特許第6827597号(P6827597)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6827597
(24)【登録日】2021年1月21日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】発光デバイス
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/232 20160101AFI20210128BHJP
   F21Y 107/40 20160101ALN20210128BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210128BHJP
【FI】
   F21K9/232 100
   F21Y107:40
   F21Y115:10 500
   F21Y115:10 700
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-540792(P2020-540792)
(86)(22)【出願日】2019年1月28日
(86)【国際出願番号】EP2019051944
(87)【国際公開番号】WO2019149642
(87)【国際公開日】20190808
【審査請求日】2020年7月27日
(31)【優先権主張番号】18154726.6
(32)【優先日】2018年2月1日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヴォンデルヘム デ ベスト アンナ ヴィルヘルミナ マリア
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−18752(JP,A)
【文献】 特開2015−50078(JP,A)
【文献】 特表2012−501516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/232
F21Y 107/40
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光デバイスであって、
ベース部と、
前記発光デバイスの長手方向軸に沿って前記ベース部から延在しているロッド形状ヒートシンク要素であって、N個の側面を含み、Nが4〜10の範囲の整数であり、前記N個の側面が、
前記発光デバイスの組立状態において、前記発光デバイスの出射窓から離れる方向を向く、少なくとも1つの上面と、
前記発光デバイスの組立状態において、前記発光デバイスの出射窓の方向を向く、少なくとも1つの底面と、
前記少なくとも1つの上面と前記少なくとも1つの底面との間に延在している、少なくとも2つの互いに反対向きの側面と、を有する、ロッド形状ヒートシンク要素と、
M個のLEDアレイであって、Mが4以上の整数であり、前記M個のLEDアレイのそれぞれが、複数のLEDを含み、前記複数のLEDの各LEDが、主方向に向いて配置されている対応の光出力面を有し、
前記M個のLEDアレイのうちの少なくとも1つの第1のLEDアレイが、前記少なくとも1つの上面に配置されており、前記M個のLEDアレイのうちの少なくとも1つの第2のLEDアレイが、前記少なくとも1つの底面に配置されており、前記M個のLEDアレイのうちの少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記M個のLEDアレイのうちの少なくとも1つの第4のLEDアレイが、前記少なくとも1つの上面と前記少なくとも1つの底面との間に延在している、前記少なくとも2つの互いに反対向きの側面のそれぞれに配置されている、M個のLEDアレイと、を備え、
前記少なくとも1つの第1のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記少なくとも1つの第4のLEDのそれぞれの前記複数のLEDが、前記発光デバイスの前記長手方向軸に平行に延在するように、前記少なくとも1つの第1のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記少なくとも1つの第4のLEDアレイが位置決めされており、
前記少なくとも1つの第1のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記少なくとも1つの第4のLEDのうちのいずれか1つの前記複数のLEDの前記光出力面が、前記少なくとも1つの第1のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記少なくとも1つの第4のLEDのうちの残りのLEDアレイの前記複数のLEDの前記光出力面が延在する、前記発光デバイスの前記長手方向軸に対する角度とは異なる、前記発光デバイスの前記長手方向軸に対する角度で延在し、
前記少なくとも1つの第1のLEDアレイが、複数の側面発光LEDを含み、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイが、複数の上面発光LEDを含み、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ及び前記少なくとも1つの第4のLEDアレイが、複数の側面発光LED又は上面発光LEDのいずれかをそれぞれ含む、発光デバイス。
【請求項2】
前記上面と前記底面との間に延在している前記2つの互いに反対向きの側面が、前記発光デバイスの前記出射窓に対して0〜35度の角度で配置されている場合には、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ及び前記少なくとも1つの第4のLEDアレイが、複数の上面発光LEDをそれぞれ含み、
前記上面と前記底面との間に延在している前記2つの互いに反対向きの側面が、前記発光デバイスの前記出射窓に対して35〜180度の角度で配置されている場合には、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ及び前記少なくとも1つの第4のLEDアレイが、複数の側面発光LEDをそれぞれ含む、
請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記上面に配置されている前記少なくとも1つの第1のLEDアレイが、互いに反対側に光を放出するように対称パターンで配置されている、複数の側面発光LEDを含む、請求項1又は2に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記少なくとも1つの第4のLEDアレイが、支持体上に配置され、前記支持体が、前記ロッド形状ヒートシンク要素上に配置されており、前記支持体が、前記ロッド形状ヒートシンク要素の周囲で屈曲されてもよい一体型要素である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記一体型支持体が、前記少なくとも1つの第1のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記少なくとも1つの第4のLEDアレイによって形成されるLEDのパターンに従って成形されており、並びに/あるいは、前記一体型支持体が可撓性である、請求項4に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記少なくとも1つの第4のLEDアレイのそれぞれが、対応の別個の支持体上に配置され、前記対応の別個の支持体が、前記ロッド形状ヒートシンク要素上に配置されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記別個の支持体が、前記少なくとも1つの第1のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記少なくとも1つの第4のLEDアレイによって形成されるLEDの前記パターンに従って成形されており、並びに/あるいは、前記別個の支持体が可撓性である、請求項6に記載の発光デバイス。
【請求項8】
Nが4〜8の範囲の整数であり、又は、Nが4〜6の範囲の整数であり、並びに/あるいは、
Mが4〜10の範囲の整数であり、又は、Mが4〜8の範囲の整数であり、又は、Mが4〜6の範囲の整数である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記ロッド形状ヒートシンク要素を所望の向きに回転させるための回転メカニズム、
ランプの向きを係止するための係止手段、
ドライバ、
コントローラ、及び
アンテナ
のうちの1つ以上を更に備える、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記ロッド形状ヒートシンク要素を所望の向きに回転させるための回転メカニズムを更に備え、前記回転メカニズムが、前記ロッド形状ヒートシンク要素内に配置されている錘である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項11】
前記ロッド形状ヒートシンク要素が、ヒートパイプを含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第1のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記少なくとも1つの第4のLEDアレイの前記LEDが、
白色光、
黒体ラインから15等色標準偏差以内の白色光、
黒体ラインから10SDCM以内の白色光、及び
黒体ラインから8SDCM以内の白色光
のうちの1つを放出する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記少なくとも1つの第4のLEDアレイの前記LEDが、
同じ色温度の光、
2000〜10000Kの範囲の色温度を有する光、
2500〜8000Kの範囲の色温度を有する光、
3000〜6000Kの範囲の色温度を有する光
のうちの1つを放出する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第2のLEDアレイ、前記少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び前記少なくとも1つの第4のLEDアレイの前記LEDが、
少なくとも60の演色評価数を有する光、
少なくとも70のCRIを有する光、及び
少なくとも80のCRIを有する光
のうちの1つを放出する、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の発光デバイスを備える、ランプ、照明器具、又は照明設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光デバイスであって、ベース部と、発光デバイスの長手方向軸に沿ってベース部から延在しているロッド形状ヒートシンク要素であって、N個の側面を含み、Nが4〜10の範囲の整数であり、N個の側面が、発光デバイスの組立状態において、発光デバイスの出射窓から離れる方向を向く、少なくとも1つの上面と、発光デバイスの組立状態において、発光デバイスの出射窓の方向を向く、少なくとも1つの底面と、少なくとも1つの上面と少なくとも1つの底面との間に延在している、少なくとも2つの互いに反対向きの側面とを有する、ロッド形状ヒートシンク要素と、M個のLEDアレイであって、Mが4以上の整数であり、M個のLEDアレイのそれぞれが、複数のLEDを含み、複数のLEDの各LEDが、主方向に向いて配置されている対応の光出力面を有し、M個のLEDアレイのうちの少なくとも1つの第1のLEDアレイが、少なくとも1つの上面に配置されており、M個のLEDアレイのうちの少なくとも1つの第2のLEDアレイが、少なくとも1つの底面に配置されており、M個のLEDアレイのうちの少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及びM個のLEDアレイのうちの少なくとも1つの第4のLEDアレイが、少なくとも1つの上面と少なくとも1つの底面との間に延在している、少なくとも2つの互いに反対向きの側面のそれぞれに配置されている、M個のLEDアレイとを備える、発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
SON−Tなどの高圧ナトリウム(High Pressure Sodium;HPS)ランプは、道路及び住居用照明、装飾的投光照明、商業用途及び工業用途、並びに、屋内及び屋外の娯楽スポーツ施設に関して使用されている。そのようなランプは、全方向に光を放出する明るいアークを備え、アークは、光を収集して例えば道路へと向け直す照明器具の反射器の、光学中心に配置されている。
【0003】
これらの高輝度、高ルーメン出力ランプを置き換えるために、様々なLED構成が提案されてきた。例えば、長手方向軸を有するベース部と、細長ロッド形状ヒートシンクとを備え、細長ロッド形状ヒートシンクが、細長ロッド形状ヒートシンクの種々の側面上に配置されている6つのLEDアレイから熱を除去するように構成されている、発光デバイスが提案されている。2つの更なるヒートシンクが、細長ロッド形状ヒートシンクと熱接触して、細長ロッド形状ヒートシンクの両側に配置されてもよい。
【0004】
1つのそのような可能なソリューションが、韓国特許第968270(B1)号に開示されており、当該特許文献は、六角形の断面を有するロッド形状ヒートシンクと、ロッド形状ヒートシンクの6つの表面全てに取り付けられているLEDアレイとを備える、ランプを説明している。全てのLEDアレイは、同一の構成であり、すなわち、アレイ内のLEDの数及びLEDの配置が同一である。また、ランプは、LEDの各アレイに関して反射器を備える。
【0005】
しかしながら、十分な冷却をもたらすための、LED発光デバイスの更なるヒートシンクは、かなり嵩高である。結果として、それらは、LED光源からの直接光の一部、及び反射器によって反射されている光の一部を遮断する。照明器具ソケットもまた、反射器によって反射されている光を遮断する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、この問題を克服することであり、また、関連の照明器具を修正することなく、従来の高輝度発光デバイスの直接的な置き換えを実現することを可能にし、改善されたシステム効率を示す、発光デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、この目的及び他の目的は、導入部によって言及されたタイプの発光デバイスによって達成され、少なくとも1つの第1のLEDアレイ、少なくとも1つの第2のLEDアレイ、少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び少なくとも1つの第4のLEDのそれぞれの複数のLEDが、発光デバイスの長手方向軸に平行に延在するように、少なくとも1つの第1のLEDアレイ、少なくとも1つの第2のLEDアレイ、少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び少なくとも1つの第4のLEDアレイが位置決めされており、少なくとも1つの第1のLEDアレイ、少なくとも1つの第2のLEDアレイ、少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び少なくとも1つの第4のLEDのうちのいずれか1つの複数のLEDの光出力面が、少なくとも1つの第1のLEDアレイ、少なくとも1つの第2のLEDアレイ、少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び少なくとも1つの第4のLEDのうちの残りのLEDアレイの複数のLEDの光出力面が延在する、発光デバイスの長手方向軸に対する角度とは異なる、発光デバイスの長手方向軸に対する角度で延在し、少なくとも1つの第1のLEDアレイが、複数の側面発光LEDを含み、少なくとも1つの第2のLEDアレイが、複数の上面発光LEDを含み、少なくとも1つの第3のLEDアレイ及び少なくとも1つの第4のLEDアレイが、複数の側面発光LED又は上面発光LEDのいずれかをそれぞれ含む。
【0008】
これにより、発光デバイスの他の構成要素及び発光デバイスが取り付けられているランプ若しくは照明器具の他の構成要素によって遮断される光の量を、最小限に抑えるLEDの構成を有する、発光デバイスが提供される。
【0009】
それゆえ、関連の照明器具を修正することなく、従来の高輝度発光デバイスの直接的な置き換えを実現することを可能にすると同時に、改善されたシステム効率を示す、発光デバイスが提供される。
【0010】
一実施形態では、少なくとも1つの第3のLEDアレイ及び少なくとも1つの第4のLEDアレイは、上面と底面との間に延在している2つの互いに反対向きの側面が、発光デバイスの出射窓に対して0〜35度の角度θで配置されている場合には、複数の上面発光LEDをそれぞれ含み、少なくとも1つの第3のLEDアレイ及び少なくとも1つの第4のLEDアレイは、上面と底面との間に延在している2つの互いに反対向きの側面が、発光デバイスの出射窓に対して35〜180度の角度θで配置されている場合には、複数の側面発光LEDをそれぞれ含む。
【0011】
これにより、発光デバイスの他の構成要素及び発光デバイスが取り付けられているランプ若しくは照明器具の他の構成要素によって遮断される、第3のLEDアレイ及び第4のLEDアレイからそれぞれ生じるLED光の量が最適に少ない、発光デバイスが提供される。それゆえ、そのような発光デバイスは、更に一層改善された効率を有する。
【0012】
一実施形態では、上面に配置されている少なくとも1つの第1のLEDアレイは、互いに反対側に光を放出するように対称パターンで配置されている、複数の側面発光LEDを含む。
【0013】
これにより、上述の利点が達成されると同時に、ユーザによって観察されるような、発光デバイスの出射窓における特に均一な光分布がもたらされる。
【0014】
一実施形態では、少なくとも1つの第1のLEDアレイ、少なくとも1つの第2のLEDアレイ、少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び少なくとも1つの第4のLEDアレイは、支持体上に配置され、支持体は、ロッド形状ヒートシンク要素上に配置されており、支持体は、ロッド形状ヒートシンク要素の周囲で屈曲されてもよい一体型要素である。更なる実施形態では、一体型支持体は可撓性である。
【0015】
それゆえ、完成されたLEDアレイ構成は、一回の動作でロッド形状ヒートシンク要素上に取り付けられてもよい。
【0016】
一実施形態では、一体型支持体は、少なくとも1つの第1のLEDアレイ、少なくとも1つの第2のLEDアレイ、少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び少なくとも1つの第4のLEDアレイによって形成されるLEDのパターンに従って成形されている。
【0017】
これにより、支持体材料の節約がもたらされ、その一方でまた、発光デバイスの設計における更なる自由度がもたらされる。
【0018】
一実施形態では、少なくとも1つの第1のLEDアレイ、少なくとも1つの第2のLEDアレイ、少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び少なくとも1つの第4のLEDアレイのそれぞれは、対応の別個の支持体上に配置され、対応の別個の支持体は、ロッド形状ヒートシンク要素上に配置されている。更なる実施形態では、別個の支持体は可撓性である。
【0019】
これにより、発光デバイスの側面上のLEDアレイ分布の種々の構成を得る、高度な柔軟性がもたらされる。
【0020】
一実施形態では、別個の支持体は、少なくとも1つの第1のLEDアレイ、少なくとも1つの第2のLEDアレイ、少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び少なくとも1つの第4のLEDアレイによって形成されるLEDのパターンに従って成形されている。
【0021】
これにより、支持体材料の節約がもたらされ、その一方でまた、発光デバイスの設計における更なる自由度がもたらされる。
【0022】
一実施形態では、Nは4〜8の範囲の整数であり、又は、Nは4〜6の範囲の整数である。
【0023】
本発明者らは、4〜10の任意の側面の数Nを有するロッド形状ヒートシンク要素に関して、上記の利点が得られることを示した。しかしながら、利点は、側面の数が4〜8である場合に特に著しく、側面の数Nが4、5、又は6である場合に最適に著しいことが判明している。
【0024】
一実施形態では、Mは4〜10の範囲の整数であり、又は、Mは4〜8の範囲の整数であり、又は、Mは4〜6の範囲の整数である。
【0025】
一部の実施形態では、ロッド形状ヒートシンク要素の各側面にLEDのアレイが設けられるように、ロッド形状ヒートシンク要素の側面の数NとLEDアレイの数Mとが同じであることが好ましい場合がある。このことは、特に単純な発光デバイスをもたらす。
【0026】
しかしながら、LEDアレイの数Mが、ロッド形状ヒートシンク要素の側面の数Nよりも少ないこともまた可能であり、望ましい場合もある。このことは、LEDの数及び必要とされる支持体の面積が低く抑えられるため、より安価で製造が単純な発光デバイスをもたらし、発光デバイスの出射窓に向かう途中で遮断される光が更に少ない、発光デバイスをもたらす。
【0027】
一実施形態では、発光デバイスは、ロッド形状ヒートシンク要素を所望の向きに回転させるための回転メカニズムを更に備える。
【0028】
これにより、対応のLEDアレイが所望の方向に向けられることが確実となり、このことは、発光デバイスのベース部及び可能な追加的ヒートシンクによる光の遮断、並びに、発光デバイスが採用されているランプ又は照明器具のソケットによる光の遮断を、最小限に抑える。
【0029】
発光デバイスは、ランプの向きを係止するための係止手段を更に備えてもよい。これにより、発光デバイスの所望の向き、またそれゆえ、発光デバイスの最適な効率が維持されることが確実となる。
【0030】
一部の実施形態では、発光デバイスは、ドライバ、コントローラ、及びアンテナのうちの1つ以上を更に備えてもよい。これらの要素のそれぞれに関する利点は、以下の発明を実施するための形態から明らかとなる。
【0031】
一実施形態では、発光デバイスは、ロッド形状ヒートシンク要素を所望の向きに回転させるための回転メカニズムを更に備え、回転メカニズムは、ロッド形状ヒートシンク要素内に配置されている錘である。
【0032】
これにより、発光デバイスは、ランプ又は照明器具内に設置されると、対応のLEDアレイが所望の方向に向けられるように、自動的に回転されることが確実となる。
【0033】
一実施形態では、ロッド形状ヒートシンク要素は、ヒートパイプを含む。
【0034】
これにより、LEDからの改善された放熱、またそれゆえ改善された寿命を有する、発光デバイスが得られる。
【0035】
少なくとも1つの第1のLEDアレイ、少なくとも1つの第2のLEDアレイ、少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び少なくとも1つの第4のLEDアレイのLEDは、
白色光、
黒体ラインから15等色標準偏差(Standard Deviation Color Matching;SDCM)以内の白色光、
黒体ラインから10SDCM以内の白色光、及び
黒体ラインから8SDCM以内の白色光のうちの1つを放出してもよい。
【0036】
少なくとも1つの第1のLEDアレイ、少なくとも1つの第2のLEDアレイ、少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び少なくとも1つの第4のLEDアレイのLEDは、
同じ色温度の光、
2000〜10000Kの範囲の色温度を有する光、
2500〜8000Kの範囲の色温度を有する光、
3000〜6000Kの範囲の色温度を有する光のうちの1つを放出してもよい。
【0037】
少なくとも1つの第1のLEDアレイ、少なくとも1つの第2のLEDアレイ、少なくとも1つの第3のLEDアレイ、及び少なくとも1つの第4のLEDアレイのLEDは、
少なくとも60の演色評価数(color rendering index;CRI)を有する光、
少なくとも70のCRIを有する光、及び
少なくとも80のCRIを有する光のうちの1つを放出してもよい。
【0038】
本発明は更に、第2の態様では、本発明による発光デバイスを備える、ランプ、照明器具、又は照明設備に関する。
【0039】
本発明は、請求項に記載されている特徴の、全ての可能な組み合わせに関するものである点に留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
次に、本発明のこの態様及び他の態様が、本発明の実施形態を示す添付図面を参照して、より詳細に説明される。
図1】本発明による、4つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを備える発光デバイスの第1の実施形態の側面図を示す。
図2】本発明による、4つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを備える発光デバイスの第2の実施形態の側面図を示す。
図3】本発明の第3の実施形態による、5つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを含む発光デバイスを備える、ランプの斜視図を示す。
図4】本発明の第4の実施形態による、10個の側面を有するロッド形状ヒートシンクを含む発光デバイスを備える、ランプの斜視図を示す。
図5図1及び図2のいずれか1つによる発光デバイスの、LEDアレイが上に取り付けられているロッド形状ヒートシンク要素の断面図を示す。
図6図1図2、及び図5のいずれか1つによる発光デバイスのLEDアレイの、別個の支持体上にLEDアレイが配置されている、概略上面図を示す。
図7】本発明による発光デバイスの上面に配置されているLEDアレイの、代替的構成の概略上面図を示す。
図8】本発明による発光デバイスのLEDアレイが配置されている支持体の、2つの代替的構成の概略上面図を示す。
図9A】本発明による、4つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを備え、簡略化のために、LEDアレイのLEDが、それらの主発光方向を示す矢印のみによって記号化されている、発光デバイスのLEDアレイの種々の構成の概略断面図を示す。
図9B】本発明による、4つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを備え、簡略化のために、LEDアレイのLEDが、それらの主発光方向を示す矢印のみによって記号化されている、発光デバイスのLEDアレイの種々の構成の概略断面図を示す。
図10A】本発明による、5つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを備え、簡略化のために、LEDアレイのLEDが、当該LEDの主発光方向を示す矢印のみによって記号化されている、発光デバイスのLEDアレイの種々の構成の概略断面図を示す。
図10B】本発明による、5つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを備え、簡略化のために、LEDアレイのLEDが、当該LEDの主発光方向を示す矢印のみによって記号化されている、発光デバイスのLEDアレイの種々の構成の概略断面図を示す。
図10C】本発明による、5つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを備え、簡略化のために、LEDアレイのLEDが、当該LEDの主発光方向を示す矢印のみによって記号化されている、発光デバイスのLEDアレイの種々の構成の概略断面図を示す。
図11A】本発明による、6つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを備え、簡略化のために、LEDアレイのLEDが、当該LEDの主発光方向を示す矢印のみによって記号化されている、発光デバイスのLEDアレイの種々の構成の概略断面図を示す。
図11B】本発明による、6つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを備え、簡略化のために、LEDアレイのLEDが、当該LEDの主発光方向を示す矢印のみによって記号化されている、発光デバイスのLEDアレイの種々の構成の概略断面図を示す。
図11C】本発明による、6つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを備え、簡略化のために、LEDアレイのLEDが、当該LEDの主発光方向を示す矢印のみによって記号化されている、発光デバイスのLEDアレイの種々の構成の概略断面図を示す。
図11D】本発明による、6つの側面を有するロッド形状ヒートシンクを備え、簡略化のために、LEDアレイのLEDが、当該LEDの主発光方向を示す矢印のみによって記号化されている、発光デバイスのLEDアレイの種々の構成の概略断面図を示す。
図12】本発明による発光デバイスのLEDアレイが配置されている支持体の、2つの代替的構成の概略上面図を示す。
【0041】
図で示されるように、層及び領域のサイズは、例示の目的のために誇張されており、それゆえ、本発明の実施形態の一般的な構造を例示するように提供されている。同様の参照符号は、全体を通して、同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
ここで、現時点で好ましい本発明の実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明が、以降でより完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、完全性及び網羅性のために提供され、当業者に本発明の範囲を完全に伝達するものである。
【0043】
図1は、本発明の第1の実施形態による発光デバイス1の上面図を示す。図5は、本発明の第1の態様による発光デバイス1の断面図を示す。
【0044】
一般に、全ての実施形態に関して、図1で示されるように、発光デバイス1は、長手方向と、長手方向に延在する長手方向軸LAとを有する。
【0045】
一般に、全ての実施形態に関して、発光デバイス1は、ベース部2、オプションの回転メカニズム5、ロッド形状ヒートシンク要素3、及びM個のLEDアレイ301〜391を更に備え、Mは4〜10の範囲の整数である。M個のLEDアレイ301〜391の各LEDアレイは、一般に、複数のLEDを含む。複数のLEDの各LEDは、主方向Dに向いて配置されている対応の光出力面を有する(図1を参照)。
【0046】
一般に、全ての実施形態に関して、ロッド形状ヒートシンク要素3は、N個の側面30〜39を含み、Nは4〜10の範囲の整数であり、M個のLEDアレイ301〜391は、ロッド形状ヒートシンク要素3のN個の側面上に配置されている。換言すれば、ロッド形状ヒートシンク要素3は、一般に、N個の側面を含む角断面を有する、筒形要素である。N個の側面は、一般に、少なくとも1つの上面30、少なくとも1つの底面31、並びに、上面と底面との間に延在している少なくとも2つの互いに反対向きの側面32及び側面33を含む。上面30は、発光デバイスの組立状態において、発光デバイスの出射窓12から離れる方向を向いている。底面31は、発光デバイスの組立状態において、発光デバイスの出射窓12の方向を向いている。出射窓12は、図3及び図4を参照して、以下で更に詳細に説明される。一部の実施形態では、ロッド形状ヒートシンク要素3は、ヒートパイプを更に含んでもよい。
【0047】
各LEDアレイ301〜391の複数のLEDは、任意の好適なタイプのLEDであってもよく、任意の所望の色及び/又は色温度の光を放出してもよい。しかしながら、典型的には、複数のLEDは、白色光を放出するLEDである。例えば、複数のLEDは、黒体ラインから15等色標準偏差(SDCM)以内の白色光、黒体ラインから10SDCM以内の白色光、又は黒体ラインから8SDCM以内の白色光のうちの1つを放出する。複数のLEDは、更には、又は代替的に、同じ色温度の光、2000〜10000Kの範囲の色温度を有する光、2500〜8000Kの範囲の色温度を有する光、又は3000〜6000Kの範囲の色温度を有する光を放出してもよい。複数のLEDは、更には、又は代替的に、少なくとも60の演色評価数(CRI)を有する光、少なくとも70のCRIを有する光、又は少なくとも80のCRIを有する光を放出してもよい。
【0048】
LEDアレイ301〜391は、支持体又は基材40a、40b;40〜49上に取り付けられている。支持体40a、40b;40〜49は、可撓性であってもよい。支持体は、M個のLEDアレイ301〜391の全てを支持する、1つの共通の支持体40a、40bであってもよい(図8及び図12を参照)。あるいは、M個のLEDアレイ301〜391のそれぞれに関して、別個の支持体40〜49が設けられてもよい(図6を参照)。支持体40a、40b;40〜49は、限定するものではないが、プリント回路基板などの、複数のLEDと、LEDに電力を供給するために必要な配線とを支持するために好適な支持体である。
【0049】
より具体的には、M個のLEDアレイ301〜391のそれぞれの複数のLEDは、一般に、全ての実施形態に関して、発光デバイスの長手方向軸LAと平行な方向に延在するように、支持体40a、40b;40〜49上に配置されている。M個のLEDアレイ301〜391のそれぞれの複数のLEDは、発光デバイスの長手方向軸LAに対して、支持体40a、40b;40〜49上に非対称に配置されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、M個のLEDアレイ301〜391のそれぞれの複数のLEDは、発光デバイスの長手方向軸LAに対して、支持体40a、40b;40〜49上に対称に配置されてもよい。
【0050】
M個のLEDアレイ301〜391のそれぞれの複数のLEDは、一般に、全ての実施形態に関して、M個のLEDアレイ301〜391のうちのいずれか1つの複数のLEDの光出力面が、M個のLEDアレイ301〜391のうちの残りのLEDアレイの複数のLEDの光出力面が延在する、発光デバイスの長手方向軸LAに対する角度とは異なる、発光デバイスの長手方向軸LAに対する角度で延在するように、支持体40a、40b;40〜49上に更に配置されている。
【0051】
図1に示される特定の実施形態では、発光デバイス1は、図1では1つの側面が見えない、4つの側面30、31、32、33を有する、ロッド形状ヒートシンク要素3と、同様に図1では1つのLEDアレイが見えない、4つのLEDアレイ301、311、321、331とを備える。第1のLEDアレイ301が、ヒートシンク要素3の第1の側面又は上面30上に配置されている。上面30は、発光デバイス1の組立状態において、発光デバイス1の出射窓12(図3及び図4)から離れる方向を向くように意図されている。出射窓12は、図3及び図4を参照して、以下で更に詳細に説明される。M個のLEDアレイのうちの第2のLEDアレイ311(図1では見えないが、代わりに図5を参照)が、ヒートシンク要素3の第2の側面又は底面31(同様に図5を参照)上に配置されている。底面は、発光デバイス1の組立状態において、発光デバイス1の出射窓12の方向を向くように意図されている。第3のLEDアレイ32及び第4のLEDアレイ33が、ヒートシンク要素3の残りの2つの側面32、33上に配置されている。2つの側面23、33は、底面と上面30との間に延在している、互いに反対向きの側面である。
【0052】
更には、図1図2、及び図5で示されるように、第1のLEDアレイ301は、複数の側面発光LEDを含み、少なくとも1つの第2のLEDアレイ311(図1では見えないが、代わりに図5を参照)は、複数の上面発光LEDを含み、少なくとも1つの第3のLEDアレイ321及び少なくとも1つの第4のLEDアレイ331は、複数の上面発光LEDをそれぞれ含む。この構成はまた、対応のLEDアレイの発光方向を示す矢印によって、図9Aにも概略的に示されている。
【0053】
代替的構成では、少なくとも1つの第3のLEDアレイ321及び少なくとも1つの第4のLEDアレイ331は、複数の側面発光LEDをそれぞれ含む。この構成は、対応のLEDアレイの発光方向を示す矢印によって、図9Bに概略的に示されている。
【0054】
図2は、本発明の第2の態様による発光デバイス100の上面図を示す。発光デバイス100は、本発明の第1の実施形態による上述の発光デバイス1とは、以下の特徴を有する点においてのみ異なる。
【0055】
発光デバイス100は、回転メカニズム5、ドライバ7、コントローラ8、アンテナ9、及び係止メカニズム10を備える。
【0056】
提供される場合、回転メカニズム5は、一般に、ロッド形状ヒートシンク要素3を所望の向きに回転させるように構成されている。図2で示される実施形態では、回転メカニズム5は、互いに対して回転可能であるように接続されている、第1の部分51及び第2の部分52を含む。係止メカニズム10は、ロッド形状ヒートシンク要素3が所望の位置にある場合に、回転メカニズム5を解除可能に係止することを可能にするように、配置及び構成されている。図2で示される実施形態では、係止メカニズム10は、第1の部分51及び第2の部分52を互いに対して解除可能に係止することを可能にするように、配置及び構成されている。
【0057】
提供される場合、ドライバ7は、発光デバイス100を駆動するように構成されている。より具体的には、ドライバ7は、回転メカニズム5、係止メカニズム10、アンテナ9、及び複数のLEDアレイ301〜331のうちの1つ以上を駆動するように構成されてもよい。例えば、ドライバ7は、LEDアレイ301〜331のLEDに好適な電流を供給するために、入力電流を適合させるように構成されてもよい。それゆえ、ドライバ7は、複数のLEDアレイ301〜331の強度を駆動するように、及び/又は、複数のLEDアレイ301〜331のうちの1つ以上のLEDアレイをオン、オフするように構成されてもよい。
【0058】
提供される場合、コントローラ8は、発光デバイス100の動作を制御するように構成されている。より具体的には、コントローラ8は、回転メカニズム5、ドライバ7、アンテナ9、係止メカニズム10、及び複数のLEDアレイ301〜331のうちの1つ以上の動作を制御するように構成されてもよい。
【0059】
提供される場合、アンテナ9は、有線若しくは無線接続を介して信号を送受信するように、及び、受信された信号を、コントローラ8、ドライバ7、回転メカニズム5、及び係止メカニズム10のうちの1つ以上に送信するように構成されることにより、発光デバイス100の遠隔制御を可能にする。
【0060】
図3は、本発明の第3の実施形態による発光デバイス101を備える、ランプ20の斜視図を示す。ランプ20の発光デバイス101は、本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態による上述の発光デバイスとは、以下の特徴によってのみ異なる。
【0061】
発光デバイス101は、N個=5つの側面30〜34を有する、ロッド形状ヒートシンク要素3を備える。5つの側面は、同一のサイズであってもよく、又はサイズが異なっていてもよい。5つの側面は、上面30、2つの底面31及び底面34、並びに、底面31又は底面34のうちの一方と上面30との間に延在している、2つの互いに反対向きの側面32及び側面33を含む。
【0062】
発光デバイス101は、図3では2つが見えない、M個=5つのLEDアレイ301、311、331を更に備える。5つのLEDアレイは、ロッド形状ヒートシンク要素3の5つの側面30〜34のそれぞれの上に、1つのアレイで配置されている。代替的には、発光デバイス101は、N個=3つ又は4つのLEDアレイを備えてもよい。
【0063】
更には、第1のLEDアレイ301は、複数の側面発光LEDを含み、第2のLEDアレイ311及び(側面34上に配置されているため見えない)第5のLEDアレイは、複数の上面発光LEDを含み、(側面32上に配置されているため見えない)第3のLEDアレイ及び第4のLEDアレイ331は、複数の上面発光LEDをそれぞれ含む。この構成はまた、対応のLEDアレイの発光方向を示す矢印によって、図10Aにも概略的に示されている。
【0064】
N個=5つの側面を有するロッド形状ヒートシンク要素3を備える発光デバイスに関して実現可能な代替的構成としては、以下のものが挙げられる。
【0065】
対応のLEDアレイの発光方向を示す矢印によって図10Bに概略的に示されている一構成では、発光デバイスは、N個=5つの側面30〜34を有するロッド形状ヒートシンク要素3を備える。5つの側面は、同一のサイズであってもよく、又はサイズが異なっていてもよい。5つの側面は、2つの上面30及び上面34、1つの底面31、並びに、上面30又は上面34のうちの一方と底面31との間に延在している、2つの互いに反対向きの側面32及び側面33を含む。5つのLEDアレイは、ロッド形状ヒートシンク要素3の5つの側面30〜34のそれぞれの上に、1つのアレイで配置されている。これらの5つのLEDアレイのうち、上面30及び上面34上にそれぞれ配置されている、第1のLEDアレイ及び第5のLEDアレイは、複数の側面発光LEDをそれぞれ含み、底面30上に配置されている第2のLEDアレイは、複数の上面発光LEDを含み、残りの側面32及び側面33上にそれぞれ配置されている、第3のLEDアレイ及び第4のLEDアレイは、複数の側面発光LEDをそれぞれ含む。
【0066】
対応のLEDアレイの発光方向を示す矢印によって図10Cに概略的に示されている別の構成では、発光デバイスは、N個=5つの側面30〜34を有するロッド形状ヒートシンク要素3を備える。5つの側面は、同一のサイズであってもよく、又はサイズが異なっていてもよい。5つの側面は、2つの上面30及び上面34、1つの底面31、並びに、上面30又は上面34のうちの一方と底面31との間に延在している、2つの互いに反対向きの側面32及び側面33を含む。5つのLEDアレイは、ロッド形状ヒートシンク要素3の5つの側面30〜34のそれぞれの上に、1つのアレイで配置されている。これらの5つのLEDアレイのうち、上面30及び上面34上にそれぞれ配置されている、第1のLEDアレイ及び第5のLEDアレイは、複数の側面発光LEDをそれぞれ含み、底面30上に配置されている第2のLEDアレイは、複数の上面発光LEDを含み、残りの側面32及び側面33上にそれぞれ配置されている、第3のLEDアレイ及び第4のLEDアレイは、複数の上面発光LEDをそれぞれ含む。
【0067】
更には、ここで再び図3を参照すると、発光デバイス101は、ロッド形状ヒートシンク要素3内に配置されている錘6を備える。錘6は、ロッド形状ヒートシンク要素3を所望の向きに回転させるように構成されている、回転メカニズムとしての機能を果たす。
【0068】
また、発光デバイス101は、LEDからの放熱の改善のために、ロッド形状ヒートシンク要素3に更に加えて、ヒートシンク14を備える。このことは、実際に、本発明による任意の発光デバイスに関して当てはまり得る。
【0069】
図3は、本発明による発光デバイスの出射窓12を更に示す。出射窓12は、発光デバイスが当該光を放出することが望ましい平面として画定されている。
【0070】
それゆえ、図3に示されるランプ20は、発光デバイス101によって放出された光を収集するように、及び、収集された光を発光デバイス101の出射窓12に向けて反射するように配置及び構成されている、反射器11を更に備える。
【0071】
一般に、ランプ20の組立状態において、第1のLEDアレイ301は、それゆえ、ヒートシンク要素3の第1の側面又は上面30上に配置されており、当該上面30は、発光デバイス1の組立状態において、反射器11の方向を向くように、またそれゆえ、発光デバイス101の出射窓12から離れる方向を向くように意図されている。同様に、M個のLEDアレイのうちの第2のLEDアレイ31は、ヒートシンク要素3の第2の側面又は底面31上に配置されており、当該第2の側面31は、反射器11から離れる方向を向くように、またそれゆえ、発光デバイス101の出射窓12の方向を向くように意図されている。図3に示される実施形態では、このことはまた、側面34上に配置されている第5のLEDアレイにも適用される。上述のように、第3のLEDアレイ32及び(見えない)第4のLEDアレイは、ヒートシンク要素3の残りの2つの側面32、33上に配置されている。
【0072】
ランプ20は、発光デバイスのベース部2に取り付けられている、ソケット15を更に備える。ソケット15は、ランプ20と外部電源との間の、それ自体が既知の方式の接続を提供する。
【0073】
図4は、本発明の第4の実施形態による発光デバイス102を備える、ランプ20の斜視図を示す。発光デバイス102は、本発明の第1〜第3の実施形態による上述の発光デバイスとは、以下の特徴によってのみ異なる。
【0074】
発光デバイス102は、N個=10個の側面30〜39を有する、ロッド形状ヒートシンク要素3を備える。10個の側面は、同一のサイズであってもよく、又はサイズが異なっていてもよい。発光デバイス101は、図4では2つが見えない、M個=10個のLEDアレイ301〜391を更に備える。代替的には、発光デバイス102は、M個のLEDアレイを備えてもよく、Mは3〜9の範囲である。
【0075】
更には、図4は、一般に、全ての実施形態に関して、上面30と底面31との間に延在している互いに反対向きの側面32及び側面33が、発光デバイスの出射窓12に対して角度θで配置されていることを示す。このことはまた、図9Aにも示されている。
【0076】
より具体的ではあるが、依然として一般に、全ての実施形態に関して、互いに反対向きの側面32及び側面33が、発光デバイスの出射窓12に対して0〜35度の角度θで配置されている場合には、少なくとも1つの第3のLEDアレイ321及び少なくとも1つの第4のLEDアレイ331は、複数の上面発光LEDをそれぞれ含む。その一方で、2つの互いに反対向きの側面32及び側面33が、発光デバイスの出射窓12に対して35〜180度の角度θで配置されている場合には、少なくとも1つの第3のLEDアレイ321及び少なくとも1つの第4のLEDアレイ331は、複数の側面発光LEDをそれぞれ含む。
【0077】
ここで図5図8を参照して、本発明の第1の実施形態による発光デバイスのLEDアレイ301〜331の構成の、種々の実施形態が説明される。
【0078】
図5は、第1のLEDアレイ301のLEDが、発光デバイスの長手方向軸LAに対して双方とも垂直である2つの反対側に光を放出する、側面発光LEDであってもよいことを示す。
【0079】
図6は、第1のLEDアレイ301が、複数の側面発光LEDを含み、当該複数の側面発光LEDが、発光デバイスの長手方向軸LAに対して双方とも垂直である2つの反対側にLEDが交互に光を放出するように、1つずつ配置されている構成を示す。第2のLEDアレイ311は、複数の上面発光LEDを含む。第3のLEDアレイ321及び第4のLEDアレイ331は、全てが同じ側に光を放出する、複数の側面発光LEDをそれぞれ含む。また、LEDアレイ301〜331は、それぞれ別個の支持体40〜43上に配置されている。
【0080】
図7は、第1のLEDアレイ301の代替的構成を示す。この場合、第1のLEDアレイ301は、3つずつのグループを成して配置されている、複数の側面発光LEDを含み、それにより、LEDのグループは、発光デバイスの長手方向軸LAに対して双方とも垂直である2つの反対側に、交互に光を放出する。このように配置されている、例えば2つ又は4つのLEDのグループもまた、当然ながら、同じ方式で配置されている異なるサイズのLEDのグループと同様に、実現可能である。
【0081】
図8は、図6に示された上述の構成と同じ構成を示す。しかしながら、4つのLEDのアレイ301〜331は、この場合、1つの共通の一体型支持体40a上に配置されている。図12で示されるように、異なるサイズ及び/又は形状を有するLEDのアレイ301〜331を提供すること、並びに、LEDアレイの形状に従って成形されている1つの共通の一体型支持体40b上に、LEDのアレイ301〜331を配置することもまた実現可能である。
【0082】
ここで、最後に図11A図11Dを参照して、N個=6つの側面30〜35を有するロッド形状ヒートシンク要素3と、6つの側面30〜35のそれぞれの上に1つずつ配置されているM個=6つのLEDアレイとを備える発光デバイス上の、LEDアレイの種々の構成が説明される。
【0083】
対応のLEDアレイの発光方向を示す矢印によって図11Aに概略的に示されている一構成では、6つの側面は、1つの上面30、1つの底面31、並びに、上面30と底面31との間にそれぞれ延在している、2組の、2つの互いに反対向きの側面32、33及び側面34、35を含む。6つのLEDアレイのうち、上面30上に配置されている第1のLEDアレイは、複数の側面発光LEDを含み、底面31上に配置されている第2のLEDアレイは、複数の上面発光LEDを含む。残りの側面32、33、34、及び35上にそれぞれ配置されている、第3、第4、第5、及び第6のLEDアレイは、複数の側面発光LEDをそれぞれ含む。
【0084】
対応のLEDアレイの発光方向を示す矢印によって図11Bに概略的に示されている別の構成では、6つの側面は、1つの上面30、1つの底面31、並びに、上面30と底面31との間にそれぞれ延在している、2組の、2つの互いに反対向きの側面32、33及び側面34、35を含む。6つのLEDアレイのうち、上面30上に配置されている第1のLEDアレイは、複数の側面発光LEDを含み、底面31上に配置されている第2のLEDアレイは、複数の上面発光LEDを含む。上面30に隣接する、互いに反対向きの側面32及び側面33上にそれぞれ配置されている、第3のLEDアレイ及び第4のLEDアレイは、複数の側面発光LEDをそれぞれ含む。最後に、底面31に隣接する、互いに反対向きの側面34及び側面35上にそれぞれ配置されている、第5のLEDアレイ及び第6のLEDアレイは、複数の上面発光LEDをそれぞれ含む。
【0085】
対応のLEDアレイの発光方向を示す矢印によって図11Cに概略的に示されている別の構成では、6つの側面は、2つの上面30及び上面34、2つの底面31及び底面35、並びに、2つの上面30、34のうちの一方と2つの底面31、35のうちの一方との間に延在している、2つの互いに反対向きの側面32、33を含む。6つのLEDアレイのうち、上面30上に配置されている第1のLEDアレイ、及び上面34上に配置されている第5のLEDアレイは、複数の側面発光LEDをそれぞれ含む。底面31上に配置されている第2のLEDアレイ、及び底面35上に配置されている第6のLEDアレイは、複数の上面発光LEDをそれぞれ含む。互いに反対向きの側面32及び側面33上にそれぞれ配置されている、第3のLEDアレイ及び第4のLEDアレイは、複数の側面発光LEDをそれぞれ含む。
【0086】
対応のLEDアレイの発光方向を示す矢印によって図11Dに概略的に示されている更に別の構成では、6つの側面は、2つの上面30及び上面34、2つの底面31及び底面35、並びに、2つの上面30、34のうちの一方と2つの底面31、35のうちの一方との間に延在している、2つの互いに反対向きの側面32、33を含む。6つのLEDアレイのうち、上面30上に配置されている第1のLEDアレイ、及び上面34上に配置されている第5のLEDアレイは、複数の側面発光LEDをそれぞれ含む。底面31上に配置されている第2のLEDアレイ、及び底面35上に配置されている第6のLEDアレイは、複数の上面発光LEDをそれぞれ含む。互いに反対向きの側面32及び側面33上にそれぞれ配置されている、第3のLEDアレイ及び第4のLEDアレイは、複数の上面発光LEDをそれぞれ含む。
【0087】
図11A図11Dに示されるロッド形状ヒートシンク要素3の6つの側面30〜35は、全て同一のサイズであるが、他の実施形態では、サイズが異なっていてもよい。
【0088】
当業者は、本発明が、上述の好ましい実施形態に決して限定されるものではないことを、理解するものである。むしろ、多くの修正形態及び変形形態が、添付の請求項の範囲内で可能である。例えば、上記のN個=4、5、及び6つの側面を有するロッド形状ヒートシンク要素に関して説明された構成と類似する様々な構成はまた、N個=7、8、9、又は10個の側面などの、別の数N個の側面を有するロッド形状ヒートシンク要素に関して想定されてもよい。更には、1つのLEDアレイ内に、上面発光LEDと側面発光LEDとが組み合わされてもよい。
【0089】
更には、図面、本開示、及び添付の請求項を検討することにより、開示される実施形態に対する変形形態が、当業者によって理解され、特許請求される発明を実施する際に遂行され得る。請求項では、単語「備える(comprising)」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利には使用され得ないことを示すものではない。
【要約】
発光デバイスは、ベース部と、発光デバイスの長手方向軸に沿ってベース部から延在しているロッド形状ヒートシンク要素とを備え、ロッド形状ヒートシンク要素は、N個の側面を含む。N個の側面は、発光デバイスの組立状態において、発光デバイスの出射窓から離れる方向を向く、少なくとも1つの上面と、発光デバイスの組立状態において、発光デバイスの出射窓の方向を向く、少なくとも1つの底面と、少なくとも1つの上面と少なくとも1つの底面との間に延在している、少なくとも2つの互いに反対向きの側面とを有する。N個の側面は、複数のLEDをそれぞれが有する、M個のLEDアレイを含み、複数のLEDの各LEDは、主方向に向いて配置されている対応の光出力面を有する。少なくとも1つの第1のLEDアレイは、複数の側面発光LEDを含み、少なくとも1つの第2のLEDアレイは、複数の上面発光LEDを含み、少なくとも1つの第3のLEDアレイ及び少なくとも1つの第4のLEDアレイは、複数の側面発光LED又は上面発光LEDのいずれかをそれぞれ含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図11D