特許第6827669号(P6827669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827669
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】埋設物表示構造
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/00 20060101AFI20210128BHJP
   E02D 29/14 20060101ALI20210128BHJP
   G09F 19/22 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   E02D29/00
   E02D29/14 E
   G09F19/22 M
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-190182(P2016-190182)
(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公開番号】特開2018-53524(P2018-53524A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】505398952
【氏名又は名称】中日本高速道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134647
【弁理士】
【氏名又は名称】宮部 岳志
(72)【発明者】
【氏名】森 英治
(72)【発明者】
【氏名】大西 麻木
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−036372(JP,U)
【文献】 特開平09−144044(JP,A)
【文献】 特開2007−016510(JP,A)
【文献】 実開昭60−135346(JP,U)
【文献】 特開2005−010550(JP,A)
【文献】 特開2011−064828(JP,A)
【文献】 特開2004−251859(JP,A)
【文献】 特開2005−055414(JP,A)
【文献】 特開平09−026320(JP,A)
【文献】 特開平11−287866(JP,A)
【文献】 特開2012−102385(JP,A)
【文献】 特開2002−356905(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0242829(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/00
E02D 29/14
G09F 19/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向の両端で開口する中空部を有する柱部材を、前記中空部が埋設物の一部と鉛直方向において重なり、前記中空部が地表に開口する配置とするとともに、前記中空部の地中側の開口と前記埋設物の一部の間に土が存在しない状態とし、前記中空部に前記埋設物の一部を露出させ、
前記中空部の地表側の開口が着脱自在の蓋部材で閉鎖され、
前記蓋部材に、表面から裏面に至り前記中空部に連通する貫通孔を備えない第一の蓋部材と、前記貫通孔を備える第二の蓋部材が用いられ、前記第一の蓋部材は前記中空部の地表側の開口を常態において閉鎖し、前記埋設物の確認作業を行うときに、前記第一の蓋部材が前記第二の蓋部材に交換されることを特徴とする埋設物表示構造。
【請求項2】
前記第一の蓋部材が、前記埋設物に関する情報を記憶するとともに、別体の受信手段からの要求に応じて前記情報を非接触で引き渡す情報記憶手段を備える請求項1に記載の埋設物表示構造。
【請求項3】
前記第二の蓋部材は、前記裏面に照明手段を備える請求項1又は2に記載の埋設物表示構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設された通信ケーブル、電力ケーブル、上下水道管などの埋設物の存在を示す埋設物表示構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
埋設物の存在や埋設状態を地表から把握するための手法として、埋設物表示具が広く採用されている。埋設物表示具は、埋設物の真上の地表に、埋設物に関する情報を表示した面が地表に露出される状態で設置するものであり、例えば、特開2000−122591号には、低コストで容易に製造することができ、表示を見やすいものにするための埋設物表示具が提案されている。
【0003】
また、近年では、情報を表示した面を地表に露出させることなく、無線信号により、埋設物に関する情報を地表に提供する手法が提案されている。例えば、特開2013−195107号公報には、地下埋設物の位置を確認するための標識を交通障害等が生じない箇所に配設可能とし、標識から簡単に地下埋設物の位置を特定可能な地下埋設物位置検出システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−122591
【特許文献2】特開2013−195107
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
埋設物が存在する場所で掘削が必要となる作業を行う場合、埋設物の破損を防ぐために、埋設物が埋設された位置を正確に把握することが必要になる。しかしながら、埋設物に関する情報を地表で確認する従来の方法では、掘削工事を行うために十分に正確な埋設位置を把握することが難しかった。
【0006】
例えば、地表に設置された埋設物表示具は、埋設物の埋設作業後に事故などにより移動されてしまう場合があった。また、埋設物と共に埋設される標識は、存在を確認するための通信を行うために、様々な位置について試行錯誤で通信可能地点を探す必要があり、更に、通信可能になったとしても、実際に行われた埋設作業の状況が反映されていない情報を記憶しているおそれもあった。そのため、掘削工事を行う前に、手作業による試掘で埋設位置を確認する必要があり、試掘のための時間と手間を要する問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、時間や手間をかけることなく埋設物の埋設位置を高い精度で確認することを可能とする埋設物表示構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る埋設物表示構造では、高さ方向の両端で開口する中空部を有する柱状体を、前記中空部が前記埋設物の一部と鉛直方向において重なり、前記中空部が地表に開口する配置とするとともに、前記中空部の地中側の開口と前記埋設物の一部の間に土が存在しない状態とし、前記中空部に前記埋設物の一部を露出させる。
【0009】
前記中空部の地表側の開口が着脱自在の蓋部材で閉鎖されてもよい。
【0010】
前記蓋部材が、表面から裏面に至り前記中空部に連通する貫通孔を備えるものであってもよい。
【0011】
前記蓋部材が、前記埋設物に関する情報を記憶するとともに、別体の受信手段からの要求に応じて前記情報を非接触で引き渡す情報記憶手段を備えるものであってもよい。
【0012】
前記蓋部材に、前記貫通孔を備えない第一の蓋部材と、前記貫通孔を備える第二の蓋部材が用いられ、前記第一の蓋部材は前記中空部の地表側の開口を常態において閉鎖し、前記埋設物の確認作業を行うときに、前記第一の蓋部材が前記第二の蓋部材に交換されてもよい。
【0013】
前記第二の蓋部材は、前記裏面に照明手段を備えるものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、埋設物の一部が露出する中空部を介して埋設物を直接確認することができるので、試掘を行うことなく埋設物の埋設位置を高い精度で確認することができる。
【0015】
また、中空部の地表側の開口が着脱自在の蓋部材で閉鎖されるものであり、蓋部材が表面から裏面に至り中空部に連通する貫通孔を備えるものであれば、貫通孔を通して埋設物を確認することができる。
【0016】
更に、中空部の地表側の開口が着脱自在の蓋部材で閉鎖されるものであり、蓋部材が、埋設物に関する情報を記憶するとともに、別体の受信手段からの要求に応じて情報を非接触で引き渡す情報記憶手段を備えるものであれば、必要に応じて蓋部材を取り外し、埋設物を直接確認することができ、埋設物を直接確認する必要が無いときには、非接触で埋設物に関する情報を得ることができる。そして、情報記憶手段に記憶される情報を、埋設物を直接確認したときに更新することにより、情報の精度を高いものに維持できる。
【0017】
更にまた、蓋部材に、貫通孔を備えない第一の蓋部材と、貫通孔を備える第二の蓋部材を用い、中空部の地表側の開口は、常態において第一の蓋部材で閉鎖され、埋設物の確認作業を行うときに第二の蓋部材に交換されるものであれば、通常は埋設物を第一の蓋部材で保護しながら、確認が必要な場合に第二の蓋部材が備える貫通孔を通して埋設物を確認することができる。
【0018】
更にまた、第二の蓋部材が裏面に照明手段を備えるものであれば、中空部内と埋設物に光を当てながら、埋設物を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る埋設物表示構造の実施形態を土壌の図示を省略して示す斜視図である。
図2】基盤を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢視線でみた側断面図である。
図3】基盤上に埋設ケーブルと柱部材が配置された状態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B矢視線でみた側断面図である。
図4】地中に埋設された状態を地表側からみた図である。
図5】中空部の地表側開口を第一の蓋部材で閉鎖した状態を示す側断面図である。
図6】中空部の地表側開口に第二の蓋部材を取付けた状態を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜4を参照しながら、本発明に係る埋設物表示構造の実施形態を説明する。
この埋設物表示構造は、埋設された通信ケーブル(以下、埋設ケーブルとする)が存在することを表示し、その埋設状態に関する情報を地表で確認することを可能とするものである。埋設ケーブル3が本発明の埋設物に相当する。そして、埋設ケーブル3の下側に埋設された基盤1と、基盤1に載置された柱部材2で構成されている。
【0021】
基盤1は、矩形板状をなす本体部10と、本体部10の上面に形成された一対の突出部11、11を有する。本体部10と一対の突出部11、11は合成樹脂で一体に成形されている。ただし、地中に設置された状態を維持し安定して沈降しない質量と大きさを備えるものであれば、材質に制限はなく、その他の素材で形成してもよい。
【0022】
一対の突出部11、11は、埋設ケーブル3の太さに適合する間隔を開けて設けられている。埋設ケーブル3は、突出部11、11に太さ方向の両側を挟まれた状態で、本体部10の上に敷設されている。
【0023】
一対の突出部11、11の各々の上側の端面には凹陥部12が設けられ、凹陥部12に柱部材2が嵌め込み取り付けられるものとなっている。
【0024】
この実施形態において、柱部材2は円柱をなしているため、凹陥部12の輪郭も円形をなすものとなっている。ただし、凹陥部12の輪郭形状に制限はなく、柱部材2を嵌め込み取り付けることができ、柱部材2の沈降による埋設ケーブル3の破損を防止できるものであればよい。例えば、柱部材2として四角柱のものを採用する場合は、凹陥部12の輪郭形状もそれに適合したものとすればよい。
【0025】
更に、一対の突出部11、11の間には、本体部10を貫通する水抜き孔13が形成されている。なお、この実施形態において、水抜き孔13は平面視で円形をなし、外周が、一対の突出部11、11の相互に向かい合う面の輪郭に重なるものとなっているが、水抜き孔13の大きさや形状に制限はなく、周囲からの水の浸入状況に応じ、最適な位置、形状、数とすればよい。
【0026】
柱部材2は、既述のように円柱をなし、高さ方向の両端で開口する中空部21を有している。そして、一対の突出部11、11の凹陥部12に嵌め込み取り付けられた状態で、中空部21は埋設ケーブル3の一部と鉛直方向において重なる配置とされている。
【0027】
図1図3においては、構造の理解を容易とするため、埋設される土壌の図示は省略されているが、中空部21の上側は地表で開口している。一方、柱部材2の下端と埋設ケーブル3の間の土は取り除かれており、中空部21に埋設ケーブル3の一部が露出した状態となっている。そして、図4に示すように、中空部21を介して埋設ケーブル3を直接確認することが可能となっている。なお、図4において、地表から直接みることのできない部位は破線で示されている。
【0028】
柱部材2は、地中で必要な耐劣化性能を有し、中空部21に土が入り込まない状態を維持できるものであればよく、例えば、基盤1と同じ素材(この実施形態では合成樹脂)を使用することができる。
【0029】
中空部21の地表側開口は、図5に示すように、埋設ケーブル3を直接確認する必要の無いとき、第一の蓋部材4によって閉鎖されている。
【0030】
第一の蓋部材4は、中空部21の地表側開口の上に配置される天板41を有し、天板41には縁辺に沿って周壁42が形成されている。周壁42の内径は、柱部材2の外径と略等しくされており、柱部材2の上端部に嵌め込み取り付けされるものとなっている。
【0031】
天板41は、記憶情報手段43を備えている。記憶情報手段43は、掘削を必要としない作業、例えば、埋設ケーブル3の有無を確認する調査作業において、調査作業に使用される別体の受信手段に対し、埋設ケーブル3の情報を提供する。埋設ケーブル3に関する情報を記憶するとともに、受信手段からの要求に応じてその情報を非接触で引き渡すものであればよく、例えば、公知のRFIDタグを使用することができる。
【0032】
記憶情報手段43は、天板41に形成された収容室44に、出し入れ自在に収容されている。そして、必要に応じて取出し、情報を更新することが可能とされている。記憶情報手段43に記憶させる情報は、目的や利用状況に応じて適宜決めればよいが、例えば、設置場所の通称、GPS情報、用途、設置日、敷設施工者名、敷設情況写真データを記憶させてもよい。
【0033】
埋設ケーブル3を直接確認する際、中空部21に露出した埋設ケーブル3を目視で確認することができるが、撮影手段を使用し画像データとして保存する場合には、第二の蓋部材40を利用するものとなっている。図6に、中空部21の地表側開口に第二の蓋部材40を取付けた状態を示す。
【0034】
第二の蓋部材40は、第一の蓋部材4において、収容室44に代わるものとして貫通孔45を設けたものである。なお、図6において、第一の蓋部材4と実質的に同じ部分には同符号を付し、その説明を簡略化又は省略するものとする。
【0035】
貫通孔45は、天板41の表面から裏面に至り中空部21に連通している。そして、図示しない撮影手段の取付けが可能とされている。また、天板41の裏面に照明手段46が設けられ、中空部21内と埋設ケーブル3に光を当てながらの撮影が可能となっている。そのため、撮影手段を取付けた第二の蓋部材40を、中空部21の地表側開口に取付け、光ケーブル3の画像データを容易に得ることができる。
【0036】
なお、この実施形態において、第一の蓋部材4及び第二の蓋部材40は、柱部材2の端部に嵌め込み取り付けるものとなっているが、柱部材2の端部外周と第一の蓋部材4及び第二の蓋部材40の内周に螺条を形成し、ねじ込み取り付けるものとしてもよい。この場合、第一の蓋部材4と第二の蓋部材40の交換を容易に行うことが可能となる。
【0037】
第一の蓋部材4及び第二の蓋部材40の材質は、地表に配置された状態において必要な耐劣化性を有するとともに、必要な加工を施すことのできるものであればよく、使用状況に応じて適切な素材を採用することができるが、例えば、柱部材2と同様に、合成樹脂で形成してもよい。
【0038】
この実施形態において、基盤1の凹陥部12は、一対の突出部11、11の相互に向かい合う面に、すなわち、内側に形成されているが、外側に形成してもよい。この場合、凹陥部12の内側に形成される凸部が柱部材2の中空部21に挿入されることになる。
【0039】
また、この実施形態において、基盤1には一対の突出部11、11が形成されているが、突出部11の数は、敷設する埋設物の数に応じて増やしてもよい。例えば、埋設ケーブル3を更に2本敷設するために、更に一対の突出部11、11を形成し、突出部11を全部で二対形成してもよい。その場合、突出部11の其々の対の上に柱部材2が嵌め込み取り付けされる。従って、柱部材2の二本が並立した状態となる。
【符号の説明】
【0040】
1 基盤
2 柱部材
3 埋設ケーブル
4 第一の蓋部材
10 本体部
11 突出部
12 凹陥部
13 水抜き孔
21 中空部
40 第二の蓋部材
41 天板
42 周壁
43 記憶送信手段
44 収容部
45 貫通孔
46 照明手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6