた乗客コンベヤにおけるスカートガードと踏段との間の隙間を調整する際に用いられるスカートガード隙間調整装置であって、簡易板部と、簡易板部に設けられ、支持部材に支持される簡易クリップとを有する簡易スカートガードと、複数の踏段の中から一部の踏段が取り外されて形成された踏段開口部に取り付けられる簡易踏段とを備え、簡易板部には、簡易板部よりも幅方向内側から支持部材の幅方向位置が調整可能な作業窓が形成されており、簡易踏段の幅方向寸法は、踏段の幅方向寸法と一致しており、簡易踏段の踏板およびライザにおける幅方向中間部には、空間が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るスカートガード隙間調整装置によれば、簡易板部には、簡易板部よりも幅方向内側から支持部材の幅方向位置の調整が可能な作業窓が形成されているので、簡易板部の幅方向寸法をスカートガードの幅方向寸法と一致させることができる。これにより、スカートガード隙間調整装置を支持部材に対して長手方向にスライドさせながら簡易板部と踏段との間の隙間を調整する必要がなくなる。その結果、隙間調整作業の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態1に係るスカートガード隙間調整装置を用いて隙間調整作業が行われるエスカレーターの要部を示す断面図である。
【
図2】
図1の踏段とスカートガードとの間の隙間を調整する際に用いられるスカートガード隙間調整装置を示す構成図である。
【
図3】
図2のスカートガード隙間調整装置を示す側面図である。
【
図4】
図1の踏段とスカートガードとの間の隙間を調整する際に用いられるスカートガード隙間調整装置を示す構成図である。
【
図5】スカートガード隙間調整装置を用いてスカートガードと踏段との間の隙間を調整するスカートガード隙間調整方法を示すフローチャートである。
【
図6】
図2のスカートガード隙間調整装置を用いてスカートガードと踏段との間の隙間を調整する様子を示す図である。
【
図7】この発明の実施の形態2に係るスカートガード隙間調整装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るスカートガード隙間調整装置を用いて隙間調整作業が行われるエスカレーターの要部を示す断面図である。乗客コンベヤであるエスカレーター1は、複数の踏段11と、踏段11の幅方向端面に対して幅方向に対向して設けられた複数のスカートガード12と、スカートガード12を支持する支持部材であるL字アングル13とを備えている。また、エスカレーター1は、主枠に対して固定されL字アングル13が固定される固定部材14と、L字アングル13を固定部材14に対して固定する締結部材15とを備えている。
【0010】
スカートガード12は、踏段11を幅方向に挟むように配置されている。一対のL字アングル13は、高さ方向に離れて配置されている。L字アングル13は、エスカレーターの長手方向に延びて配置されている。
【0011】
締結部材15は、ボルトおよびナットから構成されている。締結部材15による固定部材14に対するL字アングル13の固定が解除された場合に、L字アングル13は、幅方向に移動可能となっている。この例で、幅方向とは、踏段11についての幅方向であって、
図1の矢印Aの方向である。
【0012】
L字アングル13の幅方向位置を調整することによって、踏段11とスカートガード12との間の隙間T1が調整される。踏段11とスカートガード12との間の隙間T1が所定寸法となった場合に、締結部材15を用いてL字アングル13を固定部材14に対して固定する。
【0013】
図2は
図1の踏段とスカートガードとの間の隙間を調整する際に用いられるスカートガード隙間調整装置を示す構成図、
図3は
図2のスカートガード隙間調整装置を示す側面図である。スカートガード隙間調整装置は、簡易板部21と、簡易板部21に設けられ、L字アングル13に支持される4個の簡易クリップ22と、簡易板部21に設けられた2個の把持部23とを有する簡易スカートガード2を備えている。
【0014】
簡易板部21の厚さ方向の寸法T2は、スカートガード12の厚さ方向の寸法と一致している。また、簡易板部21の長手方向の寸法T3は、スカートガード12の長手方向の寸法と一致している。なお、簡易板部21の長手方向の寸法T3は、スカートガード12の長手方向に対してわずかに短い寸法であってもよい。この場合、簡易板部21をL字アングル13に容易に着脱することができる。
【0015】
簡易板部21には、簡易板部21よりも幅方向内側からL字アングル13の幅方向位置が調整可能な作業窓211が形成されている。この例では、簡易板部21よりも幅方向内側とは、簡易板部21よりも幅方向について踏段3側という意味である。
【0016】
4個の簡易クリップ22の中の2個の簡易クリップ22は、簡易板部21における上部に配置されている。簡易板部21の上部に配置された2個の簡易クリップ22は、簡易板部21の長手方向に離れて配置されている。簡易板部21における上部に配置されている2個の簡易クリップ22は、上下方向に離れて設けられた一対のL字アングル13の中の上方に配置されたL字アングル13に支持される。
【0017】
4個の簡易クリップ22の中の2個の簡易クリップ22は、簡易板部21における下部に配置されている。簡易板部21の下部に配置された2個の簡易クリップ22は、簡易板部21の長手方向に離れて配置されている。簡易板部21における下部に配置されている2個の簡易クリップ22は、上下方向に離れて設けられた一対のL字アングル13の中の下方に配置されたL字アングル13に支持される。
【0018】
図4は
図1の踏段とスカートガードとの間の隙間を調整する際に用いられるスカートガード隙間調整装置を示す構成図である。スカートガード隙間調整装置は、簡易踏段3をさらに備えている。簡易踏段3は、幅方向両端部に設けられた一対の踏段側部31と、一対の踏段側部31を連結する複数の連結部材32とを有している。簡易踏段3の踏板311およびライザ312における幅方向中間部には、空間33が形成されている。簡易踏段3に空間33が形成されているので、簡易踏段3は、踏段11と比較して軽量化されている。
【0019】
簡易踏段3は、複数の踏段11の中から一部の踏段11が取り外されて形成された踏段開口部に取り付けられる。簡易踏段3の幅方向寸法T4は、踏段11の幅方向寸法と一致している。
【0020】
連結部材32は、踏段11の幅方向寸法に合わせて簡易踏段3の幅方向寸法が調整できるように、長手方向に伸縮可能となっている。
【0021】
次に、スカートガード隙間調整装置を用いてスカートガード12と踏段11との間の隙間を調整するスカートガード隙間調整方法について説明する。
図5はスカートガード隙間調整装置を用いてスカートガードと踏段との間の隙間を調整するスカートガード隙間調整方法を示すフローチャート、
図6は
図2のスカートガード隙間調整装置を用いてスカートガードと踏段との間の隙間を調整する様子を示す図である。
【0022】
まず、ステップS101において、踏段取外工程を行う。踏段取外工程では、複数の踏段11の中から一部の踏段11を取り外して、踏段開口部を形成する。
【0023】
踏段取外工程の後、ステップS102において、スカートガード取外工程を行う。スカートガード取外工程では、踏段開口部に対向するスカートガード12をL字アングル13から取り外す。
【0024】
スカートガード取外工程の後、ステップS103において、簡易スカートガード取付工程を行う。簡易スカートガード取付工程では、簡易スカートガード2をL字アングルに支持させる。
【0025】
簡易スカートガード取付工程の後、ステップS104において、簡易踏段取付工程を行う。簡易踏段取付工程では、踏段開口部に簡易踏段3を配置する。
【0026】
簡易踏段取付工程の後、ステップS105において、隙間調整工程を行う。隙間調整工程では、作業窓211を利用してL字アングル13の幅方向位置を調整することによって、簡易板部21と簡易踏段3との間の隙間を調整する。このとき、簡易板部21と簡易踏段3との間の隙間T5が、スカートガード12と踏段11との間の隙間T1についての所定寸法と同じ寸法となるように調整する。
【0027】
隙間調整工程の後、ステップS106において、支持部材固定工程を行う。支持部材固定工程では、締結部材15を用いてL字アングル13を固定部材14に対して固定する。
【0028】
支持部材固定工程の後、ステップS107において、簡易踏段取外工程を行う。簡易踏段取外工程では、簡易踏段3を踏段開口部から取り外す。
【0029】
簡易踏段取外工程の後、ステップS108において、簡易スカートガード取外工程を行う。簡易スカートガード取外工程では、L字アングル13から簡易スカートガード2を支持させる。
【0030】
簡易スカートガード取外工程の後、ステップS109において、スカートガード取付工程を行う。スカートガード取付工程では、L字アングル13にスカートガード12を取り付ける。
【0031】
スカートガード取付工程の後、ステップS110において、踏段取付工程を行う。踏段取付工程では、踏段開口部に踏段11を取り付ける。以上により、スカートガード隙間調整装置を用いてスカートガード12と踏段11との間の隙間T1を調整するスカートガード隙間調整方法が終了する。
【0032】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るスカートガード隙間調整装置によれば、簡易板部21と、簡易板部21に設けられ、L字アングル13に支持される簡易クリップ22とを有する簡易スカートガード2を備え、簡易板部21には、簡易板部21よりも幅方向内側からL字アングル13の幅方向位置が調整可能な作業窓211が形成されているので、簡易板部21の幅方向寸法をスカートガード12の幅方向寸法と一致させることができる。これにより、スカートガード隙間調整装置をL字アングル13に対して長手方向にスライドさせながら簡易板部21と踏段11との間の隙間を調整する必要がなくなる。その結果、隙間調整作業の作業効率を向上させることができる。
【0033】
また、このスカートガード隙間調整装置は、複数の踏段11の中から一部の踏段11が取り外されて形成された踏段開口部に取り付けられる簡易踏段3をさらに備え、簡易踏段3の幅方向寸法は、踏段11の幅方向寸法と一致しており、簡易踏段3の踏板311およびライザ312における幅方向中間部には、空間33が形成されているので、手動運転によって踏段11を移動させることなく、スカートガード12と踏段11との間の隙間を調整することができる。
【0034】
また、簡易スカートガード2は、簡易板部21に設けられた把持部23をさらに有しているので、簡易スカートガード2のL字アングル13への着脱を容易に行うことができる。
【0035】
この発明の実施の形態1に係るスカートガード隙間調整方法によれば、簡易スカートガード2をL字アングル13に支持させる簡易スカートガード取付工程と、簡易スカートガード取付工程の後、作業窓211を利用してL字アングル13の幅方向位置を調整することによって、簡易板部21と簡易踏段3との間の隙間を調整する隙間調整工程とを備えているので、簡易板部21の幅方向寸法をスカートガード12の幅方向寸法と一致させることができる。これにより、スカートガード隙間調整装置をL字アングル13に対して長手方向にスライドさせながら簡易板部21と簡易踏段3との間の隙間を調整する必要がなくなる。その結果、隙間調整作業の作業効率を向上させることができる。
【0036】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2に係るスカートガード隙間調整装置を示す構成図である。この発明の実施の形態2に係るスカートガード隙間調整装置では、簡易スカートガード2は、簡易板部21と簡易踏段3との間に配置されるように簡易板部21に設けられ肉厚部24をさらに有している。
【0037】
肉厚部24の幅方向の寸法T6は、スカートガード12と踏段11との間の隙間T1についての所定寸法と同じ寸法となっている。したがって、肉厚部24が簡易踏段3に接触された場合に、L字アングル13の幅方向位置が、スカートガード12と踏段11との間の隙間T1が所定寸法となる位置となる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0038】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るスカートガード隙間調整装置によれば、簡易スカートガード2は、簡易板部21と簡易踏段3との間に配置されるように簡易板部21に設けられ肉厚部24をさらに有し、肉厚部24が簡易踏段3に接触された場合に、L字アングル13の幅方向位置が、スカートガード12と踏段11との間の隙間T1が所定寸法となる位置となるので、簡単に、スカートガード12と踏段11との間の隙間T1を所定寸法とすることができる。
【0039】
なお、各上記実施の形態では、乗客コンベヤとしてエスカレーターを例に説明したが、動く歩道であってもよい。
【0040】
また、各上記実施の形態では、既設の踏段11および既設のスカートガード12を取り外した後に、簡易スカートガード2および簡易踏段3を取り付けるスカートガード隙間調整方法について説明したが、エスカレーターの据付工事において、踏段11およびスカートガード12が取り付けられる前に、簡易スカートガード2および簡易踏段3を取り付けるスカートガード隙間調整方法であってもよい。
【0041】
また、各上記実施の形態では、踏段開口部に簡易踏段3を配置して、簡易スカートガード2および簡易踏段3を用いて、スカートガード12と踏段11との間の隙間T1を調整する構成について説明したが、手動運転によって踏段11を移動させた後に、簡易スカートガード2と踏段11との間の隙間を調整して、スカートガード12と踏段11との間の隙間T1を調整する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 エスカレーター、2 簡易スカートガード、3 簡易踏段、11 踏段、12 スカートガード、13 L字アングル、14 固定部材、15 締結部材、21 簡易板部、22 簡易クリップ、23 把持部、24 肉厚部、31 踏段側部、32 連結部材、33 空間、211 作業窓、311 踏板、312 ライザ。