(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827550
(24)【登録日】2021年1月21日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】外気空調システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20210128BHJP
F25B 43/02 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
F25B1/00 387G
F25B43/02 F
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-542597(P2019-542597)
(86)(22)【出願日】2017年12月28日
(65)【公表番号】特表2020-506360(P2020-506360A)
(43)【公表日】2020年2月27日
(86)【国際出願番号】CN2017119350
(87)【国際公開番号】WO2019061914
(87)【国際公開日】20190404
【審査請求日】2019年8月6日
(31)【優先権主張番号】201710912028.6
(32)【優先日】2017年9月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519149157
【氏名又は名称】シャンハイ ハイリー エレクトリカル アプライアンシズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】チャン, レイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ, チュンフイ
【審査官】
西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第105115181(CN,A)
【文献】
特許第3873288(JP,B2)
【文献】
特開2010−255859(JP,A)
【文献】
特開2013−253714(JP,A)
【文献】
実開平03−124170(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第1890093(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 13/00
F25B 41/04
F25B 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内ユニットと、室外ユニットとを有する外気空調システムであって、前記室内ユニットは、第1室内熱交換器と、第2室内熱交換器とを有し、前記室外ユニットは、コンプレッサと、吸気バイパス回路と、第1液体アキュムレータと、第2液体アキュムレータとを有し、
前記吸気バイパス回路は、第1電磁弁と、第2電磁弁と、第3電磁弁とを有し、前記第1電磁弁の第1端は、前記第1室内熱交換器の第1端に接続され、前記第1電磁弁の第2端は、前記第1液体アキュムレータを介して前記コンプレッサの第1吸気端に接続され且つ前記第3電磁弁の第1端に接続され、前記第3電磁弁の第2端は、前記第2液体アキュムレータを介して前記コンプレッサの第2吸気端に接続され且つ前記第2電磁弁の第1端に接続され、前記第2電磁弁の第2端は、前記第2室内熱交換器の第1端に接続され、
前記第1室内熱交換器または前記第2室内熱交換器がオフになるとき、前記第1液体アキュムレータおよび前記第2液体アキュムレータが同時に、前記第1室内熱交換器および前記第2室内熱交換器のうちの開放された1つと連通するように、前記第3電磁弁が開かれる、外気空調システム。
【請求項2】
前記室外ユニットはさらに、室外熱交換器と、第1四方弁と、第2四方弁とを有し、前記第1室内熱交換器の前記第1端は、前記第1四方弁の第1ポートEに接続され、前記第1四方弁の第2ポートSは、前記第1電磁弁の前記第1端に接続され、前記第1室内熱交換器の第2端は、前記室外熱交換器の第1端に接続され、前記室外熱交換器の第2端は、前記第1四方弁の第3ポートCおよび前記第2四方弁の第3ポートCに接続され、前記第1四方弁の第4ポートDは、前記コンプレッサの排気端に接続され、前記第2室内熱交換器の前記第1端は、前記第2四方弁の第1ポートEに接続され、前記第2四方弁の第2ポートSは、前記第2電磁弁の前記第2端に接続され、前記第2室内熱交換器の第2端は、前記室外熱交換器の前記第1端に接続され、前記第2四方弁の第4ポートDは、前記コンプレッサの前記排気端に接続される、請求項1に記載の外気空調システム。
【請求項3】
前記室内ユニットはさらに、第1絞り機構と、第2絞り機構とを有し、前記第1絞り機構は、前記第1室内熱交換器を通過する冷媒の圧力を絞って減圧し、前記第2絞り機構は、前記第2室内熱交換器を通過する冷媒の圧力を絞って減圧する、請求項1に記載の外気空調システム。
【請求項4】
前記第1絞り機構は、電子膨張弁であり、前記第2絞り機構は、電子膨張弁である、請求項3に記載の外気空調システム。
【請求項5】
前記第1室内熱交換器および前記第2室内熱交換器のうちの1つがオフになると、第1液体アキュムレータおよび第2液体アキュムレータが同時に、前記第1室内熱交換器と前記第2室内熱交換器のうちのオンになった1つと連通するように第3電磁弁を開く工程を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の外気空調システムの制御方法。
【請求項6】
さらに、前記第1室内熱交換器がオンに設定され、前記第2室内熱交換器がオフに設定されると、第2電磁弁を閉じて、第1電磁弁を開く工程を有する、請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
室外ユニットは、室外熱交換器と、第1四方弁とを有し、前記外気空調システムが冷房モードにあるときには、コンプレッサによって駆動された冷媒は、前記コンプレッサの排気端を経由して前記第1四方弁の第4ポートDに入り、前記第1四方弁の第3ポートCを経由して前記室外熱交換器に入り、放熱してから冷却のために前記第1室内熱交換器に入り、その後、前記第1四方弁の第1ポートEおよび第2ポートSを経由して前記第1液体アキュムレータおよび前記第2液体アキュムレータに入る、請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
室外ユニットは、室外熱交換器と、第1四方弁とを有し、前記外気空調システムが暖房モードにあるときには、コンプレッサによって駆動された冷媒は、前記コンプレッサの排気端を経由して前記第1四方弁の第4ポートDに入り、前記第1四方弁の第1ポートEを経由して前記第1室内熱交換器に入り、放熱してから吸熱のために前記室外熱交換器に入り、その後、前記第1四方弁の第3ポートCおよび第2ポートSを経由して前記第1液体アキュムレータおよび前記第2液体アキュムレータに入る、請求項6に記載の制御方法。
【請求項9】
さらに、前記第1室内熱交換器がオフに設定され、前記第2室内熱交換器がオンに設定されると、第1電磁弁を閉じて、第2電磁弁を開く工程を有する、請求項5に記載の制御方法。
【請求項10】
室外ユニットは、室外熱交換器と、第2四方弁とを有し、前記外気空調システムが冷房モードにあるときには、コンプレッサによって駆動された冷媒は、前記コンプレッサの排気端を経由して前記第2四方弁の第4ポートDに入り、前記第2四方弁の第3ポートCを経由して前記室外熱交換器に入り、放熱してから冷却のために前記第2室内熱交換器に入り、その後、前記第2四方弁の第1ポートEおよび第2ポートSを経由して前記第1液体アキュムレータおよび前記第2液体アキュムレータに入る、請求項9に記載の制御方法。
【請求項11】
室外ユニットは、室外熱交換器と、第2四方弁とを有し、前記外気空調システムが暖房モードにあるときには、コンプレッサによって駆動された冷媒は、前記コンプレッサの排気端を経由して前記第2四方弁の第4ポートDに入り、前記第2四方弁の第1ポートEを経由して前記第2室内熱交換器に入り、放熱してから吸熱のために前記室外熱交換器に入り、その後、前記第2四方弁の第3ポートCおよび第2ポートSを経由して前記第1液体アキュムレータおよび前記第2液体アキュムレータに入る、請求項9に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システムの分野に関し、特に、外気空調システムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二重蒸発温度コンプレッサは、1台の室外ユニットを用いて2台の室内ユニットの動作を駆動するシステム、外気空調システム等、様々な空調システムに適用されるため、システムが部分負荷下にあるときに空調システムにおける蒸発器のうちの1つをオフにする必要がある状況が発生し、これにより、システムおよびコンプレッサにとって以下のような問題が生じる。
【0003】
1.蒸発器のうちの1つがオフになると、コンプレッサの対応する吸気管路をオフにする必要がある。二重蒸発温度コンプレッサの長期間の単気筒動作は、オフになった液体アキュムレータ内への冷凍機油の蓄積を引き起こし、コンプレッサの油戻りが不良となることがある。
【0004】
2.システムの油戻し動作によって、上記の点1で発生した状況を回避することができる。通常、システムは、2時間に1回程度の間隔で2つのシリンダを同時に動作させることによって、油戻し動作を行う必要がある。しかしながら、頻繁な油戻し動作は、室内の快適性にある程度の影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、空調システムが部分負荷下にあるときに、コンプレッサの長期間の単一シリンダ動作がコンプレッサの油戻り不良を引き起こし、また、システムによって実行される頻繁な油戻り動作が室内の快適さにある程度影響を及ぼすという従来技術における問題を解決するための外気空調システムおよび制御方法を提供することである。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、室内ユニットと、室外ユニットとを有する外気空調システムであって、室内ユニットは、第1室内熱交換器と、第2室内熱交換器とを含み、室外ユニットは、コンプレッサと、吸気バイパス回路と、第1液体アキュムレータと、第2液体アキュムレータとを含み、吸気バイパス回路は、第1電磁弁と、第2電磁弁と、第3電磁弁とを含み、第1電磁弁の第1端は、第1室内熱交換器の第1端に接続され、第1電磁弁の第2端は、第1液体アキュムレータを介してコンプレッサの第1吸気端に接続され且つ第3電磁弁の第1端に接続され、第3電磁弁の第2端は、第2液体アキュムレータを介してコンプレッサの第2吸気端に接続され且つ第2電磁弁の第1端に接続され、第2電磁弁の第2端は、第2室内熱交換器の第1端に接続され、第1室内熱交換器または第2室内熱交換器がオフになるとき、第1液体アキュムレータおよび第2液体アキュムレータが同時に、第1室内熱交換器および第2室内熱交換器のうちの開放された1つと連通するように、第3電磁弁が開かれる、外気空調システムを提供する。
【0007】
任意的に、室外ユニットはさらに、室外熱交換器と、第1四方弁と、第2四方弁とを含み、第1室内熱交換器の第1端は、第1四方弁の第1ポートEに接続され、第1四方弁の第2ポートSは、第1電磁弁の第1端に接続され、第1室内熱交換器の第2端は、室外熱交換器の第1端に接続され、室外熱交換器の第2端は、第1四方弁の第3ポートCおよび第2四方弁の第3ポートCに接続され、第1四方弁の第4ポートDは、コンプレッサの排気端に接続され、第2室内熱交換器の第1端は、第2四方弁の第1ポートEに接続され、第2四方弁の第2ポートSは、第2電磁弁の第2端に接続され、第2室内熱交換器の第2端は、室外熱交換器の第1端に接続され、第2四方弁の第4ポートDは、コンプレッサの排気端に接続される。
【0008】
任意的に、室内ユニットはさらに、第1絞り機構と、第2絞り機構とを有し、第1絞り機構は、第1室内熱交換器を通過する冷媒の圧力を絞って減圧し、第2絞り機構は、第2室内熱交換器を通過する冷媒の圧力を絞って減圧する。
【0009】
任意的に、第1絞り機構は、電子膨張弁であり、第2絞り機構は、電子膨張弁である。
【0010】
本発明はまた、第1室内熱交換器および第2室内熱交換器のうちの1つがオフになると、第1液体アキュムレータおよび第2液体アキュムレータが同時に、第1室内熱交換器と第2室内熱交換器のうちの開放された1つと連通するように第3電磁弁を開く工程を含む、外気空調システムの制御方法を提供する。
【0011】
任意的に、外気空調システムの制御方法はさらに、第1室内熱交換器がオンに設定され、第2室内熱交換器がオフに設定されると、第2電磁弁を閉じて、第1電磁弁を開く工程を含む。
【0012】
任意的に、外気空調システムの制御方法では、室外ユニットは、室外熱交換器と、第1四方弁とを含み、外気空調システムが冷房モードにあるときには、コンプレッサによって駆動された冷媒は、コンプレッサの排気端を経由して第1四方弁の第4ポートDに入り、第1四方弁の第3ポートCを経由して室外熱交換器に入り、放熱してから冷却のために第1室内熱交換器に入り、その後、第1四方弁の第1ポートEおよび第2ポートSを経由して第1液体アキュムレータおよび第2液体アキュムレータに入る。
【0013】
任意的に、外気空調システムの制御方法では、室外ユニットは、室外熱交換器と、第1四方弁とを含み、外気空調システムが暖房モードにあるときには、コンプレッサによって駆動された冷媒は、コンプレッサの排気端を経由して第1四方弁の第4ポートDに入り、第1四方弁の第1ポートEを経由して第1室内熱交換器に入り、放熱してから吸熱のために室外熱交換器に入り、その後、第1四方弁の第3ポートCおよび第2ポートSを経由して第1液体アキュムレータおよび第2液体アキュムレータに入る。
【0014】
任意的に、外気空調システムの制御方法はさらに、第1室内熱交換器がオフに設定され、第2室内熱交換器がオンに設定されると、第1電磁弁を閉じて、第2電磁弁を開く工程を含む。
【0015】
任意的に、外気空調システムの制御方法では、室外ユニットは、室外熱交換器と、第2四方弁とを含み、外気空調システムが冷房モードにあるときには、コンプレッサによって駆動された冷媒は、コンプレッサの排気端を経由して第2四方弁の第4ポートDに入り、第2四方弁の第3ポートCを経由して室外熱交換器に入り、放熱してから冷却のために第2室内熱交換器に入り、その後、第2四方弁の第1ポートEおよび第2ポートSを経由して第1液体アキュムレータおよび第2液体アキュムレータに入る。
【0016】
任意的に、外気空調システムの制御方法では、室外ユニットは、室外熱交換器と、第2四方弁とを含み、外気空調システムが暖房モードにあるときには、コンプレッサによって駆動された冷媒は、コンプレッサの排気端を経由して第2四方弁の第4ポートDに入り、第2四方弁の第1ポートEを経由して第
2室内熱交換器に入り、放熱してから吸熱のために室外熱交換器に入り、その後、第2四方弁の第3ポートCおよび第2ポートSを経由して第1液体アキュムレータおよび第2液体アキュムレータに入る。
【0017】
本発明において提供される外気空調システムおよび制御方法において、外気空調システムは、室内ユニットと、室外ユニットとを含み、室内ユニットは、第1室内熱交換器と、第2室内熱交換器とを含み、室外ユニットは、コンプレッサと、吸気バイパス回路と、第1液体アキュムレータと、第2液体アキュムレータとを含む。第1室内熱交換器または第2室内熱交換器がオフになると、吸気バイパス回路により、第1液体アキュムレータおよび第2液体アキュムレータを、第1室内熱交換器および第2室内熱交換器のうちの開放された1つと同時に連通させることができ、それによって、コンプレッサの長期間の単気筒動作によって引き起こされる油戻り不良の状況を回避し、コンプレッサの信頼性を確保し、外気空調システムの性能および室内快適性を向上させ、より良好なユーザ体験をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による外気空調システムの概略構造図である。 1−室内ユニット、11−第1室内熱交換器、12−第1絞り機構、13−第2室内熱交換器、14−第2絞り機構、2−室外ユニット、21−コンプレッサ、22−第1液体アキュムレータ、23−第2液体アキュムレータ、24−第1電磁弁、25−第2電磁弁、26−第3電磁弁、27−室外熱交換器、28−第1四方弁、29−第2四方弁。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の利点および特徴は、明細書および添付のクレームからより明らかになるのであろう。なお、添付の図面は、非常に簡略化された形態で提供され、必ずしも一定の縮尺で提示されているわけではなく、実施形態を説明する際の便宜および明確さを容易にすることのみを意図している。
【0020】
図1は、この実施形態で提供される外気空調システムの概略構造図である。
図1に示すように、外気空調システムは、室内ユニット1と、室外ユニット2とを含んでいる。室内ユニット1は、第1室内熱交換器11と、第2室内熱交換器13とを含んでいる。室外ユニット2は、コンプレッサ21と、吸気バイパス回路とを含んでいる。第1室内熱交換器11または第2室内熱交換器13がオフされると、吸気バイパス回路は、コンプレッサ21の2つの気筒(各気筒は、吸気管路及び吸気端に対応する)の同時動作を達成し、それによって、オフになった室内熱交換器のうちの1つと共にコンプレッサの対応する吸気管路をオフする必要がある場合に、コンプレッサの長期間の単気筒動作による冷凍機油の蓄積によって引き起こされるコンプレッサの油戻り不良の状況を回避する。したがって、コンプレッサの信頼性が保証され、システム性能が向上し、室内の快適性が確保される。
【0021】
さらに、外気空調システムの制御方法が提供される。外気空調は、室内ユニット1と、室外ユニット2とを含んでいる。室内ユニット1は、第1室内熱交換器11と、第2室内熱交換器13とを含んでいる。室外ユニット2は、コンプレッサ21と、吸気バイパス回路とを含んでいる。方法は、第1室内熱交換器11または第2室内熱交換器13がオフになると、吸気バイパス回路によって、コンプレッサ21の2つの気筒を同時に動作させることを可能にすることを含んでいる。
【0022】
吸気バイパス回路は、順次接続されている第1電磁弁24と、第3電磁弁26と、第2電磁弁25とを含んでいる。第1電磁弁24の第1端は、第1室内熱交換器11の第1端に接続され、第1電磁弁の第2端は、コンプレッサ21の吸気端Aおよび第3電磁弁26の第1端に接続されている。第3電磁弁26の第2端は、コンプレッサ21の吸気端Bおよび第2電磁弁25の第1端に接続されている。第2電磁弁25の第2端は、第2室内熱交換器13の第1端に接続されている。
【0023】
室外ユニット2はさらに、第1液体アキュムレータ22と、第2液体アキュムレータ23とを含んでいる。コンプレッサ21の吸気端Aは、第1液体アキュムレータ22を介して第1電磁弁24の第2端および第3電磁弁26の第1端に接続されている。コンプレッサ21の吸気端Bは、第2液体アキュムレータ23を介して第3電磁弁26の第2端および第2電磁弁25の第1端に接続されている。
【0024】
第1室内熱交換器11の第1端は、第1四方弁28の第1ポートEに接続され、第1四方弁28の第2ポートSは、第1電磁弁24の第1端に接続され、第1室内熱交換器11の第2端は、室外熱交換器27の第1端に接続されている。室外熱交換器27の第2端は、第1四方弁28の第3ポートCおよび第2四方弁29の第3ポートCに接続され、第1四方弁28の第4ポートDは、コンプレッサ21の排気端Wに接続されている。第2室内熱交換器13の第1端は、第2四方弁29の第1ポートEに接続され、第2四方弁29の第2ポートSは、第2電磁弁25の第2端に接続されている。第2室内熱交換器13の第2端は、室外熱交換器27の第1端に接続され、第2四方弁29の第4ポートDは、コンプレッサ21の排気端Wに接続されている。
【0025】
外気空調システムの室内熱交換器が1つだけオンになる(すなわち、外気空調システムが部分負荷下にある)場合、コンプレッサの吸気バイパス回路の切り替えモードは、以下の表に示される。
【0027】
第1室内熱交換器11および第2室内熱交換器13がそれぞれオンに設定される(すなわち、外気空調システムが全負荷下にある)と、第1電磁弁24および第2電磁弁25は、開状態となり、第3電磁弁26は、閉じられる。
【0028】
この場合、室外ユニット2は、室外熱交換器27と、第1四方弁28と、第1四方弁29と、第1液体アキュムレータ22と、第2液体アキュムレータ23とを含み、室内ユニット1は、第1絞り機構12と、第2絞り機構14とを含んでいる。
【0029】
外気空調システムが冷房モードにあるとき、低温低圧のガス状冷媒は、コンプレッサ21によって吸入されかつ加圧された後に、高温高圧のガス状冷媒に変換され、その後、コンプレッサ21の排気端Wを経由して第1四方弁28の第4ポートDおよび第2四方弁29の第4ポートDに入り、第1四方弁28の第3ポートCおよび第2四方弁29の第3ポートCを経由して室外熱交換器に入る。高温高圧のガス状冷媒は、室外熱交換器27において(凝縮器の凝縮により)放熱して、中温高圧の液冷媒となる(室外循環空気により熱が奪われる)。中温高圧の液冷媒は、第1絞り機構12および第2絞り機構14を通過することによって絞られかつ減圧されると、低温低圧の液冷媒となる。低温低圧の液冷媒は、第1室内熱交換器11および第2室内熱交換器13のそれぞれに入った後に、(蒸発器を介して)吸熱してかつ蒸発すると、低温低圧のガス状冷媒となる(室内空気は、熱交換器の表面を通過すると冷却され、それによって、室内温度が低下する)。その後、第1室内熱交換器11内の低温低圧のガス状冷媒は、第1四方弁28の第1ポートEおよび第2ポートSを通って第1液体アキュムレータ22に入り、第2室内熱交換器13内の低温低圧のガス状冷媒は、第2四方弁29の第1ポートEおよび第2ポートSを通って第2液体アキュムレータ23に入る。最後に、低温低圧のガス状冷媒は、再びコンプレッサ21に吸入され、上記の処理が繰り返される。
【0030】
外気空調システムが暖房モードにあるとき、低温低圧のガス状冷媒は、コンプレッサによって吸入されかつ加圧された後に、高温高圧のガス状冷媒に変換され、コンプレッサ21の排気端Wを経由して第1四方弁28の第4ポートDおよび第2四方弁29の第4ポートDに入る。高温高圧のガス状冷媒は、第1四方弁28の第1ポートEおよび第2四方弁29の第4ポートDを経由して第1室内熱交換器11に入った後に、凝縮してかつ放熱すると、中温高圧の液冷媒となる(室内空気は、熱交換器の表面を通過すると加熱され、それによって、室内温度が上昇する)。中温高圧の液冷媒は、第1絞り機構12および第2絞り機構14を通過することによって絞られかつ減圧され、低温低圧の液冷媒となる。低温低圧の液冷媒は、室外熱交換器27に入った後に、吸熱してかつ蒸発すると、低温低圧のガス状冷媒となる(室外空気は、熱交換器の表面を通過すると冷却され、それによって、温度が低下する)。その後、第1室内熱交換器11内の低温低圧のガス状冷媒は、第1四方弁28の第3ポートCおよび第2ポートSを通って第1液体アキュムレータ22に入り、第2室内熱交換器13内の低温低圧のガス状冷媒は、第2四方弁29の第3ポートCおよび第2ポートSを通って第2液体アキュムレータ23に入る。最後に、低温低圧のガス状冷媒は、再びコンプレッサ21に吸入され、上記の処理が繰り返される。
【0031】
第1室内熱交換器11がオンになり、第2室内熱交換器13がオフになる(すなわち、外気空調システムが部分負荷下にある)と、第2電磁弁25が閉じられ、第1電磁弁24および第3電磁弁26が開かれる。
【0032】
この場合、室外ユニット2は、室外熱交換器27と、第1四方弁28と、第1液体アキュムレータ22と、第2液体アキュムレータ23とを含み、室内ユニット1は、第1絞り機構12を含んでいる。
【0033】
外気空調システムが冷房モードにあるとき、低温低圧のガス状冷媒は、コンプレッサ21によって吸入されかつ加圧された後に、高温高圧のガス状冷媒に変換され、コンプレッサ21の排気端Wを経由して第1四方弁28の第4のポートDに入り、第1四方弁28の第3ポートCを経由して室外熱交換器に入る。高温高圧のガス状冷媒は、室外熱交換器27において(凝縮器の凝縮により)放熱して、中温高圧の液冷媒となる(室外循環空気により熱が奪われる)。中温高圧の液冷媒は、第1絞り機構12によって絞られかつ減圧されると、低温低圧の液冷媒となる。低温低圧の液冷媒は、第1室内熱交換器11に入った後に、(蒸発器を介して)吸熱してかつ蒸発すると、低温低圧のガス状冷媒となる(室内空気は、熱交換器の表面を通過すると冷却され、それによって、室内温度が低下する)。その後、低温低圧のガス状冷媒は、第1四方弁28の第1ポートEおよび第2ポートSを通って、第1液体アキュムレータ22および第2液体アキュムレータ23に入る。低温低圧のガス状冷媒は、再びコンプレッサ21に吸入され、上記の処理が繰り返される。
【0034】
外気空調システムが暖房モードにあるとき、低温低圧のガス状冷媒は、コンプレッサ21によって吸入されかつ加圧された後に、高温高圧のガス状冷媒に変換され、コンプレッサの排気端Wを経由して第1四方弁28の第4ポートDに入る。高温高圧のガス状冷媒は、第1四方弁28の第1ポートEを経由して第1室内熱交換器11に入った後に、凝縮してかつ放熱すると、中温高圧の液冷媒となる(室内空気は、熱交換器表面を通過すると加熱され、それによって、室内温度が上昇する)。中温高圧の液冷媒は、第1絞り機構12によって絞られかつ減圧されて、低温低圧の液冷媒となる。低温低圧の液冷媒は、室外熱交換器27に入った後に、吸熱してかつ蒸発して、低温低圧のガス状冷媒となる(室外空気は、熱交換器の表面を通過すると冷却される)。その後、低温低圧のガス状冷媒は、第1四方弁28の第3ポートCおよび第2ポートSを通って、第1液体アキュムレータ22および第2液体アキュムレータ23に入る。最後に、低温低圧のガス状冷媒は、再びコンプレッサ21に吸入され、上記の処理が繰り返される。
【0035】
第1室内熱交換器11がオフになり、第2室内熱交換器13がオンになると、第1電磁弁24が閉じられ、第2電磁弁25および第3電磁弁26が開かれる。
【0036】
この場合、室外ユニット2は、室外熱交換器27と、第2四方弁29と、第1液体アキュムレータ22と、第2液体アキュムレータ23とを含み、室内ユニット1は、第2絞り機構14を含んでいる。
【0037】
外気空調システムが冷房モードにあるとき、低温低圧のガス状冷媒は、コンプレッサ21によって吸入されかつ加圧された後に、高温高圧のガス状冷媒に変換され、コンプレッサ21の排気端Wを経由して第2四方弁29の第4ポートDに入り、第2四方弁29の第3ポートCを経由して室外熱交換器に入る。高温高圧のガス状冷媒は、室外熱交換器27において(凝縮器の凝縮により)放熱して、中温高圧の液冷媒となる(室外循環空気により熱が奪われる)。中温高圧の液冷媒は、第2絞り機構14によって絞られかつ減圧されて、低温低圧の液冷媒となる。低温低圧の液冷媒は、第2室内熱交換器13に入った後に、吸熱してかつ(蒸発器を介して)蒸発すると、低温低圧のガス状冷媒となる(室内空気は、熱交換器表面を通過すると冷却され、それによって、室内温度が低下する)。その後、低温低圧のガス状冷媒は、第2四方弁29の第1ポートEおよび第2ポートSを通って第1液体アキュムレータ22および第2液体アキュムレータ23に入る。低温低圧のガス状冷媒は、再びコンプレッサ21に吸入され、上記の処理が繰り返される。
【0038】
外気空調システムが暖房モードにあるとき、低温低圧のガス状冷媒は、コンプレッサ21によって吸入されかつ加圧された後に、高温高圧のガス状冷媒に変換され、コンプレッサの排気端を経由して第2四方弁29の第4ポートDに入る。高温高圧のガス状冷媒は、第2四方弁29の第1ポートEを経由して第2室内熱交換器13に入った後に、凝縮されかつ放熱すると、中温高圧の液冷媒となる(室内空気は、熱交換器の表面を通過すると加熱され、それによって、室内温度が上昇する)。中温高圧の液冷媒は、第2絞り機構14によって絞られかつ減圧されて、低温低圧の液冷媒となる。低温低圧の液冷媒は、室外熱交換器27に入った後に、吸熱してかつ蒸発して、低温低圧のガス状冷媒となる(室外空気は、熱交換器の表面を通過すると冷却される)。その後、低温低圧のガス状冷媒は、第2四方弁29の第3ポートCおよび第2ポートSを通って第1液体アキュムレータ22および第2液体アキュムレータ23に入る。最後に、低温低圧のガス状冷媒は、再びコンプレッサ21に吸入され、上記の処理が繰り返される。
【0039】
第1絞り機構12は、第1室内熱交換器11を通過する冷媒の圧力を絞って減圧し、第2スロットル機構14は、第2室内熱交換器13を通過する冷媒の圧力を絞って減圧する。
【0040】
好ましくは、第1スロットル機構12は、電子膨張弁であり、第2絞り機構14は、電子膨張弁である。他の実施形態では、第1絞り機構12および第2絞り機構14は、毛細管などの絞り機能を有する他の構成要素または構成要素の組合せであってもよい。
【0041】
第1四方弁28および第2四方弁29は、冷媒の流れ方向を変えるために用いられ、それによって、冷却状態で動作する蒸発器は、凝縮器になる(すなわち、室内熱交換器は、冷房モードでは蒸発器として機能し、暖房モードでは凝縮器として機能する)。冷媒は、凝縮器内で放熱し、その熱は、送風機によって室内に送風されて供給される。
【0042】
要するに、本発明において提供される外気空調システムおよびその制御方法において、外気空調システムは、室内ユニットと、室外ユニットとを含んでいる。室内ユニットは、第1室内熱交換器と、第2室内熱交換器とを含んでいる。室外ユニットは、コンプレッサと、吸気バイパス回路とを含んでいる。外気空調システムが部分負荷で動作すると、すなわち、第1室内熱交換器または第2室内熱交換器がオフになると、閉じられた室内熱交換器に対応する絞り機構が閉じられる。コンプレッサの吸気側における吸気バイパス回路の切り替え方式は、コンプレッサの2つの気筒を同時に動作することを可能にし、それによって、コンプレッサの長期間の単気筒動作によって引き起こされる油戻り不良の状況を回避し、コンプレッサの信頼性を確保し、システム性能および室内快適性を改善し、より良好なユーザ経験をもたらす。
【0043】
上記は、単に本発明の好ましい実施形態を説明したに過ぎず、本発明に制限を課すものではない。本発明の技術的解決策の範囲から逸脱することなく、当業者によってなされた、本発明において開示される技術的解決策および技術的内容の任意の同等の変更または修正は、本発明の技術的内容に属し、本発明の保護範囲内に含まれる。