【文献】
Nokia,PDCP/RLC/MAC PDU structure [online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #55 R2-062754,[検索日 2020.05.28],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_55/Documents/R2-062754.zip>,2006年10月 5日,p.1-9
【文献】
Nokia Siemens Networks, Nokia Corporation,An approach to the LTE-Advanced Layer 2 development [online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #67 R2-094272,[検索日 2020.05.28],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_67/docs/R2-094272.zip>,2009年 8月18日,p.1-5
【文献】
InterDigital Communications Corporation,Overall RLC Operation with Higher Layer Sequence Numbers [online],3GPP TSG RAN WG2 #56 R2-063182,[検索日 2020.05.28],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_56/Documents/R2-063182.zip>,2006年11月 1日,p.1-8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記MACレイヤにRLCデータパケットを送信するように構成される、送信ユニットであって、前記RLCデータパケットは、1つまたは複数のRLC PDUを含む、送信ユニットをさらに含む、請求項17から20のいずれか一項に記載の装置。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような点を考慮して、本願は、データ処理効率を改善するために、データ処理の方法、装置、システムを提供している。
【0005】
第1の態様に従って、データ処理方法を提供している。方法は、データ送信装置によって行われ、次のステップ、すなわち、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP)レイヤからデータパケットを受信するステップであって、データパケットは、無線リンク制御(RLC) サービスデータユニット(SDU)として使用される、ステップと、少なくとも1つのRLC プロトコルデータユニット(PDU)にRLC SDUをカプセル化するステップであって、データ送信装置によってRLCレイヤにおいてカプセル化されたRLC PDUの各々は、ヘッダおよびペイロードを含み、ペイロードは、単一のRLC SDUからのデータを搬送するために使用される、ステップとを含む。
【0006】
第2の態様に従って、送信端に位置している、第1の態様におけるステップを行うように構成される手段(means)またはユニットを含む、データ処理装置を提供している。
【0007】
第3の態様に従って、プロセッサおよびメモリを含む、データ処理装置を提供している。メモリは、プログラムを記憶するように構成され、プロセッサは、メモリに記憶されているプログラムを起動して、本願の第1の態様において提供した方法を行う。
【0008】
第4の態様に従って、本願は、第1の態様における方法を行うように構成される少なくとも1つの処理要素(またはチップ)を含む、データ処理装置を提供している。
【0009】
第5の態様に従って、本願は、プログラムを提供している。プログラムは、プロセッサによって実行されると、第1の態様における方法を行うために使用される。
【0010】
第6の態様に従って、第5の態様におけるプログラムを含む、例えば、コンピュータ可読記憶媒体といった、プログラム製品を提供している。
【0011】
第7の態様に従って、データ処理方法を提供している。方法は、データ受信装置によって行われ、次のステップ、すなわち、MACレイヤからデータパケットをRLCレイヤにおいて受信するステップであって、データパケットは、RLC PDUを含み、RLC PDUは、ヘッダおよびペイロードを含み、ペイロードは、単一のRLC SDUからのデータを搬送するために使用される、ステップと、RLC PDUのペイロードがコンプリートRLC SDUであるとRLC PDUのヘッダに基づいて決定すると、RLC SDUを取得し、PDCPレイヤにRLC SDUを送信するステップとを含む、または、RLC PDUのペイロードがRLC SDUのセグメントであるとRLC PDUのヘッダに基づいて決定すると、RLC SDUのセグメントのすべてを取得し、セグメントのすべてをRLC SDUに復元し、PDCPレイヤにRLC SDUを送信するステップとを含む。
【0012】
第8の態様に従って、受信端に位置している、第7の態様におけるステップを行うように構成される手段(means)またはユニットを含む、データ処理装置を提供している。
【0013】
第9の態様に従って、プロセッサおよびメモリを含む、データ処理装置を提供している。メモリは、プログラムを記憶するように構成され、プロセッサは、メモリに記憶されているプログラムを起動して、本願の第7の態様において提供した方法を行う。
【0014】
第10の態様に従って、本願は、第7の態様における方法を行うように構成される少なくとも1つの処理要素(またはチップ)を含む、データ処理装置を提供している。
【0015】
第11の態様に従って、本願は、プログラムを提供している。プログラムは、プロセッサによって実行されると、第7の態様における方法を行うために使用される。
【0016】
第12の態様に従って、第11の態様におけるプログラムを含む、例えば、コンピュータ可読記憶媒体といった、プログラム製品を提供している。
【0017】
前述の態様においては、RLC PDUのペイロードが単一のRLC SDUからのデータを搬送するために使用されるということは、RLC PDUが2つ以上のRLC SDUまたはRLC SDUの2つ以上のセグメントを格納することができる場合であっても、RLC PDUの各々のペイロードが単一のRLC SDUからのデータのみを搬送するために使用されるということを意味する。換言すれば、データ送信装置は、データパケットに対するRLCレイヤにおける連結処理を行わない。
【0018】
データ送信装置がRLC PDUにRLC SDUをRLCレイヤにおいてカプセル化するプロセスでは、アセンブルされるRLC PDUの各々のペイロードが単一のRLC SDUからのデータを搬送するために使用される、ことが理解できよう。換言すれば、RLC PDUのペイロードは、別のRLC SDUのデータを含んでいない。すなわち、データ送信装置は、RLC SDUに対するRLCレイヤにおける連結処理をもはや行わない。このように、送信端における連結処理を低減することを可能とするとともに、処理複雑度および処理遅延を低減することを可能としている。
【0019】
加えて、受信端は、RLC SDUを並び替える必要なく、単一のRLC SDUのセグメントのみをRLCレイヤにおいて並び替え得る。したがって、受信端における処理をシンプルにすることを可能とするとともに、受信端における処理複雑度および処理遅延を低減することを可能としている。
【0020】
前述の態様においては、RLC PDUのヘッダは、セグメント指示(SI)フィールドを含み、SIフィールドは、SIフィールドがあるRLC PDUにカプセル化されているものがコンプリートRLC SDUまたはRLC SDUのセグメントであることを示すために使用される。
【0021】
必要に応じて、SIフィールドは、2ビットを含み、SIフィールドの値は、
第1の値が、SIフィールドがあるRLC PDUにカプセル化されているものがコンプリートRLC SDUであることを示すために使用され、第2の値が、SIフィールドがあるRLC PDUにカプセル化されているものがRLC SDUの先頭セグメントであることを示すために使用され、第3の値が、SIフィールドがあるRLC PDUにカプセル化されているものがRLC SDUの中間セグメントであることを示すために使用され、第4の値が、SIフィールドがあるRLC PDUにカプセル化されているものがRLC SDUの最終セグメントであることを示すために使用される、または、
第1の値が、SIフィールドがあるRLC PDUにカプセル化されているものがコンプリートRLC SDUであることを示すために使用され、第2の値が、SIフィールドがあるRLC PDUにカプセル化されているものがRLC SDUの最終セグメントであることを示すために使用される、ように記述される。
【0022】
必要に応じて、SIフィールドは、1ビットを含み、SIフィールドの値は、
第1の値が、SIフィールドがあるRLC PDUにカプセル化されているものがコンプリートRLC SDUであることを示すために、または、SIフィールドがあるRLC PDUにカプセル化されているものがRLC SDUの最終セグメントであることを示すために使用され、第2の値が、SIフィールドがあるRLC PDUにカプセル化されているものがRLC SDUの先頭セグメントまたは中間セグメントであることを示すために使用される、ように記述される。
【0023】
前述の態様においては、RLC PDUのヘッダは、セグメントオフセット(SO)フィールドをさらに含み、SOフィールドは、RLC SDU内での、SOフィールドがあるRLC PDUのペイロード内の先頭バイトについての、バイトオフセットを示すために使用され、RLC SDUにペイロードが属する。
【0024】
前述の態様においては、RLC PDUのヘッダは、シーケンス番号(SN)フィールドをさらに含み、1つのRLC SDUが複数のRLC PDUにカプセル化される場合には、複数のRLC PDUのヘッダ内のSNフィールド内のSNは同一である。
【0025】
必要に応じて、SNフィールドは、SNフィールドがあるRLC PDUにおいて送信されるデータが属するRLC SDUを示すために使用され得る。
【0026】
必要に応じて、SNフィールド内のSNは、PDCPレイヤによって設定される。
【0027】
前述の態様においては、RLC PDUのヘッダは、長さ指示(LI)フィールドをさらに含み、LIフィールドは、LIフィールドがあるRLC PDU内のペイロードの長さを示すために使用される。
【0028】
前述の態様においては、RLC PDUのヘッダは、データ/制御フィールドをさらに含み、データ/制御フィールドは、データパケットまたは制御パケットのどちらがデータ/制御フィールドがあるRLC PDUにおいて送信されるかを示すために使用される。
【0029】
第1の態様から第6の態様においては、データ送信装置が少なくとも1つのRLC PDUにRLC SDUをカプセル化するプロセスは、MACレイヤからの指示に基づいて少なくとも1つのRLC PDUにRLC SDUをカプセル化するステップ、または、プリセットされたRLC PDUサイズに基づいて少なくとも1つのRLC PDUにRLC SDUをカプセル化するステップを含む。それに対応するように、少なくとも1つのRLC PDUにRLC SDUをカプセル化するユニットは、MACレイヤからの指示に基づいて少なくとも1つのRLC PDUにRLC SDUをカプセル化するように構成される、または、プリセットされたRLC PDUサイズに基づいて少なくとも1つのRLC PDUにRLC SDUをカプセル化するように構成される。
【0030】
第1の態様から第6の態様においては、データ送信装置は、MACレイヤにRLCデータパケットをさらに送信し得る。RLCデータパケットは、1つまたは複数のRLC PDUを含む。それに対応するように、データ処理装置は、本ステップを行うユニットをさらに含む。
【0031】
第1の態様から第6の態様においては、データ送信装置は、MAC SDUとしてRLCデータパケットを使用し、MAC PDUにMAC SDUをカプセル化する。MAC PDUが、MACヘッダおよびMACペイロードを含み、MACヘッダが、少なくとも1つのサブヘッダを含み、各サブヘッダが、1つの論理チャネルに対応し、サブヘッダが、第1の拡張フィールドおよび第2の拡張フィールドを含み、第1の拡張フィールドが、MAC PDUが別のサブヘッダをさらに含むかどうかまたは別の論理チャネルのデータをさらに含むかどうかを示すために使用され、第2の拡張フィールドが、MAC PDUが第2の拡張フィールドがあるサブヘッダに対応する論理チャネルの他のデータをさらに含むかどうかを示すために使用される。それに対応するように、データ処理装置は、本ステップを行うユニットをさらに含む。
【0032】
第7の態様から第12の態様においては、PDCPレイヤに送信されたRLC SDUがPDCPシーケンス番号を含んでいない場合には、データ受信装置は、PDCPレイヤにSNフィールド内のSNを送信する。PDCPシーケンス番号は、送信端がPDCP PDUをアセンブルする際にPDCP PDUに割り振られるシーケンス番号である。
【0033】
第7の態様から第12の態様においては、RLCデータパケットが複数のRLC PDUを含む場合には、データ受信装置は、LIフィールドに基づいてRLC PDUを区別し得る。
【0034】
第7の態様から第12の態様においては、RLCレイヤが非認証モード(UM)を使用している場合には、データ受信装置は、並び替えウィンドウをRLCレイヤにおいて保持し、データ処理方法は、第1のRLC PDUが並び替えウィンドウの範囲外となり、リアセンブルすることに失敗したRLC SDUのセグメントを第1のRLC PDUが含む場合には、データ受信装置によって、リアセンブルすることに失敗したRLC SDUに対応するすべての受信したRLC PDUを破棄するステップをさらに含む。それに対応するように、データ処理装置は、本ステップを行うように構成されるユニットをさらに含む。
【0035】
必要に応じて、データ受信装置は、破棄されたRLC SDUをPDCPレイヤに通知し得る。それに対応するように、データ処理装置は、本ステップを行うように構成されるユニットをさらに含む。
【0036】
第7の態様から第12の態様においては、受信したRLC PDUのSNが非連続的である場合には、データ受信装置は、最初の非連続的な位置でタイマを開始する。タイマを関連タイマと称し得る。タイマが満了する前に、欠けているSNを含むRLC PDUを受信した場合には、データ受信装置は、タイマを停止する。タイマが満了すると、すなわち、欠けているSNを含むRLC PDUをタイマが満了する前に受信しなかった場合には、データ受信装置は、並び替えウィンドウの下端を最初の非連続的な位置に対応するSNの位置、すなわち、上位レイヤに送られなかった最初のRLC SDUに対応するSNの位置に移動する。そのようなSNをファーストSNと称する。
【0037】
必要に応じて、データ受信装置は、PDCPレイヤに送られていない、そのSNがファーストSNの前のものである、RLC PDUを破棄する。さらに、必要に応じて、データ受信装置は、破棄されたRLC PDUに対応するRLC SDUのSNをPDCPレイヤに通知する。
【0038】
第7の態様から第12の態様においては、データ受信装置によって、MACレイヤからデータパケットを受信するステップの前に、方法は、MAC PDUのフォーマットに基づいてMAC SDUをMACレイヤにおいて取得し、RLCレイヤに送信されるデータパケットとしてMAC SDUを使用するステップをさらに含む。MAC PDUのフォーマットは、以下の通りである。
【0039】
MAC PDUが、MACヘッダおよびMACペイロードを含み、MACヘッダが、少なくとも1つのサブヘッダを含み、各サブヘッダが、1つの論理チャネルに対応し、サブヘッダが、第1の拡張フィールドおよび第2の拡張フィールドを含み、第1の拡張フィールドが、MAC PDUが別のサブヘッダをさらに含むかどうかまたは別の論理チャネルのデータをさらに含むかどうかを示すために使用され、第2の拡張フィールドが、MAC PDUが第2の拡張フィールドがあるサブヘッダに対応する論理チャネルの他のデータをさらに含むかどうかを示すために使用される。
【0040】
第13の態様に従って、RLC PDUの構造を提供している。RLC PDUは、ヘッダおよびペイロードを含み、ペイロードは、単一のRLC SDUからのデータを搬送するために使用される。
【0041】
RLC PDUのヘッダは、前述の説明におけるものと同一である。
【0042】
第14の態様に従って、データ処理方法を提供している。方法は、データ送信装置によって行われ、次のステップ、すなわち、RLCレイヤからRLCデータパケットを受信するステップであって、RLCデータパケットは、少なくとも1つのRLC PDUを含む、ステップと、MAC SDUとしてRLCデータパケットを使用し、MAC PDUにMAC SDUをカプセル化するステップとを含み、MAC PDUが、MACヘッダおよびMACペイロードを含み、MACヘッダが、少なくとも1つのサブヘッダを含み、各サブヘッダが、1つの論理チャネルに対応し、サブヘッダが、第1の拡張フィールド(Eフィールド)および第2の拡張フィールド(Hフィールド)を含み、第1の拡張フィールドが、MAC PDUが別のサブヘッダをさらに含むかどうかまたは別の論理チャネルのデータをさらに含むかどうかを示すために使用され、第2の拡張フィールドが、MAC PDUが第2の拡張フィールドがあるサブヘッダに対応する論理チャネルの他のデータをさらに含むかどうかを示すために使用される。
【0043】
第15の態様に従って、データ処理方法を提供している。方法は、データ受信装置によって行われ、次のステップ、すなわち、PDCPレイヤからMAC PDUを受信するステップと、MAC PDUのフォーマットに基づいてMAC SDUを取得するステップと、RLCレイヤにMAC SDUを送信するステップとを含む。MAC PDUのフォーマットは、次のようなものであり、MAC PDUが、MACヘッダおよびMACペイロードを含み、MACヘッダが、少なくとも1つのサブヘッダを含み、各サブヘッダが、1つの論理チャネルに対応し、サブヘッダが、第1の拡張フィールド(Eフィールド)および第2の拡張フィールド(Hフィールド)を含み、第1の拡張フィールドが、MAC PDUが別のサブヘッダをさらに含むかどうかまたは別の論理チャネルのデータをさらに含むかどうかを示すために使用され、第2の拡張フィールドが、MAC PDUが第2の拡張フィールドがあるサブヘッダに対応する論理チャネルの他のデータをさらに含むかどうかを示すために使用される。
【0044】
第16の態様に従って、送信端に位置している、第14の態様におけるステップを行うように構成される手段(means)またはユニットを含む、データ処理装置を提供している。あるいは、受信端に位置している、第15の態様におけるステップを行うように構成される手段(means)またはユニットを含む、データ処理装置を提供している。
【0045】
第17の態様に従って、送信端に位置している、プロセッサおよびメモリを含む、データ処理装置を提供している。メモリは、プログラムを記憶するように構成され、プロセッサは、メモリに記憶されているプログラムを起動して、本願の第14の態様において提供した方法を行う。あるいは、受信端に位置している、プロセッサおよびメモリを含む、データ処理装置を提供している。メモリは、プログラムを記憶するように構成され、プロセッサは、メモリに記憶されているプログラムを起動して、本願の第15の態様において提供した方法を行う。
【0046】
第18の態様に従って、本願は、送信端に位置している、第14の態様における方法を行うように構成される少なくとも1つの処理要素(またはチップ)を含む、データ処理装置を提供している。あるいは、本願は、受信端に位置している、第15の態様における方法を行うように構成される少なくとも1つの処理要素(またはチップ)を含む、データ処理装置を提供している。
【0047】
第19の態様に従って、本願は、プログラムを提供している。プログラムは、プロセッサによって実行されると、第14の態様または第15の態様における方法を行うために使用される。
【0048】
第20の態様に従って、第19の態様におけるプログラムを含む、例えば、コンピュータ可読記憶媒体といった、プログラム製品を提供している。
【0049】
前述のソリューションにおいては、1つのLCIDだけが単一の論理チャネルのデータを示すために必要とされる、ことが理解できよう。したがって、MACレイヤにおけるヘッダオーバーヘッドを効率的に低減することができる。
【0050】
前述の態様においては、MAC PDUのサブヘッダは、論理チャネル識別子(LCID)フィールドをさらに含み、LCIDフィールドは、サブヘッダに関連付けられたペイロードが属する論理チャネルを示すために使用される。
【0051】
前述の態様においては、MAC PDUのサブヘッダは、第1の長さ指示フィールド(Fフィールド)および第2の長さ指示フィールド(Lフィールド)をさらに含む。第1の長さ指示フィールドは、第2の長さ指示フィールドの長さを示すために使用され、第2の長さ指示フィールドは、第2の長さ指示フィールドがあるサブヘッダに関連付けられたペイロードの長さを示すために使用される。
【0052】
第21の態様に従って、データ処理方法を提供している。方法は、データ送信装置上で使用され、データ送信装置は、PDCP送信ウィンドウをPDCPレイヤにおいて保持し、方法は、データ送信装置によって、RLCレイヤにPDCP PDUをPDCPレイヤにおいて送信するステップと、送信されたPDCP PDUの数量がPDCP送信ウィンドウによって格納することができるPDCP PDUの最大数量に達してもデータ送信装置がPDCPレイヤにおいて成功フィードバックを受信しなかった場合には、データ送信装置によって、PDCP PDUを送信することを停止するステップとを含む。成功フィードバックは、すべてまたはいくつかのPDCP PDUを送信することに成功したことを示す、データ送信装置によってRLCレイヤにおいてフィードバックされる、状態レポートである、または、成功フィードバックは、すべてまたはいくつかのPDCP PDUを受信することに成功したことを示す、データ受信装置によってフィードバックされる、状態レポートである。
【0053】
第22の態様に従って、送信端に位置している、第21の態様におけるステップを行うように構成される手段(means)またはユニットを含む、データ処理装置を提供している。
【0054】
第23の態様に従って、プロセッサおよびメモリを含む、データ処理装置を提供している。メモリは、プログラムを記憶するように構成され、プロセッサは、メモリに記憶されているプログラムを起動して、本願の第21の態様において提供した方法を行う。
【0055】
第24の態様に従って、本願は、第21の態様における方法を行うように構成される少なくとも1つの処理要素(またはチップ)を含む、データ処理装置を提供している。
【0056】
第25の態様に従って、本願は、プログラムを提供している。プログラムは、プロセッサによって実行されると、第21の態様における方法を行うために使用される。
【0057】
第26の態様に従って、第25の態様におけるプログラムを含む、例えば、コンピュータ可読記憶媒体といった、プログラム製品を提供している。
【0058】
送信端は、PDCPレイヤにおけるデータパケット送信を制御するために、PDCP送信ウィンドウをPDCPレイヤにおいて保持し得る、ことが理解できよう。このことが、送信端によって送信されるデータの量がPDCP SNによって示すことができるデータの範囲を超過するとPDCP SNが反復されるという問題を効果的に縮小することを可能としており、それによって、受信端が、同一のSNを有する、PDCPレイヤにおいて受信された、複数のデータパケットを正確に区別および処理することができないという問題を解決している。
【0059】
前述の態様においては、PDCP送信ウィンドウのサイズは、PDCPシーケンス番号に基づいて決定される、または、プリセットされている。
【0060】
さらに、PDCP送信ウィンドウのサイズは、以下の式W=(L+1)/2に基づいて決定される、ここで、Wは、PDCP送信ウィンドウのサイズを示し、Lは、PDCPシーケンス番号の長さによって示すことができる最大のシーケンス番号の値を示す。
【0061】
前述の態様においては、データ送信装置は、RLCレイヤにPDCPシーケンス番号をPDCPレイヤにおいて送信する。PDCP PDUは、PDCPシーケンス番号を搬送する、または、PDCPシーケンス番号は、PDCP PDUに依存しない。PDCPシーケンス番号は、データ送信装置がPDCP PDUをアセンブルする際にPDCP PDUに割り振られるシーケンス番号である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
添付の図面を参照して本願の実施形態における技術的ソリューションを以下に明確に説明する。説明した実施形態が本願の実施形態のすべてではなく一部に過ぎないことは明らかであろう。創造的努力無しに本願の実施形態に基づいて当業者によって得られたすべての他の実施形態は、本願の保護範囲に含まれるものとする。
【0064】
以下の説明においては、当業者がより良い理解を有する手助けをするために、本願におけるいくつかの用語を説明する。
【0065】
(1)ユーザ機器(User Equipment、UE)とも称される、端末は、ユーザに音声および/またはデータ接続性を提供するデバイス、例えば、無線接続機能を有する、ハンドヘルドデバイスまたは車載デバイスである。一般的な端末は、例えば、モバイル電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、モバイルインターネットコンピュータ(mobile internet device、MID)、または、スマートウォッチ、スマートバンド、もしくは歩数計などのウェアラブルデバイスを含む。
【0066】
(2)無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、RAN)デバイスとも称される、基地局は、発展型ノードB(evolved Node B、eNB)、無線ネットワーク制御装置(radio network controller、RNC)、ノードB(Node B、NB)、ベースステーションコントローラ(Base Station Controller、BSC)、ベーストランシーバステーション(Base Transceiver Station、BTS)、ホームeNodeB(例えば、Home evolved NodeBまたはHome Node B、HNB)、またはベースバンドユニット(BaseBand Unit、BBU)を含むがそれらに限定されない、端末を無線ネットワークに接続するデバイスである。加えて、基地局は、Wi-Fiアクセスポイント(Access Point、AP)などを含み得る。
【0067】
(3)本願におけるユニット(またはエンティティ)は、機能ユニット(またはエンティティ)または論理ユニット(またはエンティティ)を意味する。ユニットは、ソフトウェアの形式であり得るし、その機能がプログラムコードを実行するプロセッサを使用して実施される、または、ハードウェアの形式にあり得る。
【0068】
(4)「複数の」は、2つまたは2つより多いことを意味する。「および/または」という用語は、関連オブジェクトを説明するための関連性の関係を記述し、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、Aおよび/またはBは、Aのみが存在する、AとBとの両方が存在する、およびBのみが存在する、という3つのケースを表し得る。「/」という文字は、関連オブジェクト間の「または」の関係を一般的に示す。「上回る」または「下回る」を使用して説明した範囲は、境界点を含む。
【0069】
図1を参照すれば、
図1は、本願の実施形態による、通信シナリオの概略図である。
図1に示しているように、端末110は、無線ネットワークを介して外部ネットワーク(例えば、インターネット)のサービスを得るために、または、無線ネットワークを介して別の端末と通信するために、RANデバイス120を介して無線ネットワークにアクセスする。ダウンリンク伝送方向においては、RANデバイス120は、送信端として使用され、端末110は、受信端として使用され得る。アップリンク伝送方向においては、端末110は、送信端として使用され、RANデバイス120は、受信端として使用される。
【0070】
端末110とRANデバイス120との間の通信は、エアインターフェースプロトコルに準拠する。
図2を参照すれば、
図2は、本願の実施形態による、その後に端末とRANデバイスとの間の通信が行われるユーザプレーンプロトコルスタックの概略図である。
図2に示しているように、プロトコルスタックは、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(Packet Data Convergence Protocol、PDCP)レイヤ、無線リンク制御(Radio Link Control、RLC)レイヤ、媒体アクセス制御(Media Access Control、MAC)レイヤ、および物理(physical、PHY)レイヤを含む。PDCPレイヤ、RLCレイヤ、およびMACレイヤは、レイヤ2(L2)プロトコルスタックを形成する。
【0071】
現在のところ、PDCPレイヤの主な機能は、暗号化/復号、ヘッダ圧縮/ヘッダ展開、完全性保護などを含む。RLCレイヤの主な機能は、セグメント化、連結、並び替え、自動再送要求(automatic repeat request、ARQ)などを含む。MACレイヤの主な機能は、多重化、スケジューリング、ハイブリッド自動再送要求(hybrid automatic repeat request、HARQ)などを含む。
【0072】
本願の実施形態によるソリューションにおいては、RLCレイヤの機能は調整され、PDCPレイヤからのデータパケットをカプセル化する際には、RLCレイヤは、セグメント化のみを行い連結を行わない。このように、送信端における連結処理を低減することを可能とするとともに、処理複雑度および処理遅延を低減することを可能としている。
【0073】
添付の図面を参照して詳細な説明を以下に提供する。本願の本実施形態における送信端はデータ送信装置とも称され得るし、受信端はデータ受信装置とも称され得る、ことは理解されよう。
【0074】
図3を参照すれば、
図3は、本願の実施形態による、データ処理方法の概略図である。
図3に示しているように、方法は、送信端において使用され、すなわち、送信端によって行われ、送信端は、データ送信装置と称され得る。方法は、以下のステップを含む。
【0075】
S310. PDCPレイヤからデータパケットを受信し、RLC サービスデータユニット(service data unit、SDU)としてデータパケットを使用する。
【0076】
S320. 少なくとも1つのRLC PDUにRLC SDUをカプセル化する、ここで、RLC PDUの各々は、ヘッダおよびペイロードを含み、ペイロードは、単一のRLC SDUからのデータを搬送するために使用される。
【0077】
本実施形態および以下の実施形態においては、RLC PDUのペイロードが単一のRLC SDUからのデータを搬送するために使用されるということは、RLC PDUが2つ以上のRLC SDUまたはRLC SDUの2つ以上のセグメントを格納することができる場合であっても、RLC PDUの各々のペイロードが単一のRLC SDUからのデータのみを搬送するために使用されるということを意味する。換言すれば、送信端は、データパケットに対するRLCレイヤにおける連結処理を行わない。
【0078】
送信端がRLC PDUにRLC SDUをRLCレイヤにおいてカプセル化するプロセスでは、アセンブルされるRLC PDUの各々のペイロードは、単一のRLC SDUからのデータを搬送するために使用される、ことが理解できよう。換言すれば、RLC PDUのペイロードは、別のRLC SDUのデータを含んでいない。すなわち、送信端は、RLC SDUに対するRLCレイヤにおける連結処理をもはや行わない。このように、送信端における連結処理を低減することを可能とするとともに、処理複雑度および処理遅延を低減することを可能としている。
【0079】
加えて、受信端は、RLC SDUを並び替える必要なく、単一のRLC SDUのセグメントのみをRLCレイヤにおいて並び替え得る。したがって、受信端における処理をシンプルにすることができる。このことを以下の実施形態において詳細に説明する。
【0080】
連結処理をRLC SDUに対して行わない場合には、RLC PDUのヘッダは、さらにシンプル化にされRLC PDUのヘッダオーバーヘッドを低減し得る。当然のことながら、本願におけるシンプル化したRLC PDUフォーマットと比較してより大きいヘッダオーバーヘッドを必要とすることを除いて、既存の技術におけるRLC PDUフォーマットをそのまま使用し得る。
【0081】
図4を参照すれば、
図4は、本願の実施形態による、RLC PDUのフォーマットの概略図である。
図4に示しているように、RLC PDUは、ヘッダおよびペイロードを含み、ペイロードは、単一のRLC SDUからのデータを搬送するために使用される。ヘッダは、パケットヘッダとも称され、データ/制御(data/control、D/C)フィールド、シーケンス番号(sequence number、SN)フィールド、セグメント指示(segment indicator、SI)フィールド、およびセグメントオフセット(segment offset、SO)フィールドといったフィールドのうちの1つまたは複数を含む。
【0082】
D/Cフィールドは、データパケットもしくは制御パケットのどちらが送信されるか、または、データ情報もしくは制御情報のどちらがD/CフィールドがあるRLC PDUにおいて送信されるかを示すために使用される。例えば、D/Cフィールドが0である場合には、データパケットがRLC PDUにおいて送信され、D/Cフィールドが1である場合には、制御パケットがRLC PDUにおいて送信される、また、逆も同様である。すなわち、D/Cフィールドが0である場合には、制御パケットがRLC PDUにおいて送信され、D/Cフィールドが1である場合には、データパケットがRLC PDUにおいて送信される。このことは本実施形態において限定されない。
【0083】
SNフィールドは、SNフィールドがあるRLC PDUにおいて送信されるデータが属するRLC SDUを示すために使用される。既存の技術では、各RLC PDUは、1つのSNに対応する。本実施形態においては、各RLC SDUは、1つのSNに対応する。1つのRLC SDUが複数のセグメントに分割され複数のRLC PDUにカプセル化される場合には、これらのRLC PDU内のSNは同一である。本実施形態においては、SNフィールドが、SNフィールドがあるRLC PDUにおいて送信されるデータが属するRLC SDUに対応するシーケンス番号を示すために使用され得る、ことが理解できよう。
【0084】
1つのRLC SDUが1つのSNに対応し、1つのRLC SDUが伝送のために複数のRLC PDUにカプセル化される場合には、複数のRLC PDUが同一のSNを使用する、ことが理解できよう。このように、PDCPレイヤとRLCレイヤとが、ヘッダオーバーヘッドを低減するために1つのSNを共有し得る。加えて、このことが、RLC SDUが複数のRLC PDUにセグメント化される場合に複数のSNが必要となるのでSNの長さを既存の技術において拡張する必要があるという問題を解決しており、したがって、オーバーヘッドを低減することも可能としている。
【0085】
SNフィールドの長さは、合意されたものであり得る、または、上位レイヤ、例えば、無線リソース制御(radio resource control、RRC)レイヤによって設定されたものであり得る。SNフィールドの長さは、本実施形態において限定されず、必要に応じて設定または合意されたものであってもよく、例えば、5ビットまたは10ビットであってもよい。
【0086】
必要に応じて、SNフィールド内のSNは、RLCレイヤによって割り振られてもよい。この場合には、RLC PDUとPDCP PDUとは、それらのそれぞれのSNを含む。換言すれば、1つのRLC PDUは、2つのSNを含む。必要に応じて、SNフィールド内のSNは、PDCPレイヤによって設定され得る。換言すれば、RLC PDUに含まれるSNは、PDCPレイヤによって割り振られたSNである。この場合には、1つのRLC PDUは1つのSNだけを含み、1つのRLC SDUが同一のSNを有する複数のRLC PDUにカプセル化される。このように、PDCPレイヤとRLCレイヤとが、ヘッダオーバーヘッドを低減するために1つのSNを共有し得る。加えて、このことが、RLC SDUが複数のRLC PDUにセグメント化される場合に複数のSNが必要となるのでSNの長さを既存の技術において拡張する必要があるという問題を解決しており、したがって、オーバーヘッドを低減することも可能としている。
【0087】
必要に応じて、送信端において、SNフィールドは、RLC送信ウィンドウの位置および/またはサイズを制御し、受信端によってフィードバックされた状態レポートに基づいてARQ再送などの動作を行うために使用され得る。受信端において、SNフィールドは、並び替え、状態レポートフィードバック、およびRLC SDUのリアセンブリなどの動作を行うために使用され得る。
【0088】
SIフィールドは、SIフィールドがあるRLC PDUにカプセル化されているものがコンプリートRLC SDUまたはRLC SDUのセグメントであることを示すために使用される、すなわち、RLC PDUのペイロードがコンプリートRLC SDUまたはRLC SDUのセグメントのどちらであるかを示すために使用される。
【0089】
ある実施形態においては、SIフィールドは、2ビットを含み得る。異なる値は、異なる意味を表す。以下では、実施形態(実施形態1)を提供している。
- 00: セグメント化無しを示す。ここで、セグメント化は、RLC SDUに対して行われるセグメント化を意味する。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、コンプリートRLC SDUである。
- 01: 先頭セグメントを示す。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの先頭セグメントである。
- 10: 中間セグメントを示す。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの中間セグメントである。中間セグメントは、RLC SDUの先頭バイトを含まず、RLC SDUの最終バイトを含まない。換言すれば、中間セグメントは、RLC SDUの先頭セグメントでもRLC SDUの最終セグメントでもない。
- 11: 最終セグメントを示す。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの最終セグメントである。
【0090】
別の実施形態(実施形態2)においては、SIの値とその値によって示される意味との間の対応付けは、以下のように最適化され得る。
- 00: セグメント化無しを示す。ここで、セグメント化は、RLC SDUに対して行われるセグメント化を意味する。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、コンプリートRLC SDUである。
- 01: 予約(reserved)。
- 10: 予約(reserved)。
- 11: 最終セグメントを示す。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの最終セグメントである。
【0091】
ここで、「予約」は、値の意味が当座のところ定義されていないことを意味する。
【0092】
別の実施形態においては、SIフィールドは、1ビットを含み得る。異なる値は、異なる意味を表す。以下では、実施形態(実施形態3)を提供している。
- 0: 先頭セグメントまたは中間セグメントを示す。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの先頭セグメントまたは中間セグメントである。中間セグメントは、RLC SDUの先頭バイトを含まず、RLC SDUの最終バイトを含まない。換言すれば、中間セグメントは、RLC SDUの先頭セグメントでもRLC SDUの最終セグメントでもない。
- 1: セグメント化無しまたは最終セグメントを示す。ここで、セグメント化は、RLC SDUに対して行われるセグメント化を意味する。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、コンプリートRLC SDUである、または、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの最終セグメントである。
【0093】
値の割り当ての各方法と値の割り当ての方法において各値によって示される意味との間の対応付けは本願を限定するものではなく、値の割り当ての他の方法が対応付けにおいて使用されてもよい、ことは理解されよう。例えば、より多くのビットを使用する。別の例では、値の割り当ての各方法において、値とその値の意味との間の対応付けが交換されてもよい。
【0094】
SOフィールドは、RLC SDU内での、SOフィールドがあるRLC PDUのペイロード内の先頭バイトについての、バイトオフセットを示すために使用され、RLC SDUにペイロードが属する。RLC PDUがコンプリートRLC SDUを含む場合には、RLC PDUのペイロード内の先頭バイトは、RLC SDUの先頭バイトであり、したがって、SOフィールドによって示されるバイトオフセットは0である。RLC PDUがRLC SDUのセグメントを含む場合には、SOフィールドによって示されるバイトオフセットは、RLC SDU内での、セグメント内の先頭バイトについての、バイトオフセットである。例えば、RLC SDUのサイズは、400バイトである。RLC SDUが2つの200バイトのセグメントに分割されていると仮定する。先頭セグメントがあるRLC PDUでは、SOフィールドの値は0であり、2番目のセグメントがあるRLC PDUでは、SOフィールドの値は201である。SOフィールドの値が0である場合には、SOフィールドを使用しなくてもよい。換言すれば、SOフィールドが存在しない。この場合には、RLC PDUが、コンプリートRLC SDUを含む、または、RLC SDUの先頭セグメントを含む、とみなされる。
【0095】
SOフィールドの長さは、本願において限定されない。SOフィールドの長さは、RLC SDUまたはRLC SDUのセグメントのサイズに関連し得る、または、RLC PDUのペイロードのサイズに関連し得る。RLC PDU内のペイロードが大きくなればなるほど、SOフィールドをより長くする必要があるが、SOフィールドの長さは、RLC PDU内のペイロードにそのまま比例するわけではない。例えば、SOフィールドが1ビットを含む場合には、示すことができる最大のRLC PDUのペイロードサイズは2である、または、SOフィールドが2ビットを含む場合には、示すことができる最大のRLC PDUのペイロードサイズは4である、そして、以下同様である。200バイトのRLC PDUペイロードを示す必要がある場合には、SOフィールドの長さは8ビット必要である。SOフィールドの長さは、合意されたものであり得る、または、上位レイヤ、例えば、RRCレイヤによって設定されたものであり得る。あるいは、フィールド、すなわち、SOフィールドの長さ指示フィールドは、SOフィールドの長さを示すために、RLC PDUのヘッダに付加され得る。例えば、1ビットのフィールドは、2つのSOの長さを示すために使用され得るし、2ビットのフィールドは、4つのSOの長さを示すために使用され得る。
【0096】
SIフィールドは、RLC PDUに含まれるRLC SDUまたはRLC SDUのセグメントの特定の情報を示すためにSOフィールドと組み合わされ、受信端におけるRLC SDUのリアセンブリを容易にし得る。
【0097】
実施形態1から実施形態3に対する対応付けにおいては、SIフィールドとSOフィールドとの組合せの実施形態は、以下の通りである。
【0098】
実施形態1: 前述の実施形態1に対する対応付けにおいては、SIフィールドの値の割り当ての方法とSIフィールドの値の意味とは、前述の実施形態1のものと同一である。
- SI=00且つSO=0またはSOフィールド無し: セグメント化無しを示す。ここで、セグメント化は、RLC SDUに対して行われるセグメント化を意味する。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、コンプリートRLC SDUである。
- SI=01且つSO=0またはSOフィールド無し: 先頭セグメントを示す。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの先頭セグメントである。
- SI=10且つSO=M、ここで、M>0: 中間セグメントを示す。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの中間セグメントである。中間セグメントの意味は前述の説明と同一であるため、その詳細をここでは再び説明しない。
- SI=11且つSO=N、ここで、N>0: 最終セグメントを示す。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの最終セグメントである。
【0099】
実施形態2: 前述の実施形態2に対する対応付けにおいては、SIフィールドの値の割り当ての方法とSIフィールドの値の意味とは、前述の実施形態2のものと同一である。
- SI=00且つSO=0: セグメント化無しを示す。ここで、セグメント化は、RLC SDUに対して行われるセグメント化を意味する。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、コンプリートRLC SDUである。
- SI=11且つSO=N、ここで、N>0: 最終セグメントを示す。すなわち、RLC PDUは、RLC SDUの最終セグメントを含む。
- SI≠00且つSI≠11、例えば、SI=01またはSI=10且つSO=M、ここで、M>0: 中間セグメントを示す。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの中間セグメントである。中間セグメントの意味は前述の説明と同一であるため、その詳細をここでは再び説明しない。
【0100】
実施形態3: 前述の実施形態3に対する対応付けにおいては、SIフィールドの値の割り当ての方法とSIフィールドの値の意味とは、前述の実施形態3のものと同一である。
- SI=0且つSO=0: 先頭セグメントを示す。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの先頭セグメントである。
- SI=0且つSO=M、ここで、M>0: 中間セグメントを示す。
- SI=1且つSO=0: セグメント化無しを示す。ここで、セグメント化は、RLC SDUに対して行われるセグメント化を意味する。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、コンプリートRLC SDUである。
- SI=1且つSO=N、ここで、N>0: 最終セグメントを示す。すなわち、RLC PDUにカプセル化されているものは、RLC SDUの最終セグメントである。
【0101】
必要に応じて、RLC PDUのヘッダは、ポーリング(polling)フィールドをさらに含み得る。ポーリングフィールドは、RLC状態レポートをフィードバックするように受信端におけるRLCレイヤに要求するために使用される。ポーリングフィールドは、既存の技術におけるものと同一であるため、詳細をここでは説明しない。
【0102】
必要に応じて、RLC PDUのヘッダは、後続の機能拡張のために少なくとも1つの予約フィールドをさらに含み得る。
【0103】
ある実施形態においては、送信端は、下位レイヤ、例えば、MACレイヤからの指示に基づいて、RLC PDUをRLCレイヤにおいてアセンブルし得る。例えば、MACレイヤによって示されるサイズがRLC SDUさらにその上対応するRLCヘッダを格納することができる場合には、送信端は、1つのRLC PDUにRLC SDU全体をRLCレイヤにおいてカプセル化する。RLC PDU内のRLC SDUはセグメント化されておらず、別のRLC SDUのデータが連結されておらず、1バイトより大きいパディングは存在していない。換言すれば、パディングは、バイトアライメントのために生成される。別の例では、MACレイヤによって示されるサイズがRLC SDUさらにその上対応するRLCヘッダを格納することができない場合には、送信端は、RLC SDUを複数のセグメントに分割し、各セグメントを1つのRLC PDUにカプセル化する。現在のところ、MACレイヤは、リソーススケジューリングのために使用される。RLCレイヤによってアセンブルされるべきRLC PDUのサイズまたはRLCレイヤによってアセンブルされるべき複数のRLC PDUの総サイズは、MACレイヤのリソーススケジューリング状況に基づいて把握され得る。
【0104】
別の実施形態においては、送信端がプリセットされたRLC PDUサイズに基づいてRLC PDUをRLCレイヤにおいてアセンブルし得るように、RLC PDUのサイズがプリセットされていてもよい。この場合には、RLCレイヤは、MACレイヤがスケジューリングを終える前にまたはMACレイヤによって示されるサイズを受信する前に、事前にRLC PDUをアセンブルし得るし、MACレイヤから指示を受信した後にMACレイヤにRLC PDUの対応する数量を直ちに送り得る、その結果、RLCレイヤのリアルタイム処理時間が効率的に低減され、データ伝送遅延が低減される。アセンブリプロセスは、RLC PDUがMACレイヤからの指示に基づいてアセンブルされるプロセスと類似している。例えば、プリセットされたRLC PDUサイズがRLC SDUさらにその上対応するRLCヘッダを格納することができる場合には、送信端は、1つのRLC PDUにRLC SDU全体をRLCレイヤにおいてカプセル化する。RLC PDU内のRLC SDUはセグメント化されておらず、別のRLC SDUのデータが連結されていない。アセンブルされるRLC PDUのサイズがプリセットサイズと同一とすることができるように、この場合には、送信端は、RLCレイヤにおいてパディングを行ってもよい。あるいは、パディングは行われなくてもよく、換言すれば、プリセットされたRLC PDUサイズは、制限値であり、アセンブルされるRLC PDUのサイズの最大値を制限するために使用されるに過ぎない。別の例では、プリセットされたRLC PDUサイズがRLC SDUさらにその上対応するRLCヘッダを格納することができない場合には、送信端は、RLC SDUを複数のセグメントに分割し、各セグメントを1つのRLC PDUにカプセル化する。送信端は、最終セグメントを除いたセグメントによって形成されるRLC PDUのすべてのサイズがプリセットされたRLC PDUサイズを満たすように、プリセットされたRLC PDUサイズに基づいてRLC SDUをセグメント化し得るし、最終セグメントについては、最終セグメントのサイズがプリセットサイズのRLC PDUを形成するには不十分である場合には、パディングが行われてもよく、または、パディングが行われなくてもよく、このことは、ここでは限定されない。
【0105】
図5を参照すれば、
図5は、本願の実施形態による、RLC PDUの別のフォーマットの概略図である。
図4に示したRLC PDUフォーマットとの違いは、本フォーマットが長さ指示(length indicator、LI)フィールドをさらに含み、LIフィールドがLIフィールドがあるRLC PDU内のペイロードの長さを示すために使用されることである。すなわち、LIフィールドは、LIフィールドがあるRLC PDU内のSDUまたはSDUセグメントの長さを示すために使用される。
【0106】
必要に応じて、送信端は、MACレイヤに1つずつRLC PDUをRLCレイヤにおいて送信し得る。この場合には、MACレイヤは、各RLC PDUを1つのMAC SDUとしてみなし、MAC SDUを示すために各MAC SDUに対して1つのサブヘッダを設定する。あるいは、送信端は、
図6に示しているように、MACレイヤに1つのRLCデータパケットとして複数のRLC PDUをRLCレイヤにおいて送信し得る。MACレイヤは、1つのMAC SDUとしてRLCデータパケットを使用する。したがって、1つのサブヘッダだけが、MAC SDUを示すためにMAC SDUに付加される必要があり、MACレイヤのヘッダオーバーヘッドを低減している。このことはMACレイヤにおける以下のデータ処理プロセスにおいて詳細に説明しているため、詳細をここでは説明しない。
【0107】
送信端がMACレイヤにRLCデータパケットを送信し、RLCデータパケットが1つのRLC PDUを含み得るまたは複数のRLC PDUを含み得る、ことが理解できよう。加えて、1つのRLCデータパケットに含まれるRLC PDUにカプセル化されたデータは、1つのRLC SDUに由来し得る、または、複数のRLC SDUに由来し得る。
【0108】
当業者がより良い理解を有する手助けをするために、各レイヤにおける処理プロセスを参照して以下に説明を提供する。しかしながら、これは、本願を限定することを意図していない。本願における様々なレイヤにおけるデータ処理ユニットまたはエンティティが、RAN側の異なるデバイスに位置していてもよい。
【0109】
図7を参照すれば、
図7は、本願の実施形態による、データ処理方法のフローチャートである。
図7に示しているように、方法は、以下のステップを含む。
【0110】
S710. 上位レイヤのデータ(PDCP SDU)がPDCPレイヤに達する。PDCPレイヤにおいて、送信端は、データを処理してPDCP PDUを形成し、RLCレイヤにPDCP PDUを送信する。
【0111】
送信端によってPDCPレイヤにおいて行われるデータ処理は、ヘッダ圧縮、暗号化、および完全性保護などの1つまたは複数の動作を含み得る。このことは既存の技術におけるものと同一である。詳細をここでは説明しない。
【0112】
必要に応じて、送信端は、PDCPレイヤにおいて、PDCP PDUに1つのSNを割り振る、または、PDCP PDUと1つのSNを関連付ける。SNは、RLCレイヤに送信されることになるPDCP PDUにカプセル化され得る。あるいは、SNは、PDCP PDUにカプセル化されないが、RLCレイヤにPDCP PDUとともに送信される。あるいは、SNは、PDCP PDUにカプセル化されないが、RLCレイヤに別々に送信され、シグナリングが、SNとPDCP PDUとの間の対応付けを示すために使用される、すなわち、SNが割り振られる特定のPDCP PDUを示すために使用される。前記SNとRLCレイヤのSNとを区別するために、このSNをPDCP SNと称する。PDCP SNは、RLCレイヤのSNと同一でもよい、または、RLCレイヤのSNと異なっていてもよい。
【0113】
必要に応じて、送信端は、PDCPレイヤにおけるデータパケット送信を制御するために、PDCP送信ウィンドウをPDCPレイヤにおいて保持し得る。このことが、送信端によって送信されるデータの量がPDCP SNによって示すことができるデータの範囲を超過するとPDCP SNが反復されるという問題を効果的に縮小することを可能としており、それによって、受信端が、同一のSNを有する、PDCPレイヤにおいて受信された、複数のデータパケットを正確に区別および処理することができないという問題を解決している。送信端が、PDCP送信ウィンドウによって格納することができるPDCP PDUの最大数量をPDCPレイヤにおいて連続して送信した後に、下位レイヤ(例えば、RLCレイヤ)または受信端によってフィードバックされる送信に成功したことまたは受信に成功したことに関する状態レポートを受信しなかった場合には、送信端は、もはやいかなるPDCP PDUも送信しない。送信端がRLCレイヤにおいて非認証モード(unacknowledged mode、UM)を使用している場合には、PDCP送信ウィンドウは存在しなくてもよい。ここで、送信が成功したことに関する状態レポートは、すべてもしくはいくつかのPDCP PDUを送信することに成功したことを示す、送信端によってRLCレイヤにおいてフィードバックされる、状態レポートである、または、受信が成功したことに関する状態レポートは、すべてもしくはいくつかのPDCP PDUを受信することに成功したことを示す、受信端によってフィードバックされる、状態レポートである。
【0114】
PDCP送信ウィンドウのサイズは、事前に設定されていてもよい。あるいは、PDCP送信ウィンドウのサイズは、SNの長さに基づいて決定されてもよい。PDCP送信ウィンドウのサイズがSNの長さに基づいて決定されると、以下の式W=(L+1)/2が、決定のために使用され得る、ここで、Wは、PDCP送信ウィンドウのサイズを示し、Lは、SNの長さによって示すことができる最大のSNの値を示す。例えば、SNの長さが10ビットである場合には、示すことができる最大のSNは1023である。したがって、PDCP送信ウィンドウのサイズは、(1023+1)/2=512である。
【0115】
S720. 送信端が、PDCPレイヤからPDCP PDUをRLCレイヤにおいて受信し、RLC SDUとしてPDCP PDUを使用し、RLC SDUをRLCレイヤにおいて処理してRLC PDUを形成し、MACレイヤにRLC PDUを送信する。
【0116】
既存の技術では、送信端は、RLC SDUに対する2種類の動作、すなわち、連結およびセグメント化をRLCレイヤにおいて行い得る。本実施形態においては、セグメント化処理のみがRLCレイヤに残され、連結処理はRLC SDUに対してもはや行われない。このように、処理複雑度および処理遅延を低減することを可能としている。加えて、複雑度を低減しているため、RLC PDUヘッダのための要件もまた低下され、RLC PDUヘッダのオーバーヘッドを低減し得る。
【0117】
RLCレイヤがPDCPレイヤからのデータパケットを処理するプロセスについては、前述の実施形態を参照すればよいため、その詳細をここでは再び説明しない。
【0118】
加えて、RLC PDU内のSNは、ステップS710においてPDCPレイヤによって送られたSNであり得る。換言すれば、RLC PDU内のSNはPDCP SNと同一である。このように、PDCPレイヤとRLCレイヤとが、ヘッダオーバーヘッドを低減するために1つのSNを共有し得る。加えて、このことが、RLC SDUが複数のRLC PDUにセグメント化される場合に複数のSNが必要となるのでSNの長さを既存の技術において拡張する必要があるという問題を解決しており、したがって、オーバーヘッドを低減することも可能としている。
【0119】
S730. 送信端が、RLCレイヤからRLCデータパケットをMACレイヤにおいて受信し、MAC SDUとしてRLCデータパケットを使用し、MAC SDUをMACレイヤにおいて処理してトランスポートブロック(transport block、TB)とも称されるMAC PDUを形成し、物理レイヤにMAC PDUを送信する。
【0120】
送信端は1つまたは複数のRLCレイヤからRLCデータパケットをMACレイヤにおいて受信し得るし、各RLCレイヤが1つの無線ベアラに対応する、ことに留意されたい。
【0121】
MAC PDUは、MACヘッダおよびMACペイロードを含み、MACヘッダは、複数のサブヘッダを含み、各サブヘッダは、1つのMAC制御要素(control element、CE)または1つのMAC SDUを示すために使用される。
【0122】
図8を参照すれば、
図8は、既存のMAC PDUの概略構造図である。
図8に示しているように、一般的に、MAC PDUは、MACヘッダおよびMACペイロードを含む。MACペイロードは、MAC SDUおよび/またはMAC CEを含み、必要に応じて、パディング(padding)をさらに含み得る。各MAC SDUについては、MACヘッダ内に関連サブヘッダが存在する。一般的なMAC PDUサブヘッダは、6つのフィールド(R/R/E/LCID/F/L)を含み、一方が7ビット長のフィールド有し他方が15ビット長のフィールドを有する2つの形式を有し得る。最終サブヘッダについては、固定長のMAC制御要素に対応するサブヘッダ、およびパディングに対応するサブヘッダ、4つのフィールド(R/R/E/LCID)が含まれる。Rは、reservedビット(予約ビットと称する)であり、「0」に設定される。Eは、MACヘッダが複数のフィールドを有しているかどうかを示すために使用される。例えば、E=1である場合には、次に続くものが別のグループの「R/R/E/LCID」フィールドであることを意味し、E=0である場合には、次に続くものがMACペイロードであることを意味する。論理チャネル識別子(logical channel ID、LCID)は、対応するRLC PDUが由来する論理チャネルを識別するために使用される。Fは、Lフィールドの長さを示すために使用される。Lは、MAC SDUの長さまたは制御メッセージの長さを示すために使用される。
【0123】
本願の本実施形態においては、既存の技術におけるものと同一のMAC PDUフォーマットが使用されてもよく、MAC SDUの内容、すなわち、RLCデータパケットのみが、既存の技術におけるものと異なり得る。RLCデータパケットは、前述のフォーマットで複数のRLC PDUを含み得る。
【0124】
必要に応じて、本願の本実施形態においては、既存の技術におけるものとは異なるMAC PDUフォーマットが使用されてもよく、主な違いは、第2の拡張フィールドがMACヘッダに付加されていることである。第2の拡張フィールドは、Hフィールドとして示され得る、または、E2フィールドとして示され得る(この場合には、元の拡張フィールドはE1フィールドとして示され得る)。Hフィールドは、HフィールドがあるMACサブヘッダ内のLCIDによって示される論理チャネル上にRLCデータパケットがまだ存在しているかどうかを示すために使用される。例えば、Hフィールドが0である場合には、論理チャネル上にRLCデータパケットが存在していないことを表し、Hフィールドが1である場合には、論理チャネル上にRLCデータパケットが存在することを表す、また、逆も同様である。すなわち、Hフィールドが0である場合には、論理チャネル上にRLCデータパケットが存在することを表し、Hフィールドが1である場合には、論理チャネル上にRLCデータパケットが存在していないことを表す。このように、1つのLCIDだけが、単一の論理チャネルのデータを示すために必要とされる。したがって、ヘッダオーバーヘッドが効率的に低減される。
【0125】
図9を参照すれば、
図9は、本願の実施形態による、MAC PDUの概略構造図である。
図9に示しているように、MAC PDUは、MACヘッダおよびMACペイロードを含み、MACヘッダは、少なくとも1つのサブヘッダを含み、各サブヘッダは、1つの論理チャネルに対応する。論理チャネルは、LCIDフィールドによって示される。加えて、各サブヘッダに関連付けられたペイロードは、1つまたは複数のMAC SDUを含み得る、ここで、一部またはすべてのMAC SDUは、MAC CEであり得る。ここで、簡潔および簡便のために、MAC SDUのみを示す。各サブヘッダは、第1の拡張フィールドおよび第2の拡張フィールドを含み、第1の拡張フィールドが、MAC PDUが別のサブヘッダをさらに含むかどうかまたは別の論理チャネルのデータをさらに含むかどうかを示すために使用され、第2の拡張フィールドが、MAC PDUが第2の拡張フィールドがあるサブヘッダに対応する論理チャネルの他のデータをさらに含むかどうかを示すために使用される。加えて、MACサブヘッダは、LフィールドおよびFフィールドをさらに含み得るし、LフィールドおよびFフィールドの機能は、既存の技術におけるものと類似している。
【0126】
図9に示しているように、MAC PDUのサブヘッダは、以下のフィールドを含む。
【0127】
LCIDフィールド: サブヘッダに関連付けられたペイロードがもたらされたRLCレイヤまたは論理チャネルを示すために使用される。MAC SDU1およびMAC SDU2などのサブヘッダに関連付けられたペイロードが単一のRLCレイヤまたは単一の論理チャネルによってもたらされる、ことは理解されよう。MACレイヤが、それ自身のデータ、例えば、MAC CEを生成し得るので、ペイロードも、対応するLCIDを使用して識別される。ここでは、MAC SDUのみを示す。MAC CEに関するケースも同様である。
【0128】
Eフィールド: MAC PDUが別のサブヘッダをさらに含むかどうか、すなわち、MAC PDUが別の論理チャネルのデータをさらに含むかどうかを示すために使用される、第1の拡張フィールドである。例えば、E=0である場合には、MAC PDUが別のサブヘッダまたは別の論理チャネルのデータを有していないことを示し、E=1である場合には、MAC PDUが別のサブヘッダまたは別の論理チャネルのデータを含んでいることを示す、また、逆も同様である。
【0129】
Rフィールド: 予約フィールドである。
【0130】
Hフィールド: MAC PDUが、Hフィールドがあるサブヘッダに対応する論理チャネルの他のデータをさらに含むかどうかを示すために使用される、すなわち、他のH/F/Lフィールドが存在するかどうかを示すために使用される、第2の拡張フィールドである。例えば、H=0である場合には、他のH/F/Lフィールドが存在していないことを表し、H=1である場合には、他のH/F/Lフィールドが存在することを表す。
【0131】
Fフィールド: Lフィールドの長さを示すために使用される。
【0132】
Lフィールド: MAC SDUの長さまたはMAC CEの長さを示すために使用される。
【0133】
必要に応じて、MAC PDUのサブヘッダは、LCID/E/Rフィールドの1つのグループと、H/F/Lフィールドの1つまたは複数のグループとを含む。
【0134】
図9に示したフォーマットに加えて、あるいは、サブヘッダは、MAC PDUの先頭に中心的に配置されてもよく、サブヘッダに関連付けられたペイロードは、一連の対応するサブヘッダに基づいてMAC PDUの後部に配置され、終端にパディングフィールドが存在してもよい、ことに留意されたい。あるいは、単一のLCIDに対応するサブヘッダとLCIDによって識別される論理チャネルのペイロードとが、先頭に配置されるサブヘッダ情報と後部に配置されるペイロードとともに、中心的に配置されてもよい。例えば、
図9に示しているように、2つのパートのサブヘッダ1が先頭に中心的に配置され、MAC SDU1とMAC SDU2とが後部に中心的に配置される。
【0135】
サブヘッダがLCIDに従って分離される方式によれば、受信端がMACレイヤにおいてサブヘッダを復号するたびに、対応するペイロードが復号され得るため、受信してから処理するまでの時間が低減される。サブヘッダを中心的に配置する方式は、比較的小さな変更があるが、既存の標準規格に準拠し得る。
【0136】
S740. 送信端が、物理レイヤを介して受信端にデータを送信する。
【0137】
S750. 受信端が、MAC SDUに受信したMAC PDUをMACレイヤにおいて復元し、RLCレイヤにMAC SDUを送信する。
【0138】
必要に応じて、受信端および送信端の両方が既存のMAC PDUフォーマットを使用する場合には、受信端は、既存のMAC PDUフォーマットに基づいてMAC SDUをリアセンブルする。受信端および送信端の両方がステップS730における改善されたMAC PDUフォーマットを使用する場合には、受信端は、改善されたMAC PDUフォーマットに基づいてMAC SDUをリアセンブルする。
【0139】
MAC SDUをMACレイヤにおいてリアセンブルした後に、受信端は、MAC SDUに対応するサブヘッダのLCIDに基づいて、処理のために対応するRLCレイヤにMAC SDUを送る。
【0140】
S760. 受信端が、MACレイヤからMAC SDUをRLCレイヤにおいて受信し、RLCデータパケットとしてMAC SDUを使用し、RLC SDUに受信したRLCデータパケットを復元し、PDCPレイヤにRLC SDUを送る。
【0141】
前述の説明と同様に、RLCデータパケットは、1つのRLC PDUを含み得る、または、複数のRLC PDUを含み得る。
【0142】
RLC PDUがコンプリートRLC SDUを含む場合には、送信端は、処理のためにPDCPレイヤにRLC SDUをRLCレイヤにおいて送る。RLC PDUがRLC SDUのセグメントを含み、RLC SDUのセグメントのすべてをRLCレイヤにおいて受信することに成功した場合には、送信端は、セグメントのすべてをRLC SDUに復元し、処理のためにPDCPレイヤにRLC SDUを送る。
【0143】
RLC PDUのフォーマットは、前述の説明におけるものと同一であるため、その詳細をここでは再び説明しない。
【0144】
必要に応じて、PDCPレイヤに送信されたRLC SDUがPDCPシーケンス番号を含んでいない場合には、受信端は、PDCPレイヤにRLC PDU内のSNフィールド内のSNを送信する。換言すれば、受信端は、RLC SDUに対応するSNをPDCPレイヤに通知する。PDCPシーケンス番号は、送信端がPDCP PDUをアセンブルする際にPDCP PDUに割り振られるシーケンス番号である。このように、RLC SDUがPDCPシーケンス番号を含んでいない場合には、PDCPレイヤは、RLCレイヤによって送られたSNに基づいて、関連処理、例えば、並び替え、セキュリティ関連動作、およびヘッダ展開などの動作のうちの1つまたは複数を行い得る。
【0145】
必要に応じて、RLC非認証モード(unacknowledged mode、UM)については、受信端は、並び替えウィンドウをRLCレイヤにおいて保持する。並び替えウィンドウの主な機能は、RLC SDUに復元されなかったセグメントがあるRLC PDUが並び替えウィンドウの範囲外にある場合には、受信端がRLC SDUに対応するすべての受信したRLC PDUをRLCレイヤにおいて破棄することである。ここで、並び替えウィンドウの範囲外にあることが並び替えウィンドウの下端の範囲外にあることを意味する、ことは理解されよう。さらに、必要に応じて、受信端は、破棄されたRLC SDUのシーケンス番号をPDCPレイヤに通知し得る。
【0146】
受信端が更新されたRLC PDUを受信した(対応するSNが現在の並び替えウィンドウの上端を超過した)場合には、受信端は、並び替えウィンドウを、RLC PDUに対応するSNに、または、RLC PDUに対応するSNに1を加えることによって得られるシーケンス番号にスライドする。受信したRLC PDUのSNが並び替えウィンドウの範囲内にある場合には、受信端は、RLC SDUにRLC PDUを復元し、PDCPレイヤにRLC SDUを送ることをRLCレイヤにおいて試みる、ことは理解されよう。受信したRLC PDUのSNが並び替えウィンドウの範囲外にある場合には、受信端は、RLC PDUをRLCレイヤにおいて直ちに破棄する。
【0147】
必要に応じて、受信したRLC PDUのSNが非連続的である場合には、受信端は、最初の非連続的な位置で関連タイマを開始する。関連タイマが満了する前に、欠けているSNを含むRLC PDUを受信した場合には、受信端は、関連タイマを停止する。タイマが満了し、欠けているSNを含むRLC PDUを受信しなかった場合には、受信端は、並び替えウィンドウの下端を上位レイヤに送られなかった最初のRLC SDUに対応するとともに最初の非連続的な位置に対応するSNの位置に移動し、PDCPレイヤに送られていない、そのSNが前記SNの前に位置する、RLC PDUを破棄する。さらに、必要に応じて、受信端は、破棄されたRLC PDUに対応するRLC SDUのSNをPDCPレイヤに通知し得る。例えば、受信端によって受信されたSNがそれぞれ1、2、5、6、7、および10である場合には、最初の非連続的な位置は、5の位置または5の直前の位置である。この場合には、最初の非連続的な位置に対応するSNが5または4としてマークされる。関連タイマは、5または4の位置で開始される。4または5の位置についての関連タイマが満了すると、受信端は、並び替えウィンドウの下端をその対応するSNが8である位置に移動し、PDCPレイヤに送られていない、そのSNが8の前に位置する、RLC PDUを破棄する。この場合には、受信したRLC PDUのSNが1、2、5、6、7、および10であるならば、関連タイマは、9または10の位置で再び開始される。加えて、関連タイマの長さは、上位レイヤによって設定されたものであってもよいし、または、合意されたものであってもよいが、これは本願では限定されない。
【0148】
必要に応じて、RLC認証モード(acknowledged mode、AM)については、受信端は、並び替えウィンドウをRLCレイヤにおいて保持する。並び替えウィンドウの主な機能は、ARQを実行することである。並び替えウィンドウの下端は、PDCPレイヤに送られなかったすべてのRLC SDUのSNのうちの最小のSNである。受信したRLC PDUのSNが並び替えウィンドウの範囲内にある場合には、受信端は、RLC SDUにRLC PDUを復元し、PDCPレイヤにRLC SDUを送ることをRLCレイヤにおいて試みる、ことは理解されよう。受信したRLC PDUのSNが並び替えウィンドウの範囲外にある場合には、受信端は、RLC PDUをRLCレイヤにおいて直ちに破棄する。
【0149】
さらに、必要に応じて、受信したRLC PDUのSNが非連続的である場合には、関連タイマを最初の非連続的な位置で(受信したSNが1、2、5、6、7、および10である場合には4または5の位置で)開始する。関連タイマが満了する前に、欠けているRLC PDUを受信した場合には、関連タイマは停止する。関連タイマが満了すると、RLC状態レポートがトリガされる。
【0150】
RLC受信端がRLC状態レポートをフィードバックする場合には、RLC状態レポートのアセンブリフォーマットは、以下の通りである。
- D/Cフィールド: データパケットフォーマットにおけるものと同一である。詳細をここでは説明しない。
- ACK_SN: RLC状態レポートに反映される、受信端によってRLCレイヤにおいて受信されたRLC PDUのSNの直後の、SNである。
- NACK_SN: 受信に失敗したRLC PDUについてRLC状態レポートに反映される、受信端によってRLCレイヤにおいて受信されたRLC PDUのSNの前の、SNである。換言すれば、RLC PDU送信端において、NACK_SNによって示されるRLC PDUが、ACK_SNによって示されるRLC PDUより早く送信端において送信される。
- SO_Start: 受信端が1つのRLC SDUの一部(1つまたは複数のセグメント)のみを受信した場合には、SO_Startは、受信した一部の開始バイトを示す。
- SO_End: 受信端が1つのRLC SDUの一部(1つまたは複数のセグメント)のみを受信した場合には、SO_Endは、受信した一部の終端バイトを示す。
【0151】
必要に応じて、単一のRLC SDUの一部が2つ以上の非連続的なセグメントに関連している場合には、その一部は以下の方式で示され得る。
【0152】
NACK_SN、SO_Start、およびSO_Endの組合せを使用する。欠けているセグメントの各々が、NACK_SN、SO_Start、およびSO_Endの組合せによって示される。利点は、方式がシンプルなことであり、欠点は、単一のRLC SDUのために2つのSNが存在することであり、その結果、オーバーヘッドが比較的大きくなることである。
【0153】
あるいは、1つのNACK_SNと、複数のSO_StartとSO_Endとの組合せとを使用する。利点は、オーバーヘッドが比較的小さいことである。欠点は、パケットフォーマットが比較的複雑なことであり、指示フィールドが、NACK_SNに対応するRLC PDU内のSO_StartとSO_Endとの組合せの数量を示すために必要とされる、または、NACK_SNに対応するRLC PDU内のSO_StartとSO_Endとの組合せの後にSO_StartとSO_Endとの別の組合せが存在するかどうかを示すために必要とされる。
【0154】
受信端におけるRLCレイヤからフィードバックを受信した後に、送信端におけるRLCレイヤがRLC PDUを再送する際に、コンプリートRLC PDUを物理レイヤリソースを使用して送信できない場合には、送信端は、RLC PDUをさらにセグメント化し得る。セグメント化後のRLC PDUのフォーマットは、SIフィールドおよびSOフィールドなどのフィールドの内容が変化していることを除いて、RLC PDUの前述のフォーマットと同一である。再送中に、対応する最初に送信されたもしくは以前に再送信されたRLC PDUに含まれるRLC SDUもしくはRLC SDUセグメントは、RLC SDUセグメントもしくはより小さいRLC SDUセグメントにさらに分割され得る、または、対応する最初に送信されたもしくは以前に再送信されたRLC PDUに含まれるRLC SDUセグメントは、より小さいRLC SDUセグメントにさらに分割にされる、または、1つのRLC SDUに属する2つ以上の連続的なセグメントは、1つのSDUセグメントもしくはコンプリートSDUに結合され、1つのRLC PDUにカプセル化される。要するに、RLC PDUのペイロードが1つのRLC SDUによってもたらされるのであれば十分である。
【0155】
受信端が、RLC PDUをRLCレイヤにおいて並び替えをしないが、RLC PDUをRLC SDUに復元することができるならば上位レイヤにRLC SDUを直ちに送る、ことは理解されよう。送信端が連結を行わないため、受信端における処理は、非常にシンプル且つ高効率なものとなり、処理遅延が低減される。加えて、受信端は、関連するRLC PDUを破棄する必要があるかどうかを決定するために、並び替えウィンドウおよび/または関連タイマをRLCレイヤにおいて保持し得る。
【0156】
S770. 受信端が、RLCレイヤからRLC SDUをPDCPレイヤにおいて受信し、PDCP PDUとしてRLC SDUを使用し、PDCP SDUにPDCP PDUを復元し、処理のために上位レイヤにPDCP SDUを送る。
【0157】
本プロセスは、既存の技術におけるものと同一であるため、詳細をここでは説明しない。
【0158】
必要に応じて、受信端は、PDCPレイヤにおいて順序正しく送るために使用される並び替えウィンドウをPDCPレイヤにおいて保持し得る。例えば、受信したPDCP PDUのSNが並び替えウィンドウの範囲外にある場合には、受信端は、PDCP PDUをPDCPレイヤにおいて破棄し、受信したPDCP PDUのSNが並び替えウィンドウの範囲内にある場合には、受信端は、PDCP SDUにPDCP PDUを復元し、上位レイヤにPDCP SDUを送ることをPDCPレイヤにおいて試みる。ここで、並び替えウィンドウの範囲外にあることが並び替えウィンドウの下端の範囲外にあることを意味する、ことは理解されよう。
【0159】
さらに、必要に応じて、受信したPDCP PDUのSNが非連続的である場合には、受信端は、最初の非連続的な位置で(受信したSNが1、2、5、6、7、および10である場合には、4または5で)関連タイマを開始する。加えて、関連タイマが満了する前に、欠けているPDCP PDUを受信すると、受信端は、関連タイマを停止し、タイマが満了すると、受信端は並び替えウィンドウの下端を上位レイヤに送られなかった第1のPDCP SDUに対応するとともに最初の非連続的な位置に対応するSNの位置に移動する、例えば、下端を8に移動する。4または5のための関連タイマが満了すると、受信したPDCP PDUのSNは、1、2、5、6、7、および10である。この場合には、関連タイマが9または10において再び開始される。関連タイマの長さは、上位レイヤによって設定される、または、プロトコルによって決められているが、これは本願では限定されない。
【0160】
PDCPレイヤが、SNに対応するデータパケットがもはや送られないことをRLCレイヤによって通知される情報を受信した後は、PDCPレイヤは、データパケットを受信することをもはや見込まない。したがって、可能な動作は、SN以降の連続的なデータパケットを上位レイヤに送ることである。進行中の関連タイマの関連SNが上位レイヤに送られたデータパケットの最大のSNより小さい場合には、受信端は、関連タイマを停止し、関連タイマを最大のSNの後続の、上位レイヤに送られなかった第1のPDCP SDUに対応する、SNの位置に移動する。
【0161】
受信端が、RLC PDUをRLCレイヤにおいて並び替えをしないが、RLC PDUをRLC SDUに復元することができるならば上位レイヤにRLC SDUを直ちに送る、ことは理解されよう。PDCPレイヤは、最初に受信したPDUに対して、例えば、復号およびヘッダ展開といった、処理を行い得る。既存の技術と比較して、RLCレイヤが、処理のためにRLC SDUを送る前に並び替えを行うことを待機する必要がないため、処理時間が低減される。
【0162】
本願の実施形態は、前述のステップのうちの1つまたは複数を含み得るし、例えば、次のステップ、すなわち、送信端によってPDCPレイヤにおいて行われるステップと、送信端によってRLCレイヤにおいて行われるステップと、送信端によってMACレイヤにおいて行われるステップと、受信端によってMACレイヤにおいて行われるステップと、受信端によってRLCレイヤにおいて行われるステップと、受信端によってPDCPレイヤにおいて行われるステップとのうちの1つまたは複数を含む、ことは理解されよう。
【0163】
前述の実施形態において開示した方法は、送信端が位置するネットワーク要素によって行われ得る。例えば、送信端が端末に位置する場合には、前述の方法は端末によって行われ得るし、送信端がRAN側に位置する場合には、前述の方法はRANデバイスによって行われ得る。加えて、端末またはRANデバイスは、データ処理装置を含み、データ処理装置は、前述の方法のうちのいずれか1つにおけるステップを行うためのユニットを含む。
【0164】
図10を参照すれば、
図10は、本願の実施形態による、データ処理装置の概略構造図である。装置は、送信端に位置しており、前述のソリューションにおいて送信端によって行われる一部またはすべての動作を行うように構成される。
図10に示しているように、データ処理装置100は、受信ユニット101および処理ユニット102を含む。受信ユニット101は、PDCPレイヤからデータパケットを受信するように構成される、ここで、データパケットは、RLC SDUとして使用される。処理ユニット102は、少なくとも1つのRLC PDUにRLC SDUをカプセル化するように構成される、ここで、処理ユニット102によってRLCレイヤにおいてカプセル化されたRLC PDUの各々は、ヘッダおよびペイロードを含み、ペイロードは、単一のRLC SDUからのデータを搬送するために使用される。
【0165】
RLC PDUのヘッダに関する説明は、前述の実施形態におけるものと同一であるため、その詳細をここでは再び説明しない。
【0166】
加えて、処理ユニット102は、MACレイヤからの指示に基づいて少なくとも1つのRLC PDUにRLC SDUをカプセル化し得る、または、プリセットされたRLC PDUサイズに基づいて少なくとも1つのRLC PDUにRLC SDUをカプセル化し得る。詳細については、前述の実施形態における説明を参照されたい。
【0167】
図10をさらに参照すれば、必要に応じて、データ処理装置100は、MACレイヤにRLCデータパケットを送信するように構成される、送信ユニット103をさらに含み得る。RLCデータパケットは、1つまたは複数のRLC PDUを含む。必要に応じて、データ処理装置100は、MAC SDUとしてRLCデータパケットを使用し、MAC PDUにMAC SDUをカプセル化するように構成される、処理ユニット104をさらに含み得る。MAC PDUが、MACヘッダおよびMACペイロードを含み、MACヘッダが、少なくとも1つのサブヘッダを含み、各サブヘッダが、1つの論理チャネルに対応し、サブヘッダが、第1の拡張フィールドおよび第2の拡張フィールドを含み、第1の拡張フィールドが、MAC PDUが別のサブヘッダをさらに含むかどうかまたは別の論理チャネルのデータをさらに含むかどうかを示すために使用され、第2の拡張フィールドが、MAC PDUが第2の拡張フィールドがあるサブヘッダに対応する論理チャネルの他のデータをさらに含むかどうかを示すために使用される。
【0168】
MACレイヤとRLCレイヤとが異なる物理エンティティに配置される場合には、データ処理装置100は、処理ユニット104を含まなくてもよく、RLCデータパケットは、処理のために、別の物理エンティティに位置するMACレイヤに送信される、ことに留意されたい。
【0169】
図11を参照すれば、
図11は、本願の実施形態による、データ処理装置の概略構造図である。装置は、受信端に位置しており、前述のソリューションにおいて受信端によって行われる一部またはすべての動作を行うように構成される。
図11に示しているように、データ処理装置1100は、受信ユニット1101、処理ユニット1102、および送信ユニット1103を含む。受信ユニット1101は、MACレイヤからデータパケットをRLCレイヤにおいて受信するように構成される、ここで、データパケットは、RLC PDUを含み、RLC PDUは、ヘッダおよびペイロードを含み、ペイロードは、単一のRLC SDUからのデータを搬送するために使用される。処理ユニット1102は、RLC PDUのペイロードがコンプリートRLC SDUであるとRLC PDUのヘッダに基づいて決定すると、RLC SDUを取得するように構成され、送信ユニット1103は、PDCPレイヤにRLC SDUを送信するように構成される、または、処理ユニット1102は、RLC PDUのペイロードがRLC SDUのセグメントであるとRLC PDUのヘッダに基づいて決定すると、RLC SDUのセグメントのすべてを取得し、セグメントのすべてをRLC SDUに復元するように構成され、送信ユニット1103は、PDCPレイヤにRLC SDUを送信するように構成される。
【0170】
RLC PDUのヘッダに関する説明は、前述の実施形態におけるものと同一であるため、その詳細をここでは再び説明しない。
【0171】
必要に応じて、PDCPレイヤに送信されたRLC SDUがPDCP SNを含んでいない場合には、送信ユニット1103は、PDCPレイヤにRLC PDU内のSNを送信するようにさらに構成される。
【0172】
必要に応じて、データ処理装置1100は、受信ユニット1101がMACレイヤからデータパケットを受信する前に、MAC PDUのフォーマットに基づいてMAC SDUをMACレイヤにおいて取得し、RLCレイヤに送信されるデータパケットとしてMAC SDUを使用するように構成される、処理ユニット1104をさらに含む。MAC PDUのフォーマットは、前述の実施形態におけるものと同一であるため、その詳細をここでは再び説明しない。
【0173】
MACレイヤとRLCレイヤとが異なる物理エンティティに配置される場合には、データ処理装置1100は、処理ユニット1104を含まなくてもよく、RLCデータパケットは、処理のために、別の物理エンティティに位置するMACレイヤに送信される、ことに留意されたい。
【0174】
前述のデータ処理装置100内のユニットの分割は単なる論理的な機能分割に過ぎない、ことを理解されたい。実際の実施においては、ユニットのすべてまたは一部が1つの物理エンティティに統合されていてもよい、または、ユニットが物理的に分離されていてもよい。加えて、これらのユニットすべてを、処理要素を使用して起動されるソフトウェアの形式で実装してもよい、または、すべてをハードウェアの形式で実装してもよい、または、一部のユニットを処理要素を使用して起動されるソフトウェアの形式で実装し、一部のユニットをハードウェアの形式で実装してもよい。例えば、処理ユニットは、実施のために、独立して配置された処理要素であってもよい、または、RANデバイスのチップまたは端末に統合されてもよい。加えて、処理ユニットは、RANデバイスまたは端末のメモリにプログラムの形式で記憶されてもよく、前述のユニットの機能を行うためにRANデバイスまたは端末内の処理要素によって起動される。他のユニットの実施形態はこれに類似している。加えて、これらのユニットのすべてまたは一部は統合され得る、または、これらのユニットは独立して実施され得る。ここで、処理要素は、集積回路であり得るし、信号処理能力を有し得る。ある実施プロセスにおいては、前述の方法のステップまたは前述のユニットは、処理ユニットにおいて、ハードウェアの形式で、統合された論理回路によって、または、処理ユニットにおいて、ソフトウェアの形式で、命令によって行われ得る。
【0175】
例えば、前述のユニットは、前述の方法を行う1つまたは複数の集積回路、例えば、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、1つまたは複数のマイクロプロセッサ(digital signal processor、DSP)、または1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)として構成されてもよい。別の例では、前述のユニットのうちの1つが処理要素によって起動されるプログラムの形式で実装される場合には、処理要素は、例えば、中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPU)などといった汎用プロセッサ、または、プログラムを起動し得る別のプロセッサであってもよい。別の例では、これらのユニットは、システム・オン・チップ(system-on-a-chip、SOC)の形式で一緒に統合および実装されてもよい。
【0176】
データ処理装置1100のユニットの実施形態はこれに類似するものであるため、詳細をここでは説明しない。
【0177】
加えて、代替として、送信端によってPDCPレイヤにおいて行われるデータ処理が、データ処理装置によって実施されてもよく、データ処理装置は、前述の実施形態における送信端によってPDCPレイヤにおいて行われるステップのすべてまたは一部を行うユニットを含む。同様に、代替として、受信端によってPDCPレイヤにおいて行われるデータ処理が、データ処理装置によって実施されてもよく、データ処理装置は、前述の実施形態における受信端によってPDCPレイヤにおいて行われるステップのすべてまたは一部を行うユニットを含む。
【0178】
同様に、代替として、送信端によってMACレイヤにおいて行われるデータ処理が、データ処理装置によって実施されてもよく、データ処理装置は、前述の実施形態における送信端によってMACレイヤにおいて行われるステップのすべてまたは一部を行うユニットを含む。同様に、代替として、受信端によってMACレイヤにおいて行われるデータ処理が、データ処理装置によって実施されてもよく、データ処理装置は、前述の実施形態における受信端によってMACレイヤにおいて行われるステップのすべてまたは一部を行うユニットを含む。
【0179】
図12を参照すれば、
図12は、本願の実施形態による、データ処理装置の概略構造図である。
図12に示しているように、データ処理装置1200は、プロセッサ1201およびメモリ1202を含む。プロセッサ1201は、メモリ1202に記憶されているプログラムを起動して、前述の実施形態における送信端または受信端によって行われるステップのすべてまたは一部、例えば、前述の実施形態における送信端によって、PDCPレイヤ、RLCレイヤ、およびMACレイヤのうちのいずれか1つにおいて行われる動作、または、前述の実施形態における受信端によって、PDCPレイヤ、RLCレイヤ、およびMACレイヤのうちのいずれか1つにおいて行われる動作を行う。
【0180】
図13を参照すれば、
図13は、本願の実施形態による、端末の概略構造図である。
図13に示しているように、端末は、プロセッサ1301、メモリ1302、およびトランシーバ装置1303を含む。トランシーバ装置1303は、アンテナに接続され得る。ダウンリンク方向においては、トランシーバ装置1303は、RANデバイスによって送信された情報をアンテナを使用して受信し、処理のためにプロセッサ1301に情報を送信する。アップリンク方向においては、プロセッサ1301は、端末のデータを処理し、トランシーバ装置1303を使用してRANデバイスにデータを送信する。
【0181】
端末が送信端である場合には、端末は、例えば、
図10または
図12に示したデータ処理装置といった、送信端の動作を行うように構成される前述のデータ処理装置のうちのいずれか1つを含む。
図10中のユニットは、メモリ1302内のプログラムコードを起動するプロセッサ1301を使用して実装されてもよい、または、端末内のチップに統合されてもよい。
【0182】
端末が受信端である場合には、端末は、例えば、
図11または
図12に示したデータ処理装置といった、受信端の動作を行うように構成される前述のデータ処理装置のうちのいずれか1つを含む。
図11中のユニットは、メモリ1302内のプログラムコードを起動するプロセッサ1301を使用して実装されてもよい、または、端末内のチップに統合されてもよい。
【0183】
図14を参照すれば、
図14は、本願の実施形態による、RANデバイスの概略構造図である。
図14に示しているように、RANデバイスは、アンテナ1410、無線周波数装置1420、およびベースバンド装置1430を含む。アンテナ1410は、無線周波数装置1420に接続されている。アップリンク方向においては、無線周波数装置1420は、端末によって送信された情報をアンテナ1410を使用して受信し、端末によって送信された情報を、処理のためにベースバンド装置1430に送信する。ダウンリンク方向においては、ベースバンド装置1430は、端末の情報を処理し、処理した情報を無線周波数装置1420に送信し、無線周波数装置1420は、端末の情報を処理した後にアンテナ1410を使用して端末に処理した情報を送信する。
【0184】
RANデバイスが送信端である場合には、RANデバイスは、送信端の動作を行うように構成される前述のデータ処理装置のうちのいずれか1つを含み、データ処理装置は、ベースバンド装置1430内に位置する。例えば、
図10または
図12に示したデータ処理装置は、ベースバンド装置1430内に位置し得る。
【0185】
ある実施形態においては、
図10に示したユニットは、プログラムを起動する処理要素を使用して実施される。例えば、ベースバンド装置1430は、処理要素1431およびストレージ要素1432を含み、処理要素1431は、ストレージ要素1432に記憶されているプログラムを起動して、ユニットの機能を実施する。加えて、ベースバンド装置1430は、無線周波数装置1420と情報を交換するように構成される、インターフェース1433をさらに含み得る。インターフェースは、例えば、共通公衆無線インターフェース(common public radio interface、CPRI)である。
【0186】
別の実施形態においては、これらのユニットは、1つまたは複数の処理要素として構成されてもよく、これらの処理要素は、ベースバンド装置1430に配置される。ここで、処理要素は、例えば、1つまたは複数のASIC、1つまたは複数のDSP、または1つまたは複数のFPGAといった、集積回路であってもよい。これらの集積回路は、チップを形成するために統合されてもよい。
【0187】
例えば、前述のユニットは、システム・オン・チップ(system-on-a-chip、SOC)の形式で一緒に統合および実装されてもよい。例えば、ベースバンド装置1430は、前述のユニットを実施するように構成される、SOCチップを含む。
【0188】
前述の説明におけるものと同様に、ここで、処理要素は、汎用プロセッサ、例えば、中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPU)であってもよい、または、前述の方法を行う1つまたは複数の集積回路、例えば、1つまたは複数のASIC、1つまたは複数のDSP、または1つまたは複数のFPGAとして構成されてもよい。
【0189】
ストレージ要素は、メモリであり得る、または、複数のストレージ要素についての一般的な名称であり得る。
【0190】
前記方法の実施形態の前記ステップのすべてまたは一部が関連ハードウェアを命令するプログラムによって実施されてもよいことを当業者は理解されよう。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。プログラムを動作すると、前記方法の実施形態の前記ステップを行う。前述の記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク、または光ディスクなどのプログラムコードを記憶し得る任意の媒体を含む。
【0191】
加えて、既存の技術では、測定ギャップ(Measurement Gap)は、端末が周波数間測定を行う際に、現在のサービングセルの通信を一時的に中断するために使用される。測定ギャップは、端末の粒度で設定される。設定の後に、測定は、端末の粒度で行われる。すなわち、RANデバイスが測定ギャップ期間および測定ギャップオフセットなどの測定ギャップパラメータを端末のために設定する場合には、端末は、対応する測定ギャップ期間の間に、現在のサービングセル内でまたは現在のサービング周波数で情報を受信しない。しかしながら、このことは、端末と現在のサービングセルとの間の通常の通信に影響を与える。したがって、本願の実施形態は、キャリアの粒度で測定ギャップを提供する。しかしながら、現在のところ、キャリアの粒度で測定ギャップを設定するための方法が存在していない。
【0192】
本願の実施形態は、測定ギャップパラメータを設定するための方法を提供している。方法は、RANデバイス上で使用される。換言すれば、方法は、RANデバイスによって行われる。
図15を参照すれば、方法は、以下のステップを含む。
【0193】
S1510. RANデバイスが測定ギャップ設定パラメータを決定する。
【0194】
測定ギャップ設定パラメータは、
1つまたは複数の測定周波数(Frequency)または測定帯域(Band)に関する情報と、
端末が1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定する際に情報を正常に受信および送信することができる、すなわち、情報の受信および送信を他のサービングセル(またはサービング周波数、またはサービング帯域)では行うことができない、1つまたは複数のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)、または、端末が1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定する際に情報を正常に受信および送信することができない、1つまたは複数のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)と、
必要に応じて、測定ギャップ長さ情報(例えば、6ms、4ms、または3ms)をさらに含む、例えば、測定ギャップ期間および測定ギャップオフセットといった、測定ギャップパターン情報とを少なくとも含む。
【0195】
必要に応じて、前述の測定ギャップパラメータは、端末が1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定する際の時間の一部において情報を受信および送信することができる、1つまたは複数のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)をさらに含む。時間の一部において情報を受信および送信することができるということは、端末が無線周波数を1つまたは複数の現在のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)に対応する周波数から1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定することができる周波数に調整するために必要とされる時間期間を除くとともに、端末が無線周波数を1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定することができる周波数から1つまたは複数の現在のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)に対応する周波数に調整するために必要とされる時間期間を除いた、測定期間内に、端末が、1つまたは複数の現在のサービングセル内で(または、1つまたは複数のサービング周波数で、または、1つまたは複数のサービング帯域内で)情報を受信および送信することができることを意味する。例えば、測定ギャップパラメータ情報に従って、端末は、時点0から5の間に周波数f1を測定する必要があり、端末は、現時点、f2の周波数で動作している。端末が無線周波数をf2からf1を測定することができる周波数に調整するのに1msかける必要があり、端末が無線周波数をf1を測定することができる周波数からf2に戻すように調整するのに1msかける必要がある、と仮定する。したがって、端末がf1で情報を受信および送信することができる時間は、時点1から4である。あるいは、前述の測定ギャップパラメータは、端末が1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定する際の時間の一部において情報を受信および送信することができない、1つまたは複数のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)を含む。
【0196】
必要に応じて、前述の測定ギャップ内の時間の一部において情報を受信および送信することができる、1つまたは複数のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)が、すべての現在のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)である場合には、1つまたは複数のサービングセルに関する情報は「すべて」によって識別されてもよく、すべての現在のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)はリスト化されない。
【0197】
必要に応じて、測定ギャップパラメータは、測定ギャップパターン識別(Pattern Identity)をさらに含む。測定ギャップパターン識別は、前述の複数のパラメータに関連付けられる。
【0198】
例として、マッピング関係を表1に示す。
【0200】
S1520. RANデバイスが端末に測定ギャップ設定パラメータを送信する。
【0201】
特に、測定ギャップ設定パラメータは、無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)メッセージに含まれる。
【0202】
本願の本実施形態によれば、端末が異なる周波数または帯域を測定する際に、情報を1つまたは複数の現在のサービングセル上でそのまま受信および送信することができる。このことが、端末とRANデバイスとの間の通信の時間を増大し、端末のデータレートを改善している。
【0203】
それに対応するように、本願の実施形態は、RANデバイスをさらに提供しており、
図15に示した方法ステップを行うように構成される、ユニットを含む。ユニットの実施形態は、前述の実施形態において説明したものと同一である。ユニットは、メモリに記憶されているプログラムを起動するプロセッサを使用して実施されてもよい、または、実施のために1つまたは複数の集積回路もしくはチップに統合されてもよい。加えて、RANデバイスの構造については、
図14を参照されたい。
【0204】
本願の別の実施形態は、測定ギャップパラメータを設定するための方法を提供している。方法は、端末上で使用される。換言すれば、方法は、端末によって行われる。方法は、以下のステップを含む。
【0205】
S1610. 端末が測定ギャップ設定パラメータを受信する。
【0206】
測定ギャップ設定パラメータは、
1つまたは複数の測定周波数(Frequency)または測定帯域(Band)に関する情報と、
端末が1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定する際に情報を正常に受信および送信することができる、すなわち、情報の受信および送信を他のサービングセル(またはサービング周波数、またはサービング帯域)では行うことができない、1つまたは複数のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)、または、端末が1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定する際に情報を正常に受信および送信することができない、1つまたは複数のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)と、
必要に応じて、測定ギャップ長さ情報(例えば、6ms、4ms、または3ms)をさらに含む、例えば、測定ギャップ期間および測定ギャップオフセットといった、測定ギャップパターン情報とを少なくとも含む。
【0207】
必要に応じて、前述の測定ギャップパラメータは、端末が1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定する際の時間の一部において情報を受信および送信することができる、1つまたは複数のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)をさらに含む。時間の一部において情報を受信および送信することができるということは、端末が無線周波数を1つまたは複数の現在のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)に対応する周波数から1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定することができる周波数に調整するために必要とされる時間期間を除くとともに、端末が無線周波数を1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定することができる周波数から1つまたは複数の現在のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)に対応する周波数に調整するために必要とされる時間期間を除いた、測定期間内に、端末が、1つまたは複数の現在のサービングセル内で(または、1つまたは複数のサービング周波数で、または、1つまたは複数のサービング帯域内で)情報を受信および送信することができることを意味する。例えば、測定ギャップパラメータ情報に従って、端末は、時点0から5の間に周波数f1を測定する必要があり、端末は、現時点、f2の周波数で動作している。端末が無線周波数をf2からf1を測定することができる周波数に調整するのに1msかける必要があり、端末が無線周波数をf1を測定することができる周波数からf2に戻すように調整するのに1msかける必要がある、と仮定する。したがって、端末がf1で情報を受信および送信することができる時間は、時点1から4である。あるいは、前述の測定ギャップパラメータは、端末が1つまたは複数の測定周波数または測定帯域を測定する際の時間の一部において情報を受信および送信することができない、1つまたは複数のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)を含む。
【0208】
必要に応じて、前述の測定ギャップ内の時間の一部において情報を受信および送信することができる、1つまたは複数のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)が、すべての現在のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)である場合には、1つまたは複数のサービングセルに関する情報は「すべて」によって識別されてもよく、すべての現在のサービングセルに関する情報(または、1つまたは複数のサービング周波数に関する情報、または、1つまたは複数のサービング帯域に関する情報)はリスト化されない。
【0209】
必要に応じて、測定ギャップパラメータは、測定ギャップパターン識別(Pattern Identity)をさらに含む。測定ギャップパターン識別は、前述の複数のパラメータに関連付けられる。
【0210】
例として、マッピング関係を以下に示す。
【0212】
特に、測定ギャップ設定パラメータは、無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)メッセージに含まれる。
【0213】
S1620. 端末が測定ギャップ設定パラメータを使用して測定を行う。
【0214】
本願の本実施形態によれば、端末が異なる周波数または帯域を測定する際に、情報を1つまたは複数の現在のサービングセル上でそのまま受信および送信することができる。このことが、端末とRANデバイスとの間の通信の時間を増大し、端末のデータレートを改善している。
【0215】
それに対応するように、本願の実施形態は、端末をさらに提供しており、
図16に示した方法ステップを行うように構成されるユニットを含む。ユニットの実施形態は、前述の実施形態において説明したものと同一である。ユニットは、メモリに記憶されているプログラムを起動するプロセッサを使用して実施されてもよい、または、実施のために1つまたは複数の集積回路もしくはチップに統合されてもよい。加えて、端末の構造については、
図13を参照されたい。
【0216】
最後に、前述の実施形態は、本発明の技術的ソリューションを説明することを単に意図したものに過ぎず、本発明を限定することは意図していないことに留意されたい。本発明を前述の実施形態を参照して詳細に説明したが、当業者は、本発明の実施形態の技術的ソリューションの精神および範囲を逸脱しない限り、前述の実施形態において説明した技術的ソリューションに変更をさらにおこなってもよい、または、それらのいくつかの技術的特徴に対する均等な置換をさらに行ってもよいことを理解すべきである。