特許第6827589号(P6827589)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6827589注意シフトに応じて光源のライト状態の好みを記憶する
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827589
(24)【登録日】2021年1月21日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】注意シフトに応じて光源のライト状態の好みを記憶する
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20210128BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20210128BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20210128BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20210128BHJP
   H05B 47/125 20200101ALI20210128BHJP
【FI】
   G06F3/01 510
   G06F3/0346 423
   H04Q9/00 301D
   F21V23/00 140
   H05B47/125
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-508458(P2020-508458)
(86)(22)【出願日】2018年7月31日
(65)【公表番号】特表2020-531963(P2020-531963A)
(43)【公表日】2020年11月5日
(86)【国際出願番号】EP2018070679
(87)【国際公開番号】WO2019034407
(87)【国際公開日】20190221
【審査請求日】2020年4月13日
(31)【優先権主張番号】17186539.7
(32)【優先日】2017年8月17日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】アリアクセイウ ディミトリ ヴィクトロヴィッチ
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−220651(JP,A)
【文献】 特開2009−129754(JP,A)
【文献】 特開2017−98170(JP,A)
【文献】 特表2014−516181(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/163030(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00 − 45/58
H05B 47/00 − 47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにディスプレイに表示されるコンテンツに関連するライト効果を作り出すための電子デバイスであって、当該電子デバイスは、
少なくとも1つの光源のライト状態を変える、
ユーザの頭の向き及び/又はユーザの視線の変化に基づいて注意シフトを検出する、
前記注意シフトが前記ライト状態の変化と一致するかどうかを判断する、及び
前記注意シフトが前記ライト状態の変化と一致することに応じて前記ライト状態についての好みを記憶する、
ように構成される少なくとも1つのプロセッサを含む、電子デバイス。
【請求項2】
前記好みは、変えられた前記ライト状態よりも弱い明るさ及び/又は弱い強度であるライト効果を有するライト状態についての好みである、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記注意シフトが前記ライト状態の変化と一致すると判断すると前記好みに基づいて前記少なくとも1つの光源を制御し始めるように構成される、請求項1又は2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記注意シフトが前記ライト状態の変化と一致することが所定の回数発生したと判断すると前記好みを記憶する及び/又は前記好みに基づいて前記少なくとも1つの光源を制御し始めるように構成される、請求項1又は2に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ユーザの注意が前記ディスプレイから離れることに基づいて前記注意シフトを検出するように構成される、請求項1又は2に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ユーザの頭の向き又は前記ユーザの視線が、前記少なくとも1つの光源のうちの1つ以上の方向に動くことを検出するように構成される、請求項1又は2に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記ユーザの頭の向き及び/又は前記ユーザの視線の変化を表す情報は、拡張グラスから受ける、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ユーザの注意が前記少なくとも1つの光源のうちの1つ以上に向くことを検出するように構成される、請求項1又は2に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、所定の期間中にのみ前記注意シフトが前記ライト状態の変化と一致することに応じて前記ライト状態についての前記好みを記憶するように構成される、請求項1又は2に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記好みは、現在の好み値を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、ある量だけ前記現在の好み値を減少又は増化することに基づいて前記好みについての新しい好み値を決定するように構成され、前記ある量は、当該電子デバイスで事前定義されている、又はライトスクリプトで指定されている、請求項1又は2に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記注意シフトが前記ライト状態の変化と一致するかどうかを履歴データに記憶するように構成され、前記履歴データは、過去の注意シフトが少なくとも1つの光源のライト状態の過去の変化と何回一致したかを示し、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記履歴データに応じて前記好みを記憶する及び/又は前記好みに基づいて前記少なくとも1つの光源を制御し始めるように構成される、請求項1又は2に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記好みは、前記ライト状態の最大の強度及び/又は最大の明るさについての好みを含む、請求項1又は2に記載の電子デバイス。
【請求項13】
ユーザにディスプレイに表示されるコンテンツに関連するライト効果を作り出すための少なくとも1つの光源のライト状態を変える方法であって、当該方法は、
ユーザが前記コンテンツを見ている一方、少なくとも1つの光源のライト状態を変えるステップと、
ユーザの頭の向き及び/又はユーザの視線の変化に基づいて注意シフトを検出するステップと、
前記注意シフトが前記ライト状態の変化と一致するかどうかを判断するステップと、
前記注意シフトが前記ライト状態の変化と一致することに応じて前記ライト状態についての好みを記憶するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
少なくとも1つのソフトウェアコード部分を含むコンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式又は少なくとも1つのソフトウェアコード部分を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記ソフトウェアコード部分は、コンピュータシステム上で実行されると、請求項13に記載の方法が実行されることを可能にするように構成される、コンピュータプログラム若しくはコンピュータプログラム一式又はコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの光源のライト状態(light state)を変えるための電子デバイスに関する。
【0002】
本発明はさらに、少なくとも1つの光源のライト状態を変える方法に関する。
【0003】
本発明はまた、コンピュータシステムがそのような方法を実行することを可能にするコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【背景技術】
【0004】
光は、エンターテインメント体験を向上させるために使用されることができる。スマートホームテクノロジ、とりわけ、Philips Hue等のスマートライティングの登場により、色のついた動的な照明が、人々をエンターテインメント体験に没頭させるように、ホームエンターテインメント体験を向上させるために使用されることができる。ビデオコンテンツへのよく知られたライトのアドオンは、PhilipsのAmbilight(登録商標)テクノロジである。Philips Ambilight TVに埋め込まれたライト及びPhilips Hueコネクテッドライトは、テレビ画面に表示されるコンテンツを向上させるためにエンターテインメントライトとして使用されることができる。PhilipsのHueの評価における重要な観察の1つは、ライト効果の最大の明るさ又は強度についての人々の好みの違いの存在、並びに、コンテンツのタイプ、ライトの位置及びTV画面の明るさへの人の好みの依存性である。しかしながら、ユーザは、ライト効果(light effect)の最大の明るさ又は強度の手動構成(manual configuration)は煩わしすぎると考える可能性が高く、代わりに、特に最大の明るさ又は強度は定期的に調整される必要がある可能性が高いので、エンターテインメントライトをオフにすることを好むかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1の目的は、光源のライト状態についてのユーザの好みを自動的に決定及び記憶することができる、電子デバイスを提供することにある。
【0006】
本発明の第2の目的は、光源のライト状態についてのユーザの好みを自動的に決定及び記憶することができる、方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様では、電子デバイスは、ユーザがディスプレイに表示されているコンテンツを見ている一方、少なくとも1つの光源のライト状態を変える、ユーザの注意(attention)がディスプレイから離れる(shift away)ことを検出する、注意シフト(attention shift)がライト状態の変化と一致するかどうかを判断する、及び注意シフトがライト状態の変化と一致することに応じてライト状態についての好みを記憶する、ように構成される少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0008】
本発明者らは、人々は明るすぎたり強すぎたりするライト効果に気を取られるため、人々はライト効果の最大の明るさ又は強度について特定の好みを持つことを認識した。没入感(immersive)に代わり、光が気を散らすようになる閾明るさ(threshold brightness)があるようである。さらに、明るさの閾値は、規則的に、例えば、ランプの位置、表示されるコンテンツのタイプ又はテレビ画面の明るさが変化した場合に、変化するようである。ユーザの注意がディスプレイから離れるかどうかを検出する、及び、これがライト状態の変化と一致するかどうかを判断することにより、ライト状態についての好み、好ましくは、変えられたライト状態より顕著ではないライト効果(less pronounced light effect)を有する好みを自動的に決定及び記憶することが可能である。
【0009】
好みは、例えば、ライト状態の最大の強度及び/又は最大の明るさについての好みを含んでもよい。ライト状態変化(light state change)(すなわち、ライト効果)は、表示されたコンテンツと関係を有することが好ましい。この関係は、第1の関数(例えば、表示されたコンテンツがドミナントカラーX及び/又は平均強度Xを持つ場合、色X及び/又は強度Xを有するライト効果が作成されてもよい)によって決定されてもよく、この関数は、好みに基づいて第2の関数に変わってもよい(例えば、好みは色Xを避けること、又は強度をY未満に保つことであってもよい)。
【0010】
少なくとも1つのプロセッサは、注意シフトがライト状態の変化と一致すると判断すると好みに基づいて少なくとも1つの光源を制御し始めるように構成されてもよい。代替的に、少なくとも1つのプロセッサは、ディスプレイに好みを表現する、ユーザが好みを受け入れることを可能にする、及びユーザが好みを受け入れると好みに基づいて少なくとも1つの光源を制御し始めるように構成されてもよい。光源を制御することは、ライト状態のある最大の強度及び/又は最大の明るさが越えられないようにすることを含んでもよい。注意シフトがライト状態の変化と一致すると判断すると好みを考慮に入れることは、ユーザが、現在のコンテンツを依然見ている一方、新しい好みから利益を得ることを可能にする。しかしながら、一部のユーザは自動好み調整を嫌うかもしれず、より制御を好むかもしれない。
【0011】
少なくとも1つのプロセッサは、注意シフトがライト状態の変化と一致することが所定の回数発生したと判断すると好みを記憶する及び/又は好みに基づいて少なくとも1つの光源を制御し始めるように構成されてもよい。変えられたライト状態(changed light state)(すなわち、ライト効果)が実際に気を散らすものであることを確認するために、注意シフトは、好みが記憶される前の(例えば、最大強度が設定又は変更される前の)注意シフトと一致することが複数回発生することを必要としてもよい。これは、ユーザの注意がライト状態が変えられている光源に向かっている(shift towards)ことを十分な確かさで確立できない場合に特に有益である。所定の回数は、1つ以上のファクタ、例えば、どのライト状態が変えられるかに依存してもよい。典型的には、ほとんどすべてのライト効果は異なる明るさ/強度レベルを持つため、ユーザの挙動が短時間だけ観察される場合でも、注意シフトが複数回発生した後、より正確に好みを決定できるようにしてもよい。
【0012】
少なくとも1つのプロセッサは、注意シフトがライト状態の変化と一致するかどうかを履歴データに記憶するように構成されてもよく、履歴データはさらに、過去の注意シフトが少なくとも1つの光源のライト状態の過去の変化と何回一致したかを示してもよく、少なくとも1つのプロセッサは、履歴データに応じて好みを記憶する及び/又は好みに基づいて少なくとも1つの光源を制御し始めるように構成されてもよい。変えられたライト状態(すなわち、ライト効果)が実際に気を散らすものであることを確認するために、過去の注意シフトが少なくとも1つの光源(必ずしも、ライト状態が現在変えられているものと同じ少なくとも1つの光源ではない)のライト状態の過去の変化と何回一致したかを考慮に入れることは有益であり得る。これは、ユーザの注意がライト状態が変えられている光源に向かっていることを十分な確かさで確立できない場合に特に有益である。例えば、他の理由で目をそらすことがよくあるユーザは、好み値が確立される前にいくつかの変化の間に目をそらす必要があってもよく、一方、一般に目をそらさないユーザは、ある変化の間に最初に目をそらした際に好み値の確立をトリガしてもよい。
【0013】
少なくとも1つのプロセッサは、所定の期間中にのみ注意シフトが当該変化と一致することに応じてライト状態についての好みを記憶するように構成されてもよい。ユーザが自動好み調整を嫌う場合、所定の期間のみ、例えば、コンテンツを視聴してから最初の数分間のみ、好みを記憶(例えば、設定又は変更)することにより、数を減らされ得る。
【0014】
少なくとも1つのプロセッサは、ユーザの頭の向き及び/又はユーザの視線(gaze)の変化を表す情報に基づいてユーザの注意がディスプレイから離れることを検出するように構成されてもよい。ユーザの頭の向き及び/又はユーザの視線の変化を検出する技術はよく知られており、ユーザの注意が離れていることを検出するために都合よく使用されることができる。
【0015】
少なくとも1つのプロセッサは、ユーザの頭の向き又はユーザの視線が、少なくとも1つの光源のうちの1つ以上の方向に動くことを検出するように構成されてもよい。ユーザの頭の向き又はユーザの視線がディスプレイから遠ざかる(move away)場合、ユーザは、気をそらしている可能性が最も高いが、何がユーザの気をそらしたかを判断することはできないかもしれない。向きが少なくとも1つの光源のうちの1つ以上の光源の方向に動いていることを検出することにより、ユーザの気をそらしたのはこの光源であった可能性が高い。
【0016】
情報は、拡張現実グラス(augmented reality glass)から受けてもよい。拡張現実グラスは、典型的には、ユーザの頭の近くに位置付けられているため、ユーザの頭の向き及び/又はユーザの視線の変化を、ディスプレイに近いカメラよりも正確に検出することができる。
【0017】
少なくとも1つのプロセッサは、ユーザの注意が少なくとも1つの光源のうちの1つ以上に向くことを検出するように構成されてもよい。ユーザの注意が少なくとも1つの光源のうちの1つ以上に向いていることを検出することにより、ユーザの気をそらしたのはこの光源(すなわち、光源によって作り出されたライト効果)であったことが一層高い正確さ/信頼性で決定されることができる。
【0018】
少なくとも1つのプロセッサは、ある量だけ好みの現在の好み値を減少又は増化することにより好みについての新しい好み値を決定するように構成されてもよく、ある量は、当該電子デバイスで事前定義されてもよく、又はライトスクリプト(light script)で指定されてもよい。通常、変えられたライト状態、すなわち、ライト効果が気をそらしている可能性があると判断するのは簡単であるが、多くの場合、どのライト効果が気をそらしていないかをすぐに判断することはできない。現在の好み値が減少される量(例えば、現在の好みのレベルが、超えられるべきではない値を指定する場合)又は増加される量(例えば、現在の好みのレベルが、ライトコマンドのパラメータが減少されるべき割合を指定する場合)は小さくてもよく(これは、好みが、気をそらすライト効果を作り出さない最大値に収束する可能性を増加させる)、又は大きくてもよい(これは、次のライト効果が気をそらすであろう可能性を減少させる)。現在の好み値が減少又は増加される量の選択は、電子デバイスのユーザ若しくは製造者によって、又はライトスクリプトの作成者によってなされてもよい。
【0019】
本発明の第2の態様では、方法は、ユーザがディスプレイに表示されているコンテンツを見ている一方、少なくとも1つの光源のライト状態を変えるステップと、ユーザの注意がディスプレイから離れることを検出するステップと、注意シフトがライト状態の変化と一致するかどうかを判断するステップと、注意シフトがライト状態の変化と一致することに応じてライト状態についての好みを記憶するステップとを含む。方法は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで実施されてもよい。
【0020】
さらに、本明細書で説明される方法を実践するためのコンピュータプログラム、並びに、そのコンピュータプログラムを記憶している非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータプログラムは、例えば、既存のデバイスによってダウンロードされるか、又は、既存のデバイスにアップロードされてもよく、あるいは、これらのシステムの製造時に記憶されてもよい。
【0021】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つのソフトウェアコード部分を含み、ソフトウェアコード部分は、コンピュータによって実行又は処理されると、ユーザがディスプレイに表示されているコンテンツを見ている一方、少なくとも1つの光源のライト状態を変えることと、ユーザの注意がディスプレイから離れることを検出することと、注意シフトがライト状態の変化と一致するかどうかを判断することと、注意シフトがライト状態の変化と一致することに応じてライト状態についての好みを記憶することと、を含む実行可能オペレーションを実行するように構成される。
【0022】
当業者には理解されるように、本発明の諸態様は、デバイス、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。したがって、本発明の諸態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、あるいは、ソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形態を取ってもよく、それらは全て、本明細書では「回路」、「モジュール」、又は「システム」と総称されてもよい。本開示で説明される機能は、コンピュータのプロセッサ/マイクロプロセッサによって実行される、アルゴリズムとして実装されてもよい。更には、本発明の諸態様は、1つ以上のコンピュータ可読媒体として具現化されている、コンピュータプログラム製品の形態を取ってもよく、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、その上に具現化されている、例えば記憶されている、コンピュータ可読プログラムコードを有する。
【0023】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定するものではないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体の、システム、装置、若しくはデバイス、あるいは、上述の任意の好適な組み合わせであってもよい。より具体的なコンピュータ可読記憶媒体の例としては、限定するものではないが、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(random access memory;RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory;ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory;EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(portable compact disc read-only memory;CD−ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は上述の任意の好適な組み合わせを挙げることができる。本発明の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを含むか、又は記憶することが可能な、任意の有形媒体であってもよい。
【0024】
コンピュータ可読信号媒体としては、例えばベースバンド内又は搬送波の一部として、その内部に具現化されているコンピュータ可読プログラムコードを有する、伝搬データ信号を挙げることができる。そのような伝搬信号は、限定するものではないが、電磁気、光学、又はこれらの任意の好適な組み合わせを含めた、様々な形態のうちのいずれを取ってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを、通信、伝搬、又は伝送することが可能な、任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0025】
コンピュータ可読媒体上に具現化されているプログラムコードは、限定するものではないが、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RFなど、又は上述の任意の好適な組み合わせを含めた、任意の適切な媒体を使用して送信されてもよい。本発明の諸態様に関する動作を実施するためのコンピュータプログラムコードは、Java(商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含めた、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれてもよい。このプログラムコードは、スタンドアロン型ソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータ上かつ部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(local area network;LAN)若しくは広域ネットワーク(wide area network;WAN)を含めた任意のタイプのネットワークを通じて、ユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は、この接続は、外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)実施されてもよい。
【0026】
本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品の、フローチャート図及び/又はブロック図を参照して、本発明の諸態様が以下で説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装されることができる点が理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを作り出すために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置の、プロセッサ、特にマイクロプロセッサ又は中央処理ユニット(central processing unit;CPU)に提供されてもよく、それにより、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスのプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施するための手段を作り出す。
【0027】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスに、特定の方式で機能するように指示することが可能な、コンピュータ可読媒体内に記憶されてもよく、それにより、コンピュータ可読媒体内に記憶されている命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施する命令を含む、製品を作り出す。
【0028】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ実施プロセスを作り出すために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされて、それらのコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させてもよく、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施するためのプロセスを提供する。
【0029】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるデバイス、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装の、アーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、指定されている論理関数を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む、コードのモジュール、セグメント、又は部分を表してもよい。また、一部の代替的実装形態では、ブロック内に記されている機能は、それらの図に記されている順序と異なる順序で行われてもよい点にも留意されたい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又は、それらのブロックは、関与している機能性に応じて、逆の順序で実行される場合があってもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びに、それらブロック図及び/又はフローチャート図内のブロックの組み合わせは、指定されている機能若しくは行為を実行する専用ハードウェアベースのシステム、又は、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実施されることができる点にも留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下の図面から明らかであり、例として、それらの図面を参照して更に解明されるであろう。
図1】本発明の電子デバイスの第1の実施形態を含むシステムのブロック図である。
図2図1の電子デバイスの第1の実施形態のブロック図である。
図3】ライト効果に起因し得ないディスプレイから離れる注意のシフトを示す。
図4】ライト効果に起因し得るディスプレイから離れる注意のシフトを示す。
図5】本発明の電子デバイスの第2の実施形態を含むシステムのブロック図である。
図6図5の電子デバイスの第2の実施形態のブロック図である。
図7】本発明の方法の一実施形態のフロー図である。
図8】本発明の方法を実行するための例示的なデータ処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面中の対応する要素は、同じ参照番号によって示される。
【0032】
図1は、本発明の電子デバイスの第1の実施形態、ブリッジ1を示す。ブリッジ1は、例えば、ZigBee又はZigBeeに基づくプロトコルを介して、ランプ11及び13を制御する。ブリッジ1は、有線又は無線を介して、無線LAN(例えば、Wi−Fi/IEEE 802.11)アクセスポイント41に接続される。モバイルデバイス43、例えば、モバイルフォン又はタブレットがまた、無線LANアクセスポイント41を介してインターネットに接続される。モバイルデバイス43のユーザは、ランプ11及び13を名前に関連付ける、名前が付けられた部屋を作成する、ランプ11及び13を名前が付けられた部屋に割り当てる、並びにモバイルデバイス43のタッチスクリーンを介してランプ11及び13を制御することができる。ライト及び部屋の名前、並びにライトと部屋との関連付けは、モバイルデバイス43に記憶される。
【0033】
テレビ17は、コンテンツを表示するディスプレイ19を備える。テレビの上にカメラ15がある。カメラ15は、ブリッジ1にデータを送信する。図1の実施形態では、このデータは、ZigBee又はZigBeeに基づくプロトコルを介して送信される。代替的な実施形態では、このデータは、例えば、Bluetoothを介して、又は無線LANアクセスポイント41を介して送信される。テレビ17は、ディスプレイ19に表示されたコンテンツを分析し、分析の結果を連続ストリームとしてモバイルデバイス43に送信する。この実施形態では、これらの結果は、いくつかのエッジ領域に対するディスプレイ19のエッジ領域ごとの色及び強度値を含む。モバイルデバイス43は、ランプ11及び13の位置に基づいて、結果をランプ11及び13にマッピングする。例えば、ディスプレイの左エッジ領域はランプ11にマッピングされ、右エッジ領域はランプ13にマッピングされる。その後、モバイルデバイス43は、このマッピングに基づいてランプ11及び13を制御する。代替的な実施形態では、モバイルデバイス43の上記の機能は、コンテンツを表示するデバイスによって、例えば、テレビ17又はゲームコンソールによって実行される。例えば、モバイルデバイス43で実行されるアプリが、コンテンツを表示するデバイスで代わりに実行される。人23は、ソファ21に座ってディスプレイ19を見ている。これは、図2に、人23の鼻25がディスプレイ19の方向を向いていることによって示されている。
【0034】
ブリッジ1は、プロセッサ5、トランシーバ3、及び記憶手段7を備える(図2を参照)。プロセッサ5は、ユーザがテレビ17のディスプレイ19に表示されているコンテンツを見ている一方、ランプ11及び/又は13のライト状態、例えば、明るさを変える、カメラ15から受けるデータに基づいてユーザの注意がディスプレイ19から離れることを検出する、注意シフトが当該変化と一致するかどうかを判断する、及び、注意シフトが当該変化と一致することに応じてライト状態についての好みを記憶するように構成される。好みは、変えられたライト状態よりも(すなわち、注意シフトを引き起こしたと考えられるライト状態よりも)顕著ではないライト効果を有するライト状態についての好みを含む。図2に示されている矢印は、例示のみを目的としており、すなわち、前述の通信を示しているに過ぎず、図2に示されていない方向に通信が行われることを排除するものではない。
【0035】
図3は、人23の注意が、ライト効果がレンダリングされていないランプ11に向かってディスプレイ19から離れること(鼻25がランプ11の方向を向いている)を示している。ライト効果はレンダリングされていないため、この注意シフトはライト状態の変化と一致せず、ライト効果に起因し得ない。図4は、人23の注意が、ライト状態がちょうど変えられたランプ11に向かってディスプレイ19から離れることを示している。例えば、最大の明るさを有するライト効果が、ランプ11でレンダリングされてもよい。この注意シフトは、ライト状態の変化と一致するため、この変化に起因し得る。
【0036】
図2の実施形態では、人1がテレビ17を使用している一方、ブリッジ1は継続的に好みを適応させる。この適応は、この実施形態では継続的である。なぜなら、気そらし(distraction)のレベルは、室内の全体的なライトレベルの変化、及び、とりわけ、ゲーム又は映画の現在の瞬間の魅力(how engaging)の変化に起因して変化し得るからである。代替的な実施形態では、プロセッサ5は、所定の期間中にのみ注意シフトが当該変化と一致することに応じてライト状態についての好みを記憶するように構成される。例えば、適応は、残りのゲームセッション又は映画鑑賞アクティビティのために固定され得る所望の強度レベルを識別するために最初の数分間のみアクティブになってもよい。別の実施形態では、適応は、ディスプレイデバイスのスタートアッププロシージャの一部であってもよく、例えば、コンテンツが表示されている一方、ランプの明るさが増加されていき、どのレベルでランプが気をそらすことになるのかを確認してもよく、ひとたび最適な明るさが定義されると、それ以上の変化はなされなくてもよい。
【0037】
最新のゲームコンソール及び特定のTVモデルには、カメラを使用した何らかの形のユーザ追跡(Microsoft Kinect、PlayStationカメラ等)を有するものがある。これらのデバイスは、ユーザの注意の焦点(focus)を推定するために使用されることができる。図2の実施形態では、テレビ17の上に位置するスタンドアロンカメラ15がこの目的で使用される。この実施形態では、プロセッサ5は、ユーザの頭の向きの変化を表す情報に基づいてユーザの注意がディスプレイ19から離れることを検出するように構成される。代替的な実施形態では、プロセッサ5は、追加的又は代替的に、ユーザの視線の変化を表す情報に基づいてユーザの注意がディスプレイ19から離れることを検出するように構成される。ユーザの頭の向きの変化を検出する技術及びユーザの視線の変化を検出する技術はよく知られている。別の実施形態では、ユーザの頭の向きの変化及び/又はユーザの視線の変化を表す情報は、ゲームコンソール又はテレビに埋め込まれた又は接続されたカメラからではなく、拡張現実グラス、例えば、Google Glassから受けてもよい。
【0038】
カメラ15は、動きが検出された場合、ブリッジ1に捕捉された画像を提供する。その後、ブリッジ1は、これらの画像を分析する。別の実施形態では、カメラ15は、頭又は視線方向に関する高レベルのデータをブリッジ1に提供する。図2の実施形態では、プロセッサ5は、ユーザの注意がランプ11又はランプ13に向くことを検出するように構成される。ブリッジ1は、ランプ11及び13の位置に関する知識を使用して、ユーザが見ている特定のランプを識別する。代替的な実施形態では、プロセッサ5は、ユーザの頭及び/又はユーザの視線の向きが変化したか否かを判断するだけであり、任選択的に、向きがランプ11又はランプ13の方向に移動したことを検出するが、ユーザが実際にランプ11又はランプ13を見ているかどうかは検出しない。
【0039】
図2の実施形態では、プロセッサ5は、注意シフトがライト状態の変化と一致すると判断すると好みに基づいてランプ11及び/又はランプ13を制御し始めるように構成される。例えば、適合された好みは、次にランプ11及び/又はランプ13のライト状態が変えられる必要があるとき、すなわち、次にライト効果がレンダリングされる必要があるときに使用されてもよい。ランプ11及び13は、同じ好み又は異なる好み、例えば、同じ又は異なる最大の明るさを有してもよい。後者は、ランプ11及び13のうちの一方が、人23から、又は人23の基準位置、例えば、ソファ2から、他方のランプよりかなり離れて位置する場合に有益であり得る。プロセッサ5がランプ11及び13についての好みを個別に記録する場合、例えば、ユーザがランプ13よりもランプ11に気をそらされる場合、ランプ11についての最大の明るさは、ランプ13についてよりも低く設定され、両方のランプで同時に再生される効果は、以下の方法のうちの1つでレンダリングされてもよい。
(1)プロセッサ5は、ランプ11が、効果の間、ランプ13よりも明るく輝かないようにこれらランプの強度を個別に変更することができる、又は
(2)プロセッサ5はまた、見た目の均一な効果ではあるが、同時効果の持続時間の間だけにするように、ランプ11に関連する好みに基づいてランプ13の強度を制限することができる。
【0040】
代替的な実施形態では、プロセッサ5は、ディスプレイ、例えば、モバイルデバイス43のディスプレイに例えば1つ以上の値としての好みを表現する、ユーザが好みを受け入れることを可能にする、及びユーザが好みを受け入れると好みに基づいてランプ11及び/又はランプ13を制御し始めるように構成される。言い換えると、明るさをすぐに適応させることに代えて、ブリッジ1は、最初にこの情報を記録してもよく、その後それをユーザに(例えば、モバイルデバイス43で実行されているアプリで)提示してもよく、それに応じて将来的に明るさを変えることを提案してもよい。
【0041】
図2の実施形態では、プロセッサ5は、注意シフトがライト状態の変化と一致することが所定の回数発生したと判断すると好みを記憶する及び/又は好みに基づいてランプ11及び/又はランプ13を制御し始めるように構成される。図2の実施形態では、好みの適応が直ちに行われるか、プロセッサ5がシフトを数回検出した後にのみ行われるかは、システム設定に依存する。
【0042】
適応の速度及びレベルは、異なる効果間で異なってもよい。例えば、好みは、非常に頻繁な効果に対してより頻繁であるが、より小さなステップで適応されてもよい(例えば、注意シフトが検出されるたびに、明るさはわずかにだけ減少されてもよい)。これらの効果は生来「気を散らす」ように設計されている可能性があるため、好みは、非常にまれで非常に激しい効果については適応される必要はなくてもよい。例えば、効果の強度が明るさによって定義される一部のケースでは、適応は、全体的な影響を持ってもよく、例えば、明るさの最大値を導入することによってすべての効果に適用されてもよい。
【0043】
図2の実施形態では、プロセッサ5は、注意シフトがライト状態の変化と一致する回数を記憶手段7の履歴データに記憶するようにしか構成されていない。代替的な実施形態では、プロセッサ5は、注意シフトがライト状態の(現在の)変化と一致するかどうかを履歴データに記憶するように構成され、履歴データはさらに、過去の注意シフトがランプ11及び/又はランプ13のライト状態の過去の変化と何回一致したかを示し、プロセッサ5は、履歴データに応じて好みを記憶する及び/又は好みに基づいてランプ11及び/又はランプ13を制御し始めるように構成される。プロセッサ5は、ユーザが一般に目をそらさない場合よりもユーザが他の理由でよく目をそらす場合、より多い回数、好みを記憶する並びに/又はランプ11及び/若しくはランプ13の制御し始めるように構成されてもよい。後者の場合、プロセッサ5は、注意シフトがライト状態の変化と一致した初回に好みを記憶する並びに/又はランプ11及び/若しくはランプ13を制御し始めるように構成されてもよい。記憶手段7に代えて、履歴データは、例えば、ローカルエリアネットワーク内のサーバ又はインターネット上に記憶されてもよい。
【0044】
図2の実施形態では、好みの適応は、同じタイプの将来の効果の明るさを低減することを含む。代替的な実施形態では、明るさと彩度の両方が効果の強度に寄与すると考えられ、同じタイプの将来の効果の明るさと彩度の両方が低減(適応)される。適応は、追加的又は代替的に、気をそらす色を別の色で置き換えることを伴ってもよい。図2の実施形態では、プロセッサ5は、ブリッジ1で事前定義されている、又はライトスクリプト、例えば、映画と一緒に再生されるライトスクリプトで指定されているある量(例えば5%)だけ好みの現在の好み値を減少又は増化することにより好みの新しい好み値を決定するように構成される。
【0045】
図2の実施形態では、ブリッジ1は、記憶された好みに基づいてランプ11及び13のライト状態を制御するが、ライトスクリプトをレンダリングし、コマンドを生成するのはモバイルデバイス43であり、ブリッジ1ではないので、ブリッジ1は、モバイルデバイス43ができるほどスマートにライト効果を適応させることはできない。例えば、ブリッジ1は、モバイルデバイス43が使用する明るさ値の範囲を知らないので、入力明るさ値を出力明るさ値に変換することは、よくない結果を招く可能性がある。しかしながら、ブリッジ1は、最大明るさ値を保証することができる、すなわち、最大値よりも高い明るさを有するライトコマンドを受信した場合、出力明るさを最大値以下に変更する。
【0046】
図2に示されるブリッジ1の実施形態では、ブリッジ1は1つのプロセッサ5を含む。代替的な実施形態では、ブリッジ1は複数のプロセッサを含む。ブリッジ1のプロセッサ5は、例えばIntel若しくはAMDからの汎用プロセッサ、又は特定用途向けプロセッサであってよい。ブリッジ1のプロセッサ5は、例えば、Linuxベースのオペレーティングシステムを実行してもよい。図2に示される実施形態では、受信機及び送信機は、トランシーバ3に組み合わされている。代替的な実施形態では、1つ以上の別個の受信機構成要素及び1つ以上の別個の送信機構成要素が使用される。代替的な実施形態では、単一のトランシーバの代わりに複数のトランシーバが使用される。トランシーバ3は、例えば、Wi−Fi、ZigBee及び/又はBluetooth等のデータを送信及び受信するために1つ以上の無線通信技術を使用してもよい。記憶手段7は、例えば、ランプ11及び13等の利用可能な光源を識別する情報及び好みを記憶してもよい。記憶手段7は、1つ以上のメモリユニットを含んでもよい。記憶手段7は、例えば、固体メモリを含んでもよい。本発明は、1つ以上のプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムを使用して実装されてもよい。
【0047】
図5は、本発明の電子デバイスの第2の実施形態、テレビ31を示す。図1のブリッジ1と同様、図5のブリッジ27は、例えば、ZigBee又はZigBeeに基づくプロトコルを介して、ランプ11及び13を制御する。しかしながら、本発明は、ブリッジ27に代えて、テレビ31に実装される。ブリッジ27及びテレビ31は、有線又は無線を介して、無線LAN(例えば、Wi−Fi/IEEE 802.11)アクセスポイント41に接続され、無線LANアクセスポイント41を介して通信する。
【0048】
テレビ31は、プロセッサ35、トランシーバ33、記憶手段37、及びディスプレイ19を備える(図6を参照)。プロセッサ35は、ユーザがディスプレイ19に表示されているコンテンツを見ている一方、ランプ11及び/又は13のライト状態、例えば、明るさを変える、カメラ15から受けるデータに基づいてユーザの注意がディスプレイ19から離れることを検出する、注意シフトがライト状態の変化と一致するかどうかを判断する、及び、注意シフトがライト状態の変化と一致することに応じてライト状態についての好みを記憶するように構成される。好みは、変えられたライト状態よりも(すなわち、注意シフトを引き起こしたと考えられるライト状態よりも)顕著ではないライト効果を有するライト状態についての好みを含む。図6に示されている矢印は、例示のみを目的としており、すなわち、前述の通信を示しているに過ぎず、図6に示されていない方向に通信が行われることを排除するものではない。
【0049】
テレビ31のユーザは、ランプ11及び13を名前に関連付ける、名前が付けられた部屋を作成する、ランプ11及び13を名前が付けられた部屋に割り当てる、並びに(専用のリモコン、又はリモコンとして構成されるタブレット又はモバイルフォンであってもよい)テレビ31のリモコンを介してランプ11及び13を制御することができる。ライト及び部屋の名前、並びにライトと部屋との関連付けは、テレビ31に記憶される。
【0050】
テレビ31は、コンテンツを表示するディスプレイ19を備える。テレビの上にカメラ15がある。カメラ15は、例えば有線を介して、テレビ31に画像データを送信する。テレビ31は、ディスプレイ19に表示されたコンテンツを分析し、ランプ11及び13の位置に基づいて、結果をランプ11及び13にマッピングする。例えば、ディスプレイの左エッジ領域はランプ11にマッピングされ、右エッジ領域はランプ13にマッピングされる。この実施形態では、これらの結果は、いくつかのエッジ領域に対するディスプレイ19のエッジ領域ごとの色及び強度値を含む。その後、テレビ31は、ランプ11及び13を制御するために、このマッピングに基づいてブリッジ27にコマンドを送信する。人23は、ソファ21に座ってディスプレイ19を見ている。代替的な実施形態では、テレビ19は、コンテンツを分析し、結果をランプ11及び13にマッピングし、コマンドをブリッジ27に送信するが、ランプ11及び13を名前に関連付ける、名前が付けられた部屋を作成する、又はランプ11及び13を名前が付けられた部屋に割り当てるためには使用されない。この代替的な実施形態では、これらの後者の機能は、別のデバイス、例えば、適切なアプリケーションを実行するモバイルデバイスによって実行される。この場合、ランプ11及び13の位置は、例えば、ブリッジ27からテレビ31によって取得されてもよい。
【0051】
別のソースから取得され得る又はテレビ31により生成され得る、ライトスクリプトをレンダリングするのはテレビ31であるため、図1及び2のブリッジ1が行うことができるよりも、ライト効果がスマートに適応され得る。なぜなら。テレビ31は、ライト効果に関する完全な情報を有するからである。第1の例として、テレビ31は、ライトスクリプトで指定された最大の明るさを決定し、調整パーセンテージを決定するために好みの最大の明るさをライトスクリプトで指定された最大の明るさで除算し、ブリッジ27にコマンドを送信する前に調整パーセンテージをライトスクリプトで指定されたすべての明るさ値に適用してもよい。第2の例として、テレビ31は、ディスプレイ19の左エッジ領域のコンテンツに基づいて、0〜1の範囲の明るさ又は彩度値を決定し、ランプ11のライト状態を変えるためにブリッジ27にコマンドを送信する前にこの値を好みの最大の明るさ又は彩度と乗算してもよい。図6の実施形態では、本発明は、テレビに実装される。代替的な実施形態では、本発明は、別のゲーム又は映画/TV再生デバイス、例えば、ゲームコンソール又はモバイルデバイスに実装されてもよい。
【0052】
図6に示されるテレビ31の実施形態では、テレビ31は1つのプロセッサ35を含む。代替的な実施形態では、テレビ31は複数のプロセッサを含む。テレビ31のプロセッサ35は、例えばMediaTekからの汎用プロセッサ、又は特定用途向けプロセッサであってよい。テレビ31のプロセッサ35は、例えば、Android TV、Tizen、Firefox OS又はWebOSオペレーティングシステムを実行してもよい。図6に示される実施形態では、受信機及び送信機は、トランシーバ33に組み合わされている。代替的な実施形態では、1つ以上の別個の受信機構成要素及び1つ以上の別個の送信機構成要素が使用される。代替的な実施形態では、単一のトランシーバの代わりに複数のトランシーバが使用される。トランシーバ33は、例えば、Wi−Fi、ZigBee及び/又はBluetooth等のデータを送信及び受信するために1つ以上の無線通信技術を使用してもよい。記憶手段37は、例えば、好み、照明構成(lighting configuration)、並びにアプリケーション(「アプリ」とも呼ばれる)及びアプリケーションデータを記憶してもよい。記憶手段37は、1つ以上のメモリユニットを含んでもよい。記憶手段37は、例えば、固体メモリを含んでもよい。ディスプレイ19は、例えば、LCD又はOLEDディスプレイパネルを備えてもよい。本発明は、1つ以上のプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムを使用して実装されてもよい。
【0053】
本発明の方法の第1の実施形態が、図7に示されている。ステップ51は、ユーザがディスプレイに表示されているコンテンツを見ている一方、少なくとも1つの光源のライト状態を変えることを含む。ステップ53は、ユーザの注意がディスプレイから離れることを検出することを含む。ステップ55は、注意シフトがライト状態の変化と一致するかどうかを決定することを含む。ステップ57は、注意シフトがライト状態の変化と一致することに応じてライト状態についての好みを記憶することを含む。この実施形態では、好みは、変えられたライト状態よりも(すなわち、注意シフトを引き起こしたと考えられるライト状態よりも)顕著ではないライト効果を有するライト状態についての好みを含む。
【0054】
図8は、図7を参照して述べられたような方法を実行し得る、例示的なデータ処理システムを示すブロック図を示す。
【0055】
図8に示されるように、データ処理システム300は、システムバス306を介してメモリ要素304に結合される、少なくとも1つのプロセッサ302を含んでもよい。それゆえ、データ処理システムは、メモリ要素304内にプログラムコードを記憶してもよい。さらに、プロセッサ302は、システムバス306を介してメモリ要素304からアクセスされるプログラムコードを実行してもよい。一態様では、データ処理システムは、プログラムコードを記憶及び/又は実行するために好適な、コンピュータとして実装されてもよい。しかしながら、データ処理システム300は、本明細書内で述べられる機能を実行することが可能な、プロセッサ及びメモリを含む任意のシステムの形態で実装されてもよい点を理解されたい。
【0056】
メモリ要素304は、例えば、ローカルメモリ308及び1つ以上の大容量記憶デバイス310などの、1つ以上の物理メモリデバイスを含んでもよい。ローカルメモリとは、プログラムコードの実際の実行中に一般に使用される、ランダムアクセスメモリ又は他の非永続的メモリデバイスを指してもよい。大容量記憶デバイスは、ハードドライブ又は他の永続的データ記憶デバイスとして実装されてもよい。処理システム300はまた、実行中に大容量記憶デバイス310からプログラムコードが取得されなければならない回数を低減するために、少なくとも一部のプログラムコードの一時記憶を提供する、1つ以上のキャッシュメモリ(図示せず)を含んでもよい。
【0057】
入力デバイス312及び出力デバイス314として示される、入出力(input/output;I/O)デバイスが、オプションとして、データ処理システムに結合されることができる。入力デバイスの例としては、限定するものではないが、キーボード、マウスなどのポインティングデバイスなどを挙げることができる。出力デバイスの例としては、限定するものではないが、モニタ又はディスプレイ、スピーカなどを挙げることができる。入力デバイス及び/又は出力デバイスは、直接、又は介在I/Oコントローラを介して、データ処理システムに結合されてもよい。
【0058】
一実施形態では、入力デバイス及び出力デバイスは、(入力デバイス312及び出力デバイス314を取り囲む破線で図8に示されるような)複合型入力/出力デバイスとして実装されてもよい。そのような複合型デバイスの一例は、「タッチスクリーンディスプレイ」又は単に「タッチスクリーン」と称される場合もある、タッチ感知ディスプレイである。そのような実施形態では、デバイスへの入力は、タッチスクリーンディスプレイ上、又はタッチスクリーンディスプレイの近くでの、例えばスタイラス又はユーザの指などの、物理的実体の移動によって提供されてもよい。
【0059】
ネットワークアダプタ316もまた、データ処理システムに結合されて、介在する私設ネットワーク又は公衆ネットワークを介して、データ処理システムが、他のシステム、コンピュータシステム、リモートネットワークデバイス、及び/又はリモート記憶デバイスに結合されることを可能にしてもよい。ネットワークアダプタは、上述のシステム、デバイス、及び/又はネットワークによってデータ処理システム300に送信されるデータを受信するための、データ受信機と、データ処理システム300から上述のシステム、デバイス、及び/又はネットワークにデータを送信するための、データ送信機とを含んでもよい。モデム、ケーブルモデム、及びEthernetカードは、データ処理システム300と共に使用されてもよい、種々のタイプのネットワークアダプタの例である。
【0060】
図8に示されるように、メモリ要素304は、アプリケーション318を記憶してもよい。様々な実施形態では、アプリケーション318は、ローカルメモリ308、1つ以上の大容量記憶デバイス310内に記憶されてもよく、あるいは、ローカルメモリ及び大容量記憶デバイスとは別個であってもよい。データ処理システム300はさらに、アプリケーション318の実行を促すことが可能な(図8には示されない)オペレーティングシステムを実行してもよい点を理解されたい。アプリケーション318は、実行可能プログラムコードの形態で実装されており、データ処理システム300によって、例えばプロセッサ302によって、実行されることができる。アプリケーションの実行に応答して、データ処理システム300は、本明細書で述べられる1つ以上の動作又は方法ステップを実行するように構成されてもよい。
【0061】
本発明の様々な実施形態は、コンピュータシステムと共に使用するためのプログラム製品として実装されてもよく、このプログラム製品のプログラムは、(本明細書で説明される方法を含めた)実施形態の機能を定義する。一実施形態では、このプログラムは、様々な非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に含まれることができ、本明細書で使用されるとき、「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」という表現は、全てのコンピュータ可読媒体を含むが、唯一の例外は一時的な伝搬信号である。別の実施形態では、このプログラムは、様々な一時的コンピュータ可読記憶媒体上に含まれることができる。例示的なコンピュータ可読記憶媒体としては、限定するものではないが、(i)情報が永続的に記憶される、書き込み不可記憶媒体(例えば、CD−ROMドライブによって読み取り可能なCD−ROMディスク、ROMチップ、又は任意のタイプの不揮発性固体半導体メモリなどの、コンピュータ内部の読み出し専用メモリデバイス)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される、書き込み可能記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内部のフロッピーディスク、又は任意のタイプのランダムアクセス固体半導体メモリ)が挙げられる。コンピュータプログラムは、本明細書で述べられるプロセッサ302上で実行されてもよい。
【0062】
本明細書で使用される用語法は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうではないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用されるとき、用語「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、記述された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在若しくは追加を排除するものではない点が、更に理解されるであろう。
【0063】
以下の請求項における全てのミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの要素の、対応する構造、材料、行為、及び均等物は、具体的に特許請求される他の特許請求要素と組み合わせて機能を実行するための、任意の構造、材料、又は行為を含むことが意図される。本発明の実施形態の説明は、例示を目的として提示されてきたが、網羅的であるか、又は開示された形態の実装形態に限定されることを意図するものではない。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正形態及び変形形態が当業者には明らかとなるであろう。実施形態は、本発明の原理及び一部の実際的応用を最良に説明し、想到される特定の用途に適するような様々な修正を有する様々な実施形態に関して、他の当業者が本発明を理解することを可能にするために、選択及び説明されるものとした。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8