(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6828031
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】ゴルフボール競技装置
(51)【国際特許分類】
A63B 71/06 20060101AFI20210128BHJP
A63B 43/00 20060101ALI20210128BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20210128BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20210128BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20210128BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
A63B71/06 F
A63B43/00 D
G06Q50/10
H02J50/10
H02J50/80
H02J7/00 301D
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-520036(P2018-520036)
(86)(22)【出願日】2016年7月8日
(65)【公表番号】特表2018-529483(P2018-529483A)
(43)【公表日】2018年10月11日
(86)【国際出願番号】GB2016052069
(87)【国際公開番号】WO2017006133
(87)【国際公開日】20170112
【審査請求日】2019年6月7日
(31)【優先権主張番号】1512037.1
(32)【優先日】2015年7月9日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518004680
【氏名又は名称】ワールド ゴルフ システムズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョリフェ、デイヴィッド ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】ジョリフェ、スティーブン ポール
【審査官】
槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/156778(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0228934(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/06
A63B 24/00
A63B 43/00
A63B 37/00
G06Q 50/10
H02J 7/00
H02J 50/10
H02J 50/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール競技装置を備えたゴルフ施設であって、
前記ボール競技装置は、
複数のコード化されたボール(20)を備え、
前記ボール(20)の各々が、充電可能な電池(40)を有する各々の回路であって、前記ボール(20)の各々の現在の移動に応じて電力が変化する信号を送信する回路を有し、
前記ゴルフ施設は、複数の検出器ユニット(100、206)をさらに備え、
複数の前記ボール(20)の移動が複数の前記検出器ユニットによって検出され、
複数の前記ボール(20)に関するデータが、複数の前記検出器ユニット(100、206)に接続されたデータベースに記憶され、前記データが、複数の前記ボール(20)の複数のコードと、複数の前記ボール(20)が割り当てられているプレーヤーに関する複数のコードとを含み、
前記ゴルフ施設は、プレーヤーのスコアの自動表示が与えられるように構成された装置をさらに備え、
前記ゴルフ施設は、複数の前記ボール内に含まれる複数の電池を充電するための電池充電システム(10)をさらに備え、
各々のボール(20)が、前記ボールの移動に関するデータを一時的に記憶し、断続的に前記検出器ユニット(100、206)に転送し、そして前記検出器ユニットから前記データベースに転送し、
前記データベースは、前記ボール(20)内の前記電池(40)に適用された充電サイクルの履歴に関するデータをさらに記憶する
、ゴルフ施設。
【請求項2】
プレーヤーの移動電話などの、前記プレーヤーのスコアを表示し、および/または前記装置の他の部品に影響を及ぼすように構成された、移動通信デバイスをさらに含む、請求項1に記載のゴルフ施設。
【請求項3】
各検出ユニット(100、206)が、最も近いボール(20)の近接度に応じて電力が変化する信号を送信する、請求項1又は2に記載のゴルフ施設。
【請求項4】
ボール(20)の移動が、制御センターに接続されているビデオカメラによって競技全体にわたって記録される、請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフ施設。
【請求項5】
1つ以上のビデオスクリーンが、前記競技がプレーされるコースの周りに分配され、前記ビデオスクリーンが、1つ以上のそれぞれのカメラおよび/または前記制御センターに接続される、請求項4に記載のゴルフ施設。
【請求項6】
競技の開始時および/または終了時に前記ボール(20)からのデータを読み取るように構成された読み取り装置(110)を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のゴルフ施設。
【請求項7】
前記読み取り装置(110)が、前記ボール(20)を「オン」状態と「オフ」状態との間で切り替えるように構成された起動器ユニットを含む、請求項6に記載のゴルフ施設。
【請求項8】
前記電池充電システムが、
各々が、ボール(20)を特定の位置で保持するための手段を備える複数の電池充電場所(12)と、
前記位置でボール(20)の存在を検出するためのセンサー(30)と、
保持されたボール(20)内のコイル(36)と誘導結合するための充電コイル(32)と
を備える、請求項1〜7のいずれかに記載のゴルフ施設。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のゴルフ施設を運営する方法であって、競技の前に複数の前記ボール(20)内の複数の前記電池(40)を充電することを含み、前記方法は、
(i)競技の開始時に、前記ボール(20)からデータを読み取るステップ、
(ii)競技の開始時に、前記ボール(20)をオンに切り替えるステップ、
(iii)前記ボールの位置に応じて、ビーコン(206)から前記ボール(20)への通信、および前記ボールから前記ビーコンへの通信の電力を変化させるステップ、
(iv)ゴルフショットをビデオカメラで記録して、1つ以上のビデオディスプレイスクリーン上でそれらを再生するステップ、
(v)競技の終了時に、前記ボール(20)からデータを読み取るステップ、
(vi)競技の終了時に、前記ボール(20)をオフに切り替えるステップ、
(vii)プレーヤーの移動電話上のアプリケーションによって前記装置の部品に影響を及ぼすステップ、および
(viii)前記ゴルフ施設からボールが離れた場合、ボール(20)からデータを消去するステップのうちの1つ以上を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボール競技装置に関する。より具体的には、本発明は、ボールの動きが検出され、プレーヤーのスコアの表示が与えられる装置に関する。表示は、競技のルールに対応しないボールの不用意な、および/または他の移動を与えられ得る。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願第WO2013/156778号は、制御デバイスが、ゴルフボールの許容可能な移動の所定範囲を決定する、ゴルフ競技を開示する。ボールの実際の移動が、感知され、それらが所定範囲内に入るかどうかの比較がなされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の態様は、改良されたボール競技装置を提供することである。本発明の態様は、上記のボール競技装置および受信領域を備える1つ以上のゴルフのホールを組み込むゴルフ施設を提供する。受信領域は、:コード化されたゴルフボールの電池を充電するための手段、休止状態からゴルフボールをオンに切り替えるための手段、ゴルフボールにプレーヤーのコードを提供するための手段、プレーヤーのタイプに応じてゴルフボールに対するプロファイルを割り当てるための手段、コード化されたゴルフボールによって起動され得る1つ以上の自動販売機、様々な機能に関する情報を記憶する中央データベース、および様々な機能を適切に制御する中央制御ユニット、のうちの1つ以上を含むことができる。
【0004】
本発明の第1の態様に従って、コード化されたボールの移動が、検出器ユニットによって検出され、プレーヤーのスコアの自動表示が与えられるボール競技装置が提供され、ここにおいてボールに関するデータが、検出器ユニットに接続されたデータベースに記憶され、データが、ボールのコードと、ボールが割り当てられているプレーヤーに関するコードとを含み、ボールが、ボールの移動に関するデータを一時的に記憶し、断続的に検出器ユニット、そしてそこからデータベースに転送するように構成されている。
【0005】
データベースは、ボール内の電池に適用された充電サイクルの履歴に関するデータを好ましくは記憶する。このことが、ボール内の電池交換が必要な時期をモニタすることを可能とする。
【0006】
装置は、プレーヤーの移動電話などの、プレーヤーのスコアを表示し、および/または装置の他の部品に影響を与えるように構成された、移動通信デバイスをさらに含むことができる。移動電話を使用する能力は、プレーヤーが競技と相互作用することを容易にする。新規性のゴルフ競技の特性などの、装置の他の部品を制御するための能力は、プレーヤーにとって競技をより興味深くする。
【0007】
好ましい実施形態において、ボールは、ボールの現在の動きに応じて電力が変化する信号を送信する回路を有し、および/または各検出ユニットが、最も近いボールの近接度に応じて電力が変化する信号を送信する。ボール内で縮小された電力を使用することは、電池の電力を変換するという利点を有する。検出器ユニットによって送信された電力を変化させることで、ボール競技装置を組み込むゴルフ施設の隣接するホール間の干渉を防止するという利点を有する。
【0008】
装置は、競技の開始時および/または終了時にボールからデータを読み取るように構成された読み取り装置を含み得る。読み取り装置は、ボールを「オン」状態と「オフ」状態との間で切り替えるように構成される起動器ユニットを好ましくは含む。
【0009】
ボールの移動は、制御センターに接続されたビデオカメラによって競技全体にわたって記録され得る。加えて、1つ以上のビデオスクリーンが、競技がプレーされているコースの周りに分配され得、スクリーンは、選択された再生のために1つ以上のそれぞれのカメラおよび/または制御センターに接続される。
【0010】
ボール競技装置は、ゴルフ施設の一部であり、施設は、比較的大きな複数のコード化されたゴルフボールを有する。
【0011】
本発明の第2の態様に従って、:
(i)競技の前にボール内の電池を充電するための手段、
(ii)競技の開始時および/または終了時にボールからデータを読み取るための手段、
(iii)競技の開始時にボールをオンに切り替えるおよび/または競技の終了時にボールをオフに切り替えるための手段、
(iv)施設の周りに分配され、電力レベルが変化するように機能する、複数の通信ビーコン、および/または
(v)ショットを記録するため施設の周りに分配された複数のビデオカメラ、およびショットを再生するための1つ以上のビデオディスプレイスクリーン、のうちの1つ以上を備えるゴルフ施設が提供される。
【0012】
本発明の第3の態様に従って、ゴルフ施設、好ましくは、複数のコード化されたボールを使用するボール競技装置を含む、本発明の第2の態様に従うゴルフ施設を運営する方法が提供され、本方法は、
(i)競技の前にボール内の電池を充電するステップ、
(ii)競技の開始時に、ボールからデータを読み取るステップ、
(iii)競技の開始時に、ボールをオンに切り替えるステップ、
(iv)ボールの位置に応じて、ビーコンからボールへの通信、およびボールからビーコンへの通信の電力を変化させるステップ、
(v)ゴルフショットをビデオカメラで記録して、1つ以上のビデオディスプレイスクリーン上でそれらを再生するステップ、
(vi)競技の終了時に、ボールからデータを読み取るステップ、
(vii)競技の終了時に、ボールをオフに切り替えるステップ、
(viii)プレーヤーの移動電話上のアプリケーションによって装置の部品に影響を及ぼすステップ、
(ix)施設からボールが離れた場合、ボールからデータを消去するステップのうちの1つ以上を含む。
【0013】
本発明のさらなる態様に従って、ボールの移動が検出され、プレーヤーのスコアの自動表示が与えられるボール競技装置が提供され、移動通信デバイスが、競技に影響を及ぼすように動作され得る。移動通信デバイスは、好適なダウンロードされたアプリケーションを有するプレーヤーの移動電話であり得る。
【0014】
本発明のさらなる態様に従って、ボール内に収容された電池を充電するための電池充電システムが提供され、システムは、各々がボールを特定の位置に保持するための手段を備える複数の電池充電場所、前記位置においてボールの存在を検出するためのセンサー、保持されたボール内のコイルと誘導結合するための充電コイルを備える。各場所はまた、保持されたボールの温度を検出するための手段を備える。
【0015】
本発明のさらなる態様に従って、コード化されたボールの移動が検出器ユニットによって検出され、プレーヤーのスコアの自動表示が与えられるボール競技装置が提供され、ボールに関するデータが、検出器ユニットに接続されたデータベースに記憶され、データが、ボールのコードと、ボールが割り当てられているプレーヤーに関するコードとを含み、ボールが、ボールの移動に関するデータを一時的に記憶し、断続的に検出器ユニット、そしてそこからデータベースに転送するように構成されている。データベースはまた、ボール内の電池に適用された充電サイクルの履歴に関するデータを記録し得る。
【0016】
本発明のさらなる態様に従って、コード化されたボールの移動が検出器ユニットによって検出されるボール競技装置が提供され、ここにおいてボールは、ボールの現在の動きに応じて電力が変化する信号を送信する回路を有し、および/または各検出ユニットが、最も近いボールの近接度に応じて電力が変化する信号を送信する。
【0017】
本発明のさらなる態様に従って、特に前述の態様のいずれかに従うボール競技装置が提供され、ボールの移動が、選択された再生のために、制御センターに接続されたビデオカメラによって競技全体にわたって記録される。1つ以上のビデオスクリーンが、競技がプレーされるコースの周りに分配され得、スクリーンは、選択された再生のために1つ以上のそれぞれのカメラ、および/または制御センターに接続される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の好ましい実施形態が、添付の図面を参照して、単に実施例として、ここに記載される、図面中、
【0019】
【
図1】
図1はコード化されたゴルフボール内の電池を充電するための、デバイスにゴルフボールを保持するために使用されたトレイの斜視図であり、
【
図2】
図2は
図1のトレイ内の充電場所のうちの1つの側面の断面図であり、
【
図3】
図3はゴルフボールが取り外された、
図2の底部に対応する図であり、
【
図4】
図4はコード化されたゴルフボールの起動デバイスの側面の断面図であり、
【
図5】
図5はボール競技装置を用いるゴルフ施設のティー領域の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の装置において使用されたボールを充電するために使用されるトレイ10を示す。ボールは各々、再充電可能な電池、関連付けられた充電コイル、ならびに電池−充電プロセスを制御するためのメモリおよびマイクロプロセッサを組み込むチップを組み込む。各ボールは、施設内の各ボールに永久に、または実質的に永久に割り当てられている固有の「ボール」コードを有する。ボールのさらなる詳細は、同時係属の出願第GB1512038.9号、名称「Ball for Game」において与えられている。
【0021】
トレイは、ボールを受けるための3x5の配列のソケット12を備える。
図2は、その中にゴルフボール20を挿入したソケット12を断面図で示す。ソケット12は、最上層14と最下層16との間に、好ましくは10〜20mm、好ましくは実質的に14.5mmの間隔を開けて、形成されている。最上層は、ボールがその中を容易に通ることができるように、ゴルフボールよりも大きなトップホール22を組み込む。最下層は、挿入されたゴルフボールを置く、直径25〜40mmの(好ましくは実質的に32mmの)オリフィス24を組み込む。オリフィス24の外周28は、45〜75度、好ましくは実質的に60度の傾斜を備える。
【0022】
最下層16の上面に整列し、オリフィス24の縁28において、または隣接しているのは、ゴルフボールの存在を検出するための光学センサー30である。
【0023】
ソケット内のボール20を近接して囲むのが、中の電池40を充電するために、ボール内のコイル26と誘導結合する充電コイル32である。ボールはまた、ボール競技装置の他のデバイスと通信するためのアンテナコイル36を含む。
【0024】
光学センサー30およびコイル32は、最下層16の上面の上に位置付けられ、それ自身が装置の制御デバイスに接続された、プリント基板44に接続されている。
【0025】
使用の際、プレーで使用されたゴルフボールは、トレイ10のソケット12に挿入される。ボールは、センサー30およびコイル32と確実に相互作用するように、傾斜したオリフィス24に迅速に、正確に位置付けられる。複数の、例えば6つのトレイが、ラックのそれぞれの棚に積層され、制御デバイスに接続される。このように単体の電池充電器が、最大90のゴルフボールを同時に充電することが可能である。各ソケット内のボールの状態が、その後評価される。特に、充電器は、各ボールの温度、電圧、および充電状態をモニタすることができる。各電池が、満充電されたとき、充電器は、ボールの充電を停止する。充電器は、各ボールがチャージャー内のどこにあるか、どのくらいその場所に置かれているかがわかる。
【0026】
制御デバイスは、各ボールの検出された状態を示すための手段を有する。ボールが、オフ状態にある場合、ボール内の磁気操作スイッチを用いてソケット12によってオンに切り替えられる。
【0027】
ボールが、いずれの態様で不良であるかどうかが評価される。ボール内の電池が、一部放電されているまたは実質的に完全に放電されているかどうかが評価され、この評価の結果に従い、電池は低率または比較的高率で充電される。典型的な充電サイクルは、8時間かかる。
【0028】
ソケット12が開いている場合、充電電流はそれぞれのコイル32には接続されず、このことが、電力を節約し、過剰な加熱が防止される安全特性となる。各ソケットおよび/または各トレイの温度が、検出され、充電率プロファイルは、必要に応じて変更され、パルスの充電が、配置の過熱を防止することが発見された。
【0029】
下記を参照すると、中央データベースは、各ボールが充電された回数のカウントを記憶する。ボール内の電池が、満充電手順を踏む場合、このカウントは1ずつ増加され、このことが、特定のボールにおける電池の処理が適切かどうかを判断するためのチェックを可能とする。
【0030】
電池−充電手順が完了するとき、各ボール内の回路は、「オフ」状態、つまり完全に休止状態に切り替えられる。ボールはプレーヤーに支給される前に、ボール競技装置の起動器デバイスによって起動される。
【0031】
ボール競技装置は、施設の周りに分配される「ビーコン」と指定される通信デバイスを介してボールと無線通信させる。一実施例は、ブルートゥース技術を使用する。(ブルートゥースは登録商標である。)各ビーコンは、全ての通信で使用される、それ自身の識別コードを有する。
【0032】
1つのこのようなビーコン100は、施設の受信領域においてデスク上に位置付けられ得る、
図4で示された可搬式ボール起動器ユニット110において用いられる。デバイス110は、キャビティ114を囲み、ビーコン100と通信するアンテナコイル112を備える。起動器ユニット110は、ビーコン100にまた接続されるマイクロプロセッサを組み込む回路118によって制御される。
【0033】
回路118はまた、ベゼル122の背後に位置付けられる表示器LEDライト120に接続される。
【0034】
ビーコン100は、全プレーヤーの詳細、現在のスコア、これまでのスコア、購入したアイテムの詳細などを保持するメンバーシップデータベースに関連付けられる中央制御ユニットと通信する。
【0035】
使用の際、およびゴルフ競技が開始される前に、ボール20は、キャビティ114内に挿入される。ボール内の回路およびビーコンは、コイル36および112を介して互いに通信する。起動器が、オフに切り替えられたボールの回路の存在を検出するとき、その後プレーのためにオンに切り替えられる。ゴルフの競技中に、それぞれのプレーヤーが、施設の周りに配置されたビーコンを介して制御ユニットによって明確に識別され得るように、プレーヤーコードが、ボールに関連付けられる。なお、このプレーヤーコードは、前述のボールコードに加えられるはずである。コードの関連付けは、データベースと合わせて中央制御ユニットによってもたらされる。
【0036】
同時に、プロファイルは、ボールに割り当てられ得る。プロファイリングの一実施例は、ボールを使用しているプレーヤーが大人か子供かを識別することである。ボールが子供に割り当てられる場合、競技のルールは、そのボールに提供されるときに簡素化され得る。プロファイリングの他のソートは、プレーされている特定のゴルフコースに関する。ボールは、キャビティから取り外され、パター競技がその後プレーされる。
【0037】
パター競技を始めるために、ボール20は、
図5に示されるコースの第1のティー領域200に持ち込まれる。
【0038】
ティーは、ボール載置領域202を備え、その場所は、挿絵の矢印204によって強調される。ボール20の存在およびコードは、ボール載置領域の一側面に対して(ボール載置領域の背後または正面を含む)地面下位に位置付けられたそれぞれのビーコン206によって検出される。
【0039】
ボールがパター競技中に打たれると、ボールの移動は、WO2013/156778において開示されるようにコースの周りのビーコンによって検出され、ストロークがカウントされる。ビーコンはまた、各グリーン上のホールへのボールの移動を検出することができる。しかしながら、より迅速でより正確に検出するためには、コースの周りの各ホールが光学ボール検出器を含む。
【0040】
ボールがゴルフコースの周りで移動するとき、隣接するビーコン(複数可)との通信は、そこからのボールの距離で決まる。ビーコンは、位置付けられたボールへの、または位置付けられたボールからの情報を渡すトランスポンダーとしての役割をする。
【0041】
第1に、ボールは、ほとんどの時間、低電力を有するデータ信号を送信し、必要なときにより高い電力信号を使用するように構成される。これにより、電池の寿命が延び、異なるデバイス間の信号の衝突または傍受通信が低減し、その結果干渉遅延が最小限に抑えられる。ボールがプレーされないとき、ボールは、低電力で送信する。ボールが、ティー上に設置されるとき、ボールがビーコン206に近接して位置付けられるため、低電力で送信し続ける。ボールがティーを離れたときのみ、ボールは、ゴルフコースの一部に関連付けられるビーコンまたは互いのビーコンによって検出され得るように、高電力で送信を開始する。このように、プレーヤーに割り当てられたボールが100個ある場合、そのほとんどはいつでも低電力で送信し、典型的に18個のみが、高電力で送信する。
【0042】
第2に、ビーコンはまた、電力レベルが変化するように機能する。ビーコンは、ほとんどの時間、ボール(および他のデバイス)からデータを受動的に受信し、必要なときに、最低限可能な電力レベルで、情報を返信するのみとなるように構成される。
【0043】
使用の際、ボールが打たれるとき、ボールは、近くのビーコンを照合するために信号を発する。この信号を受信して、近くのビーコンは、ボール内のアンテナコイル36の場所と距離を識別するために、動的に変化する信号電力強度を使用する。RSSI(受信信号強度表示)技術を使用して、ビーコンは、システムの構成に応じて10cm〜10mの精度でボールの近接度を検出することができる。ビーコンは、場所を感知する精度を上げるために三角測量および/または三辺測量技術を使用することができる。
【0044】
各ビーコンの検出場は、2.4GHzおよび他の周波数を使用するように適合されたアンテナ設計の使用によって成形される。ビーコンは、外部センサーまたは別のリモートデバイスにより、ボールの近接度によって起動され得る。ビーコンは、必要なときにポーリング信号を発することができる。ボールに加えて、ビーコンは、同様のシステム内のいずれの他のデバイスを検出することができ、加えてビーコンは、有線、無線、またはコンピュータネットワーク上を介して他のビーコンおよび他のデバイスと通信することができる。
【0045】
競技の終了時に、ボールは、キャビティ114に再度挿入され得る。適切なデータが、ボールからシステムにダウンロードされ得、ボールはオフに切り替えられる。
【0046】
ティー領域、ホール領域、およびコースの周りに隣接するビーコンは、サーバの形状で中央制御ユニットに接続される。ボールによって発された信号を検出するために1つ以上のビーコンを使用することで、ボールの位置がより精密に三角測量されることを可能とする。いくつかの競技が同時にプレーされるため、衝突が異なるビーコンからの同時メッセージ間で起こり得る。この場合、サーバは、衝突を検出し、それぞれのビーコンにメッセージを再送するように指示するが、各ビーコンに異なる遅延時間を割り当てる、そのため再送メッセージは衝突しない。
【0047】
ビーコンの好ましいポーリング期間は、100〜105msであり、好ましい実施形態においてこの期間は、変化し得る。
【0048】
本発明に従う装置は、修正され得る様々な動的な特性を有する新規のゴルフの競技において使用することに特に好適である。そのため競技の特定のステージにおいて、システムは、点灯することができる。
【0049】
プレーヤーが成功裏にホールを終えるために切り抜けなければならない特定の特性、例えば橋、がある場合、システムは、橋を移動させてもよい。このような介入のタイミングは、ボールの位置および/またはプレーヤーに適用された難度のレベル、例えば、大人/子供などを考慮する。タイミングはまた、現在のプレーの状態を考慮してもよい、例えば、特定のプレーヤーがリードしている場合、システムは、例えばそのプレーヤー用に障害物を移動させることによって競技をより難しくし得る。
【0050】
磁石が、例えばコースの周りに分配され得、ボールがホールに到着するまでの、例えば、3つの経路のうちの1つに沿って移動し得る場合、異なるパターンの磁石が、各径路の下に位置付けられ得る。経路は、異なる橋および/またはトンネルを備え得る。ボール内に収容された磁力計またはコンパスは、どの経路が続くかを検出し、情報をサーバへ供給するために使用されることができ、サーバは、エクストラポイントを与えるため、またはペナルティを課すため、もしくはコースの移動可能な特性でレイアウトを修正するために情報を使用することができる。いくつかの実施形態において、ジャイロスコープがボールの全体移動をモニタするために専らまたは主に働き、これがボール内の磁力計またはコンパスの専らまたは主たる目的である。
【0051】
好ましい実施形態において、ビデオカメラが、コースの周りに分配される。それらは、コースの周りでプレーされているショットを常に記録するために使用される。施設の受信領域におけるビデオディスプレイスクリーンは、選択された事象を再生するために使用され得る。例えば、不正行為が疑われる場合、スクリーン上で迅速にチェックされ得る。さらに、賞金が、特定のホール上のホールインワンなどの特別な事象に対して与えられる場合、その権利は、スクリーン上で直ちに正当性が立証され得る。コースの全ての部分は、ボールが打たれた瞬間からホール内に入るまでビデオ−モニタされることが特に好ましい。このように、全ラウンドは、記録され、その後スコアをチェックするために(場合により速度を上げて)再生され得る。ビデオ再生はまた、ソーシャルメディア上でプレーヤーによってシェアされ得る。
【0052】
1つ以上のビデオディスプレイスクリーンが、コースの周りに分配され得る。特に、各ホールは、専用のコンピュータおよび関連付けられたビーコンを含むスクリーンの組み合わせを有することができる。特に良いショットがプレーされる場合、それは、ビーコンによって検出され、関連するホールに最も近いディスプレイスクリーン上で直ちに再生され得る。
【0053】
様々な改造が、上記に記載された実施形態になされ得る。
【0054】
充電手順に関して、電池は、充電されている間は「オフ」状態となり得る。「オン」状態と「オフ」状態との間の切り替えは、別の磁気スイッチによるよりも、充電コイル32内の電圧増加の検出により、自動的にもたらされることができる。
【0055】
ティー領域のビーコン206は、ボール載置領域202の真下に位置付けられ得る。
【0056】
可搬式である代わりに、起動器デバイスは、固定装置、例えばボール排出機の一部であってもよい。料金を支払い、プレーヤーに関連する詳細をキーパッドに入力すると、ボール20が排出され得る。
【0057】
異なるビーコンからのメッセージの衝突を防止するために、周波数ホッピング技法が、後のメッセージの遅延時間を変化させることに加えて、または代替的に、用いられ得る。
【0058】
コード化されたボール20は、競技をプレーするための付加的な目的のために使用され得る。例えば、ボールは、例えばドリンクを購入する、または別の競技を購入し、適切な請求がプレーヤーのアカウントになされるなどの施設の周りの自動販売機を操作するために利用され得る。また「プレイングジョーカー」方式で、競技の特性を制御するために使用される。このように、ポイント採点競技において、一人が、一人のボールをホールに隣接する専用の読み取り装置に提示して、そのホールでその人のスコアを上げる(例えば2倍)にすることもできる。
【0059】
競技のプレーは、プレーヤーの移動電話または他の移動通信デバイスにダウンロードされ得るアプリケーション上での、さらなる特性に加えて、上記の特性のうちのいくつかまたは全てを実装することによって、向上され得る。競技のプレーは、様々な方法において影響を及ぼされ得る。実施例は、ゴルフコースの一部を動かすこと(一人のショットをより簡単にするか、または対戦相手のショットをより難しくする)、プレー領域にわたって風を吹かせるためにファンのスイッチを入れること、対戦相手の気を散らすために模型火山に適切な騒音を起こさせること、がある。
【0060】
アンテナ配置が、ボールの盗難の企てを検出するために施設の出口に提供される。ビーコンは、ボール内のメモリが無許可移動を示すコードによって消されるまたは取り換えられるように、この配置の中に組み込まれ得る。
【0061】
装置の特性は、その内容全てが参照により本明細書に組み込まれる、WO2013/156778、および/または同時係属の出願第GB1512038.9号、名称「Ball for Game」において開示された特性のうちのいずれかによって組み合わせられ、または改造され得る。