特許第6828029号(P6828029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6828029タクト・インターフェースモジュールのアクチュエータ、タクト・インターフェースモジュール、及び触覚フィードバックを生成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6828029
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】タクト・インターフェースモジュールのアクチュエータ、タクト・インターフェースモジュール、及び触覚フィードバックを生成する方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20210128BHJP
   B06B 1/04 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   G06F3/041 480
   B06B1/04 S
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-518990(P2018-518990)
(86)(22)【出願日】2016年10月13日
(65)【公表番号】特表2018-538594(P2018-538594A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】EP2016074639
(87)【国際公開番号】WO2017064218
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2019年8月26日
(31)【優先権主張番号】1559740
(32)【優先日】2015年10月13日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505140568
【氏名又は名称】ダヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ヌール−エディヌ、エル−ウアルディ
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー、オーブリー
【審査官】 酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−540328(JP,A)
【文献】 特表2014−524605(JP,A)
【文献】 特開2015−104269(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/043536(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/006336(WO,A2)
【文献】 特表2008−516348(JP,A)
【文献】 特開2005−222551(JP,A)
【文献】 特開2011−025221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
B06B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触覚フィードバックを提供するインターフェースモジュール用のアクチュエータ(7)であって、前記インターフェースモジュール(1)は、ユーザの押圧の少なくとも1つの特徴を検出可能なタッチ面(3)を備え、
前記アクチュエータ(7)は、
‐触覚フィードバックを前記タッチ面(3)に伝達するために、前記タッチ面(3)に対して固着された接触壁(13)を有するシャーシ(11)と、
‐前記シャーシ(11)に連結されるステータ(15)と、
‐少なくとも1つの弾性要素(21)を介して前記シャーシ(11)に連結されるとともに、触覚フィードバックを生成するために前記ステータ(15)によって移動するように駆動されることが意図された可動コア(19)と、
‐電磁石(17)及び少なくとも1つの永久磁石(20)であって、一方が前記ステータによって支承され、他方が前記可動コア(19)によって支承される、電磁石(17)及び少なくとも1つの永久磁石(20)と、
を有し、
前記アクチュエータ(7)は、また、前記可動コア(19)と前記接触壁(13)との間に配置され、前記可動コア(19)に固着される、ダンパ(23)を有し、
前記弾性要素(21)は、
前記電磁石の非給電状態において、前記可動コア(19)が支持力を前記接触壁(13)の方向に印加して前記ダンパ(23)が前記接触壁(13)に圧接し
前記電磁石が所定のバイアスを以て給電される給電状態において、前記可動コア(19)が前記接触壁(13)から離間する
ような寸法とされ、
前記ダンパ(23)が前記接触壁(13)に衝突することにより、前記触覚フィードバックが提供される、
ことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記ダンパ(23)のバネ定数は、前記弾性要素(21)のバネ定数より、7.5乃至12.5倍、具体的には10倍大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記ダンパ(23)は、エラストマーからなる層、具体的にはシリコーン層の形状を取る、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記エラストマー層は、前記可動コア(19)にオーバーモールドされる、
ことを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記エラストマー層は、前記可動コア(19)に形状係合により接合される、
請求項3又は4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記ダンパ(23)は、25乃至35に含まれる、具体的には30ショアAの硬度を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記可動コア(19)の2つの対向する側面にそれぞれ配置される2つの弾性要素(21)を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記単数又は複数の弾性要素(21)は、バネ、具体的には螺旋圧縮バネである、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
触覚フィードバックを提供するタッチ・インターフェースモジュール(1)であって、ユーザの押圧を検出可能なタッチ面(3)と、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアクチュエータ(7)と、を備えるインターフェースモジュール。
【請求項10】
ユーザの押圧を検出可能なタッチ面(3)と、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアクチュエータ(7)と、を備える触覚フィードバックを提供するタッチ・インターフェースモジュール(1)において触覚フィードバックを生成するための方法において、
前記方法は、
‐前記可動コア(19)を前記シャーシ(11)の前記接触壁(13)から前記弾性要素(21)の力に抗して離間させるように、前記電磁石(17)に第1の所定バイアス方向において電流が供給されるステップ(100)と、
‐前記可動コア(19)を前記シャーシ(11)の前記接触壁(13)の方向に進ませて前記可動コア(19)を前記接触壁(13)に対して当接した状態に維持するために、電流の方向ひいては磁界を逆にするように、前記電磁石(17)に前記第1バイアス方向と反対の第2の所定バイアス方向において電流が供給されるステップ(102)と、を有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記可動コア(19)を離間させる前記ステップは、4ミリ秒乃至6ミリ秒、具体的には5ミリ秒持続する、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記可動コア(19)を進ませてこれを前記接触壁(13)に接触した状態に維持する前記ステップは、4ミリ秒乃至6ミリ秒、具体的には5ミリ秒持続する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触覚フェードバックを提供するタッチ・インターフェースモジュール用のアクチュエータ、タッチ・インターフェースモジュール、及び触覚フィードバックをユーザに伝達することを目的として触覚フィードバックを生成する方法に関する。
【0002】
自動車用業界において、例えば、ジョイスティックや回転ボタンの形状を取る多機能制御モジュールが、空調システムやオーディオシステム、更にはナビゲーションシステム等の電子又は電気システムを制御するために、ますます使用されるようになっている。
【0003】
このようなモジュールは、表示スクリーンと関連付けられてもよく、制御されるべきシステムに関する種々のコマンドを含むドロップダウンメニューによるナビゲーションを可能としている。
【0004】
しかしながら、非常に複雑な多くの機能が存在することにより、このようなモジュールが倍増している。したがって、統合された機能の個数を増加させ、且つ人間‐装置間のインターフェースの人間工学性を改良するために、制御面又はタッチ面を有するタッチスクリーンを備えるインターフェースモジュールの使用が有利なことであると考えられる。
【0005】
ユーザがこのようなセンサのタッチ面に圧力を加えたとき、負荷された圧力又は力を計測し、及び/又はこの圧力又は力が加えられた場所の位置を特定することができる。この場合、ユーザの押圧は、例えばコマンドの選択に関連する。
【0006】
更に、通常の運転又は停止状態にあっても、悪状態(操作が見えない、又は実質的な認知的負担時)にあっても、ユーザにそのコマンドが実際に登録されたことを合図するために、ユーザが触覚フィードバックを受けることが重要である。これにより、ユーザは道路に集中し続けることができるとともに、タッチ面に対するユーザの行為が登録されたかの確認に関する認知的努力を削減することができる。
【0007】
この目的を達成するために、振動を伝達して、これにより、ユーザにそのコマンドが実際に登録されたという触覚フィードバックを受信できるようにインターフェースモジュールに連結された、電磁アクチュエータ等のアクチュエータを有する触覚フィードバックを提供する制御モジュールが既に知られている。
【0008】
このような電磁アクチュエータは、電磁石を有するステータと、単数又は複数の永久磁石を有する可動コアとを含む。コアは、ステータに対して並進移動し得る。ステータの電磁石に給電することにより、可動コアが移動させられ、この移動がタッチスクリーンに伝達される。
【0009】
これに対し、拡声器の技術原理に関連付けられていることを理由として「音声コイル」と称される第2のタイプのアクチュエータは、電磁石を単数又は複数の固定永久磁石に対して移動可能であるように装着することにより得られる。
【0010】
本件出願人のバージョンであるこのような触覚フィードバックを提供するタッチ・インターフェースモジュール用のアクチュエータが特に公知である。インターフェースモジュールは、ユーザの押圧を検出可能なタッチ面を備え、タッチ面に固着されたアクチュエータは、
‐シャーシと、
‐シャーシと相互作用する可動コアであって、触覚フィードバックを生成するために端位置同士の間で移動するように駆動されることが意図される可動コアと、
‐前後に並進移動するように可動コアを駆動することが可能であるように構成された、電磁石を備えるステータと、を備える。
【0011】
慣性効果によって、ステータから可動コアに付与された移動はシャーシに伝達され、シャーシは、次いで振動をアクチュエータが固着されたタッチ面に伝達する。
【0012】
静止した状態において、バネ装着された可動コアは、遊離静止位置を取る。
【0013】
電磁石にAC電力が供給されると、前後並進移動の動作の振幅が増大し、最大値に達する。
【0014】
次に、電磁石へのAC電力の供給が停止し、振動が徐々に消えていく。
【0015】
しかしながら、本件出願人による研究によれば、コアの最初の振動はユーザによって知覚され得ず、ユーザの感じ方によれば、コマンドの適用と触覚フィードバックとの対応を遅らせるものであるということがわかっている。また、供給された電力とユーザが感じる力学的エネルギーとの比率は、最適でない。
【発明の概要】
【0016】
特に、明瞭な衝撃による触覚フィードバックはユーザが知覚しやすいということが実証されている。したがって、本発明は、改良された、具体的にはより明瞭な触覚感覚を生成するアクチュエータを特に提供することにより、上述の欠点を少なくとも部分的に解消することを目的とする。
【0017】
この目的のために、本発明の1つの主題は、触覚フィードバックを提供するインターフェースモジュール用のアクチュエータであって、前記インターフェースモジュールは、ユーザの押圧の少なくとも1つの特徴を検出可能なタッチ面を備え、
前記アクチュエータは、
‐触覚フィードバックを前記タッチ面に伝達するために、前記タッチ面に接触壁を介して接触することが意図されたシャーシと、
‐前記シャーシに連結されるステータと、
‐少なくとも1つの弾性要素を介して前記シャーシに連結されるとともに、触覚フィードバックを生成するために前記ステータによって移動するように駆動されることが意図された可動コアと、
‐電磁石及び少なくとも1つの永久磁石であって、一方が前記ステータによって支承され、他方が前記可動コアによって支承される、電磁石及び少なくとも1つの永久磁石と、
を有し、
前記アクチュエータは、また、前記可動コアと前記接触壁との間に配置されるダンパを有し、
前記弾性要素は、前記電磁石の非給電状態において、前記可動コアが支持力を前記接触壁の方向に及ぼし、前記電磁石が所定のバイアスを以て給電される給電状態において、前記可動コアが前記接触壁から離間するような寸法とされる、
ことを特徴とするアクチュエータである。
【0018】
前記アクチュエータは、以下の単数又は複数の特徴を単独で又は組み合わせて更に有し得る。
【0019】
一態様によれば、前記ダンパのバネ定数は、前記弾性要素のバネ定数より、7.5乃至12.5倍、具体的には10倍大きい。
【0020】
前記ダンパは、例えば、エラストマーからなる層、具体的にはシリコーン層の形状を取る。
【0021】
前記エラストマー層は、前記可動コアにオーバーモールドされ得る、及び/又は前記可動コアに形状係合により接合され得る。
【0022】
特に、前記ダンパは、25乃至35に含まれる、具体的には30ショアAの硬度を有する。
【0023】
更に他の態様によれば、前記アクチュエータは、前記可動コアの2つの対向する側面にそれぞれ配置される2つの弾性要素を備える。
【0024】
前記単数又は複数の弾性要素は、バネ、具体的には螺旋圧縮バネであり得る。
【0025】
本発明は、更に、触覚フィードバックを提供するタッチ・インターフェースモジュールであって、ユーザの押圧を検出可能なタッチ面と、上述のアクチュエータと、を備えるインターフェースモジュールに関する。
【0026】
また、本発明は、ユーザの押圧を検出可能なタッチ面と、上述の少なくとも1つのアクチュエータと、を備える触覚フィードバックを提供するタッチ・インターフェースモジュールにおいて触覚フィードバックを生成するための方法において、
前記方法は、
‐前記可動コアを前記シャーシの前記接触壁から前記弾性要素の力に抗して離間させるように、前記電磁石に第1の所定バイアス方向において電流が供給されるステップと、
‐前記可動コアを前記シャーシの前記接触壁の方向に進ませて前記可動コアを前記接触壁に対して当接した状態に維持するために、電流の方向ひいては磁界を逆にするように、前記電磁石に前記第1バイアス方向と反対の第2の所定バイアス方向において電流が供給されるステップと、を有することを特徴とする方法、に関する。
【0027】
一態様によれば、前記可動コアを離間させる前記ステップは、4ミリ秒乃至6ミリ秒、具体的には5ミリ秒持続する。
【0028】
他の態様によれば、前記可動コアを進ませてこれを前記接触壁に接触した状態に維持する前記ステップは、4ミリ秒乃至6ミリ秒、具体的には5ミリ秒持続する。
【0029】
他の利点及び特徴が、非制限的な例として挙げられる以下の図面の説明を読むことで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】アクチュエータを有するタッチ・インターフェースモジュールの一実施形態の概略側面図。
図2図1のアクチュエータの概略斜視図。
図3図2のアクチュエータの分解概略斜視図。
図4図2のアクチュエータの概略長手方向断面図。
図5】アクチュエータに印加される制御信号のグラフ。
図6】触覚フィードバックを生成するための方法の一実施形態のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0031】
全ての図面において、同一の要素は同一の参照符号にて示される。
【0032】
いくつかの図面において、要素の互いに対する配向をより良く把握できるようにデカルト座標系X、Y、Xが表示される。本明細書において、タッチ面が平面的であり、X‐Y平面がこのタッチ面の平面に平行である場合、Z方向はタッチ面に略垂直である。
【0033】
記載される実施形態は例である。本明細書は1つ以上の実施形態について参照するが、このことは、それぞれの参照が同一の実施形態に関する、又は特徴が単独の実施形態にのみ適用されるということをかならずしも意味しない。種々の実施形態の単独の特徴が組み合わされて他の実施形態が作成され得る。
【0034】
図1は、ユーザの例えば指5による押圧を検出可能なタッチ面3と、少なくとも1つの触覚フィードバックアクチュエータ7と、を備える、触覚フィードバックを提供するタッチ・インターフェースモジュール1の一実施形態を概略的に示す。アクチュエータ7の個数は、2、3、4、又はそれ以上であってもよく、具体的にはタッチ面3のサイズに応じる。
【0035】
例えば自動車両のダッシュボード用、又は自動車両の中央コンソール用の触覚フェードバックを提供するタッチ・インターフェースモジュール1により、車両の電子又は電気システムが制御され得るとともに、例えばコマンドを変更又は選択したユーザに、コマンドの選択又は変更が登録されたことをユーザに再確認させるべく、触覚フィードバックが伝達され得る。
【0036】
タッチ面3は平面的であり得るが、変形例によれば、外方に湾曲した又は上方に反った形状、更には凹んだ形状であることが想定され得る。少なくともタッチ面3上の指5の位置や、選択的に指5の移動に沿った経路、及び/又は指5がタッチ面3に加える圧力を検出するように、タッチ面3は、例えば抵抗又は容量センサを設けられる。
【0037】
指5の位置の検出は、例えば、絵文字を含むディスプレイメニューに関連付けられるとともに、例えば、車両の装備の種々の部品、特に、空調システム、オーディオシステム、電話システム等を制御するための制御信号を生成する。
【0038】
図1の実施形態は、いわゆる「吊り下げアクチュエータ」タイプと言うことができる。吊り下げとは、アクチュエータ7はタッチ・インターフェースモジュール1のケースに連結されておらず、タッチ面3に取り付けられているだけである、ということを意味する。
【0039】
このように、アクチュエータ7は、インターフェースモジュール1に容易に取り付けられ且つ取り外される、特定の機能ユニットを形成している。具体的には、この機能ユニットは、タッチ面3に単にネジ留め又はクリップ固定され、したがって迅速に交換され得る。アクチュエータ7は、選択的に、交換性を犠牲にして、接着結合によってより低いコストで固着され得る。
【0040】
インターフェースモジュール1は、一方でタッチ面3に、他方でアクチュエータ7に連結される制御処理ユニット8を更に備える。
【0041】
例えば、制御処理ユニット8は、プロセッサと、ランダムアクセスメモリと、記憶メモリとを備えるプログラミング可能な部品であり、記憶したソフトウエアパッケージのインストラクションの実行を可能とする。それは、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は更にはミニPCタイプの装備のうちのプログラミング可能な部品であり得る。
【0042】
制御処理ユニット8は、車両の装備の種々の部品の制御メニューの表示を可能とするように、ディスプレイ(図示せず)、例えばLED又はLCDパネル等のディスプレイスクリーンにも連結され得る。
【0043】
目前の道路から注意を逸らしてはならないユーザに触覚フィードバックを与えるように、アクチュエータ7を起動することによりコマンドの登録が合図され、その移動がタッチ面3に伝達される。
【0044】
図2乃至4において、アクチュエータ7は、触覚フィードバックを伝達するように、タッチ面3に対して固着された接触壁13を有するシャーシ11を備えている。
【0045】
また、アクチュエータ7は、シャーシ11に連結されるとともに、電線、特に銅からなる電線を捲回することにより形成された電磁石17を有するステータ15を備える。
【0046】
触覚フィードバックを生成することを目的として、可動コア19が、Z方向に沿って、接触壁13に対して垂直な2つの対向方向において並進的に移動可能であるように、ステータ15は可動コア19を取り囲む。特に、可動コア19は、シートの形状にある複数の永久磁石20を備える。これらの永久磁石20は、例えばプラスチックからなり、断面において「E」形状を有するホルダ22内に示される。
【0047】
ホルダ22のアームは、可動コア19の運動エネルギーを増加させることを目的として可動コア19の重量を増加させるように、且つ永久磁石20によって生成される磁力線を集結させるように、強磁性金属プレート24をも支承する。
【0048】
可動コア19は、接触壁13とステータ15との間に閉じ込められ、少なくとも1つの、本例において2つの弾性要素21の力を受ける。
【0049】
例えば、本実施形態において、これらの弾性要素21は、可動コア19の2つの対向する側面にそれぞれ配置されたバネ、具体的には螺旋圧縮バネである。より正確には、各バネの一端がホルダ22に当接するとともに、他端がステータ15に当接する。
【0050】
ウレタンタイプの発泡ポリエチレン、イオノマー(イオン架橋ポリマー)、又はゴム等の弾性材料を使用することも可能である。
【0051】
電磁石17の巻線を支承するステータ15の中央長円形部は、「E」形状のホルダ22のアームと相互作用し、可動コア19の並進移動をZに沿ってガイドする。
【0052】
アクチュエータ7は、また、可動コア19と接触壁13との間に配置されたダンパ23を有する。
【0053】
ダンパ23は、例えば、エラストマー、具体的にはシリコーンからなる層又はシートの形状を取る。ダンパ23は、第1変形例によれば、可動コア19にオーバーモールドされ得るか、第2変形例によれば、図3に示すように可動コア19に形状係合により接合され得る。ダンパは、例えば、1.5mm乃至2.5mmに含まれる、具体的には2mmの厚さを有する。図2乃至4に示すように、ダンパ23は、「E」形状ホルダ22の後部に固着される。
【0054】
一変形例(図示せず)によれば、ダンパー23は接触壁13に固着される。しかしながら、ダンパ23を可動コア19に固着することが好ましい。この目的は、移動部品であるこのグループの重量を、ひいてはこれが接触壁13に衝突する際に伝達される運動エネルギーを増加させることである。
【0055】
特に、ダンパ23は、25乃至35に含まれる、具体的には30ショアAの硬度を有する。
【0056】
単数又は複数の弾性要素21は、電磁石17の非給電状態において、ダンパ23が接触壁13に圧接するように、可動コア19が接触壁13の方向に支持力を印加するような寸法とされる。電磁石が所定のバイアスを以て給電される給電状態において、可動コア19は接触壁13から離間する。
【0057】
ダンパ23のバネ定数は、前記弾性要素21のバネ定数より7.5乃至12.5倍、具体的には10倍大きい。
【0058】
図5は、時間を関数とするアクチュエータ7に印加される制御信号のグラフであり、図6は、一実施形態による触覚フィードバックを生成するための方法のフローチャートを示す。
【0059】
指5の押圧により生じた信号をタッチ面3から受信すると、制御処理ユニット8は、例えば、ステップ100において、第1信号200を送信する。第1信号200は、第1の所定のバイアスを有し、例えば、電磁石17にZ方向に沿う第1方向において電流を供給し、これにより、弾性要素21の力に抗して(圧縮バネは圧縮する)可動コア19をフレーム11の接触壁13から離間させる方形波の形状を取る。
【0060】
したがって、弾性要素21は、このフェーズにおいて、可動コア19に伝達された運動エネルギーのうちの一部を保存する。
【0061】
当然ながら、ユニット8は、電磁石17に直接給電するように構成され得る。しかしながら、一変形例によれば、例えば、制御信号をリレーに送信してもよい。リレーを介して電力が電磁石17に供給される。
【0062】
この第1信号200の持続時間は、可動コア19の離間が最大となるように十分に長い。例えば、持続時間は、4ミリ秒乃至6ミリ秒に含まれ、具体的には5ミリ秒である。
【0063】
次に、ステップ102において、制御処理ユニット8は、第1バイアスと反対の第2の所定のバイアスを有する第2信号202を送信する。この信号も、例えば方形波である。この第2信号200は、磁界を逆にするために電流の方向を逆にし、これにより、可動コア19をシャーシ11の接触壁13の方向に進ませ、可動コア19をこの接触壁13に対して当接した状態に維持する。弾性要素21は、このフェーズにおいて、可動コア19の移動を支援する(圧縮バネは弛緩する)。
【0064】
ここで、可動コア19は一往復するだけであるため、ユーザの指5によって容易に感じられ得る衝突等の「衝撃的な」触覚フィードバックがこうして得られる。
【0065】
第2信号200の持続時間は、4ミリ秒乃至6ミリ秒に含まれ、具体的には5ミリ秒である。
【0066】
当然ながら、制御信号200及び202の持続時間は異なってもよい。本発明の範囲を逸脱せずに、異なる信号の形状や異なる振幅も想定され得る。
【0067】
アクチュエータ7により、より迅速であるだけでなく、より明瞭であるためユーザが知覚しやすい触覚フィードバックをも得られることが理解されるであろう。
【0068】
当然ながら、本発明の範囲を逸脱せずに他の変形例も想定されされ得る。したがって、電磁石17を可動コア19によって支承してもよいし、永久磁石20を「音声コイル」構成用のステータによって支承してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6