(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では添付図面に基づいて本発明をより詳細に説明する。
【0025】
以下の説明に使われる構成要素に対する接尾辞“モジュール”及び“部”は単純にこの明細書作成の容易性のみを考慮して付与するもので、そのものとして特別に重要な意味又は役割を付与するものではない。よって、前記“モジュール”及び“部”は互いに混用されることもできる。
【0026】
第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使えるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで使われる。
【0027】
この出願で、“含む”又は“有する”などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらの組合せなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものに理解されなければならない。
図1は本発明の実施例による無線電力システムの内部ブロック図の一例である。
【0028】
図面に基づいて説明すれば、無線電力システム10は、無線で電力を伝送する無線電力伝送装置100及び無線伝送された電力を受ける無線電力受信装置200を含むことができる。
【0029】
無線電力伝送装置100は、コイル181の磁場を変化させることにより、受信コイル281に電流が誘導される磁気誘導現象を用いて、無線電力受信装置200に電力を伝達することができる。ここで、無線電力伝送装置100及び無線電力受信装置200はWPC(Wireless Power Consortium)又はPMA(Power Matters Alliance)に定義される電磁気誘導方式の無線充電方式を用いることができる。もしくは、無線電力伝送装置100及び無線電力受信装置200は、A4WP(Alliance for Wireless Power)で定義された磁気共鳴方式の無線充電方式を用いることができる。
無線電力伝送装置100は、無線で電力を伝送して無線電力受信装置200を充電させることができる。
【0030】
実施例によって、単一の無線電力伝送装置100が複数の無線電力受信装置200を充電することもできる。ここで、無線電力伝送装置100は、時分割方式で複数の無線電力受信装置200に電力を分配して伝送することができるが、これに限定されない。他の例として、無線電力伝送装置100は、無線電力受信装置200別に割り当てられた相異なる周波数帯域を用いて複数の無線電力受信装置200に電力を分配して伝送することができる。一つの無線電力伝送装置100に連結可能な無線電力受信装置200の台数は、無線電力受信装置200別の要求電力量、無線電力伝送装置100の可用電力量などを考慮して適応的に決定することができる。
【0031】
さらに他の実施例で、複数の無線電力伝送装置100が少なくとも一つの無線電力受信装置200を充電することも可能である。この場合、少なくとも一つの無線電力受信装置200は、複数の無線電力伝送装置100と同時に連結されることができ、連結された無線電力伝送装置100から同時に電力を受信して充電を遂行することができる。ここで、無線電力伝送装置100の台数は、無線電力受信装置200別の要求電力量、無線電力伝送装置100の可用電力量などを考慮して適応的に決定することができる。
無線電力受信装置200は、無線電力伝送装置100から伝送された電力を受けることができる。
【0032】
例えば、無線電力受信装置200は、携帯電話(mobile phone)、ノートブック型パソコン(laptop computer)、スマートワッチ(Smart watch)のようなウェアラブルデバイス、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーション、MP3プレーヤー、電動歯ブラシ、照明装置、又はリモートコントローラーであってもよいが、本発明はこれに限定されなく、バッテリー充電の可能な電子機器であれば十分である。
【0033】
無線電力伝送装置100及び無線電力受信装置200は両方向通信することができる。実施例によって、無線電力伝送装置100及び無線電力受信装置200が、一方向通信又は半二重通信することもできる。
【0034】
ここで、通信方式は、同じ周波数帯域を用いる帯域内(in−band)通信方式及び/又は互いに異なる周波数帯域を用いる帯域外(out−of−band)通信方式であってもよい。
【0035】
一例として、無線電力伝送装置100と無線電力受信装置200との間に交換される情報は、相互間の状態情報、電力使用量情報、バッテリー充電情報、バッテリー出力電圧/電流情報、制御情報などを含むことができる。
図2は
図1の無線電力システム内の無線電力伝送装置の内部ブロック図である。
【0036】
図面を参照して説明すれば、無線電力伝送装置100は、商用交流電源405を直流電力に変換するコンバーター110と、直流電力を交流電力に変換する無線電力駆動部170と、変換された交流電力を用いて無線で電力を伝送するコイル部180とを備えることができる。
【0037】
また、無線電力伝送装置100は、電力伝達及び通信のために、無線電力伝送装置100内の内部構成を制御する制御部160と、複数のコイル181〜184の少なくとも一つのコイルを含むようにコイル組合せを生成するコイル組合生成部161と、所定の通信方式で無線電力受信装置200と通信する第1通信部140及び第2通信部150と、複数のコイルのそれぞれのインダクタンス変化を感知する第1感知部131と、複数のコイルのそれぞれの品質係数変化を感知する第2感知部133と、無線電力伝送装置100の駆動のための制御プログラムなどを記憶するメモリ120とをさらに含むことができる。
【0038】
無線電力伝送装置100は、直流電力によって動作し、この直流電力は商用交流電源を直流電力に変換するコンバーター110によって供給されることができる。
【0039】
コンバーター110は、商用交流電源405を直流電力に変換して出力することができる。図面では、商用交流電源405を単相交流電源として示しているが、三相交流電源であってもよい。商用交流電源405の種類によってコンバーター110の内部構造も変わることができる。
一方、コンバーター110は、スイッチング素子なしにダイオードなどからなり、別途のスイッチング動作なしに整流動作を遂行することもできる。
【0040】
例えば、単相交流電源の場合、4個のダイオードがブリッジ形態で使われることができ、3相交流電源の場合、6個のダイオードがブリッジ形態で使われることができる。
【0041】
一方、コンバーター110は、例えば2個のスイッチング素子及び4個のダイオードが連結されたハーフブリッジ型のコンバーターが使われることができる。3相交流電源の場合、6個のスイッチング素子及び6個のダイオードが使われることもできる。
【0042】
制御部160は、無線電力伝送の際、コンバーター110からの直流電力が無線電力駆動部170に供給される場合、電力駆動部170を制御して、無線電力受信装置200に無線で電力を伝送することができる。ここで、無線電力駆動部170は直流電力を無線電力伝送のための交流電力に変換することができる。
【0043】
具体的に、制御部160は、PWM信号を発生するPWM発生部160a、及びPWM信号に応じて駆動信号Sicを生成して出力するドライバー160bを備えることができる。
【0044】
制御部160は、電力伝送量、無線電力駆動部170に流れる電流値などに基づいてPWM信号のデューティーを決定することができる。PWM発生部160aは、PWM信号のデューティーに基づいてPWM信号を発生させることができる。ドライバー160bは、PWM信号に応じて、無線電力駆動部170の駆動のための駆動信号Sicを出力することができる。
【0045】
無線電力駆動部170は、直流電力を交流電力に変換するための少なくとも一つのスイッチング素子(図示せず)を備えることができる。例えば、スイッチング素子がIBGTの場合、ドライバー160bからゲート駆動信号が出力されてスイッチング素子のゲート端子に入力されることができる。また、ゲート駆動信号に応じて、スイッチング素子がスイッチング動作を遂行することができる。スイッチング素子のスイッチング動作によって直流電力が交流電力に変換されてコイル部180に出力されることができる。
一方、実施例によって、無線電力駆動部170を制御部160内の構成として含むこともできる。
【0046】
コイル部180は、複数のコイル181〜184(以下、区分の必要がない場合、181という)を含むことができる。複数のコイル181は、部分的に重畳することができる。
コイル部180は、複数のコイル181から選択されたいずれか一つのコイル組合せを介して、無線電力受信装置200に無線で電力を伝送することができる。
複数のコイル181は、
図3の受信コイル281との区分のために、複数の伝送コイル181と名付けることもできる。
【0047】
一方、複数の伝送コイル181は受信コイル281から離隔しているので漏洩インダクタンスが高く、結合係数(coupling factor)が低いので伝送効率が低い。
【0048】
したがって、本発明の無線電力伝送装置100は、伝送効率を向上させるために、複数の伝送コイル181のそれぞれにキャパシタを連結して、受信コイル281と共振回路を形成することができる。
したがって、コイル部180が共振回路を形成する場合、コイル部180を共振回路部180と名付けることができる。
【0049】
共振回路部180は、複数のコイル181〜184と複数のコイル181〜184にそれぞれ接続される複数のキャパシタ素子185〜188を含むことができる。
複数のキャパシタ素子185〜188は、複数のコイル181〜184のそれぞれに直列で接続されて共振回路を形成することができる。
【0050】
実施例によって、
図2とは違い、複数のキャパシタ素子185〜188は、複数のコイル181〜184のそれぞれに並列で接続されて共振回路をなすこともできる。
複数のコイル181〜184及び複数のキャパシタ素子185〜188は、電力伝送の共振周波数を決定することができる。
共振回路部180は、複数のコイル181の一側に配置され、漏洩される磁場を遮蔽する遮蔽材(
図4の190)をさらに含むことができる。
一方、共振回路部180の構造について、
図4以降でより詳細に説明する。
コイル組合生成部161は、複数のコイル181の少なくとも一つのコイルを含むようにコイル組合せを生成することができる。
【0051】
第1通信部140は、無線電力受信装置200と第1通信方法で通信することができる。第1通信部140は、無線電力伝送装置100の状態情報、電力制御情報などを所定の信号処理して無線電力受信装置200に伝送し、無線電力受信装置200の状態情報、電力使用量情報、充電効率情報などを受信して所定の信号処理した後、制御部160に伝送することができる。
【0052】
第2通信部150は、無線電力受信装置200と第1通信方法とは違う第2通信方法で通信することができる。第2通信部150も、無線電力伝送装置100の状態情報、電力制御情報などを所定の信号処理して無線電力受信装置200に伝送し、無線電力受信装置200の状態情報、電力使用量情報、充電効率情報などを受信して所定の信号処理した後、制御部160に伝送することができる。
【0053】
第1通信部140及び第2通信部150は、無線電力伝送装置100から送出されるデータ信号及び無線電力受信装置200から受信されるデータ信号を変復調(modulation/demodulation)するための変復調部(図示せず)をさらに含むことができる。
【0054】
また、第1通信部140及び第2通信部150は、無線電力受信装置200からのデータ信号をフィルタリングするフィルター部(図示せず)をさらに含むことができる。ここで、フィルター部(図示せず)は、バンドパスフィルター(Band Pass Filter:BPF)を備えることができる。
【0055】
一方、第1通信方法は、無線電力受信装置200と同じ周波数帯域を使う帯域内(in−band)通信方法であってもよく、第2通信方法は、無線電力受信装置200と異なる周波数帯域を使う帯域外(out−of−band)通信方法であってもよい。
無線電力伝送装置100は、無線電力受信装置200の電力情報に基づいて通信方法を変更することができる。
【0056】
一方、充電面に物体(object)が置かれた場合、複数のコイル181〜184のインダクタンスが変わることができる。また、物体(object)の種類及び物体(object)が置かれる位置によって、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化量が異なることもある。
【0057】
例えば、無線電力受信装置200は、高い透磁率を有するマグネチックシールド(遮蔽材)を含むから、無線電力受信装置200が第1コイル181に整列(align)される場合、第1コイル181のインダクタンス値が増加することができる。
他の例として、金属物質が第1コイル181に整列(align)される場合、第1コイルのインダクタンス値が減少することができる。
第1感知部131は、共振周波数fonの変化に基づいて、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化を感知することができる。
【0058】
具体的に、共振周波数fonが式1〔f
on=1/2π√LC (式1)〕によって演算されるので、第1感知部131は、共振回路部180の共振周波数によって複数のコイル181のそれぞれのインダクタンス変化を感知することができる。
【0059】
ここで、共振周波数fonは、複数のコイル181〜184又は複数のキャパシタ185〜188の両端で獲得される電圧の大きさに基づいて演算されることができる。
【0060】
より詳細に、第1感知部131は、周波数をスイープ(sweep)し、複数のコイル181〜184又は複数のキャパシタ185〜188の両端電圧を感知することができる。ここで、周波数は無線電力伝送装置100の動作周波数を意味することができる。
【0061】
第1感知部131は、周波数を低周波数から高周波数にスイープ(sweep)しながら複数のコイル181〜184又は複数のキャパシタ185〜188の両端電圧を感知することができる。
【0062】
したがって、複数のコイル181〜184又は複数のキャパシタ185〜188の両端電圧を感知する第1電圧感知部(図示せず)を第1感知部131の構成として含むことができる。
周波数が増加するにつれて、複数のコイル181〜184又は複数のキャパシタ185〜188の両端電圧は徐々に上昇してから再び下降することができる。
【0063】
第1感知部131は、周波数スイープ(sweep)によって複数のコイル181〜184の両端で獲得される最大電圧利得に基づいて複数のコイル181〜184のそれぞれの共振周波数fonを演算することができる。
第1感知部131は、最大電圧利得に対応する周波数を複数のコイル181〜184のそれぞれの共振周波数fonで演算することができる。
【0064】
一方、物体(object)の種類及び物体(object)が置かれる位置によって、複数のコイル181〜184のそれぞれの共振周波数fonが異なることができ、第1感知部131は、それぞれの共振周波数fonによって、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンスを演算し、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化を感知して制御部160に伝送することができる。
【0065】
一方、充電面に物体(object)が置かれた場合、複数のコイル181〜184の両端電圧が変わるので、複数のコイル181〜184の品質係数(Quality factor:Q)も変わることができる。
【0066】
第2感知部133は、周波数スイープによって複数のコイル181〜184の両端で獲得される最大電圧利得に基づいて、複数のコイル181〜184のそれぞれの品質係数(Q)を演算することができる。
具体的に、品質係数(Q)は式2〔Q=V2/V1 (式2)〕によって演算することができる。ここで、Qは品質係数、V2は最大電圧利得、V1は入力電圧であり得る。
【0067】
すなわち、第2感知部133は、周波数スイープ(sweep)によって複数のコイル181〜184の両端で獲得される最大電圧利得に基づいて複数のコイル181〜184のそれぞれの品質係数(Q)を演算することができる。
【0068】
したがって、複数のコイル181〜184又は複数のキャパシタ185〜188の両端電圧を感知する第2電圧感知部(図示せず)を第2感知部133の構成として含むことができる。
【0069】
一方、物体(object)の種類及び物体(object)が置かれる位置によって、複数のコイル181〜184のそれぞれの最大電圧利得V2が異なることができ、第2感知部133は、それぞれの最大電圧利得V2によって、複数のコイル181〜184のそれぞれの品質係数(Q)を演算し、複数のコイル181〜184のそれぞれの品質係数変化を感知して制御部160に伝送することができる。
メモリ120は、無線電力伝送装置100の動作のためのプログラムを記憶することができる。
また、メモリ120は、充電面の物体を感知するために、複数のコイルから送出されるそれぞれの物体感知信号の送出強度を記憶することができる。
また、メモリ120は、複数のコイルから送出されるそれぞれのコイル選択信号の送出強度を記憶することができる。
ここで、物体感知信号の送出強度及びコイル選択信号の送出強度は、工場校正(factory calibration)されたものであり得る。
【0070】
具体的に、本発明の複数のコイル181〜184は、
図4のように、部分的に重なって層を形成するので、それぞれのコイルで同じ送出強度で物体感知信号及びコイル選択信号を送出する場合、無線電力受信装置200が配置される充電面でのそれぞれの物体感知信号及びコイル選択信号の強度は異なることがあり得る。
【0071】
このような充電面での物体感知信号及びコイル選択信号の強度差は、物体(object)感知及び動作コイル組合せにおいてエラーを引き引き起こすことができる。
【0072】
本発明は、このような問題点を解決するために、物体感知信号の送出強度及びコイル選択信号の送出強度を、それぞれのコイルと無線電力受信装置200が配置される充電面間の距離を補償して設定することができる。
例えば、充電面とコイル間の距離が大きいほど物体感知信号の送出強度及びコイル選択信号の送出強度が大きくなるように設定されることができる。
例えば、充電面とコイル間の距離が大きいほど物体感知信号の送出強度及びコイル選択信号の送出強度が大きくなるように設定されることができる。
【0073】
これにより、無線電力受信装置200が配置される充電面でのそれぞれの物体感知信号の強度はいずれも同一であることができる。また、充電面でのそれぞれのコイル選択信号の強度はいずれも同一であることができる。一方、補償された物体感知信号の送出強度及びコイル選択信号の送出強度は、工場校正(factory calibration)された値であり、メモリ120に記憶されることができる。
【0074】
メモリ120は、正常状態で、基準共振周波数変化量、基準品質係数変化量、及び基準インダクタンス変化量を記憶することができる。ここで、正常状態は、充電面に異物質なしに無線電力受信装置200のみ存在する場合を意味することができる。
特に、メモリ120は、基準品質係数変化量及び基準インダクタンス変化量に基づいて演算された基準領域についての情報を記憶することができる。
メモリ120は、後述する特徴値の組合せに対応する複数の基準領域を記憶することができる。
制御部160は、無線電力伝送装置100の全般的な動作を制御することができる。
【0075】
制御部160は、コイル組合生成部161によって生成されたコイル組合せから、無線電力伝送に使うべき動作コイル組合せを選択し、選択された動作コイル組合せを介して無線電力受信装置200を充電させることができる。
具体的に、制御部160は、コイル組合せに含まれたコイルを介して、コイル選択信号を送出し、コイル選択に対する応答信号を受信することができる。
【0076】
また、制御部160は、応答信号の強度及び無線電力受信装置200の充電効率に基づき、コイル組合せのうち、無線電力に使われる動作コイル組合せを選択することができる。
制御部160は、動作コイル組合せを介して、無線電力受信装置200に無線で電力を伝送することができる。
【0077】
一方、コイル組合生成部161は、複数のコイル181を介して物体感知信号を送出し、物体感知信号に対する電流変化量に基づいて無効コイルを演算することができる。
また、コイル組合生成部161は、複数のコイル181のうち、無効コイルを除き、有効コイル組合せを生成することができる。
ここで、制御部160は、有効コイル組合せから、無線電力に使われる動作コイル組合せを選択することができる。
【0078】
一方、コイル組合生成部161は、コイル部180を介して受信した無線電力受信装置200の固有情報に基づき、無線電力受信装置200の電力を演算し、演算された無線電力受信装置200の電力に基づいて動作コイルの個数を演算することもできる。
また、コイル組合生成部161は、動作コイルの個数によってコイル組合せを生成することができる。
【0079】
一方、コイル組合生成部161は、
図2とは違い、制御部160に含まれる構成であってもよい。すなわち、コイル組合生成部161は、制御部160の一部構成として具現されることができる。
特に、制御部160は、充電面の異物質の存在有無を演算することができる。
【0080】
具体的に、制御部160は、第1感知部131が感知した複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化情報及び第2感知部133が感知した複数のコイル181〜184のそれぞれの品質係数変化情報を受信して、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化量(ΔL)及び品質係数変化量(ΔQ)を演算することができる。
【0081】
制御部160は、インダクタンス変化量(ΔL)及び品質係数変化量(ΔQ)に基づいて異物質検出のための複数の特徴値を演算することができる。ここで、特徴値は、充電面に物体(object)又は異物質(foreign object)が置かれた場合、変化する因子(factor)のうち、異物質検出のために、本発明で特別に使われる因子を意味することができる。
【0082】
ここで、複数の特徴値は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)、平均品質係数変化量(ΔQ/4)、最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)、及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)であり得る。
【0083】
本発明の無線電力伝送装置100は、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化量(ΔL)及び/又は品質係数変化量(ΔQ)のみで充電面の異物質を検出するものではなく、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)、平均品質係数変化量(ΔQ/4)、最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)、及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)を使用して充電面の異物質を検出するので、それぞれのインダクタンス変化量(ΔL)及び/又は品質係数変化量(ΔQ)の閾値(thresold)の変化に敏感に反応しなく、より広い領域でより正確な異物質検出が可能である。
【0084】
制御部160は、複数の特徴値から特徴値の組合せを選択することができる。制御部160は、複数の特徴値から選択された特徴値の組合せが座標平面上の基準領域に含まれるかによって充電面の異物質存在有無を演算することができる。
【0085】
本発明の無線電力伝送装置100は、インダクタンス変化量(ΔL)及び品質係数変化量(ΔQ)から抽出された複数の特徴値を座標平面に表示して異物質を2次元的に検出するので、インダクタンス変化量(ΔL)又は品質係数変化量(ΔQ)のいずれか一つのみに基づいて1次元的に異物質を検出する場合より、正確な異物質検出が可能である。
【0086】
一方、無線電力伝送装置100の異物質検出方法については、
図7以降でより詳細に説明する。一方、本発明の無線電力伝送装置100の複数のコイル181〜184のそれぞれの温度、無線電力受信装置200に伝達される電力の電圧、電流などを測定するセンシング部(図示せず)をさらに含むことができる。ここで、制御部160は、センシング部によって測定された電圧、電流、温度情報などに基づいて、無線電力受信装置200への無線電力伝送を中断することができる。
図3は
図1の無線電力システム内の無線電力受信装置の内部ブロック図である。
【0087】
図面を参照して説明すると、無線電力受信装置200は、無線電力伝送装置100から無線電力を受信する電力受信部280と、受信された無線電力を整流する整流部210と、整流された無線電力を安定化するスイッチングレギュレーター220と、スイッチングレギュレーター220を制御して負荷動作電源を出力するスイッチングレギュレーター制御部230とを含むことができる。
また、無線電力受信装置200は、無線電力伝送装置100と通信するための第1通信部240及び第2通信部150をさらに含むことができる。
【0088】
電力受信部280は、コイル部180から伝送された無線電力を受信することができる。このために、電力受信部280は、受信コイル281を備えることができる。
【0089】
受信コイル281は、複数のコイル181〜184のいずれか一つのコイルで発生した磁場によって、誘導起電力を発生することができる。誘導起電力による無線電力が、後述する整流部210、スイッチングレギュレーター220を介して、無線電力を使う負荷に直接供給されるか、負荷がバッテリーの場合、電力はバッテリーを充電するために用いられることができる。
【0090】
受信コイル281は、プリント基板(PCB)に薄膜形態の導電性パターンに形成されることができる。受信コイル281は、閉ループ形状に受信パッド(図示せず)に印刷されることができる。受信コイル281の極性は、同じ方向に極性を有するように巻回する形状であり得る。
【0091】
一方、無線電力受信装置200は、無線電力伝送装置100内の共振回路部180と共振回路を形成するためのキャパシタ素子(図示せず)をさらに含むことができる。ここで、キャパシタ素子(図示せず)は、受信コイル281に直列で又は並列で接続されることができる。
【0092】
整流部210は、無線電力伝送装置100からの無線電力の受信時、受信コイル281を介して受信される無線電力を整流することができる。整流部210は、少なくとも一つのダイオード素子(図示せず)を含むことができる。
【0093】
スイッチングレギュレーター220は、スイッチングレギュレーター制御部230の制御によって、整流された無線電力を、バッテリーに供給される充電電力vとして出力することができる。
【0094】
スイッチングレギュレーター制御部230は、スイッチングレギュレーターにレギュレーター制御信号Srcを印加して、充電電力vが出力されるように制御することができる。
【0095】
一方、スイッチングレギュレーター220は、スイッチングレギュレーター制御部230のレギュレーター制御信号Srcに応じてDC−DCコンバーティングを行って出力電圧を調節することができる。スイッチングレギュレーター220は、レギュレーター制御信号Srcに基づき、出力電圧を制御して指定の大きさの電圧を有する充電電力vを出力することができる。
【0096】
一方、無線電力受信装置200には別途のマイクロプロセッサーが含まれなく、整流された充電電力vがスイッチングレギュレーターによって所定の大きさの電圧で出力されるとき、スイッチングレギュレーター制御部230によってスイッチングレギュレーターが制御されることができる。無線電力受信装置200がマイクロプロセッサーを備えない場合、ハードウェアの構成が簡素化し、消費電力が減少する効果がある。
図4は
図2のコイル部の構造を説明するための図、
図5は
図4のコイル部の階層構造を示す斜視図である。
図面を参照して説明すると、本発明の実施例によるコイル部180は、第1〜第4コイル181〜184を含むことができる。
【0097】
コイル部180が単一の大型コイルではない第1〜第4コイル181〜184を備えることにより、充電面の自由度を向上させることはもちろんのこと、大型コイルの漂遊磁界(stray magnetic fields)による電力効率の低下を防止することができるようになる。
【0098】
第1〜第4コイル181〜184は、互いに一部領域が重畳して配置されることができる。具体的に、
図4のように、第1コイル181は第2コイル182と互いに一部領域が重畳し、第2コイル182は第3コイル183と互いに一部領域が重畳し、第3コイル183は第4コイル184と一部領域が重畳することができる。
【0099】
第1〜第4コイル181〜184の重畳領域は、充電不可の領域であるデッドゾーン(dead zone)が最小になるように設定されることができる。具体的に、第1〜第4コイル181〜184の重畳領域は、充電領域中心部のデッドゾーンが最小になるように設定されることができる。
【0100】
第1〜第4コイル181〜184は、既設定の外側長ho、内側長hi、外側幅wo、内側幅wi、厚さ及び巻線数に製造されることができる。また、第1〜第4コイル181〜184の外側長ho、内側長hi、外側幅wo、内側幅wiは同一であり得る。
【0101】
一方、第4コイル184は、無線電力受信装置200に最も近くに配置されるので、第4コイル184のインダクタンスは第1〜第3コイル181〜183のインダクタンスより小さく設定されることができる。これは、コイル部180の表面の電力伝送量又は電力効率を一定にするためである。
【0102】
第1〜第4コイル181〜184は遮蔽材190上に配置されることができる。遮蔽材190は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ホウ素(B)、珪素(Si)などからなる群から選択される1種又は2種以上の元素の組合せからなるフェライトを含むことができる。遮蔽材190はコイルの一側に配置され、漏洩される磁場を遮蔽し、磁場の方向性を極大化することができる。
【0103】
遮蔽材190は、第1〜第4コイル181〜184が配置された面積より大きな面積に形成されることができる。例えば、
図4及び
図5のように、遮蔽材190は、第1〜第4コイル181〜184の横方向外側からa1の間隔で延設されることができる。また、遮蔽材190は、第1〜第4コイル181〜184の縦方向外側からa1の間隔で延設されることができる。
遮蔽材190が第1〜第4コイル181〜184の外側長より大きく形成されることにより、漏洩磁場が低減し、磁場の方向性が極大化することができる。
【0104】
一方、第1〜第4コイル181〜184は互いに一部領域が重畳して配置されるので、重畳しない領域で浮き上がり現象が発生し得る。例えば、
図5で、第1コイル181と第2コイル182は互いに一部領域のみ重畳するので、重畳しない領域にd1の離隔距離が発生し得る。
【0105】
このような離隔距離によって、第2コイル182の漏洩磁場が遮蔽できなくて、無線電力伝送装置100の伝送効率が低下することはもちろんのこと、磁場の方向が分散されることができる。また、このような離隔距離のため、無線電力伝送装置100が外部衝撃によって易しく破損することができる。
本発明は、このような問題を解決するために、第1〜第4コイル181〜184と遮蔽材190が層を成して形成されることができる。
より詳細に、コイル部180の第1層ly1には、基礎(base)遮蔽材191が配置されることができる。
基礎遮蔽材191の上側の第2層ly2には、第1コイル181と第1遮蔽材192が配置されることができる。
【0106】
第1コイル181の上側の第3層ly3には、第1コイル181と部分的に重なる第2コイル182が配置されることができる。ここで、第2層ly2に配置される第1遮蔽材192が、第1コイル181及び第2コイル182の重畳構造によって発生する浮き上がり現象を防止するようになる。
同様に、コイル部180の第3層ly3には、第2コイル182だけでなく第2遮蔽材193も配置されることができる。
【0107】
第2コイル182の上側の第4層ly4には、第2コイル182と部分的に重なる第3コイル183が配置されることができる。ここで、第3層ly3に配置される第2遮蔽材193が、第2コイル182と第3コイル183の重畳構造によって発生する浮き上がり現象を防止するようになる。
【0108】
また、コイル部180の第4層ly4には、第3コイル183だけでなく第3遮蔽材194も配置されることができ、第3遮蔽材194は、第3コイル183と第4コイル184の重畳構造による浮き上がり現象を防止することができる。
【0109】
また、第1〜第4コイル181〜184は、浮き上がり現象なしに、遮蔽材190(基礎遮蔽材191及び第1遮蔽材〜第3遮蔽材192〜194を含む)に接着されなければならないので、遮蔽材の厚さtkfは、第1〜第4コイル181〜184の厚さtkcと同一であることが好ましい。
【0110】
一方、
図5にはコイル部180の各層(layer)が離隔したものとして示されているが、これは説明の便宜のためのものであり、コイル部180の各層は互いに密着することができる。
【0111】
コイル部180が
図5のように配置されることにより、部分的に重なる第1〜第4コイル181〜184の浮き上がり現象が防止され、外部衝撃から第1〜第4コイル181〜184の離脱を防止することができる。
【0112】
また、それぞれのコイルの一側に遮蔽材190が配置されるので、漏洩磁場が遮蔽され、磁場の方向を一層集中させることにより、伝送効率が上昇することができる。
また、それぞれのコイルの間に遮蔽材190が配置されることにより、マルチコイルで発生する熱をより易しく低減させることができる。
【0113】
一方、第1〜第4コイル181〜184は、説明の便宜のために図示しなかったケースに収容されることができる。ケースの一側面には無線電力受信装置200が置かれることができる。無線電力受信装置200がケースの一側面に置かれた場合、コイル部180が無線で電力を伝送して無線電力受信装置200を充電させるので、無線電力受信装置200が置かれるケースの一側面を充電面と名付けることができる。また、充電面とインターフェース表面を混用して使うことができる。
図6は本発明の実施例による無線電力伝送方法を説明するためのフローチャートである。
【0114】
図面を参照して説明すると、無線電力伝送は、選択段階(selection phase、S610)、ピング段階(ping phase、S620)、識別及び構成段階(identification and configuration phase、S630)、ハンドオーバー段階(handover phase、S640)、交渉段階(negotiation phase、S650)、補正段階(calibration phase、S660)、及び電力伝送段階(power transfer phase、S670)及び再交渉段階(re−negotiation phase、S680)を含むことができる。
まず、選択段階(S610)で、無線電力伝送装置100は、感知領域内に物体(object)が存在するかを感知することができる。
【0115】
無線電力伝送装置100は、感知領域内に物体(object)が存在するかを感知するために、物体感知信号に対する電力変化(例えば、コイルの電流変化)に基づいて、充電領域に物体(object)が存在するかを感知することができる。ここで、物体感知信号は、非常に短いパルスのアナログピング(Analog Ping:AP)信号であってもよい。無線電力伝送装置100は充電面上の物体(object)が感知されるまで所定の周期でアナログピング(AP)信号を送出することができる。
【0116】
無線電力伝送装置100が複数のコイル181を備える場合、無線電力伝送装置100は、物体感知信号を複数のコイル181を介して、所定の順に送出し、それぞれの物体感知信号に対するコイルの電流変化量に基づいて、充電領域に物体(object)が存在するかを感知することができる。
【0117】
具体的に、無線電力伝送装置100は、電流変化量が既設定の電流変化量以上の場合、該当コイルに対応する充電領域に物体(object)が存在すると演算することができる。ここで、該当コイルを後述する有効コイル組合せに使われる有効コイルと名付けることができる。
【0118】
無線電力伝送装置100は、電流変化量が既設定の電流変化量未満の場合、該当コイルに対応する充電領域に物体(object)が存在しないと演算することができる。ここで、該当コイルを有効コイル組合せに使われない無効コイルと名付けることができる。
【0119】
ついで、無線電力伝送装置100が複数のコイル181を備える場合、無線電力伝送装置100は、選択段階(S610)で、無線電力に使われる動作コイル組合せを選択することができる。
【0120】
具体的に、無線電力伝送装置100は、選択段階(S610)で、複数のコイル181のうち、少なくとも一つのコイルが含まれるようにコイル組合せを生成することができる。
【0121】
また、無線電力伝送装置100は、コイル組合せに含まれたコイルを介して、コイル選択信号を送出し、コイル選択信号に対する応答信号を受信することができる。
【0122】
また、無線電力伝送装置100は、応答信号の強度及び無線電力受信装置の充電効率に基づいて、無線電力に使われる動作コイル組合せを選択することができる。
【0123】
ここで、コイル選択信号は、デジタルピング(Digital Ping:DP)信号であってもよい。一方、選択段階(S610)で出力されるデジタルピング(DP)信号は、後述するピング段階(S620)で出力されるデジタルピング(DP)信号と区分するために、コイル選択デジタルピング(Coil Selection Digital Ping:CSDP)信号と名付けることができる。
【0124】
コイル選択デジタルピング信号(CSDP)の送出強度は、それぞれのコイルと無線電力受信装置200が配置される充電面間の距離を補償して設定されることができる。
【0125】
コイル選択デジタルピング信号(CSDP)は、ピング段階(S620)でのデジタルピング(DP)信号、周波数、送出強度などの特性が異なることがあり得る。例えば、コイル選択デジタルピング信号(CSDP)は、デジタルピング(DP)信号より送出強度が小さく設定されることにより、無線電力伝送装置100の消費電力を低減させることができる。
コイル選択デジタルピング信号(CSDP)は効率的なコイル組合せ選択のために特化した信号であり得る。
【0126】
例えば、無線電力伝送装置100は、デジタルピング信号(CSDP)を送出し、無線電力受信装置200の固有情報を受信することができる。無線電力伝送装置100は、固有情報に基づいて、無線電力受信装置200の電力を演算することができる。無線電力伝送装置100は、無線電力受信装置200の電力を考慮して、効率的なコイル組合せのための動作コイル個数を演算し、演算された動作コイル個数によってコイル組合せを生成することができる。
【0127】
ついで、無線電力伝送装置100は、選択段階(S610)で、充電面の物体(object)を感知した場合、共振回路部180のインダクタンス変化及び品質係数変化を測定することができる。
【0128】
本発明の一実施例では、選択段階(S610)で物体が感知されれば、無線電力伝送装置100は、充電面に異物質とともに無線電力受信装置200が置かれたかを判断するために、インダクタンス変化及び品質係数変化を測定することができる。
【0129】
無線電力伝送装置100は、選択段階(S610)で、インダクタンス変化情報及び品質係数変化情報に基づいて、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化量(ΔL)及び品質係数変化量(ΔQ)を演算することができる。
【0130】
また、無線電力伝送装置100は、インダクタンス変化量(ΔL)及び品質係数変化量(ΔQ)に基づいて、異物質検出のための複数の特徴値を演算し、特徴値の組合せを生成することができる。
【0131】
また、無線電力伝送装置100は、選択段階(S610)で、複数の特徴値から選択された特徴値の組合せが座標平面上の基準領域に含まれるかによって充電面の異物質存在有無を演算することができる。
【0132】
もしくは、無線電力伝送装置100は、後述する交渉段階(S650)で、複数の特徴値から選択された特徴値の組合せが座標平面上の基準領域に含まれるかによって充電面の異物質存在有無を演算することができる。
【0133】
例えば、無線電力伝送装置100は、特徴値の組合せが座標平面上の基準領域に含まれる場合、充電面に異物質が存在しないと演算することができる。もしくは、無線電力伝送装置100は、特徴値の組合せが座標平面上の基準領域に含まれない場合、充電面に異物質が存在すると演算することができる。
ここで、基準領域は、充電面に異物質なしに無線電力受信装置200のみ存在する場合、特徴値の組合せが座標平面上に位置する領域を意味することができる。
異物質は、コイン、キーなどを含む金属性物体であってもよい。このような異物質はFO(Foreign object)と名付けることができる。
【0134】
一方、前記感知領域は、無線電力伝送装置100が電力を伝送することができる領域を意味することができる。もしくは、感知領域は、無線電力受信装置200が充電される充電領域、充電面、インターフェース表面の活性領域(active area)を意味することもできる。
【0135】
選択段階(S610)で、無線電力伝送装置100は、感知領域内の物体(object)の配置又は除去を持続的に感知することができる。また、選択段階(S610)で、無線電力伝送装置100が、感知領域内の物体(object)を感知した場合、ピング段階(S620)に遷移することができる。
【0136】
無線電力伝送装置100が物体(object)を感知した場合、無線電力伝送装置100は、ピング段階(S620)で、無線電力受信装置200を活性化(awake)させ、感知された物体(object)が無線電力受信装置200であるかを識別するための受信装置感知信号を伝送することができる。ここで、受信装置感知信号は、デジタルピング(Digital Ping:DP)信号であってもよい。
【0137】
デジタルピング(DP)信号は、無線電力受信装置200との通信設定を試みるために、アナログピング(AP)信号に比べてデューティーが大きく設定されることができる。
【0138】
無線電力受信装置200は、デジタルピング(DP)信号を変調し、変調されたデジタルピング(DP)信号を無線電力伝送装置100に伝送することができる。
【0139】
無線電力伝送装置100は、変調されたデジタルピング(DP)信号を復調し、復調されたデジタルピング(DP)信号から、受信装置感知信号に対する応答に相当するデジタル形態の感知データを獲得することができる。
無線電力伝送装置100は、デジタル形態の感知データから、電力伝送対象となる無線電力受信装置200を認知することができる。
【0140】
例えば、感知データには、無線電力伝送装置100と無線電力受信装置200間の誘導結合程度についての情報が含まれることができる。無線電力伝送装置100は、無線電力伝送装置100と無線電力受信装置200間の誘導結合程度に基づいて無線電力受信装置200を識別することができる。
【0141】
一方、無線電力伝送装置100が複数のコイル181を備える場合、上述したピング段階(S620)での受信装置感知信号の送信と感知データの受信は、選択段階(S610)で選択された動作コイル組合せを介して遂行されることができる。
無線電力伝送装置100は、ピング段階(S620)で、無線電力受信装置200を識別した場合、識別及び構成段階(S630)に遷移することができる。
【0142】
もしくは、無線電力伝送装置100は、ピング段階(S620)で、デジタル形態の感知データを受信することができなかった場合、再び選択段階(S610)に遷移することができる。
【0143】
識別及び構成段階(S630)で、無線電力伝送装置100は、無線電力受信装置200が伝送する識別情報、電力情報などを受信して、電力が効率的に伝達されるように制御することができる。
まず、識別及び構成段階(S630)で、無線電力受信装置200は、識別データを伝送することができる。
【0144】
識別データには、無線電力伝送規約のバージョン情報、無線電力受信装置200の製造業者情報、基本装置識別子情報、拡張装置識別子の有無を示す情報などが含まれることができる。
また、識別及び構成段階(S630)で、無線電力受信装置200は、電力データを伝送することができる。
電力データには、無線電力受信装置200の最大電力についての情報、残余電力についての情報、電力クラス情報などが含まれることができる。
【0145】
無線電力伝送装置100は、識別データ及び電力データに基づいて、無線電力受信装置200を識別し、無線電力受信装置200の電力情報を獲得することができる。
【0146】
無線電力伝送装置100は、無線電力受信装置200を識別し、無線電力受信装置200の電力情報を獲得した場合、ハンドオーバー段階(S630)に遷移することができる。
【0147】
もしくは、無線電力伝送装置100は、識別及び構成段階(S630)で、識別データ及び/又は電力データを受信することができなかった場合、選択段階(S610)に遷移することができる。
無線電力伝送装置100は、ハンドオーバー段階(S640)で、無線電力受信装置200との通信方法の変更可否を演算することができる。
【0148】
具体的に、無線電力伝送装置100は、無線電力受信装置200と帯域内(in−band)通信方法で通信する状態で、選択段階(S610)、ピング段階(S620)又は識別及び構成段階(S630)の少なくとも一つの段階で獲得した無線電力受信装置200の電力情報に基づいて、帯域内(in−band)通信を維持するか又は帯域外(out−of−band)通信方法に変更するかを演算することができる。
【0149】
一方、無線電力伝送装置100は、識別及び構成段階(S630)又はハンドオーバー段階(S640)で受信された交渉フィールド(negotiation field)値に基礎して、交渉段階(S650)への進入が必要であるかを演算することができる。
【0150】
無線電力伝送装置100は、演算結果、交渉が必要な場合、交渉段階(S650)に遷移し、異物質検出(Foreign object Detection:FOD)の手続きを遂行することができる。
また、無線電力伝送装置100は、演算結果、交渉が不必要な場合、直ちに電力伝送段階(S670)に遷移することもできる。
【0151】
無線電力伝送装置100は、選択段階(S610)又は交渉段階(S650)で、演算された充電面の異物質存在有無に基づいて、補正段階(S660)への進入可否を決定することができる。
無線電力伝送装置100は、異物質が検出されない場合、補正段階(S660)を経て電力伝送段階(S670)に遷移することができる。
もしくは、無線電力伝送装置100は、異物質が検出された場合、電力伝送を遂行せずに選択段階(S610)に遷移することもできる。
【0152】
補正段階(S660)で、無線電力伝送装置100は、無線電力伝送装置100の送信電力と無線電力受信装置200の受信電力間の差に基づいて電力損失を演算することができる。
電力伝送段階(S670)で、無線電力伝送装置100は、無線電力受信装置200に電力を伝送することができる。
【0153】
電力伝送段階(S670)で、無線電力伝送装置100は、電力伝送途中に、無線電力受信装置200から電力制御情報を受信し、受信した電力制御情報に対応して、コイルに印加される電力の特性を調節することができる。
【0154】
例えば、電力制御情報は制御エラーデータを含むことができ、無線電力伝送装置100は、制御エラーデータに基づいて、コイルに印加される電力を増減させることができる。
【0155】
電力伝送段階(S670)で、無線電力伝送装置100は、望まないデータを受信するか(unexpected data)、既設定の時間の間に、所望のデータ、例えば電力制御情報を受信することができないか(time out)、既設定の電力伝送契約に対する違反が発生するか(power transfer contract violation)、充電が完了した場合、選択段階(S610)に遷移することができる。
【0156】
また、電力伝送段階(S670)で、無線電力伝送装置100は、無線電力伝送装置100又は無線電力受信装置200の状態変化などによって電力伝送交渉を再構成する必要がある場合、再交渉段階(S680)に遷移することができる。ここで、無線電力伝送装置100は、再交渉が正常に完了すれば、電力伝送段階(S670)に回帰することができる。
【0157】
一方、再交渉は、無線電力伝送装置100と無線電力受信装置200の状態情報に基づいて設定されることができる。例えば、無線電力伝送装置100の状態情報は、最大伝送可能な伝送量についての情報、最大収容可能な無線電力受信装置200の個数についての情報などを含むことができる。また、無線電力受信装置200の状態情報は要求電力についての情報などを含むことができる。
図7及び
図8は本発明の実施例による基準領域を説明するための図である。
【0158】
図面を参照して説明すると、基準領域は、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、それぞれの特徴値の組合せが座標平面に表示される領域に基づいて設定されることができる。
より詳細に、充電面に物体が置かれる座標を想定すれば、
図7の通りであり得る。
【0159】
また、
図7のような座標に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、複数のコイル181〜184のインダクタンス変化量(ΔL)に対する品質係数変化量(ΔQ)を該当座標平面に表示すれば
図8aの通りであり得る。
【0160】
ここで、810は
図7のそれぞれの座標に対する第1コイル181のインダクタンス変化量(ΔL)に対する品質係数変化量(ΔQ)を意味し、820は
図7のそれぞれの座標に対する第2コイル182のインダクタンス変化量(ΔL)に対する品質係数変化量(ΔQ)を意味し、830は
図7のそれぞれの座標に対する第3コイル183のインダクタンス変化量(ΔL)に対する品質係数変化量(ΔQ)を意味し、840は
図7のそれぞれの座標に対する第4コイル184のインダクタンス変化量(ΔL)に対する品質係数変化量(ΔQ)を意味する。
【0161】
図8aのように、複数のコイル181〜184のインダクタンス変化量(ΔL)に対する品質係数変化量(ΔQ)は890aの所定の領域に分布することが分かる。
【0162】
一方、
図8aのインダクタンス変化量(ΔL)−品質係数変化量(ΔQ)を平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−平均品質係数変化量(|ΔQ|/4)に座標変換すれば、
図8bのように示すことができる。ここで、
図8aで、品質係数変化量(ΔQ)が負数なので、座標変換の際、計算の便宜のために、品質係数変化量(ΔQ)に絶対値を取ることもできる。
【0163】
図8bは平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び平均品質係数変化量(|ΔQ|/4)を用いるので、複数のコイル181〜184の平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び平均品質係数変化量(|ΔQ|/4)は890aの領域より小さい890bに分布することが分かる。
【0164】
890bの領域が890aより小さいので、異物質検出の際、解像度が増加することができる。すなわち、インダクタンス変化量(ΔL)−品質係数変化量(ΔQ)を用いるよりは平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−平均品質係数変化量(|ΔQ|/4)を用いて異物質を検出することが異物質検出の正確度を高める方法であり得る。
【0165】
一方、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び平均品質係数変化量(|ΔQ|/4)は、インダクタンス変化量(ΔL)及び品質係数変化量(ΔQ)に基づいて演算された特徴値の組合せであり得る。
【0166】
基準領域は、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、それぞれの特徴値の組合せが座標平面に分布する領域を意味するので、
図8bで基準領域は890bを意味することができる。
メモリ120は、それぞれの特徴値の組合せに対応する複数の基準領域を記憶することができる。
【0167】
例えば、
図8bで、メモリ120は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−平均品質係数変化量(|ΔQ|/4)座標平面での基準領域を記憶することができる。
図8bで、基準領域は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)が1.59〜2.13(μH)であり、平均品質係数変化量(|ΔQ|/4)が10.04〜22.1の領域を意味することができる。
基準領域は既設定の値であり、メモリ120に記憶されることができる。
【0168】
もしくは、基準領域は、無線電力受信装置200から品質係数を受信し、相関度マッチング(correlation)を介して制御部160によって演算されることができる。演算された基準領域はメモリ120に記憶されることができる。
制御部160は、特徴値の組合せが座標平面上の基準領域に含まれるかによって充電面の異物質存在有無を演算することができる。
制御部160は、特徴値の組合せを該当座標平面上に表示した結果、特徴値の組合せが基準領域に含まれる場合、異物質が存在しないと演算することができる。
【0169】
もしくは、制御部160は、特徴値の組合せを該当座標平面上に表示した結果、特徴値の組合せが基準領域に含まれない場合、異物質が存在すると演算することができる。
一方、いずれか一つの特徴値の組合せのみで異物質を検出する場合、
図10〜
図15のように、異物質検出結果にエラーが発生し得る。
【0170】
したがって、制御部160は、
図8bの平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−平均品質係数変化量(|ΔQ|/4)を座標変換し、変換された座標平面で、特徴値が分布する位置に基づいて、異物質検出過程をもっと遂行することができる。座標変換については、以下でより詳細に説明する。
図9は充電面で異物質が存在する位置を説明するための図、
図10〜
図15は異物質検出方法を説明するための参照図である。
【0171】
より詳細に、
図10は平均インダクタンス変化量及び平均品質係数変化量の組合せによる異物質検出方法を説明するための図、
図11は平均インダクタンス変化量及び最大−最小品質係数変化量の組合せによる異物質検出方法を説明するための図、
図12は最大−最小平均インダクタンス変化量及び平均品質係数変化量の組合せによる異物質検出方法を説明するための図、
図13は最大−最小インダクタンス変化量及び最大−最小品質係数変化量の組合せによる異物質検出方法を説明するための図、
図14は平均インダクタンス変化量及び最大−最小インダクタンス変化量の組合せによる異物質検出方法を説明するための図、
図15は平均品質係数変化量及び最大−最小品質係数変化量の組合せによる異物質検出方法を説明するための図である。
図面を参照して説明すると、充電面に異物質が置かれる座標を想定すれば、
図9の通りであり得る。
【0172】
図9で、充電面の座標が13個であることは、(−20、20)、(−20、13)、(−20、−13)、(−20、−20)座標によって、これに対応する座標でのデータを推定することができるからである。
図9のような座標に異物質及び無線電力受信装置200が置かれた場合、複数の特徴値の組合せを該当座標平面に表示すれば
図10〜
図15の通りであり得る。
【0173】
ここで、1010、1110、1210、1310、1410、1510は、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、1020、1120、1220、1320、1420、1520は充電面に無線電力受信装置200とUS dimeが置かれた場合、1030、1130、1230、1330、1430、1530は充電面に無線電力受信装置200と100ウォンが置かれた場合、1040、1140、1240、1340、1440、1540は充電面に無線電力受信装置200と10ウォンが置かれた場合、1050、1150、1250、1350、1450、1550は充電面に無線電力受信装置200と50ウォンが置かれた場合、1060、1160、1260、1360、1460、1560は充電面に無線電力受信装置200とCA dimeが置かれた場合を意味することができる。
【0174】
図10は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−平均品質係数変化量(ΔQ/4)座標平面で、複数のコイル181〜184の平均インダクタンス変化量(ΔL/4)に対する品質係数変化量(|ΔQ|/4)を表示する図である。
【0175】
図10で、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、1010が1070領域に分布することが分かる。よって、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−平均品質係数変化量(ΔQ/4)座標平面で基準領域は1070を意味することができる。
【0176】
例えば、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−平均品質係数変化量(ΔQ/4)座標平面で、基準領域は平均インダクタンス変化量(ΔL/4)が1.59〜2.13(μH)であり、平均品質係数変化量(|ΔQ|/4)が10.04〜22.1である領域を意味することができる。
【0177】
図10のように、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−平均品質係数変化量(ΔQ/4)座標平面で、1030が基準領域である1070に一部含まれることが分かる。
【0178】
したがって、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び平均品質係数変化量(ΔQ/4)のみ用いて異物質を検出する場合、充電面に無線電力受信装置200と100ウォンが置かれているにもかかわらず、制御部160は、充電面に異物質が存在しないと演算する可能性がある。
【0179】
次に、
図11は平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面で、複数のコイル181〜184の平均インダクタンス変化量(ΔL/4)に対する最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)を表示する図である。
【0180】
図11で、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、1110が1170領域に分布することが分かる。よって、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面の基準領域は1170を意味することができる。
【0181】
例えば、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面で基準領域は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)が1.59〜2.13(μH)であり、最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)が2.19〜17.9である領域を意味することができる。
【0182】
図11のように、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面では、
図10とは違い、1110のみが1170に含まれることが分かる。また、1120〜1160と1110は相当な距離で離隔して分布することが分かる。
【0183】
したがって、制御部160は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)を用いて異物質を検出する場合、正確な異物質検出が可能である。
【0184】
次に、
図12は最大−最小平均インダクタンス変化量(ΔLmax−min)−平均品質係数変化量(|ΔQ)|/4)座標平面で、複数のコイル181〜184の最大−最小平均インダクタンス変化量(ΔLmax−min)に対する平均品質係数変化量(|ΔQ)/4)を表示する図である。
【0185】
図12で、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、1210が1270領域に分布することが分かる。よって、最大−最小平均インダクタンス変化量(ΔLmax−min)−平均品質係数変化量(|ΔQ)/4)座標平面の基準領域は1270を意味することができる。
【0186】
例えば、最大−最小平均インダクタンス変化量(ΔLmax−min)−平均品質係数変化量(|ΔQ)/4)座標平面で基準領域は、最大−最小平均インダクタンス変化量(ΔLmax−min)が0.5〜1.2.1(μH)であり、平均品質係数変化量(|ΔQ)/4)が10.04〜22.1である領域を意味することができる。
【0187】
図12のように、最大−最小平均インダクタンス変化量(ΔLmax−min)−平均品質係数変化量(|ΔQ)/4)座標平面では、
図10とは違い、1210のみが1270に含まれるが、
図11と比較し、1220〜1260と1210が非常に近接して分布することが分かる。このような分布は、異物質検出のエラーを引き起こすこともできる。
【0188】
次に、
図13は最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面で、複数のコイル181〜184の最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)に対する最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)を表示する図である。
【0189】
図13で、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、1310が1370領域に分布することが分かる。よって、最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面の基準領域は1370を意味することができる。
【0190】
例えば、最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面で基準領域は、最大−最小平均インダクタンス変化量(ΔLmax−min)が0.5〜1.2.1(μH)であり、最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)が11.19〜21.04である領域を意味することができる。
【0191】
図13のように、最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面では、
図10とは違い、1310のみが1370に含まれることが分かる。また、
図12とは違い、1320〜1360と1310は相当な距離で離隔して分布することが分かる。
【0192】
したがって、制御部160は、最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)を用いて異物質を検出する場合、正確な異物質検出が可能である。
【0193】
次に、
図14は平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)座標平面で、複数のコイル181〜184の平均インダクタンス変化量(ΔL/4)に対する最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)を表示する図である。
【0194】
図14で、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、1410が1470領域に分布することが分かる。よって、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)座標平面の基準領域は1470を意味することができる。
【0195】
例えば、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)座標平面で、基準領域は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)が1.59〜2.13(μH)であり、最大−最小平均インダクタンス変化量(ΔLmax−min)が0.5〜1.2.1(μH)である領域を意味することができる。
【0196】
図14のように、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)座標平面では、
図11〜
図13とは違い、1420及び1440が基準領域である1470に一部含まれることが分かる。
【0197】
したがって、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)のみ用いて異物質を検出する場合、充電面に無線電力受信装置200とUS dime、又は充電面に無線電力受信装置200と10ウォンが置かれているにもかかわらず、制御部160は充電面に異物質が存在しないと演算する可能性がある。
【0198】
次に、
図15は平均品質係数変化量(ΔQ/4)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面で、複数のコイル181〜184の平均品質係数変化量(ΔQ/4)に対する最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)を表示する図である。
【0199】
図15で、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、1510が1570領域に分布することが分かる。よって、平均品質係数変化量(ΔQ/4)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面の基準領域は1570を意味することができる。
【0200】
例えば、平均品質係数変化量(ΔQ/4)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面で基準領域は、平均品質係数変化量(|ΔQ|/4)が11.24〜22.37(μH)であり、最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)が2.2〜18である領域を意味することができる。
【0201】
図15のように、平均品質係数変化量(ΔQ/4)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面では、
図10及び
図14とは違い、1510のみが1570に含まれることが分かる。また、
図12とは違い、1520〜1560と1570は相当な距離で離隔して分布することが分かる。
【0202】
したがって、制御部160は、平均品質係数変化量(ΔQ/4)−最大−最小品質係数変化量(ΔQ/4max−min)を用いて異物質を検出する場合、正確な異物質検出が可能である。
【0203】
一方、
図10〜
図15は、異物質が、US dime、100ウォン、10ウォン、50ウォン、CA dimeの場合、特徴値の組合せが該当座標に分布することを例示する図であり、異物質の大きさ、異物質の成分(例えば、磁性体、金属など)などによって、特徴値の組合せが分布する領域は
図10〜
図15と異なることがあり得る。
【0204】
すなわち、異物質の種類によって有利な特徴値の組合せがあり得る。例えば、異物質の種類によって、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び平均品質係数変化量(ΔQ/4)特徴値の組合せ又は平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)特徴値の組合せが異物質検出に有利であり得る。
【0205】
したがって、制御部160は、特徴値の組合せのうち、複数を選択して異物質検出に用いることができる。例えば、制御部160は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び平均品質係数変化量(|ΔQ|/4)の第1特徴値の組合せと平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)の第2特徴値の組合せを用いて充電面の異物質を検出することができる。
【0206】
他の例として、制御部160は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び平均品質係数変化量(ΔQ/4)の第1特徴値の組合せ、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)の第2特徴値の組合せ、最大−最小平均インダクタンス変化量(ΔLmax−min)及び平均品質係数変化量(|ΔQ)|/4)の第3特徴値の組合せ、最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)の第4特徴値の組合せ、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)の第5特徴値の組合せ、及び平均品質係数変化量(ΔQ/4)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)の第6特徴値の組合せの全部を用いて充電面の異物質を検出することができる。
本発明の無線電力伝送装置100は、複数の特徴値の組合せを用いて充電面の異物質を検出するので、より正確な異物質検出が可能である。
図16は本発明の実施例による異物質検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0207】
図面を参照して説明すると、まず、本発明の実施例による無線電力伝送装置100は、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化を感知することができる(S1610)。
【0208】
具体的に、充電面に物体(object)が置かれた場合、複数のコイル181〜184のインダクタンスが変わることができる。また、物体(object)の種類及び物体(object)が置かれる位置によって、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化量が異なることがあり得る。
第1感知部131は、共振周波数fonの変化に基づいて、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化を感知することができる。
【0209】
第1感知部131は、周波数スイープ(sweep)によってコイル181の両端で獲得される電圧の大きさに基づいて共振周波数fonを演算することができる。
第1感知部131は、共振周波数fonによって、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンスを演算することができる。
第1感知部131は、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化を感知値として制御部160に伝送することができる。
ついで、無線電力伝送装置100は、複数のコイル181〜184のそれぞれの品質係数変化を感知することができる(S1630)。
【0210】
具体的に、充電面に物体(object)が置かれた場合、複数のコイル181〜184のインダクタンス及び/又は複数のコイル181〜184内の直列抵抗成分が変わることができる。これにより、複数のコイル181〜184の両端電圧も変わることができる。
【0211】
第2感知部133は、周波数スイープ(sweep)によって複数のコイル181〜184の両端で獲得される最大電圧利得に基づいて、複数のコイル181〜184のそれぞれの品質係数を演算することができる。
第2感知部133は、複数のコイル181〜184のそれぞれの品質係数変化を感知値として制御部160に伝送することができる。
【0212】
ついで、無線電力伝送装置100内の制御部160は、インダクタンス変化量及び品質係数変化量に基づいて異物質検出のための複数の特徴値を演算することができる(S1650)。
【0213】
具体的に、第1感知部131が感知した複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化情報及び第2感知部133が感知した複数のコイル181〜184のそれぞれの品質係数変化情報を受信し、複数のコイル181〜184のそれぞれのインダクタンス変化量(ΔL)及び品質係数変化量(ΔQ)を演算することができる。
【0214】
制御部160は、インダクタンス変化量(ΔL)及び品質係数変化量(ΔQ)に基づいて、異物質検出のための複数の特徴値を演算することができる。ここで、特徴値は、充電面に物体(object)又は異物質(foreign object)が置かれた場合、変化する因子(factor)のうち、異物質検出のために、本発明で特別に使われる因子を意味することができる。
【0215】
ここで、複数の特徴値は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)、平均品質係数変化量(ΔQ/4)、最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)、及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)であり得る。
【0216】
平均インダクタンス変化量(ΔL/4)は複数のコイル181〜184のインダクタンス変化量の平均を意味し、平均品質係数変化量(ΔQ/4)は複数のコイル181〜184の品質係数変化量の平均を意味することができる。
【0217】
また、最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)は、複数のコイル181〜184のうち、最大インダクタンス変化量と最小インダクタンス変化量間の差を意味し、最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)は、複数のコイル181〜184の最大品質係数変化量と最小品質係数変化量間の差を意味することができる。
【0218】
一方、本発明の無線電力伝送装置100は、インダクタンス変化量の比率又は品質係数変化量の比率ではない、平均変化量、最大−最小変化量を用いるので、異物質演算過程が簡単であり、迅速な異物質検出が可能である。
【0219】
ついで、無線電力伝送装置100内の制御部160は、複数の特徴値から選択された特徴値の組合せが座標平面上の基準領域に含まれるかによって、充電面の異物質存在有無を演算することができる(S1670)。
具体的に、制御部160は、複数の特徴値から二つの特徴値を選択して特徴値の組合せを生成することができる。
【0220】
例えば、特徴値が、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)、平均品質係数変化量(ΔQ/4)、最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)、及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)の場合、制御部160は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び平均品質係数変化量(ΔQ/4)の第1特徴値の組合せ、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)の第2特徴値の組合せ、最大−最小平均インダクタンス変化量(ΔLmax−min)及び平均品質係数変化量(|ΔQ)|/4)の第3特徴値の組合せ、最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)の第4特徴値の組合せ、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び最大−最小インダクタンス変化量(ΔLmax−min)の第5特徴値の組合せ、及び平均品質係数変化量(ΔQ/4)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)の第6特徴値の組合せを生成することができる。
【0221】
制御部160は、第1〜第6特徴値の組合せから複数の特徴値の組合せを選択することができる。例えば、制御部160は、第1特徴値の組合せ及び第2特徴値の組合せを選択することができる。もしくは、制御部160は、第1〜第6特徴値の組合せの全部を選択することができる。
制御部160は、複数の特徴値から選択された特徴値の組合せが座標平面上の基準領域に含まれるかによって充電面の異物質存在有無を演算することができる。
【0222】
基準領域は、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、それぞれの特徴値の組合せが該当座標平面に表示される領域に基づいて設定されることができる。
メモリ120は、それぞれの特徴値の組合せに対応する複数の基準領域を記憶することができる。
【0223】
制御部160は、複数の特徴値から選択された特徴値の組合せを該当座標平面に表示した結果、全ての特徴値の組合せが該当基準領域に含まれる場合、充電面に異物質が存在しないと演算することができる。
また、制御部160は、無線電力受信装置200への無線電力伝送を開始することができる。
【0224】
例えば、制御部160は、第1〜第6特徴値の組合せを全部選択した状態で、第1〜第6特徴値の組合せがいずれも該当基準領域に含まれる場合、充電面に異物質が存在しないと演算して充電を開始することができる。
【0225】
制御部160は、複数の特徴値から選択された特徴値の組合せを該当座標平面に表示した結果、いずれか一つの特徴値の組合せでも該当基準領域に含まれない場合、充電面に異物質が存在すると演算することができる。
また、制御部160は、無線電力受信装置200への無線電力伝送を中断することができる。
【0226】
例えば、制御部160は、第1〜第6特徴値の組合せを全部選択した状態で、第1〜第6特徴値の組合せのいずれか一つの特徴値の組合せでも該当基準領域に含まれない場合、充電面に異物質が存在すると演算して充電を中断することができる。
制御部160は、充電面の異物質を持続的に感知することができる。
図17は本発明の実施例による異物質検出方法を説明するためのフローチャートである。
【0227】
図面を参照して説明すると、まず、本発明の実施例による無線電力伝送装置100は、第1〜第6特徴値の組合せから第1特徴値の組合せを選択することができる。
ここで、第1特徴値の組合せは、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び平均品質係数変化量(ΔQ/4)の組合であり得る。
ついで、制御部160は、複数の特徴値から選択された第1特徴値の組合せを該当座標平面に表示することができる(S1711)。
制御部160は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)に対する平均品質係数変化量(ΔQ/4)を該当座標平面に表示することができる。
ついで、制御部160は、第1特徴値の組合せが第1基準領域に含まれるかを演算することができる(S1713)。
【0228】
ここで、第1基準領域は、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び平均品質係数変化量(ΔQ/4)の組合せが平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−平均品質係数変化量(ΔQ/4)座標平面に分布する領域に基づいて設定されることができる。例えば、第1基準領域は
図10の1070のようであり得る。
【0229】
第1基準領域が、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)に対する平均品質係数変化量(ΔQ/4)の組合せが該当座標に分布する領域に基づいて設定されるので、制御部160は、第1特徴値の組合せが第1基準領域に含まれない場合、充電面に異物質が存在すると演算することができる(S1715)。
【0230】
制御部160は、充電面に異物質が存在すると演算した場合、充電を中断することができる(S1717)。これにより、爆発、火災などの危険から使用者を保護することができるようになる。
【0231】
一方、第1特徴値の組合せのみで充電面の異物質を感知する場合、
図10のように、充電面に異物質が存在するにもかかわらず、制御部160は充電面の異物質が存在しないと演算する可能性がある。
したがって、制御部160は、特徴値の組合せを変更し、続けて異物質存在有無を演算することができる。
具体的に、制御部160は、第1特徴値の組合せが第1基準領域に含まれる場合、第2特徴値の組合せを選択することができる(S1719)。
制御部160は、第1特徴値の組合せに含まれた特徴値の少なくとも一つの特徴値が異なるように第2特徴値の組合せを生成することができる。
ここで、第2特徴値は平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)の組合せであり得る。
制御部160は、第2特徴値の組合せを座標該当座標平面に表示することができる(S1721)。
制御部160は、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)に対する最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)を該当座標平面に表示することができる。
ついで、制御部160は、第2特徴値の組合せが第2基準領域に含まれるかを演算することができる(S1723)。
【0232】
ここで、第2基準領域は、充電面に無線電力受信装置200のみ置かれた場合、平均インダクタンス変化量(ΔL/4)及び最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)の組合せが平均インダクタンス変化量(ΔL/4)−最大−最小品質係数変化量(ΔQmax−min)座標平面に分布する領域に基づいて設定されることができる。例えば、第2基準領域は
図11の1170のようであり得る。
【0233】
制御部160は、第2特徴値の組合せが第2基準領域に含まれない場合、充電面に異物質が存在すると演算することができる(S1725)。すなわち、制御部160は、第1特徴値の組合せで検出することができなかった異物質を検出することができる。これにより、異物質検出の正確度が向上する効果がある。
制御部160は、充電面に異物質が存在すると演算した場合、充電を中断することができる(S1727)。
制御部160は、第2特徴値の組合せが第2基準領域に含まれる場合、充電面に異物質が存在しないと演算することができる(S1729)。
制御部160は、充電面に異物質が存在しないと演算した場合、充電を開始することができる(S1731)。
【0234】
無線電力伝送装置100が第1〜第6特徴値の組合せの中で第1及び第2特徴値の組合せのみ用いることにより、異物質検出の正確度は上昇させながら異物質検出時間を縮める効果がある。
【0235】
一方、本発明の制御部160は、無線電力伝送装置100に備えられたプロセッサが読める記録媒体にプロセッサ可読のコードとして具現することが可能である。プロセッサ可読の記録媒体はプロセッサによって読められるデータが記憶される全ての種類の記録装置を含む。プロセッサ可読の記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などがあり、また、インターネットを介しての伝送などのキャリアウェーブの形態に具現されるものも含む。また、プロセッサ可読の記録媒体はネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でプロセッサ可読のコードが記憶されて実行されることができる。
【0236】
また、以上では本発明の好適な実施例について図示して説明したが、本発明は上述した特定の実施例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨を逸脱しない範疇内で本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることはもちろんのこと、このような変形実施は本発明の技術的思想や見込みから別個に理解されてはいけないであろう。