(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
懸濁媒体中に分散した、少なくとも1つのアミノプラストコアシェル型マイクロカプセルを含む、カプセル封入された香料組成物であって、少なくとも1つのマイクロカプセルが、アミノプラスト樹脂の架橋ネットワークを含むシェル中にカプセル封入された香料含有コアを含み、ここで少なくとも1つのマイクロカプセルが、正に荷電され、アミノプラスト樹脂の架橋ネットワーク内に分散しているのが、正に荷電されたポリマーコロイド安定剤であり、正に荷電されたポリマーコロイド安定剤が、多原子カチオンを保有する両性のポリマーである、前記カプセル封入された香料組成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の詳細な記載
香料含有コアシェルマイクロカプセルが、香料成分がそれらのコアから、および外部の懸濁媒体中に漏出する傾向があり、特に外部媒体が界面活性剤を含む場合そうであり、本発明のカプセル封入された香料組成物が良好な香料保持を示すことは、当該技術分野において周知である。特に、本発明のカプセル封入された香料組成物は、摂氏37度で18カ月の期間にわたって水性スラリーとして保存した後に、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、およびより特定的に80%より大きい全カプセル封入された香料を保持することができる。さらに、本発明のカプセル封入された香料組成物は、摂氏37度で4週間の期間にわたって布用柔軟剤の基剤に懸濁させた後に、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、およびより特定的に80%より大きい全カプセル封入された香料を保持することができる。
【0019】
良好な漏出安定性に加えて、本発明のカプセル封入された香料組成物はまた、望ましい香料類の利点を、それを組み込む消費者製品にもたらす。
【0020】
カプセル封入された香料組成物が消費者製品に対してもたらし得る香料類の利点は、基体、例として布、毛髪または皮膚が摩擦される場合に知覚される香料強度(つまり摩擦後の性能)の点から測定可能である。これは、持続性および保持された香料性能を示す。基体、例えば皮膚および毛髪、ならびに布、例えば綿、綿との混紡、ビスコース、絹および羊毛上のアミノプラストコアシェル型マイクロカプセルの持続性は、先行技術において、カチオン性の堆積助剤、例えば既知のカチオン性に荷電したポリマーのいずれかのコーティングを、マイクロカプセル壁に、典型的には後のコーティングステップにおいて適用することによって対処される。後のコーティングは基体表面のためのマイクロカプセルの親和性を増大させ、したがって香料持続性を増大させる点で利点を提供することができるが、余分なプロセスステップおよび品物のコストによって、製造のコストが追加される。さらに、それらで正味の正電荷を与える前に、カチオンのポリマーが負に荷電したマイクロカプセルを中和することが最初に必要であるので、相対的に大量のカチオン性ポリマーを後のコーティングステップにおいて使用することが必要であり得る。
【0021】
マイクロカプセルをカチオン性の堆積助剤で、後にコーティングすることもまた複雑であり、マイクロカプセルがその香料を放出する割合に対するその効果は予測不能であり得る。特に、後のコーティングの有効性および堆積の質は、堆積助剤の微妙な界面化学との互換性に依存するであろう。マイクロカプセル表面は、カチオン性ポリマーについて懸濁媒体と競合し、それは、界面活性剤および他の荷電した材料の複雑な混合物を含んでもよい。そのため、後のコーティングは、部分的であるに過ぎないかまたは完全であり得、後のコーティングの厚さにおけるあらゆる可変性は、香料が放出される速度に影響し得る。尚さらに、コーティングの範囲および厚さはまた、それがマイクロカプセルの表面に固定され続けることではなく周囲の懸濁媒体中にはげ落ちるに伴って時間とともに変化し得る。
【0022】
本発明のカプセル封入された香料組成物において、コロイド安定剤として作用する正に荷電されたポリマーを、シェル形成中にシェル中に包埋し、後のコーティングと異なり、シェルから分離されることに対して耐久性である。この効果は、マイクロカプセルが、実質的に長時間にわたって安定であり、外部の懸濁媒体の性質に対して実質的に感受性でない正電荷を保持するということである。
【0023】
本発明の特別の特徴は、カプセル封入された香料組成物が、それらが正に荷電されたマイクロカプセルを含むことを特徴とし、それが、マイクロカプセルを例えば後のコーティングステップの間にカチオン性の堆積助剤でコーティングすることを必要とせずにカチオン性であることである。
【0024】
したがって、本発明の態様において、本明細書中に記載したカプセル封入された香料組成物を形成する方法であって、前記方法が、正に荷電されたポリマーコロイド安定剤の存在下で懸濁媒体中で少なくとも1つの香料含有小滴の分散体を形成し、その後、架橋アミノプラストのカプセル封入シェルが前記少なくとも1つの小滴の周囲に形成させるステップを含む、前記方法を提供する。
【0025】
当然、正味の正電荷をマイクロカプセルに対して付与するためにコロイド安定剤を使用することは、後のコーティングによってマイクロカプセルを被覆する必要性を回避する利点を有し、堆積助剤で後にコーティングしない本明細書中に記載したカプセル封入された香料組成物は、本発明の好ましい側面を形成し、当業者は、それが任意の目的をそのように望む場合、カプセル封入された香料組成物マイクロカプセルをカチオン性の堆積助剤で後にコーティングすることができる。
【0026】
本発明の態様において、アミノプラストの架橋ネットワークを含むシェル中にカプセル封入された香料含有コアを含む、懸濁媒体中に分散した少なくとも1つの正に荷電されたアミノプラストコアシェル型マイクロカプセルを含む、カプセル封入された香料組成物を提供し、かつここで前記少なくとも1つのマイクロカプセルを、カチオン性の堆積助剤でコーティングしない。
【0027】
本発明のカプセル封入された香料組成物は、マイクロカプセルが正のゼータ電位を有する、すなわちマイクロカプセルが正味の正電荷を担持することを特徴とする。
より特定的な態様において、正のゼータ電位は、25mV以上であり得る。
【0028】
尚より特定的な態様において、カプセル封入された香料組成物は、マイクロカプセルが50mV+/−5mVより高いゼータ電位を有することを特徴とする。
50mVは、一般にマイクロカプセル、特にアミノプラストマイクロカプセルに対してやや高いゼータ電位を表し、それは、マイクロカプセルが凝集に対して耐久性があり得る程度を示す。
【0029】
ゼータ電位は、当該技術分野において周知の用語である。それは、特定の測定手法によって測定されるように、懸濁液においてあらゆる電気的に荷電した対象、例えばマイクロカプセルによって生成した明白な静電ポテンシャルを記載するために使用する用語である。ゼータ電位の理論的基礎および実際的な関連の詳細な議論は、例えば「Zeta Potential in Colloid Sciences」 (Robert. J. Hunter; Academic Press, London 1981, 1988)中に見出され得る。対象のゼータ電位を、対象の表面からある距離で測定し、表面自体での静電ポテンシャルとは一般に等しくなく、これより低い。しかしながら、その値は、溶液中に存在する他の対象、例えば界面活性剤、高分子電解質および表面との電的相互作用を確立するための対象の能力の好適な手段を提供する。
【0030】
ゼータ電位を測定するための方法および装置は、当該技術分野において周知である。本場合において、本出願人は、マイクロカプセルのゼータ電位を、位相解析光散乱法によって、Zetasizer Nano Z機器(Malvern)を使用して測定した。
マイクロカプセルのゼータ電位を、水性緩衝液中でpH7で測定した。好適な緩衝液系は、KH
2PO
4/Na
2HPO
4の水溶液である。測定のより詳細な記載を、以下の例において提供する。
【0031】
ゼータ電位の測定によって、正に荷電されたコロイド安定剤が、どれくらいしっかりとマイクロカプセルのアミノプラストシェル内に捕獲されるように見えるかの指標が提供され得る。例えば、本出願人は、マイクロカプセルの懸濁液のゼータ電位を測定し、それらをろ過し、それらを洗浄し、ゼータ電位測定を繰り返す前にそれらを再構成し、洗浄前および洗浄後のゼータ電位が50mV+/−5mVで著しく一定のままであったことが見出された。
【0032】
正に荷電されたポリマーがカプセル封入された香料組成物の調製においてコロイド安定剤として作用し、またマイクロカプセル上の十分な正味の正電荷を付与して、基体へのそれらの親和性を増強し、摩擦後の性能を改善することができ、カチオン性の堆積助剤でのカプセルの、標準となった、後のコーティング処理を使用することが必要ではなかったので、その使用はまた、製造プロセスを単純化したことは、全く単に驚くべきではなかった。
【0033】
尚さらに、摩擦後の性能に加えて、ますます、顧客は、基体にいかなる機械的な力(つまり擦ること)をも適用する必要のない香料強度(いわゆる「摩擦前」の性能)を捜している。顧客は、シャンプーおよび他のパーソナルクレンジング組成物と同様に消費者製品に布用の洗剤および柔軟剤において特に望ましい新鮮味を前もって与えるとして摩擦前の性能を知覚する。正に荷電されたポリマーのカプセル封入された香料組成物の形成におけるコロイド安定剤としての使用によっては、摩擦前の香料の衝撃は少なくとも低減されず、ある場合にはそれを改善した。
【0034】
コロイド安定剤の使用は、アミノプラストコアシェル型マイクロカプセルの調製において重要である。それは、シェルの質を制御するのに役立ち、前記質は今度は、使用におけるマイクロカプセルの安定性という香料の性能と直接的な関係を有するであろう。上に述べたように、アニオンのコロイド安定剤を使用することは標準となっており、実際に、スルホネート官能化アクリルポリマーをベースとした高性能のアニオン性コロイド安定剤は、LUPASOL PA 140またはLUPASOL VFR(共にex BASF)商標で市販されている。
【0035】
したがって、これらの高性能かつ標準となったアニオン性材料を本発明において使用する正に荷電されたコロイド安定剤で置き換え、尚良好な摩擦後の香料強度のみならず、良好な摩擦前の強度をもまた示すカプセル封入された香料組成物を生産することができたことは、まったく驚くべきことであった。実際に、本発明のカプセル封入された香料組成物を含有する消費者製品は、アニオン性アミノプラストマイクロカプセルと比較して、望ましい香料類の利点を、消費者製品の適用のすべての段階(例として湿潤段階、摩擦前および摩擦後)にて与えることができる。
【0036】
本発明を実践するにあたって、コロイド安定剤として使用する正に荷電されたポリマーは、多原子カチオンを保有する両性ポリマー、こより特定的には多原子カチオンを保有する両性コポリマーであってもよい。
本発明の態様において、コロイド安定剤は、1〜99mol%のカチオン単位;および1〜99mol%の、アニオンを形成し得る単位、を含む両性コポリマーである。
【0037】
より特定的な態様において、コポリマーは、1〜99mol%のカチオン単位;および1〜99mol%の、アニオンを形成し得る単位、を含むターポリマーであってもよい。より特定的には尚、ターポリマーは、1〜99mol%のカチオン単位;1〜99mol%の、アニオンを形成し得る単位;および0〜50mol%の非イオン単位、を含む。
【0038】
本発明の態様において、コロイド安定剤は、2〜99mol%、尚より特定的には30〜95mol%、より特定的には尚60〜90mol%のカチオン単位;および1〜98mol%、より特定的には5〜70mol%、尚より特定的には10〜40mol%の、アニオンを形成し得る単位;および0〜50mol%、より特定的には0.1〜5mol%の非イオン単位を含む両性コポリマーである。
【0039】
「単位」とは、ポリマーの2価の部分を意味し、これは、特定のモノマーの反応から誘導され、したがってカチオン単位は、カチオン性モノマーから誘導され、アニオンを形成し得る単位は、アニオン形態で存在し得る官能基を含有するモノマーから誘導され、非イオン単位は、非イオン性モノマーから誘導される。
【0040】
本発明の態様において、両性のポリマーは、これがアニオンを形成し得る単位を含有するより多くのカチオン単位を含有し、これ自体でこれが正味の正電荷を有することを特徴とする。
本発明の態様において、多原子のカチオンは、pH非依存性である。
本発明の態様において、多原子のカチオンは、四級アンモニウム基によって提供される。
【0041】
本発明の態様において、カチオン単位は、四級アンモニウムイオン官能性を保有するモノマーから誘導され、前記モノマーは、アクリルアミド、アクリル、ビニル、アリルまたはマレインから選択される。特に、および限定されない方法において、カチオン性モノマーは、好ましくは、四級化ジメチルアミノエチルアクリレート(ADAME)、四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート(MADAME)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)およびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)からなる群から選択される。最も好ましいカチオン性モノマーは、MAPTACである。
【0042】
本発明の態様において、アニオンを形成し得る単位は、アクリルベースのモノマーからなる群から選択されるモノマーから誘導され、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸および強酸モノマー、例えばスルホンまたはホスホン酸タイプ官能を有するモノマー、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、スチレンスルホン酸を包含する。アクリルベースのモノマーはまた、これらのモノマーのいずれの水溶性塩でもあり得る;ここで塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムの塩である。最も好ましいアクリルベースのモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸またはその水溶性塩である。
【0043】
本発明の態様において、非イオン単位は、水溶性ビニルモノマー、およびより特定的にはアクリルアミド、メタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、NN−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドからなる群から選択される非イオン性モノマーから誘導される。N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピリジンおよび/またはN−ビニルピロリドンもまた、使用することができる。好ましい非イオン性モノマーは、アクリルアミドである。
【0044】
特定の態様において、コロイド安定剤は、四級アンモニウム基を含有するカチオン性モノマー;およびアニオンを形成し得るモノマー、より特定的にはアクリル酸、メタクリル酸またはその誘導体をベースとしたモノマーから形成される両性コポリマーである。
【0045】
より特定的な態様において、両性のコポリマーは、アクリル酸またはメタクリル酸、およびアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)またはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)のコポリマーである。
尚より特定的な態様において、両性のコポリマーは、アクリル酸モノマー、MAPTACモノマーおよびアクリルアミドモノマーから形成されるターポリマーである。
【0046】
より好ましい態様において、アクリル酸/MAPTACコポリマー、より特定的にはターポリマーは、1〜2モル当量のアクリル酸モノマーを4モル当量のMAPTACモノマーと、より特定的には1モル当量のアクリル酸モノマーを4モル当量のMAPTACモノマーに対して、および尚より特定的には1.6モル当量のアクリル酸モノマーを4モル当量のMAPTACモノマーに対して、反応させることにより形成する。
【0047】
本発明の態様において、コポリマーは、少なくとも100,000g/molの、より特定的には少なくとも500,000g/molの分子量を有する。
本発明によるカプセル封入された香料組成物において使用してもよい両性ポリマーの量は、組成物の重量に基づいて1〜20wt%、より特定的には2〜10wt%であり得る。
【0048】
両性ポリマーを、当業者に周知の重合手法を使用して調製することができる。これらの既知の重合手法は、溶液重合;ゲル重合;沈殿重合;逆エマルション重合;水性エマルション重合;懸濁重合;およびミセル重合を包含する。
【0049】
両性ポリマーは、少なくとも1種の構造化剤(structuring agent)によって構造化することができ、それは、ポリエチレン系不飽和モノマー(少なくとも2つの不飽和官能基、例えばビニル、アリルおよびアクリルを有する)、ならびにエポキシ官能基を有する化合物を含む群から選択され得る。例えば、かかる構造化剤は、メチレンビスアクリルアミド(MBA)、トリアリルアミンおよびポリエチレングリコールジアクリレートを包含する。あるいはまた、マクロ開始剤(macro intiators)、例えばポリペルオキシド、ポリアゾ化合物およびポリトランスファー剤(polytransfer agent)、例えばポリメルカプタンポリマーを、使用してもよい。
【0050】
本発明の別の側面は、カプセル封入された香料組成物を調製する方法に関する。
マイクロカプセルは、シェルを形成する材料を香料含有油小滴の周囲で重縮合させてアミノプラストシェルを形成する際に形成し、それを、好適な架橋剤で架橋させることができる。
【0051】
好適な、シェルを形成する材料は、当該技術分野において周知である。特に有用な、シェルを形成する材料は、当該技術分野において知られているアミノ−アルデヒド前縮合物のいずれかである。アミノ−アルデヒド前縮合物は、反応生成物、例えば少なくとも1種のアミン、例えば尿素、チオ尿素、アルキル尿素、6−置換−2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、例えばベンゾグアナミンまたはグリコールウリル、およびメラミン;ならびに少なくとも1種のアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサールまたはグルタルアルデヒドのポリマーまたはコポリマーであり得る。
【0052】
好ましい態様において、メラミン−ホルムアルデヒド前縮合物を、アミノプラストマイクロカプセルの形成において使用する。メラミン−ホルムアルデヒド前縮合物は、メチロール化メラミンを生成するためのメラミンのホルムアルデヒドとの反応によって生成する。メチロール化メラミンをまた、メタノールで処置して、メトキシメチル化メチロールメラミンを形成してもよい。
【0053】
アミノプラスト樹脂シェルの調製において使用するための好適な架橋剤は、脂肪族、芳香族またはポリマーポリオールである。好適なポリオールは、フェノール、3,5−ジヒドロキシトルエン、ビスフェノールA、レゾルシノール、ヒドロキノン、キシレノール、ポリヒドロキシナフタレン、およびセルロースおよびフミン酸の分解によって生成されたポリフェノールからなる群から選択され得る。好適な脂肪族ポリオールの例は、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,1,1−トリス−(ヒドロキシメチル)−プロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、糖などを包含するが、これらには限定されない。
【0054】
架橋剤の使用によって、マイクロカプセル安定性が改善され、香料保持が増大し、漏出による香料の損失が低減される。
特に好ましい架橋剤は、レゾルシノールである。レゾルシノールを、アルデヒド、例えばホルムアルデヒドと反応させて、様々な置換の程度を有するメチロール化レゾルシノールの混合物を形成してもよい。
【0055】
アミノプラスト樹脂シェルは、相互に結合した複雑な構造を有し、これは、アミノアルデヒド縮合物および架橋剤縮合物を含有すると考えられる。これらの縮合物の相対量は、あらゆる重縮合反応において使用する前縮合物および架橋剤の量によって決定されるであろう。
【0056】
シェルを形成する材料および架橋剤は、US 8,119,587に開示されており、、参照によって本明細書中に組み込まれる。
本発明によるカプセル封入された香料組成物は、典型的には重縮合のプロセスによって形成する。
【0057】
香料成分を、前縮合物、安定化ポリマー、界面活性剤、架橋剤などの様々な混合物を含有する水相中に、カプセルシェルの形成に先立って分散させるようにカプセル封入することが必要であることは、カプセル封入プロセスの共通の特徴である。これらの成分を、一緒に混合し、いずれの順序において水相中に分散させてもよい。しかしながら、本発明に従って、乳化ステップは、本明細書中に記載した正に荷電されたポリマーコロイド安定剤の存在下で試みられる。
【0058】
本発明の態様において、カプセル封入プロセスは、香料油の水中油エマルションを、中〜高せん断の下、コロイド安定剤、シェルを形成するアミノアルデヒド前縮合物、ならびに架橋剤の存在下で形成することにより進行する。
反応条件、例えば温度、撹拌速度およびミキサーの形状を、所望の平均マイクロカプセルサイズ範囲およびマイクロカプセルサイズ分布を得るために選択してもよく、当該パラメーターの選択は、十分当業者の視野内である。
【0059】
その後、混合物を、連続的撹拌の下で、約3〜4、より特定的には3.2〜3.8のpHに、好適な酸、例えばブレンステッド酸、例えばギ酸の添加によって調整することができる。温度を、この段階で摂氏約75度+/−摂氏5度、またはより特定的には摂氏90+/−5度まで上昇させることができる。このステップの間、カプセル封入シェルは、香料油小滴の周囲で縮合し、架橋によって固化する。架橋は、温度を約35℃またはそれより高い温度に上昇させる際に開始する。
【0060】
ホルムアルデヒド捕捉剤、例えばエチレン尿素を、このステップの間に加えてもよい。
得られたマイクロカプセルスラリーを冷却し、懸濁させたマイクロカプセルを懸濁剤を使用して安定化する。スラリーのpHをまた、この段階で、約5〜7、より特定的には5.7〜6.7の範囲内に、好適なアルカリ性物質、例えばアンモニアの添加を伴って調整してもよい。この段階で、殺生物剤をスラリーに加えることはまた、標準となっている。
【0061】
本発明の態様において、本明細書中に記載したカプセル封入された香料組成物を生成する方法を提供し、当該方法は、正に荷電されたポリマーコロイド安定剤の存在下で水性懸濁媒体中で少なくとも1つの香料含有小滴の分散体を形成し、その後架橋したアミノプラストのカプセル封入シェルが前記少なくとも1つの小滴周囲に形成し始め、シェルを架橋によって固化させるステップを含む。
【0062】
より特定的な態様において、方法は、以下のステップを含む:
a)正に荷電されたポリマーコロイド安定剤、シェル形成メラミンホルムアルデヒド前縮合物および任意に架橋剤を含む水相を提供すること;
b)カプセル封入するべき香料成分を含む油相を提供すること;
【0063】
c)水相および油相を反応器中で混合して、水性外部相中に分散させた香料成分の小滴を含むエマルションを形成すること;
d)反応器内のpHおよび温度を調整して、小滴の周囲のコアセルベーションおよびシェル形成を開始し、それによってコアシェル型マイクロカプセルを形成すること;ならびに
e)反応器内の温度を調整して、架橋を開始し、前記コアシェル型カプセルのシェルを固化させ、その後冷却して、スラリーの形態でカプセル封入された香料組成物を形成すること。
【0064】
得られたスラリーを、pHを約5.5〜約7の範囲内に調整し、抗菌剤および懸濁剤を加えて、マイクロカプセルがスラリー内に良好に分散し続けることを確実にすることによりさらに処理してもよい。
【0065】
スラリーは、約20〜60%の範囲内の、より特定的には約30〜50%の固形分を有してもよい。本明細書中で使用する用語「固形分」は、スラリーの全重量(つまりシェル材料およびコア内容物の合わせた重量)の百分率として表したマイクロカプセルの全重量を指す。カプセル封入された香料の全重量は、スラリーの重量に基づいて約30〜45重量%、より特定的には約35〜40重量%にあってもよい。
【0066】
マイクロカプセルのシェル対コア比率は、洗浄し、ろ過によって分離した有効な量のマイクロカプセルを測定することにより得ることができる。湿気を帯びたマイクロカプセルのケーク(cake)を、次にマイクロ波溶媒抽出法を使用して抽出し、コア物質の量を、ガスクロマトグラフ分析を使用して測定することができる。
【0067】
本明細書中に記載した本発明の方法に従って、少なくとも8:2、より特定的には少なくとも9:1のコア対シェル重量比を有するマイクロカプセルを含むカプセル封入された香料組成物を調製することが、可能である。かかるコア対シェル重量比によって特徴付けられるマイクロカプセルは、高負荷量の香料組成物を含むことができ、保存、輸送および本明細書中に開示される種々雑多の消費者製品中への組み込みなどの、製造、および供給プロセス(supply chain)に関する他の操作を乗り切るのに十分に強健である。さらに、使用において、それらは、より完全に本明細書中に記載したように、香料を望ましい方式において放出することに関して適度な力の下で破壊可能である。
【0068】
本発明のカプセル封入された香料組成物は、所望により、いかなる場所にも1〜1000μmの体積平均直径(D50)を有するマイクロカプセルに含まれ得る。しかしながら、安定であり、性能の良い(performing)カプセル封入された香料組成物は、より典型的には、5μm〜50μm、尚より特定的に5μm〜20μm、例えば10μmの平均直径(D50)を有するマイクロカプセルを含む。体積平均直径は、光散乱測定を行うことにより、Malvern 2000S機器を使用して、当該技術分野において一般に知られている手法を使用して得られる。
【0069】
驚くべきことに、所与のマイクロカプセル平均直径について、より特定的には5〜20μm、およびより特定的には5〜8μmのマイクロカプセル平均直径について、本発明による正に荷電されたコロイド安定剤を使用して生成したカプセル封入された香料組成物は、先行技術のアクリルベースのアニオン性コロイド安定剤を使用して生成したカプセル封入された香料組成物と比較して、基体上に堆積した際に改善された香料類の利点を呈することが、発見された。
【0070】
粒度分布は、上に記載した香料類の利点を与えることについて重要であるのみならず、それはまた、美学的な見解からも重要である。マイクロカプセルは、スラリー中に容易に分散可能でなければならない。過度にクリーム状になることまたは沈降または大きく、かつ視認可能な凝集体の存在は、見苦しいのみならず;それはまた、スラリーを消費者製品の基剤中に包含させようとする調合者の意識において、性能および品質に関しての負の知覚を生み出し得る。極端な場合において、それは、実際にスラリーの性能および品質に影響し得る。
【0071】
かかる負の知覚を回避するために、マイクロカプセルをスラリー内に良好に分散させるべきであるのみならず;マイクロカプセルがスラリーを消費者製品の基剤中に包含させる際に凝集しないこともまた高度に重要であることが、望ましい。述べたように、これは、先端技術のメラミン−ホルムアルデヒドマイクロカプセルに関する問題であり得る。しかしながら、本発明に従って生成したカプセル封入された香料組成物は、従来のマイクロカプセルで観察された凝集現象に対して耐久性があるマイクロカプセルを含む。
【0072】
本発明のカプセル封入された香料組成物は、さらにマイクロカプセルのシェル厚さの点から特徴付けられ得、それは、10〜500nm、より特定的には50〜150nmの範囲内であり得る。さらに、マイクロカプセルのシェル対コア質量比は、30%未満、尚より特定的には20%未満、より特定的には10%未満であり得る。
【0073】
本明細書中で述べたように、本発明のカプセル封入された香料組成物は、水性懸濁媒体中に分散させたマイクロカプセルのスラリーの形態で得られる。懸濁剤を加えて懸濁媒体中のマイクロカプセルを安定化することは、標準となっている。
【0074】
懸濁剤は、典型的には、クリーム状になること、マイクロカプセルの凝析または沈降を防止することによりスラリー中のマイクロカプセルの物理的安定性を改善する親水コロイドである。親水コロイドの例は、ポリ炭水化物(polycarbohydrate)、例えばデンプン、加工デンプン、デキストリン、マルトデキストリンおよびセルロース誘導体、ならびにそれらの四級化形態;天然ゴム、例えばアルギネートエステル、カラギーナン、キサンタン、寒天、ペクチン、ペクチン酸、ならびに天然ゴム、例えばアラビアゴム、トラガカントゴムおよびカラヤガム、グアーゴムおよび四級化グアーゴム;ゼラチン、タンパク質加水分解物およびそれらの四級化形態;合成ポリマーおよびコポリマー、例えばポリ(ビニルピロリドン−コ−酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール−コ−酢酸ビニル)、ポリ((メタ)アクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート−コ−(メタ)アクリル酸)、ポリ(アクリル酸−コ−マレイン酸)コポリマー、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルエーテル−コ−無水マレイン酸)など、ならびにポリ−(エチレンイミン)、ポリ((メタ)アクリルアミド)、ポリ(アルキレンオキシド−コ−ジメチルシロキサン)、ポリ(アミノジメチルシロキサン)など、ならびにそれらの四級化形態を含む。
【0075】
マイクロカプセルの高い正のゼータ電位特性に注意を有して、特に物理的に安定であり、低粘度のスラリーが、カチオン性懸濁剤を使用する際に得られ得ることが、見出された。特に有用なカチオン性懸濁剤は、アクリルアミドに基づいたカチオン性増粘剤である。好ましい懸濁剤は、SNF Floerger, Andrezieux Cedex, FRANCEなる会社から市販されているFlosoft製品、および特にFlosoft FS 222を含むカチオン性アクリルアミドである。
【0076】
かかる懸濁剤を含むスラリーは、凝集のいかなるサインをも表示せず、比較的低粘度、より特定的には500〜5000cps、および尚より特定的に約1000cps、60rpmの回転速度でBrookfield LVT粘度計上で測定して、より特定的にはスラリー中の30〜40wt%カプセルで1000cpsを有する。
【0077】
上記で定義した本発明のカプセル封入された香料組成物は、追加の調合物助剤、例えば粘性化剤(viscosifying agent)、殺生物剤、キレート剤などを含んでもよい。
乾燥粉末の形態にあるマイクロカプセルを隔離することが望まれる場合、スラリーを、さらなるステップにおいて噴霧乾燥してもよい。噴霧乾燥ステップに先立って、流動助剤、例えばシリカなどをスラリーに加えて、低表面香料油を有する微細な自由流動の粉末マイクロカプセルの実現を確実にすることが、望ましい場合がある。
【0078】
本発明は、別のその側面において、カプセル封入された香料組成物を消費者製品中に安定に組み込む方法を提供し、当該方法は、本明細書中に記載したスラリーの形態にあるカプセル封入された香料組成物を提供し、スラリーを消費者製品中に混合するステップを含む。
【0079】
カプセル封入された香料組成物を消費者製品中に安定に組み込む方法におけるより特定的な態様において、スラリーは、上記で定義した懸濁剤を含む。
より特定的な態様において、カプセル封入された香料組成物中のマイクロカプセルのD50は、5〜50ミクロン、より特定的には5〜20ミクロンである。
【0080】
より特定的な態様において、カプセル封入された香料組成物中のマイクロカプセルのD50は、5〜50ミクロン、より特定的には5〜20ミクロンであり、消費者製品中に組み込まれたマイクロカプセルのD50は、5〜50ミクロン、より特定的には5〜20ミクロンである。
【0081】
本発明のカプセル封入された香料組成物を使用して、種々雑多な香料成分をカプセル封入してもよい。可能な香料成分の全リストを、香料類モノグラフ、例えば「Perfume & Flavor Chemicals」、S. Arctander(Allured Publishing, 1994)、ならびにこの学術書の後の版中に見出すことができ、これを、参照によって本明細書中に組み込む。
【0082】
しかしながら、本出願人は、以下に述べる香料成分選択基準を使用することによって、香料成分のシェルを通しての透過性および拡散性の両方に影響することが可能であることを見出した。
【0083】
より特定的には、本出願人は、以下と等しい電子密度を有する分子等位面(iso-surface)の温度独立性積分によって反映されるとおり、香料成分内の電子密度分布である香料成分選択のパラメーターを見出した。
0.002e/a
03
式中
eは、無次元の電子電荷であり、および
a
0は、水素原子のボーア(Bohr)半径である(a
0=5.2917720859×10
−11m)、
に等しい電子密度を有する分子等位面(iso-surface)の、温度に依存しない積分によって反映されるとおり、香料成分内の電子密度分布であることを見出した。
【0084】
Molecular Operating Environment化学コンピューターソフトウェア(Version 2009, ex Chemical Computing Group, Canada、またはその後のバージョン、および任意にDDASSL RECONソフトウェアプラグイン(Rensselaer Polytechnic Institute, 2001-2003、またはその後のバージョン)を使用する)を採用して、この積分の値は、いわゆるRECON_VOLTAE量子化学的誘導記述子によって与えられる。特に、成分の分子等位面の積分値が、ある値を超過する際、マイクロカプセルシェルを通しての香料成分の漏出が相当に抑制されることが、驚くべきことに見出され、これは本明細書において、下により完全に記載される。
【0085】
RECON VOLTAEは、0.002e/a
03に等しい電子密度を有する分子空間を包囲する分子等位面の局所分布(topography)を記載するかまたは表現するパラメーターである。
【0086】
以下に記載するカプセル封入された香料組成物において、任意のカプセル封入された香料成分の濃度(wt%)を、カプセル封入された香料成分の総量に関して、およびカプセル封入された合計の材料ではなく表現する。例えば、香料成分のみをカプセル封入することが好ましいが、香料成分に加えて、他の非香料類成分または賦形剤、例えば溶媒または希釈剤をカプセル封入してもよく、それが、コアから漏出し得る香料組成物の量を減少させるにあたって有益であり得ることを、熟考する。例えば、ある香料成分を、溶液として提供してもよいか、または好適な溶媒、例えばクエン酸トリエチル「TEC」で希釈する。かかる場合において、香料成分の量のみを、wt%計算において、および香料成分を溶解するかまたは希釈するために使用する溶媒または希釈剤ではなく計数する。
【0087】
かかる溶媒または希釈剤は、香料成分に混和性であり、かつ採用される量において香りをほとんどまたは全く有しない、疎水性材料である。一般的に採用される溶媒は、例えば6超、さらに10超の高ClogP値を有する。溶媒は、トリグリセリド油、モノおよびジグリセリド、鉱油、シリコーン油、フタル酸ジエチル、ポリ(アルファ−オレフィン)、ヒマシ油およびミリスチン酸イソプロピルを包含する。
【0088】
コアシェル型マイクロカプセルのコアはまた、一般的に採用されるアジュバントも含有してもよい。用語「アジュバント」は、その快楽的性能以外の、組成物の性能に影響し得る成分を指す。例えば、アジュバントは、香料組成物または該組成物を含有する消費者製品を処理するための助剤(an aid)としての役割を果たす成分であってもよく、またはそれは、香料組成物または消費者製品の取り扱いまたは保存を改善してもよい。それはまた、色または質感を付与するなどの追加的な利益を提供する成分でもあってもよい。
【0089】
それはまた、耐光性または化学的安定性を、香料組成物または消費者製品に含有される1種以上の成分へ付与する成分でもあってもよい。香料組成物または消費者製品において一般的に使用されるアジュバントの性質およびタイプの詳細な記載は、徹底したものにはなり得ないが、かかる成分は、当業者に周知である。アジュバントの例は、界面活性剤および乳化剤;粘性およびレオロジー改変剤;増粘剤およびゲル化剤;防腐材;色素、染料および着色物質;増量剤、充填剤および補強剤;熱および光の有害な効果に対する安定剤、嵩高剤、酸味料、緩衝剤および酸化防止剤を包含する。
【0090】
かかる溶媒、希釈剤またはアジュバントのより詳細な議論は、香料類モノグラフ、例えば上に述べたArctanderの参考文献中に見出され得る。
さらに、カプセル封入された香料組成物において、それらが少なくとも3種の香料成分、より特定的には少なくとも5種、尚より特定的には少なくとも7種、より特定的には尚少なくとも9種の、以下に言及するしきい値より大きいRECON VOLTAE値を有する香料成分を含む場合が、好ましい。
【0091】
本発明の実際において、カプセル封入するべき香料組成物が、約1200Bohr
3より大きい、より特定的には約1540Bohr
3より大きい、尚より特定的には約1750Bohr
3より大きい既知のRECON_VOLTAE値を有する香料成分を含む場合が、好ましい。
【0092】
本明細書中で使用する用語「既知の」は、それをRECON_VOLTAE値、または本明細書中に記載した香料成分と関係する他の物理化学的パラメーターのいずれかに関して使用するように、当該値が香料組成物の調合者に知られていることを意味するか、または本明細書中に提供する教示に従って計算することができる。
【0093】
好ましくは、70wt%より大きい、特に80wt%より大きい、およびより特定的に90wt%より大きいカプセル封入された香料成分は、約1200Bohr
3より大きい既知のRECON_VOLTAE値を有する。
より特定的には、30wt%より大きい、35wt%より大きい、40wt%より大きいカプセル封入された香料成分は、約1540Bohr
3より大きい既知のRECON_VOLTAE値を有する。
【0094】
カプセル封入された香料成分のかかる分布を含むカプセル封入された香料組成物は、攻撃性の(または抽出性の)媒体中への組み込みに特に好適である。これらの媒体は、布の軟化用または調整用製品(fabric softening or conditioning products)、ならびに特に四級化エステル界面活性剤(いわゆる「エステルクオート(esterquat)」)および非イオン系界面活性剤を含むものを含む。それらをまた、粉末の、または粒状の洗剤、および液体洗剤組成物、および特別、パウチまたはポッド中に含まれる単位剤形として設計され、しばしば当該技術分野において「液体タブ」と称される当該体裁において有用に使用する。これらの成分および調合物のより十分な議論を、以下に提供する。
【0095】
それらは、非構造化(unstructured)界面活性剤を含む布の軟化用または調整用製品において使用するのに特に好適である。用語「非構造化界面活性剤」は、当業者に知られている。それは、界面活性剤がミセルの形態において存在する傾向がある界面活性剤含有組成物を指す。ミセルの界面活性剤は、カプセル封入された香料成分をマイクロカプセルから抽出するにあたって特に効率的である。
【0096】
非構造化界面活性剤は、「構造化(sutructured)界面活性剤」と対比されるべきである。構造化界面活性剤組成物は、水、界面活性剤および任意に他の溶解した物質を含み、それは、一緒に中間相、または中間相の分散体を連続的水性媒体中で形成する。界面活性剤および水は、相互作用して、液体でも結晶でもない相を形成する;これらは、通常「液晶相」、またはあるいはまた「中間相(mesomorphic phases)」または「中間相(mesophases)」と称される。界面活性剤がかかる組成物中で高度に組織されるので、それらは、特にカプセル封入された香料成分の方向に抽出しない傾向がある。
【0097】
非構造化界面活性剤は、通常、前者が透明な傾向があるので外観検査上の構造界面活性剤上に識別することができ、または実質的にそうであり、一方後者は、それらの構造のために不透明、濁った、または真珠光沢としての外見を呈する傾向がある。
70wt%より大きい、80wt%より大きい、90wt%より大きいカプセル封入された香料成分が約1750Bohr
3より大きい既知のRECON VOLTAE値を有するカプセル封入された香料組成物は、本発明のさらなる態様を形成する。
【0098】
カプセル封入された香料成分のかかる分布を含むカプセル封入された香料組成物は、極めて攻撃性の媒体、例えばシャンプー、ヘアコンディショナーならびに高レベルのアニオン性、非イオン性および/または両性イオン性の界面活性剤を含んでもよい他のパーソナル洗浄クレンジング組成物中で見出されたもの中への組み込みに特に好適である。それらを含むこれらの成分および調合物のより十分な議論を、以下に提供する。
【0099】
香料組成物を本明細書中に述べた既知のRECON VOLTAE値に従って調合することによって、周囲の懸濁媒体、特に本明細書中で言及した当該高度に抽出性の媒体中への漏出または抽出の傾向がより低いカプセル封入された香料組成物を形成することが、可能である。
【0100】
理論によって束縛されることを望まずに、香料成分の電子密度分布は、そのRECON_VOLTAE値によって反映されるように、成分がシェルを通して拡散する方法に影響すると信じられている。特に、上で引用したしきい値より高いRECON_VOLTAE値、例えば約1200超を有する成分の拡散は、所与のしきい値より低いRECON_VOLTAE値を有する香料成分に相対して遅延されかまたはさらに抑制される。
【0101】
上記のことから、消費者製品、特に攻撃性または抽出性の媒体であると考慮されるもの、例えばパーソナルクレンジング組成物および洗濯洗剤の基剤において見出されるものにおいて望ましい長期間安定性を有し、一方尚香料を所望の放出速度で基体、特に乾燥した基体上に堆積した後に送達するカプセル封入された香料組成物を提供するために、カプセル封入された香料組成物は、前述の1200Bohr
3のしきい値より低い既知のRECON_VOLTAE値を有するある量の香料成分を含むべきであることになる。これらのしきい値より低い香料成分は、コアシェル型マイクロカプセルからより容易に拡散するだろう。
【0102】
RECON VOLTAEパラメーターの知識、ならびにRECON VOLTAEのカプセル封入された香料組成物の性能および安定性の両方に対する関係に取りつかれて、当業者は、種々のカプセル封入のための香料を、しきい値より低い、およびしきい値より高い香料成分の両方の相対量を均衡させることにより創出することができ、多かれ少なかれ抽出性の消費者製品の基剤において使用する際に安定かつ高性能であるように設計される。
【0103】
したがって、さらに1200Bohr
3より低いRECON VOLTAE値を有するカプセル封入された香料成分を含む上記で定義したカプセル封入された香料組成物は、本発明の別の態様を形成する。
【0104】
特定の態様において、カプセル封入された香料組成物は、既知のRECON VOLTAE値を有する香料成分の分布によって特徴付けられ、ここで70wt%以上、80wt%以上、90wt%以上の香料成分は、1200Bohr
3より大きい既知のRECON VOLTAE値を有し、0.1〜30wt%、より特定的には1〜20wt%およびより特定的には尚1〜10wt%の香料成分は、1200Bohr
3より低い既知のRECON VOLTAE値を有する。
【0105】
別の特定の態様において、カプセル封入された香料組成物は、既知のRECON VOLTAE値を有する香料成分の分布によって特徴付けられ、ここで:30wt%以上、35wt%以上、40wt%以上の香料成分は、1540Bohr
3より大きい既知のRECON VOLTAE値を有し;および30wt%以上、40wt%以上、50wt%以上の香料成分は、1200Bohr
3〜1540Bohr
3の既知のRECON VOLTAE値を有し;0.1〜30wt%、1〜20wt%、1〜10wt%の香料成分は、1200Bohr
3より低い既知のRECON VOLTAE値を有する。
【0106】
別の特定の態様において、カプセル封入された香料組成物は、既知のRECON VOLTAE値を有する香料成分の分布によって特徴付けられ、ここで:0.5〜30wt%、1〜25wt%、5〜20wt%の香料成分は、1750Bohr
3より大きい既知のRECON VOLTAE値を有し;20〜60wt%、25〜55wt%、30〜50wt%の香料成分は、1540Bohr
3〜1750Bohr
3の既知のRECON VOLTAE値を有し;および5〜50wt%、より特定的には10〜40wt%、15〜30wt%の香料成分は、1200Bohr
3〜1540Bohr
3の既知のRECON VOLTAE値を有し;0.1〜30wt%、1〜20wt%、1〜10wt%の香料成分は、1200Bohr
3より低い既知のRECON VOLTAE値を有する。
【0107】
尚別の特定の態様において、カプセル封入された香料組成物は、既知のRECON VOLTAE値を有する香料成分の分布によって特徴付けられ、ここで70wt%以上、より好ましくは80wt%以上および最も好ましくは90wt%以上の香料成分は、1750Bohr
3より大きい既知のRECON VOLTAE値を有し;ならびに0.1〜30wt%、1〜20wt%、1〜10wt%の香料成分は、1750Bohr
3より低い既知のRECON VOLTAE値を有する。
【0108】
本明細書中に記載したカプセル封入された香料組成物において、カプセル封入された香料成分の既知のRECON VOLTAE値の重量平均が1540Bohr
3より大きく、より特定的には1750Bohr
3より大きいべきである場合が、好ましい。
【0109】
既知のRECON_VOLTAE値の重量平均は、成分数で除された、成分既知のRECON_VOLTAE値の重み付き代数平均として、ここに定義する:
【数1】
式中、nは、成分iの数であり、%
iは、成分iの重量百分率であり、RECON VOLTAE
iは、成分iのRECON VOLTAE値である。
【0110】
特に安定かつ高性能のカプセル封入された香料組成物が、香料成分の選択が、本明細書の上に記載のとおり、RECON_VOLTAEパラメーターに基づくだけでなく、香料成分の平衡ヘッドスペースカプセル(equilibrium headspace-capsule)分配係数「Kcaps」にも従ってなされる際に、調製され得る。平衡ヘッドスペースカプセル分配係数は、同じ濃度の成分iを含む遊離の香料Pと平衡にあるヘッドスペース濃度(HS
ip)によって除された、所与の濃度で香料成分iを含むカプセル封入された香料組成物Pを含有するマイクロカプセルと平衡にある香料成分iのヘッドスペース濃度(HS
ic)として定義される。
【数2】
【0111】
マイクロカプセルと平衡にあるヘッドスペース濃度は、当業者に周知の手法を使用して測定され得る。典型的な手順において、既知の濃度のマイクロカプセルを含有するカプセル封入された香料組成物は、バイアルVCへ移送されるが、これは、セプタム(a septum)で閉じられ、25℃で平衡化させられており、既知の量の遊離の香料は、香料が堆積するる吸い取り紙の細長い一片を含有するバイアルVPへシリンジで移送される。バイアルはセプタムで閉じられ、25℃で平衡化させられる。ヘッドスペースのアリコートは、次に両方のバイアルから採取され、ヘッドスペース濃度プロフィールは、当該技術分野において知られている方法、例えばヘッドスペース毛細管ガスクロマトグラフィー、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーイオン移動度分光分析、ガス分光法などを使用して定量的に決定される。
【0112】
Kcapsは、実験的に決定されてもよく、またはそれは、当該技術分野において知られている手法を使用して成分について算出され得る。特に、マイクロカプセル安定性に対する香料成分の効果は、MOEソフトウェアを使用するQSAR分析から予測され得る。
【0113】
当業者が評価するであろうとおり、QSAR法は、本発明の文脈において、香料成分の性能がその化学構造と相関し、その結果活性が算出可能な生理化学的寄与の関数としてモデル化され得ると仮定する。性能予測のためのかかるモデルは、次に、既知の香料成分のパレット、または有用な候補成分についての他の分子の実際のライブラリーをスクリーニングするために使用され得る。
【0114】
本発明において香料成分の代表的な試料のQSAR分析を使用した結果、マイクロカプセルの安定性に対する香料成分の効果に寄与する物理化学的パラメーター(log
10 Kcaps)が同定された。
【0115】
log
10Kcapsは、Quantitative Structure Activity Relationshipを構築することにより、計算の化学香料MOE(Molecular Operation Environment、バージョン2013.08.01、Chemical Computing Group, Corporate Headquarters, 1010 Sherbrooke St. W, Suite 910, Montreal, Canada H3A 2R7から購入した、任意にDDASSL RECONソフトウェアプラグイン(Rensselaer Polytechnic Institute, 2001-2003またはその後のバージョン)を使用して)内で利用可能な分子記述子の線形回帰を実施することにより算出された。QSAR分析は、それらに基づき分析のために選択された合計75種の香料成分(カプセル封入された香料組成物において使用された一連の代表的な香料成分である)を使用して実行された。その結果得られたQSAR方程式は、下に与えられる:
【0117】
上の方程式において使用された分子記述子の定義は、MOEマニュアルバージョン2013.08.01(Molecular Operation Environment, Chemical Computing Group, Corporate Headquarters, 1010 Sherbrooke St. W, Suite 910, Montreal, Canada H3A 2R7によって編集された);またはR. TodeschiniおよびV. Consonni, Handbook of Molecular Descriptors, Wiley, 2000;およびDDASSL RECONマニュアル(Rensselaer Polytechnic Institute, 2001-2003またはその後のバージョン)から見出され得る。
【0118】
数種の香料成分の算出されたlog
10 Kcaps値は、下の表中に提供される。
本発明に従うカプセル封入された香料組成物において特に有用である香料成分は、それら夫々のRECON_VOLTAE値およびそれらの算出されたlog
10 Kcaps値に従ってグループ化され得る。
【0119】
したがって、グループ1の香料成分は、1200Bohr
3より大きいRECON_VOLTAE値および−3より大きい計算されたlog
10Kcapsを有し、ここで用語log
10は、10進法の対数を指す。グループ1の香料成分は、以下のものを含むが、それらには限定されない:−
【0132】
本明細書の上で言及された量においてカプセル封入された際に、グループ1の香料成分を含有するマイクロカプセルは、温和な抽出性の媒体、例えば布用ソフナーまたは調整用(fabric softener or conditioning)組成物、特に構造化界面活性剤を含有するそれら組成物において出くわす媒体に懸濁した際に、漏出に対して優れた耐久性を呈する。
【0133】
約1200Bohr
3より大きいRECON_VOLTAE値によって特徴付けられる香料成分を含有する、本明細書の上に記載のそれらカプセル封入された香料組成物は、ここでそれら成分は、−3超のlog
10 Kcapsによって加えて特徴付けられるが(つまりグループ1の成分)、本発明の追加の態様を形成する。
【0134】
さらに、該カプセル封入された香料組成物を含有する、布用ソフナーまたは調製用組成物、特に構造化界面活性剤を含有するものは、本発明のさらなる態様を形成する。
香料成分の第2グループ、いわゆるグループ2の成分は、1540Bohr
3より大きいRECON_VOLTAE値および−3超のlog
10 Kcapsを有する。グループ2の香料成分は、以下を包含するが、これらには限定されない。
【0143】
本発明に従い本明細書の上で言及された量においてカプセル封入された香料組成物において採用された際に、グループ2の成分を含有するマイクロカプセルは、固体および液体のランドリーケア洗剤(laundry care detergents)などの激しい抽出性の媒体、およびパウチまたはポッド中に含有される単位剤形として設計され、しばしば当該技術分野において「液体タブ」と称される特定のそれらの体裁(formats)(これらのさらなる検討は、本明細書の下に提供される)に懸濁させた際、漏出に対して耐久性がある。
【0144】
約1540Bohr
3より大きいRECON_VOLTAE値によって特徴付けられる香料成分を含有する、本明細書に記載のそれらカプセル封入された香料組成物は、ここでそれら成分が、−3より大きいlog
10 Kcapsを有することにより加えて特徴付けられる(つまりグループ2の成分)が、本発明の追加の態様を形成する。
【0145】
香料成分のグループ3は、1750Bohr
3より大きいRECON_VOLTAE値および−3より大きいlog
10 Kcapsを有する成分によって特徴付けられる。グループ3の香料成分は、以下のものを包含するが、これらには限定されない:
【0150】
該成分が、本発明に従い本明細書の上で言及された量においてカプセル封入された香料組成物に採用される場合、グループ3の香料成分を含有するマイクロカプセルは、シャンプー、ヘアコンディショナーおよび他のパーソナルクレンジング組成物において出くわした、などの激ししい抽出性の媒体に懸濁させた際、漏出に対する良好な耐久性を呈する。
【0151】
約1200Bohr
3より大きいRECON_VOLTAE値によって特徴付けられる香料成分を含有する、本明細書の上に記載のそれらカプセル封入された香料組成物は、ここでそれら成分が、−3より大きいlog
10 Kcapsを有することにより加えて特徴付けられる(つまりグループ3の成分)が、本発明の追加の態様を形成する。
さらに、前記カプセル封入された香料組成物を含有する、パーソナルクレンジング組成物(シャンプーを包含する)は、本発明の尚さらなる態様を形成する。
【0152】
カプセル封入された香料組成物の調合者が直面する特定の課題は、マイクロカプセルの安定性(つまりマイクロカプセルのコアからの香料成分の漏出に対する耐久性)と、性能、すなわちマイクロカプセルが所望の速度で長時間にわたって香料を放出する能力との間の許容し得る均衡をうまく両立させることである。典型的には、マイクロカプセルが、抽出性の基剤における保存中に極めて安定である場合、そのときはそれらは、かなり高い機械的な力に応答する以外に、それらのコア内容物を放出しない傾向がある。かかるマイクロカプセルが、布、毛髪(hair)または皮膚などの基体上に堆積する際、香料の痕跡は、処置された基体への強い摩擦によってしか目立つことがないかもしれない。かかるマイクロカプセルは、「摩擦後」の性能を所有すると言われるが、摩擦前の香りの痕跡は、弱いかまたは存在しない。
【0153】
安定なマイクロカプセル、特に、攻撃性または抽出性の媒体中で安定であり、許容し得る摩擦前の香りの痕跡をもまた呈するマイクロカプセルを含むカプセル封入された香料組成物の提供は、困難なものである。
本発明は、コアシェルマイクロカプセル中にカプセル封入された香料成分の摩擦前の香りの痕跡と良好に相関する別の物理化学的パラメーターを明確に表現する。
【0154】
香料成分の固有の摩擦前の香りの寄与分(Pre-Rub Odour Contribution)(「PROC」)は、その標準的な香り値(Odour Value)(OV
i)およびその平衡ヘッドスペースカプセル分配係数Kcapsを乗じた、カプセル封入されるべき香料成分の濃度(wt%)から与えられる。したがって、各香料成分iについて、摩擦前の香りの寄与分は、
【数4】
によって定義される。
【0155】
さらに、成分の摩擦前の香りの部分寄与分(pPROC)は、その標準的な香り値(OV
i)およびその平衡ヘッドスペースカプセル分配係数Kcapsを乗じた香料中でのその濃度(wt%)として定義される。したがって、各香料成分iについて、摩擦前の香りの部分寄与分は、
【数5】
によって定義される。
【0156】
最後に、摩擦前の香りの総寄与分(tPROC)は、カプセル封入された香料組成物中のすべての成分にわたる摩擦前の香りの部分寄与分(pPROC)の合計である。
標準的な香り値(OV
i)は、成分の標準平衡ヘッドスペース濃度、対、この成分の香り検出しきい値(Odour Detection Threshold)の比率として定義される。
【0157】
本明細書の上で使用される用語「標準平衡ヘッドスペース濃度」は、25℃の温度での、および1気圧の圧力の下での、香料成分の凝縮された形態(すなわちその固体または液体の形態)と平衡にある前記香料成分の濃度を指す。それは、当該技術分野において知られている定量的ヘッドスペース分析手法のいずれかを使用することにより測定され得る。例えばMueller and Lamparsky in Perfumes: Art, Science and Technology, Chapter 6 “The Measurement of Odors”、176〜179頁(Elsevier 1991)を参照。
【0158】
本明細書中で使用される用語、香り検出しきい値(ODT
i)は、例えばMueller and Lamparsky(前掲書中)に記載のとおり、香料成分iがパネリストによって知覚され得、臭度測定によって測定され得る平均濃度を指す。
【0159】
平衡ヘッドスペース濃度は、以下のように測定されてもよい:500mgの試験化合物が、ヘッドスペースコンテナーに加えられ、それは次に密閉される。コンテナーは、次に、化合物が気相と液相との間の平衡に達するまで、25℃一定でインキュベートされる。この飽和ヘッドスペースの定義された体積(通常0.5〜1lt)が、マイクロフィルター上に、Porapak Qを吸着剤として使用して捕獲される。適切な溶媒(通常30〜100ulのメチルtert.ブチルエーテル)でのフィルター抽出の後、抽出物のアリコートが、ガスクロマトグラフィー(GC)によって分析される。
【0160】
定量は、外部標準較正方法によって実施される。元のヘッドスペース中の濃度が、マイクロフィルター、およびガスクロマトグラフ中に注入されたフィルター抽出物のアリコートを通して吸収されたヘッドスペース体積から算出され得る(μg/lを単位として)。所与の試験化合物の最終のヘッドスペース濃度値は、3つの独立した測定値の平均値として得られる。本明細書の上に記載された手法のさらなる情報は、Etzweiler, F.; Senn E. and Neuner-Jehle N., Ber. Bunsen-Ges. Phys. Chem. 1984, 88, 578-583の論文から見出され得る(これは、参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0161】
香り検出しきい値(ODT
i)は、オルファクトメーターを使用することにより測定され得る。以下のステップが実行され得、表1に列挙された各化合物についての香りしきい値が決定した。
【0162】
オルファクトメーターは、担体の気体中の匂い物質の線形希釈の原則に基づいて機能する。置き換えられた匂い物質の量は、その蒸気圧および担体の気体流に依存する。流量調節器によって調節された一定流量の窒素によって、匂い物質が試料コンテナーから混合チャンバへ運ばれる。そこで、担体の気体−香り混合物は、無香の空気で希釈される。混合チャンバから、希釈された香りのある空気の一部が、溶融石英毛細管を介して吸引漏斗(the sniffing funnel)へ流れさせる。毛細管を通しての流量は、混合チャンバから吸引漏斗中への香りのある空気の吸収量を決定するが、2つのステップにおいて1から256mlまでPCを介して調節され得る弁を開くことに依存する。香りのある空気試料の最終希釈が、それらを無香の空気で8lt/minの流量で永続的にフラッシュすることによりガラス漏斗中で生じる。
【0163】
強制選択の三点提示(Forced-choice triangle presentation)は、特別な自動化チャンネル設定デバイスによって達成され、ここでスイッチの1つの位置のみにおいて、匂い物質送達毛細管が、吸引漏斗中に入っており、一方、他の2つの位置において、毛細管は、漏斗の外側に配置し、ここで流出物が吸い取られる。各試行の後、チャンネル設定は、自動的に、および順不同で変更される。蒸気圧の飽和が、試料発生器中で達成されるものと仮定して、濃度が、匂い物質の蒸気圧から、およびオルファクトメーターにおいて適用される希釈比から算出される。対照として、濃度が、毛細管流出物からヘッドスペースフィルター中への既知の体積を試料採取することにより、およびその後の、脱着溶液中の匂い物質のガスクロマトグラフィー的定量により分析的に決定される。
【0164】
各パネリスト(15名のパネル)は、彼が匂い物質を中ぐらいの強度で知覚する濃度レベルで、オルファクトメーターで嗅ぎ始める。同じレベルでの3つの連続した試行における3つの正確な答え(または5つの試行の4つの正確な答え)の後、刺激濃度は、パネリストが彼のしきい値レベルに達するまで、次に低いレベルに対して2倍などで低下させられる。所与の匂い物質の最終的なしきい値は、すべての個々のしきい値レベルの平均値として得られる。
【0165】
良好な摩擦前の性能を示す本発明のカプセル封入された香料組成物は、組成物中にカプセル封入された香料成分の摩擦前の香りの総寄与分が、約0.5×10
8と1.0×10
9との間、より特定的には1×10
8と8×10
8との間、およびより特定的には尚1.5×10
8と6×10
8との間であるように、それらのPROC値に基づいて香料成分を選択することにより調製されてもよい。
【0166】
尚さらに、漏出、特に高度に抽出性/攻撃性の媒体における漏出に関しての安定性の点での最適な性能と、性能、特に摩擦前の性能とを有するコアシェル型マイクロカプセルを含むカプセル封入された香料組成物を得るために、香料成分は、組成物中にカプセル封入された香料成分の摩擦前の香りの総寄与分が、約0.5×10
8と1.0×10
9との間、より特定的には1×10
8と8×10
8との間、およびより特定的には尚1.5×10
8と6×10
8との間であるべきであり、かつ香料成分RECON_VOLTAEおよびlog
10Kcaps値の分布が、本明細書の上に開示された範囲内にあるように、それらのPROC値に基づいて選択されてもよい。
【0167】
香料成分のグループ4およびそれら夫々のPROC値は、下の表に列挙される。高い総PROC値を有するカプセル封入された香料組成物が、本明細書の下に特定されたグループ4の成分から構成されるのが好ましいが、本発明の教示を考慮して、当業者は、列挙されていない他の香料成分のPROC値を容易に計算し、それらを本発明のカプセル封入された香料組成物において使用し得る。
【0168】
グループ4の香料類成分は、以下のものを包含するが、これらには限定されない:−
【表4-1】
【0176】
本発明のカプセル封入された香料組成物が、少なくとも3種、より特定的には少なくとも5種、尚より特定的には少なくとも7種、およびより特定的には尚少なくとも9種のグループ4の香料成分を含有することが、好ましい。
【0177】
加えて、グループ4の成分を、特に少なくとも3種、より特定的には少なくとも5種、尚より特定的には少なくとも7種、およびより特定的には尚少なくとも9種のグループ4の香料成分を含む、本明細書の上に記載されたそれらカプセル封入された香料組成物は、本発明の追加の側面を表す。
【0178】
さらに、布用ソフナーまたは調製用組成物、特に構造化界面活性剤を含有するもの;または、固体もしくは液体の洗濯洗剤組成物、および特にパウチまたはポッド中に含有される単位剤形として設計され、しばしば当該技術分野において「液体タブ」と称されるそれらの体裁;または、グループ4の成分を含む本明細書中に記載のカプセル封入された香料組成物を含有する、シャンプーなどのパーソナルケア用クレンジング組成物を包含する、激しい抽出性の媒体は、本発明のさらなる態様を形成する。
【0179】
慣用名または商標が、上に列挙された特定の香料成分に関して使用される場合、本出願人は、本発明の境界内に、商標で保護された香料成分のみならず、対応するノーブランドの(generic)成分をも包含する。当業者は、商標、慣用名およびより標準的な術後体系(IUPAC術後体系)の間の対応を完全に熟知しているか、または当業者は、かかる対応を、香料類の教科書または他の参考文献、例えばウェブサイトthegoodscentscompany.com中に容易に見出すことができる。
【0180】
本発明の特定の態様において、カプセル封入された香料組成物は、カプセル封入された香料成分の摩擦前の香りの総寄与分が、0.5×10
6と1.0×10
7との間、より特定的には1×10
6と8×10
6との間、およびより特定的には尚1.5×10
6と6×10
6との間である点;カプセル封入された香料成分のRECON VOLTAE値の区分が70wt%以上、80wt%以上、90wt%以上の香料成分が、1200Bohr
3より大きい既知のRECON VOLTAE値を有する程度である点;0.1から30wt%まで、1から20wt%まで、1から10wt%までの香料成分が、1200Bohr
3を下回る既知のRECON VOLTAEを有する点において特徴付けられる。
【0181】
別の特定の態様において、カプセル封入された香料組成物は、カプセル封入された香料成分の摩擦前の香りの総寄与分が、0.5×10
6と1.0×10
7との間、より特定的には1×10
6と8×10
6との間、およびより特定的には尚1.5×10
6と6×10
6との間、およびより特定的には尚1.5×10
6と6×10
6との間である点;カプセル封入された香料成分の既知のRECON VOLTAE値の区分が30wt%以上、35wt%以上、40wt%以上の香料成分が、1540Bohr
3より大きい既知のRECON VOLTAE値を有する点;30wt%以上、40wt%以上、50wt%以上の香料成分が、1200Bohr
3から1540Bohr
3までの既知のRECON VOLTAE値を有する点;0.1から30wt%まで、1から20wt%まで、1から10wt%までの香料成分が、1200Bohr
3を下回る既知のRECON VOLTAEを有する程度である点において特徴付けられる。
【0182】
別の特定の態様において、カプセル封入された香料組成物は、0.5×10
6と1.0×10
7との間、より特定的には1×10
6と8×10
6との間、およびより特定的には尚1.5×10
6と6×10
6との間の摩擦前の香りの総寄与分によって特徴付けられ;カプセル封入された香料成分の既知のRECON VOLTAE値の区分が、0.5から30まで、1から25wt%まで、5から20wt%までの少なくとも1種の香料成分が、1750Bohr
3を上回る既知のRECON VOLTAE値を有し;20〜60wt%、25〜55wt%、30〜50wt%の香料成分が、1540Bohr
3から1750Bohr
3までの既知のRECON VOLTAE値を有し;5〜50wt%、10〜40wt%、15〜30wt%の香料成分が、1200Bohr
3から1540Bohr
3までの既知のRECON VOLTAE値を有し;0.1から30wt%まで、1から20wt%まで、1から10wt%までの香料成分が、1200Bohr
3を下回る既知のRECON VOLTAE値を有する程度であるカプセル封入された香料成分を含有する。
【0183】
別の特定の態様において、カプセル封入された香料組成物は、0.5×10
6と1.0×10
7との間、より特定的には1×10
6と8×10
6との間、およびより特定的には尚1.5×10
6と6×10
6との間の摩擦前の香りの総寄与分によって特徴付けられ;カプセル封入された香料成分の既知のRECON VOLTAE値の区分が70wt%以上、80wt%以上、90wt%以上の香料成分が、1750Bohr
3より大きい既知のRECON VOLTAE値を有し;0.1から30wt%まで、1から20wt%まで、1から10wt%までの香料成分が、1750Bohr
3を下回るRECON VOLTAE値を有する程度であるカプセル封入された香料成分を含有する。
【0184】
他の香料成分についてのRECON VOLTAEおよびlog
10 Kcaps値は、これらの1種以上が、本発明に従うカプセル封入された香料組成物に採用されてもよいものであるが、以下の表中に述べられる。
【0206】
本発明の別の側面において、本明細書中に定義されとおりのたカプセル封入された香料組成物を含む消費者製品が提供される。
【0207】
本発明によるカプセル封入された香料組成物を、パーソナルケア製品、例えばシャンプー、石鹸、ボディーウォッシュおよびヘアコンディショナー、脱臭剤および制汗剤;ランドリーケア製品、例えば粉末または液体洗剤組成物、香り付け剤、および布用ソフナーまたは調整用製品;ならびに家庭用ケア製品、例えば万能クリーナーおよび食器洗浄液などを含むすべての種類の消費者製品用途中に包含させることができる。
【0208】
カプセル封入された香料組成物は、カチオン性界面活性剤を含む消費者製品の基剤、例えば布用柔軟剤(fabric conditioner)またはヘアコンディショナー製品中への組み込みに特に好適である。
【0209】
カプセル封入された香料組成物は、消費者製品の重量に基づいて約0.03wt%〜1wt%のカプセル封入された香料組成物を、消費者製品に提供するレベルで、消費者製品中へ組み込まれていてもよい。このレベルの芳香に到達するために、消費者製品という基剤へ加えられるべきカプセル封入された香料組成物の量は、マイクロカプセル中へ積み込まれる香料成分の量、およびカプセル封入された香料組成物が基剤中へ組み込まれる形態を包含する多数の因子に依存するであろう。
【0210】
典型的には、カプセル封入された香料組成物は、約20〜50wt%、およびより特定的には30〜45wt%のマイクロカプセルを含有するスラリーの形態で組み込まれ、ここでマイクロカプセルは、香料成分のみを含有し、他の希釈剤または溶媒を含有しない。かかる場合において、上に記載されたレベルの香料を消費者製品に提供するために、典型的には、約0.1wt%と約3wt%との間のスラリーを消費者製品という基剤中へ組み込むであろう。
【0211】
本発明の特定の態様において、消費者製品は、布用の柔軟剤またはソフナーなどの、布処置用製品(a fabric treatment product)である。
布用ソフナーおよび柔軟剤の成分および調剤は、米国特許6,335,315;5,674,832;5,759,990;5,877,145;および5,574,179に開示されており、これらは、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0212】
布用の柔軟剤またはソフナーは、典型的には、16〜22個の炭素原子を含む1つまたは2つのアルキル鎖、および任意に水酸基を有する窒素含有カチオン性界面活性剤を含む。カチオン性基は好ましくは、四級アンモニウム、イミダゾリウム基、およびアミドアミン酸塩である。四級アンモニウム基は加えて、1〜4個の炭素を有するアルキル基またはヒドロキシアルキルまたは水酸基、または典型的に約1〜約10個のエチレンオキシド部分を有するアルコキシ基を2〜3個、およびハロゲン化物、水酸化物、酢酸および硫酸メチルの群から選択されるアニオンを有する。長いアルキル鎖は、好ましくは、エステル基によってカチオン性基へ結合される。
【0213】
かかる布調整用の活性剤(actives)の典型的な例は、エステルクワット(N−メチル−N,N,ビス[2−(C16〜C18アセトキシ)エチル)]−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメトサルフェート)、ジエステルクワット(N,N,N−トリメチル−N−[1,2−ジ−(C16〜C18アシルオキシ)プロピルアンモニウム塩]、DEEDMAC(N,N−ジメチル−N,N−ビス([2−(−[(1−オキソオクタデシル)オキシ]エチル)アンモニウムクロリド、HEQ(N,N,N−トリメチル−N−[(Z)−2−ヒドロキシ−3−[(1−オキソ−オクタデカ−9−エニル)オキシ]]アンモニウムクロリド、TEAQ(C10〜C20飽和および不飽和脂肪酸とトリエタノールアミンとの間の反応生成物のジ四級化(diquaternized)硫酸メチル塩)、グリセリンをベースとしたポリオーエステルクワット、エチル−タローアルキルイミダゾリニウムメチルサルフェート、ジタローアルキルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、メチルタローアルキルアミドエチルタローアルキルイミダゾリニウムメチルサルフェート、b−ヒドロキシエチルエチレンジアミン誘導体、ポリアンモニウム等、およびそれらの混合物を包含する。
【0214】
さらなる布軟化用の活性剤は、例えばAjad Farooq and Charles J. Schramm, Handbook of Detergents - Part E: Applications, Surfactant Science Series 141, p. 181-200, CRC-Press, Broken Sound Parway, 2009に開示されている。
【0215】
布用柔軟剤またはソフナー中に存在してもよい典型的な非イオン性界面活性剤は、これらに限定されないが、アルキルおよびアルキルベンジルアルコールアルコキシレートまたはポリアルコキシル化カルボン酸、ポリアルコキシル化アミン、ポリアルコキシル化グリコールまたはグリセロールエステル、ポリアルコキシル化ソルビタンエステルまたはアルカノアミドを包含する。
【0216】
本発明の別の態様において、消費者製品は、洗濯用洗剤組成物であってもよい。
洗濯用洗剤の成分および調剤は、米国特許5,929,022;5,916,862;5,731,278;5,470,507;5,466,802;5,460,752;および5,458,810に開示されており、これらは、参照によって本明細書中に組み込まれる。
粉末洗剤または液体洗剤は、典型的には、アニオン性、両性イオン性および/または非イオン性の界面活性剤、およびそれらの混合物を含む。
【0217】
典型的なアニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸カリウム、直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、ナトリウムトリデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムキシレンスルホネート、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリドナトリウムサルフェート、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ナトリウムココイルイセチオネート、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、C5〜C17アシル−N−(C1〜C4アルキル)グルカミンサルフェート、C5〜C17アシル−N−(C1〜C4ヒドロキシアルキル)グルカミンサルフェート、ナトリウムヒドロキシエチル−2−デシルエーテルサルフェート、ナトリウムメチル−2−ヒドロキシデシルエーテルサルフェート、ナトリウムヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテルサルフェート、ナトリウムモノエトキシル化ラウリルアルキルサルフェート、C12〜C18アルキルスルホネート、エトキシル化または天然の直鎖状および分枝状C12〜C18アルコールサルフェート、エトキシル化または天然の直鎖および分枝C12〜C18アルコールサルフェート、エトキシル化または天然の直鎖および分枝C12〜C18アルコールサルフェート、およびそれらの混合物を包含する。上のアニオン性界面活性剤はまた、それらの中和されていない酸形態でも使用されてもよい。
【0218】
典型的な非イオン性界面活性剤は、約1〜12個のエチレンオキシド単位をもつC6〜C24アルキルエトキシレートを包含する。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖状または分枝状、一級または二級のいずれかであり得、一般に約6〜約22個の炭素原子を含有する。非イオン性界面活性剤のさらなる例は、C12〜C16アルキルN−メチルグルカミドなどの、脂肪酸とグルカミンとの縮合生成物、および/または脂肪酸とエトキシル化アミンとの縮合生成物;C10〜C20アルキルモノまたはジアルカノールアミド(ここでアルキルオキシ基は、1〜3個の炭素原子を有する)、アルキル部分とアルカノールアミド部分との間に2〜20個のアルキレンオキシド基を有する中間体ポリオキシアルキレン部分を有するC10〜C20アルキルモノまたはジアルカノールアミド;アルキルアミドプロピルジメチルアミン;オレイン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸等とのソルビトールエステルなどの脂肪酸アルキルエステル(これはまた、Tween 20、Tween 40、およびTween 60などの商標でも知られている);例えばC8〜C10アルキルポリグリコシド、C12〜C16アルキルポリグリコシド、C5アミルを包含するアルキルポリグリコシド、を包含する。
【0219】
さらなる非イオン性界面活性剤は、オクタン酸ヘキサグルセリルエステル、デカン酸テトラグルセリルエステル、リシノール酸ヘキサグルセリルエステルおよびココイック酸(cocoic acid)テトラグルセリルエステルおよびそれらの混合物と同類の脂肪酸ポリグルセリルエステルなどの、グリセロールをベースとした界面活性剤を包含する。糖をベースとした非イオン性の界面活性剤について、本明細書の上で使用されるときの用語「アルキル」は、ヘキシル、オクチル、デカニル、ドデカニル、テトラデカニル、ヘキサデカニルおよびオクタデカニルを包含する、3〜21個の炭素原子を有する飽和直鎖アルキル残基を指す。
【0220】
典型的な両性イオン性界面活性剤は、これらに限定されないが、直鎖または分枝のアルキル、またはアルケニル、またはヒドロキシルアルキルまたはアルコキシのラジカルを有する、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウムおよびスルホニウム化合物の誘導体を包含し、これらの一方は、約8〜約18個の炭素原子を有し、これらの他方は、カルボキシル、スルホネート、サルフェート、スクシネート、ホスフェートまたはホスホネート基から選択されるアニオン性基を含有する。アルコキシラジカルは、典型的に約1〜約10個のエチレンオキシド部分または約1〜約3個のグリセリル部分を包含する。ヒドロキシルアルキルラジカルは、典型的に1〜3個の炭素原子を有するアルキロール部分を含む。
【0221】
特定のクラスの両性イオン性界面活性剤は、少なくとも1つのメチレン基によって分離された、四級化カチオン性アンモニウム基およびアニオン性カルボキシレート基を含むベタインを包含し、例えば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマカルボキシプロピルベタイン、ラウリルおよびステアリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマカルボキシプロピルベタイン、およびラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)アルファカルボキシエチルベタインである。
【0222】
他のベタインは、アミドアルキル、スルホアルキルおよびアルキルアミドスルホベタイン(ここでアルキル部分は典型的には、エチルまたはプロピル部分である)、例えば、ココアミドプロピルベタイン、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン等を包含する。別の特定のクラスの両性イオン性界面活性剤は、スルタイン、ヒドロキシスルタインおよびアミドプロピルヒドロキシスルタインを包含する。
【0223】
典型的な両性イオン性および半極性の界面活性剤は、C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシドおよびC8〜C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシド(NN−ジヒドロキシエチル−N−ステアラミンオキシドなど)、エトキシル化ラウラミドおよびラウリルジメチルアミンオキシド(またラウラミンオキシド(「LO」の名称としても知られている))、およびアルキルアンホカルボキン酸(ジナトリウムココアンホジアセテートなど)などの、水溶性アミンオキシドを包含する。
【0224】
液体または固体の洗濯用洗剤組成物は、例えば、パウチまたはポッドなどの水溶解可能なパッケージングに含有される単回の単位用量の形態で提供されてもよい。これらの製品が、単回用量であり、相対的に小さいサイズ(典型的に約10〜20ml体積)であるので、それらは、相対的に低用量の洗剤組成物で提供され、さらに、洗剤を入れているパッケージングが水溶性であるか、または少なくとも水中で容易に崩壊するので、組成物は、必然的に小体積の高度に濃縮された界面活性剤を含有し、したがってマイクロカプセルを組み込むための極めて攻撃性の媒体である。
【0225】
洗濯用の、洗濯用の追加のおよび/または布調整用の組成物を含むパウチにおいて、組成物は、以下の非限定列挙の成分の1つ以上を含んでもよい:布用仕上げ補助(fabric care benefit agent)剤;洗浄酵素;堆積助剤;レオロジー修正剤;混和剤(builder);漂白剤(bleach);漂白剤(bleaching agent);漂白前駆体;漂白ブースター;漂白触媒;ポリグリセロールエステル;白色剤;真珠光沢剤;酵素安定化系;アニオン性染料のための固定剤、アニオン性界面活性剤のための錯化剤、およびそれらの混合物を包含する除去薬;光学的光沢剤または蛍光剤;これらに限定されないが、土壌放出ポリマーおよび/または土壌懸濁ポリマーを包含するポリマー;分散剤;消泡剤;非水性溶媒;脂肪酸;泡立ち抑制剤、例として、シリコーン泡立ち抑制剤(参照:米国公開No. 2003/0060390 A1、¶65〜77);カチオン性デンプン(参照:US 2004/0204337 A1およびUS 2007/0219111 A1);スカム分散剤(参照:US 2003/0126282 A1);直接染料;ヒューイング染料(参照:US 2014/0162929A1);着色剤;乳白剤;酸化防止剤;トルエンスルホネート、クメンスルホネートおよびナフタレンスルホネートなどのヒドロトロープ;色斑点;着色ビーズ、球または押し出し成形品;粘土柔軟剤;抗細菌剤。加えてまたは代わりに、組成物は、界面活性剤、四級アンモニウム化合物および/または溶媒系を含んでもよい。
【0226】
洗剤組成物は、約1重量%〜80重量%の界面活性剤を含み得る。利用される洗浄用界面活性剤剤(Detersive surfactants)は、アニオン性、非イオン性、両性イオン性またはカチオン性タイプであり得るか、またはこれらのタイプの相溶性混合物を含み得る。より好ましい界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性界面活性剤およびこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書において有用な洗浄界面活性剤(Detergent surfactants)は、米国特許3,664,961;3,919,678;4,222,905;および4,239,659に記載されている。アニオン性および非イオン性の界面活性剤が、好ましい。有用なアニオン性、非イオン性、両性イオン性またはカチオン性タイプの界面活性剤は、上に記載されたものである。
【0227】
洗濯用洗剤組成物は、約6〜約10、約6.5〜約8.5、約7〜約7.5、または約8〜約10のpHを有してもよく、ここで洗剤のpHは、20±2℃での洗剤の水性10%(重量/体積)溶液のpHとして定義される。
【0228】
本発明の尚別の態様において、消費者製品は、シャンプー、ヘアコンディショナーおよびパーソナルクレンジング組成物などのパーソナルケア製品である。シャンプーおよびヘアコンディショナー調剤および成分の例は、米国特許6,162,423;5,968,286;5,935,561;5,932,203;5,837,661;5,776,443;5,756,436;5,661,118;および5,618,523に記載されている。
【0229】
毛髪クレンジング組成物−シャンプー−は、アニオン性、非イオン性および/または両性イオン性の界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤を、典型的には、組成物の総重量に基づいて、2〜60wt%、より特定的には5〜50wt%およびより特定的には5〜40wt%の濃度範囲で含む。
【0230】
上に言及されたアニオン性、非イオン性および/または両性イオン性の界面活性剤のいずれも、毛髪クレンジング組成物に採用されてもよい。
アニオン性界面活性剤は、1から約30wt%まで、特に2〜25wt%および最も特に2〜20wt%の量で存在してもよい。
【0231】
非イオン性界面活性剤は、総組成物に基づいて、約0.25wt%から約5wt%まで、特に約0.5wt%〜約3.5wt%の量で採用されてもよい。
両性イオン性界面活性剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%〜約10重量%、より特定的には約1重量%〜約7.5重量%の量で採用されてもよい。
【0232】
本発明の毛髪調整用組成物は、リーブインまたはリンスオフのいずれかの組成物の形態であり得る。
好ましい界面活性剤は、非イオン性およびカチオン性のタイプであり、それらは、毛髪クレンジング組成物に関し上に言及された量で採用されてもよい。
【0233】
好適なカチオン性界面活性剤およびまたは調整剤(conditioning agents)は、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ミリストイルトリメチルアンモニウムクロリド、トリメチルセチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルステアリルアンモニウムクロリド、ジメチル二水素化タロウアンモニウムクロリド、ステアトリモニウムクロリド、ジパルミトイルジモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアラミドプロピルトリモニウムクロリドおよびジオレオイルエチルジメチルアンモニウムメトサルフェートなどの、単独で、または互いに混和されて使用され得る長鎖四級アンモニウム化合物である。
【0234】
特に有用なのは、いわゆるエステルクワットであるが、これは、「Schercoquat TM」、「Dehyquart TM F30」および「Tetranyl TM」の商標で利用可能なものなどの、周知の商業用成分である。ヘアケア組成物におけるエステルクワットの使用は、例えばWO-A 93/107 48、WO-A 92/068 99およびWO-A 94/166 77に記載されている。
【0235】
毛髪調整用組成物は、調整剤としてカチオン性ポリマーを含有してもよい。カチオン性調整剤は、これらに限定されないが、Polyquaternium 10などのセルロースタイプポリマー、またはグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性グアーガムを包含する。他のカチオン性調整剤は、キトサンおよびキチンなどの天然のカチオン性ポリマーを包含する。
【0236】
他のポリマーは、Polyquaternium 6、Polyquaternium 7、Polyquaternium 10、Polyquaternium 11、Polyquaternium 16、Polyquaternium 22およびPolyquaternium 28、Polyquaternium 30、Polyquaternium 37、Polyquaternium 36、およびPolyquaternium 46を包含する。尚さらに、Quaternium-8、Quaternium-14、Quaternium-15、Quaternium-18、Quaternium-22、Quatemium-24、Quaternium-26、Quaternium-27、Quatemium-30、Quatemium-33、Quaternium-53、Quatemium-60、Quaternium-61、Quaternium-72、Quatemium-78、Quaternium-80、Quaternium-81、Quaternium-81、Quaternium-82、Quaternium-83およびQuatemium-84。様々なカチオン性ポリマーの混合物を使用することもまた、可能である。
【0237】
カチオン性ポリマーはまた、例えばEP-A 524 612およびEP-A 640 643に記載されるとおり、オルガノポリシロキサンおよびポリエチルオキサゾリンからのグラフトポリマーの四級化生成物も包含してもよい。
典型的には、毛髪調整用組成物は、組成物の総重量に基づいて、該調整剤の0.01wt%と7.5wt%との間、好ましくは0.05wt%〜5wt%を含有してもよい。
【0238】
他の調整剤は、Dow Comingから利用可能な一連のDC fluid(the DC fluid ranges)などの、ジメチコン、ジメチコノール、ポリジメチルシロキサンを包含する、揮発性または不揮発性シリコーン油を包含してもよい。また好適なのは、オリーブオイル、アーモンドオイル、アボカド油、トウゴマ油、ココナッツ油、ヤシ油、胡麻油、落花生油、鯨油、ヒマワリ油、杏仁油、小麦麦芽油、マカダミアナッツ油、夜サクラソウ油、ホホバ油、ヒマシ油または大豆油、ラノリンおよびこれらの誘導体などの天然油、ならびにパラフィン油およびワセリンなどの鉱油もある。
【0239】
非イオン性調整剤は、、例えばグリセリン、グリコールおよび誘導体などのポリオール、Carbowax PEG(Union Carbideから)および一連のPolyox WSR(Amercholから)の商標で知られているポリエチレングリコール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコールモノまたはジ脂肪酸エステルであってもよい。
【0240】
上に述べられた追加の非カチオン性調整剤のいずれについての典型的な濃度範囲は、組成物の総重量に基づいて0.01wt%〜15wt%であり得る。
それらは加えて、少なくとも1種の飽和または不飽和の脂肪アルコールを含有してもよい。脂肪アルコールは、これらに限定されないが、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールおよびこれらの混合物を包含する。脂肪アルコールの濃度は、組成物の総重量に基づいて20wt%未満であってもよい。
コンディショナー組成物は、US 2015/0157550に開示されており、これは、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0241】
本発明の尚別の態様において、消費者製品は、香り付け剤であり得る。香り付け剤製品は、液体または固体の製品であり得る。それらは、それらがいかなる活性剤、例えば界面活性剤をも含まないことを特徴とする;それらは、単に香料組成物にカプセル封入された形態、および任意にまた遊離の香料油の形態における懸濁媒体を提供する。香り付け剤製品中のカプセル封入された香料組成物に特に好適な懸濁媒体は、ポリエチレングリコール(PEG)である。PEGは、5,000〜11,000、より特定的には約8,000の分子量を有し得る。
【0242】
香り付け剤製品は、US 7,867,968に開示されており、それを、その全体において本明細書中に組み込む。
【0243】
香り付け剤製品が活性剤、例えば界面活性剤を含まないという事実を与えられて、安定性の問題は発生せず、したがってカプセル封入された香料組成物をかかる製品中に組み込ませる調合者の自由度は、より大きい。したがって、香り付け剤製品は、より広い濃度範囲の香料を含んでもよい。特に、カプセル封入された香料組成物を、香り付け剤製品に、消費者製品に消費者製品の重量に基づいて約5wt%までの香料組成物を提供するレベルで適用してもよい。
【0244】
ここで、本発明の態様を例示する役割を果たす一連の例を、後続させる。これらの例は例示的であり、本発明はそれに限定されると考慮するべきではないことは、理解されるだろう。
【0245】
例1
両性コポリマーコロイド安定剤の調製
本発明のポリマーを、以下のプロトコルを使用して得る。例を、アクリル酸/MAPTACコポリマーで行う。このポリマーを生産するために、以下の化合物を反応器中に導入する:
464gのMAPTAC(水中50%)
34.4gのアクリル酸(水中90%)
119gの水
0.03gのEDTA
0.14gの次亜リン酸ナトリウム
【0246】
反応媒体のpHを、NaOHを使用することにより5.0〜5.2に調整する。
53gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(水中10%)をまた、反応器中に導入する。
【0247】
反応媒体を、1時間の間85℃で維持する。次に、1.3gの重亜硫酸ナトリウム溶液(水中40%)を、反応器中で1回で加える。1時間の経時変化(aging)の後、生成物を、255gの水を加えることにより希釈する。
【0248】
本発明によるカプセル封入された香料組成物の調製
1キログラムのカプセル封入された香料組成物スラリーを、以下の方法に従って形成する:
反応器を、20℃の温度に設定し、脱イオン水(550g);架橋剤としてのレゾルシノール(10g);上に記載した方法に従って調製した正に荷電されたポリマーコロイド安定剤(2g);およびメラミンホルムアルデヒド前縮合物(Luracoll SD)(5g)を、投入する。撹拌速度を、400rpmに設定する。この段階で、香料組成物(300g)を加える。
【0249】
コアセルベーションを、以下の方式において施行する:ギ酸(10%)を加え、混合物を35℃で1時間撹拌する。次に、反応器温度を、90℃に1時間上昇させる。
【0250】
最後に、混合物を冷却する。冷却した混合物を1時間撹拌した後に、カプリリルグリコール(4g)およびフェノキシエタノール(4g)を、加える。カチオン性懸濁剤(Flosoft FS222)を、混合物に30分の間にわたって撹拌下で加える。最後に、スラリーのpHを、アンモニアの量(1g)を加えることにより5.7〜6.7のpH範囲に調整する。その後、カプセル封入された香料組成物のスラリーを、反応器から排出する。
【0251】
例2a
アニオン性ポリマー安定剤(Lupasol PA 140)を使用した比較のカプセル封入された香料組成物の調製
1キログラムのカプセル封入された香料組成物スラリーを、以下の方法に従って生成する:
反応器を、20℃の温度に設定し、脱イオン水(550g);架橋剤としてのレゾルシノール(10g);アニオン性ポリマーコロイド安定剤Lupasol PA 140(10g);およびメラミンホルムアルデヒド前縮合物(Luracoll SD)(5g)を、投入する。撹拌速度を、400rpmに設定する。この段階で、香料組成物(300g)を加える。
【0252】
コアセルベーションを、以下の方式において施行する:ギ酸(10%)を加え、混合物を1時間撹拌する。次に、反応器温度を、90℃に1時間上昇させる。最後に、混合物を冷却する。冷却した混合物を1時間撹拌した後に、カプリリルグリコール(4g)およびフェノキシエタノール(4g)を、加える。最後に、スラリーのpHを、アンモニアの量(1g)を加えることにより5.7〜6.7のpH範囲に調整する。その後、カプセル封入された香料組成物のスラリーを、反応器から排出する。
【0253】
例2b
上記の例1に記載した方法に従って調製し、ここでコポリマーを架橋の間に加える、両性コポリマーを使用した比較のカプセル封入された香料組成物の調製
反応器を、20℃の温度に設定し、脱イオン水(550g);架橋剤としてのレゾルシノール(10g);およびメラミンホルムアルデヒド前縮合物(Luracoll SD)(5g)を、投入する。撹拌速度を、400rpmに設定する。この段階において、香料組成物(300g)を加える。
【0254】
コアセルベーションを、以下の方式において施行する:ギ酸(10%)を加え、混合物を35℃で1時間撹拌する。反応器温度を、次に90℃に上昇させ、当該温度で1時間保持して、架橋を行う。温度の上昇中に、反応器温度が60℃に達した際に、正に荷電された両性コポリマー(2g)を、混合物に加える。
【0255】
最後に、混合物を冷却する。冷却した混合物を1時間撹拌した後に、カプリリルグリコール(4g)およびフェノキシエタノール(4g)を、加える。カチオン性懸濁剤(Flosoft FS222)を、混合物に30分の間にわたって撹拌下で加える。最後に、スラリーのpHを、アンモニアの量(1g)を加えることにより5.7〜6.7のpH範囲に調整する。その後、カプセル封入された香料組成物のスラリーを、反応器から排出する。
【0256】
得られたスラリーは、乏しい品質であった。D50測定によって、凝集体の生成を示す広い粒度分布が示され、それらの多くは、実際に視認可能であった。
【0257】
例3
本発明のカプセル封入された香料組成物、および比較のカプセル封入された香料組成物(@スラリーの0.5%)の、布用ソフナーの基剤中への組み込み。
以下の表は、比較の、および本発明のカプセル封入された香料組成物の体積平均直径(D50)を示す。スラリーの形態において、例1のカプセル封入された香料組成物は、8ミクロンのD50を有し、一方例2aのものは、11ミクロンのD50を有する。しかしながら、それぞれの組成物を布用ソフナーの基剤中に組み込ませる場合、例2aの比較の組成物は、凝集を形成すると見られ(D50=100)、一方本発明の組成物のD50は、実質的に不変であると見られ(D50=11)、凝集を有しないことを示す。体積平均直径を、Malvern 2000S機器を使用した光散乱測定を採用することにより得る。
【0259】
例4
マイクロカプセル上のゼータ電位が洗浄ステップの後でさえも安定であることを実証すること
懸濁液を、499.5gの水および0.5gの例1に従って調製したスラリーで調製する。懸濁液を、温和に5分間かきまぜて、それを均質化する。その後、2グラムの懸濁液を、緩衝溶液(KH
2PO
4/Na
2HPO
4)8g中に、pH7で加える。
【0260】
緩衝した溶液を、Zetasizer Nano Z機器(Malvern)の測定セルに加え、マイクロカプセルのゼータ電位を、溶液を通じて633nm波長にレーザーを向けることにより、いわゆる位相解析光散乱法によって測定する。機器によって、マイクロカプセル荷電の直接の読み取りが得られる。得られた値は、+50mVであった。
【0261】
マイクロカプセルのゼータ電位の安定性を確認するために、上に記載した5グラムの懸濁液を、同一の量の蒸留水と混合した。混合物を配置し、2000rpmで5分間遠心分離し、スピンして、水を除去する。ペレットを、さらに5グラムの水で再構成し、次に再び遠心分離した。洗浄および遠心分離ステップを、3回繰り返した。最後に、再懸濁した後、懸濁液を、上に記載した方式において緩衝し、ゼータ電位を、記載したように測定した。マイクロカプセルの調製において使用する正に荷電されたポリマーがマイクロカプセル中に良好に包埋されている場合、それが洗浄除去されず、ゼータ電位が依然として不変であるであろうことが、仮定された。またこれによって、測定されたゼータ電位が再び+50mVであったので、そのような場合であると証明された。
【0262】
例5
本発明によるカプセル封入された香料組成物(例1)の、液体布用柔軟剤のベース中の例2の先行技術のカプセル封入された香料組成物(比較)と比較しての嗅覚的性能
カプセル封入された香料組成物のスラリー(基剤の重量に基づいたスラリーの0.5wt%)を、液体布用柔軟剤の基剤中に組み込ませた。テリー織のタオル地を、標準的なフロントロード型EU洗濯機中で、芳香付与されていない洗剤を使用して洗浄した。すすぎサイクル中に、タオルを、例1によるカプセル封入された香料組成物(本発明)を含む、および比較のカプセル封入された香料組成物(例2による)を含む布用柔軟剤で処置した。タオルを、洗濯機から取り出し、室温で24hライン乾燥した。24hで、タオルを折り畳み、専門家のパネリスト(10人)によって嗅覚的に評価する。パネリストに、嗅覚的評価をするように依頼し、結果を、以下の表中に示す(0〜5の階級、より高い数は、最も強い嗅覚的性能を表す)。
【0264】
当該例は、例1に従って形成したマイクロカプセルが例2に従って形成したものより優れていることを実証する。さらに、例1に従って形成した当該マイクロカプセルは、体積平均直径が比較的低い際により良好な性能を示す。
【0265】
例6
香料組成物のカプセル封入された香料組成物安定性に対する効果
5マイクロメートルのシリンジフィルターを通して前もってろ過された、1gの消費者製品基剤試料を、30mlのフラスコ中で正確に秤量した。1gのCelite 545を加え、試料と混和した。10mlのペンタンを、次に0.5mgの内部標準(デカン酸メチル99% Aldrich ref 299030)と一緒に試料に加えた。全体を、マグネティックスターラーを使用して30分間撹拌した。ペンタン相を次に除去し、2マイクロリットルのアリコートを、スプリットレス注入器およびフレームイオン化検出器を装備したガスクロマトグラフ(GC)中に注入した。GCオーブンの最初の温度は70℃であり、最終温度は240℃であり、加熱の速度を2℃/minに設定した。注入器の温度は、250℃であった。60m*0.25μm*0.25μmの寸法をもつRTX1 GCカラムを使用した。
【0266】
表は、カプセル漏出分析からの結果を、RECON_VOLTAEおよびPROC値と共に要約する。
【0268】
結果は、RECON_VOLTAE値の区分のマイクロカプセル漏出に対する効果を示す。さらに、結果はまた、様々な保存条件の下で安定であるのみならず、一方高いtPROC値によって例示されるように尚拡散性である香料組成物を得ることが可能であることを示す。
【0269】
例7
一連の香料を、例1に記載したプロセスを使用することによりカプセル封入された。これらの場合において、RECON_VOLTAE値の区分および摩擦前の香りの総寄与分(tPROC)の両方を、変化させた。カプセル封入された香料組成物を、液体洗剤の基剤中に分散させた。洗浄試験を、37℃で恒温フード中の1カ月の保存の後に、標準的なフロントロード型洗濯機および標準基体としてテリー織のタオル地を使用して行った。摩擦前の性能を、カプセルを破壊しないように注意して、乾燥タオル上でタオルの臭いをかぐことにより評価した。10人の訓練されたパネリストのパネルを、使用した。評価スコアおよびカプセル封入された香料の特徴の両方を、以下の表に報告する。以下の相対的な階級を、使用した:1:ほとんど目立たない香り、2:中程度の香り強度、3:強い香りおよび4:極めて強い香り。
【0271】
結果は、RECON_VOLTAE区分およびtPROC区分の両方の点において最適があることを示す。pPROCパラメーターの関連もまた、実証される。結果はまた、1750より高いRECON_VOLTAE値を有する高いレベルの成分は、保存中の漏出に対するカプセル耐久性に有益であるが、摩擦前の衝撃に対して有害な効果を有し得ることを示す。本例は、RV>1750の成分を本発明のカプセル封入された香料組成物中で20〜25wt%より高いレベルで使用しないことが有利であることを教示する。