特許第6827905号(P6827905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827905
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】棚管理システム及び棚管理方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20210128BHJP
【FI】
   B65G1/137 A
【請求項の数】13
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-207306(P2017-207306)
(22)【出願日】2017年10月26日
(65)【公開番号】特開2019-77549(P2019-77549A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2020年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000153546
【氏名又は名称】株式会社日立物流
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】特許業務法人藤央特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉元 広行
(72)【発明者】
【氏名】風間 頼子
(72)【発明者】
【氏名】木村 淳一
(72)【発明者】
【氏名】鴨志田 亮太
(72)【発明者】
【氏名】高橋 絵美
(72)【発明者】
【氏名】寺井 悠
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/052830(WO,A1)
【文献】 特表2010−502535(JP,A)
【文献】 特開平06−239422(JP,A)
【文献】 米国特許第9067317(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 1/00
B65G 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶部と、を有する棚管理システムであって、
前記記憶部は、物品を格納する保管棚が配置可能な領域に含まれる複数の区画の位置を示す情報を保持し、
前記複数の区画の各々に一つの前記保管棚が配置可能であり、
前記複数の区画のうち少なくとも一つは、前記保管棚が搬送される通路を介さずに、隣接する他の前記区画によって周囲を囲まれ、
前記プロセッサは、
前記複数の区画を、置かれている保管棚を所定の作業場所に搬送する作業の効率の高さに応じたランクが付与された複数の区画と、いずれかの区画に置かれた保管棚を搬送するために他の一つ以上の保管棚を移動させる必要がある場合に、移動させた当該一つ以上の他の保管棚を置くための一つ以上の空き区画と、に分類し、その結果を出力することを特徴とする棚管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の棚管理システムであって、
前記プロセッサは、前記保管棚を搬送するために移動させる必要がある他の保管棚の数、及び、搬送対象の前記保管棚を前記作業場所に搬送するために要する時間の長さの少なくとも一方に基づいて、前記保管棚を前記作業場所に搬送する作業の効率を評価することを特徴とする棚管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の棚管理システムであって、
前記プロセッサに接続される入出力部をさらに有し、
前記記憶部は、前記各保管棚に格納される物品に関する情報を保持し、
前記プロセッサは、
前記入出力部を介して、前記各ランクが付与された前記区画の数を示す情報、及び、前記各保管棚に格納される物品に関する情報を出力し、
前記入出力部を介して、前記物品と前記ランクとを対応付ける情報が入力されると、入力された前記物品と前記ランクとを対応付ける情報を生成して、前記記憶部に格納することを特徴とする棚管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の棚管理システムであって、
前記記憶部は、前記各保管棚に格納される物品の出庫頻度を示す情報を保持し、
前記プロセッサは、前記出庫頻度が高い物品を、より効率が高い前記ランクに対応付ける情報を生成して、前記記憶部に格納することを特徴とする棚管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の棚管理システムであって、
前記プロセッサに接続されるネットワークインターフェース部をさらに有し、
前記プロセッサは、前記ネットワークインターフェース部を介して、前記物品が格納された保管棚を、前記物品に対応付けられた前記ランクが付与された前記区画に搬送する指示を、前記保管棚を搬送する搬送車に送信することを特徴とする棚管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の棚管理システムであって、
前記プロセッサは、前記空き区画の数が、前記保管棚を搬送するために移動させる必要がある保管棚の数の最大値以上となるように、前記複数の区画を、前記ランクが付与された複数の区画と、前記一つ以上の空き区画と、に分類することを特徴とする棚管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の棚管理システムであって、
前記プロセッサに接続される入出力部をさらに有し、
前記プロセッサは、前記入出力部を介して、前記保管棚を搬送する通路を増やすことを指示する情報が入力されると、前記保管棚が配置可能な領域のいずれかの辺の最外周の区画から、当該辺に対向する辺の最外周の区画まで貫通する連続した複数の区画が前記空き区画となるように、前記複数の区画を、前記保管棚が置かれる複数の区画と、前記一つ以上の空き区画と、に分類することを特徴とする棚管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の棚管理システムであって、
前記プロセッサに接続される入出力部をさらに有し、
前記プロセッサは、前記入出力部を介して、他の保管棚を移動させずに搬送可能な保管棚の数を最大化することを指示する情報が入力されると、前記保管棚が配置可能な領域のいずれかの辺の最外周の区画のうち、当該辺の両端から2区画以上離れた区画から、当該辺に対向する辺の方向に連続し、かつ、当該辺に対向する辺まで貫通しない複数の区画からなる一列の区画が前記空き区画となるように、前記複数の区画を、前記保管棚が置かれる複数の区画と、前記一つ以上の空き区画と、に分類することを特徴とする棚管理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の棚管理システムであって、
前記プロセッサに接続される入出力部をさらに有し、
前記記憶部は、前記保管棚が配置可能な領域と、前記保管棚の搬送先となる作業場所との位置関係を示す情報を保持し、
前記プロセッサは、前記入出力部を介して、前記作業場所に近く、かつ、他の保管棚を移動させずに搬送可能な保管棚の数を増やすことを指示する情報が入力されると、前記保管棚が配置可能な領域の前記作業場所に最も近い辺の最外周の区画から、当該辺に対向する辺の方向に連続し、かつ、当該辺に対向する辺まで貫通しない複数の区画からなる少なくとも一列の区画が前記空き区画となるように、前記複数の区画を、前記保管棚が置かれる複数の区画と、前記一つ以上の空き区画と、に分類することを特徴とする棚管理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の棚管理システムであって、
前記プロセッサに接続されるネットワークインターフェース部をさらに有し、
前記記憶部は、
前記各区画に置かれている前記保管棚を示す情報と、
前記各保管棚に格納される物品の出庫頻度を示す情報と、
複数の前記作業場所の各々と前記各ランクとを対応付ける情報と、を保持し、
前記プロセッサは、
前記出庫頻度に基づいて、前記保管棚を搬送する搬送車が前記各ランクの区画に置かれた前記各保管棚を前記各ランクに対応する前記作業場所に搬送した場合の、所定の期間における前記保管棚の前記作業場所への1回の搬送あたりの移動距離又は搬送時間が最小となるように、前記各作業場所と前記各ランクとを対応付け、
いずれかのランクの区画に置かれる前記保管棚又はいずれかのランクの区画に置かれている前記保管棚に対する作業が行われる場合に、ネットワークインターフェース部を介して、当該区画のランクに対応する前記作業場所に当該保管棚を搬送する指示を、当該保管棚を搬送する搬送車に送信することを特徴とする棚管理システム。
【請求項11】
請求項1に記載の棚管理システムであって、
前記プロセッサに接続されるネットワークインターフェース部をさらに有し、
前記記憶部は、
前記各区画に置かれている前記保管棚を示す情報と、
前記各保管棚に格納されている物品の出庫頻度を示す情報と、
前記複数の保管棚に対する入庫及び出庫の作業のスケジュール情報と、を保持し、
前記プロセッサは、
前記スケジュール情報に基づいて、少なくとも二つの前記区画に置かれている前記保管棚を入れ替える作業に利用できる空き時間の長さを算出し、
出庫頻度がより低い物品を格納する前記保管棚がより高いランクの前記区画に置かれている場合に、出庫頻度がより高い物品を格納する前記保管棚がより高いランクの前記区画に置かれるように、少なくとも二つの前記区画に置かれている前記保管棚を入れ替える作業のうち、前記空き時間内に終了する作業を特定し、
前記ネットワークインターフェース部を介して、前記特定した作業を実行する指示を、前記保管棚を搬送する搬送車に送信することを特徴とする棚管理システム。
【請求項12】
請求項11に記載の棚管理システムであって、
前記記憶部は、前記各保管棚に格納されている物品の入庫時期を示す情報を保持し、
前記プロセッサは、入庫時期がより遅い物品を格納する前記保管棚がより高いランクの前記区画に置かれている場合に、入庫時期がより早い物品を格納する前記保管棚がより高いランクの前記区画に置かれるように、少なくとも二つの前記区画に置かれている前記保管棚を入れ替える作業を特定することを特徴とする棚管理システム。
【請求項13】
プロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶部と、を有する棚管理システムが実行する棚管理方法であって、
前記記憶部は、物品を格納する保管棚が配置可能な領域に含まれる複数の区画の位置を示す情報を保持し、
前記複数の区画の各々に一つの前記保管棚が配置可能であり、
前記複数の区画のうち少なくとも一つは、前記保管棚が搬送される通路を介さずに、隣接する他の前記区画によって周囲を囲まれ、
前記棚管理方法は、
前記プロセッサが、前記複数の区画を、置かれている保管棚を所定の作業場所に搬送する作業の効率の高さに応じたランクが付与された複数の区画と、いずれかの区画に置かれた保管棚を搬送するために他の一つ以上の保管棚を移動させる必要がある場合に、移動させた当該一つ以上の他の保管棚を置くための一つ以上の空き区画と、に分類する第1手順と、
前記プロセッサが、前記第1手順による分類の結果を出力する第2手順と、を含むことを特徴とする棚管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫等において物品を保管する棚を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫又は工場では、必要に応じて保管棚から管理された順番で物品のピッキングを行い、指定された組の物品を集めて梱包箱に収納したあとで配送を行う作業を行っている。保管する大量の物品のピッキング作業を効率よく行う方法として、近年は、出庫する物品が格納された棚をピッキング作業者の作業場(以下では作業ステーションと呼称)まで自動搬送車が搬送する運用システムが注目されている。この自動搬送車によって保管棚を搬送する多くの方式では、自動搬送車の棚の搬送効率を向上させるために通常は全ての保管棚が通路に面して保管されている。しかしより物品の保管効率をより向上させるために4面のいずれも通路に面していない棚を含むように、棚を密集して配置する方式も考案されている。
【0003】
特許文献1には、通路に面していない第一の棚を保管エリアから搬送する場合に、第一の棚と通路との間にある第二の棚を一時的に通路に運び出して第一の棚の通行経路を確保し、その上で第一の棚を通路に運び出す技術が記載されている。さらに、特許文献2には、周囲を他の棚に囲まれている第一の棚を搬送する場合に、第一の棚と通路との間にある第二の棚を保管エリアから離れた位置にある予め指定されたバッファ領域に仮移動し第一の棚の通行経路を確保した上で、第一の棚を保管エリア外に搬送し、最後にバッファ領域に仮移動されていた第二の棚をもとの領域に戻す技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9067317号明細書
【特許文献2】国際公開第2015/052830号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、密集して配置された保管棚の退避スペースの一例について図14を参照して説明する。
【0006】
図14は、密集して配置された保管棚(単に「棚」とも記載する)のエリア中に、保管棚が配置されていない退避スペースを確保する方法の説明図である。
【0007】
具体的には、図14は、23個の保管棚が密集して配置された保管エリア(棚配置領域)202の平面図を示す。この保管エリア202は、破線で表示された25個の区画を含んでいる。一つの区画に一つの保管棚を置くことができる。図14では、実線の各四角形が各保管棚(例えば保管棚102)を示している。図14(a)の中央に示す保管棚D1(保管棚104)を出庫するにあたって、自動搬送車(図示省略)は、まず障害となる棚A1(保管棚105a)を保管エリアから一旦搬出し、保管エリア中の退避スペースS1(区画103a)に退避させる(図14(b)、(c))。次に自動搬送車は同じく障害となる棚A2(保管棚105b)を同様に退避スペースS2(区画103b)に退避させる(図14(c)、(d))。この後、自動搬送車は保管棚D1を出庫させて、空いた3棚分のスペースS3、S4、S5は新たな退避スペースとして活用する(図14(d))。
【0008】
以下では図14に示したような、周囲4面のいずれも通路に面していない棚が少なくとも1棚は含む密集した棚群を高密度棚配置領域と呼称する。また高密度棚配置領域にある棚のことを高密度配置棚と呼称する。
【0009】
高密度棚配置領域からの出庫は、棚の退避作業を伴うために棚の4面のいずれかが必ず通路に面する個所からの出庫に比べるとピッキング作業を行う場所まで移動するまでに時間がかかり、結果として作業全体の効率が低下する。とくに図14に示すような高密度棚配置領域の中央部からの出庫では数多くの棚退避が必要となり作業効率も大きく低下する。本発明はこのような課題を鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題を解決する代表的なものを例示すると、プロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶部と、を有する棚管理システムであって、前記記憶部は、物品を格納する保管棚が配置可能な領域に含まれる複数の区画の位置を示す情報を保持し、前記複数の区画の各々に一つの前記保管棚が配置可能であり、前記複数の区画のうち少なくとも一つは、前記保管棚が搬送される通路を介さずに、隣接する他の前記区画によって周囲を囲まれ、前記プロセッサは、前記複数の区画を、置かれている保管棚を所定の作業場所に搬送する作業の効率の高さに応じたランクが付与された複数の区画と、いずれかの区画に置かれた保管棚を搬送するために他の一つ以上の保管棚を移動させる必要がある場合に、移動させた当該一つ以上の他の保管棚を置くための一つ以上の空き区画と、に分類し、その結果を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、倉庫全体での棚の出庫作業効率の低下を抑えながら、棚の保管効率を向上させることができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1の高密度棚配置領域を有する倉庫の概要の説明図である。
図2】本発明の実施例1の棚配置領域における棚の配置の一例を示す説明図である。
図3】本発明の実施例1の入力インターフェースの一例を示す説明図である。
図4】本発明の実施例1の搬送システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】本発明の実施例1の搬送システムを含んだ管理システムの機能ブロック及び処理の流れの一例を示す説明図である。
図6】本発明の実施例3の搬送システムによって作成される棚配置領域の第1の例を示す説明図である。
図7】本発明の実施例3の搬送システムによって作成される棚配置領域の第2の例を示す説明図である。
図8】本発明の実施例3の搬送システムによって作成される棚配置領域の第3の例を示す説明図である。
図9】本発明の実施例4の搬送システムを含んだ管理システムの機能ブロック及び処理の流れの一例を示す説明図である。
図10】本発明の実施例5の搬送システムを含んだ管理システムの機能ブロック及び処理の流れの一例を示す説明図である。
図11】本発明の実施例7の管理システムにおいて実行される棚の入れ替え作業の一例を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施例7の管理システムによって実行される棚の入れ替え作業の一例を示す説明図である。
図13】本発明の実施例7の管理システムによって実行される棚の入れ替え作業の一例を示す説明図である。
図14】密集して配置された保管棚のエリア中に、保管棚が配置されていない退避スペースを確保する方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし以下で説明する実施形態では、使用例を搬送車による倉庫での棚搬送を例にとって説明するが、本発明の用途は必ずしも搬送車による倉庫活用に限定されるものではない。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例1について説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施例1の高密度棚配置領域を有する倉庫の概要の説明図である。
【0016】
倉庫201は、物品を保管しておく複数の保管棚(以下、単に「棚」とも記載する)が配置されている棚配置領域202を有している。棚配置領域202は、高密度棚配置領域を含んでいる。搬送車203は、棚配置領域202から棚を作業ステーション205に搬送する。この搬送車203は、後述する搬送システム204からの指示に従って棚を搬送する自動搬送車である。また、倉庫201内には複数の搬送車203があってもよい。ここでは複数の搬送車をいずれも搬送車203と記載するが、それぞれの搬送車を区別する必要がある場合には、搬送車203a、203bのように記載する場合がある。
【0017】
作業ステーション205では、作業者が搬送された棚から物品を取り出したり、物品を棚に格納したりといった作業を実行する。倉庫201内には複数の作業ステーション205があってもよい。ここでは複数の作業ステーションをいずれも作業ステーション205と記載するが、それぞれの作業ステーションを区別する必要がある場合には、作業ステーション205a、205bのように記載する場合がある。
【0018】
作業ステーション205における作業のあと、搬送車203は、棚を棚配置領域202に戻し、次の作業にあたるかまたは指示が来るまで待機する。このときに、搬送車203への棚の搬送指示は搬送システム204が出す。また、本実施例では、搬送システム204は入出力インターフェース206から指示を受けて結果を反映させる。なお、図1では入出力インターフェース206が搬送システム204の外部に配置されているが、実際には後述するように入出力インターフェース206が搬送システム204に含まれてもよい。
【0019】
図2は、本発明の実施例1の棚配置領域202における棚の配置の一例を示す説明図である。
【0020】
具体的には、図2は、棚配置領域202を含む倉庫201内のレイアウトの一例を示す平面図である。図2に例示する倉庫201は、複数の保管棚が配置される棚配置領域202と、棚配置領域202に配置された棚が搬送される作業ステーション205とを含む。棚配置領域202は、例えば図2に示すように高密度棚配置領域101a及び通常棚配置領域107aを含む。それぞれの領域は、複数の区画を含んでいる。各区画は棚配置領域202内の配置位置であり、一つの区画に一つの棚を配置することができる。図2の例では、高密度棚配置領域101aが40の区画を含み、通常棚配置領域107aが12の区画を含んでいる。
【0021】
それぞれの区画の大きさは、隣接する区画に置かれた棚と棚の間隔が、搬送時に棚が互いに接触する危険のない程度の距離となるように設定されている。図2において、破線で格子上に区切られた各四角形が各区画を示し、各区画に表示された実線の四角形が各区画に配置された棚を示している。通常棚配置領域107aの区画は、いずれも、その少なくとも一辺が通路に面している。すなわち、通常棚配置領域107aにおいては、いずれの区画に置かれた棚であっても、それを当該区画から作業ステーション205まで搬送するために、他の区画に置かれた棚を移動させる必要がない。一方、高密度棚配置領域101aにおいては、その最外周に位置する区画はその少なくとも一辺が通路に面しているが、それ以外の区画はいずれの辺も通路に面していない(言い換えると、通路を介さずに、隣接する他の区画に周囲を囲まれている)。このため、高密度棚配置領域101aの最外周以外の区画に置かれた棚を作業ステーション205に搬送するために、他の区画に置かれた少なくとも一つの棚を移動させる必要がある。
【0022】
棚配置領域202の区画は、複数のグループに区別されている。図2の例では、区画301a、302a、303a及び304が、それぞれ別のグループに区別されている。図2において棚が置かれた区画に表示されている0から3の数字(以下、ランクとも記載する)は、この区別を示す。
【0023】
例えばランクが0の区画304は通常棚配置領域107a内にある。一方、ランクが1の区画301aは高密度棚配置領域101a中にあり、かつ、そこに置かれた棚は、他の棚を例えば区画103bのような空き区画に退避させることなく搬送可能である。例えば区画103bのように、棚を退避させるために使用される空き区画を、退避スペースとも記載する。ランクが2及び3の区画302a及び303aに置かれた棚を搬送するためには、他の棚をそれぞれ一つ及び二つ退避させる必要がある。
【0024】
図2の例では、通常棚配置領域107aが作業ステーション205の近くに配置され、高密度棚配置領域101aは作業ステーション205から遠い。このため、ランクが0の区画に置かれた棚は、作業ステーション205に最も近く、最も短い時間での作業ステーション205への搬送作業が可能である。ランクが1の区画に置かれた棚は、上記のランク0の区画に置かれた棚と比較すると、作業ステーション205から遠くに配置されているが、これも搬送時に他の棚を退避する作業が不要であるため、ランクが0の領域に次いで、短い時間での作業ステーション205への搬送ができる。ランクが2及び3の領域に配置される棚は、ランクの番号が増えるほど、搬送時に退避を要する棚の数が増えるために出庫の効率は悪化する。
【0025】
すなわち、各区画に与えられるランクの高さは、その区画に置かれた棚に格納された物品の出庫作業の効率の高さに応じて、例えば、その棚を作業ステーション205まで搬送して出庫作業を行うときの作業量が少ないほど高くなるように決定されてもよい。ここで、作業量は、棚を作業ステーション205まで搬送するのに要する時間の長さであってもよいし、棚を搬送する際に退避させる必要がある棚の数であってもよいし、それらの組合せであってもよい。
【0026】
図2は、棚を作業ステーション205まで搬送するのに要する時間の長さと、退避させる必要がある棚の数との組合せに基づいて決定されたランクを示している。この例ではランク0が最も高く、大きい番号ほど低いランクを示している。このようなランクは一例であり、ここで他の代表的な例を説明する。
【0027】
例えば、退避させる必要のある棚の数が重視される場合には、通常棚配置領域107aの全ての区画と、高密度棚配置領域101aの最外周の全ての区画と、の全てに最上位のランク0が付与されてもよい。あるいは、棚を搬送する時間の長さが重視される場合には、作業ステーション205からの距離に応じて、通常棚配置領域107aの区画には最も高いランクが、高密度棚配置領域101aの最外周の区画のうち作業ステーション205に近いものにより低いランクが、高密度棚配置領域101aの最外周の区画のうち作業ステーション205から遠いものにさらに低いランクが付与されてもよい。
【0028】
また、図2には高密度棚配置領域101a及び通常棚配置領域107aが混在する棚配置領域202の例を示しているが、棚配置領域202が高密度棚配置領域101aのみを含んでもよい。
【0029】
上記のようにランクが設定されている場合、出庫の頻度の高い物品ほど、ランクの高い(すなわちランクの番号の小さい)区画に置かれた棚に格納し、ランクの低い区画に置かれた棚へは出庫頻度の低い物品を格納することで全体としての棚退避作業による効率の悪化を抑えることができる。本発明の実施例1では、この複数にランク分けされた区画に置かれた棚に格納する物品を決定するための入出力インターフェース206を備える。
【0030】
図3は、本発明の実施例1の入出力インターフェース206の一例を示す説明図である。
【0031】
入出力インターフェース206は、例えば図3に示す入力画面401を表示する。入力画面401を参照した操作者による入力作業は、例えば、画面の指示部分を直接、指で触れることで行なわれてもよい。あるいは、画面中に表示された番号又は文字等の内容をキーボード又はボタンの操作によって入力することで行なわれてもよい。ランク分けされた棚入力部402に、上記の棚配置領域のランク分類の画面への表示例を示す。ランクの分類は、例えば、数字、文字又は幾何学的形状など互いに区別できるものによって行うことができる。
【0032】
図2の例ではランクの高さを数字で示している。図3の例では、ランクの高さがAからDまでのアルファベット及びそれぞれに対応する幾何学的形状によって示される。この例ではランクAが最も高い。また、それぞれのランクに対応する幾何学的形状が、それぞれの区画に置かれた棚に表示されている。幾何学的形状の代わりに色彩等(例えばランクの高さに応じた色相、明度又は彩度等)が表示されてもよい。
【0033】
図3には、ランク分けされた棚領域出力部403にランク分けされた棚配置領域の区画を表示した例を示す。格納物品選択入力部404には、棚に格納する必要のある物品一覧が表示される。操作者は表示された一覧の物品をそれぞれ、ランク分けされた棚入力部402でランク分けされた棚配置領域のうちどのランクの領域に格納するか選択する。なお実施例1では、この棚領域出力部403に表示される棚配置領域の区分け作業は搬送システム204が自動で行う。
【0034】
上記のようなランクと格納される物品との対応付けは、操作者が任意に行うことができる。例えば、操作者は、格納物品選択入力部404に表示された物品のうち、出荷頻度が高いと予測される物品を高いランクの区画に置かれた棚に格納し、出庫頻度が低いと予測される物品を低いランクの区画に置かれた棚に格納するように、物品と区画のランクとを対応付けてもよい。この予測は、例えば、操作者が過去の実績に基づいて行ってもよいし、将来の各物品の出荷予定の情報を利用できる場合にはそれに基づいて行ってもよい。例えば、格納物品選択入力部404に、各物品の過去の出庫頻度の実績又は将来の出庫予定に基づく出庫頻度の少なくともいずれかを示す情報が表示されてもよい。
【0035】
図4は、本発明の実施例1の搬送システム204のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
実施例1の搬送システム204は、相互に接続されたCPU405、メモリ409、入出力インターフェース414、ネットワークインターフェース415及び補助記憶デバイス416を有する。
【0037】
CPU405は、メモリ409に格納されたプログラム(図示省略)に記述された命令に従って種々の処理を実行するプロセッサである。本実施例のCPU405は、少なくとも指示作成部406、指示送信部407及び領域作成部408の処理を実行する。これらの各部の処理の詳細については後述する。以下の記述においてこれらの各部が実行するように説明される処理は、実際にはCPU405によって実行される。
【0038】
メモリ409は、CPU405が実行する処理が記述されたプログラム、及び、その処理において参照又は生成されるデータ等が格納される記憶装置である。本実施例では、メモリ409には、プログラムのほかに、作業データ410、物品データ411、棚位置情報412及び棚領域情報413が格納される。これらの内容については後述する。
【0039】
棚領域情報413は、図2に示す高密度棚配置領域101a及び通常棚配置領域107aの倉庫内における配置、大きさ、及びそれらに含まれる各区画の場所を示す情報等を含む。
【0040】
入出力インターフェース414は、操作者による情報の入力及び操作者に対する情報の出力を行うインターフェースである。具体的には、入出力インターフェース414は、例えば、キーボード、マウス、タッチセンサ及びボタン等の入力デバイスの少なくともいずれかと、画像及び文字等を出力する表示デバイスとを含んでもよいし、いわゆるタッチパネルのように一体化された入出力デバイスを含んでもよい。
【0041】
ネットワークインターフェース415は、通信ネットワーク(図示省略)を介して搬送車203(図1参照)及び後述する倉庫管理システム502(図5参照)等と通信するインターフェースである。ここで使用される通信ネットワークの種類は任意であり、有線又は無線のいずれによる通信が行われてもよい。
【0042】
補助記憶デバイス416は、例えばハードディスク装置又はフラッシュメモリといった比較的大容量の記憶デバイスである。例えば、CPUによって実行されるプログラム及びメモリ409に格納されるデータ等が補助記憶デバイス416に格納され、必要に応じてそれらの一部又は全部がメモリ409にロードされてもよい。
【0043】
図5は、本発明の実施例1の搬送システムを含んだ管理システムの機能ブロック及び処理の流れの一例を示す説明図である。
【0044】
管理システム501は、倉庫管理システム502、搬送システム503、作業ステーション509及び搬送車510を含む。これらのうち搬送システム503、作業ステーション509及び搬送車510は、それぞれ図1の搬送システム204、作業ステーション205及び搬送車203に相当する。
【0045】
倉庫管理システム502は、倉庫内の物品に関する物品データ及び作業に関する作業データを管理する。物品データは、例えば、物品の識別情報を含む。さらに、物品データは、既にいずれかの格納棚に保管されている物品については、その物品が格納された格納棚の識別情報及び位置などを含んでもよい。作業データは、例えば、配送先と当該配送先に配送される物品の識別情報との関係等が登録された配送オーダーなどを含む。具体的には、作業データは、各物品の配送先の識別情報、出庫予定日及び配送期限等を含んでもよい。さらに、物品データ及び作業データの少なくとも一方が、各物品の出庫頻度の実績、及び、各物品について将来予定されている出庫頻度の少なくとも一方を示す情報を含んでもよい。
【0046】
搬送システム503は、倉庫管理システム502から物品データおよび作業データを受け取り、作業ステーション509で作業を行なう作業指示を作成および管理する。ここで受け取ったデータが図4に示すメモリ409内の作業データ410及び物品データ411として保持される。例えば、作業指示には、ある配送先に向けてある物品を10個出庫する、という指示がありうる。格納棚の搬送指示には、ある物品を格納した棚Aを作業ステーション509に搬送する、という指示などがありうる。また、移動指示の例としては、搬送車510を棚Bが配置されている位置に移動する、という指示がありうる。
【0047】
この搬送システム503の構成の一例としては、例えば領域作成部504、領域情報データベース505、指示作成部506、格納物品入力設定インターフェース507、及び指示送信部508からなる構成が考えられる。領域作成部504、指示作成部506、指示送信部508及び領域情報データベース505は、それぞれ、図4に示す領域作成部408、指示作成部406、指示送信部407及び棚領域情報413に相当する。また、格納物品入力設定インターフェース507は、図4の入出力インターフェース414によって実現される。例えば、格納物品入力設定インターフェース507は、図3に示す入力画面401を含んでもよい。
【0048】
領域作成部504は、倉庫管理システム502から送られた、保管または出庫する物品の情報を受け取り、領域情報データベース505に登録する。格納物品入力設定インターフェース507は、領域作成部504から送られた、これから棚に保管する各物品の出庫予定日及び配送期限などの情報を出力する。例えば、格納物品入力設定インターフェース507は、図3に示す入力画面401の格納物品選択入力部404に、これから棚に保管する各物品の出庫予定日及び配送期限などを表示してもよい。
【0049】
格納物品入力設定インターフェース507によって出力された情報をもとに、入力者は、例えば図3の棚領域出力部403に一例として示されるようなランク分けされた棚配置領域のどの区画の棚に物品を格納するか決定し、決定の結果を格納物品入力設定インターフェース507に入力する。領域作成部504は、入力された情報に従って、ランク分けされた棚配置領域中のどの区画の棚に物品を格納するかを決定し、決定した情報を領域情報データベース505に登録する。
【0050】
指示作成部506は、倉庫管理システム502から送られてきた、個々の物品の保管又は出庫に関する情報と、領域情報データベース505にある物品の保管位置情報から、個々の搬送車510に伝達する搬送指示と作業ステーション509での作業指示を作成する。
【0051】
指示送信部508は、指示作成部506が作成した、搬送車510及び作業ステーション509への指示を送信する。搬送車510は、指示送信部508から送られた搬送指示をもとに、指示された棚を取り出して、物品の出庫あるいは入庫のための搬送作業を行う。作業ステーション509では、搬送車510が搬送してきた棚に対して、作業者が指示送信部508の指示に従って物品の格納または物品の出庫を行う。
【0052】
具体的には、例えば、棚に格納する必要がある物品と、区画のランクとが対応付けられた場合、指示作成部506は、その物品が格納された棚を、その物品に対応付けられたランクの区画に搬送する指示を作成し、指示送信部508がその指示を搬送車510に送信してもよい。
【0053】
なお、本実施例の格納物品入力設定インターフェース507は、少なくとも、入力者から、物品を格納する棚を置く区画のランクを指定する入力を受ける機能を有する。格納物品入力設定インターフェース507は、さらに、指定されたランクの区画が複数ある場合に、それらの区画から物品を格納する区画を指定する入力を受ける機能を有してもよい。また、特定の物品については格納物品入力設定インターフェース507がそれを格納する区画を指定する入力を受け、それ以外の物品を格納する区画は領域作成部504が決定してもよい。
【0054】
図3の例では、棚領域出力部403に、全ての区画の位置及び各区画に付与されたランクが表示されている。言い換えると、棚領域出力部403は、それぞれのランクが付与された区画の数及びそれぞれの区画の位置を示す情報を出力しているため、入力者はこれを参照して各物品を格納する区画のランク及び位置を指定することができる。ただしこのような出力方法は一例であり、棚領域出力部403には各ランクが付された棚の数を示す情報のみが出力されてもよい。その場合、入力者は各物品を格納する区画のランクのみを指定し、領域作成部504が指定されたランクの複数の区画から実際に当該物品を格納する区画を決定してもよい。
【0055】
このような本発明の実施例1によれば、高密度配置方式によって格納された物品について、過去の出庫頻度が高い物品、及び、これから出庫頻度が高くなる見込みの物品は、出庫効率が高くランク分けされた区画からの出庫が可能になる。一方、過去の出庫頻度が低い物品、及び、これから出庫頻度が低くなる見込みの物品は、低くランク分けされた区画からの出庫が可能となる。これによって、倉庫全体での棚の出庫作業効率の低下を抑えながら棚の保管効率を向上させること、及び、棚の保管効率の低下を抑えながら棚の出庫作業効率を向上させることが可能になる。
【実施例2】
【0056】
次に、本発明の実施例2について説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例2のシステムの各部は、図1図5に示された実施例1の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0057】
本発明の実施例2の管理システムは、格納物品入力設定インターフェース507が存在せず、ランク分けされた区画に格納する物品の決定は領域作成部504が行う、という点を除いて、図5に示した管理システム501と同様である。領域作成部504は、例えば、物品をその出庫頻度に従って分類し、出庫頻度の高い物品から順に出庫効率が高くランク付けされた領域に格納していくように、各物品を格納する区画を決定してもよい。これによって、第1の実施形態と同様に、倉庫全体での棚の出庫作業効率の低下を抑えながら棚の保管効率を向上させること、及び、棚の保管効率の低下を抑えながら棚の出庫作業効率を向上させることが可能になる。
【実施例3】
【0058】
次に、本発明の実施例3について説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例3のシステムの各部は、図1図5に示された実施例1の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0059】
本発明の実施例3は、実施例1及び実施例2における、複数にランク分けされた棚配置領域を生成する機能に関する。ランク分けされた棚配置領域の作成は、例えば、図5の領域作成部504によって行われる。例えば、領域作成部504は、棚の出庫に際して退避が必要となる他の棚の数が少ないほど、ランクが高くなるように決定してもよい。あるいは、領域作成部504は、出庫作業が始まってからより短い時間で棚の出庫作業が可能となるように決定してもよい。このようなランクの決定方法の詳細は図2を参照して説明した通りである。
【0060】
図6から図8は、それぞれ、本発明の実施例3の搬送システム503によって作成される棚配置領域の第1から第3の例を示す説明図である。
【0061】
例えば、図6にランク分けされた棚領域の作成の一例を示す。図2の例と同様に、高密度棚配置領域101b内の複数の区画のうち、例えば区画301b、302b、303b及び304は、それぞれ出庫に際して退避させる棚が少ないほどランクが高く、多いほどランクが低くなるように、1から4にランク分けされている。図中には、退避スペースを利用した搬送車の通路305aが作業ステーション205側を向くように形成されている。言い換えると、通路305aは、高密度棚配置領域101bの作業ステーション205に最も近い辺の最外周の区画から、その反対側の辺の方向に、当該反対側の辺まで貫通しない複数の連続する区画からなる退避スペース(すなわち空き区画)である。このような棚の配置によって、図14(a)のような退避スペースを高密度棚配置領域101bの最外周におく配置よりも、棚の退避をさせずに出庫可能なランク1の区画を増やすことが可能になる。
【0062】
図7の例では、高密度棚配置領域101cのいずれかの一辺の最外周の区画から、その辺に対向する辺の最外周の区画まで貫通する連続した区画からなる通路307が形成される。図7のように、高密度棚配置領域101cを2分割するように形成された通路を退避スペースとして利用することで、それらの退避スペースが空いている間は、ランク1が割り振られた区画の棚を作業ステーション205まで搬送するための通路が増える。このため、出庫の効率が向上する。
【0063】
図8の例では、高密度棚配置領域101dのいずれかの辺の最外周の区画のうち、当該辺の両端から2区画以上離れた区画から、当該辺に対向する辺の方向に連続し、かつ、当該対向する辺まで貫通しない複数の区画が退避スペースとして形成される。ここで、ある辺の最外周の区画のうち、当該辺の両端から2区画以上離れた区画とは、当該辺の最外周の区画のうち、当該辺の両端の区画及びそれらの両端の区画に隣接する区画を除いた区画である。このように形成された退避スペースを搬送車の通路305bとして利用することによって、退避スペースの数が同一であるという条件で図6図7の例と比較した場合、ランク1が割り振られた区画の数を多くすることが可能になる。
【0064】
なお、図6から図8のいずれの例においても、通常棚配置領域107b〜107dの区画(例えば区画306a〜306c)には最も高いランク0が付与されている。例えば特に出庫頻度が高い物品を格納する棚をこれらの区画に置いてもよい。
【0065】
上記の例のように、図5の領域作成部504は、実際の倉庫のレイアウト及び棚に格納する物品の情報をもとに最適な配置形態を自動で決定する。これによって、実施例1及び実施例2と同様に、倉庫全体での棚の出庫作業効率の低下を抑えながら棚の保管効率を向上させること、及び、棚の保管効率の低下を抑えながら棚の出庫作業効率を向上させることが可能になる。
【実施例4】
【0066】
次に、本発明の実施例4について説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例4のシステムの各部は、図1図8に示された実施例1〜実施例3の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0067】
図9は、本発明の実施例4の搬送システムを含んだ管理システムの機能ブロック及び処理の流れの一例を示す説明図である。
【0068】
実施例4の管理システム501は、搬送システム503が、ランク分けされた棚配置領域を入力できるインターフェース511を備える点を除いて、実施例3の管理システム501と同様である。この一例を図9に示す。図9において領域作成部504は図5に示したものと同じく、倉庫管理システム502から送られてきた、保管又は出庫する物品の情報を受け取る。また、領域作成部504は、棚領域情報設定入力インターフェース511から送られた、各区画のランクの情報も受け取り、それぞれのランクの区画に置かれた棚に格納する物品を確定したうえで領域情報データベース505に登録する。
【0069】
図9のシステムにおいては、入力インターフェース511は図6図8で説明したように棚領域を作成して各区画へのランクの割り振りを行う機能を有していてもよい。このとき、入力インターフェース511は、複数のキーワードを表示してそれらのいずれかを入力者に選択させるための選択欄を有してもよい。各キーワードは、例えば高密度棚配置領域中で図6のように作業ステーション205側に面した(すなわち作業ステーション205に近い)、1のランクの棚数が多くなるようにする、図7のように高密度棚配置領域から搬送するための通路を増やす、又は、図8のように1のランクの棚数が最も多くなるように配置を形成する、などの高密度棚配置領域作成方針を示すものであってもよい。入力者がそれらのいずれかを選択すると、選択された方針に基づいて、領域作成部504が図6から図8のいずれかに示すような領域作成(すなわち空き区画の設定及びランクの割り振り)を行ってもよい。
【0070】
また、領域作成は領域作成部504が例えば上記のような方法で自動的に行う一方で、一部の棚の追加及び削除など、入力者が手動で領域を修正するための入力欄を入力インターフェース511が有していてもよい。
【0071】
また、高密度棚配置領域の作成は領域作成部504が行い、各区画に付与されるランクの決定のみ、入力者が入力インターフェース511を介して行ってもよい。例えば、領域作成部504が、倉庫のレイアウト及び配置する必要がある棚の数等に基づいて、高密度棚配置領域の位置、大きさ及び形状等を決定し、さらにそこに含まれる区画のうちどこを退避スペースとするかを決定し、入力インターフェース511がその結果を出力してもよい。具体的には、上記のように入力されたキーワードに応じた棚配置領域の作成が行われてもよい。その結果、例えば、図6から図8のいずれかのような退避スペースを含む高密度棚配置領域が作成される。
【0072】
このとき、領域作成部504は、作成した高密度棚配置領域内の各区画について、そこに置かれた棚を搬送するために退避させる必要がある他の棚の数を計算し、その数の最大値と同数又はそれより多い数の退避スペースを含むように高密度棚配置領域を決定してもよい。これによって、どの棚を搬送する際にも退避スペースが不足することがない。入力者は、出力された結果を参照して退避スペース以外の各区画のランクを決定し、その結果を入力インターフェース511に入力してもよい。
【0073】
あるいは、上記とは逆に、高密度棚配置領域の作成は入力者が入力インターフェース511を介して行い、作成した高密度棚配置領域内の各区画へのランクの割り振りは領域作成部504が行ってもよい。このとき、領域作成部504は、既に説明したように、各区画に置かれた棚に格納された物品の出庫作業の効率の高さに応じてランクを決定してもよい。
【0074】
さらには、この入力インターフェース511は、図5の格納物品入力設定インターフェース507と同様に、ランク分けされた棚配置領域に格納する物品を入力者に決定させ、その結果の入力を受け付ける機能を有していてもよい。
【0075】
上記の例では、領域作成部504が高密度棚配置領域作成方針を示すキーワードに従って高密度棚配置領域を作成しているが、領域作成部504は、複数の高密度棚配置領域作成方針に従って高密度棚配置領域の複数の案を作成してそれらを出力し、いずれかを入力者に選択させてもよい。このとき、領域作成部504は、それぞれの案の高密度棚配置領域を採用した場合の高密度棚配置領域全体に対する出庫作業の効率の高さを示す指標、及び、棚の保管効率の高さを示す指標を計算して出力してもよい。
【0076】
ここで、高密度棚配置領域全体に対する出庫作業の効率の高さを示す指標とは、例えば、高密度棚配置領域に保管された全物品の出荷作業に要する時間の合計、又は、1回の出荷作業に要する時間の平均等であってもよい。棚の保管効率の高さを示す指標は、例えば、倉庫の単位床面積当たりに保管される棚の数等であってもよい。
【0077】
また、領域作成部504は、例えば、棚の保管効率が所定の条件を満たす(例えば所定の値以上である)案のうち、出庫作業の効率が最も高い案を出力してもよいし、出庫作業の効率が所定の条件を満たす(例えば所定の値以上である)案のうち、棚の保管効率が最も高い案を出力してもよい。
【0078】
以上の実施例4によれば、実施例1から実施例3と同様に、倉庫全体での棚の出庫作業効率の低下を抑えながら棚の保管効率を向上させること、及び、棚の保管効率の低下を抑えながら棚の出庫作業効率を向上させることが可能になる。さらに、上記のような入力インターフェースを備えることによって、実際の倉庫のレイアウトに合わせてより柔軟に、棚配置領域を構成することが可能になる。
【実施例5】
【0079】
次に、本発明の実施例5について説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例5のシステムの各部は、図1図9に示された実施例1〜実施例4の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0080】
図10は、本発明の実施例5の搬送システムを含んだ管理システムの機能ブロック及び処理の流れの一例を示す説明図である。
【0081】
実施例5の管理システム501は、搬送システム503が作業ステーション決定入力インターフェース512及び作業ステーション情報管理部513を備える点を除いて、実施例1から実施例4の管理システム501(例えば図5)と同様である。作業ステーション決定入力インターフェース512は、複数にランク分けされた棚配置領域ごとに、そこに置かれた棚に格納されている物品を出庫又は入庫する作業を行う作業ステーション205を決定するために使用される。
【0082】
作業ステーション情報管理部513は、少なくとも、各ランクの区画に置かれた棚の物品に対する作業を行う作業ステーション205を識別する情報を含み、メモリ409(図4参照)内に保持される。例えば、入力者が区画のランクと複数の作業ステーション205のいずれかとを対応付ける情報を作業ステーション決定入力インターフェース512に入力すると、その情報が作業ステーション情報管理部513に格納される。
【0083】
図10において領域作成部504は、図5に示した領域作成部504と同じく、倉庫管理システム502から送られてきた、保管又は出庫する物品の情報を受け取る。また、領域作成部504は、作業ステーション決定入力インターフェース512から送られた、複数にランク分けされた棚領域ごとに出庫する又は入庫する物品を扱う作業ステーション205の情報を受け取り、指示作成部506に送信する。
【0084】
この作業ステーション決定入力インターフェース512は、複数にランク分けされた棚配置領域の全ての区画に対して、入出庫作業を行う作業ステーション205(例えば図6参照)を割り当てる機能を有していてもよい。また、作業ステーション決定入力インターフェース512は、特定の棚配置領域に対して作業ステーション205を割り当てる機能を有していてもよい。また、作業ステーション決定入力インターフェース512は、例えば図6において0から4の数字でランク分けされた棚配置領域のうち、一つの領域(すなわち0から4のうちいずれかのランクが付された領域)に一つの作業ステーション205(例えば図6に示す作業ステーション205aから205gのいずれか)を割りあてるような入力インターフェースを有していてもよいし、一つの領域に複数の作業ステーション205を割り当てるような入力インターフェースを有していてもよい。あるいは、ランク分けされた棚領域中の2領域又は3領域といった複数の領域に対して1つの作業ステーション205を割り当てるような入力インターフェースを有していてもよい。
【0085】
例えば、指示作成部506は、これからいずれかのランクが付与された区画に格納される物品の入庫作業を行う場合に、その物品が格納される棚(すなわちこれから上記のランクが付与された区画に置かれる棚)を、そのランクに対応する作業ステーション205に搬送する指示を作成してもよい。同様に、指示作成部506は、いずれかのランクが付与された区画に置かれている棚に格納された物品の出庫作業を行う場合に、その棚を、そのランクに対応する作業ステーション205に搬送する指示を作成してもよい。作成された指示は、指示送信部508によってネットワークインターフェース415(図4)を介して搬送車510に送信される。
【0086】
また、本実施例の作業ステーション決定入力インターフェース512は、図9に示した棚領域情報設定入力インターフェース511、及び、図5に示した格納物品入力設定インターフェース507の少なくとも一方の機能を兼ね備えていてもよい。
【0087】
以上の実施例5によれば、例えばある高密度棚配置領域中に格納した物品群を優先的に入庫又は出庫するなどの作業が可能になる。あるいは、ランク分けされた領域ごとに、搬送車510が棚を短い時間で出庫できる作業ステーション205を割り当てることが可能になり、入庫及び出庫の作業の効率が向上する。
【実施例6】
【0088】
次に、本発明の実施例6について説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例6のシステムの各部は、図1図10に示された実施例1〜実施例5の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0089】
実施例6の管理システム501は、複数にランク分けされた棚配置領域ごとに出庫又は入庫する物品を扱う作業ステーション205を自動で決定する機能を有する点を除いて、実施例4の管理システム501(図9)と同様である。この機能は、例えば領域作成部504が有してもよい。実施例6の搬送システム503は、領域作成部504が決定した作業ステーション205(例えば図6参照)の情報を保持するために、実施例5の搬送システム503と同様に、作業ステーション情報管理部513(図10参照)を有する。
【0090】
各ランクの領域に対応する作業ステーション205は、例えば、メモリ409(図4)に格納されている各物品の出庫頻度の情報と、各物品が格納されている棚の区画の情報と、その区画のランクの情報と、に基づいて、所定の期間(例えば1日)に行われる出庫作業全体で平均したときに、搬送車510による作業ステーション205への棚の搬送の1回あたりの搬送時間又は移動距離が最小となるように決定されてもよい。また、各ランクの棚配置領域ごとに格納されている物品の出庫頻度の変動に合わせて、入出庫作業全体が短い時間で終わるように決定されてもよい。これによって、実施例1から5と同様に倉庫全体での棚の出庫作業効率向上及び棚の保管効率の向上が可能になる。
【実施例7】
【0091】
次に、本発明の実施例7について説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例7のシステムの各部は、図1図10に示された実施例1〜実施例6の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0092】
実施例7の管理システム501は、複数にランク分けされた棚配置領域中の棚を異なるランクの領域中の棚と入れ替える機能を有する点を除いて、実施例1から実施例6の管理システム501と同様である。例えば図6において、それぞれランク1から4が付された区画301b、302b、303b、及び304に置かれた棚を出庫する際には、図1の棚の出庫作業の一例に示すように、棚の退避作業にともなって元々の棚位置が変わってしまうことがある。その結果、出庫作業が進むにつれて、例えば出庫頻度が低い物品を保管している棚がランクの高い区画に置かれるなど、もとの領域構成が変わることも起こりえる。また、棚に格納されている物品の出庫頻度が例えば時期ごとに変動するといったことも起こりえる。このような場合には、それぞれの棚が、格納されている物品の出庫頻度の高さに応じたランクの区画に置かれるように、異なるランクが付された区画の間で棚を入れ替える作業が発生しうる。実施例7では、このような状況において、複数にランク分けされた棚配置領域中の棚を入れ替える機能を有する。
【0093】
図11は、本発明の実施例7の管理システム501によって実行される棚の入れ替え作業の一例を示すフローチャートである。
【0094】
例えば、棚の入れ替え作業がスタートすると(ステップ1101)、搬送システム503は、初めに休憩時間又は夜間など棚の入れ替え作業が行える空き時間の長さを検出する(ステップ1102)。次に、搬送システム503は、棚の入れ替え作業に要する時間を検出した後で、空き時間の範囲内で実行可能な棚の入れ替え作業の内容を決定する(ステップ1103)。搬送システム503が、決定した入れ替え作業を行う指示を搬送車510に送信すると、搬送車510が入れ替え作業を開始する(ステップ1104)。搬送車510による入れ替え作業が終了した後に(ステップ1105)、空き時間が終了して、出庫作業が開始される(ステップ1106)。
【0095】
図12及び図13は、本発明の実施例7の管理システム501によって実行される棚の入れ替え作業の一例を示す説明図である。
【0096】
図12は、一例として、高密度棚配置領域101eに置かれている棚と、通常棚配置領域107eに置かれている棚とを、搬送車203bが空き時間を利用して入れ替える様子を示す。例えば、搬送車203bは、通常棚配置領域107eに置かれている棚のうち、出庫頻度が高い物品を格納する棚を高密度棚配置領域の空き区画103cに搬送し、高密度棚配置領域101eに置かれている棚のうち、出庫頻度が低い物品を格納する棚を通常棚配置領域107eの空き区画106に搬送してもよい。
【0097】
同様の要領で、搬送システム503は、高密度棚配置領域101e内のランクが異なる二つ以上の区画に置かれている棚を入れ替える作業の指示を作成して搬送車203bに送信してもよい。
【0098】
図13には、空き時間が全くないときの例として、作業ステーション205で出庫作業を終えた後に、このあと(例えば同じ日のうちに)出庫予定がある商品を格納している棚を搬送車203cが通常棚配置領域107e内の区画に戻し、出庫予定がある商品を格納していない棚は搬送車203dが高密度棚配置領域101e内の区画に戻す例を示す。
【0099】
このような棚の入れ替え作業は、例えば図5図9及び図10の領域作成部504が決定してもよいし、入力者が図9の棚領域情報設定入力インターフェース511に入力してもよい。指示作成部506は、領域作成部504によって決定された、又は棚領域情報設定入力インターフェース511に入力された入れ替え作業を実行する指示を作成し、指示送信部508が作成された指示を搬送車510(すなわち搬送車203)に送信する。
【0100】
以上の実施例7によれば、高密度棚配置領域101eからの、棚退避を要するような出庫を行うことで、ランクに適合した初期の棚の位置が変わってしまってもそれを元に戻すことが可能となる。また格納物品の出庫頻度などの変化に対応して、ランク分けされた棚配置領域中の棚を入れ替えることが可能となる。
【実施例8】
【0101】
次に、本発明の実施例8について説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例8のシステムの各部は、図1図13に示された実施例1〜実施例7の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0102】
実施例8の管理システム501は、実施例7の管理システム501と同様に、いずれかのランクが付与された区画の棚を異なるランクの区画の棚と入れ替える機能を有する。倉庫中において物品の入庫または出庫を繰り返すと入庫の時期が異なる同一物品(すなわち同一品目の物品)が格納される状況が生じ得る。実施例8の管理システム501は、複数にランク分けされた棚配置領域において、入庫の日付が同じ(又は近い)物品が同一のランクの区画の棚に格納され、入庫の時期の古い物品を格納した棚ほど、低いランクの区画に置かれるように、定期的あるいは不定期的に棚を入れ替える機能を有する。
【0103】
このような棚の入れ替え作業は、例えば図5図9及び図10の領域作成部504が決定してもよいし、入力者が図9の棚領域情報設定入力インターフェース511に入力してもよい。前者の場合、物品データ411(図4)が各物品の入庫日及び各物品が格納されている棚の情報を含んでもよい。例えば、領域作成部504は、物品データ411、棚位置情報412及び棚領域情報413(図4)を参照して、同一品目の物品が複数の棚に格納されている場合に、入庫時期が同一の又は近い物品が格納された棚が同一のランクの区画に置かれるように、それらの棚が置かれている区画を入れ替えることを決定してもよい。より具体的には、例えば、領域作成部504は、同一品目の物品が格納されている二つの棚のうち、より入庫時期が遅い物品が格納された棚がより高いランクの区画に置かれている場合に、より入庫時期が早い物品が格納された棚がより高いランクの区画に置かれるように、それらの棚を入れ替えることを決定してもよい。
【0104】
以上の実施例8によれば、入庫時期が古い物品が長く棚に残り続けることで、品質が劣化するといった問題の発生を防ぐことが可能になる。
【0105】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0106】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0107】
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0108】
202 保管エリア(棚配置領域)
101 高密度棚配置領域
107 通常棚配置領域
201 倉庫
203、510 搬送車
204、503 搬送システム
205、509 作業ステーション
206 入出力インターフェース
図1
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