(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スロットは、前記第2の本体部が前記切除された遠位面上に位置付けられると、前記大腿骨の前記切除された遠位面に対して実質的に平行である平面内に延びる、請求項1に記載のガイド。
前記第1の本体部が、前記患者の左膝関節で使用するための第1の組の1つ又は2つ以上の位置で、及び前記患者の右膝関節で使用するための第2の組の1つ又は2つ以上の位置で、前記第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガイド。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載される。従属請求項からの特徴の組み合わせは、独立請求項の特徴と適宜組み合わせることができ、請求項に明示的に記載されるものだけに限定されない。
【0010】
本発明の態様によれば、膝関節置換手技において患者の大腿骨の切除された遠位面上に切断ブロックを位置決めするためのガイドが提供され、本ガイドは、
大腿骨の切除された遠位面上に位置付けるための第1の本体部であって、大腿骨の後顆に係合するための一対の後側に延びる足部を備える、第1の本体部と、
大腿骨の切除された遠位面上に位置付けるための第2の本体部であって、第2の本体部は、締結具ピンを位置決めするための少なくとも一対のロケータ穴を備え、締結具ピンにより、切断ブロックが大腿骨の切除された遠位面に締結され得る、第2の本体部とを備え、
第1の本体部は、第1の本体部の足部が後顆に係合されると、第2の本体部を患者の解剖学的特徴部に対して角度付けるための複数の不連続の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付けることができ、
ガイドは湾曲スロットと係合部材とを更に備え、係合部材は、第1の本体部を第2の本体部に取り外し可能に取り付けるためのスロットと係合し、係合部材は、第1の本体部が第2の本体部に取り付けられると、該複数の不連続の位置のそれぞれにおいて、スロットに沿った対応の位置で受容される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、膝関節置換手技において患者の大腿骨の切除された遠位面上に切断ブロックを位置決めするための方法が提供され、本方法は、
ガイドを提供することであって、ガイドが、
一対の後側に延びる足部を有する第1の本体部と、
少なくとも一対のロケータ穴を備える第2の本体部であって、第1の本体部が、第2の本体部を患者の少なくとも1つの解剖学的特徴部に対して角度付けをするための複数の不連続の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、第2の本体部と、
湾曲スロットと、第1の本体部が第2の本体部に取り付けられると、該複数の不連続の位置のそれぞれにおいて、スロットに沿った対応の位置で受容可能な係合部材と、を備える、提供することと、
第1の本体部を第2の本体部に該複数の不連続の位置のうちの1つで取り外し可能に取り付けることであって、これにより、係合部材がスロットに係合し、スロットに沿った該対応の位置のうちの1つに受容される、取り外し可能に取り付けることと、
第1の本体部の一対の後側に延びる足部が大腿骨の後顆に係合するように、かつ第2の本体部が、大腿骨の切除された遠位面上に位置付けられるように、大腿骨の切除された遠位面上に第1の本体部を位置付けることと、
締結具ピンを、ロケータ穴を通して大腿骨の切除された遠位面に挿入することと、
大腿骨からガイドを取り外すことと、
締結具ピンを用いて、切断ブロックを大腿骨上に装着することと、を含む。
【0012】
本発明の実施形態によるガイドは、ガイドの第2の本体部が、膝関節置換手技中に、第1の本体部と第2の本体部との間に旋回及び/又は係止機構が提供される必要がないような方法で、患者の解剖学的特徴部に対して角度が付けられることを可能にし得る。これは、ガイドの複雑さ及び製造コストが低減されることを可能にし得る。
【0013】
後側に延びる足部が大腿骨の後顆に係合するように、大腿骨の切除された遠位面上に位置付けられ得る第1の本体部は、第2の本体部を解剖学的特徴部に対して角度付けするために、ガイドの第2の本体部が角度付けされ得る基部として機能し得る。複数の不連続の位置は、第2の本体部の標準回転角度(例えば、0°、3°、5°、7°)に対応することができる。
【0014】
いくつかの例では、ガイドはいずれかの膝関節で使用することができる。例えば、第1の本体部は、患者の左膝関節で使用するための第1の組の1つ又は2つ以上の位置で、及び患者の右膝関節で使用するための第2の組の1つ又は2つ以上の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付けることができてもよい。いくつかの例では、第1の本体部は、患者の左膝関節で使用するための第1の複数の位置で、及び患者の右膝関節で使用するための第2の複数の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付けることができてもよい。不連続の位置のいくつかが、両方の膝関節で使用するために好適であり得ることが想定される。例えば、不連続の位置のうちの1つにおいて、第1の本体部は、第2の本体部に対して中心に置かれてもよく、これは、第2の本体部のいずれかの膝関節に対する大腿骨軸の周りのゼロ回転に相応する。
【0015】
使用時に、外科医は、切断ブロックがその後に装着され得る締結具ピンを挿入する前に、第2の本体部を患者の少なくとも1つの解剖学的特徴部に対して角度付けするための複数の不連続の位置のうちの少なくとも2つにおいて、第1の本体部を第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である。例えば、外科医は、第2の本体部が解剖学的特徴部と正確に整列されていると満足するまで、第2の本体部に対していくつかの異なる回転角度を試行してもよい。いくつかの例では、外科医は、異なる第1の本体部を使用する間に交換することができ、例えば、外科医は、第2の本体部の異なる組の回転角度を可能にするために、異なる組の不連続の位置で取り付け可能である第1の本体部の使用に交換してもよい。
【0016】
指示器は、第1の本体部及び/又は第2の本体部に提供されてもよく、外科医が、ガイドの第1の本体部が第2の本体部に取り付けられる不連続の位置を決定することを可能にする。指示器は、不連続の位置が対応する、大腿骨の解剖学的軸の周りの第2の本体部の回転角度を示すことができる。
【0017】
一例では、第1の本体部は、第1の本体部のそれぞれの該不連続の取り付け位置についての第2の本体部の回転角度を示すための指示器を備えることができる。第2の本体部は、第1の本体部上の指示器によって示される回転角度を読み取るための1つ又は2つ以上のマーカーを有することができる。これらのマーカーはまた、回転角度を読み取るために、マーカーを患者のどちらの膝関節に使用するべきかに関する表示を含んでもよい。
【0018】
スロットは、大腿骨の切除された遠位面に対して実質的に平行である平面内に延びることができる。係合部材は、その外表面上に設けられた係合特徴部を含むことができる。係合特徴部は、第1の本体部が第2の本体部に対して、大腿骨軸に対して実質的に平行な方向に移動するのを阻止するように、第1の本体部が第2の本体部に取り付けられるとスロットの内表面に対して不勢することができる。
【0019】
係合部材上の係合特徴部は、Oリングであってもよい。別の例では、係合特徴部は、スロットの内表面上に位置する、対応する隆起部又は傾斜面に係合するための1つ又は2つ以上の隆起部を含んでもよい。
【0020】
一実施形態では、スロットは第2の本体部に設けられてもよく、かつ係合部材は第1の本体部に設けられ得るが、スロットが第1本体部に設けられ、かつ係合部材が第2の本体部に設けられるように、この構成が逆にされてもよいことも想定される。
【0021】
第1の本体部又は第2の本体部は、少なくとも1つの第1の接続特徴部を含むことができ、第1の本体部又は第2の本体部のうちの他方は、複数の第2の接続特徴部であって、その各々が第1の接続特徴部と協働して、複数の不連続の位置で第1の本体部を第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、複数の第2の接続部を含んでもよい。
【0022】
例えば、ガイドは、1つ又は2つ以上のピンと、第1の本体部が第1の本体部に取り付けられたときにピンを受容するための複数の対応する穴とを含んでもよい。この穴は、該複数の不連続の位置のそれぞれにおける第1の本体部の取り付けを可能にするように位置付けることができる。第1の本体部が第2の本体部に取り付けられると、ピン及び対応する穴は、大腿骨の切除された遠位面に対して実質的に平行な平面において第1及び第2の本体部が互いに対して移動するのを防止することができる。一実施形態では、1つ又は2つ以上のピンは、第2の本体部に設けられてもよく、複数の対応する穴は、第1の本体部に設けられ得る。1つ又は2つ以上のピンが第1の本体部に設けられてもよく、複数の対応する穴が第2の本体部に設けられるように、この構成は逆にされてもよいことも想定される。
【0023】
ガイドは、1つ又は2つ以上の隆起部と、第1の本体部が第1の本体部に取り付けられたときに隆起部を受容するための複数の溝部とを含んでもよい。これらの溝部は、該複数の不連続の位置のそれぞれにおける第1の本体部の取り付けを可能にするように位置付けることができる。第1の本体部が第2の本体部に取り付けられると、隆起部及び対応する溝部は、大腿骨の切除された遠位面に対して実質的に平行な平面において第1及び第2の本体部が互いに対して移動するのを防止することができる。一実施形態では、1つ又は2つ以上の隆起部は、第2の本体部に設けられてもよく、かつ複数の対応する溝部は、第1の本体部に設けられ得る。1つ又は2つ以上の隆起部が第1の本体部に提供され、かつ複数の対応する溝部が第2の本体部に提供されるように、この構成は逆にされてもよいことも想定される。
【0024】
第1の本体部の足部が、後顆に係合されている間に、第2の本体部の患者の解剖学的特徴部に対する角度を決定するための線状配列マーカーが、第2の本体部上に位置してもよい。手技中に、外科医は、線状配列マーカーが患者の少なくとも1つの解剖学的特徴部に対して平行又は垂直に整列するように、第1の本体部を第2の本体部に装着するための不連続の位置のうちの1つを選択することができる。少なくとも1つの解剖学的特徴部は、例えば、大腿骨の解剖学的軸であってもよい。少なくとも1つの解剖学的特徴部には、例えば、ホワイトサイドライン又は上顆軸が含まれてもよい。
【0025】
ガイドはまた、使用される大腿骨コンポーネントをサイズ決めするための特徴部も含むことができる。一実施形態では、第2の本体部は、第1の本体部がそれに取り外し可能に取り付け可能である後側本体部と、前側本体部とを含む。ガイドは、前側本体部に取り外し可能に装着されたスタイラスを更に含むことができる。スタイラスの先端部を移動させて、大腿骨の前側皮質に係合させるために、第2の本体部の前側本体部は、第2の本体部の後側本体部に摺動可能に装着され得る。スタイラスの先端部が前側皮質に係合されるとき、第2の本体部の前側本体部の第2の本体部の後側本体部に対する位置に従って、大腿骨コンポーネントのサイズを読み取るための目盛りが、第2の本体部上に提供されてもよい。
【0026】
本明細書に記載されるガイドは、単回使用のデバイスであってもよいことが想定される。したがって、本発明の一実施形態による方法は、任意のその後の膝関節置換手技におけるガイドの更なる使用を防止するために、ガイドを処分することを含んでもよい。
【0027】
本発明の更なる態様によれば、上記に述べた種類のガイドと、少なくとも1つの更なる第1の本体部とを含む外科用キットが提供される。キットで提供される各第1の本体部は、第1の本体部の足部が大腿骨の後顆に係合されると、ガイドの第2の本体部を患者の解剖学的特徴部に対して角度付けするための複数の不連続の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である。
【0028】
本発明の態様によれば、膝関節置換手技において患者の大腿骨の切除された遠位面上に切断ブロックを位置決めするためのガイドが提供され、本ガイドは、
大腿骨の切除された遠位面上に位置付けるための第1の本体部であって、大腿骨の後顆に係合するための一対の後側に延びる足部を備える、第1の本体部と、
大腿骨の切除された遠位面上に位置付けるための第2の本体部であって、第2の本体部は、締結具ピンを位置決めするための少なくとも一対のロケータ穴を備え、締結具ピンにより、切断ブロックが大腿骨の切除された遠位面に締結され得る、第2の本体部とを備え、
第1及び第2の本体部のうちの1つは、少なくとも1つの第1の接続特徴部を有し、第1及び第2の本体部のうちの他方は、複数の第2の接続特徴部を有し、その各々が第1の接続特徴部と協働して、第1の本体部を、大腿骨の解剖学的軸に対する複数の不連続の角度位置のうちの1つにおいて、第2の本体部に着脱可能に締結することができる。
【0029】
本発明の別の態様によれば、膝関節置換手技において患者の大腿骨の切除された遠位面上に切断ブロックを位置決めするための方法が提供され、本方法は、
ガイドを提供することであって、ガイドが、
一対の後側に延びる足部を有する第1の本体部と、
少なくとも一対のロケータ穴を備える第2の本体部と、を備え、第1及び第2の本体部のうちの1つは、少なくとも1つの第1の接続特徴部を有し、第1及び第2の本体部のうちの他方は、複数の第2の接続特徴部を有し、その各々が第1の接続特徴部と協働して、第1の本体部を、大腿骨の解剖学的軸に対して複数の不連続の角度位置のうちの1つにおいて、第2の本体部に着脱可能に締結することができる、ガイドを提供することと、
該複数の不連続の角度位置うちの1つで、第1の本体部を第2の本体部に取り付けることと、
第1の本体部の一対の後側に延びる足部が大腿骨の後顆に係合し、かつ第2の本体部が大腿骨の切除された遠位面上に位置付けられるように、大腿骨の切除された遠位面上に第1の本体部を位置付けることと、
締結具ピンを、ロケータ穴を通して大腿骨の切除された遠位面に挿入することと、
大腿骨からガイドを取り外すことと、
締結具ピンを用いて、切断ブロックを大腿骨上に装着することと、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながら以下に説明する。
【0032】
本発明の実施形態は、膝関節置換手技において患者の大腿骨の切除された遠位面上に切断ブロックを位置決めするためのガイドを提供することができる。ガイドは、第1の本体部と第2の本体部とを有する。第1の本体部は、大腿骨の切除された遠位面上に位置付けることができ、この位置において大腿骨の後顆に係合するための一対の後側に延びる足部を有する。第1の本体部は、前述した第1の本体部の足部が後顆に係合されると、第2の本体部をホワイトサイドライン又は上顆軸などの患者の解剖学的特徴部に対して角度付けするための複数の不連続の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である。したがって、第1の本体部を第2の本体部に取り外し可能に取り付けることによって、外科医は、第2の本体部が患者の解剖学的特徴部に対して所望の角度で方向付けられるように、第2の本体部を第1の本体部に対して適切に角度付けすることができる。外科医がガイドの第2の本体部の向きが正しいことに満足すると、外科医は、締結具ピンを患者の大腿骨の切除された遠位面に挿入することができる。第2の本体部には、これらの締結具ピンを位置決めするためのロケータ穴が設けられている。その後、ガイドは大腿骨から取り外すことができ、切断ブロックは、締結具ピンを用いて大腿骨に装着することができる。締結具ピンの場所は、大腿骨コンポーネントを設置する正確な場所で(ガイドを用いて決定される)、大腿骨を通って後側及び/又は前側が切断するように、切断ブロックの向きを決定することができる。したがって、ガイドは、膝関節置換手技中に大腿骨を通って所望の前側及び/又は後側の切断を得るために、切断ブロックの正しい装着のための締結具ピンを適切な位置に定置するために使用され得る。
【0033】
膝関節置換手術で使用するためのガイドの本体部の間に比較的複雑な旋回及び係止機構を含む従来の装置とは異なり、本発明の一実施形態によるガイドは、比較的簡単な構造を有する。その結果、本発明の実施形態によるガイドは、より頑丈であり得、製造がより容易(従ってより安価)であり得る。
【0034】
図1及び
図5〜
図8は、本発明の一実施形態によるガイド10を示している。
図2は、ガイド10の第2の本体部20及びスタイラス8を示しており、一方
図3及び
図4は、それぞれ、本発明の実施形態に従ってガイド10の第2の本体部20に取り付けられ得る第1の本体部40の例を示している。
【0035】
既に言及したように、ガイド10は、第2の本体部20と第1の本体部40とを含む。第2の本体部20は、近位面7と遠位面6とを有する。第1の本体部40は、一対の後側に延びる足部42を有する。使用時に、第1の本体部40は、一対の足部42のそれぞれの上面44が、大腿骨の後顆の対応の1つに係合するように、大腿骨の切除された遠位面の上に定置される。この場所では、第2の本体部20の近位面7が切除された遠位面に面するように、かつ第2の本体部20の遠位面6が大腿骨から離れて面するように、ガイド10の第2の本体部20は、大腿骨の切除された遠位面上に位置付けられる。
【0036】
締結具ピンを大腿骨内に位置付けるためにガイド10が患者の1つ又は2つ以上の解剖学的特徴部を参照して使用されている最中にガイド10を定位置に保つために、外科医は、第2の本体部20の後側本体部2を遠位面6に指で押し付けてもよい。いくつかの例では、ガイド10の使用中にガイド10を定位置に保持するのを補助するために、第2の本体部20の後側本体部2に1つ又は2つ以上の固定穴30が設けられてもよい。切除された遠位面に対してガイド10を手で保持する必要がないように、ねじ付き頭部ピンなどのピンが、固定穴30を通して大腿骨の切除された遠位面に挿入されてもよい。これらのピンは、その後、ガイド自体が切断ブロックの装着のために大腿骨から取り外されるときに取り外されてもよい。
【0037】
ガイド10の第2の本体部20はまた、前側本体部4を有し、前側本体部4は、後側本体部2に摺動可能に取り付けられている。前側本体部4は、第1の本体部40が定位置にあるときに大腿骨の切除された遠位面と接触しないように形状付けることができる。これは、以下により詳細に記述するように、前側本体部4が、スタライス8を位置付けるために、後側本体部2に対して自由に摺動することを可能にする。
【0038】
第2の本体部20の遠位面6は、外科医が解剖学的特徴部に対する第2の本体部20の角度アライメントを決定するための基準として使用するための実線などの線状マーカーであり得るマーカー54を含む。線状マーカー54は、例えば、溝部を備えていてもよく、又は遠位面6に塗装されていてもよい。いくつかの例では、線状マーカー54はエンボス加工又は型押し加工されてもよい。この例では、線状マーカーは一対のロケータ穴28の間に延びる。本明細書の他の箇所に記載されているように締結具ピンを受容するために提供されるロケータ穴28は、第2の本体部20の後側本体部2を通って遠位面6から近位面7まで延びている。
【0039】
上述のように第1の本体部40を大腿骨の切除された遠位面上に位置付けたら、外科医は、線状マーカー54を使用して、上顆軸又はホワイトサイドラインなどの解剖学的特徴部に対する第2の本体部20の整列を確認することができる。以下でより詳細に記述されるサイジングロッド24もまた、この点において外科医に基準を提供し得る。例えば、第2の本体部20の角度方向を判断するために、外科医は、線状マーカー54の向きを上顆軸と比較しながら、サイジングロッド24の向きをホワイトサイドラインと比較してもよい。
【0040】
第1の本体部40は、第2の本体部20に複数の不連続の位置で取り外し可能に取り付け可能である。これらの不連続の位置のそれぞれは、第2の本体部20を第1の本体部40に対して対応の角度で設定する。第1の本体部40の向き及び位置は、足部42が大腿骨の後顆に係合するように第1の本体部40を切除された遠位面上に位置付けることによって規定されるため、第1の本体部の選択された不連続の装着位置に従って第2の本体部20と第1の本体部40との間に設定された角度は、第2の本体部を患者の解剖学的特徴部に対して決定する。所望の角度は、例えば、線状マーカー54を上顆軸に対して平行に、又はホワイトサイドラインに対して垂直に配置する角度とすることができる。最初に、外科医は、第2の本体部20が解剖学的特徴部に対して正しく角度付けされるように、第1の本体部40を第2の本体部20に取り付ける正しい不連続の位置に関して最初の推定を行うことができる。第1の本体部40を第2の本体部20に取り付ける選択された不連続の位置において、第2の本体部20が解剖学的特徴部に対して正しく角度付けされないと判定された場合、第1の本体部40は、第2の本体部20から取り外され、代わりの角度を試すために不連続の位置のうちの異なる1つで取り付けられ得る。
【0041】
外科医が、第2の本体部20が解剖学的特徴部に対して正確に角度付けされていることに満足すると、外科医は、上記のように、大腿骨の切除された遠位面に締結具ピンを位置決めすることができる。この例におけるガイド10は、締結具ピンが挿入され得る二対のロケータ穴を含む。前述のロケータ穴28の対は、締結具ピンが固定された後側切断を形成するために切断ブロックを取り付けるための固定された後側基準を提供する、いわゆる「後側から上位への」アプローチで使用することができる。このアプローチで使用される骨切断におけるばらつき(すなわち、設置される大腿骨コンポーネントのサイズに依存する)は、前側切断で生じる。
【0042】
この例では、ガイド10もまた、いわゆる「前側から下位への」アプローチに従って使用され得る一対のロケータ穴26を含む。ロケータ穴26は、第2の本体部20の前側本体部4を通って遠位面6から近位面7まで延びている。ロケータ穴26の上下位置は、前側本体部4を後側本体部2に対して摺動させることにより調整することができる。前側から下位へのプローチでは、締結具ピンがロケータ穴26を通して挿入され、切断ブロックを装着して、固定された前側切断を行うための固定された前側基準を提供する。このアプローチでの骨切断におけるばらつき(すなわち、大腿骨コンポーネントのサイズに依存する)は、後側切断で生じる。
【0043】
後側から上位への、又は前側から下位へのアプローチのいずれかが採用されるどちらの場合にも、上記のような解剖学的特徴部に対する第2の本体部20の角度付けが、大腿骨において後側及び前側切断を行うため正しい角度で切断ブロックを装着するための締結具ピンを挿入するために、一対のロケータ穴26又は28を正確に角度付けすることに留意されたい。
【0044】
この実施形態では、ガイド10は、使用される大腿骨コンポーネントをサイズ決めし、かつ、前側から下位へのアプローチが用いられる場合にロケータ穴26を正確に位置付けるために使用され得る、スタイラス8を含む。スタイラス8は、第2の本体部20の前側本体部4上に装着される。前側本体部4は、後側本体部2の両側に位置する一対の溝部34に装着され、前側本体部4が後側本体部2に対して摺動することを可能にする。ガイド10が大腿骨の切除された遠位面上に定置されると、前側本体部4は、スタイラス8の先端部12が大腿骨の前側皮質と係合するように、溝部34に沿って後側本体部2に対して摺動することができる。スタイラス8の先端部12が前側皮質に係合する点は、最終インプラントの前側フランジの場所を示してもよく、また、切断ブロックを用いて前側切断が行われた場合の鋸刃の出口点を示してもよい。後側本体部2に対する前側本体部4のこの位置において、目盛り52を使用して、手技に使用されることになる大腿骨コンポーネントの大きさを決定することができる。マーカー32は、ロケータ穴26と同じレベルに設けられ、目盛り52から適切な値を読み取ることができる。第2の本体部20に対するスタイラス8上の先端部12の後側位置は、先端部12が大腿骨の前側皮質に係合する、後側本体部2に対する前側本体部4の上位−下位位置に影響を与え得る。スタイラス8は、スタイラス8自体に設けることができる目盛りを使用して、このことを考慮して正確に位置付けられ得る。具体的には、スタイラス8は、目盛り60によって示される大腿骨コンポーネントの適切なサイズが、スタイラス8が受容される前側本体部4の肩部16に設けられたマーキング17に対応するように位置付けられ得る(具体的には、
図5参照)。
【0045】
この例では、スタイラス8は、第2の本体部20の前側本体部4に取り外し可能に取り付けられている。スタイラス8は、外科医が把持することができる一対のタブ22の先端部12の遠位で終端する一対のアーム18を比較することができる。スタイラス8のアーム18は、それぞれ、第2の本体部20の前側本体部4の頂部に位置する肩部分16内に画定されたそれぞれのスロット内に受容される。スタイラス8のアーム18は、スタイラスを定位置に保持するように、スタイラス8のアーム18が肩部16のスロットに押し付けられるように、外側に付勢されている。スタイラス8の位置を調整するために、外科医は、アーム18の端部に位置するタブ22を一緒に締め付けて、アーム18をそれぞれのスロットから解放し、次いで、大腿骨コンポーネントのサイズの正確な読み取りがマーカー17に対する目盛り60によって与えられるように、スタイラス8を押すか、又は引っ張ることができる。スタイラス8が、大腿骨の前側皮質と接触して上記のように位置付けられると、前述の種類の前側から下位へのアプローチで使用するための締結具ピンが、ロケータ穴を通して大腿骨の切除された遠位面に挿入され得る。
【0046】
係止ノブ14は、前側本体部4の頂部に位置するスリーブ19内に装着されている。係止ノブ14は、前側本体部4が後側本体部2に対して移動するにつれて、後側本体部2に固定されたサイジングロッド24がそれを通って摺動することができる開口部15を有する。係止ノブ14は、締結具ピンがロケータ穴26に挿入されている間に、前側本体部4の位置を後側本体部2に対して係止させるために使用することができる。この例では、係止ノブ14は、スリーブ19内に受容される分割コレットを含むことができる。分割コレットは、スリーブ19の内表面上に位置する対応するねじ山と係合するねじ山を含む。前側本体部4の位置を後側本体部2に対して係止させるために、外科医は、係止ノブ14を捻じることができる。これは、係止ノブ14をスリーブ19にねじ込ませて、これによって分割コレットがスリーブ19の内側傾斜表面を圧迫する。これが、次には、分割コレットをサイジングロッド24の外表面に係合させて、前側本体部4を定位置に固定させる。
【0047】
図3は、本発明の一実施形態によるガイド10の第1の本体部40を示す。第1の本体部40は、第2の本体部20に取り外し可能に取り付け可能である。第1の本体部40が第2の本体部20に取り付けられるとき、第1の本体部40の遠位面70が第2の本体部20の近位面7に接して定置される。
【0048】
いくつかの例では、管部58は、第2の本体部20の近位面7から後側に延びて、ロケータ穴28及び更なる穴30を、大腿骨の切除された遠位面に向かって延在させる。第1の本体部40は、これらの管部58を収容するためにいくつかの隆起部64を含んでもよく、これにより、これら管部は、第1の本体部40の上を通過して、大腿骨に向かって妨げられずに延びることができる。
【0049】
この例における第1の本体部40は、係合部材50を含む。係合部材50は、第1の本体部40の遠位面70から延びている。使用中、係合部材50は、第1の本体部40が第2の本体部20に取り付けられると、第2の本体部20の湾曲スロット38内に受容される。係合部材50とスロット38の内表面との係合は、第1の本体部40が第2の本体部20に取り付けられたときに、第1の本体部40を定位置に保持することを可能にする。第1の本体部40の定位置での保持を補助するために、係合部材50には、スロット38の前述の内表面との係合のために、係合部材50の外表面の周りに装着されたOリング51が提供されてもよい。いくつかの例では、例えば係合部材が第2の本体部20の近位面7から延びて第1の本体部40に位置するスロット内に受容されるように、スロット38及び係合部材の場所が逆転してもよいことが想定される。
【0050】
図12は、
図1、
図3、及び
図4に関連して記載した種類のスロット38及び係合部材50の断面を示す。上述したように、また
図12で分かるように、この実施形態では、係合部材50は、第1の本体部40の遠位面70から延びている。この例における係合部材50は、実質的に円筒形であるが、他の形状も想定される。係合部材50は、第2の本体部20のスロット38内に受容される。
【0051】
図12でも分かるように、この実施形態では、係合部材50がスロット38内に受容されたときにスロット38の内表面に対して付勢するために、Oリング51が、係合部材50の外側湾曲面の周りを通る環状スロット38内に配置されてもよい。
【0052】
この実施形態におけるスロット38の内表面は、2つの部分を含む。第1のテーパ面37が、第2の本体部20の近位面7からスロット38内に内側に延びている。第1のテーパ面37は、第2の本体部20の遠位面6の面法線に対して、例えばおよそ20°の角度に設定される(この部分のテーパ角度は、
図12のBと記された点線で表される)。第2のテーパ面39が、第2の本体部20の遠位面6からスロット38内に内側に延びている。第2のテーパ面39は、第1の表面37よりも(例えば、およそ5°)浅い角度で(遠位面6の面法線に対して)角度が付けられている。この例では、第2のテーパ面39は、第1のテーパ面37よりもスロット38内に更に延びている。第1のテーパ面37は、近位面7に向かって外側にテーパ状になることができ、一方第2のテーパ面39は、遠位面6に向かって外側にテーパ状になることができる。
【0053】
この配置では、より急勾配のテーパを有する第1のテーパ面37は、係合部材50のスロット38への初期挿入を誘導することができる。第1のテーパ面37と第2のテーパ面39との間の接合面(スロット38内の角部を形成する)は、係合部材50がスロット38に挿入されると、Oリング51を先ず圧縮するように働くことができる。第2のテーパ面39のテーパは、必要とされるOリング50の圧縮が増大することにより、スロット38からの係合部材50の意図しない取り外しに対抗することができる。
【0054】
図12に示す種類のOリング51を使用する代わりに、異なる種類の円形の圧縮性構成要素を使用することができることが想定される。例えば、スナップリング(リングを圧縮させるために、中に間隙を有するワイヤリング又はループを含む)、若しくは接続されて円形にされた角度の付けられたコイルを有するばね(例えば、Bal−Sealとして知られている種類のもの)、又は任意の他の好適な形態の円形の圧縮性構成要素を使用することができる。
【0055】
図13A〜
図13Cは、本明細書に記載される種類のガイド10のための代替的なスロット138及び係合部材150の配置を示す。特に、
図13Aは、係合部材150がスロット138内の位置にある状態の、第2の本体部20に取り付けられている第1の本体部40を有するガイド10を示している。既に前に説明したように、本例では、係合部材150は、第1の本体部40の遠位面70から延び、スロット138は、第2の本体部20に設けられているが、スロット138が第1の本体部40に設けられ、係合部材150が第2の本体部20に設けられるように、この配置を逆にしてもよいことが想定される。
図13Bは、係合部材150をより明確に示すために、第1の本体部40を単独で示している。一緒に接続された第1の本体部40及び第2の本体部20の断面が
図13Cに示され、係合部材150の特徴部がスロット138の内表面と協働し得る方法を示している。
【0056】
この例では、係合部材150は、2つの同一の広がりを有するフィンガ154、156を含み、これらフィンガは、係合部材150の長軸に対して実質的に平行に延びている。フィンガ154、156は、中心スロット又は開口部152によって分離されている。フィンガ154、156は、中心スロット又は開口部152に向かって、内側に弾性的に撓み可能である。この構成では、係合部材150がスロット138に挿入されるときに、フィンガ154、156は一緒に圧縮されてもよい。このフィンガ154、156の圧縮は、フィンガをスロット138の内表面に対して付勢し、それにより、スロット138からの係合部材150の意図しない取り外しを防止することができる。
【0057】
図13Cでより明確に分かるように、係合部材150のフィンガ154、156は、係合部材150のスロット138からの取り外しに対抗するために、スロット138の内表面の対応する隆起部134、136に係合し得る外側隆起部を含むことができる。隆起部134、136は、スロット138の内部サイズを低減し、それによって、係合部材150がスロット138に挿入されると、フィンガ154、156を一緒に押し込む。隆起部134、136の存在は、係合部材150をスロット138から取り外すために必要な力の量を増加させ、それによって、第1の本体部40の第2の本体部20への強固な取り付けを可能にする。
図13Aで分かるように、患者の解剖学的特徴部に対して第2の本体部20を角度付けするための本明細書に記載された複数の不連続の位置のそれぞれにおいて、係合部材150のスロット138からの取り外しに抵抗するように、スロット138内部の隆起部134、136は、スロット138の頂部及び底部に沿って(遠位面6に平行な平面内で)延設されることができる。
【0058】
図14A〜
図14Cは、本明細書に記載される種類のガイド10で使用するためのスロット238及び係合部材250の更なる代替的な配置を示す。この例では、スロット238には、スロット238の底部から近位に延びる舌部230が設けられている。舌部230は、係合部材250がスロット238に挿入されるときに、弾性的に撓み可能である。
図14Bの断面図から分かるように、舌部230は、第1のランプ232と第2のランプ234とを含み、一方、この例の係合部材250は、対応する隆起部252を含む。
【0059】
使用時に、係合部材250がスロット238に挿入されるとき、第1のランプ232は係合部材250をスロットに向かって誘導することができ、一方、舌部230はスロット238の中心軸から離れる方向に弾性的に撓む。係合部材250の隆起部252が第1のランプ232の上を通過すると、舌部230はスロット238の中心に向かって撓み戻ることができる。係合部材250がスロット238内に完全に受容されると、スロット238と第1のランプ232との間に位置する第2のランプ234は、ランプ252に対して付勢することによって、スロット238から係合部材250が取り外されるのを阻止するように作用し得る。
【0060】
図14Cに示すように、いくつかの例では、係合部材250をスロット238から取り外すのに必要な力を増大させるために、舌部230に補強部材236が提供されてもよく、及び/又は舌部30の厚さを増加させてもよく、それによって、舌部230の弾性を増加させる。補強部材236は、
図14Cに示すように、スロット238の反対側の舌部230の下側に提供されてもよい。
【0061】
本明細書に記載される例のそれぞれにおいて、第2の本体部20の後側本体部2は、第2の本体部20の近位面7から後側に延びる1つ又は2つ以上のピン67(例えば、
図10及び
図11に見られる)を含んでもよい。これらのピン67は、第1の本体部40に設けられた対応する穴66内に受容されるように位置決めされる。ピン67は、第1の本体部40の第2の本体部20へのスナップ嵌めによる取り付けを提供するために、穴66内に位置する対応する隆起部に係合し得る周方向凹部69を含んでもよい。
【0062】
穴66は、遠位面70から第1の本体部40を少なくとも部分的に貫通して延在することができる。
図3に示すように、穴66は2列で提供され、各列が係合部材50に対して横方向に位置することができる。この例では、穴66の各列は、足部42のうちの1つに対して上方に位置することができる。
【0063】
外科医は、第1の本体部40を第2の本体部20に取り外し可能に取り付けるために、第2の本体部20のピン67を一対の穴66に挿入することができ、ここでは、一対の一方の穴が穴66の列の一方に位置し、一対の他方の穴が他の列に位置する。
【0064】
ピン67が挿入される穴の選択は、第2の本体部20の第1の本体部40に対する回転角度を決定することに留意されたい。例えば、
図3を参照すると、ピン67が66bと記された一対の穴に挿入される場合(例えば、
図7に示した構成に対応する)、第2の本体部20は、第1本体部40に対して実質的に中心に置かれている。しかしながら、ピン67が66aと記された一対の穴に挿入される場合には、
図9aに示すように、第2の本体部20は第1の本体部40に対してある角度の向きで配置される。同様に、ピン67が66cと記された一対の穴に挿入される場合には、第2の本体部20は
図9bに示されるような向きで第1の本体部40に対して配置される。穴66の間隔及び場所は、第2の本体部20の標準的な回転角度に相応するそれらの間の角度増分を提供するように選択され、第1の本体部40が、大腿骨の切除された遠位面の上に位置付けられると、患者の上記の解剖学的特徴部に対して第2の本体部20を正確に角度付けすることを可能にする。
【0065】
穴66のいくつかは、右膝関節上で施術するときに、解剖学的特徴部に対してもっぱら第2の本体部20の回転のみのために提供されてもよく、一方、穴の他方は、左膝関節上で施術するときに、解剖学的特徴部に対して第2の本体部20を角度付けるために使用されてもよい。しかしながら、第1の本体部40が第2の本体部20に取り外し可能に取り付けられ得る穴66及び対応するピン67の場所によって画定された不連続の位置のそれぞれが、患者の左膝関節又は右膝関節の両方でガイド10を使用するのに適している場合があることも想定される。
【0066】
例えば、本例では、上記で説明したように、穴66bは、第1の本体部40に対する第2の本体部20の中心に置かれた位置に相応し、この中心に置かれた位置は、いずれかの膝関節で施術するときに使用するのに適している場合がある。しかしながら、この例における穴66aは、左膝関節を施術するときにのみ第2の本体部20を回転させるために使用され、一方、穴66cは、右膝関節に対して同様の回転(反対方向であるが)を提供するために使用される。
【0067】
本例では、各対の穴の間の角度の増分は5°である。しかしながら、この角度増分は、穴66の各列における隣接する穴の間の距離を変化させることによって変更することができることが理解されよう。例えば、第1の本体部40を第2の本体部40に取り付けることができる不連続の位置の間の角度増分は、1°、2°、3°、4°、5°、6°などであり得る。
【0068】
右膝関節を施術するときに第2の本体部20を整列させるのに必要な回転の方向(遠位面6の背後から見たときに反時計回り(
図9a参照))は、一般に、左膝関節を施術するときに第2の本体部20を整列させるのに必要な回転の方向と反対である(遠位面6の背後から見たときに時計回り(
図9b参照))ことも理解されよう。
【0069】
したがって、
図3に示した第1の本体部40は、第2の本体部20の回転のための、いくつかの選択肢を可能にすることができ、これらの選択肢は、
・66Bと記された一対の穴を使用した、第1の本体部40に対する第2の本体部20の中央合わせ(ゼロ回転)、
・右膝関節に対して行われる膝関節置換手技のための、穴66Cを使用しての第1の本体部40に対する第2の本体部20の反時計回りの回転(ガイド10の遠位面6に面して見たとき)、及び
・左膝関節に対して行われる膝関節置換術における、穴66aを使用しての第1の本体部40に対する5°ずつの第2の本体部20の時計回りの回転(ガイド10の遠位面6に面して見たとき)、である。
【0070】
図に示すように、第1の本体部40には、第1の本体部40の第2の本体部20への取り付けの各不連続の位置について、第2の本体部20に適用される回転角度を示す指示器46(例えば、数値指示器)を備えることができる。これに加えて、第2本体部20は、指示器46によって示される回転角度を読み取るための1つ又は2つ以上のマーカー36を備えてもよい。マーカー36は、遠位面6上に提供され得、一方、指示器46は、第1の本体部40の遠位面上のマーカー36よりも下に提供されてもよい。マーカー36は、指示器46によって示された角度を読み取るために、マーカー36が使用される患者の膝関節を指示するための「L」及び「R」などのマーキング(すなわち、「左」膝関節又は「右」膝関節)を更に含んでもよい。例えば、
図9aと
図9bとを比較することにより分かるように、第2の本体部20の右側に設けられたマーカー36は、左膝関節の膝関節置換手技に関連する角度を読み取るために使用されるべきであり、一方、左側のマーカー36は、患者の右膝関節の膝関節置換手技に関する角度を読み取るために使用されるべきである。
【0071】
また
図9a及び
図9bで分かるように、スロット38内の係合部材50の位置は、第1の本体部40が第2の本体部20に取り付けられる不連続の位置に依存する。スロット38の細長く湾曲した構成は、係合部材50が、第1の本体部40を第2の本体部20に、本明細書に記載された異なる不連続の位置のそれぞれで取り付けるために収容されることを可能にし得る。
【0072】
図3に戻ると、第1の本体部40がいくつかの溝部48を更に含むことが分かる。これらの溝部48は、第1の本体部40の遠位面70に隣接して位置してもよい。穴66と同じように、溝部48は、第1の本体部40を第2の本体部20に取り外し可能に取り付けることができる複数の不連続の位置のうちの1つにそれぞれ対応し得る。穴66と同様に、溝部48は2列で設けられ、各列が係合部材50に対して横方向に位置してもよい。第2の本体部20の後側本体部2は、第1の本体部40が第2の本体部20に前述の不連続の位置のそれぞれで取り付けられると、対応する一対の溝部58に挿入されるように配置された、一対の隆起部56を含み得る。隆起部56の位置は(例えば、
図2及び
図6を参照)、上記のマーカー36の位置に対応することができる。溝部48及び隆起部56を設けることで、ガイド10に追加の構造的安定性を提供し、第1の本体部40が取り付けられたときに第1の本体部40が第2の本体部20に対して相対的に移動するのを防止することができる。
【0073】
第1の本体部40が第2の本体部20に取り外し可能に取り付け可能である不連続の位置の数は、膝関節置換手技の要件に従って選択され得ることが想定される。
図3の例では、第1の本体部40は、既に述べたように、3つの不連続の位置で第2の本体部20に取り外し可能に取り付け可能である。より多くの穴66を追加する(又はより少ない穴を設ける)ことによってより多くの(又はより少ない)不連続の取り付け位置が提供されてもよい。また、隣接する穴の間の距離を変化させることによって、各不連続の位置の間で第2の本体部20を角度付けするための角度の増分が決定され得る。
【0074】
図4は、本発明の一実施形態による、ガイド10で使用され得る第1の本体部40の別の例を示す。
図4の例では、穴66は、第1の本体部40を2つの不連続の位置のみで取り外し可能に取り付けるために設けられている。特に、66aと記された穴は、左膝関節での使用のために、第2の本体部20を第1の本体部40に対して所定量(例えば3°)だけ時計回りに回転させるために使用されてもよく、一方、穴66bは、右膝関節での使用のために、第2の本体部20を同じ量(例えば3°)だけ反時計回りに回転させるために使用されてもよい。
【0075】
図4の例では、不連続の位置はいずれも、両方の膝関節で使用するためのものではない(例えば、「中心に置かれた」取り付け位置がない)ことに留意されたい。代わりに、この例における第1の本体部40は、2つの位置(1つの位置が左膝関節で使用するためのものであり、他方が右関節で使用するためのものである)で取り外し可能に取り付け可能であり、施術されている膝関節に応じて2つの反対方向に同じ量だけ第2の本体部20を角度付けする。
【0076】
本明細書で説明される種類の第1の本体部40は、
図3及び
図4に関連して記載されたものよりも多くの不連続の位置で取り外し可能に取り付け可能であることが想定される。例えば、
図3の例で追加の穴が設けられる場合、そのときは4つ以上の不連続の取り付け位置が使用されてもよい。
【0077】
第1の本体部40は、ガイド10を使用している間、外科医の視界を改善するための特徴部を含んでもよい。例えば、開口部62が足部42を貫通して設けられ、足部42を通して大腿骨の後顆を見ることを可能にして、各足部の上面44がそのそれぞれの後顆に係合することを確実にすることができる。また、ガイドが使用されている間に、後十字靭帯及び/又は脛骨隆起を収容するために、足部42間に空間68が提供されてもよい。
【0078】
本明細書で記載されるガイド10は、外科用キットの一部として提供されてもよい。キットは、2つ以上の第1の本体部40を含むことができる。例えば、キットは、第2の本体部20を様々な異なる角度に向けるために、異なる第1の本体部40を含むことができると共に、第1の本体部40の各不連続な取り付け位置の間に異なる角度増分が提供されていることが想定される。例えば、本発明の実施形態による外科用キットは、
図3に示した種類の第1の本体部40の他に、
図4に示した種類の第1の本体部40も含んでもよい。
【0079】
膝関節置換手技中に、外科医は、ガイド10の第2の本体部20の異なる角度位置を得るために、キット内の異なる第1の本体部を交換することができる。例えば、
図3に示した種類の第1の本体部は、ゼロ及び+/−5°の回転角度を可能にすることができ、一方、
図4に示した第1の本体部40は、+/−3°で第2の本体部20の回転を可能にし得る。このようにして、第2の本体部20の十分な数の角度分割が可能となり、第2の本体部20が、締結具ピンの挿入前に、患者の少なくとも1つの解剖学的特徴部に対して正確に角度付けされ得ることを確実にする。
【0080】
ガイド10の特徴部は、ポリアリールアミドなどのエンジニアリングプラスチックから製造されてもよい。ガイド10は、その後の使用を防止するために膝関節置換手技の終了時に廃棄され得る単回使用デバイスであり得ることが想定される。
【0081】
膝関節置換手技は、本発明の実施形態によれば、
1.大腿骨を通る遠位切断を行い、大腿骨上に切除された遠位面を形成することと、
2.上記の種類のガイドを提供することと、
3.複数の不連続の位置うちの1つで、第1の本体部を第2の本体部に取り外し可能に取り付けることと、
4.第1の本体部の一対の後側に延びる足部が大腿骨の後顆に係合し、かつ第2の本体部が大腿骨の切除された遠位面上に位置付けられるように、大腿骨の切除された遠位面上にガイドの第1の本体部を位置付けることと、
5.必要に応じて、別の複数の不連続の位置において、第1の本体部を第2の本体部に取り外し可能に取り付け(例えば、第2の本体部の向きが正しくないと判定される場合)、その後、大腿骨の切除された遠位面上にガイドの第1の本体部を再位置決めすることと、
6.必要に応じて、複数の不連続の位置のうちの1つにおいて、異なる第1の本体部を第2の本体部に取り外し可能に取り付け(例えば、最初の第1の本体部によって提供された向きが適切でないと判断される場合)、その後、大腿骨の切除された遠位面上にガイドを再位置決めすることと、
7.ガイドのスタイラスの先端部を大腿骨の前側皮質に係合させるために、第2の本体部の前側本体部を第2の本体部の後側本体部に対して摺動させることと、
8.締結具ピンを、ガイドのロケータ穴を通して大腿骨の切除された遠位面に挿入することと、
9.大腿骨からガイドを取り外すことと、
10.任意のその後の膝関節置換手技におけるガイドの更なる使用を防止するために、ガイドを処分することと、
11.締結具ピンを用いて、切断ブロックを大腿骨上に装着することと、
12.切断ブロックを使用して、大腿骨を通る前側又は後側切断を行うことと、を伴い得る。
【0082】
本発明の態様は、以下の一連の番号付けされた項に記載される。
1.膝関節置換手技において患者の大腿骨の切除された遠位面上に切断ブロックを位置決めするためのガイドであって、
大腿骨の切除された遠位面上に位置付けるための第1の本体部であって、大腿骨の後顆に係合するための一対の後側に延びる足部を備える、第1の本体部と、
大腿骨の切除された遠位面上に位置付けるための第2の本体部であって、第2の本体部は、締結具ピンを位置決めするための少なくとも一対のロケータ穴を備え、締結具ピンにより、切断ブロックが大腿骨の切除された遠位面に締結され得る、第2の本体部とを備え、
第1の本体部は、第1の本体部の足部が、後顆に係合されると、第2の本体部を患者の解剖学的特徴部に対して角度付けするための複数の不連続の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、ガイド。
2.第1の本体部が、患者の左膝関節で使用するための第1の組の1つ又は2つ以上の位置で、及び患者の右膝関節で使用するための第2の組の1つ又は2つ以上の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、第1項に記載のガイド。
3.第1の本体部が、患者の左膝関節で使用するための第1の複数の位置で、及び患者の右膝関節で使用するための第2の複数の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、第2項に記載のガイド。
4.該位置のうちの少なくとも1つが、左膝関節及び右膝関節の両方で使用するためのものである、第2項又は第3項に記載のガイド。
5.左膝関節及び右膝関節の両方で使用するための該位置において、第1の本体部が、第2の本体部に対して中心に置かれている、第4項に記載のガイド。
6.第1の本体部が、第1の本体部のそれぞれの該不連続の取り付け位置についての第2の本体部の回転角度を示すための指示器を備える、第1項〜第5項のいずれか一項に記載のガイド。
7.第2の本体部が、第1の本体部上の指示器によって示される回転角度を読み取るための1つ又は2つ以上のマーカーを備える、第6項に記載のガイド。
8.1つ又は2つ以上のマーカーが、該回転角度を読み取るために、マーカーを患者のどちらの膝関節に使用するべきかに関する表示を含む、第7項に記載のガイド。
9.湾曲スロットと係合部材とを更に備え、係合部材が、第1の本体部を第2の本体部に取り外し可能に取り付けるためのスロットと係合し、第1の本体部が第1の本体部に取り付けられると、係合部材が、該複数の不連続の位置のそれぞれにおいて、スロットに沿った対応の位置で受容される、第1項〜第8項のいずれか一項に記載のガイド。
10.1つ又は2つ以上のピンと、第1の本体部が第1の本体部に取り付けられると、ピンを受容するための複数の対応する穴とを備え、穴が、該複数の不連続の位置のそれぞれにおける第1の本体部の取り付けを可能にするように位置付けられている、第1項〜第9項のいずれか一項に記載のガイド。
11.1つ又は2つ以上の隆起部と、第1の本体部が第1の本体部に取り付けられると、隆起部を受容するための複数の対応する溝部とを備え、溝部が、該複数の不連続の位置のそれぞれにおける第1の本体部の取り付けを可能にするように位置付けられている、第1項〜第10項のいずれか一項に記載のガイド。
12.第2の本体部は、第1の本体部の足部が、後顆に係合されている間に、患者の解剖学的特徴部に対する第2の本体部の角度を決定するための線状マーキングを備える、第1項〜第11項のいずれか一項に記載のガイド。
13.第2の本体部が、
第1の本体部が取り外し可能に取り付け可能である後側本体部と、
前側本体部と、を備え、
ガイドが、前側本体の前側本体部上に取り外し可能に装着されたスタイラスを更に備え、
第2の本体部の前側本体部が、スタイラスの先端部を移動させて、大腿骨の前側皮質に係合させるために、第2の本体部の後側本体部に摺動可能に装着される、第1項〜第12項のいずれか一項に記載のガイド。
14.第1項〜第13項のいずれか一項に記載のガイドと少なくとも1つの更なる第1の本体部とを備える外科用キットであって、各第1の本体部は、第1の本体部の足部が大腿骨の後顆に係合されると、ガイドの第2の本体部を患者の解剖学的特徴部に対して角度付けするための複数の不連続の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、外科用キット。
15.膝関節置換手技において患者の大腿骨の切除された遠位面上に切断ブロックを位置決めするための方法であって、
ガイドを提供することであって、ガイドが、
一対の後側に延びる足部を有する第1の本体部と、
少なくとも一対のロケータ穴を備える第2の本体部であって、第1の本体部が、第2の本体部を患者の少なくとも1つの解剖学的特徴部に対して角度付けする複数の不連続の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、第2の本体部と、
第1の本体部を第2の本体部に該複数の不連続の位置のうちの1つで取り外し可能に取り付けることと、
第1の本体部の一対の後側に延びる足部が大腿骨の後顆に係合するように、かつ第2の本体部が、大腿骨の切除された遠位面上に位置付けられるように、大腿骨の切除された遠位面上に第1の本体部を位置付けることと、
締結具ピンを、ロケータ穴を通して大腿骨の切除された遠位面に挿入することと、
大腿骨からガイドを取り外すことと、
締結具ピンを用いて、切断ブロックを大腿骨上に装着することと、を含む、方法。
16.締結具ピンを挿入する前に、第2の本体部を患者の少なくとも1つの解剖学的特徴部に対して角度付けするための該複数の不連続の位置のうちの少なくとも2つにおいて、第1の本体部を第2の本体部に取り外し可能に取り付けることを含む、第15項に記載の方法。
17.締結具ピンの挿入前に、第1の本体部を第2の本体部から取り外し、異なる第1の本体部を第2の本体部に取り外し可能に取り付けることを含む、第15項又は第16項に記載の方法。
18.第2の本体部が、
第1の本体部が取り外し可能に取り付け可能である後側本体部と、
前側本体部と、を備え、
ガイドが、前側本体部に取り外し可能に装着されたスタイラスを更に含み、
前側本体部が、第2の本体部の後側本体部上に摺動可能に装着され、
方法が、スタイラスの先端部を大腿骨の前側皮質に係合させるために、第2の本体部の前側本体部を第2の本体部の後側本体部に対して摺動させることを更に含む、第15項〜第17項のいずれか一項に記載の方法。
19.第2の本体部上に位置する線状マーカーを、患者の少なくとも1つの解剖学的特徴部に対して平行に又は垂直になるように整列させることを含む、第15項〜第18項のいずれか一項に記載の方法。
20.患者の少なくとも1つの解剖学的特徴部が、ホワイトサイドライン及び/又は上顆軸を含む、第15項〜第19項のいずれか一項に記載の方法。
21.任意のその後の膝関節置換手技におけるガイドの更なる使用を防止するために、ガイドを処分することを更に含む、第15項〜第20項のいずれか一項に記載の方法。
【0083】
したがって、膝関節置換手技において患者の大腿骨の切除された遠位面上に切断ブロックを位置決めするためのガイド及び方法を記載してきた。ガイドは、切除された遠位面上に位置付けるための第1の本体部を含む。第1の本体部は、大腿骨の後顆に係合するための一対の後側に延びる足部を含む。ガイドはまた、切除された遠位面上に位置付けるための第2の本体部を含む。第2の本体部は、締結具ピンを位置決めするための少なくとも一対のロケータ穴を備え、締結具ピンにより、切断ブロックが切除された遠位面に締結され得る。第1の本体部は、第1の本体部の足部が後顆に係合されると、第2の本体部を患者の解剖学的特徴部に対して選択的に角度を付けるための複数の不連続の位置で、第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である。
【0084】
以上、本発明の特定の実施形態について説明したが、特許請求される発明の範囲内で多くの変更/追加、及び/又は置換を行い得る点は認識されるであろう。
【0085】
〔実施の態様〕
(1) 膝関節置換手技において患者の大腿骨の切除された遠位面上に切断ブロックを位置決めするためのガイドであって、
前記大腿骨の前記切除された遠位面上に位置付けるための第1の本体部であって、前記大腿骨の後顆に係合するための一対の後側に延びる足部を備える、第1の本体部と、
前記大腿骨の前記切除された遠位面上に位置付けるための第2の本体部であって、前記第2の本体部は、締結具ピンを位置決めするための少なくとも一対のロケータ穴を備え、前記締結具ピンにより、前記切断ブロックが前記大腿骨の前記切除された遠位面に締結され得る、第2の本体部とを備え、
前記第1の本体部は、前記第1の本体部の前記足部が、前記後顆に係合されると、前記第2の本体部を前記患者の解剖学的特徴部に対して角度付けるための複数の不連続の位置で、前記第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能であり、
前記ガイドが、湾曲スロットと係合部材とを更に備え、前記係合部材が、前記第1の本体部を前記第2の本体部に取り外し可能に取り付けるための前記スロットと係合し、前記第1の本体部が前記第2の本体部に取り付けられると、前記係合部材が、前記複数の不連続の位置のそれぞれにおいて、前記スロットに沿った対応の位置で受容される、ガイド。
(2) 前記スロットは、前記第2の本体部が前記切除された遠位面上に位置付けられると、前記大腿骨の前記切除された遠位面に対して実質的に平行である平面内に延びる、実施態様1に記載のガイド。
(3) 前記係合部材は、前記第1の本体部が前記第2の本体部に取り付けられると、前記スロットの内表面に対して付勢するための、前記係合部材の外表面上に設けられた係合特徴部を含む、実施態様1又は実施態様2に記載のガイド。
(4) 前記スロットが、前記第2の本体部に設けられており、前記係合部材が、前記第1の本体部上に設けられている、実施態様1〜3のいずれかに記載のガイド。
(5) 前記スロットが、前記第1の本体部に設けられており、前記係合部材が、前記第2の本体部上に設けられている、実施態様1〜3のいずれかに記載のガイド。
【0086】
(6) 前記第1の本体部が、前記患者の左膝関節で使用するための第1の組の1つ又は2つ以上の位置で、及び前記患者の右膝関節で使用するための第2の組の1つ又は2つ以上の位置で、前記第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、実施態様1〜5のいずれかに記載のガイド。
(7) 前記第1の本体部が、前記患者の前記左膝関節で使用するための第1の複数の位置で、及び前記患者の前記右膝関節で使用するための第2の複数の位置で、前記第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、実施態様6に記載のガイド。
(8) 前記位置のうちの少なくとも1つが、前記左膝関節及び前記右膝関節の両方で使用するためのものである、実施態様6又は実施態様7に記載のガイド。
(9) 前記左膝関節及び前記右膝関節の両方で使用するための前記位置において、前記第1の本体部が、前記第2の本体部に対して中心に置かれている、実施態様8に記載のガイド。
(10) 前記第1の本体部が、前記第1の本体部のそれぞれの前記不連続の取り付け位置についての前記第2の本体部の回転角度を示すための指示器を備える、実施態様1〜9のいずれかに記載のガイド。
【0087】
(11) 前記第2の本体部が、前記第1の本体部上の前記指示器によって示される前記回転角度を読み取るための1つ又は2つ以上のマーカーを備える、実施態様10に記載のガイド。
(12) 前記1つ又は2つ以上のマーカーが、前記回転角度を読み取るために、前記マーカーを前記患者のどちらの膝関節に使用するべきかに関する表示を含む、実施態様11に記載のガイド。
(13) 1つ又は2つ以上のピンと、前記第1の本体部が前記第1の本体部に取り付けられると、前記ピンを受容するための複数の対応する穴とを備え、前記穴が、前記複数の不連続の位置のそれぞれにおける前記第1の本体部の取り付けを可能にするように位置付けられている、実施態様1〜12のいずれかに記載のガイド。
(14) 1つ又は2つ以上の隆起部と、前記第1の本体部が前記第1の本体部に取り付けられると、前記隆起部を受容するための複数の対応する溝部とを備え、前記溝部が、前記複数の不連続の位置のそれぞれにおける前記第1の本体部の取り付けを可能にするように位置付けられている、実施態様1〜13のいずれかに記載のガイド。
(15) 前記第2の本体部は、前記第1の本体部の前記足部が、前記後顆に係合されている間に、前記患者の解剖学的特徴部に対する前記第2の本体部の角度を決定するための線状マーキングを備える、実施態様1〜14のいずれかに記載のガイド。
【0088】
(16) 前記第2の本体部は、
前記第1の本体部が取り外し可能に取り付け可能である後側本体部と、
前側本体部と、を備え、
前記ガイドが、前記前側本体の前記前側本体部上に取り外し可能に装着されたスタイラスを更に備え、
前記第2の本体部の前記前側本体部が、前記スタイラスの先端部を移動させて、前記大腿骨の前側皮質に係合させるために、前記第2の本体部の前記後側本体部に摺動可能に装着される、実施態様1〜15のいずれかに記載のガイド。
(17) 実施態様1〜16のいずれかに記載のガイドと少なくとも1つの更なる前記第1の本体部とを備える外科用キットであって、各第1の本体部は、前記第1の本体部の前記足部が前記大腿骨の前記後顆に係合されると、前記ガイドの前記第2の本体部を前記患者の解剖学的特徴部に対して角度付けするための複数の不連続の位置で、前記第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、外科用キット。
(18) 膝関節置換手技において患者の大腿骨の切除された遠位面上に切断ブロックを位置決めするための方法であって、
ガイドを提供することであって、前記ガイドが、
一対の後側に延びる足部を有する第1の本体部と、
少なくとも一対のロケータ穴を備える第2の本体部であって、前記第1の本体部が、前記第2の本体部を前記患者の少なくとも1つの解剖学的特徴部に対して角度付けするための複数の不連続の位置で、前記第2の本体部に取り外し可能に取り付け可能である、第2の本体部と、
湾曲スロットと、前記第1の本体部が前記第2の本体部に取り付けられると、前記複数の不連続の位置のそれぞれにおいて、前記スロットに沿った対応の位置で受容可能な係合部材と、を備える、提供することと、
前記第1の本体部を前記第2の本体部に前記複数の不連続の位置のうちの1つで取り外し可能に取り付けることであって、これにより、前記係合部材が前記スロットに係合し、前記スロットに沿った前記対応の位置のうちの1つに受容される、取り外し可能に取り付けることと、
前記第1の本体部の前記一対の後側に延びる足部が前記大腿骨の前記後顆に係合するように、かつ第前記2の本体部が、前記大腿骨の前記切除された遠位面上に位置付けられるように、前記大腿骨の前記切除された遠位面上に前記第1の本体部を位置付けることと、
締結具ピンを、前記ロケータ穴を通して前記大腿骨の前記切除された遠位面に挿入することと、
前記大腿骨から前記ガイドを取り外すことと、
前記締結具ピンを用いて、前記切断ブロックを前記大腿骨上に装着することと、を含む、方法。
(19) 前記締結具ピンを挿入する前に、前記第2の本体部を前記患者の少なくとも1つの解剖学的特徴部に対して角度付けするための前記複数の不連続の位置のうちの少なくとも2つにおいて、前記第1の本体部を前記第2の本体部に取り外し可能に取り付けることを含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記締結具ピンの挿入前に、前記第1の本体部を前記第2の本体部から取り外し、異なる第1の本体部を前記第2の本体部に取り外し可能に取り付けることを含む、実施態様18又は実施態様19に記載の方法。
【0089】
(21) 前記第2の本体部は、
前記第1の本体部が取り外し可能に取り付け可能である後側本体部と、
前側本体部と、を備え、
前記ガイドが、前記前側本体部に取り外し可能に装着されたスタイラスを更に含み、
前記前側本体部が、前記第2の本体部の前記後側本体部上に摺動可能に装着され、
前記方法が、前記スタイラスの先端部を前記大腿骨の前側皮質に係合させるために、前記第2の本体部の前記前側本体部を前記第2の本体部の前記後側本体部に対して摺動させることを更に含む、実施態様18〜20のいずれかに記載の方法。
(22) 前記第2の本体部上に位置する線状マーカーを、前記患者の前記少なくとも1つの解剖学的特徴部に対して平行に又は垂直になるように整列させることを含む、実施態様18〜21のいずれかに記載の方法。
(23) 前記患者の前記少なくとも1つの解剖学的特徴部が、ホワイトサイドライン及び/又は上顆軸を含む、実施態様18〜22のいずれかに記載の方法。
(24) 任意のその後の膝関節置換手技における前記ガイドの更なる使用を防止するために、前記ガイドを処分することを更に含む、実施態様18〜23のいずれかに記載の方法。