特許第6828033号(P6828033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6828033
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】分解性共役ポリマー
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/172 20170101AFI20210128BHJP
   C01B 32/159 20170101ALI20210128BHJP
   C08G 73/00 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   C01B32/172
   C01B32/159
   C08G73/00
【請求項の数】7
【全頁数】65
(21)【出願番号】特願2018-527224(P2018-527224)
(86)(22)【出願日】2016年11月22日
(65)【公表番号】特表2019-504809(P2019-504809A)
(43)【公表日】2019年2月21日
(86)【国際出願番号】IB2016057029
(87)【国際公開番号】WO2017089952
(87)【国際公開日】20170601
【審査請求日】2019年11月19日
(31)【優先権主張番号】62/260,350
(32)【優先日】2015年11月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16150727.2
(32)【優先日】2016年1月11日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517293834
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティス オブ ザ リーランド スタンフォード ジュニア ユニヴァーシティー オフィス オブ ザ ジェネラル カウンセル
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジェナン バオ
(72)【発明者】
【氏名】ティン レイ
【審査官】 中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−141631(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/024115(WO,A1)
【文献】 ACS Macro Letters,2014年,Vol. 3,pp. 10-15
【文献】 Chemistry A European Journal,2006年,Vol. 12,pp. 1723-1735
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/00−32/991
C08G 73/00−73/26
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの混合物から半導体性単層カーボンナノチューブを分離する方法であって、
(i)半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの混合物Aを準備する工程、
(ii)r個の単位Mを含むジアミンとs個の単位Mを含むジアルデヒドとの直接縮合またはr個の単位Mを含むジアルデヒドとs個の単位Mを含むジアミンとの直接縮合を通して製造され得る、少なくとも1つの式(1)の単位を含む分解性ポリマー
【化1】
であって、
前記式中、
は、炭素原子または窒素原子であり、
は、Tが窒素原子であれば炭素原子であるか、またはTが炭素原子であれば窒素原子であり、
rは1、2、3または4であり、
sは1、2、3または4であり、

【化2】
からなる群から選択され、
かつM
【化3】
からなる群から選択され、
ここで
はC1〜36アルキルであり、
102、R103は、HおよびC1〜20アルキルからなる群から独立して選択される前記分解性ポリマーを分散剤として用いて、
前記半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとを含有する混合物Aを溶媒に分散させて、溶媒中の半導体性単層カーボンナノチューブの分散液Bを得る工程であって、前記分散液はさらに金属性単層カーボンナノチューブを含有する工程、
(iii)溶媒中の半導体性単層カーボンナノチューブの分散液Bから金属性単層カーボンナノチューブを分離し、溶媒中の半導体性単層カーボンナノチューブの濃縮分散液Cを得る工程、
(iv)溶媒中の半導体性単層カーボンナノチューブの分散液Cにおいて本発明のポリマーを加水分解により分解する工程、
(v)溶媒と分解されたポリマーとを含む溶液Dから半導体性単層カーボンナノチューブを分離する工程
を含む、前記方法。
【請求項2】
半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの混合物Aを、アーク放電またはプラズマトーチプロセスによって調製する、請求項記載の方法。
【請求項3】
工程(ii)を超音波処理によって実施する、請求項または記載の方法。
【請求項4】
工程(iv)における分解性ポリマーの加水分解を超音波処理によって補助する、請求項からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
工程(i)で使用される溶媒がトルエンである、請求項からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
純粋なモノマー(1a)および(2a)
【化4】
または純粋なモノマー(1b)および(2b)
【化5】
を、ポリマーの再合成のために溶液Dから単離する工程(vi)をさらに含む、請求項からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
純粋なモノマーをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって単離する、請求項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
詳細な説明
本発明は、分解性共役ポリマー、前記分解性共役ポリマーをモノマーから製造する方法、および前記分解性共役ポリマーを分散剤として用いて半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの混合物から半導体性単層カーボンナノチューブを分離する方法に関する。
【0002】
単層カーボンナノチューブ(SWNT)は、チューブ直径およびラップ角度に応じて、金属または半導体の性質を示す。有機光起電性(OPV)デバイスおよび有機電界効果トランジスタ(OFET)などの多くのSWNTの用途には、特に、最小限の金属性SWNT不純物を含む半導体性SWNTが必要である。残念ながら、アーク放電またはレーザーアブレーションなどの現在のSWNTの成長法はすべて、半導体性SWNTと金属性SWNTとの混合物を生成する。
【0003】
半導体性SWNTと金属性SWNTとを分離するいくつかの方法が知られているが、それらのほとんどは、大規模な技術プロセスにはまだ適していない。効果的な方法は、半導体性SWNTおよび金属性SWNTをポリマーで分散させた後、遠心分離することに依存している。
【0004】
Nish, A.; Hwang, J.-Y.; Doig, J.; Nicholas, R. J. Nat. Nano 2007, 2, 640-646は、SWNTの分散剤として、フルオレン単位を含むいくつかのポリマーおよびコポリマーを記載している。分散剤としては、ポリ(9,9−ジオシル−フルオレニル−2,7−ジイル)(PFO)が最も高い選択性を示す。
【0005】
Berton, N.; Lemasson, F.; Tittmann, J.; Stuerzl, N.; Hennrich, F.; Kappes, M.M.; Mayor, M. Chem. Mat. 2011, 23, 2237-2249は、SWNTの分散剤として、ナフタレン、アントラセンおよびアントラキノンのスペーサーによって分離されたフルオレン単位またはカルバゾール単位のいずれかを含むいくつかのコポリマーを記載している。
【0006】
Tange, M.; Okazaki, T.; Iijima, S. J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 11908-11911は、SWNTの分散剤として、ポリ(9,9−ジオシルフルオレン−alt−ベンゾチアジアゾール)(F8BT)およびポリ(9,9−ジ−n−ドデシルフルオレン)(PFD)を記載している。特に、F8BTは、大きな(>1.3nm)直径のSWNTを選択的に分離する。
【0007】
Akazaki, K.; Toshimitsu, F.; Ozawa, H.; Fujigaya T.; Nakashima, N. J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 12700-12707は、SWNTの分散剤として12種のコポリマー(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)((R)−または(S)−2,2’−ジメトキシ−1,1’−ビナフタレン−6,6−ジイル)(式中、xおよびyはコポリマーの組成比である)を記載している。
【0008】
Jakubka, F.; Schiessl, S.P.; Martin, S.; Englert, J.M.; Hauke, F.; Hirsch A., Zaumseil, J. ACS Marco Lett. 2012, 1, 815-819はSWNTの分散剤としてポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)およびポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−co−ベンゾチアジアゾール)を記載している。
【0009】
Mistry, K.S.; Larsen, B.A.; Blackburn, J.L. ACS Nano 2013, 7, 2231-2239は、平均直径1.3nmのレーザー蒸発SNWTの分散剤としてポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−co−(6,6’−(2,2’−ビピリジン))]およびポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(9,10−アントラセン)]を記載している。
【0010】
Qian, L.; Xu, W.; Fan, X.; Wang, C.; Zhang, J.; Zhao, J.; Cui, Z. J. Phys. Chem. 2013, C117, 18243-18250は、大きな直径のSWNTを商業的アーク放電SWNTから選択的に分離するための、SWNTの分散剤として9,9−ジオクチルフルオレン−co−ビチオフェンを記載している。
【0011】
Wang, H.; Mei, J.; Liu, P.; Schmidt, K.; Jimenez-Oses, G.; Osuna, S.; Fang, L.; Tassone, C.T.; Zoombelt, A.P.; Sokolov, A.N.; Houk K.N.; Toney, M.F.; Bao, Z. ACS Nano 2013, 7, 2659-2668は、アーク放電された1.1〜1.8nmのSWNTから半導体性SWNTを分離するための分散剤としてポリ(ジチアフルバレン−フルオレン−co−m−チオフェン)を記載している。
【0012】
Berton, N.; Lemasson, F.; Poschlad, A.; Meded, V.; Tristram F.; Wenzel, W.; Hennrich, F.; Kappes, M.M.; Mayor, M. Small 2014, 10, 360-367は、それぞれ2,7−フルオレン単位を有するが、ピリジル基の結合性によって変化するポリ(フルオレン−alt−ピリジン)コポリマーならびに大きな直径(1nm超かつ1.3nmまで)のSWNTを選択的に分離するためのSWNTの分散剤としてポリ(カルバゾール−alt−ピリジン)コポリマーを記載している。
【0013】
遠心分離に基づく分離プロセスにおけるSWNTの分散剤としての半導体ポリマーが特に有用であり、半導体ポリマーおよび半導体性SWNTを含む遠心分離プロセスの生成物は有機電界効果トランジスタ(OFET)などの有機デバイスの製造に直接使用することができる。
【0014】
Lee, H. W.; Yoon, Y.; Park, S.; Oh, J. H.; Hong, S.; Liyanage, L. S.; Wan, H.; Morishita, S.; Patil, N.; Park, Y. J.; Park, J. J.; Spakowitz, A.; Galli, G., Gygi, F.; Wong, P. H.-S.; Tok, J. B.-H.; Kim, J. M.; Bao, Z. Nat. Commun. 2011, 2, 541-548は、SWNTの分散剤として、有機電界効果トランジスタ(OFET)などの有機電子デバイスにおいて半導体材料としてよく使用されている、レジオレギュラーポリ(3−アルキルチオフェン)を記載している。レジオレギュラーポリ(3−アルキルチオフェン)および半導体性SWNTを含むトランジスタが記載されている。
【0015】
米国特許出願公開第2012/0104328号明細書(US 2012/0104328)は、チオフェン環とチオフェン環に結合した炭化水素側鎖とを含むポリチオフェン誘導体を記載している。ポリチオフェン誘導体および半導体性SWNTを含むトランジスタが記載されている。
【0016】
Smithson, C; Wu, Y.; Wigglesworth, T.; Gardner, S.; Thu, S.; Nie H.-Y. Organic Electronics 2014, 15, 2639-2646は、ジケトピロロピロール−クォーターチオフェンと未選別SWNTとの半導体コポリマーを用いる有機薄膜トランジスタの製造を記載している。
【0017】
共役ポリマーは、簡単な超音波処理や遠心分離工程を介して数時間でs−SWNTを抽出するので、s−SWNTを濃縮するために徹底的に研究されてきた。また、特定の分子設計を有する共役ポリマーは、特定のキラリティ(n、m)の半導体性SWNTを選択的に抽出することができる。共役ポリマーのラッピングは、s−SWNT分離のための速くて、低コストで、スケーラブルな方法を提供するが、この方法には2つの大きな欠点がある:(1)精製されたs−SWNTは、その表面上に多くの共役ポリマーを保持する。共役ポリマーの除去は、密着したポリマーラッピングおよび強力なポリマー/SWNT相互作用のために困難である。(2)SWNTの分離には、通常、同量の共役ポリマーが使用されている。しかしながら、共役ポリマーの価格は、SWNTの価格に匹敵し、さらにそれよりも高い。例えば、SWNTの選別に広く使用されているポリ(9,9−ジ−n−ドデシルフルオレニル−2,7−ジイル)(PFDD)は、364.50ドル/500mgであるが、純度30%のプラズマSWNTは10ドル/gであり、純度約30%のアーク放電SWNTは35ドル/gである。このように、共役ポリマーはこの方法のための費用のかなりの量を占める。これらの問題に対処するために、3つの戦略が開発された:(1)コンフォメーション可変ポリマーを用いてSWNTを放出すること;(2)過剰の酸を使用して小さな単位に分解され得る非共有結合した超分子ポリマーを用いること;(3)ポリマーを不可逆的に小さな単位に分解すること。戦略(1)は、ポリマー構造のための特定の設計を必要とし、s−SWNTの選択性に優れていることは証明されていない。戦略(2)では、超分子ポリマーは、通常、高価で複雑な非共有結合部分を必要とし、通常、インサイチュで様々な濃度の分子量の異なるポリマーを形成する。また、この戦略は、ポリマーを分解するために過剰量の酸も必要とし、酸はSWNTのドーパントとして作用し得る。戦略(3)は破壊的であり、分解されたモノマーはリサイクルできない。したがって、SWNTの選別に使用される理想的な共役ポリマーは、低コスト、リムーバブル、リサイクル可能、高選択性、そしてSWNTへのダメージの少ないものでなければならない。しかしながら、これらの基準をすべて満たすのは難しい。
【0018】
本発明の課題は、半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの混合物から半導体性単層カーボンナノチューブを分離するための分散剤として適した分解性共役ポリマーを提供することであった。特に、分解性ポリマーは合成が容易でなければならず、小さな単位に不可逆的に分解可能でなければならない。
【0019】
この課題は、少なくとも1つの式(1)の単位を含むポリマー
【化1】
によって解決され、
前記式中、
は、炭素原子または窒素原子であり、
は、Tが窒素原子であれば炭素原子であるか、またはTが炭素原子であれば窒素原子であり、
rは1、2、3または4であり、
sは1、2、3または4であり、
およびMは、互いに独立して、
【化2-1】
【化2-2】
からなる群から選択され、
ここで、MおよびMにおいて、
bおよびcは、互いに独立して、1、2、3、4、5または6であり、
aおよびdは、互いに独立して、0、1、2、3または4であり、
nおよびmは、互いに独立して、0、1、2、3または4であり、
Aは、
【化3】
からなる群から選択され、かつ
Bは、
【化4】
からなる群から選択され、
ここで
Xは各場合においてO、S、SeまたはNRであり、
またはMは、1〜4個の置換基Rで置換することができ、
およびLは、互いに独立して各場合においてC6〜18アリーレン、5〜20員ヘテロアリーレン、
【化5】
からなる群から選択され、
ここで
6〜18アリーレンおよび5〜20員ヘテロアリーレンは、各場合においてC1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリール、OR31、OC(O)−R31、C(O)−OR31、C(O)−R31、NR3132、NR31−C(O)R32、C(O)−NR3132、N[C(O)R31][C(O)R32]、SR31、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびOHからなる群から選択される1〜6個の置換基Rで置換することができ、
ここで
【化6】
は各場合においてC1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリール、C(O)−R41、C(O)−NR4142、C(O)−OR41およびCNからなる群から選択される1つまたは2つの置換基Rで置換することができ、
ここで
31、R32、R41およびR42は、互いに独立して各場合においてH、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで
1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルは、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびNOからなる群から独立して選択される1〜10個の置換基で置換することができ;かつC1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSで置換することができ、
5〜12シクロアルキルは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ;かつC5〜12シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)は、O、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ、
ここで
Siv、RSiw、RSixは、互いに独立して、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキル、フェニルおよびO−Si(CHからなる群から選択され、
およびRは、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRはH、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ、
およびLは、互いに独立して各場合においてC6〜18アリーレンおよび5〜20員ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
ここで
6〜18アリーレンおよび5〜20員ヘテロアリーレンは、各場合においてC1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリール、OR91、OC(O)−R91、C(O)−OR91、C(O)−R91、NR9192、NR91−C(O)R92、C(O)−NR9192、N[C(O)R91][C(O)R92]、SR91、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびOHからなる群から選択される1〜6個の置換基Rで置換することができ、
ここで
91およびR92は、互いに独立して、各場合においてH、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで
1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルは、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびNOからなる群から独立して選択される1〜10個の置換基で置換することができ;かつC1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSで置き換えることができ、
5〜12シクロアルキルは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ;かつC5〜12シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)は、O、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ、
Siy、RSiz、RSiaaは、互いに独立して、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、フェニルおよびO−Si(CHからなる群から選択され、
ここで
およびRは、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRはH、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ、
は、各場合においてC1〜100アルキル、C2〜100アルケニル、C2〜100アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリール、5〜20員ヘテロアリール、C(O)−C1〜100アルキル、C(O)−C5〜12シクロアルキルおよびC(O)−OC1〜100アルキルからなる群から選択され、
ここで
1〜100アルキル、C2〜100アルケニルおよびC2〜100アルキニルは、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、Si(RSia)(RSib)(RSic)、−O−Si(RSia)(RSib)(RSic)、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜40個の置換基で置換することができ;かつC1〜100アルキル、C2〜100アルケニルおよびC2〜100アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
5〜12シクロアルキルは、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、Si(RSia)(RSib)(RSic)、−O−Si(RSia)(RSib)(RSic)、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ;かつC5〜12シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はO、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールは、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、Si(RSia)(RSib)(RSic)、−O−Si(RSia)(RSib)(RSic)、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ、
ここで
およびRは、H、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
Sia、RSibおよびRSicは、H、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、O−C1〜60アルキル、O−C2〜60アルケニル、O−C2〜60アルキニル、O−C5〜8シクロアルキル、O−C6〜14アリール、O−5〜14員ヘテロアリール、−[O−SiRSidSie−RSif、NR、ハロゲンおよびO−C(O)−Rからなる群から独立して選択され、
ここで
oは1〜50の整数であり、
Sid、RSie、RSifは、H、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、O−C1〜60アルキル、O−C2〜60アルケニル、O−C2〜60アルキニル、O−C5〜8シクロアルキル、O−C6〜14アリール、O−5〜14員ヘテロアリール、−[O−SiRSigSih−RSii、NR5060、ハロゲンおよびO−C(O)−R50からなる群から独立して選択され;
ここで
pは1〜50の整数であり、
Sig、RSih、RSiiは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、O−C1〜30アルキル、O−C2〜30アルケニル、O−C2〜30アルキニル、O−C5〜6シクロアルキル、O−C6〜10アリール、O−5〜10員ヘテロアリール、O−Si(CH、NR500600、ハロゲンおよびO−C(O)−R500からなる群から独立して選択され、
、R、R50、R60、R500およびR600は、H、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜60アルキル、C2〜60アルケニルおよびC2〜60アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、Si(RSij)(RSik)(RSil)、−O−Si(RSij)(RSik)(RSil)、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜20個の置換基で置換することができ;かつC1〜60アルキル、C2〜60アルケニルおよびC2〜60アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
5〜8シクロアルキルは、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、Si(RSij)(RSik)(RSil)、−O−Si(RSij)(RSik)(RSil)、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;かつC5〜8シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はO、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、Si(RSij)(RSik)(RSil)、−O−Si(RSij)(RSik)(RSil)、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルからなる群から独立して選択され、
Sij、RSikおよびRSilは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、O−C1〜30アルキル、O−C2〜30アルケニル、O−C2〜30アルキニル、O−C5〜6シクロアルキル、O−C6〜10アリール、O−5〜10員ヘテロアリール、−[O−SiRSimSin−RSio、NR、ハロゲン、およびO−C(O)−Rからなる群から独立して選択され、
ここで
qは1〜50の整数であり、
Sim、RSin、RSioは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、O−C1〜30アルキル、O−C2〜30アルケニル、O−C2〜30アルキニル、O−C5〜6シクロアルキル、O−C6〜10アリール、O−5〜10員ヘテロアリール、−[O−SiRSipSiq−RSir、NR7080、ハロゲン、およびO−C(O)−R70からなる群から独立して選択され;
ここで
rは1〜50の整数であり、
Sip、RSiq、RSirは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、O−C1〜30アルキル、O−C2〜30アルケニル、O−C2〜30アルキニル、O−C5〜6シクロアルキル、O−C6〜10アリール、O−5〜10員ヘテロアリール、O−Si(CH、NR700800、ハロゲンおよびO−C(O)−R700からなる群から独立して選択され;
、R、R70、R80、R700およびR800は、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜10個の置換基で置換することができ、
は、各場合においてC1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリール、5〜20員ヘテロアリール、OR21、OC(O)−R21、C(O)−OR21、C(O)−R21、NR2122、NR21−C(O)R22、C(O)−NR2122、N[C(O)R21][C(O)R22]、SR21、ハロゲン、CN、SiRSisSitSiuおよびOHからなる群から選択され、
21およびR22は、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルは、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSisSitSiuおよびNOからなる群から独立して選択される1〜10個の置換基で置換することができ;かつC1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)は、OまたはSによって置き換えることができ、
5〜12シクロアルキルは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSisSitSiuおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ;かつC5〜12シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はO、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSisSitSiuおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ、
Sis、RSitおよびRSiuは、互いに独立してH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキル、フェニルおよびO−Si(CHからなる群から選択され、
ここで
およびRはH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRはH、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ、
102、R103、R104およびR105は、独立して、各場合においてH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜12員環系は、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRはH、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができる。
【0020】
ポリアゾメチンまたはシッフ塩基ポリマーとしても知られているポリイミンは、主鎖中のイミン結合(C=N)から構成された共役ポリマーの系統であり、いくつかの光電子用途および共有有機骨格の合成に使用されてきた。共役芳香族イミン結合は環境的に安定であるが、酸の触媒作用下では可逆的である。本発明によれば、イミン結合の利点は、ポリマー汚染がなくかつポリマーコストが大幅に削減された大口径の半導体性SWNTを分離するための分解可能な共役ポリマーを設計することである。小口径のs−SWCNTと比較して、大口径のs−SWCNTは、それらのショットキー障壁が小さくかつ電流密度が高いため、電子デバイスにとってより望ましい。両方のイミンポリマーが、大口径のs−SWNTに対して高い選択性(>99%)を示していた。分離後、ラッピングポリマーは触媒量の酸で低分子に分解され、次いでリサイクルされ得るので、高純度の「クリーンな」s−SWNTを分離するための新規な低コストの手法が実証されている。
【0021】
したがって、本発明のポリマーは、r個の単位Mを含むジアミンおよびs個の単位Mを含むジアルデヒドから製造され得るか、またはr個の単位Mを含むジアミンおよびs個の単位Mを含むジアルデヒドから製造され得る。
【0022】
は、好ましくは、
【化7】
の群から選択され、
は、より好ましくは、
【化8】
の群から選択され、
は、さらにより好ましくは、
【化9】
の群から選択され、
は、最も好ましくは、
【化10】
の群から選択され、
は、
【化11-1】
【化11-2】
の群から選択され、
は、好ましくは、
【化12】
の群から選択され、
は、より好ましくは
【化13】
の群から選択され、
は、最も好ましくは
【化14】
である。
【0023】
6〜14アリーレンの例は
【化15】
である。
【0024】
5〜14員ヘテロアリーレンの例は
【化16】
である。
【0025】
ハロゲンはF、Cl、BrおよびIであり得る。
【0026】
1〜4アルキル、C1〜10アルキル、C1〜20アルキル、C1〜30アルキル、C1〜36アルキル、C1〜50アルキル、C1〜60アルキルおよびC1〜100アルキルは分枝鎖状または非分枝鎖状であり得る。C1〜4アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtertブチルである。C1〜10アルキルの例は、C1〜4アルキル、n−ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、n−(1−エチル)プロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−(2−エチル)ヘキシル、n−ノニル、およびn−デシルである。C1〜20アルキルの例は、C1〜10アルキルおよびn−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシルおよびn−イコシル(C20)である。C1〜30アルキル、C1〜36アルキル、C1〜50アルキル、C1〜60アルキルおよびC1〜100アルキルの例は、C1〜20アルキル、およびn−ドコシル(C22)、n−テトラコシル(C24)、n−ヘキサコシル(C26)、n−オクタコシル(C28)およびn−トリアコンチル(C30)である。
【0027】
2〜10アルケニル、C2〜20アルケニル、C2〜30アルケニル、C2〜60アルケニルおよびC2〜100アルケニルは、分枝鎖状または非分枝鎖状であり得る。C2〜10アルケニルの例は、ビニル、プロペニル、シス−2−ブテニル、トランス−2−ブテニル、3−ブテニル、シス−2−ペンテニル、トランス−2−ペンテニル、シス−3−ペンテニル、トランス−3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−メチル−3−ブテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニルおよびドセニルである。C2〜20アルケニルの例は、C2〜10アルケニル、およびリノレイル(C18)、リノレニル(C18)、オレイル(C18)、およびアラキドニル(C20)である。C2〜30アルケニル、C2〜60アルケニルおよびC2〜100アルケニルの例は、C2〜20アルケニルおよびエルシル(C22)である。
【0028】
2〜10アルキニル、C2〜20アルキニル、C2〜30アルキニル、C2〜60アルキニルおよびC2〜100アルキニルは分枝鎖状または非分枝鎖状であり得る。C2〜10アルキニルの例は、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニルおよびデシニルである。C2〜20アルキニル、C2〜30アルケニル、C2〜60アルキニルおよびC2〜100アルキニルの例は、C2〜10アルキニルおよびウンデシニル、ドデシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、ノナデシニルおよびイコシニル(C20)である。
【0029】
5〜6シクロアルキルの例は、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。C5〜8シクロアルキルの例は、C5〜6シクロアルキルおよびシクロヘプチルおよびシクロオクチルである。C5〜12シクロアルキルは、C5〜8シクロアルキルおよびシクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシルおよびシクロドデシルである。
【0030】
6〜10アリールの例は、フェニル、
【化17】
である。
【0031】
6〜14アリールの例は、C6〜10アリールおよび
【化18】
である。
【0032】
6〜18アリールの例は、C6〜14アリールおよび
【化19】
である。
【0033】
5〜10員ヘテロアリールは、5〜10員の単環式または多環式、例えば、二環式、三環式または四環式の環系であり、該環系は少なくとも1つの複素芳香環を含み、また非芳香族環を含んでいてもよく、=Oによって置換されていてよい。
【0034】
5〜14員ヘテロアリールは、5〜14員の単環式または多環式、例えば、二環式、三環式または四環式の環系であり、該環系は少なくとも1つの複素芳香環を含み、また非芳香族環を含んでいてもよく、=Oによって置換されていてよい。
【0035】
5〜20員ヘテロアリールは、5〜20員の単環式または多環式、例えば、二環式、三環式または四環式の環系であり、該環系は少なくとも1つの複素芳香環を含み、また非芳香族環を含んでいてもよく、=Oによって置換されていてよい。
【0036】
5〜10員ヘテロアリールの例は
【化20-1】
【化20-2】
であり;
5〜14員ヘテロアリールの例は5〜10員ヘテロアリールについて示された例および
【化21-1】
【化21-2】
であり;
5〜20員ヘテロアリールの例は5〜14員ヘテロアリールについて示された例および
【化22】
であり;
ここで
100およびR101は、独立して、各場合においてH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールからなる群から選択されるか、またはR100およびR101は、同じ原子に結合される場合、それらが結合される原子と一緒に5〜12員の環系を形成し、
ここで
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜12員の環系は、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRは、H、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができる。
【0037】
好ましくは、bおよびcは互いに独立して1、2、3または4である。より好ましくは、bおよびcは互いに独立して1、2または3である。
【0038】
好ましくは、aおよびdは互いに独立して0、1、2または3である。より好ましくは、aおよびdは互いに独立して0、1または2である。さらにより好ましくは、aおよびdは互いに独立して0または1である。最も好ましくは、aおよびdは0である。
【0039】
好ましくは、nは0、1または2であり、かつmは0、1または2である。より好ましくは、nは0または1であり、かつmは0、1または2である。最も好ましくは、nは0であり、かつmは0、1または2である。
【0040】
好ましくは、Rは、各場合においてH、C1〜100アルキル、C2〜100アルケニル、C2〜100アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリール、および5〜20員ヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで
1〜100アルキル、C2〜100アルケニルおよびC2〜100アルキニルは、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR−C(O)R、C(O)−NR、SR、Si(RSia)(RSib)(RSic)、−O−Si(RSia)(RSib)(RSic)、ハロゲンおよびCNからなる群から独立して選択される1〜40個の置換基で置換することができ;かつC1〜100アルキル、C2〜100アルケニルおよびC2〜100アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
5〜12シクロアルキルは、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR−C(O)R、C(O)−NR、SR、Si(RSia)(RSib)(RSic)、−O−Si(RSia)(RSib)(RSic)、ハロゲン、およびCNからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ;かつC5〜12シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はO、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールは、C1〜60−アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR−C(O)R、C(O)−NR、SR、Si(RSia)(RSib)(RSic)、−O−Si(RSia)(RSib)(RSic)、ハロゲン、およびCNからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ、
ここで
およびRは、H、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
Sia、RSibおよびRSicは、H、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、O−C1〜60アルキル、O−C2〜60アルケニル、O−C2〜60アルキニル、O−C5〜8シクロアルキル、−[O−SiRSidSie−RSifからなる群から独立して選択され、
ここで
oは1〜50の整数であり、
Sid、RSieおよびRSifは、H、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、−[O−SiRSigSih−RSiiからなる群から独立して選択され、
ここで
pは1〜50の整数であり、
Sig、RSihおよびRSiiは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、O−Si(CHからなる群から独立して選択され、
、R、R50、R60、R500およびR600は、H、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜60アルキル、C2〜60アルケニルおよびC2〜60アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR−C(O)R、C(O)−NR、SR、Si(RSij)(RSik)(RSil)、−O−Si(RSij)(RSik)(RSil)、ハロゲン、およびCNからなる群から選択される1〜20個の置換基で置換することができ;かつC1〜60アルキル、C2〜60アルケニルおよびC2〜60アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
5〜8シクロアルキルは、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR−C(O)R、C(O)−NR、SR、Si(RSij)(RSik)(RSil)、−O−Si(RSij)(RSik)(RSil)、ハロゲン、およびCNからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;かつC5〜8シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はO、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR−C(O)R、C(O)−NR、SR、Si(RSij)(RSik)(RSil)、−O−Si(RSij)(RSik)(RSil)、ハロゲンおよびCNからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルからなる群から独立して選択され、
Sij、RSikおよびRSilは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、−[O−SiRSimSin−RSioからなる群から独立して選択され、
ここで
qは1〜50の整数であり、
Sim、RSin、RSioは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、O−C1〜30アルキル、O−C2〜30アルケニル、O−C2〜30アルキニル、O−C5〜6シクロアルキル、O−C6〜10アリール、O−5〜10員ヘテロアリール、−[O−SiRSipSiq−RSir、NR7080、ハロゲン、およびO−C(O)−R70からなる群から独立して選択され;
ここで
rは1〜50の整数であり、
Sip、RSiq、RSirは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、O−C1〜30アルキル、O−C2〜30アルケニル、O−C2〜30アルキニル、O−C5〜6シクロアルキル、O−C6〜10アリール、O−5〜10員ヘテロアリール、O−Si(CH、NR700800、ハロゲンおよびO−C(O)−R700からなる群から独立して選択され;
、R、R70、R80、R700およびR800は、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルは、ハロゲンおよびCNからなる群から選択される1〜10個の置換基で置換することができる。
【0041】
より好ましくは、Rは、各場合においてC1〜100アルキル、C2〜100アルケニルおよびC2〜100アルキニルからなる群から選択され、
ここで
1〜100アルキル、C2〜100アルケニルおよびC2〜100アルキニルは、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR−C(O)R、C(O)−NR、SR、Si(RSia)(RSib)(RSic)、−O−Si(RSia)(RSib)(RSic)、ハロゲンおよびCNからなる群から独立して選択される1〜40個の置換基で置換することができ;かつC1〜100アルキル、C2〜100アルケニルおよびC2〜100アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
ここで
およびRは、H、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
Sia、RSibおよびRSicはH、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、−[O−SiRSidSie−RSifからなる群から独立して選択され、
ここで
oは1〜50の整数であり、
Sid、RSieおよびRSifは、H、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、−[O−SiRSigSih−RSiiからなる群から独立して選択され、
ここで
pは1〜50の整数であり、
Sig、RSih、RSiiは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、O−Si(CHからなる群から独立して選択され、
、R、R50、R60、R500およびR600は、H、C1〜60アルキル、C2〜60アルケニル、C2〜60アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜60アルキル、C2〜60アルケニルおよびC2〜60アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR−C(O)R、C(O)−NR、SR、Si(RSij)(RSik)(RSil)、−O−Si(RSij)(RSik)(RSil)、ハロゲン、およびCNからなる群から選択される1〜20個の置換基で置換することができ;かつC1〜60アルキル、C2〜60アルケニルおよびC2〜60アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
5〜8シクロアルキルは、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR−C(O)R、C(O)−NR、SR、Si(RSij)(RSik)(RSil)、−O−Si(RSij)(RSik)(RSil)、ハロゲンおよびCNからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;かつC5〜8シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はO、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR−C(O)R、C(O)−NR、SR、Si(RSij)(RSik)(RSil)、−O−Si(RSij)(RSik)(RSil)、ハロゲンおよびCNからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルからなる群から独立して選択され、
Sij、RSikおよびRSilは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、−[O−SiRSimSin−RSioからなる群から独立して選択され、
ここで
qは1〜50の整数であり、
Sim、RSin、RSioは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、−[O−SiRSipSiq−RSirからなる群から独立して選択され、
ここで
rは1〜50の整数であり、
Sip、RSiq、RSirは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、O−Si(CHからなる群から独立して選択され、
、R、R70、R80、R700およびR800は、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルは、ハロゲンおよびCNからなる群から選択される1〜10個の置換基で置換することができ、
【0042】
さらにより好ましくは、Rは、各場合においてC1〜50アルキル、C2〜50アルケニルおよびC2〜50アルキニルからなる群から選択され、
ここで
1〜50アルキル、C2〜50アルケニルおよびC2〜50アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、SR、Si(RSia)(RSib)(RSic)、−O−Si(RSia)(RSib)(RSic)、ハロゲン、およびCNからなる群から独立して選択される1〜20個の置換基で置換することができ;かつC1〜50アルキル、C2〜50アルケニルおよびC2〜50アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
ここで
およびRは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキルおよびC6〜10アリールからなる群から独立して選択され、
Sia、RSibおよびRSicはH、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、−[O−SiRSidSie−RSifからなる群から独立して選択され、
ここで
oは1〜50の整数であり、
Sid、RSie、RSifは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、−[O−SiRSigSih−RSiiからなる群から独立して選択され、
ここで
pは1〜50の整数であり、
Sig、RSih、RSiiは、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、O−Si(CHからなる群から独立して選択され、
、R、R50、R60、R500およびR600は、H、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルは、ハロゲンおよびCNからなる群から選択される1〜10個の置換基で置換することができる。
【0043】
最も好ましくは、Rは、各場合においてC1〜36アルキル、C2〜36アルケニルおよびC2〜36アルキニルからなる群から選択され、
ここで
1〜36アルキル、C2〜36アルケニルおよびC2〜36アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、SR、Si(RSia)(RSib)(RSic)、−O−Si(RSia)(RSib)(RSic)、ハロゲン、およびCNからなる群から独立して選択される1〜20個の置換基で置換することができ;かつC1〜36アルキル、C2〜36アルケニルおよびC2〜36アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
ここで
およびRは、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキルおよびC6〜10アリールからなる群から独立して選択され、
Sia、RSibおよびRSicは、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、−[O−SiRSidSie−RSifからなる群から独立して選択され、
ここで、
oは1〜50の整数であり、
Sid、RSie、RSifは、H、C1〜30アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、−[O−SiRSigSih−RSiiからなる群から独立して選択され、
ここで
pは1〜50の整数であり、
Sig、RSih、RSiiは、H、C1〜30アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、O−Si(CHからなる群から独立して選択され、
、R、R50、R60、R500およびR600は、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、ハロゲンおよびCNからなる群から選択される1〜10個の置換基で置換することができる。
【0044】
特に、Rは、各場合において非置換のC1〜36アルキルである。
【0045】
好ましくは、LおよびLは、互いに独立して、各場合においてC6〜18アリーレン、5〜20員ヘテロアリーレン、および
【化23】
からなる群から選択され、
ここで
6〜18アリーレンおよび5〜20員ヘテロアリーレンは、各場合においてC1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリール、OR31、OC(O)−R31、C(O)−OR31、C(O)−R31、NR3132、NR31−C(O)R32、C(O)−NR3132、SR31、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびOHからなる群から選択される1〜6個の置換基Rで置換することができ、
ここで
【化24】
は各場合においてC1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリール、C(O)−R41、C(O)−NR4142、C(O)−OR41およびCNからなる群から選択される1つまたは2つの置換基Rで置換することができ、
ここで
31、R32、R41およびR42は、互いに独立して各場合においてH、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで
1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルは、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびNOからなる群から独立して選択される1〜10個の置換基で置換することができ;かつC1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
5〜12シクロアルキルは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ;かつC5〜12シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)は、O、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ、
ここで
Siv、RSiw、RSixは、互いに独立して、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキル、フェニルおよびO−Si(CHからなる群から選択され、
およびRは、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRはH、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ、
【0046】
より好ましくは、LおよびLは、互いに独立して、各場合において5〜20員ヘテロアリーレン、および
【化25】
からなる群から選択され、
ここで
5〜20員ヘテロアリーレンは、各場合においてC1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリール、OR31、OC(O)−R31、C(O)−OR31、C(O)−R31、NR3132、NR31−C(O)R32、C(O)−NR3132、SR31、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびOHからなる群から選択される1〜6個の置換基Rで置換することができ、
ここで
【化26】
は各場合においてC1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリール、C(O)−R41、C(O)−NR4142、C(O)−OR41およびCNからなる群から選択される1つまたは2つの置換基Rで置換することができ、
ここで
31、R32、R41およびR42は、互いに独立して各場合においてH、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで
1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルは、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびNOからなる群から独立して選択される1〜10個の置換基で置換することができ;かつC1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
5〜12シクロアルキルは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ;かつC5〜12シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)は、O、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSivSiwSixおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ、
ここで
Siv、RSiw、RSixは、互いに独立して、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキル、フェニルおよびO−Si(CHからなる群から選択され、
およびRは、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRはH、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができる。
【0047】
より好ましくは、LおよびLは、互いに独立して、各場合において5〜20員ヘテロアリーレン、および
【化27】
からなる群から選択され、
ここで、5〜20員ヘテロアリーレンは
【化28】
からなる群から選択され、
ここで
104およびR105は、独立して、各場合においてH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールからなる群から選択されるか、またはR104およびR105は、同じ原子に結合される場合、それらが結合される原子と一緒に5〜12員の環系を形成し、
ここで
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜12員環系は、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRはH、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ、
ここで
5〜20員ヘテロアリーレンは、各場合においてC1〜30アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1〜4個の置換基Rで置換することができ、
ここで
【化29】
は、各場合においてC1〜30アルキル、C(O)−R41、C(O)−OR41およびCNからなる群から選択される1つまたは2つの置換基Rで置換することができ、
ここで
41は各場合においてC1〜30アルキルである。
【0048】
さらにより一層好ましくは、LおよびLは、互いに独立して、各場合において5〜20員ヘテロアリーレン、および
【化30】
からなる群から選択され、
ここで
5〜20員ヘテロアリーレンは、
【化31】
からなる群から選択され、
ここで
104およびR105は、独立して、各場合においてHおよびC1〜20アルキルからなる群から選択され、
ここで
5〜20員ヘテロアリーレンは、各場合においてC1〜30アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1〜4個の置換基Rで置換することができ、
ここで
【化32】
は非置換である。
【0049】
最も好ましくは、LおよびLは、互いに独立して、各場合において5〜20員ヘテロアリーレン、および
【化33】
からなる群から選択され、
ここで、5〜20員ヘテロアリーレンは
【化34】
であり、
ここで
5〜20員ヘテロアリーレンは非置換であり、
ここで
【化35】
は非置換である。
【0050】
特に、LおよびLは、互いに独立して、各場合において5〜20員ヘテロアリーレンであり、ここで、5〜20員ヘテロアリーレンは
【化36】
であり、
ここで
5〜20員ヘテロアリーレンは非置換である。
【0051】
好ましくは、LおよびLは、互いに独立して各場合においてC6〜18アリーレンおよび5〜20員ヘテロアリーレンからなる群から選択され、
ここで
6〜18アリーレンおよび5〜20員ヘテロアリーレンは、各場合においてC1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリール、OR91、OC(O)−R91、C(O)−OR91、C(O)−R91、NR9192、NR91−C(O)R92、C(O)−NR9192、SR91、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびOHからなる群から選択される1〜6個の置換基Rで置換することができ、
ここで
91およびR92は、互いに独立して、各場合においてH、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで
1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルは、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびNOからなる群から独立して選択される1〜10個の置換基で置換することができ;かつC1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
5〜12シクロアルキルは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ;かつC5〜12シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)は、O、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ、
Siy、RSiz、RSiaaは、互いに独立して、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキル、フェニルおよびO−Si(CHからなる群から選択され、
ここで
およびRは、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRはH、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができる。
【0052】
より好ましくは、LおよびLは、互いに独立して各場合において5〜20員ヘテロアリーレンであり、
ここで
5〜20員ヘテロアリーレンは、各場合においてC1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリール、OR91、OC(O)−R91、C(O)−OR91、C(O)−R91、NR9192、NR91−C(O)R92、C(O)−NR9192、SR91、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびOHからなる群から選択される1〜6個の置換基Rで置換することができ、
ここで
91およびR92は、互いに独立して、各場合においてH、C1〜30アルキル、C2〜30アルケニル、C2〜30アルキニル、C5〜12シクロアルキル、C6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールからなる群から選択され、
1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルは、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびNOからなる群から独立して選択される1〜10個の置換基で置換することができ;かつC1〜30アルキル、C2〜30アルケニルおよびC2〜30アルキニルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
5〜12シクロアルキルは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ;かつC5〜12シクロアルキルの1つまたは2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)は、O、S、OC(O)、CO、NRまたはNR−COによって置き換えることができ、
6〜18アリールおよび5〜20員ヘテロアリールは、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSiySizSiaaおよびNOからなる群から独立して選択される1〜6個の置換基で置換することができ、
Siy、RSiz、RSiaaは、互いに独立して、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキル、フェニルおよびO−Si(CHからなる群から独立して選択され、
ここで
およびRは、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRはH、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができる。
【0053】
さらにより好ましくは、LおよびLは、互いに独立して各場合において5〜20員ヘテロアリーレンであり、ここで、5〜20員ヘテロアリーレンは
【化37】
からなる群から選択され、
ここで
104およびR105は、独立して、各場合においてH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールからなる群から選択されるか、またはR104およびR105は、同じ原子に結合される場合、それらが結合される原子と一緒に5〜12員の環系を形成し、
ここで
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜12員環系は、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRは、H、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ、
ここで
5〜20員ヘテロアリーレンは、各場合においてC1〜30アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1〜3個の置換基Rで置換することができる。
【0054】
最も好ましくは、LおよびLは、互いに独立して各場合において5〜20員ヘテロアリーレンであり、
ここで、5〜20員ヘテロアリーレンは
【化38】
からなる群から選択され、
ここで
5〜20員ヘテロアリーレンは、各場合においてC1〜30アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される1個の置換基Rで置換することができる。
【0055】
特に、LおよびLは、互いに独立して各場合において5〜20員ヘテロアリーレンであり、
ここで、5〜20員ヘテロアリーレンは
【化39】
であり、
ここで
5〜20員ヘテロアリーレンは非置換である。
【0056】
好ましくは、Aは
【化40】
からなる群から選択され、
ここで
Xは各場合においてO、SまたはNRであり、かつ
A1、A2、A3およびA4は1〜3個の置換基Rで置換することができる。
【0057】
より好ましくは、Aは
【化41】
であり、
ここで
Xは各場合においてSまたはNRであり、かつ
A1およびA4は1〜3個の置換基Rで置換することができる。
【0058】
最も好ましくは、Aは
【化42】
であり、
ここで
A4は非置換である。
【0059】
好ましくは、Bは
【化43】
からなる群から選択され、
ここで
Xは各場合においてO、SまたはNRであり、かつ
B1、B2、B3およびB4は1〜3個の置換基Rで置換することができる。
【0060】
より好ましくは、Bは
【化44】
であり、
ここで
Xは各場合においてSまたはNRであり、かつ
B1およびB4は1〜3個の置換基Rで置換することができる。
【0061】
最も好ましくは、Bは
【化45】
であり、
ここで
B4は非置換である。
【0062】
好ましくは、Rは、各場合においてC1〜30アルキルおよびハロゲンからなる群から選択され、
ここで
1〜30アルキルは、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリール、5〜14員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、SiRSisSitSiuおよびNOからなる群から独立して選択される1〜10個の置換基で置換することができ;かつC1〜30アルキルの少なくとも2つのCH基(ただし、隣接するCH基ではない)はOまたはSによって置き換えることができ、
ここで
Sis、RSitおよびRSiuは、互いに独立してH、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜6シクロアルキル、フェニルおよびO−Si(CHからなる群から選択され、
およびRは、H、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C5〜8シクロアルキル、C6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、
1〜20アルキル、C2〜20アルケニルおよびC2〜20アルキニルは、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
5〜8シクロアルキルは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
6〜14アリールおよび5〜14員ヘテロアリールは、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C5〜6シクロアルキル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、OR、OC(O)−R、C(O)−OR、C(O)−R、NR、NR−C(O)R、C(O)−NR、N[C(O)R][C(O)R]、SR、ハロゲン、CN、およびNOからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換することができ;
ここで
およびRは、H、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルからなる群から独立して選択され、
ここで
1〜10アルキル、C2〜10アルケニルおよびC2〜10アルキニルは、ハロゲン、CNおよびNOからなる群から選択される1〜5個の置換基で置換することができる。
【0063】
より好ましくは、Rは、各場合において非置換のC1〜30アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される。
【0064】
最も好ましくは、MまたはMは置換基Rによって置換されていない。
【0065】
アルケニル置換基またはアルキニル置換基がO原子、N原子またはS原子に結合しているすべての場合において、二重結合または三重結合は好ましくはヘテロ原子に直接結合していない。
【0066】
アルケニル置換基またはアルキニル置換基がO原子、N原子またはS原子に結合しているすべての場合において、アルケニル置換基またはアルキニル置換基は、好ましくは少なくともCアルケニル部分またはCアルキニル部分である。
【0067】
本発明のポリマーは、r個の単位Mを含むジアミンとs個の単位Mを含むジアルデヒドとの直接縮合またはr個の単位Mを含むジアルデヒドとs個の単位Mを含むジアミンとの直接縮合によって製造することができる。本発明のポリマーは、貴金属触媒を用いず、さらに有毒なリン配位子を用いずに合成することができる。
【0068】
また、本発明は、モノマー(1a)を、モノマー(2a)と反応させる工程
【化46】
またはモノマー(1b)を、モノマー(2b)と反応させる工程
【化47】
を含む、本発明の分解性ポリマーの製造方法を提供する。
【0069】
本発明はまた、
(i)半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの混合物Aを準備する工程;
(ii)半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとを含有する混合物Aを、分散剤として本発明の分解性ポリマーを用いて溶媒に分散させて、溶媒中の半導体性単層カーボンナノチューブの分散液Bを得る工程、前記分散液はさらに金属性単層カーボンナノチューブを含有する;
(iii)溶媒中の半導体性単層カーボンナノチューブの分散液Bから金属性単層カーボンナノチューブを分離し、溶媒中の半導体性単層カーボンナノチューブの濃縮分散液Cを得る工程;
(iv)溶媒中の半導体性単層カーボンナノチューブの分散液Cにおいて本発明のポリマーを加水分解により分解する工程;
(v)溶媒と分解されたポリマーとを含む溶液Dから半導体性単層カーボンナノチューブを分離する工程
を含む、半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの混合物から半導体性単層カーボンナノチューブを分離する方法を提供する。
【0070】
本発明はさらに工程(i)〜(v)を含む、半導体性単層カーボンナノチューブの製造方法も提供する。
【0071】
別の実施形態では、本発明はまた、工程(i)〜(iii)を含む、半導体性単層カーボンナノチューブの製造方法も提供する。
【0072】
溶媒はハロゲン化または非ハロゲン化、芳香族または非芳香族、複素芳香族または非複素芳香族であり得る。
【0073】
適切な溶媒は、例えば、好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニルおよびこれらの混合物からなる群から選択される芳香族溶媒であり、これらのベンゼン、ナフタレンおよびビフェニルは、ハロゲン、C1〜20アルキルからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基で置換することができ、ここでC1〜20アルキルは1つ以上のハロゲンで置換することができる。ナフタレンおよびビフェニルは、好ましくは、それらの融点を上回る温度でそれらの液体の形で使用される。
【0074】
芳香族溶媒の例は、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン)、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン(オルト−ジクロロベンゼン)、1,3−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、インダン、テトラリン、メトキシベンゼン(アニソール)、エチルベンゼン、1,2−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、プロピル−ベンゼン、ブチル−ベンゼン、tert−ブチル−ベンゼン、イソプロピルベンゼン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレンおよび1−クロロナフタレンである。
【0075】
適切な溶媒はまた、好ましくは、チオフェン、フラン、ピリジン、ピロール、ピリミジンおよびそれらの混合物からなる群から選択される複素芳香族溶媒であり、このチオフェン、フラン、ピリジン、ピロールおよびピリミジンは、ハロゲンおよびC1〜20アルキルからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基で置換することができ、ここでC1〜20アルキルは1つ以上のハロゲンで置換することができる。
【0076】
複素芳香族溶媒の例は、チオフェン、2−メチル−チオフェン、3−メチル−チオフェン、ピリジン、2−メチル−ピリジン、3−メチル−ピリジン、4−メチル−ピリジン、2,4−ジメチル−ピリジンおよび2,4,6−トリメチルピリジンである。
【0077】
特に、溶媒はトルエン、またはトルエンを含む混合物である。
【0078】
好ましくは、半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの混合物Aは、半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの質量の合計を基準として、20〜95質量%の半導体性単層カーボンナノチューブと80〜5質量%の金属性単層カーボンナノチューブとを含有する。
【0079】
より好ましくは、混合物Aは、半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの質量の合計を基準として、30〜95質量%の半導体性単層カーボンナノチューブと70〜5質量%の金属性単層カーボンナノチューブとを含有する。
【0080】
さらにより好ましくは、混合物Aは、半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの質量の合計を基準として、40〜95質量%の半導体性単層カーボンナノチューブと60〜5質量%の金属性単層カーボンナノチューブとを含有する。
【0081】
好ましくは、混合物A中の半導体性単層カーボンナノチューブおよび金属性単層カーボンナノチューブの直径は、0.5〜5nmの範囲にある。より好ましくは、混合物中の半導体性単層カーボンナノチューブおよび金属性単層カーボンナノチューブの直径は、0.8〜2.5nmの範囲にある。最も好ましくは、混合物中の半導体性単層カーボンナノチューブおよび金属性単層カーボンナノチューブの直径は、1.0〜2.0nmの範囲にある。
【0082】
好ましくは、分散液B中の半導体性単層カーボンナノチューブおよび金属性単層カーボンナノチューブの濃度は、0.001〜20質量%の範囲にあり、より好ましくは、0.001〜10質量%の範囲にあり、さらにより好ましくは、0.001〜5質量%の範囲にあり、さらに一層好ましくは0.001〜1質量%の範囲にあり、最も好ましくは0.01〜1質量%の範囲にある。
【0083】
好ましくは、分散液B中の本発明の半導体性単層カーボンナノチューブ/ポリマーおよび金属性単層カーボンナノチューブ/ポリマーの合計の質量比は、0.01/1〜10/1の範囲にあり、好ましくは0.05/1〜5/1の範囲にあり、より好ましくは0.25/1〜3/1の範囲にある。
【0084】
半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの混合物Aは、アーク放電、レーザーアブレーション、プラズマトーチプロセスまたは炭素含有分子の触媒分解(CVD)などの当該技術分野で知られている方法によって調製され得る。
【0085】
好ましくは、半導体性単層カーボンナノチューブと金属性単層カーボンナノチューブとの混合物Aは、アーク放電およびプラズマトーチプロセスによって調製される。
【0086】
通常、溶媒中の半導体性単層カーボンナノチューブの分散液Bは、工程(ii)において超音波処理により調製される。
【0087】
好ましくは、金属性単層カーボンナノチューブは、工程(iii)において、溶媒中の半導体性単層カーボンナノチューブの分散液Bから遠心分離プロセスによって分離される。好ましくは、遠心分離プロセスで使用される角速度は、100〜100,000gの範囲のg値、より好ましくは500〜50000gの範囲のg値、さらにより好ましくは1000〜50000gの範囲のg値に関係する。最も好ましくは、遠心分離プロセスで使用されるg値は、4000〜30000gの範囲にある。
【0088】
マイクロ遠心分離機、高速遠心分離機および超遠心分離機などの適切なタイプの遠心分離機が、遠心分離プロセスにおいて使用され得る。好ましくは、高速遠心分離機が使用される。
【0089】
通常、遠心分離プロセスは、0℃〜100℃、より好ましくは0℃〜50℃、さらにより好ましくは0℃〜30℃、最も好ましくは5℃〜20℃、特に10℃〜20℃の温度で行われる。
【0090】
好ましくは、遠心分離プロセスの後に上澄み液を回収し、溶媒中の半導体性単層カーボンナノチューブの分散液Cを得て、これを任意でさらなる溶媒を用いて希釈することができる。
【0091】
好ましくは、分散液C中の半導体性単層カーボンナノチューブの濃度は、0.0001〜10質量%の範囲にあり、より好ましくは0.001〜10質量%の範囲にあり、最も好ましくは0.001〜1質量%の範囲にある。
【0092】
分散液C中の本発明のポリマーは、一般に酸性条件下で、触媒量の酸を添加することによる加水分解により分解する。適切な酸は、トリフルオロ酢酸(TFA)、酢酸、p−トルエンスルホン酸(pTsOH)、HCl、HSO、HNOである。
【0093】
工程(iv)における加水分解は、0℃〜200℃、より好ましくは0℃〜100℃、さらにより好ましくは20℃〜80℃、特に室温で行われる。
【0094】
好ましくは、工程(iv)における分解性ポリマーの加水分解は、超音波処理および加熱によって補助される。
【0095】
好ましくは、半導体性単層カーボンナノチューブは、工程(v)において溶媒および分解されたポリマーを含む溶液Dから遠心分離プロセスによって分離される。遠心分離の条件は、工程(iii)について上記した通りである。
【0096】
溶液Dはモノマーを含有し、このモノマーから本発明のポリマーが製造される。任意のさらなる工程(vi)では、ポリマーの再合成のための純粋なモノマーを得るために、モノマーが、好ましくはフラッシュカラムクロマトグラフィーにより溶液Dから単離される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図1図1は、PDPP−PD(損失5%、404℃)およびPFPD(損失5%、400℃)の熱重量分析(TGA)を示す。
図2図2は、酸の触媒作用下でのポリマーの分解を示す。
図3図3は、同じ条件(ポリマー/SWNT比=1:1)下で様々な純度のSWNTを使用する場合の比較を示す。
図4図4は、(a)様々なポリマー濃度(ポリマー/SWNT比は1:1である)を使用するPF−PDによって分散された未処理SWNT(純度30%)の吸収スペクトル、(b)様々なポリマー/SWNT濃度に対する収率およびφ値のプロットを示す。
図5図5は、(a)トルエン中での種々のポリマー/SWNT比でPDPP−PDにより分散されたSWNTの吸収スペクトル、(b)様々なポリマー/SWNT比に対するPDPP−PD選別SWNT薄膜の正規化吸収スペクトルを示す。
図6図6は、PF−PDおよびPDPP−PDにより分散したs−SWNTと、Nanointegrisから商業的に入手できる純度99.9%のs−SWNTとの純度比較を示す。
図7図7は、元のSWNTのラマンスペクトルならびに(a)532nmおよび(b)638nmのレーザーを用いて励起されたポリマーPF−PDにより選別されたSWNTのラマンスペクトルを示す。
図8図8は、元のSWNTのラマンスペクトルならびに(a)785nm、(b)532nmおよび(c)638nmのレーザーを用いて励起されたポリマーPDPP−PDにより選別されたSWNTのラマンスペクトルを示す。
図9図9は、分散液にモノマーを使用する溶液の吸収スペクトルを示す。
図10図10は、PF−PDを用いたs−SWNTの選択的な分散および放出を示す。
図11図11は、(a)原子間力顕微鏡(AFM)画像、および(b)典型的なTFTデバイスの伝達特性を示す。
【0098】
実施例
1.ポリマーの合成および特性決定
材料および一般的な方法
試薬および出発材料はすべて市販の供給源を購入し、さらに精製することなく使用した。熱重量分析(TGA)を、窒素流(20mL/分)下で、10℃/分の加熱速度で、Mettler Toledo TGA/SDTA 851eを用いて行った。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を用いて、180℃の高温で、Tosoh High−temperature EcoSEC(RI検出器)にて行った。化合物1を文献の手順に従って調製した。2をシグマアルドリッチ社(Sigma-Aldrich)から購入した。
【化48】
スキーム1 分解性ポリマーの合成
【0099】
クロスカップリング反応(例えば、鈴木またはスティルカップリング)で合成された従来の共役ポリマーと比較して、本発明のポリマーは、貴金属触媒および有毒なリン配位子を用いずに合成することができる。したがって、本発明の分解性ポリマーはより安価でかつより環境にやさしい。イミン結合は周囲条件で環境的に安定しており、ポリマーの分解は6ヶ月の保存期間にわたり見られなかった。両方のポリマーとも、400℃を超える分解温度で優れた熱安定性を示す(図1)。
【0100】
図1は、PDPP−PD(損失5%、404℃)およびPFPD(損失5%、400℃)の熱重量分析(TGA)を示す。
【0101】
実施例1
9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジカルバルデヒド(F−CHO):100mLの丸底フラスコに化合物1(3g、4.54ミリモル)およびエチルエーテル(40mL)を加えた。n−BuLi(2.5M、4.54mL、11.4ミリモル)を−78℃で加えた。−78℃で30分間撹拌した後、無水DMF(1.16g、15.9ミリモル)を−78℃で滴加した。混合物を室温まで温めて1時間撹拌した。次に、混合物をHCl(50mL、1Mの水溶液)でクエンチした。水層をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を蒸留水で洗い、無水NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、残渣を、シリカクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/ジクロロメタン=4/1〜1/1)により精製してF−CHOをオフホワイトの固形物として得た。収率:2.23g(88%)
【数1】
【0102】
実施例2
5,5’−(2,5−ビス(2−オクチルドデシル)−3,6−ジオキソ−2,3,5,6−テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジイル)ビス(チオフェン−2−カルバルデヒド)(DPP−CHO):100mLの丸底フラスコに、ジイソプロピルアミン(0.98mL、6.96ミリモル)およびTHF(50mL)を加えた。n−BuLi(1.6M、2.9mL、4.64ミリモル)を加え、0℃で30分間撹拌して、新しいリチウムジイソプロピルアミド(LDA)を調製した。次に化合物2(1.0g、1.16ミリモル)を−78℃でフラスコに滴加した。−78℃で30分間撹拌した後、無水DMF(0.46mL、6.96ミリモル)を−78℃で滴加した。混合物を室温まで温めて1時間撹拌した。次に、混合物を20mLの水でクエンチした。水層をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を蒸留水で洗い、無水NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、残渣を、シリカクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1〜10/1)により精製してDPP−CHOを暗赤色の固形物として得た。収率:0.82g(77%)
【数2】
【0103】
実施例3
PF−PDの重合:シュレンク管(100mL)に、F−CHO(800mg、1.43ミリモル)、p−フェニレンジアミン(154.8mg、1.43ミリモル)、p−トルエンスルホン酸(PTSA)(13.6mg、0.0715ミリモル、5モル%)、無水CaCl(200mg)および無水トルエン(50mL)を窒素雰囲気下で加えた。この管を次に窒素雰囲気下で密封した。混合物を110℃で48時間撹拌した。完了後、無水KCO(20mg)を加え、混合物を110℃で30分間撹拌した。次に、混合物をナイロンフィルターでろ過し、乾燥剤および不溶性塩を除去した。ろ液中の溶媒を除去した後、ポリマーを回収して黄色の固形物を得た(890mg、収率99%)。
【数3】
【0104】
実施例4
PDPP−PDの重合:シュレンク管(100mL)に、DPP−CHO(250mg、0.273ミリモル)、p−フェニレンジアミン(29.5mg、0.273ミリモル)、p−トルエンスルホン酸(PTSA)(2.6mg、0.014ミリモル、5モル%)、無水CaCl(100mg、乾燥剤)および無水トルエン(30mL)を窒素雰囲気下で加えた。この管を次に窒素雰囲気下で密封した。混合物を110℃で48時間撹拌した。完了後、無水KCO(10mg)を加え、混合物を110℃で30分間撹拌した。次に、混合物をナイロンフィルターでろ過し、乾燥剤および不溶性塩を除去した。ろ液中の溶媒を除去した後、ソックスレー抽出を、無水アセトンで2時間、ヘキサンで2時間行うことによりポリマーを精製し、これを最終的にクロロホルムで回収した。このクロロホルム画分を次に蒸発させて溶媒を除去し、暗緑色の固形物を得た(213mg、収率79%)。
【数4】
【0105】
2.酸性条件下でのポリマーの分解
実施例5
ポリマーの分解プロセスを調べるために、THF中でポリマー溶液を調製し、少量のトリフルオロ酢酸(TFA)および脱イオン水の液滴を加えた後、UV−Vis−NIR分光法(Cary 6000i分光光度計、Varian)によりそれらの分解プロセスをモニターした。分解はトルエン中で行うこともできるが、トルエン中では水の溶解性が低いため、分解反応を促進するための超音波処理(浴音波処理器)が必要である。
【0106】
図2a、bは、酸の触媒作用下でのポリマーの分解を示す。少量のトリフルオロ酢酸(TFA)および一滴の水を加えた後の(a)PF−PDおよび(b)PDPP−PDの吸収スペクトルの変化。
【0107】
図2a、bは、ポリマーPF−PDおよびPDPP−PD、それぞれの、酸性条件下にて室温での分解プロセスを示す。両方のポリマーは、触媒量の酸の下でモノマーに分解され得る。完全に分解した後、それらの吸収スペクトルはそれらのモノマーとほぼ同一であった。PF−PDは、通常、数分以内に速く分解するが、PDPP−PDはかなり遅く分解する。ポリマー溶液の超音波処理または加熱が分解プロセスを加速させ得ることが判明した。例えば、PDPP−PDの分解は、50℃の浴超音波処理器を用いて30分以内に完了させることができる。
【0108】
3.選択的分散およびSWNTの特性決定
プラズマ成長したSWNTを用いるポリマーPF−PDのための一般的な選別手順:
実施例6
5mgのPF−PDおよび5mgのプラズマ成長したSWNT(Raymor Nano−techから入手したRN−020、30%のSWNTを含む)を25mLのトルエン中で混合し、振幅レベル50%(コールパーマー超音波装置750W)で30分間超音波処理した。この溶液を次いで16℃で、17000rpm(22000g)で、30分間遠心分離した。上清を回収して、最終的な選別s−SWNT溶液を得た。
【0109】
PF−PDの吸収スペクトルは金属性SWNTの吸収と重ならない。したがって、分散濃度および選択性の両方をUV−Vis−NIR測定によって評価することができる。
【0110】
アーク放電したSWNTを用いるPDPP−PDの一般的な選別手順:
実施例7
5mgのPDPP−PDおよび10mgのアーク放電したSWNT(カーボンソリューション社(Carbon Solutions, Inc.)から購入したP2−SWNT、約65%のSWNTを含む)を25mLのトルエン中で混合し、振幅レベル70%(コールパーマー超音波装置750W)で30分間超音波処理した。この混合物を次いで16℃で、17000rpmで、30分間遠心分離した。上清(80%)を回収して、最終的な選別SWNT溶液を得た。
【0111】
分散液の濃度を、バックグラウンドとしてトルエンを入れた長さ1cmの石英セルを用いて、UV−Vis−NIR測定により評価した。選択性を決定するために、ガラス基板上に上清をドロップキャストし、フィルムをAr下にて500℃で1時間アニールしてラッピングポリマーを除去することにより、この基板上にSWNTフィルムを作製した。
【0112】
ポリマーの除去およびリサイクルの一般的な手順:
実施例8
ラッピングポリマーを分解するために、少量のTFA(10uL)および数滴の水を選別SWNT溶液に加えた。この溶液を0.5〜1時間にわたり浴超音波処理して加水分解反応を完了させた。SWNT沈降物がポリマー分解後に形成された。次に、この溶液を17000rpmで5分間遠心分離してSWNTを沈降させた。上清を回収した後、アセトン20mLを加えた。この混合物を、浴超音波器で10分間超音波処理し、再び遠心分離してSWNTの沈降物を洗った。洗浄工程を2回繰り返す。次にs−SWNT沈降物をろ過により回収した。
【0113】
ポリマー選別において生成した沈降物は、アモルファスカーボン、met−SWNTおよび未分散s−SWNTを含み、かなりの量のポリマーを吸収した。これらのポリマーをリサイクルするために、20mLのTHFを沈降物に加えた。混合物を浴音波処理器で10分間超音波処理し、17000rpmで15分間遠心分離してSWNT沈降物を洗った。洗浄工程を2回繰り返す。次に、沈降物をろ過により除去した。
【0114】
上記の工程で得られたすべての上清およびろ液を合わせてポリマーリサイクルした。溶媒を減圧下で除去した後、モノマーをフラッシュクロマトグラフィーで精製し、純粋なモノマーを得た。精製され循環されたモノマーは、別の機会に重合に使用することができる。
【0115】
選別収率およびポリマー循環効率の決定:
実施例9
50mgのPF−PDおよび50mgのプラズマ成長したSWNT(RN−020)を25mLのトルエン中で混合し、振幅レベル50%(コールパーマー超音波装置750W)で30分間超音波処理し、ドライアイス浴で外部から冷却した。この溶液を次いで16℃で、17000rpm(22000g)で30分間遠心分離した。上清(20mL)の80%を回収した。吸収分光法は、d=1cmのキュベットの場合、λ=939nmでA=2.486のピーク吸収を示した(図4a)。
【0116】
上清の上記ポリマー除去工程に続いて、選別SWNTを最終的に0.2μmの孔径のPTFEメンブレンでろ過し、トルエンで3回洗い(30mL)、60℃で真空乾燥させた。SWNTフィルムをメンブレン上に形成した。SWNTフィルムを計量すると、総質量は1.41mgである。したがって、選別された溶液(20mL)のSWNT濃度を計算すると、0.0705mg/mLであった。939nmでの光学密度を用いて、吸光係数(ε、mL mg−1 cm−1)をBeer−Lambertの法則により計算した:A=OD939=εlc、ここで、lはキュベットの経路長(cm)であり、cはSWNT濃度(mg/mL)である。吸光係数(ε)を35.3mL mg−1cm−1であると決定し、これは類似の種類のs−SWNTについて最近報告された値の34.9mL mg−1cm−1と一致する。この吸光係数(ε)により、様々な条件についての選別収率を、939nmでのそれらの吸収ピークを用いて計算することができる。PF−PD選別SWNTについて計算された収率は、未処理SWNTの半導体性SWNTの量に基づいており、これは未処理SWNT(RN−020)の総質量の約20%である。
【0117】
選別SWNTのラマンおよびPLEの特性決定:
ラマン分光法を、倍率100倍、スポット径1μmで2.33eV(532nm)、1.93eV(638nm)、および1.58eV(785nm)の励起で行った。ピーク位置を521cm−1でSiラインにより較正した。ラマンピークを、ラマン片浦プロットに従って、金属性SWNTまたは半導体性SWNTに割り当てることができる。トルエン中の各種SWNT試料のPLEスペクトルを、本発明者らが先に報告した方法に従って取得した。
【0118】
図3は、同じ条件(ポリマー/SWNT比=1:1)下で様々な純度のSWNTを使用する場合の比較を示す。
【0119】
そのまま生産された30%のSWNT(RN−020、10USD/g)および半精製SWCNT(RN−220、60〜70%純度、45USD/g)をRaymor Industries Incから購入した。半精製SWNTは、それらのNMP分散溶液によって示されているように、製造されたままの未処理SWNTより明らかに高いSWNT含量を示す。PF−PD選別後、30%のSWNTは、0.407のφ値および23.7%の収率を示し、70%のSWNTは0.408のφ値および19.8%の収率を示した。収率の計算は、未処理SWNTの総質量のs−SWNT量に基づいていた(RN−020の場合、s−SWNTの量は20%、RN−220の場合、s−SWNTの量は46%である)。したがって、70%の半精製SWNTと比較して、30%の未処理SWNTは極めて同様の選択性およびさらに高い収率を示した。
【0120】
図4は、(a)様々なポリマー濃度(ポリマー/SWNT比は1:1である)を使用するPF−PDによって分散された未処理SWNT(純度30%)の吸収スペクトルを示す。1cmの光路長のキュベットでスペクトルを取得した。(b)様々なポリマー/SWNT濃度に対する収率およびφ値のプロット。濃度を高くすると収率は低くなるが、大量生産ではスループットが向上する。
【0121】
図5は、(a)トルエン中での種々のポリマー/SWNT比でPDPP−PDにより分散されたSWNTの吸収スペクトル、(b)様々なポリマー/SWNT比に対するPDPP−PD選別SWNT薄膜の正規化吸収スペクトルを示す。上清をガラス基板上にドロップキャストし、次いでAr下にて500℃で1時間アニールしてラッピングポリマーを除去することによりSWNT薄膜を作製した。
【0122】
一定のポリマー量を維持しながらSWNT量が増加すると、最初に分散液の濃度が増加し、次に減少した。過度の炭素質の沈降物によるポリマーの吸収のために分散液の濃度が低下する可能性があり、次に溶液中での選別のために利用可能なポリマーの濃度が低下した。選別の選択性もポリマー/AD−SWNT比に依存し、5mg/10mg比が最良の選択性をもたらす。
【0123】
図6は、PF−PDおよびPDPP−PDにより分散したs−SWNTと、ナノインテグリス社(Nanointegris)から商業的に入手できる純度99.9%のs−SWNTとの純度比較を示す。大きな管径のPDD−PD選別s−SWNTは同様の選択性を示し、同様の管径のPF−PD選別s−SWNTは明らかにより良好な選択性を示した。
【0124】
図7は、元のSWNTのラマンスペクトルならびに(a)532nmおよび(b)638nmのレーザーを用いて励起されたポリマーPF−PDにより選別されたSWNTのラマンスペクトルを示す。532nmおよび638nmの励起の下で、s−SWNTのいくつかのRBMピークが、元のSWNTにおける150〜200cm−1の範囲で見られた。選別後、いくつかのピークが残り、相対ピーク強度も変化し、このことは、ポリマーが特定のキラリティのs−SWNTを分散させることを選好することを示す。元のSWNTと選別SWNTとのピーク強度を比較するために、それらのGピークを同じ強度に正規化した。
【0125】
図8は、元のSWNTのラマンスペクトルならびに(a)785nm、(b)532nmおよび(c)638nmのレーザーを用いて励起したポリマーPDPP−PDにより選別されたSWNTのラマンスペクトルを示す。元のSWNTと選別SWNTとのピーク強度を比較するために、それらのGピークを同じ強度に正規化した。
【0126】
図9は、分散液にモノマーを使用する溶液の吸収スペクトルを示す。SWNTの吸収は検出されず、このことは、両方のモノマーがSWNTを分散できなかったことを示す。
【0127】
まず、0.9〜1.5nmの直径を有する低コストの未処理SWNT(RN−020、Raymor Industries Inc.より10ドル/g、SWNT純度約30%)を分散させるPF−PDの能力を試験した。図10aは、PF−PDがM11領域にほとんど検出されない金属ピークを有する高濃度の大口径のs−SWNTを分散できることを実証する。PF−PD選別SWNTについての939nmでの光学密度(OD)は、SWNT濃度0.0705mg/mLに対応する、1cmの光路長のキュベットにおいて2.498までである。OD値は、大口径のSWNTに使用されている他の報告された共役ポリマーよりもかなり高く、このことは、PF−PDの強い分散能力を示す。より高価な精製SWNT(純度50〜70%、価格は通常4〜8倍高い)を使用する従来の選別方法と比較して、この結果は、選別収率および選択性に影響を及ぼすことなく製造されたままの未処理SWNT(純度30%)をポリマーラッピングに直接使用することができることを示す(図3)。ポリマー/SWNT比および濃度は、SWNT分散液の収率および選択性に影響を及ぼす要因である。選別収率は、S22ピークの吸収強度によって決定され、SWNTの総質量のs−SWNT量に対して計算された。S22およびM11両方の吸収のピーク面積とバックグラウンド面積との比によって定義されるφ値に基づいて選択性を評価した。φ値が高いほどs−SWNTの純度が高いことを示し、φ値>0.40は純度>99%に相関していた。
【0128】
図10bは、様々なポリマー/SWNT比に対する収率と選択性との間の関係をプロットしたものである。文献の報告と比較して、大口径SWNTの場合、高いφ値>0.40に達すると、通常、収率は低くなり(<5%)、ポリマーPF−PDは、0.407の高いφ値および23.7%の高い収率の両方を同時に示し(図10bにおけるポリマー/SWNT比=1)、このことは、このポリマーの強い分散能力および高い選択性を示唆している。ポリマー/SWNT比の低下により、0.445までのφ値で選択性はより高くなるが、収率は比較的低くなる。ポリマー/SWNTの濃度も0.2mg/mLから2mg/mLまで変化した(図4a)。同じポリマー/SWNT比(1:1)では、濃度が高いほど選択性は高くなるが、収率は低くなった。この収率と選択性との間の逆相関は他の多くのポリマー系でも見られた。
【0129】
従来の共役ポリマーと比較して、DPP系ポリマーは、より大きな直径のSWNTを分散させる傾向がある。アーク放電したSWNTを用いてSWNTを分散させるPDPP−PDの能力を調べた(図5)。PDPP−PDは、かなりの量のアーク放電したSWNTを2.3%の推定収率で分散させることができる。DPP系ポリマーの吸収スペクトルは、選別SWNTのM11領域と重なるため、様々な選別条件の選択性を推定する前に、ポリマーSWNTフィルムをAr下にて500℃で熱アニールすることによってポリマーを除去した。ポリマーからの干渉によるDPP選別SWNTについての選択性を推定するためにφ値を直接使用することはできないため、選別吸収スペクトルを市販の99.9%のs−SWNTと比較した(図6)。PDP−PD選別s−SWNTおよびPF−PD選別s−SWNTの両方が、99.9%のs−SWNTと比較して同様のまたはより良い選択性を示し、このことは分解性ポリマーの高い選択性を示す。
【0130】
s−SWCNTの濃縮度をさらに検証するために、元のSWNTおよびポリマー選別SWNTのラマンスペクトルを測定した(図10c、図7、および図8)。785nmの励起下では、金属管の強いラジアルブリージングモード(RBM)ピークが、元のSWNTについて140〜190cm−1の範囲で認められた。選別後、このピークはほとんど消えた。Gピーク領域(1500〜1600cm−1)では、主に1550cm−1でのm−SWNTからのGピークの強度が著しく低下したのに対して、主に1600cm−1でのs−SWNTからのGピークは変化しないままであった。他のレーザー励起(532nmおよび633nm)も、m−SWNTの除去および特定のキラリティのs−SWNTの分散を証明した(図7)。
【0131】
PF−PDおよびPDPP−PDの両方のジアルデヒドモノマーは、SWNTを分散させることができず(図5)、このことはそれらのSWNTとの弱い相互作用を示唆する。s−SWNTを放出させるために、触媒量のTFAおよびいくらかの脱イオン水を選別溶液に加えた。この溶液を超音波処理して加水分解反応を促進させた。SWNT沈降物がポリマー分解後に形成された。SWNT沈降物を遠心分離し、0.2μmのPTFEメンブレンを通してろ過により回収した。ろ液の吸収スペクトルはモノマーの吸収しか示さず、このことは濃縮されたs−SWNTがすべて定量的に回収されたことを示す(図10d)。ろ過されたs−SWNTは、M11およびS22の両方の領域でほぼ同じ吸収スペクトルを有する界面活性剤を用いてNMPおよび水溶液に再分散することができ(図10d)、このことは、選別SWNTも、電子用途においてNMPまたは水系の沈着法に使用できることを示す。NMP中に再分散したSWNTの吸収分光法によってポリマーまたはモノマーを検出することができず、このことはポリマーの定量的除去を実証する。この結果はさらに、ポリマー中のN原子に起因するN1sピークが放出されたSWNT試料(図10e)中で見えなくなったSWNT固体のX線光電子分光法(XPS)測定によって確認された。共役ポリマーの約1/2〜2/3が未分散s−SWNT、m−SWNT、および非晶質炭素を含む沈降物によって吸収されたことが判明した。したがって、ポリマーをリサイクルするために、上清および沈降物の両方におけるポリマーを分解し、ろ過した。ろ液をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、純粋なモノマーを得て、ポリマーを再合成することができる。ほとんどすべてのモノマーを、精製後に93%までのリサイクル率でリサイクルすることができ、このことは、本発明の分解性ポリマーの手法がSWNT分離のためのポリマーコストを効果的に低下させるであろうことを示す。
【0132】
4.選別SWNTの薄膜トランジスタの特性決定
実施例10
パターニングされたAu(ソース・ドレイン)/SiO(300nm)/ドープSi基板上に、PF−PD選別SWNT溶液をドロップキャストすることにより、薄膜トランジスタ(TFT)を作製した。その後、基板をトルエンですすぎ、周囲条件下にて200℃で20分間アニールした。トルエンリンスを用いてポリマーの大部分を除去した。これにより、より良好なチューブ−チューブ接合および改善された電荷キャリア移動度が得られる。図11aは、約50管/μmの管密度を有するSWNTネットワークを示す原子間力顕微鏡(AFM)画像を示す。選別チューブの大部分は、0.5〜2μmの範囲にあるチューブ長さを示した。TFTデバイスは、10を上回るオン/オフ比で20〜49cm−1−1の範囲の高い正孔移動度を示した(図11b)。10よりも低い未処理の未選別SWNTと比較して、本発明者らの選別s−SWNTの高いオン/オフ比は選別s−SWNTの高い純度をさらに裏付けている。
【0133】
要約すると、様々な種類の構成ブロックに基づくイミン系共役ポリマーを、s−SWNTの選択的分散について試験してきた。それらは、高収率(23.7%まで)および高選択性(>99%)を有する大口径のs−SWNTの場合に強い分散能力を示した。本発明の手法は、他の方法よりも大きな利点(例えば、低コスト、高選択性、リサイクル可能、およびSWNTの損傷が少ない)を提供するが、なお特定の構造設計なしに規則的な構成ブロックを使用している。さらに重要なのは、分解可能なポリマーの設計を、他のπ共役構造に容易に使用できることで、したがって「クリーンな」s−SWNTの低コスト分離のための一般的な手法を実証している。
【0134】
図10a−eは、PF−PDを用いたs−SWNTの選択的な分散および放出を示す。(a)PF−PD(PF−PD/SWNT比=1:1、濃度2mg/mL)およびNMPによって分散した未処理のSWNT(純度30%)の吸収スペクトル。1cmの光路長のキュベットでスペクトルを取得した。(b)様々なポリマー/SWNT比(ポリマー濃度0.2mg/mL)についての収率およびφ値のプロット。(c)未処理SWNTおよびPF−PD選別SWNTのラマンスペクトル(785nmレーザーにより励起)。ポリマーを分解し、選別SWNTのために除去した。(d)選別されたままのSWNT、NMPおよび界面活性剤SC(1%水溶液)ポリマーPF−PDに再分散された選別SWNT、ならびにポリマー分解後のモノマー(F−CHO)の吸収スペクトル。(e)PF−PDでラッピングされたSWNTおよび放出されたSWNTについてのXPSの結果。
【0135】
図11bは典型的なTFTデバイスの伝達特性(VDS=−40V)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a-b】