特許第6827963号(P6827963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6827963
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】計量用ヒュームカップボード
(51)【国際特許分類】
   G01G 21/30 20060101AFI20210128BHJP
   G01G 23/00 20060101ALI20210128BHJP
   B01L 1/00 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   G01G21/30
   G01G23/00 F
   B01L1/00 A
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-567531(P2017-567531)
(86)(22)【出願日】2016年2月15日
(65)【公表番号】特表2018-510065(P2018-510065A)
(43)【公表日】2018年4月12日
(86)【国際出願番号】EP2016053118
(87)【国際公開番号】WO2016146315
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2019年2月6日
(31)【優先権主張番号】102015103766.1
(32)【優先日】2015年3月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517323773
【氏名又は名称】ヴァルトナー アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】WALDNER AG
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】リープシュ、ユルゲン
【審査官】 河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭41−002619(JP,Y1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0333957(US,A1)
【文献】 実開昭51−145065(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第01312871(EP,A1)
【文献】 独国特許出願公開第10042437(DE,A1)
【文献】 特開2010−217176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L 1/00
B01L 9/02
C12M 1/00
F24F 7/06
G01G 21/28 − 21/30
G01G 23/00 − 23/48
B25H 1/20
B08B 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験室において薬学的に活性なまたは有害な物質を計量するための計量用フード(1)であって、
作業空間(19)を画定するハウジング(10)であって、前記ハウジング(10)の前面が、前記計量用フードの意図された使用において常に開いている作業開口を有する、ハウジング(10)と、
前記作業空間(19)の床の境界を定める作業面(20)と、
前記作業開口(11)の領域にあるアームレスト(40)と、
前記ハウジング(10)、前記作業面(20)および前記アームレスト(40)の重量を支持する支持体(30)と、を備え、
前記作業面(20)は、衝撃および振動に関して、ハウジング(10)、アームレスト(40)及び支持体(30)から分離されており
前記支持体(30)と前記作業面(20)との間には、少なくとも1つの弾性要素(22)が配置され、前記作業面(20)は前記弾性要素(22)の上に載置され、
前記支持体(30)は少なくとも1つのブレース(32a)を有し、
前記弾性要素(22)は前記ブレース(32a)と前記作業面(20)との間に配置され、
前記ブレース(32a)は、前記弾性要素(22)上にある前記作業面(20)の作業領域が前記支持体(30)の表面と同一平面になるように配置される、計量用フード(1)。
【請求項2】
前記作業面(20)は、(i)前記ハウジング、(ii)前記アームレスト(40)及び
(iii)前記支持体(30)のいずれとも直接接触していない、請求項1に記載の計量用
フード(1)。
【請求項3】
前記作業面20と、(i)前記ハウジング、(ii)前記アームレスト及び(iii)前記支持体(30)との間には、形状による嵌合または材料の接合が存在しない、請求項1または2に記載の計量用フード(1)。
【請求項4】
前記作業面(20)は、衝撃および振動から分離されるように、前記支持体(30)の上を避けて載置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の計量用フード(1)。
【請求項5】
前記弾性要素(22)は、ゴムまたは弾性プラスチックから製造される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の計量用フード(1)。
【請求項6】
前記支持体(30)は、前記作業面(20)を弾性的に3点支持または4点支持するように構成される、請求項1〜のいずれか一項に記載の計量用フード(1)。
【請求項7】
前記作業面(20)は一体構造であり、40kg〜60kgの範囲の重量を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の計量用フード(1)。
【請求項8】
前記ハウジング(10)および前記アームレスト(40)は、前記支持体(30)の上を避けて載置される、請求項1〜のいずれか一項に記載の計量用フード(1)。
【請求項9】
弾性のある目地シールが前記作業面(20)の側方及び後方の外周に設けられる、請求項1〜のいずれか一項に記載の計量用フード(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実験室において薬学的に活性なかつ有害な物質を計量するための計量用フードに関する。
【背景技術】
【0002】
医薬および化学産業は、低濃度であるにもかかわらずより長い期間にわたり有効であり続ける、有効な医薬品および調剤品を集中的な開発事業を通じて作り出してきた。結果として、少量の活性なまたは有害な物質であっても、研究者らおよび研究者らと共に作業する検査技師にとって危険となり得る。
【0003】
そのような物質が「オープンスペースで(offen)」取り扱われ、かつ、高精度の秤で釣り合いをとられる(最大で0.001mgの精度)計量プロセスには深刻なリスクが伴い、その理由は、そのような物質により、10μm未満であることが多い、裸眼では見えない粒子が空中に放出され、したがって、空気を通じて実験室の職員を汚染し得るためである。
【0004】
計量用フードは、検査技師を保護するために計量プロセスにおいて使用され、検査技師が作業開口を介して前から接近し得る換気式かつ通気式のチャンバを有する。座位または立位において、検査技師は、自らの前腕を通常はアームレストに載せて作業チャンバへ挿入し、そのようにして、作業面上に位置する実験器具および物質を取り扱う。これらの器具は、前述の高精度の実験用秤、ならびに分けられることになる様々な物質を入れる容器およびさらなる作業デバイス、例えば、容器から物質を回収しかつ実験用秤の計量皿に入れるためのへらを含む。計量後に、これらの物質は次いで別の容器へ移されてもよい。
【0005】
従来の計量用フードの欠点は、乱気流または機械的振動などの外的作用が極めて高精度の秤へ影響を及ぼす場合があり、したがって計量結果に影響し得ることである。しかしながら、空気循環モードで作動する秤であっても、建物排気システムに接続されておらず、代わりに、作業チャンバから真空装置を用いて空気を出し、フィルタシステムを通じてそれを供給し、次いで浄化された空気を実験室空間へ戻す自律的フィルタシステムおよびそれ自体のベンチレータを有するものは、ベンチレータからの振動が計量結果へ影響を及ぼし得るという欠点を有することが多い。計量結果は、したがって、必ずしも一貫しておらず、再現可能ではない。
【0006】
同様に、従来の計量用フードの人間工学は、非常に落ち着いたかつ実質的に疲れを感じさせない作業に常につながるわけではない。さらに、職業衛生学上の理由から、計量用フードは、容易に清掃され汚染物質を除去され得ることが重要である。これは、従来の計量用フードには、その構成のために接近し難いことが多い領域があることから、常に当てはまるわけではない。さらに、空気循環モードで作動する計量用フードにおけるフィルタ交換にはまた、危険物質がフィルタから放出され得、および技師がそれらと接触し得るという危険が伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的の1つは、先行技術の欠点をなくすか、少なくともそれらを最小化すること、およびさらに従来の計量用フードでは得ることのできない利点を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項1の特徴の組合せにより達成される。本発明の任意選択のまたは有利な特徴は従属請求項で与えられる。
本発明の好ましい実施形態によると、実験室において薬学的に活性なまたは有害な物質を計量するための計量用フードは、作業空間を画定するハウジングであって、ハウジングの前面が、計量用フードの意図された使用において常に開いている作業開口を有する、ハウジングと、作業空間の床の境界を定める作業面と、作業開口の領域にあるアームレストと、ハウジング、作業面およびアームレストの重量を支持する支持体と、を備える。作業面は、衝撃および振動に関して、ハウジング、アームレスト及び支持体から分離されている。
【0009】
作業面は、(i)ハウジング、(ii)アームレスト及び(iii)支持体のいずれとも直接接触していないことが好ましい。
作業面と、(i)ハウジング、(ii)アームレスト及び(iii)支持体(30)との間には、解放可能な力による係合、形状による嵌合または材料の接合が存在しないことがより好ましい。
【0010】
本発明の有利な実施形態では、作業面は、衝撃および振動から分離されるように、前記支持体の上を避けて載置される。
本発明のより有利な実施形態では、支持体と作業面との間には、少なくとも1つの弾性要素が設けられ、作業面は弾性要素の上に載置される。
【0011】
弾性要素は、ゴムまたは弾性プラスチックから製造されることが好ましい。
より好ましくは、支持体は、前記作業面を弾性的に3点支持または4点支持するように構成される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、作業面は一体構造であり、40kg〜60kgの範囲の重量を有する。
ハウジングおよびアームレスト(40)は、前記支持体の上を避けて載置されることが好ましい。
【0013】
さらに、支持体は少なくとも1つのブレースを有し、弾性要素はブレースと前記作業面との間に配置され、ブレースは、弾性要素上にある作業面の作業領域が支持体の表面と同一平面になるように配置されるとよい。
【0014】
さらにより好ましくは、弾性のある目地シールが作業面の側方及び後方の外周に設けられる。
本発明は、ここで、添付図面を参照し、好ましい実施形態に基づいて一例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による計量用フードの正面斜視図を示す。
図2図1における線A−Aに沿った断面図を示す。
図3】ハウジングの内部に位置する作業空間の断面図を示す。
図4】上面図およびヒンジの線A−Aおよび線B−Bに沿った2つの断面図を示す。
図5】デフレクタ壁の領域における作業面の断面図を示す。
図6】側壁の領域における作業面の断面図を示す。
図7】コーナプロファイルの斜視図を示す。
図8】排気または循環空気フィルタシステムの断面図を示す。
図9図8に示された排気または循環空気フィルタシステムの斜視分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面およびそれらの断面図ならびに対応する図面の説明をより理解するために、デカルト座標系が図面のいくつかに含まれる。別段の記載がない限り、x軸は計量用フードの幅に沿って延在し、y軸は奥行に沿って延在し、z軸は高さに延在する。
【0017】
本明細書において説明された態様の全てが循環空気モードの計量用フードに関するとしても、それらの態様の少なくともいくつかはまた、排気モードで作動する計量用フードでも使用され得る。
【0018】
以下の説明において排気に言及するとき、これは、計量用フードの作業空間から排出され、次いで浄化目的で排気フィルタシステムへ送り込まれる空気を指す。排気モードで作動する計量用フード、すなわち、建物排気システムに接続された計量用フードでは、空気は、建物内の空気に入ることが許容される前に、作業空間から排出および濾過されなければならない。したがって、唯一の差異は、本明細書において説明される例示的な実施形態では、計量用フードが設置された実験室空間におけるベンチレータを用いて排出および濾過された排気が戻される一方、排気モードで作動する計量用フードでは、排気は、建物に設置された、通常、排気フィルタが設置された排気ダクトを通じて大気へ排出されることである。
【0019】
さらに、本明細書において説明された態様のいくつかは、閉鎖アイソレータまたは閉じ込めシステムでも使用され得る。アイソレータまたは閉じ込めシステムは閉鎖フードであり、その前面は常に開いた作業開口を有しないが、2つの開口がその前面に設けられ、これらの開口は、通常ゴムでできている2つの手袋により作業空間の内部から封止される。つまり、検査技師は、開口を通して自らの手を伸ばし、そして作業用手袋をはめる。そのような閉鎖アイソレータまたは閉じ込めシステムとは対照的に、本明細書において説明される計量用フードは、常に開いている開口を有しているために開いている。
【0020】
図1に示される計量用フード1は、好ましくは、実質的に以下の構成要素:ハウジング10、作業面20、支持体30、アームレスト40、フィルタシステム60、ベンチレータ70および排気口90を含み、排気口90は、好ましくは、ホース80を介してベンチレータ70に接続される。
【0021】
好ましくはカウンターフレームワークとして設計された支持体30は、本明細書に示された例示的な実施形態において4つの脚部31を含み、4つの脚部31の各々には、根本端部に水平化手段が設けられるが、この水平化手段については詳細には説明しない。水平化手段は、計量用フード1が置かれる床が何らかの不均一を有する場合に、1つまたは複数の水平化手段の使用によりフード1全体のぐらつきを防ぐことができるため有利である。
【0022】
脚部31は、安定性のために、交差ブレース32により相互接続され、交差ブレース32は幅(x軸)および/または奥行(y軸)のいずれかに沿って延在する。図5および図6を参照してより詳細に説明されるように、作業面20は支持体30上に載置される。これは、図に示されるとおり、3点支持または4点支持により得られる。ハウジング10も同様に支持体30に位置する。支持体30は、したがって、ハウジング10、作業面20およびアームレスト40の重量を支持する。図1に示される例示的な実施形態において、支持体30は、好ましくは、排気または循環空気フィルタシステム60、ならびにベンチレータ70およびホース80の重量も支持する。
【0023】
作業空間19の境界を定めるハウジング10は、作業空間19の後ろに二重壁16a、16b付きのデフレクタ壁16を含む。中空チャンバ16c(図2)は、二重壁付きのデフレクタ壁16の内部に位置し、中空チャンバ16cを通って排気が排気フィルタシステム60へ送られる。ハウジング10は、側方境界として2つの側壁15と、前面または上面に上部12と、上方へ折り曲げられ得る前プレート14とを有する。好ましくは、デフレクタ壁16のための側方カバーとしても機能し得る側壁15、および上部12は、デフレクタ壁16(16aまたは16b)へ永続的に接続され、一方で前プレート14はヒンジ13により上部へ枢動可能または回転可能に接続される。
【0024】
前プレート14は、図1では閉位置で示される。しかしながら、前プレート14はまた、この閉位置から開位置へ枢動され得、それにより計量用フードにおいて必要とされる任意の器具が作業空間19内へ持ち込まれ得、かつ作業面20に配置され得る。これらの器具は、例えば、高精度の実験用秤、計量される物質を含む容器、および計量された物質が最終的に移動するさらなる容器を含む。加えて、より小さい器具、例えば、作業用手袋、へら、計量皿なども、通常、そのような計量用フードにおいて使用される。
【0025】
計量用フード1の意図された使用において常に開いている作業開口11は、枢動可能前プレート14の下に配置される。検査技師は、この作業開口11を通じて作業空間19に接近できるようになる。通常、検査技師は計量用フード1の前に座り、ここで、座位位置は、検査技師が作業空間19における自らの作業を人間工学的に行うことができるように、作業開口11が検査技師のわずかに曲げられた前腕の高さにあるようなものとなる。検査技師は、この座位位置において透明な前プレート14を通じて自らの作業を観察する。作業空間19において行われることの全体を良好に見ることができるようにするために、側壁15および上部12も好ましくは透明である。前プレート14、上部12および側壁15は、好ましくは、アクリルガラスでできている。
【0026】
検査技師が可能な限り少ない反射(計量用フード1での疲れを感じさせない業務にも寄与する)で作業面20に位置する作業デバイスおよび器具を見ることができるように、前プレート14は、図2において示されるように凸状に湾曲する。曲率は、前プレート14の外形が円セグメントに対応するように、好ましくは一定である。上部12は、同様に好ましくは凸状に湾曲する。前プレート14の曲率半径は、好ましくは、上部12の曲率半径に対応する。
【0027】
前プレート14を円滑に開くために、前プレート14の下方エッジは、丸い断面(y軸)を好ましくは有するビードを有する。前プレート14が閉じられると、このビードは、側壁15の前エッジに配置された同じ直径を有するビード状の垂直な柱17に当接し、このビード状の垂直な柱17は、それらの側壁に対して大きくされ、かつ、前プレート14のビードが入る凹状の窪みを上端面に有する。換言すると、前プレート14の下端のビードの凸状曲率は、側壁15上のビード17の上端部の凹状の窪みの曲率に対応する。
【0028】
アームレスト40は、作業開口11の領域に設けられる。アームレスト40は、アームレスト機能と組み合わされたインフロープロファイルとも呼ばれ得、検査技師は、自らの作業を可能な限り少ない疲労で震えのない手により行うことができるように、作業中にアームレスト40上に自らの前腕を載せておくことができる。それにより、アームレスト40は、作業空間19の幅(x軸)の略全体にわたって延在する。図7を参照して分かるように、制御および/またはディスプレイパネルは、アームレスト40上に位置しかつそこに組み込まれ、制御および/またはディスプレイパネルを介して、検査技師は計量用フード1の重要な機能を制御し得、および/または、制御および/またはディスプレイパネルにより計量用フードの重要な動作状況を検査技師に対して表示する。
【0029】
図1では見え難い空気通路は、アームレスト40の下面と作業面20との間に設けられる。室内空気または周囲の空気は、作業空間19内が真空であることにより、この空気進入路を通って作業空間19に入ることができる。さらに、作業面20の前エッジの領域において流入する周囲の空気は、作業面の表面の近傍に位置する空気を動かし、デフレクタ壁16に向かって排出する。デフレクタ壁16には長穴のある開口(図示せず)がある。したがって、床流は、いわば作業面20に沿って生じ、これは作業面20の領域における重い気体またはエアロゾルの排出を支援する。この追加的な給気によって、以下で説明されるベンチレータ70は、同じ量の空気循環(または排気モードで作動する計量用フードにおける同じ量の排気)を生じさせるための吸引力と同じだけの吸引力を作用させる必要がない。
【0030】
可能な限り少ない乱気流で、アームレスト40と作業面20との間の間隙を通じて作業空間19内への給気を可能とするために、作業面20の前エッジはフロー最適化凸状設計である。アームレスト40も、作業面20に面するその下面および作業開口11に面するその表面でフロー最適化設計である。図2において示されるように、アームレスト40の断面プロファイルは支持面プロファイルに対応する。結果として、計量用フード1の作業中、アームレスト40の下の空気通路を通って流入する周囲の空気だけでなく、作業開口11を通って流入する周囲の空気も、実質的に乱気流がない状態でかつ層流で作業空間19へ流入し得る。
【0031】
作業面20に組み込まれた廃棄システムが同様に図1において示されており、これは、図1および図2では単に円筒形ノズル21によって示される。このために、接続ノズル21が作業面20に組み込まれる。接続ノズル21は、作業空間19における作業面20の表面と同一平面であり、かつ、支持体30に向かって下向きに突出する。計量用フードにおいて作業が行われている間に堆積した廃材、例えば梱包材料または作業用手袋は、人間工学的におよび都合よくは、重力を利用して下向きの方向に、そのようにしてもたらされる開口を通じて処分され、この開口は好ましくは着脱可能な蓋で確実に閉鎖される。この種の廃材は、作業空間19において取り扱われる有害物質と接触することが多いため、それらは汚染なしで作業空間19の内部で処分されなければならず、また、作業空間19から、開いているときの前プレート14は言うまでもなく、作業開口11を通じて除去され得ず、空間に堆積した廃材の残りと一緒に処分されなければならない。下向きに突出する接続ノズル21には、プラスチックでできている廃棄バッグ(図示せず)をOリングにより取り付けるために使用される数多くの環状の溝がその外輪郭に設けられる。廃棄バッグは、閉鎖された底部または連続的な裏地を備えた独立した袋である。交換時に、廃棄バッグは、とりわけ蒸気およびエアロゾルを含み得る廃材が廃棄バッグまたはフード内部19から漏れ出ないように、圧着工具または他の工具で二重に封止される。
【0032】
図1に示されるとおり、図7を参照してより詳細に説明されるコーナプロファイル50は、それぞれ側壁15とアームレスト40の一端とを支持体30またはその脚部31の1つに接続する。
【0033】
側壁15の下方エッジは、上部12および前プレート14と同様に好ましくはアクリルガラスでできており、同様に、好ましくは金属でできているプロファイル18に囲まれる。このプロファイル18は、組立てられた状態において、その下に位置する交差ブレース32の上にある。
【0034】
作業面20が隆起部またはビードをエッジ上に有することが図1において同様に示される。このビードは、図1では参照符号が割り当てられていないが、好ましくは作業面の円周全体にわたって延び、有毒なまたは化学的反応を引き起こし得る液体または粉体が意図せずに流出したときに、作業面のエッジを越えてこぼれることを防ぎ、代わりにそれらの液体または粉体を作業面20上に保持する。
【0035】
作業面20は、好ましくは一体構造を有し、好ましくは、産業用セラミックでできている。作業面20の重量は、好ましくは(大きさに応じて)40kg〜60kgの範囲である。作業空間19を封止するために、弾性のある目地シールが、2つの側方エッジおよび背面において、作業面20とデフレクタ壁16との間、ならびに作業面20と側壁15との間に設けられる。
【0036】
アームレスト40と作業面20との間の空気通路を通じて入る室内空気または周囲の空気、ならびに作業空間19における作業開口11を通じて入る室内空気または周囲の空気は、ベンチレータ70を用いて、壁要素16bに設けられたスロット(図示せず)からデフレクタ壁16の中空空間16c内へ吸引される。図2において示されるように、この方法により吸引して出された空気は、好ましくは管状の接続フランジまたは支持要素61(図8)における開口16dを通過してフィルタ62へ入る。排気は、フィルタ62により浄化された後、排気フィルタハウジング65の開口69を通って下向きにホース80を通ってベンチレータ70に向かって流れ、排気口90を通過して実験室空間(図1)に入る。
【0037】
排気フィルタシステム60、ベンチレータ70、ホース80および排気口90の構成要素の全ては、好ましくは作業面20の下に配置される。計量用フード1のそれらの構成要素の全ては、支持体30へまたはデフレクタ壁16(図1)の下向きに延在する延長部上に取り付けられ得る。
【0038】
図1を再び参照すると、作業面20および好ましくは作業空間19全体を照らすための光源が、一態様によるヒンジ13に配置される。
図3において示されるように、光源は、全ての作業プロセスのための作業空間19の関連部品および作業面20全体を照らす。図4に同様に示されるヒンジ13は、好ましくは、ヒンジ13の長さ全体(x軸)にわたって一定の直径を有する、好ましくは3つの部片でできた円筒形体を有する。図1および図3において示されるように、ヒンジは自立式であり、前プレート14を上部12に枢動可能に結合する。上部12および前プレート14は、調整可能な力嵌めクランプ接続部を介してヒンジ13に接続される。クランプ力は調整可能であるため、計量用フード1のアセンブリは著しく単純化される。
【0039】
少なくとも1つの光源がヒンジ13に組み込まれ、ヒンジ13は、好ましくは、少なくとも1つのLEDストリップを含み、少なくとも1つのLEDストリップは、好ましくは、ヒンジ13の幅または長さ(x軸)の少なくとも75%にわたって延在する。
【0040】
図4において示されるように、ヒンジ13の静止セクション(A−A断面)は凹部13aを有し、凹部13aには上部12が圧力嵌め方式に受け入れられる。ヒンジ13の枢動セクション(B−B断面)は、対照的に2つの凹部を有し、一方の凹部13bは前プレート14の圧力嵌め式収容のためであり、他方の凹部13cは光源を受けるためである。
【0041】
好ましくは、2つのLEDストリップが凹部13cに設けられ、それらの色温度は混合され、要件に応じて各々異なるケルビン数(色温度)を有し得る。好ましくは、一方のLEDストリップは3000Kの色温度を有し、他方のLEDストリップは6000Kの色温度を有する。2つのLEDストリップの色を混合することにより、様々な光温度、例えば暖色性白色(3000K)、昼白色(4500K)または昼光色(6000K)が作業空間19において生じ得る。
【0042】
このように定義付けられた光温度は、例えば医薬物質の色を特定するために必要である。計量される医薬物質の色は、好ましくは、定義付けられた光温度で目盛りの付いた色カードと比較されて、その色が確定される。
【0043】
光源または好ましくは少なくとも1つのLEDストリップは、好ましくはプラスチックでできている透明保護チューブに封入される。一方で、これは、作業空間19において取り扱われる刺激性物質に対する化学的保護を提供する。他方では、電圧が供給された光源に対する短絡の危険が防止されるため、作業空間19のクリーニングおよび汚染除去がこれにより円滑になる。
【0044】
好ましい回転ブレーキがヒンジに含まれるが、これは図示されない。数多くの回転ブレーキがまた、好ましくは、前プレート14の重量に応じて設けられ得る。そのような回転ブレーキの結果として、開いた前プレート14は、制動された方法で閉位置へ自動的に戻ることができ、損傷または作業する人の怪我の原因となり得る単純な落下はしない。
【0045】
同様に図示されていないのは、角度リミッタであり、この角度リミッタは、前プレート14の上向き開口角度を制限し、したがって前プレート14の最大開位置を画定する。角度リミッタは止め具のようなものであり、前プレート14の最大開位置は、好ましくは、前プレート14が繊細なバランスのままであり得る位置となるように設定される。代替的におよびまた好ましくは、前プレート14を最大開位置でロックする留め具(図示せず)も設けられ得る。
【0046】
図5は二重壁のデフレクタ壁16の領域における作業面20の断面図であり、デフレクタ壁16は、間を空けて配置された2つの壁16a、16bを有し、かつ、これらの壁の間に排気チャネルを画定する。後ろ脚部31および交差ブレース32の断面が同様に示される。別の交差ブレース32は、画像平面(x軸)に対して垂直に延びる、丸い形のコーナを有する長方形二重線により示される。支持体またはブレース32aは、y方向に延在するブレース32とx方向に延在するブレース32との両方に接続される。支持体またはブレース32aは、好ましくは、y方向に延在するブレース32とx方向に延在するブレース32との両方に溶接接続により接続される。支持体32a上に位置する弾性要素22は、好ましくはゴムまたは弾性のあるプラスチックでできている。作業面20は弾性要素22上にある。別の態様によると、作業面20は、支持体30の一部である交差ブレース32および壁16bと直接接触しないように弾性要素22上にある。
【0047】
図6は、同様に、x方向に延在する交差ブレース32の領域における作業面20と側壁15とを断面図で示す。支持体またはブレース32aも示されており、支持体またはブレース32aは、支持体30を安定させるために機能する交差ブレース32に接続される。ここでも、溶接接続が使用されることが好ましい。側壁の下端領域を囲む側壁15およびプロファイル18の断面も同様に示される。ここでも作業面20は弾性要素22上に載置され、弾性要素22は好ましくはゴムまたは弾性のあるプラスチックでできている。本発明の別の態様によると、作業面20はまた、この領域では側壁15、プロファイル18、交差ブレース32、または脚部31と直接接触しない。
【0048】
図5図1に示される作業面20の右後ろの角領域を示す一方、図6は、図1に示される作業面20の左前の角領域を示し、同じ配置構成が作業面20の右前の角領域および作業面20の左後ろの角領域に当てはまる。
【0049】
このさらなる態様によると、作業面20は弾性要素22上にあり、支持体30、デフレクタ壁16またはアームレスト40の構成要素のいずれとも直接接触しないため、作業面20は、検査技師によるアームレスト40および前プレート14などの計量用フードの構成要素へのいずれの接触も計量結果に影響を及ぼさないように、衝撃および振動から完全に分離される。ベンチレータ70により潜在的に引き起こされ、排気フィルタシステム60およびデフレクタ壁16にわたって続く振動は、したがって、作業面20へ伝わらない。作業面20は、同様にいずれの建物振動からも分離される。計量用フード1が設置された実験室が、建物振動がより強い、より高い階に位置する場合、作業面20は、より低い減衰定数を有するガスばねなどの弾性要素を選択することによって、そのような建物振動の衝撃および振動から完全に分離され得る。当然のことながら、ガスばねはまた、他の種類の振動を十分に吸収するように調整され得る。
【0050】
さらなる態様によるノードプロファイルまたはコーナプロファイル50の斜視図が図7に示され、これにより、アームレスト40、側壁15の1つ、および支持体30、好ましくはここでは脚部31が相互接続される。以下で与えられる方向に関する情報は、計量用フード1の左前の角領域の領域におけるコーナプロファイルに関する。
【0051】
コーナプロファイル50はベースセクション51を有し、ベースセクション51から突出部53が下向きにz方向に延在し、その突出部53の寸法は、中空プロファイルとして設計された脚部31に適合し得るように選択される。さらに、コーナプロファイル50は、z方向に延在するスロット形凹部54を有し、その奥行(y軸)は、側壁15の圧力嵌め式収容および安定的保持に適切であるように選択される。ピン状突出部55は、コーナプロファイル50の上端部セクションから離れるようにx方向に延在し、その寸法および断面は、ピン状突出部55が、支持表面の形状でありかつ中空プロファイルとして設計されたアームレスト40に適合するように選択される。アームレスト40のフロー最適化支持表面プロファイルは、図7において明確に示されている。
【0052】
上述したように、作業開口11に面するアームレスト40の表面はフロー最適化され、凸状設計を有する。コーナプロファイル50の上向き(z方向)に面する表面52が相応してフロー最適化凸状外形を有することが図7において示される。結果として、コーナプロファイル50の表面52とアームレスト40の表面との間の平らで滑らかな移行が確保される。したがって、給気は、コーナプロファイル50の領域において低乱気流で流れ、作業開口11を通って作業空間19内へ入り得る。
【0053】
図1に示されるように、そのようなコーナプロファイル50は、計量用フード1の左前の角領域および右前の角領域に設けられる。
この態様によるそのようなコーナプロファイル50は、計量用フード1の構成を単純化するだけでなく、レッジ、接近が困難な位置またはクリーニングし難い開いた凹部がないため、計量用フード1の必要な定期的クリーニングおよび汚染除去に関する利点も提供する。さらに、このように設計されたコーナプロファイル50は、コーナプロファイル50の領域における作業空間19への周囲の空気の低乱気流での流入を確実にする。
【0054】
アームレスト40に完全に組み込まれた、さらなる態様による制御および/またはディスプレイパネル42が同様に図7において示される。制御および/またはディスプレイパネル42は、それがアームレスト40と同一平面であり、液体から保護されるようにアームレスト40に組み込まれる。制御および/またはディスプレイパネルに電流を提供する送電線、またはデータラインは、全体がアームレスト40の内部に延び得る。結果として、それらは外部から見ることができず、計量用フード1のクリーニングを複雑にすることもない。
【0055】
ディスプレイおよび/または制御パネル42は、好ましくは、計量用フード1の様々な制御機能が表示されるディスプレイ要素のみを有し得る。しかしながら、これはまた、制御およびディスプレイ要素42を含む組み合わされたパネルでもあり得、制御およびディスプレイ要素42を介して計量用フードの様々な機能も制御され得る。音響的または視覚的警告信号もパネル42を介して生成され得る。
【0056】
ディスプレイおよび制御パネル42は、好ましくは、5つの照明付き容量性接触パッドと、1つの可聴式警告音エミッタとを含む。計量用フードの動作状態の全ては、人間工学的に有益な方法で表示および作動され得る。したがって、通常、計量用フード1の前に座る検査技師は、好ましくは、パネル42を介して計量用フードの機能の全てを制御することができ、立ち上がる必要がないのは言うまでもなく、自らが座っている位置を変える必要なく同様に計量用フードの機能の全てをパネル42に表示させることができる。
【0057】
ディスプレイおよび/または制御パネル42は、容量性接触パッドを含むため、この接触パッドのうちの1つと、通常は導電性の低い布で覆われており、また、通常はアームレスト40上にある前腕との意図しない接触は、接触パッドの作動をもたらさず、したがって計量用フード1の動作状態の変更をもたらさない。接触パッドは、好ましくは、例えば「計量用フードオン/オフ」、「光オン/オフ」、「光温度3000k/4500K/6000K」、「アラーム」、「フィルタ交換」を含む。
【0058】
図8は、排気フィルタシステム60の断面図であり、図9は、さらなる態様による排気フィルタシステム60を斜視分解図で示す。デフレクタ壁16における中空空間16cを通じて送り込まれた排気が供給される接続フランジまたは管状の支持要素61は、円すい形構造の端部セクションを有する。換言すると、環状の端面は、図8において左の方を向いており、管軸に対して直交する方向に対して傾いている。傾斜角度は、好ましくは5°〜45°の範囲、より好ましくは5°〜15°の範囲であり、傾斜角度が5°であるとさらに好ましい。
【0059】
フィルタ62は、管状の支持要素61の上流に配置され、溝形状のレシーバ68において支持される。この溝形状のレシーバ68は、フィルタ62の少なくとも濾過されていない空気側(および好ましくは浄化された空気側)が傾けられるように、管状の支持要素61の端部セクションに接続される。この傾斜角度は、好ましくは管状の支持要素61の端面の傾斜角度に対応する。管状の支持要素61およびフィルタ62の両方ならびに溝形状のレシーバ68は、ハウジング65内に収容される。開口69がハウジング65の下面に設けられ、開口69はベンチレータ70と連通する(図2)。
【0060】
廃棄バッグ取付部63が同様にハウジング65に取り付けられる。この廃棄バッグ取付部63は、フィルタ62を交換するときに使用される。通常、これは着脱可能なフラップ64により覆われている。
【0061】
フィルタ62は垂直に(z軸)方向付けられておらず、代わりに、垂直方向に対して鋭角をなすため、フィルタ62に対して連続的に作用する振動および重力によるフィルタ濾過されていない空気表面への粒子の放出、および開口69を通っての落下は、交換プロセス中、この傾斜配向により防止され、この傾斜配向から粒子は遮られることなく実験室空間に至り得る。
【0062】
図8および図9に示される排気フィルタシステム60の別の利点は、垂直なオフセット67にあり、垂直なオフセット67は、好ましくは廃棄バッグ取付部63の一体的な構成要素であり、好ましくは、排気フィルタ62が最終的に通過しなければならない排気フィルタ除去開口66を画定する。そのような排気フィルタ除去開口66は、フィルタ62の高さ(z軸)未満の高さ(z軸)を有する。換言すると垂直なフィルタ高さは、実際の高さを意味するが、フィルタ62が特定の角度で傾いたときのフィルタ62の高さを意味せず、排気フィルタ除去開口66の高さ寸法より大きい。このような寸法差により、排気フィルタ62は、交換されるときに排気フィルタ除去開口66を通過するためにさらに水平に枢動されなければならない。この枢動移動により、粒子がフィルタの濾過されていない空気側へ場合により付着し、または自由になった粒子がフィルタ62上に残り、そしてフィルタを交換するときに意図せずに下方に落ちない。
【0063】
いわゆる「バッグ交換技術」がフィルタを交換するために使用される。このために、カバー64はハウジング65から除去され、廃棄バッグ(図示せず)がOリングにより第1溝63aに接続される。次に、検査技師は、廃棄バッグ取付部63へ取り付けられた廃棄バッグを右へフィルタに向かって摺動させ、続いて、両手によりバッグで管状の支持要素61からフィルタ62を外し、フィルタ62を外している間にいわば逆さまにされたバッグが再びその正常な向きになるまでフィルタ62を左へ移動させる。その次に、第2バッグが、同様に廃棄バッグ取付部63へ第1バッグの外側にOリングにより取り付けられる。廃棄バッグ取付部63からの第1バッグの完全に汚染のない除去が、第2バッグの使用を通じて確実となる。フィルタ62がこの方法により交換される場合、溝形状のレシーバ68を含む新たなフィルタ62が管状の支持要素61へ取り付けられ、次いでカバーがハウジングへ気密式に再接続される。
【0064】
ここで使用されるフィルタ62は、好ましくは、HEPAフィルタ(「高効率粒子空気フィルタ(High Efficiency Particulate Airfilter)」)のカテゴリーにおける、いわゆる懸濁物質フィルタである。
【0065】
さらに、追加的なフィルタが排気口90に設けられてもよい。この方法により、例えばフィルタの破損またはフィルタを交換する際の誤操作の結果、図8および図9に示される(第1)フィルタ62が漏れた場合のシステム全体の安全性が増す。
【0066】
さらなる態様によると、図3において示されるように、検出デバイス100がデフレクタ壁16内に収容される。検出デバイス100は、好ましくは光電子工学検出デバイス、より好ましくはレーザダイオードおよび光検出器である。レーザダイオードおよび光検出器は、好ましくは組み合わされて構成要素を形成し、レーザダイオードにより放出されたレーザビームが前プレート14、好ましくはヒンジ13の回転運動を検出し得るように配置される。
【0067】
レーザダイオードおよび光検出器からなるユニットは、計量用フード1の使用中に、意図せずにまたは意図していて前プレート14を閉位置から離すように動かす検査技師に対して、可視式または可聴式の警告信号を発するために、計量用フード1の作動中にはアクティブである。前プレート14が閉鎖され、ヒンジ13が動かない限り、レーザダイオードにより放出されたレーザビームは光検出器により検出される。光検出器が何らかの理由でレーザビームを受信することができない場合、ヒンジ13が回転し、したがって、前プレート14は上向きに移動したはずであると結論される。次いで、光検出器は、図示しない制御デバイスへ信号を伝達し、これは、可視および可聴式警告信号の場合、今度は警告信号をアームレスト40のパネル42に生じさせる。
【0068】
上述の図1に示される計量用フード1の態様は、衝撃および振動から分離された作業空間19における作業面20の支持、ディスプレイおよび/または制御パネル42のアームレスト40における一体化、ヒンジ13における光源の一体化、コーナプロファイル50、排気フィルタシステム60におけるフィルタ62の汚染のない交換、デフレクタ壁16内またはその上でのレーザダイオード/光検出器の収容に関するものであり、組み合わされておよび別個にならびに任意の配列で存在し得る。図面の説明は、計量用フード1が同時に全ての態様を含まなければならないことを意味するものではない。
【0069】
各態様の上述の特徴は、任意に組み合わせられ得る。独立した特徴の組合せが技術的に非合理的であるように見える場合でも、当業者は、いずれの特徴が技術的に合理的な方法で互いに組み合わさられ得るかが分かるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9