特許第6828037号(P6828037)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6828037静電集塵器の制御のためのデータ捕捉のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6828037
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】静電集塵器の制御のためのデータ捕捉のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B03C 3/68 20060101AFI20210128BHJP
   B03C 3/41 20060101ALI20210128BHJP
   B03C 3/47 20060101ALI20210128BHJP
   B03C 3/76 20060101ALI20210128BHJP
   B03C 3/88 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   B03C3/68 Z
   B03C3/41 A
   B03C3/47
   B03C3/76
   B03C3/88
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-529274(P2018-529274)
(86)(22)【出願日】2015年12月10日
(65)【公表番号】特表2018-536538(P2018-536538A)
(43)【公表日】2018年12月13日
(86)【国際出願番号】US2015064971
(87)【国際公開番号】WO2017099776
(87)【国際公開日】20170615
【審査請求日】2018年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】シング,ニラージュ・クマール
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムソン,カール・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ダッシュ,ナンダ・キショア
(72)【発明者】
【氏名】マーフィ,ロバート・フレドリック
【審査官】 田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−520056(JP,A)
【文献】 米国特許第03893828(US,A)
【文献】 特開昭55−056847(JP,A)
【文献】 特開昭64−068666(JP,A)
【文献】 特開昭59−193161(JP,A)
【文献】 Norbert Grass,Electrostatic Precipitator Diagnostics Based on Flashover Characteristics,INDUSTRY APPLICATIONS CONFERENCE FORTIETH IAS ANNUAL MEETING,2005年,Vol.4,p2573-2577
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C 3/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電集塵器(100)を制御するためのシステム(200)であって、当該システム(200)が、前記静電集塵器(100)と動作可能に通信するコンピュータ(220)及びコントローラ(210)を含むコンピュータ制御システム(215)を含み、前記コンピュータ制御システム(215)が、
a)前記静電集塵器(100)内の電気的に接地された垂直プレート(102)と金属ワイヤ電極(104)との間の電圧を制御する電源(105)と、
b)ホッパー(116)内の第1のフィーダバルブ(122)及び第2のフィーダバルブ(126)と、
c)ラッパー(112)と動作可能に通信する電気コイル(423)への電源(432)と
のうちの1つ又は複数を制御することによって前記静電集塵器(100)の性能を制御するように動作し、前記コンピュータ(220)が、データ履歴に基づいて、前記ホッパー(116)内の灰温度測定値を煙道ガス流(108)の不透明度測定値又は前記電源(105)によって供給される電圧と相関させること或いは煙道ガス流(108)の不透明度測定値を前記電源(105)によって供給される電圧と相関させることによって、スパーク条件の確率を決定する、システム(200)。
【請求項2】
前記コンピュータ(220)が、前記電源(105)、前記第1のフィーダバルブ(122)、前記第2のフィーダバルブ(126)、前記ホッパー(116)内に配置された温度プローブ(132)、並びに煙道ガス流(108)の不透明度、前記煙道ガス流(108)の化学組成、又は前記煙道ガス流(108)の質量流量を測定するように動作する測定装置(118)からの信号を連続的に受信する、請求項1に記載のシステム(200)。
【請求項3】
前記コンピュータ制御システム(215)が、前記静電集塵器(100)が配置されている施設の内部又は外部の場所から前記静電集塵器(100)の動作性能の視覚的表示を提供する、請求項1又は請求項2に記載のシステム(200)。
【請求項4】
前記コンピュータ(220)が、マルチプレクサ(110A、110B、110C、110D、110E)を介して、前記電源(105)、前記第1のフィーダバルブ(122)、前記第2のフィーダバルブ(126)、前記温度プローブ(132)、前記測定装置(118)、及び前記電気コイル(423)への電源(432)と動作可能に通信する、請求項2に記載のシステム(200)。
【請求項5】
前記コントローラ(210)が、前記コンピュータ(220)の信号に応答して、前記電源(105)、前記第1のフィーダバルブ(122)、前記第2のフィーダバルブ(126)、及び前記電気コイル(423)への前記電源(432)の動作を制御し、スパークを低減する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシステム(200)。
【請求項6】
前記コンピュータ(220)によって受信されたリアルタイムデータ捕捉又は前記コンピュータ(220)によって収集され格納されたデータ捕捉履歴が、前記コントローラ(210)に信号を送って、前記電源(105)によって前記静電集塵器(100)に供給される電力、前記ラッパー(112)の展開の頻度、或いは前記ホッパー(116)内の前記第1のフィーダバルブ(122)及び前記第2のフィーダバルブ(126)の制御の頻度を調整するために使用される、請求項5に記載のシステム(200)。
【請求項7】
前記コントローラ(210)が、収集されたデータ捕捉、システム(200)の調整履歴、プログラムされた所定の測定値又はプログラムされた数学的関数に基づいて、前記静電集塵器(100)の性能を自動的に調整する、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のシステム(200)。
【請求項8】
前記コンピュータ(220)が、前記静電集塵器(100)内のトリガーイベントを検出するように動作し、前記トリガーイベントが、パラメータ変更又はスパークの生成である、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のシステム(200)。
【請求項9】
前記コンピュータ(220)が、前記システム(200)の動作条件履歴の完全な記録及びリアルタイム表示を提供するように動作する、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のシステム(200)。
【請求項10】
オンラインネットワークを介して前記システム(200)と通信する複数の静電集塵器(100)をさらに含む、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のシステム(200)。
【請求項11】
前記コンピュータ(220)が、前記システム(200)の故障を識別し、前記システム(200)の分解前に、前記故障の修復に使用される部品を自動的に要求する、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のシステム(200)。
【請求項12】
静電集塵器(100)を制御するための方法であって、当該方法が、
静電集塵器(100)、煙道ガスの粒子状物質含有量を決定するための測定装置(118)、ラッパーシステム(400)、静電集塵器(100)に関連するホッパー(116)からの信号をコンピュータ制御システム(215)に送信するステップであって、前記コンピュータ制御システム(215)が、コンピュータ(220)及びコントローラ(210)を含む、ステップと、
a)前記静電集塵器(100)内の電気的に接地された垂直プレート(102)と金属ワイヤ電極(104)との間の電圧を制御する電源(105)と、
b)ホッパー(116)内の第1のフィーダバルブ(122)及び第2のフィーダバルブ(126)と、
c)ラッパー(112)と動作可能に通信する電気コイル(423)への電源(432)と
のうちの1つ又は複数を制御することによって、前記静電集塵器(100)に対するコントローラ(210)の調整のための信号を前記コンピュータ(220)から前記コントローラ(210)に送信するステップと
を含んでおり、前記コンピュータ(220)が、データ履歴に基づいて、前記ホッパー(116)内の灰温度測定値を煙道ガス流(108)の不透明度測定値又は前記電源(105)によって供給される電圧と相関させること或いは煙道ガス流(108)の不透明度測定値を前記電源(105)によって供給される電圧と相関させることによって、スパーク条件の確率を決定する、方法。
【請求項13】
前記静電集塵器(100)の前記調整が、前記静電集塵器(100)内のスパークの形成を防止又は低減する、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、静電集塵器の制御のためのデータ捕捉のための方法およびシステムが開示される。
【背景技術】
【0002】
静電集塵器は、発電所内の炭素質燃料の燃焼によって生成された煙道ガス流中に存在する粒子状物質を収集するためのシステムであり、電界に浸漬された荷電粒子の移動によって動作する。図1を参照すると、静電集塵器10は、一連の電気的に接地された垂直プレート2を含み、その間に数ミリメートルの直径の金属ワイヤ電極4が配置され、プレートに対して高い負電位に維持されている。炭素質燃料の燃焼によって発生した煙道ガス流6は、静電集塵器10に排出され、金属ワイヤ電極4から電気的に接地された垂直プレート2に向かって移動する。金属ワイヤ電極4と電気的に接地された垂直プレート2との間に数千ボルトの印加電圧が印加され、金属ワイヤ電極4の周りで煙道ガス流6をイオン化するコロナ放電が生じる。生成されたイオンは、煙道ガス流6中に存在する粒子状物質に付着し、それによって粒子状物質を帯電させ、粒子状物質を電気的に接地された垂直プレート2に向かって移動させる。粒子状物質は、電気的に接地された垂直プレート2上に堆積し、垂直プレート上に粒子状物質の層を形成する。電気的に接地された垂直プレート2を振動させるためのラッパーシステム12は、定期的に、収集された粒子状物質の層を電気的に接地された垂直プレート2の下に位置するホッパー(図示せず)に落下させる。粒子状物質がなくなった煙道ガス流6は、スタック(図示せず)を通過し、大気に放出される。
【0003】
一般に、調整システム(図示せず)は、静電集塵器10と動作可能に通信して、その動作中に所望レベルの電圧および/または電流を維持する。静電集塵器10の金属ワイヤ電極4は、金属ワイヤ電極4と粒子状物質を集める電気的に接地された垂直プレート2との間の最大電界強度を達成するために、実行可能な最高電圧で電力供給されることが通例である。静電集塵器10の電力制御技術は、これまでは、主に、「スパーク条件」への迅速な応答を提供することに関するものであり、静電集塵器10への電力を、スパークの発生後すぐに「オフ」するか、スパーク条件よりも低いレベルに低減させ、後の時点で「オン」または増加させることができるが、好ましくは、スパークが発生してから数ミリ秒の間に、選択された電圧制御値よりも低い所定のレベルに達するように、「高速ランプ」で行われる。
【0004】
しかしながら、この電力制御技術は、スパークの予測、防止および/または制御について、静電集塵器10におけるスパークの発生に対処するのに十分ではない。したがって、スパーク条件、すなわちスパークを直接的または間接的に引き起こす条件を検出し、スパーク発生の数を防止または最小限に抑えるために静電集塵器への電圧、電流および/または電力を制御して、スパークの発生に起因する静電集塵器のダウンタイムを低減するように動作可能な方法およびシステムが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/037767号明細書
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、コンピュータ220と、静電集塵器100と動作可能に通信するコントローラ210と、を含むコンピュータ制御システム215を含む、静電集塵器100を制御するためのシステム200が開示される。コンピュータ制御システム215は、a)静電集塵器100内の電気的に接地された垂直プレート102と金属ワイヤ電極104との間の電圧を制御する電源105と、b)ホッパー116内の第1のフィーダバルブ122及び第2のフィーダバルブ126と、c)ラッパー112と動作可能に通信する電気コイル423への電源と、のうちの1つ又は複数を制御することによって静電集塵器100の性能を制御するように動作する。
【0007】
本明細書ではまた、静電集塵器100、煙道ガスの粒子状物質含有量を決定するための測定装置118、ラッパーシステム400、および静電集塵器100に関連するホッパー116からの信号をコンピュータ制御システム215に送信するステップを含む、静電集塵器100を制御するための方法も開示される。コンピュータ制御システム215は、コンピュータ220およびコントローラ210を含む。コンピュータ220は、所定のプログラムされた測定データの使用、収集されたデータ捕捉履歴の使用、および/またはシステム200から捕捉データの相関、ならびにコンピュータ220からコントローラ210への信号の送信のために動作可能である。コントローラ210は、送信された信号を受信すると、コンピュータ220から受信した信号に基づいて静電集塵器100の機能の変更を行うように動作する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来技術の静電集塵器10の例示的な概略図である。
図2】静電集塵器100のデータ捕捉および制御のためのシステム200の例示的な概略図である。
図3】静電集塵器100に使用されるラッパーシステム400の例示的な概略図である。
図4】静電集塵器100の動作性能を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図2を参照すると、本明細書では、静電集塵器のデータ捕捉および制御システム200(以下、単に「システム」という)と、1つまたは複数の関連する静電集塵器100からの動作性能および排出物のデータ捕捉および制御のための静電集塵器データ捕捉および制御システム200を使用する静電集塵器制御プロセス(以下、単に「プロセス」または「方法」という)と、が開示される。このように、システム200は、コンピュータ制御システム215と動作可能に通信する静電集塵器100を含む。コンピュータ制御システム215は、コントローラ210およびコンピュータ220を含む。コンピュータ220は、ディスプレイモニタ220bを含む。図2は、コントローラ210とコンピュータ220を別個の機器として示しているが、それらを単一のユニットに併合することができる。コンピュータ220はプログラム可能であり、コントローラ210はコンピュータ220を介してプログラム可能である。
【0010】
「動作可能な通信」という用語は、電気通信、光通信、電磁通信、機械通信、流体または空気通信、またはこれらの組み合わせを含むことができる。電気通信、光通信、電磁通信、またはこれらの組み合わせが好ましい。コンピュータ220とコントローラ210と静電集塵器100の様々な部分との間の通信伝送は、例えばハードワイヤリング、無線セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)もしくはWi−Fiネットワーク、第3世代(3G)移動通信ネットワーク、イントラネットなどの私設ネットワーク、インターネットなどの公衆ネットワーク、またはこれらの組み合わせ(以下、一般に「ネットワーク」と呼ぶ)によって行うことができる。
【0011】
システム200は、静電集塵器100の動作性能に関して捕捉されたデータに基づいて、関連する静電集塵器100の動作パラメータを操作して、その性能を改善するように動作可能である。システム200は、任意の1つまたは複数の関連するコンピュータ220から静電集塵器100の動作性能に関して捕捉されたデータをユーザが閲覧するように動作可能である。ネットワーク接続を用いて、ネットワークを介して接続された他の任意のコンピュータ220と動作可能に通信することができるので、1つまたは複数の関連するコンピュータ220を使用して、関連するディスプレイモニタ220b上で捕捉されたデータを閲覧することができる。これにより、静電集塵器100が配置されているプラントまたは施設200aの内部または外部の任意の遠隔地から、静電集塵器100上で捕捉された動作性能データをユーザが監視することが可能になる。
【0012】
ディスプレイモニタ220bは、コントローラ210の動作性能を閲覧するために使用することもできる。言い換えれば、ディスプレイモニタ220bは、コンピュータ220からコントローラ210によって受信された信号伝送に基づいて、システム200に対するコントローラ210の調整を閲覧するために使用することができる。一実施形態では、コンピュータ220は、コンピュータ220によって捕捉され受信されたデータに基づいてシステム200に対するコントローラ210の調整を開始するようにプログラムされる。
【0013】
以下に示すように、システム200の様々な動作可能な構成要素は、コンピュータ220およびコントローラ210と動作可能に通信する。システム200の様々な動作可能な構成要素とコンピュータ220およびコントローラ210との間の動作可能な通信は、オプションとして、マルチプレクサ110A、110B、110C、110D、110Eを含むことができる。マルチプレクサ110A、110B、110C、110D、110Eは、いくつかのアナログまたはデジタル入力信号のうちの1つを選択し、選択された入力信号をコンピュータ220およびコントローラ210に転送するデータ捕捉セレクタである。マルチプレクサ110A、110B、110C、110D、110Eは、ある一定の時間および帯域幅内でネットワークを介して送信することができるデータ捕捉の量を増加させる。
【0014】
再び図2を参照すると、静電集塵器100は、複数の電気的に接地された垂直プレート102と、電気的に接地された垂直プレート102の上流に配置された複数の金属ワイヤ電極104と、を含むハウジング101を含む。電気的に接地された垂直プレート102および複数の金属ワイヤ電極104は、電気的に接地された垂直プレート102に対して金属ワイヤ電極104を高い負電位に維持する電源105と動作可能に通信する。電源105は、オプションのマルチプレクサ110Aを介してコンピュータ220およびコントローラ210と動作可能に通信する。静電集塵器100で使用される電流(mA)、電圧(V)および電力(W)などの捕捉されたデータは、動作可能な通信306を介してコンピュータ220およびコントローラ210に送信される。
【0015】
静電集塵器100は、静電集塵器100の下流に配置されたスタック120と流体連通している。静電集塵器100の下流であってスタック120の上流には、静電集塵器100を通過することによって処理された煙道ガス108の粒子状物質含有量を測定する測定装置118が配置されている。測定装置118は、煙道ガス108と接触して、煙道ガス108の粒子状物質含有量の測定値を取得する。いくつかの実施形態では、測定装置118は、不透明度測定値を得るために、静電集塵器100を通過することによって処理された煙道ガス108の不透明度を測定する光学装置である。煙道ガス108の不透明度測定値のデータ捕捉は、静電集塵器100の粒子状物質の除去効率に相関する。測定装置118は、例えば赤外線分析器もしくは質量分析器などの質量流量計、光学装置、化学分析器、またはこれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、測定装置118は、質量流量計、光学装置、および化学分析器のうちの2つ以上を含んでもよい。測定装置118は、コンピュータ220およびコントローラ210と動作可能に通信する。測定装置118とコンピュータ220およびコントローラ210との動作可能な通信は、オプションとして、マルチプレクサ110Bを含むことができる。煙道ガスの状態、例えば煙道ガス流中の粒子状物質の量および/または煙道ガス流の化学含有量に関して捕捉されたデータは、動作可能な通信304を介してコントローラ210およびコンピュータ220に送信される。
【0016】
静電集塵器100は、電気的に接地された垂直プレート102上に固着された粒子状物質を除去するように動作する複数のラッパー112(以下、ラッパー112)をさらに含む。ラッパー112は、図3に関して以下に詳述するラッパーシステム400の一部である。ラッパー112は、電気的に接地された垂直プレート102から堆積した粒子状物質を除去するために、それに剪断力を伝達する。ラッパー112はまた、コンピュータ220およびコントローラ210と動作可能に通信する。ラッパー112とコンピュータ220およびコントローラ210との動作可能な通信は、オプションとして、マルチプレクサ110Cを含むことができる。
【0017】
図3は、ラッパー112を操作し、静電集塵器100内の電気的に接地された垂直プレート102を洗浄するのに有用なラッパーシステム400の一実施形態を示す図である。ラッパーシステム400は、通電されるとラッパー112を垂直に持ち上げる大きな電気コイル423を含む。ラッパー112は、大きな金属シリンダーの形態である。
【0018】
ラッパーシステム400は、ラッパー112のためのハウジング421、ラッパー112のためのガイド422、およびクリーニングされる垂直プレート102から設定された距離に配置されたハウジング421のためのマウント424を含む。動作可能な通信427を介してコイル励磁装置428が電気コイル423に電気エネルギーを供給する。一実施形態では、電気エネルギーは、ガイド422の内側のラッパー112を垂直に移動させるための電気パルスにより供給される。コイル励磁装置428からの電気エネルギーによって電気コイル423が励磁されると、特に電流が電気コイル423を流れると、電気コイル423により生じた磁力によってラッパー112が垂直に移動する。
【0019】
コイル励磁装置428は、コンピュータ220およびコントローラ210と動作可能に通信するパルス発生器429を含む。電気コイル423に電気エネルギーを供給するための電源432は、ワイヤ接続部433によってパルス発生器429に接続されている。
【0020】
パルス発生器429は、電源432によって供給される電気エネルギーからパルスを生成する。この実施形態では、パルス発生器429はDC電流によって動作され、初期電気パルスと追加電気パルスの極性は等しい。他の実施形態では、AC電流で動作し、初期電気パルスおよび追加電気パルスの極性を切り替えることが望ましい場合がある。この場合には、パルス発生器429は、生成されたパルスの極性を切り替えるためのスイッチ429aをオプションで含むことができる。ラッパー112の磁化の変化のために、各極性シフト後に消磁期間が生じる。ラッパー112に加えられる力の積分は、ラッパー112の磁化の変化がない場合よりも小さくなる。
【0021】
コントローラ210は、所望の洗浄能力に応じて初期電気パルスおよび任意の追加電気パルスの強度および持続時間を調整するために、パルス発生器429に送信される制御信号431を生成する。
【0022】
コントローラ210を介してコンピュータ220は、コイル励磁装置428、特に電気パルスの生成を制御するための制御信号を生成する。オプションとして、マルチプレクサ110Cが、コントローラ210とパルス発生器429との間に設けられる。上述したように、マルチプレクサ110Cは、コンピュータ220およびコントローラ210からパルス発生器429に送信することができるデータの量を増加させ、その逆もまた同様である。特に、複数のラッパー112が静電集塵器100に取り付けられている用途では、コンピュータ220は、この複数のラッパー112の適切な機能および同期を制御する。コンピュータ220およびコントローラ210によって提供される制御を伴うラッパーシステム400の動作のさらなる詳細は、静電集塵器100の動作方法が説明されるときに以下に詳述する。
【0023】
ここで再び図2を参照すると、静電集塵器100の垂直下方に配置されたホッパー116があり、これは灰および静電集塵器100から除去された粒子状物質を収集するように動作する。ホッパー116の垂直下方には、第1のフィーダバルブ122、フィーダ124、第2のフィーダバルブ126、および灰排出部128が配置されている。温度プローブ132がホッパー116内に配置されて、静電集塵器100から放出された灰の温度を測定し、その温度測定値を取得する。
【0024】
ホッパー116及びフィーダ124内の温度プローブ132によって測定された温度測定値に関して捕捉されたデータは、動作可能な通信308、310を介してコンピュータ220及びコントローラ210に送信される。温度プローブ132からコントローラ210及びコンピュータ220への送信は、オプションとして、マルチプレクサ110Dを含むことができる。これらの温度測定値はコンピュータ220で利用され、ラッパーシステム400の適切な機能のためにコントローラ210を介して制御を提供し、静電集塵器100内のスパークの可能性について捕捉されたデータを相関させる。コンピュータ220及びコントローラ210からの制御信号は、動作可能な通信314、316を介して、第1のフィーダバルブ122及び第2のフィーダバルブ126にそれぞれ送信される。第1のフィーダバルブ122及び第2のフィーダバルブ126の動作機能に関して捕捉されたデータは、コンピュータ220及びコントローラ210に送信される。コンピュータ220及びコントローラ210に送信される第1のフィーダバルブ122及び第2のフィーダバルブ126の動作機能に関して捕捉されたデータは、オプションとして、マルチプレクサ110Eを通る送信を含むことができる。煙道ガス流106中の灰及び粒子状物質の量又はレベル並びにホッパー116中の灰及び粒子状物質の堆積速度に関して捕捉されたデータは、動作可能な通信312を介してコンピュータ220及びコントローラ210に送信される。
【0025】
一実施形態では、動作可能な通信306を介して送信された、電気的に接地された垂直プレート102および複数の金属電極104に供給される電力に関して捕捉されたデータは、動作可能な通信302を介して送信されたラッパー112から捕捉されたデータ、動作可能な通信304を介して送信された測定装置118から捕捉されたデータ、および/または動作可能な通信310、312、314、316、320を介して送信されたホッパー116から捕捉されたデータと相関させることができ、静電集塵器100内のスパークの発生を予測するためにコンピュータ220によって使用される。このように、コンピュータ220は、捕捉されたデータを受信し、コントローラ210を介して行われたシステム200の調整のための信号を送信して、静電集塵器100におけるスパークの発生を防止する。一実施形態では、コンピュータ220は、ラッパー112、測定装置118、またはホッパー116から捕捉されたデータを使用して、静電集塵器100内のスパークの発生を予測することができる。あるいは、コンピュータ220は、測定装置118、ラッパー112およびホッパー116のうちの2つ以上から捕捉されたデータを相関させて、静電集塵器100内のスパークの発生を予測することができる。
【0026】
一実施形態では、静電集塵器100を動作させる1つの方法において、炭素質燃料の燃焼によって生成された煙道ガス流106が静電集塵器100に排出されるときに、煙道ガス流106は、金属ワイヤ電極104から電気的に接地された垂直プレート102に向かって移動する。コンピュータ220およびコントローラ210は、金属ワイヤ電極104と電気的に接地された垂直プレート102との間に数千ボルトの印加電圧を供給する信号を静電集塵器の電源105に送信し、金属ワイヤ電極104の周りで煙道ガス流106をイオン化するコロナ放電を生じさせる。動作可能な通信306を介して送信された、印加された電流および電圧について捕捉されたデータは、コンピュータ220によって受信され記録される。
【0027】
生成されたイオンは、煙道ガス流106中に存在する粒子状物質に付着し、それによって粒子状物質を帯電させ、帯電した粒子状物質を電気的に接地された垂直プレート102に向かって移動させる。荷電した粒子状物質は、電気的に接地された垂直プレート102上に集まって堆積し、垂直プレート102上に粒子状物質の層を形成する。
【0028】
電気的に接地された垂直プレート102上の粒子状物質の層がある所望の厚さを超えると、コントローラ210はラッパーシステム400に指示してラッパー112を作動させて電気的に接地された垂直プレート102に衝突させ、集められた粒子状物質の層を除去して、静電集塵器100の垂直下方に位置するホッパー116に落下させる。ラッパー112の展開の頻度に関して捕捉されたデータは、動作可能な通信302を介してコンピュータ220に送信される。
【0029】
煙道ガス流106から粒子状物質を除去した後に、煙道ガス108(今や粒子状物質を含まない)はスタック120を通って大気に放出される。煙道ガス108がスタック120から出る際に、煙道ガス108は測定装置118を通過し、その不透明度、質量流量または化学組成が測定され、その測定値が得られる。測定装置118は、種類を検出し、煙道ガス流106内の粒子状物質の量を測定すると共に、煙道ガス流106中に排出される粒子状物質の量の変化率を測定する。煙道ガス流106中に放出される粒子状物質の量の変化率は、粒子状物質の種類を示し、静電集塵器100の性能と相関させることができ、さらに金属ワイヤ電極104と電気的に接地された垂直プレート102との間に印加される電圧にも相関させることができる。測定装置118から収集されて、動作可能な通信304を介して捕捉され送信されたデータは、電源105から取得されて動作可能な通信306を介して捕捉され送信されたデータと、あるいはラッパー112から取得されて動作可能な通信302を介して捕捉され送信されたデータと、相関させることができる。同様に、ホッパー116から受信されて、動作可能な通信310、312、314、316、320を介して捕捉され送信されたデータは、測定装置118、電源105およびラッパー112からそれぞれ得られた、動作可能な通信304、306、308を介して捕捉され送信されたデータと相関させることができる。コンピュータ220は、これらの相関関係を生成し、静電集塵器内のスパークがいつ発生するかを予測するために使用することができる。次に、コンピュータ220は、コントローラ210に信号を送信して、動作状態を調整して静電集塵器100内のスパークを回避するように変更を開始することができる。
【0030】
このようにして、コンピュータ220は、静電集塵器100への電力供給、電極104、102のスパークレート、ラッパー112の機能と頻度、ホッパー116からの温度測定値、ホッパー116内の塵埃量の測定値、ホッパー116内の第1及び第2のフィーダバルブ122、126の機能、静電集塵器100を出る煙道ガス108の不透明度測定値、静電集塵器100を出る微粒子の質量流量、静電集塵器100を出る煙道ガス108中の粒子状物質の化学組成などについて捕捉されたデータを受信して記録する。コンピュータ220は、動作可能な通信302、304、306、308、310、312、314、316、318を介して、及びオプションとして、マルチプレクサ110A、110B、110C、110D、110Eを介して送信された信号のディスプレイモニタ220b上の視覚的表示を、リアルタイムで、又は間欠的に格納されたデータ捕捉で提供する。コンピュータ220は、捕捉されたデータを受信してログに記録し、所定のシステム200の限界に対して捕捉されたデータをチェックし、アラームを生成し、定期的なシステム200のレポートを生成し、上で詳述したシステム200の様々な構成要素の動作性能データを生成する。コンピュータ220は、ユーザによる使用のための連続的な視覚的なデータ表示を提供するディスプレイモニタ220bを有し、データ捕捉抽出の強化を可能にする。
【0031】
本明細書で開示されるシステム200およびシステム200の動作方法は、完全な動作条件下で連続的なデータ捕捉を容易にする。さらに、システム200のコンピュータ220は、静電集塵器100の性能に関して捕捉されたデータを連続的に受信し、したがって、システム200の誤動作およびその原因を、所定のシステム200の限界の外に捕捉されたデータによって迅速に識別することができる。システム200から捕捉されたデータはコンピュータ220に連続的に送信され、システムの性能について捕捉されたデータはユーザのディスプレイモニタ220bに連続的に視覚的に表示されるので、コンピュータ220による事前警告信号は、システム200の保守ならびにシステム200の問題を分析するために必要な専門知識の量を低減することができる。コンピュータ220はまた、修理または保守のために分解する前に、静電集塵器100およびその構成要素トの修理に使用される部品を自動的に要求するために使用することもできる。
【0032】
コントローラ210は、すべてのコンピュータ220のコマンド信号に応答し、それに基づいて、様々なシステム200の構成要素の動作を最適な全体性能のために調整する。コンピュータ220は、コントローラ210に送信された信号に対して捕捉されたリアルタイムデータを使用するか、あるいはコントローラ210に送信された信号に対してコンピュータ220によって捕捉され受信され格納されたデータ履歴を使用して、電源105から静電集塵器100に供給される電力、ラッパー112の展開の頻度、ならびにホッパー116内の第1および第2のバルブ122、126の制御の頻度を調整することができる。一実施形態では、コンピュータ220は、コントローラ210に信号を送って、前に収集したデータ捕捉記録、システム200の調整履歴に基づいて、または予めプログラムされた数学的関数に基づいて、静電集塵器100の動作性能を自動的に調整することができる。
【0033】
一実施形態では、コンピュータ220によって捕捉され受信されたデータは、パラメータ調整などのタイプのトリガーイベント、または特定の種類のスパークの発生が予測される場合に使用される。スパークの制御および回避は、その寿命サイクルの間に静電集塵器100を動作状態に維持する重要な特徴である。
【0034】
ここで再度図2を参照すると、静電集塵器100において、煙道ガス流106から粒子状物質を除去する際に一定の所望の効率を達成するために使用される電力、したがって電圧(V)は、煙道ガス温度が低い場合よりも煙道ガス温度が高い場合の方がより低い。電圧Vは、複数の金属ワイヤ電極104と電気的に接地された垂直プレート102との間に印加される。したがって、例えば、第1の温度T1で60%の粒子状物質除去効率を得るために使用される電圧V1は、第1の温度T1よりも高い第2の温度T2で同じ除去効率を得るために使用される電圧V2よりも高い。要するに、静電集塵器100内の煙道ガス流106からの所定の粒子除去効率のための電圧は、温度に反比例して変化する。
【0035】
静電集塵器100内の粒子状物質の除去は、とりわけ、図2の複数の金属ワイヤ電極104の周りに発生する電気コロナの程度に依存する。粒子状物質の特定の除去効率は、複数の金属ワイヤ電極104の周りに発生したコロナの特定の大きさに対応する。この挙動に対する1つの可能な説明は、比較的高い煙道ガス温度で特定の大きさのコロナを生成するために使用される電圧は、比較的低い煙道ガス温度で同じ大きさのコロナを生成するために使用される電圧よりも低いということである。したがって、煙道ガス流106の温度および印加される電圧を制御して、静電集塵器100におけるスパーク発生を防止または低減することができる。
【0036】
一実施形態では、ホッパー116内の温度を測定してその温度測定値を得る温度プローブ132を、スパーク条件の予測因子として使用することができる。煙道ガスの温度測定値が大きいほど、温度プローブ132によって測定される際の、ホッパー116に集められる粒子状物質および灰の温度が高くなる。したがって、ホッパー116の温度測定値を電圧と共に用いて、静電集塵器100の煙道ガス流106から集められる粒子状物質の量を決定することができる。コンピュータ220に格納されたデータ捕捉履歴を使用して、スパークが発生するホッパーの温度電圧関係を決定することができる。ホッパー内の既存の条件および印加電圧が、静電集塵器100内でスパークが発生するそれらの履歴条件に類似し始めた場合には、コンピュータ220は、コントローラ210に指示して、複数の金属ワイヤ電極104と電気的に接地された垂直プレート102との間に印加される電圧をスパーク条件が緩和される値に低下させる。スパーク条件が緩和された後に、電圧はコントローラ210によって通常の動作値まで増加させることができる。
【0037】
スパーク制御に関する別の実施形態では、コンピュータ220は、ラッパーシステム400から電圧Vおよびスパークレート信号に関して捕捉されたデータを受信する。捕捉されたこのデータは、コンピュータ220のディスプレイモニタ220b上で観察することができる。静電集塵器100が過去にスパークを発生させた条件で動作している場合に、コンピュータ220は、その条件を検出し、コントローラ210に指示して、ラッパー112をより頻繁に展開することができる。言い換えれば、ラッパー112の展開の頻度を増やして、電気的に接地された垂直プレート102から固化した粒子状物質を除去し、スパーク発生率を低下させることができる。
【0038】
さらに別の実施形態では、煙道ガス流106からの不透明度測定値は、測定装置118によって測定され、コンピュータ220に送信されてもよい。静電集塵器100から出る煙道ガス108の不透明度測定値は、静電集塵器100に入る煙道ガス流106から粒子状物質を除去する際の静電集塵器100の効率の尺度である。煙道ガス108の不透明度を測定するために、測定装置118は、不透明度測定値を得るために煙道ガス108の不透明度を測定するための光学装置を備えていなければならない。
【0039】
この場合は光学装置である測定装置118は、煙道ガス108の不透明度を測定するために静電集塵器100を出る煙道ガス108に曝される。測定装置118からの不透明度測定値は、煙道ガス108の所望の不透明度測定範囲を規定する所定の高い不透明度および低い不透明度の測定限界値との比較のためにコンピュータ220に送信される。煙道ガス108の不透明度測定値が高い不透明度測定限界値を超える場合には、コントローラ210は、電源105に指示して、コロナを生成する金属ワイヤ電極104に供給される電力を増加させる。煙道ガス108の不透明度測定値レベルが低い不透明度の測定限界を下回る場合には、電源105によって金属ワイヤ電極104に供給される電力が低減される。
【0040】
したがって、コンピュータ220は、静電集塵器100の様々な構成要素からのデータ捕捉を相関させ、静電集塵器100内のスパークの発生の確率を生成することができる。例えば、コンピュータ220は、静電集塵器100を通過することによって処理された後の煙道ガス108の不透明度測定値を、ホッパー116内で測定された灰温度測定値と相関させて、データ履歴に基づいて、スパーク条件の確率(P)を決定することができる。別の例では、コンピュータ220は、ホッパー116内で測定された灰温度測定値と電源105によって供給される電圧とを相関させて、静電集塵器100内のスパーク条件の確率Pを決定することができる。さらに別の例では、コンピュータ220は、煙道ガス108の不透明度測定値と電源105によって供給される電圧とを相関させて、静電集塵器100内のスパーク条件の確率Pを決定することができる。
【0041】
計算された確率Pが、例えば約0.75以上、好ましくは約0.85以上、より好ましくは約0.9以上などの特定の値を超えた場合に、コンピュータ220はコントローラ210に信号を送って電力システム105への電力を調整するか、あるいは、ラッパーシステム400のコイル423を作動させてラッパー112の展開の頻度を調整することができる。静電集塵器100のスパークの発生を防止または低減するために、他のシステム200の調整を行うことができる。
【0042】
本明細書で詳述するシステム200は、プラントまたは施設200aの内部または外部の任意の場所からの静電集塵器100の制御に有利である。システム200の動作パラメータおよび動作性能は、施設またはプラント200aの内部または外部の任意の場所からディスプレイモニタ220b上で視覚的に閲覧することができる。ディスプレイモニタ220bは、コントローラ210のリアルタイム動作パラメータおよび動作性能を閲覧するために使用することもできる。一実施形態では、システム200は、特定の施設200aの複数の静電集塵器100と共に、または複数のプラントもしくは施設200aにわたって配置された複数の静電集塵器100と共に使用することができる。
【0043】
ここで開示されるシステム200およびシステム200を制御するための方法は、以下の非限定的な実施例によって例示される。
【実施例】
【0044】
この実施例は、オンラインコンピュータ220によって送信され記録された、静電集塵器100において二重スパークが発生する前、その間、およびその後のデータ捕捉を示す。図4は、静電集塵器100の動作性能を示すグラフである。図4では、コンピュータ220によって電圧(kV)および電流(mA)が使用され、2つのパルスに対して一次トランジスタを起動しないことによってクエンチされたスパークが検出された。残りの時間は、スパークが生成された後の静電集塵器100の全電力への制御されたランプバックを示す。
【0045】
特に定義されない限り、本明細書で用いられるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義される用語などの用語は、関係のある技術分野の脈絡におけるそれらの意味と合致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で特に定義されない限り、理念化された意味、または過度に形式的な意味で解釈されることはないことがさらに理解されよう。
【0046】
本発明をその好ましい具体的な実施形態に関連して説明してきたが、上述した説明ならびに実施例は本発明の範囲を例示するものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。本発明の範囲内の他の態様、利点および改変は、本発明が関係する当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0047】
2 電気的に接地された垂直プレート
4 金属ワイヤ電極
6 煙道ガス流
10 静電集塵器
12 ラッパーシステム
100 静電集塵器
101 ハウジング
102 電気的に接地された垂直プレート
104 金属ワイヤ電極
105 電源、電力システム
106 煙道ガス流
108 煙道ガス
110A マルチプレクサ
110B マルチプレクサ
110C マルチプレクサ
110D マルチプレクサ
110E マルチプレクサ
112 ラッパー
116 ホッパー
118 測定装置
120 スタック
122 第1のフィーダバルブ
124 フィーダ
126 第2のフィーダバルブ
128 灰排出部
132 温度プローブ
200 静電集塵器のデータ捕捉及び制御システム
200a 施設、プラント
210 コントローラ
215 コンピュータ制御システム
220 コンピュータ
220b ディスプレイモニタ
302 動作可能な通信
304 動作可能な通信
306 動作可能な通信
308 動作可能な通信
310 動作可能な通信
312 動作可能な通信
314 動作可能な通信
316 動作可能な通信
318 動作可能な通信
320 動作可能な通信
400 ラッパーシステム
421 ハウジング
422 ガイド
423 電気コイル
424 マウント
427 動作可能な通信
428 コイル励磁装置
429 パルス発生器
429a スイッチ
431 制御信号
432 電源
433 ワイヤ接続部
図1
図2
図3
図4