【課題を解決するための手段】
【0009】
全ての請求項における引用符号は限定効果を有さず、むしろそれらの明確性を高めることが意図されているに過ぎない。
【0010】
言明されている目的は、コネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとを互いに対し固定しかつそれらを互いから解除する機構により達成され、該機構は、コネクタ・デバイス上に配置されている少なくとも1つの留め具と、該留め具の開位置と係止位置との間で該留め具を往復移動させることができる駆動部とを有し、機構は、開位置と係止位置との間での移動中に、留め具が湾曲経路に亘って枢動移動と並進移動との組合せおよび並進移動のいずれかまたは両方を実施するように構築されている。
【0011】
本発明の目的のための「コネクタ・デバイス」は、電気的接続および/または流体接続および/または光ファイバ接続を作り出すために、相手方コネクタとの相互作用のために設けられている少なくとも1つのコネクタ、好ましくは複数のコネクタを含むデバイスである。本発明の目的のための「相手方コネクタ・デバイス」は、相応に、電気的接続および/または流体接続または光ファイバ接続を作り出すために、コネクタとの相互作用のために設けられている少なくとも1つの相手方コネクタを含むデバイスである。
【0012】
好適なコネクタ・デバイスのコネクタおよびまたは好適な相手方コネクタ・デバイスの相手方コネクタは、少なくとも部分的に、好ましくはその全体において、電気プラグ接続を作り出すコネクタまたは相手方コネクタである。コネクタは、例えば、相手方コネクタとしてのソケットと相互作用するピン、逆に、と相手方コネクタとしてのピンと相互作用するソケットであってもよい。
【0013】
本発明の目的のために、「固定」とは、コネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとが、それらが再び互いから解除されうるような方法で固定されることにより接続されることを意味する。固定は、コネクタ・デバイスを相手方コネクタに対して適所に固定することが好ましい。固定は、以前に互いに分離されたコネクタ・デバイスおよび相手方コネクタ・デバイスのコネクタと相手方コネクタとの間に接続を作り出すことが好ましい。同様に、コネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとを互いから解除することは、コネクタ・デバイスおよび相手方コネクタ・デバイスのコネクタと相手方コネクタとを分離することが好ましい。
【0014】
留め具が「開位置と係止位置との間での移動中に」移動を行う特徴は、それが開位置から係止位置への移動中および係止位置から開位置への移動中のいずれかまたは両方において該移動を行うことを意味する。本発明の好適な実施形態では、留め具は、係止位置から開位置への移動中および係止位置から開位置への移動中の両方で、移動を行う。
【0015】
枢動移動と並進移動との組合せの特徴に関して、枢動移動および並進移動は、同時に、連続して、または部分的に同時にかつ部分的に連続して、起こってもよい。また、本発明は、複数の別個の枢動移動および複数の並進移動のいずれかまたは両方が、開位置と係止位置との間での移動中に実施される実施形態を含む。したがって、「枢動移動および並進移動のいずれかまたは両方」の組合せの特徴は、それが、開位置から係止位置への移動中および係止位置から開位置への移動中に、1つもしくは複数の枢動移動または1つもしくは複数の並進移動のみが実施される機構を除外することを意味するに過ぎないとみなされるべきである。
【0016】
湾曲経路上での並進移動の代替的または付加的特徴は、係止位置と開位置との間の全ての移動が湾曲することを必要としない。代りに、係止位置から開位置へのまたは逆に開位置から係止位置への一方または両方の方向における移動の部分のみに亘る湾曲で十分である。
【0017】
湾曲経路に亘る枢動移動および/もしくは並進移動の組合せまたは実際にまた並進のおかげで、相手方コネクタ・デバイスをコネクタ・デバイスに確実に固定する機構をうることが、率直に可能である。詳細には、具体的にはコネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとがまだ互いに厳密に位置合わせされていない場合にも、相手方コネクタ・デバイスの相手方留め具が湾曲経路の一部に亘る枢動移動または並進により確実に把持されうることを確実にすることが可能である。また、コネクタと相手方コネクタとを一緒にしてプラグ接続を作り出すために、相手方コネクタ・デバイスとコネクタ・デバイスとが単に互いに向かって引き寄せられうることを確実にすることが、並進移動により可能である。
【0018】
上述した目的は、コネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとを互いに対し固定しかつそれらを互いから解除する機構によりさらに達成され、該機構は、コネクタ・デバイス上に配置されている少なくとも1つの留め具と、シャフトを備えた駆動部とを有し、シャフトの回転によって留め具の開位置と係止位置との間で留め具を往復移動させることができる。該機構は、リンク・ガイドとリンク・ブロックとを備えた溝穴付きリンクをさらに有し、該リンク・ガイドは留め具上に配置されており、該リンク・ブロックはシャフトの軸上にあるか、またはシャフト自体により形成されている。本発明の本実施形態は、本発明による機構の特に簡単でコンパクトな設計を可能にする。
【0019】
また、本発明の目的は、コネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとを互いに対し固定しかつそれらを互いから解除する機構により達成され、該機構は、コネクタ・デバイス上に配置されている少なくとも1つの留め具と、シャフトを備えた駆動部とを有し、シャフトの回転によって留め具の開位置と係止位置との間で留め具を往復移動させることができる。ここで、該駆動部は、シャフトの回転を、開位置と係止位置との間での留め具の移動に変換するクランク駆動部を有する。該機構は、係止位置と開位置との間での留め具の移動を案内する第2の溝穴付きリンクをさらに有し、該第2の溝穴付きリンクのリンク・ブロックは留め具側の接続ロッド・シャフトの一部により形成されており、このリンク・ブロックにより、クランク駆動部の接続ロッドが留め具に連結されている。
【0020】
ここで、「第2の溝穴付きリンク」が、機構が必ずしも、第2の溝穴付きリンクに加えて別の第1の溝穴付きリンクも有していなければならないことを意味するとは限らない。代りに、称号「第2の溝穴付きリンク」は、単に、それを、本発明の実施形態に同様に現れる「第1の溝穴付きリンク」と区別するのに役立つに過ぎない。
【0021】
本目的は、コネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとを互いに対し固定しかつそれらを互いから解除する機構によりさらに達成され、該機構は、コネクタ・デバイス上に配置されている少なくとも1つの留め具と、留め具の開位置と係止位置との間で留め具を往復移動させることができる駆動部とを有する。ここで、留め具は、相手方コネクタ・デバイスの相手方留め具と係合する鉤爪を有し、いずれの場合も1つまたは複数のジャーナルにより、その長手方向範囲に関連して少なくとも2つの異なる位置で案内される。1つのジャーナルまたは複数のジャーナルのうちの少なくとも1つのジャーナルの、やはり留め具の長手方向範囲に関連する位置が、開位置と係止位置との間での移動中に、鉤爪から遠いレバーの長さに対する鉤爪側のレバーの長さの比率が変わるように変化し、鉤爪側のレバーは、鉤爪と該鉤爪に最も近接したジャーナルとの間の留め具の部分により形成されており、鉤爪から遠いレバーは、該ジャーナルと鉤爪からさらに離れたジャーナルとの間の留め具の部分により形成されている。本発明の本実施形態の1つの達成可能な利点が、留め具の係止位置において、コネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとは互いに特に確実に固定されることである。
【0022】
本発明の目的は、機構を特徴とするコネクタ・デバイスにより、かつ機構を特徴とするコネクタ・デバイスと少なくとも1つの相手方留め具を有する相手方コネクタ・デバイスとで構成されているシステムにより、最終的に達成される。
本発明の好適な実施形態
【0023】
個々にまたは組み合わせて用いられてもよい有利な進展およびさらなる進展が、従属クレームおよび以下の説明の主題を構成している。
【0024】
開位置から係止位置への移動中に、留め具は、湾曲経路に亘って枢動移動と並進移動との組合せおよび並進移動のいずれかまたは両方を実施することが好ましい。さらにまたはあるいは、係止位置から開位置への移動中に、留め具は、湾曲経路に亘って枢動移動と並進移動との組合せおよび並進移動のいずれかまたは両方を実施することが好ましい。
【0025】
好適な留め具には、固定するために、相手方コネクタ・デバイスの相手方留め具と係合しうる鉤爪が設けられている。好適な鉤爪は、固定中に相手方留め具が受容されうる、それらの間の陥凹部を形成する2つのフィンガー部を含むものである。この目的のために、該フィンガー部はプラグイン方向に互いに離間されていることが好ましい。好適な鉤爪は、開位置と係止位置との間での移動中に、留め具の係止位置では、陥凹部が留め具の移動の並進成分方向に対して実質的に垂直に延びているような方法で留め具上に配置されている。該陥凹部は、プラグイン方向に対して実質的に垂直に延びていることが好ましい。
【0026】
好適な例示的実施形態を参照して、以下により詳細に説明されているように、好適な留め具は、いずれの場合も1つまたは複数のジャーナルにより、その長手方向範囲に関連して少なくとも2つの異なる位置において案内される。この場合、留め具は、1つのジャーナルまたは複数のジャーナルのうちの少なくとも1つのジャーナルの位置が、やはり留め具の長手方向範囲に対して、開位置と係止位置との間での移動中に、鉤爪側のレバーの長さの、鉤爪から遠いレバーの長さに対する比率が変わるように変化するという点で、トグル・レバーの形を取っていることが好ましい。ここでの鉤爪側のレバーは、鉤爪と該鉤爪に最も近接したジャーナルとの間の留め具の部分により形成されており、鉤爪から遠いレバーは、該ジャーナルと鉤爪からさらに離れたジャーナルとの間の留め具の部分により形成されている。この比率は、留め具の開位置と係止位置との間での移動中に低下することが特に好ましい。本発明の本実施形態の1つの達成可能な利点が、留め具の係止位置では、コネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとが互いに特に確実に固定されることである。好適なジャーナルは、第1の溝穴付きリンクのリンク・ブロックおよび第2の溝穴付きリンクのリンク・ブロックのいずれかまたは両方である。
【0027】
本明細書に記載されている留め具の実施形態の1つにより、好適な機構が、特に好ましくは複数の留め具を有し、それらは、それぞれの開位置とそれぞれの係止位置との間で往復移動しうる。本発明の本実施形態の1つの達成可能な利点が、コネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとが、複数の点において、複数の留め具により、互いに固定されうることである。このことは、コネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとの間で作用する係止力が留め具間で分割されること、および各個々の留め具および対応する相手方留め具に作用する力が低減されることを可能にすることが有利である。このようにして、各個々の留め具および留め具を移動させる機構の一部のいずれかまたは両方がより軽い構造であってもよく、例えば湾曲した金属薄板部品も使用されうる。このようにして、機構の製造コストが削減される可能性がある。同時に、本発明の本実施形態は、例えば個々の留め具が故障した場合にも複数の留め具が確実な固定を可能にするため、機構の信頼性を高めることを可能にする。その開位置からその係止位置への、およびその係止位置からその開位置へのいずれかまたは両方の移動中に、これら留め具の各々は枢動移動と並進移動との組合せを実施することが好ましい。
【0028】
本発明の1つの好適な実施形態では、機構は、留め具の枢動移動が、プラグイン方向に対して実質的に垂直に延びている枢動軸を中心として進むように構築されている。本発明の目的のために、「プラグイン方向」は、電気的接続、流体接続、および光ファイバ接続のいずれか1つ以上を作り出すために、コネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとがつながれるべき方向である。本発明の本実施形態の1つの達成可能な利点が、留め具の枢動移動をもたらすシャフトが、同様に、プラグイン方向に対して垂直に、かつしたがって通例、コネクタ・デバイスのプラグイン面の平面に延びていてもよいことである。このことは、本発明による機構の構造が特に簡単でコンパクトであることを可能にする。本発明の特に好適な実施形態が複数の留め具を含み、これら留め具の各々の枢動移動はプラグイン方向に対して実質的に垂直に進む。
【0029】
本発明による機構の好適な駆動部がシャフトを含み、シャフトの回転によって、留め具の開位置と係止位置との間で留め具を往復移動させることができる。この場合、該回転は、シャフトの全回転の一部のみを巡る回転であることが好ましい。開位置と係止位置との間、および係止位置と開位置との間のいずれかまたは両方で留め具を移動させる、シャフトの回転は、好ましくは全回転の半分(180°)以下、特に好ましくは全回転の3分の1(120°)以下、例えば全回転の約4分の1(90°)である。
【0030】
本発明の1つの特に好適な実施形態では、複数の留め具が同じシャフトにより駆動される。該シャフトは電動機により駆動されることが好ましい。あるいは、また、シャフトは手動作動されてもよく、例えばハンド・レバーにより駆動されてもよい。電気的に駆動されるシャフトの場合、1つまたは複数のスイッチ、例えば瞬時接触スイッチが、モータを作動させ留め具を係止位置から開位置へおよび開位置から係止位置へのいずれかまたは両方の移動のために、コネクタ・デバイス上に設けられていることが好ましい。
【0031】
駆動部は、シャフトの回転を、開位置と係止位置との間での留め具の移動に変換するクランク駆動部を含むことが好ましい。該好適なクランク駆動部は、シャフト上に配置されているクランク・アームを含む。さらに好適なクランク駆動部が、一方ではクランク・アームに連結されており、他方では留め具に連結されている接続ロッドを含む。このようにして、シャフトの回転運動は、留め具の並進成分にたやすく変換されうることが有利である。
【0032】
好適な機構が複数の留め具を含み、少なくとも2つの留め具が同じクランク駆動部により駆動される。機構の、1つの特に好適な実施形態では、正確には2つの留め具が同じクランク駆動部により駆動される。該機構の、1つの特に好適な実施形態が、偶数の留め具、例えば2つ、4つ、6つ、8つ、10、12、または24の留め具を含んでおり、それらは各々、同じクランク駆動部により2つ1組で駆動される。この場合、留め具は、クランク駆動部の両側に置かれていることが好ましい。該2つの留め具は、留め具側の共通接続ロッド・シャフトにより、クランク駆動部の接続ロッドに連結されていることが特に好ましい。1つの留め具対の留め具の鉤爪は、同じ方向または反対方向のどちらかに向いていることが好ましい。
【0033】
好適な駆動部は、留め具を案内する第1の溝穴付きリンクを含む。ここで、「第1の溝穴付きリンク」は、機構が、該第1の溝穴付きリンクに加えて、別の第2の溝穴付きリンクを含まなければならないことを意味しない。代りに、称号「第1の溝穴付きリンク」は、単に、それを、本発明の実施形態に同様に現れる可能性がある「第2の溝穴付きリンク」と区別するのに役立つに過ぎない。第1の溝穴付きリンクが、係止位置と開位置との間での留め具の移動の簡単な案内を可能にすることが有利である。好適な第1の溝穴付きリンクが、例えば1つまたは複数の細長い穴部、溝穴部、溝部、または畝部の形を取りうるリンク・ガイドを含む。さらに、好適な溝穴付きリンクが、リンク・ガイド内で案内されるリンク・ブロックを含む。
【0034】
好適なリンク・ガイドでは、第1の溝穴付きリンクが留め具上に配置されている。この場合、留め具は金属板の形を取っていることが好ましく、該リンク・ガイドは該金属板にある細長い穴部である。
【0035】
第1の溝穴付きリンクのリンク・ブロックはシャフトの軸上にあるか、またはシャフトにより形成されていることが好ましい。リンク・ブロックは、シャフト上に回転不能に配置されているブッシュにより形成されていることが特に好ましい。好適なリンク・ブロックがクランク駆動部のクランク・アームと一体で形成されている。
【0036】
本発明の好適な実施形態の駆動部は、係止位置と開位置との間での留め具の移動を案内する第2の溝穴付きリンクを含む。機構は、第1の溝穴付きリンクと第2の溝穴付きリンクとを含むことが特に好ましい。第2の溝穴付きリンクのリンク・ブロックは、留め具側の接続ロッド・シャフトの一部により形成されていることが好ましく、このリンク・ブロックにより、クランク駆動部の接続ロッドが留め具に連結されている。このことは、本発明による駆動部が特に簡単な構造を有することを可能にする。
【0037】
好適な第2の溝穴付きリンクが、例えば1つまたは複数の細長い穴部、溝穴部、溝部、または畝部の形を取っていてもよいリンク・ガイドを含む。それは、複数の金属板の1つまたは各々にある溝穴部の形を取っていることが好ましい。クランク駆動部が一対の留め具と関連している本発明の一実施形態では、細長い穴部、溝穴部、溝部、または畝部が、レバーから遠い各留め具の側面にリンク・ガイドの一部として配置されていることが好ましい。
【0038】
本発明の一実施形態では、第1の溝穴付きリンクおよび第2の溝穴付きリンクのいずれかまたは両方のリンク・ガイドの外形は部分的にまたは完全に湾曲している。このことは、留め具の枢動移動と並進移動との組合せを達成することを特に簡単にする。本発明の一実施形態では、第1の溝穴付きリンクおよび第2の溝穴付きリンクのいずれかまたは両方のリンク・ガイドは少なくとも適所において真っ直ぐである。このことは、留め具の直線運動がたやすく達成されることを可能にする。本発明の一実施形態では、第1の溝穴付きリンクおよび第2の溝穴付きリンクのいずれかまたは両方のリンク・ガイドは少なくとも適所において湾曲している。このことは、留め具の枢動移動がたやすく達成されることを可能にする。留め具は、第1の溝穴付きリンクまたは第2の溝穴付きリンクのリンク・ブロックを中心としてその枢動移動を行うことが特に好ましい。
【0039】
本発明による好適な機構が複数のシャフト、例えば2つ、3つ、または4つのシャフト、を有する。各シャフトは、好ましくは少なくとも1つの、特に好ましくは偶数の留め具、例えば2つ、4つ、6つ、8つ、10、または12の留め具、を設けられている。対の2つの留め具が同じクランク駆動部により駆動されるように、前述の各対の留め具は、いずれの場合もクランク駆動部を設けられていることが特に好ましい。複数のシャフトは、電動機により一緒に駆動されるか、または例えばハンド・レバーにより手動作動されることが好ましい。この目的のために、シャフトは、噛み合い式に接続されていることが特に好ましい。本発明の1つの代替的実施形態では、各シャフトは、それ自体の電動機、またはそれ自体の手動作動機構により、例えばそれ自体のハンド・レバーにより、作動される。
【0040】
本発明の1つの好適な実施形態では、少なくとも1つの留め具、好ましくは複数の留め具が、いずれの場合もコネクタ・デバイスの少なくとも1つの縁部に、好ましくは2つの縁部に配置されている。1つの、特に好ましくは複数の前述の対の留め具が縁部に配置されていることが好ましい。異なる長さの縁部を備えたコネクタ・デバイスの場合、該縁部はより長い縁部であることが好ましい。留め具を駆動するために、シャフトが、留め具を設けられている縁部上に配置されていることが好ましい。コネクタ・デバイスの同じ側に配置されている留め具全てが同じシャフトにより駆動されることが好ましい。異なる長さの縁部を備えたコネクタ・デバイスの場合、シャフトはより長い縁部に平行に延びていることが好ましい。
【0041】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの留め具および好ましくは複数の留め具が縁部に配置されておらず、むしろ縁部間に、すなわちコネクタ・デバイスの顔面平面に配置されている。1つの、特に好ましくは複数の前述の対の留め具がコネクタ・デバイスの顔面平面に配置されていることが好ましい。該複数の留め具は同じシャフトにより駆動されることが好ましい。異なる長さの縁部を備えたコネクタ・デバイスの場合、該シャフトはより長い縁部に平行に延びていることが好ましい。
【0042】
好適なコネクタ・デバイスはマス相互接続(mass interconnect)用の受容器または交換可能な試験アダプタであり、該受容器または交換可能な試験アダプタは機構を含む。本発明による好適な受容器は、少なくとも1つの、好ましくは複数の一般に交換可能なモジュールを受容する受容器フレームを含み、それらは、交換可能な試験アダプタのそれぞれ1つまたは複数の相手方コネクタまたはコネクタとの接続用のコネクタまたは相手方コネクタを含む。後者の相手方コネクタまたはコネクタは、交換可能な試験アダプタのモジュールの部品であることが好ましく、各モジュールは、目的通りに動作した場合、交換可能な試験アダプタのモジュールの(相手方)コネクタが、受容器内に受容されているモジュールの、対応する(相手方)コネクタと接続されるような方法で、受容器内に受容されているモジュールに合うことが特に好ましい。同様に、好適な交換可能な試験アダプタは、各々、受容器の1つまたは複数のコネクタとの接続用の(相手方)コネクタを含む少なくとも1つの、好ましくは複数の交換可能なモジュールを受容するモジュール受容フレームを含む。本発明による該機構は、受容器または交換可能な試験アダプタのフレーム上に配置されていることが好ましい。相互接続の受容器と交換可能な試験アダプタとは互いに固定されかつ互いに再び解除されなければならないことが多い。さらに、それらは、確実に接続されなければならない多数のコネクタまたは相手方コネクタを含んでいることが多い。したがって、本発明はそのような使用例において特に有利である。
【0043】
本発明の目的のために、「マス相互接続」が、1つまたは複数の試験機器を1つまたは複数の試験対象物(この接続における試験対象物は、被試験デバイス(DUT:Device Under Test)または被試験ユニット(UUT:Unit Under Test)としても知られている)と接続するコネクタ・インターフェースである。好適なマス相互接続は、(ATE:automatic test equipmentとしても知られている)自動試験設備の一部であり、マス相互接続と1つまたは複数の試験機器とを含む。また、該ATEは、試験機器を制御する1つまたは複数のPC(パーソナル・コンピュータ)を含んでいてもよい。試験機器の1つまたは複数が、以下の仕様:PXI(PCI eXtensions for Instrumentation)、VXI(VME eXtensions for Instrumentation)、LXI(LAN eXtensions for Instrumentation)、汎用インターフェース・バス(GPIB:General Purpose Interface Bus)、SCXI(Signal Conditioning Extension for Instrumentation)、PCI(Peripheral Component Interconnect)のうちの1つまたは複数に準拠していることが好ましい。
【0044】
本発明の目的のために、「受容器」は、試験アダプタを試験機器に接続するために、交換可能な試験アダプタ(またはITA:interchangeable test adapter)と接続されうる、マス相互接続の構成要素である。本発明の目的のために、「交換可能な試験アダプタ」は、試験対象物を、交換可能な試験アダプタおよび受容器を介して試験機器に接続するために、一方では受容器と、他方では交換可能な試験アダプタ上で一般に交換可能な実際の試験対象物と交換可能に接続されうるマス相互接続の構成要素である。
【0045】
機構を特徴とするコネクタ・デバイスと相手方コネクタ・デバイスとで構成されている好適なシステムは、コネクタ・デバイスとしてのマス相互接続の受容器と、相手方コネクタ・デバイスとしてのマス相互接続の交換可能な試験アダプタと、または逆に、コネクタ・デバイスとしてのマス相互接続の交換可能な試験アダプタと、相手方コネクタ・デバイスとしてのマス相互接続の受容器とを含むシステムである。相手方留め具は、留め具の係止位置において、交換可能な試験アダプタが受容器に固定されるような方法で、機構の留め具と相互作用する。
【0046】
さらに有利な構造が、図面に概略的に示されている複数の例示的実施形態を参照して、以下により詳細に説明されるが、本発明は該図面に限定されない。