(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、賦形フィルム製品を形成するための方法及び装置に関する。以下の説明は、当業者が本発明を作製及び使用できるようにするために提示される。本明細書に記載される実施形態並びに一般的な原則及び特長に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、本発明は、示されている実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に記載されている原則及び特長に整合する最も広い範囲が与えられるべきである。賦形フィルム製品は、広範な用途を有し得る。これらには、窓及び壁の装飾的なデカール、一時的なタトゥー(車体用デカール等)等の家庭及び娯楽用途、薬用及び/又は吸収性絆創膏、粘着包帯、及び他の創傷被覆、「消耗性フィルム」(薬用、治療用、及び化粧品用)としても知られている経口ストリップ、保湿にきび治療薬、隈の軽減、メリスマ(melisma)、セルライト、ビタミンの送達、湿疹、乾癬等の治療薬等の他の身体用ストリップ等の医療装置等が含まれる。
【0009】
本明細書及び請求項において使用される場合、用語「インテグラルフィルム製品」、その変化形は、任意の支持基材から分離して所望の目的のために取り扱うことを可能にするのに十分丈夫であるフィルム製品に関する。製品は、基材から独立した使用のために基材から取り外し可能である。
【0010】
本明細書及び請求項において使用される場合、用語「フィルム形成組成物」、その変化形は、それ自体によって又は添加剤の存在下で、基材上に連続的なフィルムを形成することができる組成物に関する。
【0011】
本明細書及び請求項において使用される場合、用語「粗形状体」、その変化形は、開口部付きマスクを通して基材上に配されたフィルム形成組成物の、形作られた体積に関する。粗形状体は、一般に、それをインテグラルフィルム製品へと変換するために、統合等の更なる処理を必要とする。
【0012】
本明細書及び請求項において使用される場合、用語「多層賦形フィルム製品」及びその変化形は、2つ若しくはそれ以上の別個の層(混合又は均質ではないを有する薄型製品に関する。粘着力、風味、色、テクスチャ等の異なる特性を含む層を有する製品。層は、連続的、間欠的、又は近接的であってもよい。
【0013】
本明細書及び請求項において使用される場合、用語「モザイク状」及びその変化形は、重なり合い又は間隙のない平坦形状の模様を有する平面に関する。したがって、「梯子状の無駄は形状の間に存在しない。
【0014】
図面を参照すると、
図1は、多層賦形フィルム製品を形成する方法の高レベルの流れ図である。第1の工程10は、開口部を有するマスクを形成することを含む。第2の工程20は、基材上にマスクを載置することを含む。第3の工程30は、マスクを通して液体フィルム形成組成物を基材へ送達して、粗形状体を形成することを含む。第4の工程40は、マスクを取り外すことを含む。第5の工程50は、粗形状体を凝固させて賦形フィルム製品を形成することを含む。
【0015】
本発明の一実施形態による賦形フィルム製品100が、
図2に示されている。この実施形態では、賦形フィルム製品100は、長手方向軸x−xに垂直に測定される可変幅を有し、この製品は、第1の端部102において狭く、最大幅に増大して、第1の端部102の反対側の、丸みのある第2の端部104で終端する。
【0016】
図2に示されているように、本発明の新機軸により、形状を所望されるとおりに単純又は複雑にすることが可能になる。本発明の1つの利点として、形状は、比較的複雑(打ち抜き作業において過度の梯子状の無駄をもたらすであろうような種類の形状)であってもよい。例えば、入れ子式の円模様の印刷中に生じる最小限の梯子状の無駄は、約20%である(象限において接する、まっすぐな列及び行として配置された円に基づくと)。
【0017】
図2の実施形態に関連して、工程10は、粗形状体に対応する少なくとも1つの開口部を有するマスクを形成することを伴う。
【0018】
印刷マスクは、当技術分野で既知である。これには、ステンシル、テープ等が含まれるが、それらには限定されない。印刷マスクの正確な製作は、本発明にとって決定的ではないが、我々の発明は、比較的厚いインテグラルフィルム製品を形成すること、及びしたがって比較的厚いマスクを使用することを可能にする。好ましくは、マスクは、少なくとも約0.05ミリメートル(「mm」)の厚さを有する。可撓性の比較的目立たない製品に関する皮膚上の使用のための一実施形態では、マスクは、約0.05mm〜約0.3mm、より好ましくは約0.1〜約0.2mmの厚さを有する。別の実施形態では、厚いインテグラルフィルム製品は、約0.2mm超、好ましくは約0.2〜約2mm、好ましくは約0.4mm〜約1mm、及び最も好ましくは約0.5mm〜約1mmの厚さを有するマスクを使用して作製されてもよい。多くの実施形態では、マスク厚さは決定的ではない一方、他の実施形態では、本発明は、事前に知られていない厚さを有するインテグラルフィルム製品を形成することを可能にする。
【0019】
マスク厚さは、一般に、インテグラルフィルム製品の最大厚さを決定する。この関係は、フィルム形成組成物の性質及び組成物が凝固する仕組みによって決定される。例えば、ホットメルト及び親水コロイドのフィルム形成組成物は、一般に、マスク厚さと本質的に等しい製品厚さをもたらす。発泡フィルム形成組成物も使用されてもよく、マスク厚さと実質的に等しいか、又はことによるとそれよりも更に厚い厚さを有する凝固フィルムを提供し得る。溶媒又は他の担体ベースの組成物は、製品が凝固するにつれて厚みを失うことになる。厚みの低減は、一般に、組成物の固形分に関係する。我々は、固形分が30〜40%であると、マスク厚さの約50%の厚さを有するインテグラルフィルム製品がもたらされることを見出した。より少ない固形分を有する配合物は、マスク厚さの50%未満の厚さを有する最終製品さえもたらす可能性が高いであろう。
【0020】
例えば、ステンシルマスク厚さが0.5mmであると、約0.5mmのフィルム形成組成物の粗形状体を堆積させることができるであろう。インテグラルフィルム製品への変換後、フィルム形成組成物の固形分に基づき、厚さは縮小するであろう。
【0021】
本発明の印刷マスクの生産において、材料の選択は決定的ではない。当業者は、マスクが、アルミニウム合金、ステンレス鋼、Ni合金、Cr合金等の金属;ポリイミド、ポリエステル、エポキシ、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン等のマスク等の樹脂;ガラス;紙;木;又はボール紙、及びそれらの組み合わせを含むが、それらには限定されない構造的材料から作製されてもよいことを認識するであろう。別の例として、マスク本体は、ガラス繊維入りのポリイミド、ポリエステル、又はエポキシ等の複合材料から作製されてもよい。マスク本体は、これらの材料からのシートに形成される。シートの厚さは、20〜2000マイクロメートル(μm)であってもよいが、取り扱いの容易性及び他の考慮すべき事項のため、厚さは、好ましくは20〜80μmである。
【0022】
好ましい実施形態では、マスクは、均一な厚さを有する。しかしながら、機械方向に沿って変化する厚さを有するマスクを用いることは可能である。例えば、マスクは、機械方向に沿って中央の肥厚部分及びテーパー状の端部を有しても良い。
【0023】
図2の賦形フィルム製品100の形成において有用な、本発明の一実施形態によるマスクの一例は、
図3に示されているフラットベッド印刷装置で使用され得るマスク200である。マスク200は、少なくとも1つの開口部204を画定する不透過性マスク部分202を含む。マスク200は、工程20で基材206上に載置される。この基材206は、無端ベルト(連続する可撓性ウェブ、連結された圧盤等)であってもよく、又はそれは、得られた賦形製品を担持するウェブであってもよい。賦形製品は、ウェブに永続的に取り付けられてもよく、又はそれは、剥離ライナーのようにウェブに剥離可能に取り付けられてもよい。表面は、二硫化モリブデン、グラファイト、二硫化タングステン等の乾燥フィルム潤滑剤、又は一般的に当業者に既知の油脂の使用を通じて改質されてもよい。典型的な剥離表面は、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ワックス、ポリマー、研磨された金属、又はそれらの組み合わせを含んでいてもよい。この方法は、フラットベッド装置又は回転式装置を用いてもよい。印刷装置は、基材206のための支持部208と、マスク開口部204を通してフィルム形成組成物を送達するためのシステムとを有するであろう(工程30)。システムは、フィルム形成組成物リザーバ(図示せず)、ノズル210、ポンプ212、及びポンプコントローラ(カム214等)を含む。
【0024】
フィルム形成組成物を送達するためのシステムは、マスク200と相互作用して適切な量のフィルム形成組成物をマスクへ提供し、ノズル210の下のマスク開口部204内の空隙容積を、マスクとノズルとの間の相対運動の間に、正確に充填する。この相対運動(
図3及び4で矢印216として示されている)は、縦方向を画定する。
【0025】
図4を参照すると、システムは、マスク200の上面218に当接するように配置及び構成されたノズル210を含む。マスク200の下面220は、基材206と接触している。ノズルが基材及びマスクに対して十分な力を適用すると、ノズルは、マスクの上面、かつ下面と基材との間に、フィルム形成組成物222の漏れを最小限にするのに効果的な封止を形成する。ノズル210は、縦方向寸法及び横方向寸法を画定する送達開口部224を有する。好ましくは、横方向寸法は、マスク200内に形成される少なくとも1つの開口部204の最大横方向寸法よりも大きいが、本発明の一部の実施形態では、ノズルの横方向寸法は、少なくとも1つの開口部の最大横方向寸法に等しいか、又はそれよりもわずかに短い。したがって、基材206、マスク側壁226、及びノズル210の送達開口部224の突出は、ノズルがマスク開口部204の少なくとも一部分の上に配されるとき、空隙容積228を画定し、ポンプは、送達開口部224が上に位置付けられているその空隙容積に対応する体積のフィルム形成組成物222を送達開口部224へ出力するように制御される。この空隙容積は、ノズル210とマスク200との間の相対運動中に変化し得、そのため、送達開口部224へ出力されるフィルム形成組成物の体積は、変化する空隙容積と共に変化することになる。ポンプ212の出力は、当業者に既知の制御手段を通じて制御されてもよい。
図3に示されている例では、マスク200は、容積移送式ポンプ212のピストンポンプ形態へ連結されたカム214の近位側に載置されてもよい。この構成では、ノズル210は、マスク開口部204を画定するマスク200の上面218にわたって可動である。ノズル210は、フィルム形成組成物222を収容する空洞又はボアを有する容積移送式ポンプ212に接続される。ノズル210がマスク開口部204に到達すると、カムフォロワ230は、カム214と係合する。カムプロファイルは、上述のように、基材206、マスク側壁226、及びノズル210の送達開口部224によって画定される空隙容積と相関する。ノズル210がマスク200に沿って移動するにつれて、カム214は、ノズル210の送達開口部224に近接する空隙容積に対応する体積のフィルム形成組成物222を出力するために、カムフォロワ230の運動を決定してポンプのボア内部のピストンを移動させる。容積移送式ポンプ212の出力体積流は、ノズル210がマスク200に沿って移動するにつれて変化する空隙容積に対応するため、流体流動に対する外乱は、最小限である。好ましくは、送達開口部から基材への流動は、実質的に層状である。ノズル210の送達開口部224がマスク開口部204の端部に到達すると、ポンプ出力は終了し、フィルム形成組成物送達システムは、その後でマスクから取り外されてもよい。送達開口部224は、フィルム形成組成物を送達するのに適切な任意の形状を有してもよい。特に好ましい送達開口部は、縦方向寸法よりも実質的に大きい横方向寸法を有する方形スロットである。
【0026】
方形スロットノズルを使用した、約0.75mmの粗形状体厚さを有する涙型の賦形フィルム製品に対するカム変位が、
図5A及び5Bに示されている。
図5Aは、
図3の容積移送式ポンプ212のボア内の1.3cm(2分の1インチ)の直径を有するピストンへ連結されたカムフォロワ230の変位のグラフを示している。
図5Bは、
図4に示されている方向へのカム214沿いの移動によって引き起こされるカムフォロワ230の変位と相関するマスク200の平面図である。
図5A及び5Bの比較は、ノズルがマスク開口部の左端部に到達するまで、フィルム形成組成物は、マスク開口部へ提供されないことを示している。したがって、変位線232の勾配は、
図5Aのグラフの右端部ではゼロである。体積流量は、開口部の幅が増大するにつれて増大する(
図5Aの変位線232のより大きな勾配によって示されている)。ひとたび
図5Aのx軸上の約20の値付近においてマスク開口部の最大幅が到達されると、体積流量は、マスク開口部の右端部においてゼロへ減少する。
【0027】
上の方法は、容積移送式ポンプを制御するカムシステムに関して説明されているものの、代替的な容積ポンプ及び体積流コントローラが使用され、ノズル及びマスク開口部の相対運動に相関付けられてもよいことは明らかである。例えば、コンピュータ制御型容積ポンプは、空隙容積に対応する体積のフィルム形成組成物を提供するために、マスク開口部の部分への流体分注速度を変化させることができる。このようなポンプ及び制御の追加的な、非限定的な代表例としては、回転ポンプ(ギア、スクリュー、蠕動、及び可撓性羽根車等)並びに往復ポンプ(ピストン及びダイアフラム等)等が挙げられる。
【0028】
工程40では、第1のマスク200が取り外され、基材206上に堆積された第1の粗形状体が残される。より高速にマスクが取り外されるほど、粗形状体及び得られるフィルム製品の鮮鋭度及び端部品質は良好になる。したがって、回転式ステンシルが、一般に、優良品質の賦形フィルム製品をもたらす。
【0029】
工程50では、粗形状体234は、凝固されて賦形フィルム製品100になる。この場合も、賦形フィルム製品100は、基材206に永続的に取り付けられてもよく、又は基材206は、基材から独立した使用のために製品をそこから取り外すことを可能にする剥離ライナーであってもよい。凝固ステーションの正確な性質は、本発明にとって決定的ではない。例えば、粗形状体は、水及び有機溶媒等の揮発性担体を払いのけるために加熱されてもよい。あるいは、凝固は、UV光等のエネルギーを提供して、1つ若しくは2つ以上のポリマーフィルム形成成分を架橋又は他の方法で「硬化」させることによってであってもよい。1つ又は2つ以上のフィルム形成成分がホットメルト組成物である場合、凝固は、単純に、粗形状体を融解温度又はガラス転移温度未満に冷却させることであってもよい。
【0030】
少なくとも2つの層を有する多層フィルム製品を(フィルム層形成の間の凝固なしに)提供するために、追加的なフィルム形成組成物と共に工程20〜40を繰り返すことによって、追加的な層を追加してもよいことを当業者は認識するであろう。本発明は、上述のように相関付けられたポンプの体積出力により流体流動への外乱が最小限であるため、粗形状体を層状に適用するのに特に好適である。この場合も、後続層の送達は実質的に層流によって生じるため、粗未凝固層上に形成された複数の層が可能である。これは、近接するフィルム形成組成物の混合を最小限に抑える。ノズル出力の正確な制御は、適用の点における層の混合を防止する。
【0031】
この場合も、賦形フィルム製品は、ウェブに永続的に取り付けられてもよく、又はそれは、剥離ライナーのようにウェブに剥離可能に取り付けられてもよい。本発明による方法が、剥離ライナー付きのウェブを基材として用いる場合、剥離ライナー付きのウェブは、担体として使用され、消費者に引き渡されるまで賦形フィルム製品と共に適切なサイズの一次パッケージング内に包装されてもよい。消費者は、次に、賦形フィルム製品を基材から取り外し、それを所望のように使用することができる。あるいは、本発明による方法が剥離性表面を有する無端ベルト又は製造設備に統合された他の基材を用いる場合、賦形フィルム製品は、基材の剥離性表面から取り外され、消費者への引き渡しのために包装される。賦形フィルム製品は、薬用絆創膏のような接着性の表面を有してもよく、又は経口ストリップ等のような非粘着性の表面を有してもよい。
【0032】
上の方法は、フラットベッドステンシル印刷システムに関連して説明されている。しかしながら、当業者は、方法に変更が加えられてもよいことを認識するであろう。例えば、
図6に示されている回転式印刷システム300が使用されてもよい。このシステムでは、フィルム形成組成物は、ノズル302によって適用される。印刷ドラム304は、複数のマスク開口部306を含む。ドラム304の回転は、マスク開口部306をノズル302に対して間欠送りする。マスク開口部の位置を特定し読み取るための1つ又は2つ以上の要素等のコントローラが、フィルム形成組成物の制御された体積送達をノズルの送達開口部と相関付ける(上述のように)。フィルム形成組成物は、この場合も上述のように、ノズル302、マスク側壁308、及び基材310によって画定されるリザーバ(図示せず)空隙容積から導管を通してドラム304の内部へ送達される。次に、粗形状体312は、更なる処理のために矢印314の方向へ移動する。
【0033】
以下の技術的考慮事項は、フィルム形成組成物送達ノズルを介したステンシル印刷に関連性があると思われる。フィルム形成組成物の正確な分注は、形状体の上首尾かつ正確な形成につながる。これは、分注されるフィルム形成組成物の瞬間体積が、すぐ近接する対応するステンシル体積に等しいときに、達成される。超過のフィルム形成組成物を分注するという望ましくない事象の場合、その超過分は、スロットノズルの先頭端部上に集まる。この集積は、次のステンシル開口部を通して制御不能にこぼれて、ステンシルの外部表面を汚し得る。これは、縁部鮮鋭度不良及びパターン間のスミア等の欠陥を引き起こす。マスク開口部の充填不足は、抜け及び空隙等の製品欠陥につながる。スロットノズル開口部(幅)は、一般に、最大パターン幅に等しい。ノズルをステンシル表面に押し当てると、動的封止が形成される。それゆえ、有効ノズル幅は、ステンシル開口部がノズルを横切って通るにつれて、当然変化する。
【0034】
毛管現象は、液体フィルム形成組成物を狭い隙間の中に引き込む。平坦平面のステンシルは、間の液体の吸い上げを防止するためにステンシルを基材から迅速に取り外すことによって、最も良好に動作する。毛管現象は、羽毛状の、及び荒仕上げの縁部等の欠陥を引き起こし得る。回転式ステンシル(円筒形状のステンシル)は、ステンシルの基材との接触が円筒形に接する線に沿ってなされるため、毛管現象の効果を最小限に抑える。ウェブ(基材)の速度を上げると、これを更に改善することができる。
【0035】
印刷厚さは、マスク厚さ(及び対応する液体流動)によって制御される。最小マスク厚さは、材料強度の問題である。現行の技術では、0.015センチメートル(0.006インチ)厚のステンレス鋼が、実用的な下限であるかもしれない。0.015センチメートル(0.006)厚のマスクは、液体固形分含有量に応じて、0.005〜0.008センチメートル(0.002〜0.003インチ)の範囲の乾燥フィルム厚さをもたらす。
【0036】
島部のステンシル印刷は、上の考慮事項のため、特別な難題を突き付ける。本発明による別のフィルム材料704(
図7A及びBに示されているような)によって取り囲まれた島部702を有する多コンポーネント型賦形フィルム製品700のステンシル印刷は、印刷中にフィルム形成組成物の層流を活用する。「フィルム材料(複数可)」は、フィルム形成組成物(複数可)のフィルム構造物への変換の結果である。これは、層間の混合も防止する。ステンシル印刷された「島部」製品700を形成するために、初期工程として、製品の島部分702が、基材800上に形成されてもよい(
図8に示されているように)。この初期工程は、上述のように、ステンシル印刷を介して実行されてもよく、又はスクリーン印刷及び当業者に既知の他のプロセスを介して等、他の方法で形成されてもよい。次に、マスク802を「島部」の周りに置き、上述のように、マスクの開口部をフィルム形成組成物によって充填する(
図3及び4を参照)が、分注流量は、島部の容積を考慮しなければならない。瞬間分注速度を計算するとき、島部の容積は、総容積から減算されることになるだろう。島部の形状がマスク開口部に対応するか、又はその内に嵌まること、及びマスク厚さh
mよりも小さい高さh
iを有することも重要である。この場合も、フィルム形成組成物の正確な流量は、島部層に対するその後追加される最上層によるスミア形成及び/又は混合を防止するために重要である。
【0037】
我々は、第2のフィルム形成組成物の粘度よりも高い島部のフィルム形成組成物の粘度を有することが好ましいことも見出した。粘度が高いほど、より良好に、せん断力(sheer forces)に抵抗し、混合が妨げられる。
【0038】
本発明において用いられるフィルム形成組成物は、ホットメルト組成物、すなわち溶融されて流動性液体を形成し、堆積されて粗形状体を形成し得、これが次に冷えてインテグラルフィルム製品を形成し得る固体材料の形態であってもよい。あるいは、フィルム形成組成物は、少なくともフィルム形成成分及び担体を含んでいてもよい。追加的な成分としては、乳化剤、界面活性剤、可塑剤、有効成分、芳香剤、着色料、香料、及び当業者に既知の他の成分が挙げられ得るが、それらには限定されない。担体は、好ましくは液体であり、溶媒又は希釈剤であってもよい。好ましい担体としては、水及びアルコールが挙げられる。
【0039】
本発明の水溶性ポリマーは、本発明のフィルムを生産するのに有用なフィルム形成特性を有する。本発明のフィルムでは、多くの水溶性ポリマーが使用され得る。代表的な、非限定的な一覧には、プルラン、セルロースエーテル(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、トラガカントゴム、グアーゴム、アカシアゴム、アラビヤゴム、ポリアクリル酸、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシビニルポリマー、アミロース、澱粉(高アミロース澱粉及びヒドロキシプロピル化高アミロース澱粉等)、デキストリン、ペクチン、キチン質、キトサン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク単離体、乳清タンパク単離体、カゼイン及び/又はそれらの混合物が含まれる。
【0040】
好ましい一実施形態では、担体は、水である。代替的な実施形態では、従来から使用されている有機溶媒が溶媒として用いられてもよい。有用な溶媒の代表的な、非限定的な一覧には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、及び3−メトキシ−1−ブタノール等の一価のアルコール;3−メトキシプロピオン酸メチル、及び3−エトキシプロピオン酸エチル等のアルキルカルボン酸エステル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びプロピレングリコール等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール誘導体;酢酸及びプロピオン酸等の脂肪酸;アセトン、メチルエチルケトン、及び2−ヘプタノン等のケトンが含まれる。これらの有機溶媒は、単独で、又は組み合わせて使用されてもよい。
【0041】
フィルム製品は、アニオン性、両性、非イオン性、及びカチオン性の界面活性剤又はそれらの混合物を含む少なくとも1つの界面活性剤も含有してもよい。
【0042】
アニオン性界面活性剤の代表的な、非限定的な一覧には、単独で、又は混合状態で、以下の化合物の塩(例えば、ナトリウム等のアルカリ金属の塩、アンモニウム塩、アミンの塩、アミノアルコールの塩、又はマグネシウム塩)が含まれる。すなわち、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルアリールポリエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、アルキルスルホナート、アルキルホスフェート、アルキルアミドスルホナート、アルカリールスルホナート、α−オレフィンスルホナート、パラフィンスルホナート;アルキルスルホサクシネート、アルキルエーテルスルホサクシネート、アルキルアミドスルホサクシネート、アルキルスルホサクシナメート、アルキルスルホアセテート、アルキルエーテルホスフェート、アシルサルコシネート、アシルイセチオネート、及びN−アシルタウレートであり、これらの全ての様々な化合物のアルキル又はアシルラジカルは、例えば8〜24個の炭素元素及びフェニル又はベンジル基等のアリールラジカルを有する。
【0043】
少なくとも1つの実施形態によれば、塩には、オレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸の塩等の脂肪酸の塩、コプラ油又は水素添加コプラ油の酸、アシルラジカルが8〜20個の炭素原子を有するアシルラクチレート、アルキルD−ガラクトシドウロン酸及びそれらの塩、並びにポリオキシアルキレン化アルキル(C6〜C24)エーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化アルキル(C6〜C24)アリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化アルキル(C6〜C24)アミドエーテルカルボン酸及びそれらの塩、例えば2〜50個のエチレンオキサイド基を有するもの、並びにそれらの混合物が含まれる。
【0044】
両性界面活性剤の代表的な、非限定的な一覧には、単独か混合かにかかわらず、脂肪族ラジカルが8〜22個の炭素原子を有し、少なくとも1つの水溶性アニオン基(例えば、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネート)を含む直鎖及び分岐鎖である脂肪族第二級又は第三級アミンの誘導体;アルキル(C8〜C20)ベタイン、スルホベタイン、ココアミドプロピルベタイン等のアルキル(C8〜C20)アミドアルキル(C1〜C6)ベタイン、又はアルキル(C8〜C20)アミドアルキル(C1〜C6)スルホベタインが含まれる。
【0045】
非イオン性界面活性剤の代表的な、非限定的な一覧には、単独か混合かにかかわらず、例えば8〜18個の炭素原子を有する脂肪族鎖を有するアルコール、α−ジオール、アルキルフェノール、又はポリエトキシル化、ポリプロポキシル化、若しくはポリグリセロール化された脂肪酸が含まれ、エチレンオキサイド基又はプロピレンオキサイド基の数は、任意に2〜50の範囲内であってもよく、グリセロール基の数は、任意に2〜30の範囲内であってもよい。
【0046】
製薬分野において既知のいずれの可塑剤も、フィルム製品における使用に好適である。これらには、ポリエチレングリコール;グリセリン;ソルビトール;クエン酸トリエチル;クエン酸トリブイル;ジブチルセベカーテ;ヒマシ油等の植物油;ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネート等の界面活性剤;プロピレングリコール;グリセロールのモノアセテート;グリセロールのジアセテート;グリセロールのトリアセテート;天然ゴム及びそれらの混合物が含まれるが、それらには限定されない。
【0047】
本発明のフィルム製品は、顔料又は染料等の少なくとも1つの着色剤も含有してもよい。好適な顔料の例としては、無機顔料、有機顔料、レーキ、真珠光沢顔料、虹色又は光学的に変化する顔料、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。顔料は、無機又は有機の白又は有色の粒子を意味すると理解されるべきである。前記顔料は、本発明の範囲内において任意追加的に表面処理されてもよいが、シリコーン、パーフルオロ化化合物、レシチン、及びアミノ酸等の処理に限定されない。
【0048】
本発明において有用な無機顔料の代表的な例としては、カラーインデックスにおいて参照CI 77,891でコード化されているルチル型又はアナターゼ型の二酸化チタン;参照CI 77,499、77,492、及び77,491でコード化されている黒、黄色、赤褐色の酸化鉄;マンガンバイオレット(CI 77,742);群青(CI 77,007);酸化クロム(CI 77,288);水酸化クロム(CI 77,289);及び紺青(CI 77,510)からなる群から選択されるもの並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0049】
本発明において有用な有機顔料及びレーキの代表的な例としては、D&C赤19番(CI 45,170)、D&C赤9番(CI 15,585)、D&C赤21番(CI 45,380)、D&C橙4番(CI 15,510)、D&C橙5番(CI 45,370)、D&C赤27番(CI 45,410)、D&C赤13番(CI 15,630)、D&C赤7番(CI 15,850)、D&C赤6番(CI 15,850)、D&C黄5番(CI 19,140)、D&C赤36番(CI 12,085)、D&C橙10番(CI 45,425)、D&C黄6番(CI 15,985)、D&C赤30番(CI 73,360)、D&C赤3番(CI 45,430)及びコチニールカルミン(CI 75,570)に基づく染料又はレーキ並びにそれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。
【0050】
本発明において有用な真珠光沢顔料の代表的な例としては、酸化チタンでコーティングされた雲母、二酸化チタンでコーティングされた雲母、ビスマスオキシクロライド、チタンオキシクロライド等の白色真珠光沢顔料、酸化鉄を含むチタンマイカ、紺青、酸化クロム等を含むチタンマイカ、上記種類の有機顔料及びビスマスオキシクロライドをベースとするものを含むチタンマイカ等の有色真珠光沢顔料、並びにそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0051】
本発明の化粧品組成物において用いられる着色剤の正確な量及び種類は、化粧品組成物の色、強度、及び用途に依存し、結果として、化粧品配合物の当業者によって決定されるであろう。
【0052】
当技術分野で既知の任意の増粘剤が任意追加的にフィルムに添加されてもよい。好適な増粘剤としては、シクロデキストリン、結晶性炭水化物等、並びにそれらの誘導体及び組み合わせが挙げられるが、それらには限定されない。好適な結晶性炭水化物としては、モノサッカライド及びオリゴ糖が挙げられる。モノサッカライドのうち、アルドヘキソース、例えばアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロースのD体及びL体、並びにケトヘキソース、例えば、フルクトース及びソルボースのD体及びL体並びにそれらの水素添加類似物、例えば、グルシトール(ソルビトール)、及びマンニトールが好ましい。オリゴ糖のうち、1,2−ジサッカライドスクロース及びトレハロース、1,4−ジサッカライドマルトース、ラクトース、及びセロビオース、並びに1,6−ジサッカライドゲンチオビオソース及びメリビオース、並びにトリサッカライドラフィノースが、イソマルツロースとして知られるスクロースの異性化形態及びその水素添加類似物と共に、好ましい。還元性ジサッカライド(マルトース及びラクトース等)の他の水素添加形態、例えば、マルチトール及びラクチトールも好ましい。なお、アルドペントースの水素添加形(例えば、D型及びL型のリボース、アラビノース、キシロース、及びリキソース)、並びにアルドテトロースの水素添加形(例えば、D型及びL型のエリトロース及びトレオースが好適であり、それぞれ、キシリトール及びエリスリトールによって例示される。
【0053】
当技術分野で既知の防腐剤が、任意追加的にフィルムに添加されてもよい。好適な防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、2−ブロモ−2−ニトロプロパン、ブチルパラベン、クロルヘキシジンジグルコネート、クロルフェニスム、デヒドロ酢酸、クエン酸、ジアゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン、エチルパラベン、ホルムアルデヒド、イミダゾリジニル尿素、イソブチルパラベン、メチルイソチアゾリノン、メチルパラベン、フェノキシエタノール、ポリアミノプロピルビグアナイド、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、クオタニウム−15、サリチル酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、ステアラルコニウムクロリド、トリクロサン、及びジンクピリチオンが挙げられるが、それらには限定されない。
【0054】
一部の実施形態では、「マイクロビーズ」又は他の粒子材料は、スクラブ洗顔料及びボディーソープ等のパーソナルケア製品に使用されるフィルム製品中に「スクラブ粒子」又は「角質除去剤」として組み込まれて、使用されてもよい。マイクロビーズとは、一般に約1,000μm未満、しばしば約750μm未満の粒径を有する微細粒子である。しばしば、局所適用組成物及び/又は皮膚洗浄組成物は、マイクロビーズ、すなわち約300μm未満、及び好ましくは約100μm未満のサイズを有する粒子を組み込んでいる。軽石等の粒子は、35〜1400μmの範囲であってもよい。局所適用組成物は、一般に、約100μmの粒径を有する軽石を用いる。マイクロビーズは、一般に均質な材料であってもよく、軽石、ポリエチレン、ガラス、酸化アルミニウム、二酸化チタン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース、又はビタミンEを含んでもよい。あるいは、マイクロビーズは、望ましい材料がその材料の環境への放出を遅延させるために被覆材料内にカプセル化されている、マイクロカプセル化粒子の形態であってもよい。マイクロカプセル化粒子は、粘着剤及び/又は以下でより詳細に説明される1つ若しくは2つ以上の有益剤を含んでもよい。
【0055】
好ましい実施形態では、フィルム形成組成物は、例えば
図2及び3に示されているように、有益剤を含む。得られる賦形フィルム製品100は、基材の剥離性表面上に形成される第1の表面106、及びその反対側の第2の表面108を有する。第1の表面106は、それを通して有益剤を送達するように配置及び構成される。例えば、第1の表面106は、消費者による使用に先立つ製造及び貯蔵の間、可撓性基材上の剥離ライナーによって保護されてもよい。他方、第2の表面108は、粗形状体の仕上げの間、周囲条件に暴露される。したがって、第1の表面106は、基材からの取り外し後に粘着性であってもよく、消費者の皮膚に粘着してもよい。第2の表面108は、賦形フィルム製品100への変換の間に「すっかり乾いて」もよい。したがって、粘着性の第1の表面106は、消費者の皮膚への有益剤の送達に理想的であり得る。
【0056】
本明細書及び請求項において使用される場合、用語「有益剤」及びその変化形は、要素、イオン、化合物(例えば、合成化合物若しくは天然資源から単離された化合物)又は固体(例えば、粒子)、液体、若しくは気体状態にある他の化学部分及び皮膚に対する化粧的若しくは治療的効果を有する化合物に関する。
【0057】
本発明の組成物は、1つ若しくは2つ以上の有益剤又は製薬上許容できるそれらの塩及び/若しくはエステルを更に含んでもよく、有益剤は、一般に、皮膚と相互に作用し、それに対して利益を提供することができる。本明細書で使用される場合、用語「有益剤」は、所望の場所において皮膚の内部及び/又は上に送達されるべき、化粧品又は医薬品等の任意の有効成分を含む。
【0058】
本明細書で有用な有益剤は、それらの治療的利益又はそれらの想定された作用機序によって分類されてもよい。しかしながら、本明細書で有用な有益剤は、一部の情況下で1つを超える治療的利益を提供し、又は1つを超える作用機序を介して作用し得ることを理解されたい。したがって、本明細書で提供される特定の分類は、便宜上なされたものであり、列挙される特定の適用(複数可)へ有益剤を限定することを意図したものではない。
【0059】
好適な有益剤の例としては、皮膚に利益を提供するものが挙げられ、例えば、以下に限定されるものではないが、色素脱失剤;反射剤;フィルム形成ポリマー;アミノ酸及びそれらの誘導体;抗菌剤;アレルギー抑制剤;抗ニキビ剤;老化防止剤;防しわ剤、消毒剤;鎮痛剤;てかり制御剤;抗そう痒剤;局所麻酔薬;抗脱毛剤;育毛剤;毛髪成長抑制剤、抗ヒスタミン剤;抗感染剤;抗炎症剤;抗コリン作用薬;血管収縮薬;血管拡張薬;創傷治癒促進剤;ペプチド、ポリペプチド、及びタンパク質;防臭剤及び制汗剤;薬剤;皮膚引き締め剤、ビタミン;美白剤;皮膚黒化剤;抗菌剤;脱毛剤;反対刺激薬;痔疾用剤;殺虫剤;角質除去又は他の機能的利益のための酵素;酵素阻害剤;ツタウルシ製品;ウルシ製品;やけど製品;おむつかぶれ薬;あせも薬;ビタミン;ハーブ抽出物;ビタミンA及びその誘導体;フラベノイド;感覚剤;抗酸化剤;毛髪脱色剤;日焼け止め;抗浮腫剤、ネオコラーゲン向上剤、フィルム形成ポリマー、キレート剤;抗フケ/脂漏性皮膚炎/乾癬剤;角質溶解剤;並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0060】
加えて、有益剤は、皮膚に対して受動的利益も提供し得る。したがって、有益剤は、保湿剤又は皮膚軟化剤、皮膚の軟化剤又はコンディショナー、メークアップ調剤等の成分、及びそれらの混合物を含む組成物の中に配合されてもよい。
【0061】
好適な抗浮腫剤の例としては、非排他的に、ビサボロール天然、合成ビサボロール、コルチコステロイド、β−グルカン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0062】
好適な血管収縮薬の例としては、非排他的に、セイヨウトチノキ抽出物、サンショウ、ペルオキシド、テトラヒドロザリン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0063】
好適な抗炎症剤の例としては、非排他的に、ベノキサプロフェン、ツボクサ、ビサボロール、ナツシロギク(全体)、ナツシロギク(パルテノライド不含)、緑茶抽出物、緑茶濃縮物、過酸化水素、サリチル酸塩、オート麦油、カモミール、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0064】
ネオコラーゲン向上剤の例としては、非排他的に、ビタミンA及びその誘導体(例えば、β−カロチン、並びにレチノイン酸等のレチノイド、レチナール、レチニルパルミテート、レチニルアセテート、及びレチニルプロピオネート等の及びレチニルエステル);アスコルビン酸、リン酸アスコルビル、アスコルビン酸パルミテート、及びアスコルビン酸グルコシド等のビタミンC及びその誘導体;銅ペプチド;ラクトース、メリビオース、及びフルクトース等の単純な糖;及びそれらの混合物が挙げられる。
【0065】
酵素の例としては、パパイン、ブロメライン、ペプシン、及びトリプシンが挙げられる。
【0066】
好適な皮膚引き締め剤の例としては、非排他的に、ジメチルアミノエタノール(「DMAE」)等のアルカノールアミンが挙げられる。
【0067】
好適な抗そう痒剤及び皮膚保護剤の例としては、非排他的に、ひき割りオート麦、β−グルカン、ナツシロギク、大豆製品(「大豆製品」によって、米国特許出願第2002−0160062号に記載されているような大豆由来の物質が意味される)、重曹、コロイド状ひき割りオート麦、ルリハコベ、メマツヨイグサ、バーベナ等が挙げられる。本明細書で使用される場合、コロイド状ひき割りオート麦は、第1又は第2オート麦の米国基準を満たす全粒粉オート麦の粉砕及び更なる加工から得られる粉末を意味する。コロイド状ひき割りオート麦は、以下の粒径分布を有する。すなわち、全粒子の3パーセント以下が150マイクロメートルのサイズを超え、全粒子の20パーセント以下が75マイクロメートルのサイズを超える。好適なコロイド状ひき割りオート麦の例としては、Beacon Corporation(ケニルワース、ニュージャージー州)から入手可能な「Tech−O」及びQuaker(シカゴ、イリノイ州)から入手可能なコロイド状ひき割りオート麦が挙げられるが、それらには限定されない。
【0068】
好適な反射剤の例としては、非排他的に、雲母、アルミナ、ケイ酸カルシウム、グリコールジオレエート、グリコールジステアレート、シリカ、ナトリウムフッ化ケイ素酸マグネシウム、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0069】
皮膚黒化剤の例としては、非排他的に、ジヒドロキシアセトン、エリトロース、メラニン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0070】
好適なフィルム形成ポリマーの例としては、乾燥後に、皮膚又は爪上に実質的に連続的な被覆又はフィルムを生じさせるものが挙げられる。好適なフィルム形成ポリマーの非排他的な例としては、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドのコポリマー、コーンスターチ/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウムのコポリマー、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−47、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸のコポリマー、スチレン/アクリレートのコポリマー、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0071】
保湿及びコンデショニング特性を提供することができる市販の保湿剤としては、非排他的に、(i)グリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びそれらの混合物を含む群から選択される水溶性液体ポリオール、(ii)PEG 4等の、式HO−(R’’O)b−Hのポリアルキレングリコール(式中、R’’は、約2〜約4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、bは、約1〜約10の整数である)、(iii)式CH3−C6H10O5−(OCH2CH2)c−OHのメチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル(式中、cは、約5〜約25の整数である)、(iv)尿素、(v)フルクトース、(vi)グルコース、(vii)はちみつ、(viii)乳酸、(ix)マルトース、(x)グルクロン酸ナトリウム、並びに(xi)それらの混合物が挙げられ、グリセリンが、代表的な保湿剤である。
【0072】
好適なアミノ酸及び誘導体としては、様々なタンパク質の加水分解由来のアミノ酸、並びにそれらの塩、エステル、及びアシル誘導体が挙げられる。このようなアミノ酸剤の例としては、非排他的に、アルキルアミドアルキルアミン等の両性アミノ酸、すなわちステアリルアセチルグルタメート、カプリロイルシルクアミノ酸、カプリロイルコラーゲンアミノ酸;カプリロイルケラチンアミノ酸;カプリロイルピーアミノ酸;ココジモニウムヒドロキシプロピルシルクアミノ酸;コーングルテンアミノ酸;システイン;グルタミン酸;グリシン;毛髪ケラチンアミノ酸;アスパラギン酸、トレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、シスチン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、システイン酸、リジン、ヒスチジン、アルギニン、システイン、トリプトファン、シトルリン等のアミノ酸;リジン;シルクアミノ酸、小麦アミノ酸;及びそれらの混合物が挙げられる。
【0073】
好適なタンパク質としては、長鎖、すなわち少なくとも約10個の炭素原子と、高い分子量、すなわち少なくとも約1000とを有し、アミノ酸の自己縮合によって形成されるポリマーが挙げられる。このようなタンパク質の非排他的な例としては、コラーゲン、デオキシリボヌクレアーゼ、ヨウ化コーンタンパク質;乳タンパク質;プロテアーゼ;血清タンパク;シルク;スイートアーモンドタンパク質;小麦胚タンパク質;小麦タンパク質;α及びβらせん型のケラチンタンパク質;中間繊維タンパク質、高硫黄タンパク質、超高硫黄タンパク質、中間繊維関連タンパク質、高チロシンタンパク質、高グリシンチロシンタンパク質、トリコヒアリン等の毛髪タンパク質、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0074】
好適なビタミンの例としては、非排他的に、チアミン、ニコチン酸、ビオチン、パントテン酸、コリン、リボフラビン、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンB12、ピリドキシン、イノシトール、カルニチンを含む様々な形態のビタミンB複合体;ビタミンA、C、D、E、K及びビタミンAパルミテート等のそれらの誘導体、並びにビタミン前駆体、例えば(すなわち、パンテノール(ビタミンB5前駆体)及びパンテノールトリアセテート)、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0075】
好適な抗菌剤の例としては、非排他的に、バシトラシン、エリスロマイシン、ネオマイシン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ベンジルペルオキシド、銀などの金属塩又はイオン及びその塩、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0076】
好適な皮膚軟化剤及び皮膚保湿剤の例としては、非排他的に、鉱物油、ラノリン、植物油、イソステアリルイソステアレート、グリセリルラウレート、メチルグルセス−10、メチルグルセス−20キトサン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0077】
好適な毛髪柔軟剤の例としては、非排他的に、不揮発性又は揮発性のいずれかのもの、及び水溶性又は水に不溶性のもの等の、シリコーン化合物が挙げられる。好適なシリコーンの例としては、有機置換ポリシロキサンが挙げられ、モノマー性シリコーン/酸素モノマーの直鎖又は環状のいずれかのポリマーであり、非排他的に、セチルジメチコーン、セチルトリエチルアンモニウムジメチコーンコポリオールフタレート、シクロメチコン、ジメチコーンコポリオール、ジメチコーンコポリオールラクテート、加水分解大豆タンパク質/ジメチコーンコポリオールアセテート、シリコーンクオタニウム13、ステアラルコニウムジメチコーンコポリオールフタレート、ステアルアミドプロピルジメチコーン、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0078】
日焼け止めの例としては、非排他的に、ベンゾフェノン、ボルネロン、ブチルPABA、シンナムアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジスチリルビフェニルジスルホネート二ナトリウム、PABA及びその誘導体(オクチルジメチルPABA等、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、イソアミルメトキシシンナメート、メチルベンジリデン樟脳、オクチルトリアゾール、オクチルメトキシシンナメート、オキシベンゾン、オクトクリレン、オクチルサリチレート、ホモサラート、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、エチルヒドロキシプロピルアミノベンゾエート、メンチルアントラニレート、アミノ安息香酸、シノキセート、ジエタノールアミンメトキシシンナメート、グリセリルアミノベンゾエート、二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、パジマートO、赤ワセリン、MEXORYL S及びSX、TINOSORB M及びS、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0079】
美白剤の例としては、非排他的に、ヒドロキノン、カテコール及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0080】
好適な殺虫剤(昆虫忌避剤、抗疥癬、及び抗シラミ処置剤を含む)の例としては、非排他的に、ペルメトリン、ピレトリン、ピペロニルブトキシド、イミダクロプリド、N,N−ジエチルトルアミド(これは、メタ異性体、すなわち、DEETとしても知られているN,N−ジエチル−m−トルアミドを主として含有する物質を指す)、天然又は合成ピレスロイド(天然ピレスロイドは、ジョチュウギク又はCコクシネウム(coccineum)の花粉末の抽出物である除虫菊に含まれる)、並びにそれらの混合物が挙げられる。式IIIの構造内には、エチル3−(N−ブチルアセタミド)プロピオネートがあり、式中、R7は、CH3基であり、R5は、n−ブチル基であり、R6は、Hであり、Kは、COOR8であり、R8は、エチルであり、これは、Merck KGaA(ダルムシュタット、ドイツ)から「Insect Repellent 3535」の名称で市販されている。
【0081】
足の調合剤のための抗菌剤の例としては、非排他的に、トルナフテート及びミコノゾールが挙げられる。
【0082】
好適な脱毛剤の例としては、非排他的に、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸マグネシウム、チオグリコール酸カリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0083】
外用鎮痛剤及び局所麻酔薬等の好適な鎮痛剤の例としては、非排他的に、ベンゾカイン、ジブカイン、ベンジルアルコール、樟脳、カプサイシン、トウガラシ、トウガラシ含油樹脂、ネズノキタール、メントール、メチルニコチネート、サリチル酸メチル、フェノール、レゾルシノール、テレピン油、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0084】
好適な制汗剤及び防臭剤の例としては、非排他的に、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムクロロハイドレート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0085】
好適な反対刺激薬の例としては、非排他的に、樟脳、メントール、サリチル酸メチル、ペパーミント及び丁子油、イクタモール、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0086】
好適な炎症抑制剤の例としては、非排他的に、ヒドロコルチゾン、ワイルドストロベリー、カミツレ、及びセイジが挙げられる。
【0087】
好適な麻酔成分の例としては、非排他的に、ベンゾカイン、塩酸プラモキシン、リドカイン、ベータカイン、及びそれらの混合物;塩化ベンゼトニウム等の消毒剤;酸化亜鉛、次没食子酸ビスマス、バルサムペルー等の収斂剤、及びそれらの混合物;酸化亜鉛、シリコーン油、ワセリン、タラ肝油、植物油等の皮膚保護剤、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0088】
フケ、脂漏性皮膚炎、及び乾癬、並びにそれらに関連する症状の治療に効果的なこのような好適な有益剤の例としては、非排他的に、ジンクピリチオン、アントラリン、シェールオイル及びスルホン化シェールオイル等のその誘導体、硫化セレン、硫黄;サリチル酸;コールタール;ポビドンヨード、ケトコナゾール、ジクロロフェニルイミダゾロジオキサラン(「エルビオール」)、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール、クリンバゾール、チオコナゾール、スルコナゾール、ブトコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾールニトレート等のイミダゾール、並びにそれらの任意の可能な立体異性体及び誘導体;ピロクトンオラミン(オクトピロックス);シクロピロックスオラミン;ビタミンD類似物等の抗乾癬薬、例えば、カルシポトリオール、カルシトリオール、及びタカレイトロール;ビタミンAのエステル等のビタミンA類似物、例えば、ビタミンAパルミテート及びビタミンAアセテート、レチニルプロピオネート、レチンアルデヒド、レチノール、及びレチノイン酸;ハイドロコルチゾン、クロベタゾン、ブチラート、クロベタゾールプロピオネートメントール、塩酸プラモキシン等のコルチコステロイド、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0089】
脱毛を治療するのに好適な有益剤の例としては、これらに限定されるものではないが、ミノキシジル、ジアゾキシド、及びN
*−シアノ−N−(tert−ペンチル)−N’−3−ピリジニル−グアニジン(「P−1075」)等の化合物等のカリウムチャネル開口薬又は末梢血管拡張薬;ソーパルメット抽出物、ビタミンE及びビタミンC等のビタミン、並びにビタミンEアセテート及びビタミンCパルミテート等のそれらの誘導体;エリスロポエチン、プロスタグランジンEl及びプロスタグランジンF2−α等のプロスタグランジン等のホルモン;オレイン酸等の脂肪酸;スピロノラクトン等のジルレティック;HSP 27及びHSP 72等の熱ショックタンパク質(「HSP」);ベラパミルHCL、ニフェジピン、及びジルチアゼムアミロライド等のカルシウムチャネル遮断薬;シクロスポリン及びFk−506等の免疫抑制薬;フィナステリド等の5α−還元酵素阻害剤;EGF、IGF、及びFGF等の成長因子;トランスフォーミング増殖因子β;腫瘍壊死因子;ベノキサプロフェン等の非ステロイド性抗炎症剤;レチナール及びトレチノイン等のレチノイド;IL−6、IL−1α、及びIL−1β等のサイトカイン;ICAM等の細胞接着分子;ベタメタゾン等のグルココルチコイド;アロエ、クローブ、朝鮮人参、ジオウ、センブリ、スイートオレンジ、サンショウ、ノコギリヤシ(ソーパルメット)、アフリカスターグラス(Hypoxis rooperi)、イラクサ、カボチャ種子、及びライ麦花粉等の植物性抽出物;サンドルウッド(sandlewood)、レッドビートの根、キク、ローズマリー、ゴボウを含む他の植物性抽出物、及び他の育毛賦活剤;カリウム・フォスフォリクム(Kalium Phosphoricum)D2、ニーム(Azadirachta indica)D2、及びヨボランジ(Joborandi)DI等のホメオパシー剤;サイトカイン、成長因子、及び頭頂部脱毛症の遺伝子;ケトコナゾール及びエルビオール等の抗菌剤;ストレプトマイシン等の抗生物質;シクロヘキシミド等のタンパク質阻害剤;アセタゾラミド;ベノキサプロフェン;コルチゾン;ジルチアゼム;ヘキサクロロベンゼン;ヒダントイン;ニフェジピン;ペニシラミン;フェノチアジン;ピナシジル;ソラレン、ベラパミル;ジドブジン;以下のルチンのうち少なくとも1つを有するα−グルコシル化ルチン:ケルセチン、イソクエルシトリン、ヘスペジン(hespeddin)、ナリンジン、及びメチルヘスペリジン、並びにそれらのフラボノイド及びトランスグルコシダート化誘導体;並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0090】
育毛の抑制において使用するのに好適な有益剤の例としては、トリプシン等のセリンプロテアーゼ;α−トコフェノール(ビタミンE)等のビタミン、及びトコフェノールアセテート及びトコフェノールパルミテート等のそれらの誘導体;ドキソルビシン、シクロホスファミド、クロルメチン、メトトレキサート、フルオロウラシル、ビンクリスチン、ダウノルビシン、ブレオマイシン、及びヒドロキシカルバミド等の抗腫瘍薬;ヘパリン、ヘパリン類似物質、クマエリン、デトラン、及びインダンジオン等の凝固阻止剤;ヨウ素、チオウラシル、及びカルビマゾール等の抗甲状腺薬;リチウム及びリチウムカーボネート;インターフェロンα、インターフェロンα−2a、及びインターフェロンα−2b等のインターフェロン;レチノール(ビタミンA)、イソトレチノイン等のレチノイド:β−メタゾン、及びデキサメトゾン等のグルココルチコイド;トリパラノール及びクロフィブラート等の抗高脂血症薬;タリウム;水銀;アルベンダゾール;アロプリノール;アミオダロン;アンフェタミン;男性ホルモン;ブロモクリプチン;ブチロフェノン;カルバマゼピン;コレスチラミン;シメチジン;クロフィブラート;ダナゾール;デシプラミン;ジキシラジン;エタンブトール;エチオナミド;フルオキセチン;ゲンタマイシン、金塩;ヒダントイン;イブプロフェン;イムプラミン;免疫グロブリン;インダンジオン;インドメタシン;イントラコナゾール;レバドパ;マプロチリン;メチセルジド;メトプロロール;メチラポン;ナドロール;ニコチン酸;チオシアン酸カリウム;プロプラノロール;ピリドスチミン;サリチル酸塩;スルファサラジン;テルフェナジン;チアンフェニコール;チオウラシル;トリメタジオン;トロパラノール;バルプロ酸;及びそれらの混合物が挙げられる。
【0091】
好適な老化防止剤の例としては、二酸化チタン及び酸化亜鉛等の無機日焼け止め;オクチル−メトキシシンナメート等の有機日焼け止め及びそれらの誘導体;レチノイド;銅を含有するペプチド;ビタミンE、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB等のビタミン、及びビタミンEアセテート、ビタミンCパルミテート等のそれらの誘導体;β−カロチン、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、アスコルビン酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、アトロ乳酸、α−ヒドロキシイソ吉草酸、ピルビン酸エチル、ガラクツロン酸、グルコヘプトン酸、グルコヘプトノ1,4−ラクトン、グルコン酸、グルコノラクトン、グルクロン酸、グルクロノラクトン、グリコール酸、ピルビン酸イソプロピル、ピルビン酸メチル、ムチン酸、ピルビン酸、サッカリン酸、サッカリック酸1,4−ラクトン、酒石酸、及びタルトロン酸等のαヒドロキシ酸を含む抗酸化剤;β−ヒドロキシ酪酸、β−フェニル−乳酸、β−フェニルピルビン酸等のβヒドロキシ酸;ポリフェノール;緑茶、大豆製品、マリアアザミ、藻類、アロエ、アンゼリカ、ダイダイ、コーヒー、金糸、グレープフルーツ、ホエレン(hoellen)、スイカズラ、ジュズダマ、ムラサキ、クワ、ボタン、プエラルア、ナイス(nice)、サフラワー等の植物性抽出物、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。
【0092】
好適な抗ニキビ剤の例としては、局所レチノイド(トレチノイン、イソトレチノイン、モトレチニド、アダパレン、タザロテン、アゼライン酸、レチノール);サリチル酸;過酸化ベンゾイル;レゾルシノール;テトラサイクリン及びその異性体、エリスロマイシン等の抗生物質、並びにイブプロフェン、ナプロキセン、ヘトプロフェン等の抗炎症剤;ハンノキ、ウサギギク、カワラヨモギ、サイシン、バール(birrh)、キンセンカ、カモミール、ハマゼリ、ヒレハリソウ、ウイキョウ、五倍子、サンザシ、ドクダミ、オトギリソウ、ナツメ、キウイ、甘草、モクレン、オリーブ、ペパーミント、フィロデンドロン、サルビア、クマザサ等の植物性抽出物;ケトコナゾール及びエルビオール等のイミダゾールが挙げられるが、それらには限定されない。
【0093】
好適な色素脱失剤の例としては、大豆製品、レチノール等のレチノイド;コウジ酸及びその誘導体、例えば、コウジジパルミチン酸等;ヒドロキノン及びアルブチン等のそれ誘導体;トラネキサム酸;ナイアシン、ビタミンC等のビタミン及びその誘導体;アゼライン酸;プラセルティア;甘草;カモミール及び緑茶等の抽出物、並びにそれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されず、レチノイド、コウジ酸、大豆製品、及びヒドロキノンが、特に好適な例である。
【0094】
好適な抗痔製品の例としては、ベンゾカイン、塩酸プラモキシン等の麻酔剤、及びそれらの混合物;塩化ベンゼトニウム等の消毒剤;酸化亜鉛、次没食子酸ビスマス、バルサムペルー等の収斂剤、及びそれらの混合物;タラ肝油、植物油等の皮膚保護剤、並びにそれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。
【0095】
血管拡張薬の例としては、ミノキシジル、ジアゾキシド、及びN
*−シアノ−N−(tert−ペンチル)−N’−3−ピリジニル−グアニジン(「P−1075」)等の化合物が挙げられるが、それらには限定されない。
【0096】
好適なてかり制御剤の例としては、水酸化ケイ素、カオリン、及びベントナイトが挙げられるが、それらには限定されない。好適な抗ヒスタミン剤の例としては、ジフェンヒドラミンHClが挙げられるが、それらには限定されない。
【0097】
好適な抗感染薬の例としては、塩化ベンザルコニウム、ヘキサミジン、及び過酸化水素が挙げられるが、それらには限定されない。好適な創傷治癒促進剤の例としては、キトサン及びその誘導体が挙げられるが、それらには限定されない。好適なツタウルシ及びウルシ製品の例としては、ベントナイト、ヒドロコルチゾン、メントール、及びリドカインが挙げられるが、それらには限定されない。やけど製品の例としては、ベンゾカイン及びリドカインが挙げられるが、それらには限定されない。好適な抗おむつかぶれ製品の例としては、酸化亜鉛及びワセリンが挙げられるが、それらには限定されない。好適なあせも製品の例としては、酸化亜鉛が挙げられるが、それらには限定されない。好適な感覚剤の例としては、メントール、芳香剤、及びカプサイシンが挙げられるが、それらには限定されない。
【0098】
賦形フィルム製品100との使用に特に好適であり得る有益剤としては、DMAE、大豆製品、コロイド状ひき割りオート麦、スルホン化シェールオイル、オリーブ葉、エルビオール、6−(1−ピペリジニル)−2,4−ピリミジンジアミン−3−オキシド、フィナステリド、ケトコナゾール、サリチル酸、ジンクピリチオン、コールタール、過酸化ベンゾイル、硫化セレン、ヒドロコルチゾン、硫黄、メントール、塩酸プラモキシン、トリセチルモニウムクロリド、ポリクアテルニウム10、パンテノール、パンテノールトリアセテート、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体、ケラチン、リジン、アルギニン、加水分解小麦タンパク質、銅含有ペプチド及び銅塩等の銅含有化合物、加水分解シルクタンパク質、オクチルメトキシシンナメート、オキシベンゾン、アボベンゾン、ミノキシジル、ソーパルメット抽出物、二酸化チタン、酸化亜鉛、レチノール、エルスロマイシン、トレチノイン、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0099】
賦形フィルム製品100との使用に特に好適であり得る他の有益剤としては、ネオコラーゲン促進剤(例えば、レチナール等のレチノイド及び銅含有ペプチド)、皮膚引き締め剤(例えば、DMAE)、及び色素脱失剤(例えば、大豆)が挙げられる。
【0100】
使用され得る有益剤の量は、例えば、皮膚又は爪を通して浸透する有益剤の能力、選択される特定の有益剤、所望の特定の利益、ユーザの有益剤に対する感受性、ユーザの健康状態、年齢、並びに皮膚及び/又は爪の状態等に応じて変わり得る。要するに、有益剤は、健全な医療判断において合理的なリスク対利益比の下で、「安全かつ効果的な量」で、すなわち所望の皮膚若しくは爪に対する利益をもたらすため又は治療されるべき特定の状態を修正するためには十分に高いが、重大な副作用を防止するには十分に低い量で、使用される。
【0101】
有益剤は、有益剤の機能を減じない他の成分と共に配合され、混合され、又は調合されて組成物(例えば、液体、乳剤、クリーム等)にされてもよい。1つ又は2つ以上の有益剤の皮膚内への吸収を向上させる送達剤は、この機能を果たすために、有益剤と共に配合されてもよい。好適な送達剤としては、例えば、スルホキシド、エタノール等のアルコール;例えばリノール酸又はオレイン酸等の脂肪酸、例えばC3〜C10のカルボン酸をC10〜C20の脂肪酸アルコールと反応させることから産出され得るもの等の脂肪族エステル;角質層を通して皮膚のより深い層への様々な有益剤の浸透を向上させるのに好適であると当技術分野で既知の他の剤のうち、ポリオール、アルカン、アミン、アミド、トゥルペン、界面活性剤、シクロデキストリン、又はそれらの組み合わせ、が挙げられる。
【0102】
組成物中の有益剤の濃度は、可変である。本明細書で特に表現されない限り、有益剤は、典型的には、組成物/系の総重量に基づき、約0.01パーセント〜約5パーセント(例えば、約0.01パーセント〜約1パーセント)等、約0.01パーセント〜約20パーセントの量で組成物中に存在する。
【0103】
有益剤を含むこの組成物は、上記されたようなカップリング組成物としても機能してもよく、組成物がこれらの機能のうちの1つを有することを可能にする成分を含んでもよい。
【0104】
上記の成分に加えて、又はそのうちの1つ若しくは2つ以上の代わりに、芳香剤、着香料、甘味料、着色料、顔料、染料等が本発明のフィルム形成組成物に添加されてもよい。
【0105】
〔実施の態様〕
(1) 賦形フィルム製品を形成するための方法であって、
a.送達面と、反対側の基材に対向する面と、所望の賦形フィルム製品に対応する設計を有する少なくとも1つの開口部とを有するマスクを、基材の上に載置する工程と、
b.前記マスクの前記送達面と封止係合するノズルを通して、フィルム形成組成物を前記マスクの前記少なくとも1つの開口部へ送達して、粗形状体を前記基材上に形成する工程と、
c.前記マスクを取り外す工程と、
d.前記フィルム形成組成物を凝固させて、前記基材上に配された前記賦形フィルム製品を提供する工程と、を含む、方法。
(2) 前記マスクが、内部を有する回転ドラムの表面上に配され、前記少なくとも1つの開口部が、前記回転ドラムの前記内部と連通している、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記ノズルが、前記マスク開口部の横方向寸法よりも大きい横方向寸法を有する、実施態様1に記載の方法。
(4) フィルム形成組成物を送達する前記工程が、前記ノズルの送達開口部の突出、基材、及びマスク側壁によって画定される空隙容積への前記フィルム形成組成物の前記送達を制御することと、前記制御された体積のフィルム形成組成物を前記マスク開口部へ送達することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 多層賦形フィルム製品を形成するための方法であって、
a.送達面と、反対側の基材に対向する面と、前記賦形フィルム製品の一部分の所望の形状に対応する設計を有する少なくとも1つの開口部とを有する第1のマスクを、基材の上に載置する工程と、
b.前記マスクの前記少なくとも1つの開口部を通して第1のフィルム形成組成物を送達して、厚さを有する第1の粗形状体を前記基材上に形成する工程と、
c.前記第1のマスクを取り外す工程と、
d.厚さと、送達面及び反対側の基材に対向する面と、前記賦形フィルム製品の第2の部分の前記所望の形状に対応する設計を有する少なくとも1つの開口部とを有する第2のマスクを前記第1の粗形状体上に載置する工程であって、前記第1の粗形状体が、前記第2のマスクの前記少なくとも1つの開口部よりも大きくはなく、前記第2のマスクの前記厚さが、前記第1の粗形状体の前記厚さよりも大きい、工程と、
e.第2のフィルム形成組成物の空隙容積への送達を制御する工程であって、前記空隙容積は、
i.ノズルの送達開口部の突出、基材、及びマスク側壁の体積から、前記送達開口部の前記突出に対応する前記第1の粗形状体の体積を減じたものと、
ii.前記制御された体積の前記第2のフィルム形成組成物を前記第2のマスク開口部へ送達することと、によって画定される、工程と、
f.前記第2のマスクを取り外す工程と、
g.前記第1の粗形状体及び前記第2の粗形状体を凝固させて、前記基材上に配された前記賦形フィルム製品を提供する工程と、を含む、方法。
【0106】
(6) 実施態様1に記載の方法に従って生産された賦形フィルム製品。
(7) 実施態様5に記載の方法に従って生産された賦形フィルム製品。
(8) 第2のフィルム材料によって実質的に取り囲まれた、第1のフィルム材料を有する第1の表面と、前記第2のフィルム材料によって形成された第2の表面とを備える、賦形フィルム製品。
(9) 賦形フィルム製品を形成するための装置であって、
a.所望の賦形フィルム製品に対応する開口部を有するマスクと、
b.前記マスクを支持するように配置及び構成されたマスク支持体と、
c.フィルム形成組成物を前記マスク開口部へ送達するためのシステムであって、前記フィルム形成組成物を前記マスク開口部へ送達するための少なくとも1つのポンプと流体連通しているフィルム形成組成物リザーバと、前記フィルム形成組成物の流動を制御するためのポンプコントローラと、前記フィルム形成組成物を受容し、それを前記マスク開口部へ送達するように配置及び構成されたノズルとを備える、システムと、を備える、装置。
(10) 前記マスク支持体と前記マスクとの間に配された基材を更に備える、実施態様9に記載の装置。
【0107】
(11) 前記マスク支持体が、剥離ライナー付きの表面を有し、それによって前記装置内で形成された賦形フィルム製品をそこから取り外すことができる、実施態様9に記載の装置。
(12) 前記フィルム形成組成物を前記マスク開口部へ送達するための前記システムが、前記フィルム形成組成物を前記マスク開口部へ実質的に層流で送達するように配置及び構成されている、実施態様9に記載の装置。