(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る液晶表示装置1について、
図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係る液晶表示装置1の概略構成を示す図である。
【0013】
液晶表示装置1は、液晶セルを含む表示パネルを複数重ね合わせて構成された画像表示装置の一例であって、静止画像又は動画像の画像(映像)を表示する。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態における液晶表示装置1は、観察者に近い位置(前側)に配置された第1表示パネル100と、第1表示パネル100より観察者から遠い位置(後側)に配置された第2表示パネル200と、第2表示パネル200の後側に配置されたバックライト300と、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の間に配置された光学部材400とを備える。
【0015】
第1表示パネル100は、メインパネルであって、ユーザが視認する画像を表示する。本実施の形態において、第1表示パネル100は、カラー画像を表示する。第1表示パネル100には、入力映像信号に応じたカラー画像を第1画像表示領域101(アクティブ領域)に表示するために、第1ソースドライバ102及び第1ゲートドライバ103が設けられている。
【0016】
第2表示パネル200は、第1表示パネル100の背面側に配置されるサブパネルである。本実施の形態において、第2表示パネル200は、第1表示パネル100に表示されるカラー画像に対応した画像のモノクロ画像(白黒画像)を、そのカラー画像に同期させて表示する。第2表示パネル200には、入力映像信号に応じたモノクロ画像を第2画像表示領域201に表示するために、第2ソースドライバ202及び第2ゲートドライバ203が設けられている。
【0017】
第1画像表示領域101及び第2画像表示領域201は、マトリクス状に配列された複数の画素を有する。第1画像表示領域101の画素数と第2画像表示領域201の画素数とは同じであってもよいし異なっていてもよいが、メインパネルである第1表示パネル100における第1画像表示領域101の画素数を、サブパネルである第2表示パネル200における第2画像表示領域201の画素数よりも多くするとよい。
【0018】
また、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の駆動方式は、例えばIPS(In Plane Switching)方式又はFFS(Fringe Field Switching)方式等の横電界方式であるが、これに限るものではなく、VA(Vertical Alignment)方式又はTN(Twisted Nematic)方式等であってもよい。
【0019】
バックライト300は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200に向けて光を照射する。バックライト300から出射した光は、第2表示パネル200を透過し、その後、第1表示パネル100を透過する。本実施の形態では、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に光学部材400が配置されているので、バックライト300から出射した光は、第2表示パネル200を透過した後、光学部材400を透過し、その後、第1表示パネル100を透過する。
【0020】
バックライト300は、平面状の均一な拡散光(散乱光)を照射する面光源ユニットである。バックライト300は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を光源とするLEDバックライトであるが、これに限るものではない。また、本実施の形態において、バックライト300は、直下型であり、複数のLEDが二次元的に配置されている。
【0021】
なお、バックライト300は、直下型に限るものではなく、エッジ型であってもよい。また、バックライト300は、光源からの光を拡散させるために拡散シート(拡散板)及び光の配光を制御するプリズムシート等の光学シートを有していてもよい。
【0022】
光学部材400は、光学部材400を透過する光に対して光学作用を付与する。具体的には、光学部材400は、バックライト300からの光を拡散(散乱)させる光拡散作用を有する。本実施の形態において、光学部材400は、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に配置されているので、光学部材400は、第2表示パネル200を透過したバックライト300の光を拡散させる。
【0023】
光学部材400は、第1表示パネル100の第2表示パネル200側の面及び第2表示パネル200の第1表示パネル100側の面の少なくとも一方に貼り合わされる。なお、光学部材400の詳細については、後述する。
【0024】
液晶表示装置1は、さらに、第1表示パネル100の第1ソースドライバ102及び第1ゲートドライバ103を制御する第1タイミングコントローラ510と、第2表示パネル200の第2ソースドライバ202及び第2ゲートドライバ203を制御する第2タイミングコントローラ520と、第1タイミングコントローラ510及び第2タイミングコントローラ520に画像データを出力する画像処理部530とを備える。
【0025】
画像処理部530は、外部のシステムから送信された入力映像信号Dataを受信し、画像処理を実行した後、第1タイミングコントローラ510に第1画像データDAT1を出力し、第2タイミングコントローラ520に第2画像データDAT2を出力する。また画像処理部530は、第1タイミングコントローラ510及び第2タイミングコントローラ520に同期信号等の制御信号を出力する。第1画像データDAT1は、カラー表示用の画像データであり、第2画像データDAT2は、モノクロ表示用の画像データである。
【0026】
このように、本実施の形態に係る液晶表示装置1では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の2つの表示パネルを重ね合わせて画像を表示しているので、黒を引き締めることができる。これにより、高コントラスト比の画像を表示することができる。
【0027】
また、液晶表示装置1は、例えばHDR(High Dynamic Range)対応テレビであり、バックライト300として、ローカルディミング制御を行うことができるバックライトを用いることにより、さらに高コントラスト比かつ高画質のカラー画像を表示することができる。
【0028】
次に、実施の形態1に係る液晶表示装置1の具体的な構造について、
図2を用いて説明する。
図2は、実施の形態1に係る液晶表示装置1の構成を示す断面図である。
【0029】
液晶表示装置1において、第1表示パネル100と第2表示パネル200とは、空気層20を介して配置されている。つまり、第1表示パネル100と第2表示パネル200とは、粘着シート又は接着剤等の接合部材で貼り合わされることなく分離して配置されている。第1表示パネル100及び第2表示パネル200は、例えば、バックライト300とともに、金属製又は樹脂製の保持部材(フレーム又はシャーシ)に保持される。
【0030】
図2に示すように、液晶表示装置1は、液晶モジュールとして、第1表示パネル100と、第2表示パネル200とを備える。第1表示パネル100と第2表示パネル200とは対向して配置されている。
【0031】
第1表示パネル100及び第2表示パネル200は、液晶セルを含む液晶表示パネルである。具体的には、第1表示パネル100は、第1液晶セル110と、第1液晶セル110を挟む一対の第1偏光板121及び122とを有する。また、第2表示パネル200は、第2液晶セル210と、第2液晶セル210を挟む一対の第2偏光板221及び222とを有する。
【0032】
第1液晶セル110は、第1TFT(Thin Film Transistor)基板111と、第1TFT基板111に対向する第1対向基板112と、第1TFT基板111及び第1対向基板112の間に配置された第1液晶層113とを備える。本実施の形態において、第1液晶セル110は、第1対向基板112が第1TFT基板111よりも前方(観察者側)に位置するように配置されている。
【0033】
第1TFT基板111は、ガラス基板等の透明基板にTFT層(不図示)が形成された基板である。TFT層には、マトリクス状に配列された画素の各々に対応して設けられたTFT及びTFTに電圧を供給するための配線等が形成されている。TFT層の平坦化層上には、第1液晶層113に電圧を印加するための画素電極が形成されている。本実施の形態において、第1液晶セル110は、横電界方式で駆動されるので、第1TFT基板111には画素電極に対向する共通電極も形成されている。
【0034】
第1対向基板112は、ガラス基板等の透明基板に画素形成層としてカラーフィルタ層が形成されたCF基板である。第1対向基板112の画素形成層は、マトリクス状の複数の開口部が形成されたブラックマトリクスと、ブラックマトリクスの各開口部に形成された複数のカラーフィルタを有する。複数のカラーフィルタは、赤色用のカラーフィルタ、緑色用のカラーフィルタ、又は、青色用のカラーフィルタであり、各画素に対応して形成されている。
【0035】
第1液晶層113は、第1TFT基板111と第1対向基板112との間に封止されている。第1液晶層113は、例えば、第1TFT基板111及び第1対向基板112の外周端部に沿ってシール部材を額縁状に形成することで封止される。第1液晶層113の液晶材料は、駆動方式に応じて適宜選択することができる。
【0036】
第1液晶セル110を挟む一対の第1偏光板121及び122のうち、第1偏光板121は、第1液晶セル110の背面側(第2表示パネル200側)の面に貼り付けられ、第1偏光板122は、第1液晶セル110の前面側(観察者側)の面に貼り付けられている。具体的には、第1偏光板121は、第1液晶セル110の第1TFT基板111の外面に貼り付けられている。一方、第1偏光板122は、第1液晶セル110の第1対向基板112の外面に貼り付けられている。
【0037】
一対の第1偏光板121及び122は、偏光軸が互いに直交するように配置されている。つまり、第1偏光板121と第1偏光板122とは、クロスニコルの位置関係となるように配置されている。
【0038】
第2液晶セル210は、第2TFT基板211と、第2TFT基板211に対向する第2対向基板212と、第2TFT基板211及び第2対向基板212の間に配置された第2液晶層213とを備える。本実施の形態において、第2液晶セル210は、第2対向基板212が第2TFT基板211よりも前方に位置するように配置されている。なお、第2液晶セル210は、第2TFT基板211が第2対向基板212よりも前方に位置するように配置されていてもよい。
【0039】
第2TFT基板211は、第1TFT基板111と同様の構成であり、ガラス基板等の透明基板にTFT層(不図示)が形成された基板である。また、第2TFT基板211にも第2液晶層213に電圧を印加するための画素電極と画素電極に対向する共通電極とが形成されている。
【0040】
第2対向基板212は、ガラス基板等の透明基板に画素形成層が形成された基板である。第2対向基板212の画素形成層は、マトリクス状の複数の開口部が形成されたブラックマトリクスを有する。なお、本実施の形態において、第2表示パネル200はモノクロ画像を表示するので、第2対向基板212の画素形成層には、カラーフィルタが形成されていない。
【0041】
第2液晶層213は、第2TFT基板211と第2対向基板212との間に封止されている。第2液晶層213は、例えば、第2TFT基板211及び第2対向基板212の外周端部に沿ってシール部材を額縁状に形成することで封止される。第2液晶層213の液晶材料は、駆動方式に応じて適宜選択することができる。
【0042】
第2液晶セル210を挟む一対の第2偏光板221及び222のうち、第2偏光板221は、第2液晶セル210の前面側(第1表示パネル100側)の面に貼り付けられ、第2偏光板222は、第2液晶セル210の背面側(バックライト300側)の面に貼り付けられている。具体的には、第2偏光板221は、第2液晶セル210の第2対向基板212の外面に貼り付けられている。一方、第2偏光板222は、第2液晶セル210の第2TFT基板211の外面に貼り付けられている。
【0043】
一対の第2偏光板221及び222は、偏光軸が互いに直交するように配置されている。つまり、第2偏光板221と第2偏光板222とは、クロスニコルの位置関係となるように配置されている。
【0044】
液晶表示装置1では、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に存在する空気層20の界面に、所定の外部ヘイズ値を有する凹凸構造10が設けられている。具体的には、凹凸構造10は、空気層20の第1表示パネル100側の界面に設けられている。本実施の形態において、凹凸構造10は、光学部材400の表面構造として設けられている。
【0045】
光学部材400は、シート状の光学シート又はフィルム状の光学フィルムであり、第1表示パネル100の第2表示パネル200側の面に貼り合わされている。例えば、光学部材400は、第1表示パネル100の第1偏光板121の表面に接着層を介して貼り合わされている。
【0046】
光学部材400の凹凸構造10は、微小な凸部と微小な凹部とが繰り返して配列された微小な表面凹凸構造(外部ヘイズ構造)であり、空気層20との界面で光を拡散させる光拡散作用を有する。凹凸構造10の凸部及び凹部のサイズは、凹凸構造10が光拡散作用を有していれば特に限定されるものではないが、例えば、ミリオーダサイズ、マイクロオーダサイズ又はナノオーダサイズである。
【0047】
図3は、光学部材400の一例を示す図である。
図3に示すように、光学部材400は、例えば、透光性を有する基材層410の表面に凹凸構造10が形成された構成である。基材層410は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明樹脂材料によって構成されている。
【0048】
凹凸構造10を有する光学部材400は、例えば、平板状の基材層410に物理的なエンボス加工又はUV等による光学的なエンボス加工を施したりナノインプリント加工を施したりすることで形成することができる。また、凹凸構造10を有する光学部材400は、金型を用いた樹脂成形によって形成することもできる。
【0049】
本実施の形態では、基材層410に、複数の光拡散材411が分散されている。光拡散材411は、例えば、光拡散微粒子である。光拡散材411は、光拡散材411と基材層410との屈折率差によって光を拡散させるものであってもよいし、光拡散材411で光を散乱反射させることで光を拡散させるものであってもよい。屈折率差によって光を拡散させる場合の光拡散材411は、例えば、樹脂材料等からなる透光性微粒子又は空気粒子(気泡)等の光拡散微粒子である。また、散乱反射によって光を拡散させる場合の光拡散材411は、例えば、無機材料からなるフィラー又は白色微粒子、あるいは金属微粒子等の光拡散微粒子である。
【0050】
このように、本実施の形態における光学部材400は、所定の内部ヘイズ値を有する光拡散層として、光拡散材411が分散された基材層410を有する。つまり、光学部材400は、凹凸構造10(外部ヘイズ構造)による光拡散作用だけではなく、光拡散材411を含有する基材層410(内部ヘイズ構造)による光拡散作用を有する。
【0051】
光学部材400において、凹凸構造10による外部ヘイズ値は、基材層410(光拡散層)による内部ヘイズ値よりも小さい方がよい。具体的には、光学部材400において、外部ヘイズ値は50%未満であり、内部ヘイズ値は50%以上である。一例として、外部ヘイズ値は、20%〜25%であり、内部ヘイズ値は、80%である。例えば、凹凸構造10による外部ヘイズ値は、凹凸構造10の形状やサイズを変化させることにより調整可能であり、基材層410(光拡散層)による内部ヘイズ値は、光拡散材411の屈折率と基材層410の屈折率とを適宜選定することや、光拡散材411の含有割合を変更することにより、調整可能である。
【0052】
光学部材400の外部ヘイズ値及び内部ヘイズ値は、例えば、次のようにして測定することができる。
【0053】
まず、凹凸構造10が空気に曝された状態の光学部材400に光を照射して、光学部材400を透過する前後の光量をもとに光学部材400全体のヘイズ値を測定する。このときのヘイズ値は、凹凸構造10による外部ヘイズ値と基材層410(光拡散層)による内部ヘイズ値とを足し合わせた全体のヘイズ値となる。
【0054】
次に、光学部材400の凹凸構造10側の面に、凹凸構造10が付与された層と同じ屈折率の物質を塗布して凹凸構造10を除去する。この状態で光学部材400に光を照射して、光学部材400を透過する前後の光量をもとに光学部材400のヘイズ値を測定する。この場合、ガラス板を貼り合わせることで凹凸構造10による光拡散作用を失わせることができるので、このときのヘイズ値は、基材層410(光拡散層)の光拡散作用のみによるヘイズ値、つまり内部ヘイズ値となる。
【0055】
そして、最初に測定した全体のヘイズ値と後に測定した内部ヘイズ値との差分によって外部ヘイズ値を算出することができる。
【0056】
なお、凹凸構造10を有する光学部材400は、
図3に示される構造に限るものではない。例えば、
図3に示される光学部材400では、凸部及び凹部の断面形状が三角形であったが、
図4に示される光学部材401のように、凸部及び凹部の断面形状が矩形であってもよい。また、
図5に示される光学部材402のように、平板状の基材層410の上に、アクリル等の樹脂材料、金属材料又はガラス材料からなる粒子(ビーズ)420を分散させて、粒子420による凹凸が残る状態でバインダ430を塗布することで粒子420をバインダ430で基材層410に固着させたものであってもよい。
【0057】
次に、本実施の形態に係る液晶表示装置1の作用効果について、本開示に至った経緯も含めて説明する。
【0058】
上述のように、2枚の表示パネルを重ね合わせて、一方の表示パネルにカラー画像を表示し、他方の表示パネルに白黒画像を表示することにより、コントラスト比を向上させることができる。例えば、1つの表示パネルのコントラスト比が1000:1以上である場合、2枚の表示パネルを重ね合わせることによって、100万:1以上の高いコントラスト比を実現することができる。
【0059】
2枚の表示パネルを用いて液晶表示装置を構成する場合、これまでは、2枚の表示パネルを貼り合わせることが通常であった。つまり、2枚の表示パネルを接着剤等によって固着させていた。
【0060】
しかしながら、2枚の表示パネルを貼り合わせることなく積層してみたところ、2枚の表示パネル同士が接触している箇所と接触せずに隙間が存在する箇所とが発生し、接触している箇所とその周辺の微小な隙間が存在する範囲で、ニュートンリングと呼ばれる現象が発生することが判明した。ニュートンリングとは、2枚の表示パネルの間に、空気層のような、屈折率が大きく変化する界面がある場合に、固定端反射や、反射による光路長変化による位相ずれが発生することで、光の干渉が発生する現象のことである。ニュートンリングが生じると、液晶表示装置で表示される画像の画質が低下する。
【0061】
このように、本願発明者は、2枚の表示パネルをあえて貼り合わせることなく積層したときに、2枚の表示パネルに空気層が生じることでニュートンリングが発生することを突き止めた。
【0062】
そこで、本願発明者は、この課題に対して鋭意検討した結果、2枚の表示パネルの間に存在する空気層の界面、具体的には空気層と2枚の表示パネルの少なくともいずれか一方との界面に、所定の外部ヘイズ値を有する凹凸構造を設けることで、2つの表示パネルを貼り合わせることなく積層したときに生じるニュートンリングの発生を抑制できることを見出した。
【0063】
具体的には、本実施の形態に係る液晶表示装置1では、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に存在する空気層20の界面に、所定の外部ヘイズ値を有する凹凸構造10が設けられている。
【0064】
これにより、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを貼り合わせることなく積層することによって、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に空気層20が存在してしまうような場合であっても、ニュートンリングの発生を効果的に抑制することができる。これにより、液晶表示装置1で表示される画像の画質が低下することを抑制できる。
【0065】
しかも、本実施の形態における液晶表示装置1では、第1表示パネル100及び第2表示パネル200が貼り合わされていない。つまり、第1表示パネル100及び第2表示パネル200は接着剤を用いることなく積層されている。これにより、低コストで液晶表示装置1を製造することができる。
【0066】
また、本実施の形態における液晶表示装置1において、凹凸構造10は、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に配置された光学部材400の表面構造として設けられている。
【0067】
これにより、凹凸構造10を有する光学部材400を第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に挿入するだけで、ニュートンリングの発生を抑制することができる。
【0068】
この場合、光学部材400は、第1表示パネル100の第2表示パネル200側の面及び第2表示パネル200の第1表示パネル100側の面の少なくとも一方に貼り合わされているとよい。
【0069】
これにより、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間の空気層20が1層となるので、ニュートンリングの発生を一層抑制することができる。
【0070】
また、本実施の形態に係る液晶表示装置1において、光学部材400は、所定の内部ヘイズ値を有する光拡散層として、光拡散材411を含有する基材層410を有する。
【0071】
これにより、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを重ね合わせたときに発生するモアレを抑制することができるので、液晶表示装置1の画質の低下を一層抑制することができる。つまり、第1表示パネル100及び第2表示パネル200には画素を形成する格子状又はライン状のブラックマトリクスが形成されているが、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを積層すると、第1表示パネル100及び第2表示パネル200のブラックマトリクスによって画素ピッチに依存するモアレ(明暗模様)が発生する。これにより、観察者側の第1表示パネル100に表示される画像の画質が低下する。そこで、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に光拡散層を挿入することで、第2表示パネル200から出射する光を光拡散層によって拡散させることができる。これにより、第1表示パネル100に入射する光を空間的に混ぜることができるので、モアレの発生を抑制することができる。したがって、モアレによる画質の低下を抑制できる。
【0072】
また、本実施の形態における液晶表示装置1において、光拡散層を有する光学部材400は、第1表示パネル100の第2表示パネル200側の面に貼り合わされている。
【0073】
これにより、光学部材400を第2表示パネル200に貼り合わせる場合と比べて、光学部材400とバックライト300との距離を長くすることができる。この場合、光拡散層を有する光学部材400と、第2表示パネル200のブラックマトリクスと、の間隔を広く確保することができるため、第2表示パネル200のブラックマトリクスを透過した光が十分に拡がった後に光学部材400に入射し、第2表示パネル200を透過した光が光学部材400で十分に空間的に混ざり合う。このため、モアレの発生を一層抑制できるので、画質の低下をさらに抑制することができる。
【0074】
また、本実施の形態における光学部材400では、外部ヘイズ値が内部ヘイズ値よりも小さい。この場合、例えば、外部ヘイズ値は50%未満であり、内部ヘイズ値は50%以上である。
【0075】
これにより、モアレの発生を効果的に抑制しつつ、ニュートンリングの発生を抑制することができる。したがって、モアレ発生の抑制とニュートンリング発生の抑制との両立を図ることができるので、高画質の液晶表示装置1を実現することができる。
【0076】
(実施の形態1の変形例1)
図6は、実施の形態1の変形例1に係る液晶表示装置1Aの断面図である。
【0077】
図6に示すように、本変形例における液晶表示装置1Aは、
図2に示される液晶表示装置1に対して、さらに、第2表示パネル200A側に凹凸構造10を有する構成となっている。つまり、本変形例における液晶表示装置1Aでは、第1表示パネル100側の凹凸構造10(第1凹凸構造11)と第2表示パネル200A側の凹凸構造10(第2凹凸構造12)との2つの外部ヘイズ構造を有する。
【0078】
本変形例において、第1凹凸構造11は、上記実施の形態1における液晶表示装置1と同様に、光学部材400の表面構造として設けられた凹凸構造10である。
【0079】
一方、第2凹凸構造12は、第2表示パネル200Aの第1表示パネル100側の面の表面構造として設けられた凹凸構造10である。一例として、第2表示パネル200Aは、例えば、第2凹凸構造12としてAG(Anti−Glare)処理が施された表面構造を有するAG機能付きの液晶表示パネルである。
【0080】
具体的には、第2凹凸構造12は、一対の第2偏光板221A及び222のうち第1表示パネル100側の第2偏光板221Aの表面構造として設けることができる。一例として、第2凹凸構造12を有する第2偏光板221Aとしては、AG処理が施されたAG機能付きの偏光板を用いることができる。
【0081】
このように、本変形例における液晶表示装置1Aは、第1表示パネル100側の光学部材400における内部ヘイズ構造及び外部ヘイズ構造に加えて、さらに、第2表示パネル200A側の外部ヘイズ構造を有する。つまり、本変形例における液晶表示装置1Aは、1つの内部ヘイズ構造と2つの外部ヘイズ構造とを有する。そして、2つ外部ヘイズ構造は、空気層20の両界面に存在している。本変形例では、空気層20の第1表示パネル100側の界面(具体的には空気層20と光学部材400との界面)及び空気層20の第2表示パネル200A側の界面(具体的には空気層20と第2表示パネル200Aとの界面)の各々に、凹凸構造10が設けられている。
【0082】
これにより、モアレの発生を効果的に抑制しつつ、上記実施の形態における液晶表示装置1に比べて、ニュートンリングの発生を一層抑制することができる。したがって、液晶表示装置1Aで表示される画像の画質が低下することを一層抑制できる。
【0083】
また、本変形例において、光学部材400の外部ヘイズ構造_(第1凹凸構造11)の外部ヘイズ値をHo1とし、第2表示パネル200Aに設けられた外部ヘイズ構造(第2凹凸構造12)の外部ヘイズ値をHo2とし、光学部材400の内部ヘイズ構造の内部ヘイズ値をHiとすると、Ho2≦Ho1<Hiの関係式を満たしているとよい。つまり、内部ヘイズ値を最も大きくし、複数の外部ヘイズ値については観察者側に近いほど大きくするとよい。
【0084】
これにより、モアレの発生とニュートンリングの発生とを効果的に抑制することができる。この場合、内部ヘイズ値及び外部ヘイズ値が大きい部材ほど第2表示パネル200Aのブラックマトリクスとの間隔を広く確保することができるため、内部ヘイズ値及び外部ヘイズ値が大きい部材ほど、第2表示パネル200Aのブラックマトリクスを透過した光が十分に拡がった後に入射され、第2表示パネル200Aを透過した光を十分に拡散させることができる。例えば、第1凹凸構造11及び第2凹凸構造12の外部ヘイズ値は50%未満であり、内部ヘイズ値は50%以上であるとよい。一例として、第1凹凸構造11及び第2凹凸構造12の外部ヘイズ値は、20%〜25%であり、内部ヘイズ値は、80%である。なお、Ho2<Ho1<Hiであってもよい。
【0085】
また、本変形例における液晶表示装置1Aのように、第1表示パネル100側に凹凸構造10を設けるだけではなく、第2表示パネル200A側にも凹凸構造10を設けることで、光学部材400が設けられた第1表示パネル100及び第2表示パネル200Aの両方について、ハンドリング時に表面に傷等がつくことを抑制することができる。
【0086】
(実施の形態1の変形例2)
図7は、実施の形態1の変形例2に係る液晶表示装置1Bの断面図である。
【0087】
図7に示すように、本変形例における液晶表示装置1Bは、
図6に示される液晶表示装置1Aと同様に、凹凸構造10として、第1凹凸構造11及び第2凹凸構造12の2つの外部ヘイズ構造を有する。
【0088】
図7に示すように、本変形例における液晶表示装置1Bでは、凹凸構造10を有する光学部材400が、第1表示パネル100Aではなく第2表示パネル200に貼り合わされている。
【0089】
本変形例において、第1凹凸構造11は、第1表示パネル100Aの第2表示パネル200側の面の表面構造として設けられた凹凸構造10である。また、第2凹凸構造12は、第2表示パネル200に貼り合わされた光学部材400の表面構造として設けられた凹凸構造10である。
【0090】
本変形例において、第1表示パネル100Aは、第1凹凸構造11としてAG処理が施された表面構造を有するAG機能付きの液晶表示パネルである。
【0091】
具体的には、第1凹凸構造11は、一対の第1偏光板121A及び122のうち第2表示パネル200A側の第1偏光板121Aの表面構造として設けることができる。一例として、第1凹凸構造11を有する第1偏光板121Aとしては、AG処理が施されたAG機能付きの偏光板を用いることができる。
【0092】
第1凹凸構造11を有する第1表示パネル100Aは、
図6に示される第2凹凸構造12を有する第2表示パネル200Aと同じものを用いることができるが、異なるものを用いてもよい。
【0093】
このように、本変形例における液晶表示装置1Bは、上記変形例1における液晶表示装置1A(
図6)と同様に、1つの内部ヘイズ構造と2つの外部ヘイズ構造とを有しており、また、2つ外部ヘイズ構造は、空気層20の両界面に存在している。
【0094】
これにより、上記変形例1における液晶表示装置1Aと同様に、モアレの発生を効果的に抑制しつつ、上記実施の形態における液晶表示装置1に比べて、ニュートンリングの発生を一層抑制することができる。したがって、液晶表示装置1Bで表示される画像の画質が低下することを一層抑制できる。
【0095】
また、本変形例において、第1表示パネル100Aに設けられた外部ヘイズ構造(第1凹凸構造11)の外部ヘイズ値をHo1とし、光学部材400の内部ヘイズ構造の内部ヘイズ値をHiとし、光学部材400の外部ヘイズ構造_(第2凹凸構造12)の外部ヘイズ値をHo2とすると、上記変形例1における液晶表示装置1Aと同様に、Ho2≦Ho1<Hiの関係式を満たしているとよい。これにより、モアレの発生とニュートンリングの発生とを効果的に抑制することができる。なお、Ho2<Ho1<Hiであってもよい。
【0096】
また、本変形例における液晶表示装置1Bでも、第1表示パネル100A側及び第2表示パネル200側の両方に凹凸構造10が設けられているので、第1表示パネル100A及び光学部材400が設けられた第2表示パネル200の両方について、ハンドリング時に表面に傷等がつくことを抑制することができる。
【0097】
(実施の形態1の変形例3)
図8は、実施の形態1の変形例3に係る液晶表示装置1Cの断面図である。
【0098】
図8に示すように、本変形例における液晶表示装置1Cは、
図2に示される液晶表示装置1に対して、さらに、第2表示パネル200にも光学部材400が設けられている。つまり、本変形例における液晶表示装置1Cでは、凹凸構造10を有する光学部材400が、第1表示パネル100だけではなく第2表示パネル200にも貼り合わされている。
【0099】
したがって、本変形例における液晶表示装置1Cでは、空気層20を介して、第1表示パネル100側に外部ヘイズ構造(第1凹凸構造11)及び内部ヘイズ構造が存在するとともに、第2表示パネル200側に外部ヘイズ構造(第2凹凸構造12)及び内部ヘイズ構造が存在する。つまり、本変形例における液晶表示装置1Cは、2つの外部ヘイズ構造と2つの内部ヘイズ構造とを有する。
【0100】
なお、第1表示パネル100に設けられた光学部材400と第2表示パネル200に設けられた光学部材400とは、同一の外部ヘイズ値を有するものであってもよいが、異なる外部ヘイズ値を有するものであってもよい。
【0101】
このように、本変形例における液晶表示装置1Cは、2つの内部ヘイズ構造と2つの外部ヘイズ構造とを有しており、また、2つ外部ヘイズ構造は、空気層20の両界面に存在している。
【0102】
これにより、上記実施の形態における液晶表示装置1に比べて、モアレの発生を一層抑制しつつ、ニュートンリングの発生を一層抑制することができる。したがって、液晶表示装置1Cで表示される画像の画質が低下することを一層抑制できる。
【0103】
また、本変形例において、第1表示パネル100に設けられた光学部材400(第1光学部材)についての内部ヘイズ構造の内部ヘイズ値及び外部ヘイズ構造(第1凹凸構造11)の外部ヘイズ値をそれぞれHi1及びHo1とし、第2表示パネル200に設けられた光学部材400(第2光学部材)についての内部ヘイズ構造の内部ヘイズ値及び外部ヘイズ構造(第2凹凸構造12)の外部ヘイズ値をそれぞれHi2及びHo2とすると、Ho2≦Ho1<Hi2≦Hi1の関係式を満たしているとよい。これにより、モアレの発生とニュートンリングの発生とを効果的に抑制することができる。なお、Ho2<Ho1<Hi2<Hi1であってもよい。
【0104】
また、本変形例における液晶表示装置1Cでも、第1表示パネル100側及び第2表示パネル200側の両方に凹凸構造10が設けられているので、光学部材400が設けられた第1表示パネル100及び光学部材400が設けられた第2表示パネル200の両方について、ハンドリング時に表面に傷等がつくことを抑制することができる。
【0105】
(実施の形態1の変形例4)
図9は、実施の形態1の変形例4に係る液晶表示装置1Dの断面図である。
【0106】
上記の
図2に示される液晶表示装置1では、基材層410に光拡散材411が含まれている光学部材400を用いていたが、
図9に示すように、本変形例における液晶表示装置1Dでは、基材層410に光拡散材が含まれていない光学部材400Aを用いている。
【0107】
つまり、本変形例で用いられる光学部材400Aは、内部ヘイズ値を有する光拡散層を含まない光学フィルムである。したがって、光学部材400Aは、凹凸構造10(外部ヘイズ構造)による光拡散作用を有するが、光拡散材(内部ヘイズ構造)による光拡散作用を有しない。
【0108】
このように、
図9に示される液晶表示装置1Dでも、空気層20との界面に凹凸構造10が設けられているので、ニュートンリングの発生を抑制することができる。したがって、液晶表示装置1Dで表示される画像の画質が低下することを抑制できる。
【0109】
なお、本変形例は、
図6、
図7及び
図8に示される液晶表示装置1A、1B及び1Cに示される光学部材400に適用してもよい。
【0110】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る液晶表示装置2について、
図10を用いて説明する。
図10は、実施の形態2に係る液晶表示装置2の断面図である。
【0111】
本実施の形態における液晶表示装置2では、上記実施の形態1と同様に、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に光学部材450が配置されているが、本実施の形態における光学部材450は、上記実施の形態1とは異なり、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aのいずれにも貼り合わされていない。つまり、第1表示パネル100Aと光学部材450と第2表示パネル200Aとは、粘着シート又は接着剤等の接合部材で貼り合わされることなく互いに分離して配置されている。例えば、光学部材450は、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aを保持する保持部材に、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aとともに保持される。
【0112】
したがって、上記実施の形態1における液晶表示装置1では、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間の空気層20は1層であったのに対して、本実施の形態における液晶表示装置2では、空気層20として、第1表示パネル100Aと光学部材450との間に存在する第1空気層21と、第2表示パネル200Aと光学部材450との間に存在する第2空気層22との2層が存在することになる。つまり、本実施の形態では、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aと空気層20との一対の界面が2つ存在することになる。
【0113】
そこで、本実施の形態における液晶表示装置2では、第1空気層21及び第2空気層22の2つの空気層の各々の界面に、所定の外部ヘイズ値を有する凹凸構造10を設けている。具体的には、
図10に示すように、本実施の形態における凹凸構造10は、第1空気層21の界面に設けられた第1凹凸構造11と、第2空気層22の界面に設けられた第2凹凸構造12とを含む。
【0114】
これにより、第1表示パネル100Aと第2表示パネル200Aと光学部材450とを互いに貼り合わすことなく積層した場合に、第1表示パネル100Aと光学部材450との間に第1空気層21が存在するとともに第2表示パネル200Aと光学部材450との間に第2空気層22が存在したとしても、ニュートンリングの発生を抑制することができる。したがって、液晶表示装置2で表示される画像の画質が低下することを抑制できる。
【0115】
また、本実施の形態における液晶表示装置2でも、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aが貼り合わされていない。つまり、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aは接着剤を用いることなく積層されている。これにより、低コストで液晶表示装置2を製造することができる。
【0116】
しかも、本実施の形態における液晶表示装置2では、光学部材450が第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aのいずれにも貼り合わされていない。つまり、光学部材450は、接着剤を用いることなく第1表示パネル100Aと第2表示パネル200Aとの間に挿入されている。これにより、上記実施の形態1における液晶表示装置1と比べて、さらに低コストで液晶表示装置2を製造することができる。また、光学部材450が第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aのいずれにも貼り合わされていないので、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aと光学部材450とを貼り合わせたときに線膨張係数差に起因して生じる光学部材450の反り又は第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aの反りを防止することができる。したがって、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aとの線膨張係数差を気にすることなく光学部材450を選択することができる。つまり、光学部材450の選択の幅を広げることができ、目的にあった光学部材450を自由に選択することができる。
【0117】
また、本実施の形態における液晶表示装置2において、第1凹凸構造11は、第1表示パネル100Aの光学部材450の面又は光学部材450の第1表示パネル100A側の面の表面構造として設けられている。また、第2凹凸構造12は、第2表示パネル200Aの光学部材450側の面又は光学部材450の第2表示パネル200A側の面の表面構造として設けられている。つまり、第1凹凸構造11は、第1空気層21の第1表示パネル100A側の界面に設けられており、第2凹凸構造12は、第2空気層22の第2表示パネル200A側の界面に設けられている。一例として、第1凹凸構造11を有する第1表示パネル100A及び第2凹凸構造12を有する第2表示パネル200Aは、上記実施の形態1の変形例1及び2で用いられたAG機能付きの液晶表示パネルである。
【0118】
このように、第1凹凸構造11を有する第1表示パネル100Aと第2凹凸構造12を有する第2表示パネル200Aとを準備するだけで、第1空気層21と第2空気層22との2つの空気層の界面のそれぞれに凹凸構造10を簡単に設けることができる。
【0119】
この場合、第1凹凸構造11は、上記実施の形態1の変形例2と同様に、一対の第1偏光板121A及び122のうち第2表示パネル200A側の第1偏光板121Aの表面構造として設けることができる。また、第2凹凸構造12は、上記実施の形態1の変形例21同様に、一対の第2偏光板221A及び222のうち第1表示パネル100A側の第2偏光板221Aの表面構造として設けることができる。一例として、第1凹凸構造11を有する第1偏光板121A及び第2凹凸構造12を有する第2偏光板221Aとしては、AG処理されたAG機能付きの偏光板を用いることができる。
【0120】
これにより、第1凹凸構造11を有する第1偏光板121Aを第1液晶セル110に貼り合わせるとともに第2凹凸構造12を有する第2偏光板221Aを第2液晶セル210に貼り合わせるだけで、第1空気層21と第2空気層22との2つの空気層の界面のそれぞれに凹凸構造10を簡単に設けることができる。
【0121】
また、本実施の形態において、光学部材450は、上記実施の形態1における光学部材400と同様に、第2表示パネル200Aを透過したバックライト300の光を拡散させる。具体的には、光学部材450は、シート状又はフィルム条の拡散板であり、上記実施の形態1における光学部材400と同様に、所定の内部ヘイズ値を有する光拡散層として、光拡散材が分散された基材層を有する。
【0122】
これにより、上記実施の形態1と同様に、第1表示パネル100Aと第2表示パネル200Aとを重ね合わせたときに発生するモアレを抑制することができるので、液晶表示装置2で表示される画像の画質が低下することを一層抑制することができる。
【0123】
なお、光学部材450は、上記実施の形態1とは異なり、外部ヘイズ値を有する凹凸構造が形成されていない。つまり、光学部材450の両面は、いずれも平滑面である。
【0124】
また、本実施の形態における液晶表示装置2において、第1凹凸構造11の外部ヘイズ値をHo1とし、第2凹凸構造12の外部ヘイズ値をHo2とし、光学部材450の内部ヘイズ値をHiとすると、Ho2≦Ho1<Hiの関係式を満たすとよい。つまり、内部ヘイズ値を最も大きくし、複数の外部ヘイズ値については観察者側に近いほど大きくするとよい。
【0125】
この場合、内部ヘイズ値及び外部ヘイズ値が大きい部材ほど第2表示パネル200Aのブラックマトリクスとの間隔を広く確保することができるため、内部ヘイズ値及び外部ヘイズ値が大きい部材ほど、第2表示パネル200Aのブラックマトリクスを透過した光が十分に拡がった後に入射され、第2表示パネル200Aを透過した光を十分に拡散させることができる。例えば、第1凹凸構造11及び第2凹凸構造12の外部ヘイズ値は50%未満であり、内部ヘイズ値は50%以上であるとよい。一例として、第1凹凸構造11及び第2凹凸構造12の外部ヘイズ値は、20%〜25%であり、内部ヘイズ値は、80%である。なお、Ho2<Ho1<Hi2<Hiであってもよい。
【0126】
これにより、モアレの発生を効果的に抑制しつつ、ニュートンリングの発生を抑制することができる。したがって、モアレ発生の抑制とニュートンリング発生の抑制との両立を図ることができるので、高画質の液晶表示装置2を実現することができる。
【0127】
また、本実施の形態における液晶表示装置2では、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aの両方に凹凸構造10が設けられているので、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aのハンドリング時に表面に傷等がつくことを抑制することができる。
【0128】
(実施の形態2の変形例1)
図11は、実施の形態2の変形例1に係る液晶表示装置2Aの断面図である。
【0129】
図10に示される液晶表示装置2では、第2凹凸構造12が第2表示パネル200Aに設けられていたが、これに限らない。
【0130】
例えば、
図11に示される液晶表示装置2Aのように、第2凹凸構造12は、光学部材450Aの第2表示パネル200A側の面の表面構造として設けられていてもよい。つまり、第2凹凸構造12は、第2空気層22の光学部材450側の界面に設けられている。なお、第2表示パネル200には、凹凸構造10が設けられていない。
【0131】
一方、第1凹凸構造11は、
図10に示される液晶表示装置2と同様に、第1表示パネル100Aの光学部材450A側の面の表面構造として設けられている。具体的には、第1凹凸構造11は、第1偏光板121Aの表面構造として設けられている。つまり、第1凹凸構造11は、第1空気層21の第1表示パネル100A側の界面に設けられている。
【0132】
このように、
図11に示される液晶表示装置2Aでも、第1空気層21及び第2空気層22の2つの空気層の各々の界面に、所定の外部ヘイズ値を有する凹凸構造10が設けられている。これにより、
図10に示される液晶表示装置2と同様に、ニュートンリングの発生を抑制することができる。したがって、液晶表示装置2Aで表示される画像の画質が低下することを抑制できる。
【0133】
さらに、
図11において、光学部材450Aは、上記光学部材450と同様に、所定の内部ヘイズ値を有する光拡散層として、光拡散材が分散された基材層を有する。つまり、光学部材450Aは、第2凹凸構造12(外部ヘイズ構造)による光拡散作用を有するだけではなく、光拡散材(内部ヘイズ構造)による光拡散作用を有する。
【0134】
これにより、モアレの発生を効果的に抑制しつつ、ニュートンリングの発生を抑制することができる。
【0135】
また、本変形例でも、第1凹凸構造11の外部ヘイズ値をHo1とし、第2凹凸構造12の外部ヘイズ値をHo2とし、光学部材450Aの内部ヘイズ値をHiとすると、Ho2≦Ho1<Hiの関係式を満たすとよい。なお、Ho2<Ho1<Hiであってもよい。
【0136】
(実施の形態2の変形例2)
図12は、実施の形態2の変形例2に係る液晶表示装置2Bの断面図である。
【0137】
図10に示される液晶表示装置2では、第1凹凸構造11が第1表示パネル100Aに設けられていたが、これに限らない。
【0138】
例えば、
図12に示される液晶表示装置2Bのように、第1凹凸構造11は、光学部材450Bの第1表示パネル100A側の面の表面構造として設けられていてもよい。つまり、第1凹凸構造11は、第1空気層21の第1表示パネル100側の界面に設けられている。なお、第1表示パネル100には、凹凸構造10が設けられていない。
【0139】
一方、第2凹凸構造12は、
図10に示される液晶表示装置2と同様に、第2表示パネル200Aの光学部材450A側の面の表面構造として設けられている。具体的には、第2凹凸構造12は、第2偏光板221Aの表面構造として設けられている。つまり、第2凹凸構造12は、第2空気層22の第2表示パネル200A側の界面に設けられている。
【0140】
このように、
図12に示される液晶表示装置2Bでも、
図10に示される液晶表示装置2と同様に、第1空気層21及び第2空気層22の2つの空気層の各々の界面に、所定の外部ヘイズ値を有する凹凸構造10が設けられている。これにより、
図10に示される液晶表示装置2と同様に、ニュートンリングの発生を抑制することができる。したがって、液晶表示装置2Bで表示される画像の画質が低下することを抑制できる。
【0141】
さらに、
図12において、光学部材450Bは、上記光学部材450と同様に、所定の内部ヘイズ値を有する光拡散層として、光拡散材が分散された基材層を有する。つまり、光学部材450Bは、第1凹凸構造11(外部ヘイズ構造)による光拡散作用を有するだけではなく、光拡散材(内部ヘイズ構造)による光拡散作用を有する。
【0142】
これにより、モアレの発生を効果的に抑制しつつ、ニュートンリングの発生を抑制することができる。
【0143】
また、本変形例でも、第1凹凸構造11の外部ヘイズ値をHo1とし、第2凹凸構造12の外部ヘイズ値をHo2とし、光学部材450Bの内部ヘイズ値をHiとすると、Ho2≦Ho1<Hiの関係式を満たすとよい。なお、Ho2<Ho1<Hiであってもよい。
【0144】
(実施の形態2の変形例3)
図13は、実施の形態2の変形例3に係る液晶表示装置2Cの断面図である。
【0145】
図10に示される液晶表示装置2では、第1凹凸構造11が第1表示パネル100Aに設けられているとともに、第2凹凸構造12が第2表示パネル200Aに設けられていたが、これに限らない。
【0146】
例えば、
図13に示される液晶表示装置2Cのように、第1凹凸構造11が光学部材450Cの第1表示パネル100側の面の表面構造として設けられているとともに、第2凹凸構造12が光学部材450Cの第2表示パネル200側の面の表面構造として設けられていてもよい。つまり、第1凹凸構造11は、第1空気層21の光学部材450C側の界面に設けられており、第2凹凸構造12は、第2空気層22の光学部材450C側の界面に設けられている。なお、第1表示パネル100及び第2表示パネル200には、凹凸構造10が設けられていない。
【0147】
このように、
図13に示される液晶表示装置2Cでも、第1空気層21及び第2空気層22の2つの空気層の各々の界面に、所定の外部ヘイズ値を有する凹凸構造10が設けられている。これにより、
図10に示される液晶表示装置2と同様に、ニュートンリングの発生を抑制することができる。したがって、液晶表示装置2Cで表示される画像の画質が低下することを抑制できる。
【0148】
さらに、
図13において、光学部材450Cは、上記光学部材450と同様に、所定の内部ヘイズ値を有する光拡散層として、光拡散材が分散された基材層を有する。つまり、光学部材450Cは、第1凹凸構造11及び第2凹凸構造12(外部ヘイズ構造)による光拡散作用を有するだけではなく、光拡散材(内部ヘイズ構造)による光拡散作用を有する。
【0149】
これにより、モアレの発生を効果的に抑制しつつ、ニュートンリングの発生を抑制することができる。
【0150】
また、本変形例でも、第1凹凸構造11の外部ヘイズ値をHo1とし、第2凹凸構造12の外部ヘイズ値をHo2とし、光学部材450Cの内部ヘイズ値をHiとすると、Ho2≦Ho1<Hiの関係式を満たすとよい。なお、Ho2<Ho1<Hiであってもよい。
【0151】
(実施の形態2の変形例4)
図14は、実施の形態2の変形例4に係る液晶表示装置2Dの断面図である。
【0152】
上記の
図13に示される液晶表示装置2Cでは、基材層に光拡散材が含まれている光学部材450Cを用いていたが、
図14に示すように、本変形例における液晶表示装置2Dでは、基材層に光拡散材が含まれていない光学部材450Dを用いている。
【0153】
つまり、本変形例で用いられる光学部材450Dは、内部ヘイズ値を有する光拡散層を含まない。したがって、光学部材450Dは、第1凹凸構造11及び第2凹凸構造12(外部ヘイズ構造)による光拡散作用を有するが、光拡散材(内部ヘイズ構造)による光拡散作用を有しない。
【0154】
このように、
図14に示される液晶表示装置2Dでも、第1空気層21及び第2空気層22の2つの空気層の各々の界面に、所定の外部ヘイズ値を有する凹凸構造10が設けられている。これにより、
図13に示される液晶表示装置2Cと同様に、ニュートンリングの発生を抑制することができる。したがって、液晶表示装置2Dで表示される画像の画質が低下することを抑制できる。
【0155】
また、本変形例における液晶表示装置2Dにおいて、第1凹凸構造11の外部ヘイズ値をHo1とし、第2凹凸構造12の外部ヘイズ値をHo2とすると、Ho2≦Ho1の関係式を満たしているとよい。なお、Ho2<Ho1であってもよい。
【0156】
このようにすることで、光学部材450Dに拡散層(内部ヘイズ構造)が含まれていなくても、モアレを効果的に抑制することができる。
【0157】
また、本変形例では、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に、1つの光学部材450Dを挿入したが、2つ以上の光学部材450Dを挿入してもよい。この場合、モアレを抑制するとの観点では、観察者側の光学部材450Dほど外部ヘイズ値を大きくするとよく、少なくとも観察者に最も近い位置に配置された光学部材450Dの外部ヘイズ値を最も大きくするとよい。
【0158】
なお、本変形例は、
図10、
図11、
図12及び
図13に示される液晶表示装置2、2A、2B及び2Cにも適用することができる。
【0159】
(実施の形態3)
図15は、実施の形態3に係る液晶表示装置3の断面図である。
【0160】
図15に示すように、本実施の形態における液晶表示装置3は、
図10に示される液晶表示装置2において、光学部材400を
図13に示される光学部材450Cに代えた構成となっている。
【0161】
図10〜
図14に示される液晶表示装置2〜2Dでは、第1空気層21における一対の界面のいずれか一方のみと第2空気層22における一対の界面の一方のみとに凹凸構造10が設けられていたが、本実施の形態における液晶表示装置3では、第1空気層21における一対の界面の両方と第2空気層22における一対の界面の両方とに凹凸構造10が設けられている。つまり、本実施の形態における液晶表示装置3では、凹凸構造10として、第1凹凸構造11、第2凹凸構造12、第3凹凸構造13及び第4凹凸構造14の4つの外部ヘイズ構造が設けられている。
【0162】
具体的には、凹凸構造10は、第1空気層21の第1表示パネル100A側の界面に設けられた第1凹凸構造11と、第1空気層21の光学部材450C側の界面に設けられた第2凹凸構造12と、第2空気層22の光学部材450C側の界面に設けられた第3凹凸構造13と、第2空気層22の第2表示パネル200A側の界面に設けられた第4凹凸構造14とを含む。
【0163】
本実施の形態において、第1凹凸構造11は、第1表示パネル100Aの表面構造として設けられた凹凸構造10である。また、第2凹凸構造12は、光学部材450Cの第1表示パネル100A側の面の表面構造として設けられた凹凸構造10である。また、第3凹凸構造13は、光学部材450Cの第2表示パネル200A側の面の表面構造として設けられた凹凸構造10である。また、第4凹凸構造14は、第2表示パネル200Aの表面構造として設けられた凹凸構造10である。
【0164】
一例として、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aは、上記実施の形態2における液晶表示装置2と同様に、第1凹凸構造11及び第4凹凸構造14としてAG処理が施された表面構造を有するAG機能付きの液晶表示パネルである。
【0165】
このように、本実施の形態における液晶表示装置3は、1つの内部ヘイズ構造と4つの外部ヘイズ構造とを有している。
【0166】
これにより、モアレの発生を効果的に抑制しつつ、上記実施の形態における液晶表示装置2に比べて、ニュートンリングの発生を一層抑制することができる。したがって、液晶表示装置3で表示される画像の画質が低下することを一層抑制できる。
【0167】
また、本実施の形態において、外部ヘイズ構造として設けられた、第1凹凸構造11、第2凹凸構造12、第3凹凸構造13及び第4凹凸構造14の4つの外部ヘイズ構造の外部ヘイズ値をそれぞれHo1、Ho2、Ho3及びHo4とし、光学部材450Cの内部ヘイズ構造の内部ヘイズ値をHiとすると、Ho4≦Ho3≦Ho2≦Ho1<Hiの関係式を満たしているとよい。つまり、内部ヘイズ値を最も大きくし、複数の外部ヘイズ値については観察者側に近いほど大きくするとよい。これにより、モアレの発生とニュートンリングの発生とを効果的に抑制することができる。なお、Ho4<Ho3<Ho2<Ho1<Hiであってもよい。
【0168】
また、本実施の形態における液晶表示装置3では、上記実施の形態2における液晶表示装置2と同様に、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aの両方に凹凸構造10が設けられているので、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aのハンドリング時に表面に傷等がつくことを抑制することができる。
【0169】
(実施の形態3の変形例1)
図16は、実施の形態3の変形例1に係る液晶表示装置3Aの断面図である。
【0170】
図16に示すように、本変形例における液晶表示装置3Aは、
図15に示される液晶表示装置3において、第1表示パネル100に光学部材400(光学フィルム)を貼り合せるとともに、基材層に光拡散材が含まれている光学部材450Cを、基材層に光拡散材が含まれていない光学部材450Dに代えた構成となっている。つまり、本変形例で用いられる光学部材450Dは、凹凸構造10(外部ヘイズ構造)による光拡散作用を有するが、光拡散材(内部ヘイズ構造)による光拡散作用を有しない。
【0171】
本変形例における液晶表示装置3Aでも、上記実施の形態3における液晶表示装置3と同様に、第1空気層21における一対の界面の両方と第2空気層22における一対の界面の両方とに凹凸構造10が設けられている。つまり、本変形例における液晶表示装置3Aでも、凹凸構造10として、第1空気層21の第1表示パネル100側の界面に設けられた第1凹凸構造11と、第1空気層21の光学部材450D側の界面に設けられた第2凹凸構造12と、第2空気層22の光学部材450D側の界面に設けられた第3凹凸構造13と、第2空気層22の第2表示パネル200A側の界面に設けられた第4凹凸構造14との4つの外部ヘイズ構造を有する。
【0172】
ただし、上記実施の形態3における液晶表示装置3では、第1表示パネル100Aの表面構造として第1凹凸構造11が設けられていたが、本変形例における液晶表示装置3Aでは、第1表示パネル100に貼り合わされた光学部材400の表面構造として第1凹凸構造11が設けられている。
【0173】
また、本変形例における液晶表示装置3Aも、上記実施の形態3における液晶表示装置3と同様に、1つの内部ヘイズ構造を有する。
【0174】
ただし、上記実施の形態3における液晶表示装置3では、第1空気層21と第2空気層22との間に配置された光学部材450Cが内部ヘイズ構造を有していたが、本変形例における液晶表示装置3Aでは、光学部材450Dは内部ヘイズ構造を有しておらず、第1表示パネル100に貼り合わされた光学部材400が内部ヘイズ構造を有している。
【0175】
このように、本変形例における液晶表示装置3Aでも、上記実施の形態における液晶表示装置3と同様に、1つの内部ヘイズ構造と4つの外部ヘイズ構造とを有している。
【0176】
これにより、モアレの発生を効果的に抑制しつつ、上記実施の形態における液晶表示装置2に比べて、ニュートンリングの発生を一層抑制することができる。したがって、液晶表示装置3Aで表示される画像の画質が低下することを一層抑制できる。
【0177】
また、本変形例でも、第1凹凸構造11、第2凹凸構造12、第3凹凸構造13及び第4凹凸構造14の4つの外部ヘイズ構造の外部ヘイズ値をそれぞれHo1、Ho2、Ho3及びHo4とし、光学部材400の内部ヘイズ構造の内部ヘイズ値をHiとすると、上記実施の形態3と同様に、Ho4≦Ho3≦Ho2≦Ho1<Hiの関係式を満たしているとよい。これにより、モアレの発生とニュートンリングの発生とを効果的に抑制することができる。なお、Ho4<Ho3<Ho2<Ho1<Hiであってもよい。
【0178】
また、本実施の形態における液晶表示装置3Aでは、第1表示パネル100側及び第2表示パネル200A側の両方に凹凸構造10が設けられている。これにより、光学部材400が設けられた第1表示パネル100及び第2表示パネル200Aのハンドリング時に表面に傷等がつくことを抑制することができる。
【0179】
(実施の形態3の変形例2)
図17は、実施の形態3の変形例2に係る液晶表示装置3Bの断面図である。
【0180】
図15に示される液晶表示装置3では、基材層に光拡散材が含まれている光学部材450Cを用いていたが、
図17に示すように、本変形例における液晶表示装置3Bでは、上記実施の形態3の変形例1と同様に、基材層に光拡散材が含まれていない光学部材450Dを用いている。
【0181】
このように、本変形例における液晶表示装置3Bでも、上記実施の形態3における液晶表示装置3と同様に、第1空気層21における一対の界面の両方と第2空気層22における一対の界面の両方とに凹凸構造10が設けられている。つまり、本変形例における液晶表示装置3Bでも、凹凸構造10として、第1空気層21の第1表示パネル100A側の界面に設けられた第1凹凸構造11と、第1空気層21の光学部材450D側の界面に設けられた第2凹凸構造12と、第2空気層22の光学部材450D側の界面に設けられた第3凹凸構造13と、第2空気層22の第2表示パネル200A側の界面に設けられた第4凹凸構造14との4つの外部ヘイズ構造を有する。
【0182】
これにより、モアレの発生を効果的に抑制しつつ、上記実施の形態における液晶表示装置2に比べて、ニュートンリングの発生を一層抑制することができる。したがって、液晶表示装置3Bで表示される画像の画質が低下することを一層抑制できる。
【0183】
また、本変形例でも、第1凹凸構造11、第2凹凸構造12、第3凹凸構造13及び第4凹凸構造14の4つの外部ヘイズ構造の外部ヘイズ値をそれぞれHo1、Ho2、Ho3及びHo4とすると、上記実施の形態3と同様に、Ho4≦Ho3≦Ho2≦Ho1の関係式を満たしているとよい。これにより、光学部材450Dに拡散層(内部ヘイズ構造)が含まれていなくても、モアレを効果的に抑制しつつ、ニュートンリングの発生を抑制することができる。なお、Ho4<Ho3<Ho2<Ho1であってもよい。
【0184】
また、本実施の形態における液晶表示装置3Bでも、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aの両方に凹凸構造10が設けられている。これにより、第1表示パネル100A及び第2表示パネル200Aのハンドリング時に表面に傷等がつくことを抑制することができる。
【0185】
なお、本変形例では、第1表示パネル100Aと第2表示パネル200Aとの間に、1つの光学部材450Dを挿入したが、2つ以上の光学部材450Dを挿入してもよい。この場合、モアレを抑制するとの観点では、観察者側の光学部材450Dほど外部ヘイズ値を大きくするとよく、少なくとも観察者に最も近い位置に配置された光学部材450Dの外部ヘイズ値を最も大きくするとよい。
【0186】
(変形例)
以上、本開示に係る液晶表示装置について、実施の形態1、2、3に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態1、2、3に限定されるものではない。
【0187】
例えば、上記実施の形態1では、
図2及び
図6に示すように、第1表示パネル100と第2表示パネル200とが、空気層20を介して全体が分離された状態で配置されている状態を一例として図示したが、これに限らない。第1表示パネル100と第2表示パネル200との間の一部に空気層が存在していれば、第1表示パネル100と第2表示パネル200とは一部が接触していてもよい。この場合、第1表示パネル100及び第2表示パネル200に僅かな歪みが存在しているような場合であっても、第1表示パネル100と第2表示パネル200とを重ね合わせたときにわずかな空気層が部分的に偏在することになる。つまり、一見すると、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に空気層が存在しないような場合であっても、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間にわずかな空気層が存在することがある。つまり、このような場合であっても、ニュートンリングが発生するので、第1表示パネル100と第2表示パネル200との間に存在する空気層との界面に凹凸構造10を設けることで、ニュートンリングの発生を抑制することができる。
【0188】
また、上記実施の形態1、2、3では、2つの表示パネルを用いたが、これに限らない。例えば、3つ以上の複数の表示パネルを用いてもよい。この場合も、隣り合う2つの表示パネルの間に存在する複数の空気層の各界面には、凹凸構造を少なくとも1つ以上設けるとよい。
【0189】
その他、上記実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。