特許第6827462号(P6827462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6827462基板を処理するための装置、システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827462
(24)【登録日】2021年1月21日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】基板を処理するための装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20210128BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20210128BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   H01L21/302 101E
   H01L21/302 105A
   H01L21/302 104C
   H01L21/28 E
   H05H1/46 A
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-502371(P2018-502371)
(86)(22)【出願日】2016年7月14日
(65)【公表番号】特表2018-529224(P2018-529224A)
(43)【公表日】2018年10月4日
(86)【国際出願番号】US2016042261
(87)【国際公開番号】WO2017019312
(87)【国際公開日】20170202
【審査請求日】2019年6月19日
(31)【優先権主張番号】14/808,612
(32)【優先日】2015年7月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500239188
【氏名又は名称】ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】シュロン リアン
(72)【発明者】
【氏名】コステル ビロイウ
(72)【発明者】
【氏名】グレン ギルクライスト
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクラム シング
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ヘルテル
(72)【発明者】
【氏名】アレキサンダー シー コントス
【審査官】 加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−262120(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/065531(WO,A1)
【文献】 特開2008−270039(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0055649(US,A1)
【文献】 特開2003−273033(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0179409(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/28
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するための装置であって、
プラズマチャンバから前記基板の平面の垂線に対して非ゼロの入射角を成すイオンを含むプラズマビームを抽出し、前記プラズマビームを前記基板に向けるための抽出プレート、及び
前記プラズマチャンバの外部に配置されたガス出口システムを備え、
前記ガス出口システムはガス源に結合され且つ前記ガス源から受け取った反応性ガスを前記基板に供給するように構成され、前記反応性ガスは前記プラズマチャンバ中を通過しない、
前記ガス出口システムは、前記プラズマチャンバの外縁に沿って延びる通路を備える、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記通路は前記抽出プレートまで延び、前記ガス出口システムは前記反応性ガスを前記プラズマビームと平行に前記基板に供給するように構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記抽出プレートは、第1の方向に沿う開口幅及び前記第1の方向と直角の第2の方向に沿う開口長を有する開口を有する抽出開口を備え、前記開口幅は前記開口長より大きく、前記プラズマビームはリボンビームであり、且つ前記ガス出口システムは複数のガスオリフィスを備え、前記複数のガスオリフィスは前記第1の方向に沿う前記抽出開口の辺に沿って配置されており、前記複数のガスオリフィスの内の少なくとも1つのガスオリフィスは前記通路に連結される、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記反応性ガスは非解離ガスを含む、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記反応性ガスは極性分子を含む、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記反応性ガスはメタノールを含む、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記反応性ガスは基板構造に吸収コーティングを形成する吸収種を含む、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記ガス出口システムは第1組の出口及び第2組の出口を備え、前記ガス源は前記第1組の出口に結合され、前記装置は更に第2のガス源を備え、前記第2のガス源は前記第2組の出口に結合され且つ第2の反応性ガスを前記基板に供給するように構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項9】
基板を処理するシステムであって、
プラズマを収容するプラズマチャンバ、
前記プラズマチャンバから前記基板の平面の垂線に対して非ゼロの入射角を成すイオンを含むプラズマビームを抽出し、前記プラズマビームを前記基板に向けるための抽出プレート、及び
前記プラズマチャンバの外部に配置されたガス出口システムを備え、
前記ガス出口システムはガス源に結合され且つ前記ガス源から受け取った反応性ガスを前記基板に供給し、前記反応性ガスは前記プラズマチャンバ中を通過しない、
前記ガス出口システムは、前記プラズマチャンバの外縁に沿って延びる通路を備える、ことを特徴とするシステム。
【請求項10】
前記抽出プレートは、第1の方向に沿う開口幅及び前記第1の方向と直角の第2の方向に沿う開口長を有する開口を有する抽出開口を備え、前記開口幅は前記開口長より大きく、前記プラズマビームはリボンビームであり、前記システムは更に、前記基板を前記第2の方向に沿って走査させる基板ホルダを備える請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記ガス出口システムは複数のガスオリフィスを備え、前記複数のガスオリフィスは前記第1の方向に沿う前記抽出開口の辺に沿って配置され、前記複数のガスオリフィスの内の少なくとも1つのガスオリフィスは前記通路に連結される、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
少なくとも1つのシステムパラメータを第1の値から第の値に変更する制御システムを更に備え、前記プラズマビームは前記第1の値で第1の形状を有し、第2の値で第2の形状を有し、前記少なくとも1つのシステムパラメータは、前記プラズマチャンバに供給されるRF電力のレベル、前記プラズマビームの抽出電圧、前記抽出プレートの形状、又は前記基板と前記抽出プレートの間の間隔を含む、請求項9記載のシステム。
【請求項13】
前記反応性ガスは極性分子を含み、前記プラズマビームは不活性ガスイオンを含む、請求項9記載のシステム。
【請求項14】
基板を処理する方法であって、
プラズマを含むプラズマチャンバから基板の平面の垂線に対して非ゼロの入射角を成すイオンを含むプラズマビームを抽出するステップ、及び
前記プラズマチャンバの外部に配置されたガス出口システムにより、ガス源からの反応性ガスを前記基板に向けるステップを含み、
前記反応性ガスは前記プラズマ中を通過しない、
前記ガス出口システムは、前記プラズマチャンバの外縁に沿って延びる通路を備える、ことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記反応性ガスを前記基板に向けるステップは、極性分子を含むガスを前記基板に供給し、前記反応性ガスに由来するコンフォーマルコーティングを金属層上に形成するステップを含み、前記イオンは前記基板上に配置した前記金属層から金属種をスパッタエッチする不活性ガスイオンであり、前記極性分子は前記金属種と揮発性エッチング生成物形成する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記基板は側壁を有する少なくとも1つの表面特徴部を備え、前記反応性ガス及びプラズマビームが前記金属層からの材料の前記側壁への再堆積なしに前記金属層をエッチングする、請求項15記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子デバイスの処理技術に関し、より詳しくは、基板の表面を処理するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
集積デバイスは小型化し続けているので、特徴部をパターン化する能力が益々難しくなっている。これらの難しさは、一形態において、基板にパターンを保存又は転写するために特徴部をエッチングする能力にある。多くのデバイス応用において、パターン化される特徴部は金属層を含み得るが、金属層はエッチングすることが難しく、その理由は、金属は周知の反応性イオンエッチング又は類似のプロセスを用いて揮発性エッチング生成物を形成することが容易でないためである。物理的スパッタリングによる金属層のエッチングは、所定の金属層のスパッタされた種が基板の望ましくない表面に、例えば形成されるデバイス特徴部の表面に堆積される傾向があるために問題がある。これは不揮発性の金属下層のエッチングによって過剰な材料が再堆積された垂直でない側壁を有するピラー又は配線などのパターン化された構造をもたらし得る。
【0003】
本発明による改善策はこれらの及び他の考慮すべき事項に対して有益であり得る。
【発明の概要】
【0004】
この概要は、発明の実施形態の形態において以下で更に説明される概念の選択を簡略化した形で導入するために与えられる。この概要は請求の範囲に記載される発明の要旨の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものでなく、請求の範囲に記載される発明の要旨の範囲を特定するのに役立つことを意図するものでもない。
【0005】
一実施形態において、基板を処理する装置は、プラズマチャンバから基板の平面の垂線に対して非ゼロの入射角を成すイオンを含むプラズマビームを抽出し、前記プラズマビームを基板に向けるための抽出板と、前記プラズマチャンバの外部に配置されたガス出口システムとを備え、前記ガス出口システムはガス源に結合され且つ前記ガス源から受け取った反応性ガスを前記基板に供給し、前記反応性ガスは前記プラズマチャンバを通過しない、ことを特徴とし得る。
【0006】
別の実施形態において、基板を処理するシステムは、プラズマを収容するプラズマチャンバと、プラズマチャンバから基板の平面の垂線に対して非ゼロの入射角を成すイオンを含むプラズマビームを抽出し、前記プラズマビームを基板に向けるための抽出板と、前記プラズマチャンバの外部に配置されたガス出口システムとを備え、前記ガス出口システムはガス源に結合され且つ前記ガス源から受け取った反応性ガスを前記基板に供給し、前記反応性ガスは前記プラズマチャンバを通過しない、ことを特徴とし得る。
【0007】
別の実施形態において、基板を処理する方法は、プラズマから基板の平面の垂線に対して非ゼロの入射角を成すイオンを含むプラズマビームを抽出するステップと、ガス源からの反応性ガスを前記基板に向けるステップとを含み、前記反応性ガスは前記プラズマチャンバを通過しない、ことを特徴とし得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の幾つかの実施形態に係わるシステムを示す。
図1B図1Aのシステムの一実施形態を示す。
図1C図1Bの装置の実施形態の平面図を示す。
図1D】様々な実施形態に係わる処理装置と基板の幾何学的配置の詳細を示す。
図2図2A図2Dは本発明の幾つかの実施形態に係わる基板エッチングの一例を示す。
図3図3A及び図3Bはピラーのエッチング中にユースポイントケミストリを用いる効果を示す結果を提示する。
図4】模範的なプロセスフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、幾つかの実施形態が示される添付図面を参照して、以下に更に詳しく説明される。本発明の要旨は、多くの異なる形態に具体化することができ、本明細書に記載する実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。これらの実施形態は、本明細書が完璧かつ完全になり、当業者に対して本装置及び方法の要旨範囲を十分に伝えるように提示したものである。図面において、同一参照符号は全体を通して同様の要素を示す。
【0010】
本発明は基板を処理するための新規な処理装置及び新規な技術を提供し、より詳しくは、基板表面を処理するための、例えば表面特徴部をエッチングするための新規な装置及び技術を提供する。本明細書で使用される「基板」という語は、半導体ウェハ、絶縁ウェハ、セラミックウェハのみならず、その上に配置される任意の層又は構造などの構成要素も指すものし得る。従って、表面特徴部、層、一連の層、又は他の構成要素が基板の上に配置されてもよく、基板はシリコンウェハ、酸化層、金属層などの構造の複合体を表すものとし得る。
【0011】
様々な実施形態において、基板のイオンビーム(プラズマビーム)処理に加えて基板の反応性ガス処理も提供する装置が開示される。イオンビーム及び反応性ガスを処理中の基板、例えばエッチング中の基板、の表面に、ユースポイント反応ケミストリを与える構成及び方法で提供することができる。
【0012】
図1Aは本発明の幾つかの実施形態に係わるシステム100を示す。システム100は、装置102として断面で示されるハイブリッド処理装置を含む。図1Bは、装置102の一実施形態の斜視図を含むシステム100の一実施形態を示す。図1Cは、図1Bの装置102の実施形態の平面図を示すが、図1Dは様々な実施形態に係わる装置102と基板の幾何学的配置の詳細を示す。図1Aに詳細に示されるように、システム100はプラズマ106を収容するプラズマチャンバ104を含んでよい。幾つかの実施形態では、プラズマチャンバ104は1mTorrから300mTorrの間の圧力で動作し得る。これらの実施形態はこの文脈で限定されない。図1Aに示されるように、プラズマチャンバ104は処理チャンバ101に隣接して配置され、そのチャンバ内は周知のポンプ装置、例えばロータリーポンプで支援されたターボ分子ポンプ、よりなる真空ポンプシステムによって10−5Torrより低い低圧力に維持され得る。ガス状のプラズマ前駆体をガスマニホルド122からプラズマガスライン125を通してプラズマチャンバ104内に供給してよい。様々な実施形態では、不活性ガス(He,Ne,Ar,Kr,Xe)又は不活性ガスと反応性ガス(例えば、H,NF,Cl,Br,Cなど)の混合物をプラズマ前駆体として使用してよく、その場合にはプラズマチャンバ104内に反応性ガスイオン加えて不活性ガスイオンが生じ得る。プラズマ106は、発電機108からの電力を適切なプラズマ励起子によりプラズマチャンバ104内の希薄ガスに供給することによって発生され得る。以下において、一般用語「プラズマ源」は、発電機、プラズマ励起子、プラズマチャンバ及びプラズマ自体を含む。プラズマ源は、誘導結合プラズマ(ICP)源、トロイダル結合プラズマ源(TCP)、容量結合プラズマ(CCP)源、ヘリコン源、電子サイクロトロン共鳴(ECR)源、間接加熱陰極(IHC)源、グロー放電源又は当業者に周知の他のプラズマ源としてよい。従って、プラズマ源の性質に応じて、発電機108はRF発電機、DC電源、又はマイクロ波発振器としてよいが、プラズマ励起子はRFアンテナ、RFフェライトカプラ、RFプレート、RF加熱/冷陰極、RFヘリコンアンテナ、又はRFマイクロ波ランチャとしてよい。システム100は更に、プラズマチャンバ104又は基板ホルダ118に接続されたバイアス電源110を含む。抽出プレート112を通る正イオンよりなるプラズマビーム114の抽出は、プラズマチャンバ104を正電位に上昇させ、基板ホルダ118を接地することによって、又はプラズマチャンバ104を接地し、基板ホルダ118に負電位を与えることによって達成してよい。バイアス電源110はDCモード又は可変デューティサイクルを有するパルスモード又はACモードのいずれかで動作させてよい。抽出プレート112は一般的に、周知の設計に従って、プラズマビーム114中のイオンを、以下で詳述するように、イオン角度分布、即ち基板116に対するプラズマビーム114の入射角及び角拡散、を制御できる形で抽出するように構成される。
【0013】
装置102は、反応性ガス出口アセンブリ(ガス出口アセンブリ120として示されている)も含み、ガス出口アセンブリ120は反応性ガス128を基板116に供給することができる。ガス出口アセンブリ120はガスマニホルド122に結合され、複数のガス出口を含んでよい。ガスマニホルド122はプラズマ106のためのガス前駆体に加えて液体又は気体状の反応性ガス128のソースを含んでよい。幾つかの実施形態では、ガスマニホルド122は2以上の反応性ガスのソース及び2以上のプラズマガス前駆体のソースを含んでよく、異なるソースは異なるガスを含んでよい。ガスマニホルド122は1つのガスライン又は複数のガスラインを介してガス出口アセンブリ120に結合してよい。図1A及び1Bの例では、ガスマニホルド122はガスライン124及びガスライン126に結合され、これらの異なるガスラインは装置102の異なる部分でガス出口アセンブリ120に入る。
【0014】
システム100は更に制御システム132を含む。制御システム132はバイアス電源110、発電機108及びガスマニホルドなどのシステム100の様々なコンポーネントに結合してよい。制御システム132は、システム100の少なくとも1つのシステムパラメータを変更するように構成してよい。システムパラメータの例には、プラズマチャンバ104に供給されるRF電力のレベル、RF波形、バイアス源110により供給されるイオンビームの抽出電圧、パルスバイアス電圧のデューティサイクル及び周波数、又は基板116及び抽出プレート112間のz間隔(即ち、基板116と抽出プレート112の間のz方向の間隔)が含まれる。抽出プレート112の構造はシステムパラメータの別の例であり、抽出プレートの開口の形状又はサイズなどが含まれ得る。これらのシステムパラメータの少なくとも1つは第1の値から第2の値へ変化させることができ、プラズマビーム114は第1の値で第1の形状を有し、第2の値で第2の形状を有する。このように、プラズマビーム114のパラメータ、例えば基板への入射角、角拡散(入射角の角度範囲)など、を制御することができる。これはプラズマビーム114を用途別に基板に向けることを可能にする。例えば、基板116がパターン化された特徴部(図1Aに示されていない)を含むとき、パターン化された特徴部の垂直面はプラズマビーム114を第1の入射角に向けることによってより良く処理することができるが、水平面はプラズマビーム114を第2の入射角に向けることによってより良く処理することができる。
【0015】
次に図1Bを参照すると、特にガス出口アセンブリ120の一実施形態が示され、複数のガスオリフィス142が抽出プレート112の抽出開口140の上辺及び底辺に沿って設けられている。反応性ガス128はガスマニホルド122からガス出口アセンブリ120へ通路を通じて送られ、プラズマチャンバ104を通らないため、様々な実施形態では反応性ガス128は、イオン化されることなく、さもなければ励起されることなく、基板116に衝突し得る。このように、中性の反応性ガスが基板に供給され得る。加えて、反応性ガスは基板に衝突するときまで非解離状態(又は無傷状態)のままであり得る。反応性ガスを基板に直接供給できるこのような「ユースポイントケミストリ」を提供する能力は、ある場合には、イオン化も、解離も、励起もされてないガス種を基板と接触させることができる。他の場合には、ガス流量、基板近くのガス圧力、又は他のファクタなどの条件がプラズマビーム114との相互作用を増加するように調整されるとき、解離、ラジカル発生、励起又はイオン化が起こり得る。
【0016】
プラズマビーム114は抽出開口140のサイズ及び基板116とプラズマ106との間に設定された電圧差に応じて空間的に閉じ込めることができるが、反応性ガス128はガス出口アセンブリ120を出た後広がり得る。以下で詳述するように、プラズマビーム114のイオンと反応性ガス128が基板上で重複する領域において、基板116のエッチングが起こり得る。
【0017】
様々な実施形態では、図1B及び図1Cに示すように、抽出開口140は細長い形状にしてよい。例えば、図1Cに示すように、抽出開口140は図示のカーテシアン座標のX軸に平行な第1の方向に沿って開口幅Wを有する。抽出開口140は第1の方向に直角の第2の方向に沿って、換言すればY軸に沿って開口長Lを有し、開口幅Wは開口長Lより大きい。これはリボンビームのようなプラズマビーム114を発生し得る。いくつかの例では、Wは150mm〜300mm又はそれ以上の範囲内の値にしてよく、Lは3mm〜30mmの値にしてよい。
【0018】
基板116をその全体に亘って処理するために、基板ホルダ118は、例えば基板をY軸に平行な方向117に沿って走査してよい。次に図1Dも参照すると、様々な実施形態では、プラズマビーム114は平行ビーム、収束ビーム、又は発散ビームとしてよく、例えば30度以上のような広い角度分布(平均入射角を中心に広い入射角範囲に亘って分布した軌道)を有するイオン、又は例えば5度未満のような狭い角度分布(平均入射角を中心に狭い入射角範囲に亘って分布した軌道)を有するイオンを提供することができる。イオンは基板116の平面152の垂線150に対して非ゼロ入射角(θとして示されている)にしてよく、平面152はX−Y平面に平行にしてよい。入射角分布は異なる実施形態においてモノモード分布又はバイモード分布で特徴付けることができる。図1Dに示すように、プラズマビーム114の所定の入射角分布はプラズマ106のプラズマシース境界154の形状によって決定され得る。特に、プラズマビーム114が抽出される抽出開口140にメニスカス156が生じ得る。メニスカス156の形状は、プラズマ密度(例えば、RF電力及び/又はプラズマチャンバ内のガス圧力)、プラズマチャンバ104と基板116との間に供給される抽出電圧、又は抽出プレート−基板ホルダギャップ長などのパラメータを変化させることによって調整することができる。幾つかの実施形態では、抽出開口140を通して抽出される2つの別々のプラズマビームを画定するためにビームブロッカ(図示せず)をプラズマチャンバ104内に抽出開口140に隣接して設けてもよい。上述のようにプラズマビーム114のイオンの入射角度は制御することができる。
【0019】
図2A図2Cは、プラズマビームを本発明の実施形態によるユースポイント反応ケミストリと関連して用いる基板エッチングの一例を示す。図2Aには、ベース層204及び金属層206を含むデバイス構造202が示されている。ベース層204は2以上の層、例えば半導体ウェハ又は磁気記憶基板と他の層など、を表し得る。様々な実施形態では、金属層206は反応性イオンエッチングプロセスによりエッチングし難い金属材料又は金属材料の混合物とし得る。このような金属の例としては、Cu,Ta,Pt,Ru及び他の不揮発性金属がある。幾つかの実施形態では、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)のようなメモリデバイスの形成に使用される積層にPt,Ru及びTaなどの金属の組み合わせを使用し得る。
【0020】
金属層206をエッチングして金属層206の一部分を含む特徴部を形成するために、マスク特徴部を設けることができる。一例では、積層208は後で除去されるマスク層208、例えばハードマスク、とし得る。他の実施形態では、積層208は最終デバイスの一部分として残すべきデバイス層を含む複数の層を含んでよい。これらの異なる例では、積層208は露出領域206A及び保護領域206Bを決めるマスクとして作用する。図2Aに示す方法では、金属層206をエッチングするためにプラズマビームとともに反応性ガス210を使用し得る。幾つかの実施形態では、反応性ガス210はガス源から供給し得るが、他の実施形態では、反応性ガス210は液体源から供給し得る。図2Aに示されないが、イオンは反応性ガス210と一緒に基板200に同時に供給し得る。幾つかの実施形態では、装置102のような装置においてイオンを基板200に向けるイオンビームとともに反応性ガスが基板200に供給され得る。
【0021】
様々な実施形態では、反応性ガス210が基板200の表面に供給され、反応性ガス210は吸収種であり、凝集して基板200の表面上に吸収層を形成する。図2Aに示すように、反応性ガスはコンフォーマルコーティング(コーティング216として示されている)を形成することができ、本例ではコンフォーマル吸収コーティングである。具体的には、コーティング216は金属層206の表面220上のみならず積層208の側壁上にも堆積される。幾つかの実施形態では、反応性ガス210は有機分子を含んでよく、特定の実施形態では、反応性ガス210は極性分子を含んでよい。反応性ガス210に適した分子の例として、メタノール(CH−OH)、エタノール(CH−CH−CH)、イソプロパノール(CH−CHOH−CH)、ジメチルエーテル(CH−O−CH)又はアセトン(CH−CO−CH)、又は他の反応物質を含んでよい。これらの実施形態はこの文脈で限定されない。場合によっては、反応性ガス210は、基板表面を覆って均一に堆積され、3次元構造を均一に被覆するコーティング216を形成してもよい。
【0022】
次に図2Bを参照すると、金属層206をエッチングするその後のシナリオが示されている。この例では、正イオンとして示されているイオン212が基板200に向けられている。イオン212は、例えば図1Aに示すプラズマビーム中の複数の有向イオンを表している。イオン212は、図に示すように、垂線150に対して非ゼロ入射角を成してよい。換言すれば、イオン212の軌道は側壁218に平行にならず、イオン212又は同様の軌道を有するイオンの群は基板212のみならず側壁218にも衝突し得る。図2Bのシナリオでは、イオン212はコーティング216を貫通して金属層206に衝突し、金属層206から金属原子などの金属種をスパッタ除去(スパッタエッチ)し得る。このプロセスは繰り返し起こり、露出した領域206Aから金属をエッチ除去することができる。図2Bに更に示されるように、金属種214のようなスパッタされた金属は、反応性ガス210、例えば金属層206に吸収されたコーティング216内の反応性ガス又は金属層206の近くの反応性ガスと反応し得る。こうして、反応性ガス210からの材料及び金属種214を含む揮発性エッチング生成物が生成され得る。揮発性エッチング生成物224は図に示すように気相に入って基板200から離れて輸送され得る。
【0023】
スパッタされた金属種が側壁218などの望ましくない部分に再堆積するのを防ぐために、反応性ガス210の種を凝集させることによってコーティング216を補充してよい。反応性ガスはナノメートル以下の厚さのコーティングを形成することができ、エッチングされた種、例えば金属原子又は揮発性エッチング生成物224など、の再堆積に適さない表面をもたらす。従って、金属層206はスパッタリングと反応ガス210との反応の組み合わせによって除去することができ、この場合には反応性ガスが金属層206の表面上の吸収コーティングに与えられる。更に、反応性ガス210はコーティング216内で凝集することができ、コーティング216はエッチングされた金属含有材料の再堆積を禁止することができる。
【0024】
次に図2Cを参照すると、図2A及び2Bのプロセスが露出領域206A内の金属層206をエッチングした後の状態が示されている。本例では、露出領域206Aが完全に除去され、金属層206のパターン化された特徴部206Cが生成される。図に示すように、パターン化された特徴部206Cも積層208も側壁218のための垂直側壁を有し、つまり、側壁はZ軸に平行に延在する。更に、側壁218にエッチング生成物が再堆積されず、エッチング生成物は揮発性エッチング生成物224又は金属層206から除去される他の材料とし得る。エッチング生成物のない垂直側壁の生成は、コーティング216の形成とエッチング中に与えられるイオン、例えばイオン212、の方向性の組み合わせの結果生じ得る。イオンを垂線150に対して非ゼロ角度で与えることによって、その非ゼロ角度が制御システム132により調整可能である場合には、例えば積層208及びパターン化された特徴部206Cの垂直側壁プロファイルを維持することを確実にするために、イオンを適切な入射角度で適切な表面に向けることができる。
【0025】
幾つかの実施形態では、複数の不揮発性金属層を含む積層をエッチングするために図2A〜2Cに示すプロファイルを複数回実行してよい。例えば、MRAMメモリセル内の積層は複数の層、例えば複数の磁性層、MgO層、並びに複数のコンタクト層などを含むことができ、コンタクト層はTa,Pt,Fe,Co,Ru,Ti又は他の不揮発性金属で構成され得る。
【0026】
って、図2A〜2Cのプロセスは多数のコンタクト層をエッチングするために使用し得る。図2Dは本発明の実施形態によるユースポイント反応ケミストリを用いてエッチングした後に得られるデバイス構造240の一例を示す。デバイス構造240はピラー構造242として示された複数のピラー構造を含み、これらのピラー構造は積層234をエッチングして形成される。積層234内には層232及び層236などの複数の層が示され、層232及び層236は不揮発性金属である。層232及び層236は図2A〜2Cに示す処理を受けるので、エッチングは側壁238への再堆積を避けながら行われる。従って、ピラー構造242は垂直プロファイルを有し、その側壁はZ軸に平行である。加えて、層232及び層236がエッチングされる際に金属が側壁218に再堆積されることもない。
【0027】
幾つかの実施形態では、層232及び層236のエッチングは装置102のような装置で実行することができる。ピラー構造242がメモリデバイスの一部分である例では、そのメモリデバイスは、メモリデバイスを形成するピラーのアレイを有する多数のダイを含むシリコンウェハ又は他の基板に形成され得る。図2A〜2Cに示すエッチングは、シリコンウェハのような所定の基板を抽出開口140に対して走査させることによって基板を横断して実行することができる。幾つかの実施形態では、エッチングは所定の層又は積層のエッチングを達成するために基板を複数回往復走査することによって実行してよい。特定の実施形態では、イオンを基板に向けながら、反応性ガスを全エッチングプロセスの間基板に供給してよい。他の実施形態では、反応性ガスは間欠的に、例えば10回の基板走査のうち1回の走査中に供給してよい。
【0028】
幾つかの実施形態では、基板116のような基板の基板温度は、反応性ガスの凝集層による基板構造の被覆がエッチング中維持されることを確実にするために、目標温度範囲内に維持し得る。この目標温度範囲は、例えば反応性ガスに使用される分子に応じて調整し得る。様々な実施形態では、目標温度範囲は−60℃〜+400℃とし得る。
【0029】
図3A及び図3Bはエッチング中のユースポイント反応ケミストリの使用がその結果得られるピラーデバイス構造に与える影響を示す結果を提供する。図3Aには不揮発性金属層を含む積層をエッチングすることによって形成されたピラー構造304の電子顕微鏡写真が示され、その不揮発性金属層はアルゴンイオンを用いてエッチングされている。ピラー構造304は、中央部306を含み、側壁310上に10nmの幅を有する側壁堆積物312を含む。図3Bには、不揮発性金属層を含む積層をエッチングすることによって形成されたピラー構造314の電子顕微鏡写真が示され、その不揮発性金属層はエッチング中にアルゴンイオンに加えてメタノールガスを供給することによってエッチングされている。ピラー構造314は中央部306を含むが、側壁310上に側壁堆積物を含まない。従って、本例では角度が付けられたアルゴンイオンビームでエッチングしながらメタノールを直接基板に供給することによって側壁への材料の再堆積が生じない。特に、再堆積は、数あるファクタの中で特に基板温度、基板に供給されるメタノールの量、イオンの入射角度などのファクタを調整することによって接続することができる。幾つかの実験において、130nmほどの小ピッチを有するMRAMアレイについて電気的及び磁気的測定を行った。メタノールとアルゴンイオンの混合物のようなエッチング用混合物を用いて本発明の実施形態に従って処理されるとき、メタノールがプラズマチャンバを通過しないで基板に直接供給される場合には、アレイは98−100%の歩留まりを示した。この歩留まりは側壁への金属再堆積による歩留まり損失が殆ど又は全く生じないことを示している。
【0030】
上述した実施形態は基板への非解離ガス及び非励起反応性ガスの供給を重視するが、幾つかの実施形態では、反応性ガス分子の一部分が基板に衝突する前に励起又はイオン化されてもよく、また部分的に又は完全に解離されてもよい。このような種の一部分は、側壁へのエッチング生成物の再堆積を抑制するために凝集ガス種の層又はコーティングを維持しながら反応性を促進するように調整することができる。
【0031】
図4は典型定なプロセスフロー400を示す。ブロック402において、プラズマからプラズマビームを抽出する処理が実行され、そのプラズマビームは基板の平面の垂線に対して非ゼロの入射角をなすイオンを含む。幾つかの実施形態では、プラズマビームは第1の方向に沿う開口幅と第1の方向に直角の第2の方向に沿う開口長を有する抽出開口を通して抽出されてよく、開口幅は開口長より大きく、プラズマビームはリボンビームである。
【0032】
ブロック440において、ガス源からの反応性ガスを基板に向ける処理が実行され、反応性ガスはプラズマ中を通過しない。幾つかの実施形態では、反応性ガスはガス出口システムを通して基板に供給され、反応性ガスは基板に衝突する際に中性及び未分解状態に維持される。
【0033】
本発明の実施形態は基板に特徴部を形成する従来のプロセスに優る様々な利点を提供する。一つの利点は、不揮発性金属層のエッチングをパターン化される特徴部へのエッチ除去材料の再堆積を回避又は低減しながら実行してパターン化された特徴部を形成することができる能力にある。別の利点は、エッチング中にスパッタリングイオンと反応性ガスの独立した調整を提供するためにスパッタリングイオンと反応性ガスを独立に基板に供給することができる能力にある。
【0034】
本発明の要旨は本明細書に記載されている具体的な実施形態により特定される範囲に限定されない。実際には、以上の記載及び添付図面の内容から、本明細書に記載された実施形態に加えて、本発明に対する他の様々な実施形態及び変更例が当業者に明らかであろう。従って、このような他の実施形態及び変更例は本開示の範囲に含まれることを意図している。更に、本発明は特定の目的のために特定の環境において特定の実施形態の文脈にて記載されているが、当業者は、その有用性はこれに限定されないこと及び、本発明は多くの目的のために多くの環境において有益に実行可能であることを認識するであろう。従って、以下に記載する請求項は本明細書に記載される本発明の全範囲及び精神に鑑みて解釈されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A-2B】
図2C-2D】
図3A-3B】
図4