(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6828059
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】上脈絡膜腔内への接線方向の進入のためのガイド器具
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20210128BHJP
【FI】
A61F9/007 130E
A61F9/007 200B
【請求項の数】15
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2018-565689(P2018-565689)
(86)(22)【出願日】2017年6月14日
(65)【公表番号】特表2019-517887(P2019-517887A)
(43)【公表日】2019年6月27日
(86)【国際出願番号】US2017037364
(87)【国際公開番号】WO2017218613
(87)【国際公開日】20171221
【審査請求日】2020年5月18日
(31)【優先権主張番号】62/351,620
(32)【優先日】2016年6月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/609,419
(32)【優先日】2017年5月31日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520404610
【氏名又は名称】ジャイロスコープ・セラピューティクス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】オーベルキルヒャー・ブレンダン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】コー・ベンジャミン・エル
(72)【発明者】
【氏名】ロス・ロバート・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】オルティス・マーク・エス
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー・トーマス・イー
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ・フランクリン・エス
(72)【発明者】
【氏名】カーン・イサック・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】キーン・マイケル・エフ
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド・アンナ・アール
(72)【発明者】
【氏名】シューベルト・ジェイコブ・ダブリュ
【審査官】
胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/015467(WO,A1)
【文献】
特表2003−526461(JP,A)
【文献】
特表2007−535382(JP,A)
【文献】
国際公開第00/07530(WO,A2)
【文献】
特開2007−181672(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0133969(US,A1)
【文献】
特表2014−502862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目の切り目を通じてカニューレをガイドするためのガイド鋲であって、前記カニューレは、概ね矩形または楕円形の断面を有する、ガイド鋲において、
(a)配備器具に係合するように構成された係合特徴部を含むガイド鋲ヘッドである本体と、
(b)前記本体から延びる一対の剛性な脚部であって、前記脚部は互いに平行であり、各前記脚部は鋭利な先端部を有し、前記脚部はいずれも、平面に沿って延びる、一対の剛性脚部と、
を含み、
前記本体は、ガイド開口部を画定する内壁を有し、前記ガイド開口部は、前記脚部と関連付けられた前記平面に対して横向きの軸に沿って方向づけられ、前記ガイド開口部は、前記カニューレが前記切り目に対して実質的に接線方向の向きに維持され得るように、前記概ね矩形または楕円形の断面を有する前記カニューレを受容するようなサイズである、ガイド鋲。
【請求項2】
請求項1に記載のガイド鋲において、
前記係合特徴部は、第1の保持ピン開口部を含み、前記第1の保持ピン開口部は、前記配備器具の保持ピンを受容するように構成されている、ガイド鋲。
【請求項3】
請求項2に記載のガイド鋲において、
前記係合特徴部は、第2の保持ピン開口部をさらに含み、前記第2の保持ピン開口部は、前記配備器具の前記保持ピンを受容するようにさらに構成されている、ガイド鋲。
【請求項4】
請求項3に記載のガイド鋲において、
前記第1の保持ピン開口部および前記第2の保持ピン開口部は、互いに同軸上で整列している、ガイド鋲。
【請求項5】
請求項3に記載のガイド鋲において、
前記第1の保持ピン開口部は、前記ガイド開口部の上方側面に位置し、前記第2の保持ピン開口部は、前記ガイド開口部の下方側面に位置する、ガイド鋲。
【請求項6】
請求項1に記載のガイド鋲において、
前記本体は、上面および下面を有し、前記脚部は、前記下面から延び、各前記脚部は、前記上面に対して露出された上方端部を有する、ガイド鋲。
【請求項7】
請求項6に記載のガイド鋲において、
前記脚部は鉄鋼材料を含む、ガイド鋲。
【請求項8】
請求項1に記載のガイド鋲において、
前記本体は、少なくとも1つの面取り部をさらに含み、前記面取り部は、前記ガイド開口部に通じる少なくとも1つの面取りされた表面を含む、ガイド鋲。
【請求項9】
請求項1に記載のガイド鋲において、
前記本体は、前記ガイド開口部に少なくとも1つのリブをさらに含み、前記少なくとも1つのリブは、前記ガイド開口部と前記ガイド開口部内に配された前記カニューレとの間の接触を減少させるように構成されている、ガイド鋲。
【請求項10】
請求項9に記載のガイド鋲において、
前記少なくとも1つのリブは、前記ガイド開口部の上方側面に位置付けられている、ガイド鋲。
【請求項11】
請求項9に記載のガイド鋲において、
前記少なくとも1つのリブは、前記ガイド開口部の向かい合った側面に位置付けられた一対のリブを含む、ガイド鋲。
【請求項12】
請求項1に記載のガイド鋲において、
前記脚部は、まっすぐな下方部分と、曲がった上方部分と、を有し、前記まっすぐな下方部分は、前記鋭利な先端部を含み、前記曲がった上方部分は、前記本体内に位置する、ガイド鋲。
【請求項13】
請求項12に記載のガイド鋲において、
前記曲がった上方部分は、前記本体の中心線に対して外側に曲がっている、ガイド鋲。
【請求項14】
請求項1に記載のガイド鋲において、
前記配備器具をさらに含み、前記配備器具は、
(i)シャフトと、
(ii)前記シャフトの端部に位置するヘッド部分であって、前記ヘッド部分は、
(A)前記本体の前記係合特徴部に解放可能に係合するように構成された係合特徴部、および、
(B)目に強膜切開部位をマーキングするように構成されたマーキング特徴部、
を含む、ヘッド部分と、
を含む、ガイド鋲。
【請求項15】
請求項14に記載のガイド鋲において、
前記係合特徴部は、保持ピン、または1つ以上の磁石を含む、ガイド鋲。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔優先権〕
本出願は、「Cannula Guide for Tangential Entry into Suprachoroidal Space」のタイトルで2016年6月17日に出願された米国仮特許出願第62/351,620号の優先権を主張し、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔背景〕
人間の目はいくつかの層を含む。白い外層は強膜であり、脈絡膜層を囲んでいる。網膜は、脈絡膜層より内側にある。強膜はコラーゲンおよび弾性線維を含んでおり、脈絡膜および網膜に保護を提供する。脈絡膜層は、酸素および栄養を網膜に提供する脈管構造を含む。網膜は、桿体および錐体を含め、感光性組織を含む。黄斑は、眼底で網膜の中心に位置し、概して、目の水晶体および角膜の中心を通る軸(すなわち、視軸)上に中心がある。黄斑は、特に錐体細胞を通じて、中心視野を提供する。
【0003】
黄斑変性は、黄斑に影響を及ぼす医学的状態であり、黄斑変性を患う人々は、ある程度の周辺視野を保持しつつも、中心視野の喪失または退化を経験し得る。黄斑変性は、年齢(「AMD」としても知られる)および遺伝的性質など、さまざまな要因により引き起こされ得る。黄斑変性は、ドルーゼンとして知られる細胞の残骸が網膜と脈絡膜との間に蓄積し、その結果、地図状萎縮のエリアをもたらす、「ドライ」(非滲出)型で生じ得る。黄斑変性は、血管が網膜の後ろで脈絡膜から発達する、「ウェット」(滲出)型でも生じ得る。黄斑変性を有する人々がある程度の周辺視野を保持し得る場合でも、中心視野の喪失は、クオリティ・オブ・ライフに著しい悪影響を及ぼし得る。さらに、残っている周辺視野の質は、退化し得、場合によっては、消滅することもある。したがって、黄斑変性により生じる視力喪失を防ぐか、または逆行させるために、黄斑変性のための治療を提供することが望ましくなり得る。場合によっては、黄斑付近において、地図状萎縮のエリアに直接隣接した(網膜の神経感覚層の下で、かつ網膜色素上皮の上の)網膜下層内で治療物質を送達することなどによって、高度に局所化してそのような治療を提供することが望ましい場合がある。しかしながら、黄斑は、眼底において、網膜の繊細な層の下にあるので、実践的な方法で黄斑にアクセスすることは困難になり得る。
【0004】
さまざまな外科的方法および器具が、目の治療のために作られ使用されてきたが、発明者らより前に、特許請求の範囲に記載する発明を行うか、または使用した者はいないと考える。
【0005】
明細書はこのテクノロジーを具体的に指摘し明白に主張する特許請求の範囲で締めくくられているが、このテクノロジーは、添付図面と併せて理解される特定の実施例に関する以下の説明から、よりよく理解されると思われる。添付図面では、同様の参照符号で同じ要素を識別している。
【0006】
図面は、決して限定的とすることを意図しておらず、テクノロジーのさまざまな実施形態が、図面には必ずしも描かれていないものを含む、さまざまな他の方法で実行され得ることが、企図されている。明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付図面は、本テクノロジーのいくつかの態様を例示しており、説明と共に、テクノロジーの原理を解説するのに役立つ;しかしながら、このテクノロジーが図示される厳密な構成に制限されるものではないことが、理解される。
【0007】
〔詳細な説明〕
テクノロジーの特定の実施例に関する以下の説明は、その範囲を制限するものとして用いるべきではない。テクノロジーの他の実施例、特徴部、態様、実施形態、および利点は、実例としてテクノロジーを実行するために企図される最良のモードの1つである、以下の説明から、当業者には明らかとなるであろう。認識されるように、本明細書に記載するテクノロジーは、そのテクノロジーから逸脱しない、他の異なる明らかな態様が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものとみなすべきであり、制限的なものとみなすべきではない。
【0008】
本明細書に記載する教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ以上が、本明細書に記載するその他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上と組み合わせられ得ることが、さらに理解される。したがって、以下に説明する教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して分離しているとみなしてはならない。本明細書の教示を組み合わせ得る、さまざまな適切な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には容易に明らかになるであろう。このような改変および変形は、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【0009】
開示を明確にするため、用語「近位」および「遠位」は、遠位の外科用エンドエフェクタを有する外科用器具をつかむ外科医または他の操作者に関して本明細書で定義される。用語「近位」は、外科医または他の操作者により近い要素の位置を指し、用語「遠位」は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、外科医または他の操作者からさらに離れている要素の位置を指す。
【0010】
I.治療薬の網膜下投与のための例示的な器具
図1は、上脈絡膜アプローチにより患者の目に治療薬を網膜下投与するための処置に使用されるように構成された、例示的な器具(10)を示す。器具(10)は、本体(20)と、本体(20)から遠位に延びる可撓性カニューレ(50)と、を含む。本実施例のカニューレ(50)は、概ね矩形の断面を有するが、任意の他の適切な断面プロファイル(例えば楕円形など)を使用し得る。カニューレ(50)は、概して、以下でさらに詳細に説明するように、カニューレ(50)内部をスライド可能である針(100)を支持するように構成されている。
【0011】
本実施例では、カニューレ(50)は、PEBAXの商品名で製造され得る、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)などの可撓性材料を含む。当然、任意の他の適切な材料または材料の組み合わせを使用し得る。また、本実施例では、カニューレ(50)は、約2.0mm×0.8mmで長さが約80mmの断面プロファイル寸法を有する。あるいは、任意の他の適切な寸法を使用し得る。以下でさらに詳細に説明するように、カニューレ(50)は、患者の目の独特の構造および輪郭に一致するのに十分可撓性であるが、カニューレ(50)は、カニューレ(50)が曲がらずに患者の目の強膜と脈絡膜との間を前進することができるよう十分な柱強度を有する。ほんの一例として、カニューレ(50)は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for Subretinal Administration of Therapeutic Agent」のタイトルで2015年8月13日に公開された米国特許出願公開第2015/0223977号の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であってよい。
【0012】
図2〜
図3Bおよび
図6で分かるように、カニューレ(50)は、本体(52)と、閉じた遠位端部(54)と、遠位端部(54)の近位に位置する側方開口部(56)と、を含む。本実施例では、遠位端部(54)は、丸みを帯びた構成を有する。遠位端部(54)が、任意の適切な種類の曲率を有し得ることを理解されたい。遠位端部(54)が、任意の他の適切な種類の構成(例えば傾斜など)を有し得ることも理解されたい。本実施例では、遠位端部(54)は、強膜層と脈絡膜層との間に分離をもたらして、カニューレ(50)がこのような層の間を前進することを可能にすると共に強膜層または脈絡膜層への外傷を加えないように構成される。また、本実施例では、側方開口部(56)を画定する本体(52)の領域は、
図3A〜
図3Bで最もよく分かるように、傾斜している。あるいは、側方開口部(56)のエッジは任意の他の適切な構成を有し得る。
【0013】
図3A〜
図3Bで最もよく分かるように、針ガイド(60)がカニューレ(50)の中空内部の中に配される。ほんの一例として、針ガイド(60)は、圧入もしくは締まりばめによって、接着剤によって、機械的ロック機構によって、かつ/または任意の他の適切な様式で、カニューレ(50)内部に固定され得る。針ガイド(60)は、湾曲遠位端部(62)を含み、湾曲遠位端部(62)は、カニューレ(50)の側方開口部(56)につながり、針ガイド(60)の内腔(64)は、遠位側が側方開口部(56)において終端する。遠位端部(62)の近位にある針ガイド(60)の部分は、実質的にまっすぐである。針ガイド(60)は、プラスチック、ステンレス鋼、および/または任意の他の適切な生体適合性材料で形成され得る。
【0014】
本実施例の針(100)は、鋭利な遠位先端部(102)を有し、内腔(104)を画定する。本実施例の遠位先端部(102)は、ランセット構成を有する。いくつかの他の変形体では、遠位先端部(102)は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for Subretinal Administration of Therapeutic Agent」のタイトルで2015年8月13日に公開された米国特許出願公開第2015/0223977号に記載されるように、3斜端(tri-bevel)構成または任意の他の構成を有する。遠位先端部(102)がとり得るさらに他の適切な形態は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。本実施例の針(100)は、以下でさらに詳細に説明するように、治療薬を送達するようなサイズであると共に、針(100)が患者の目の組織構造を貫通する際に偶発的な外傷を最小限にするよう十分に小さい、ステンレス鋼の皮下針を含む。本実施例ではステンレス鋼が使用されるが、ニチノールなどを含むがこれらに限定されない、任意の他の適切な材料が使用され得ることを理解されたい。
【0015】
ほんの一例として、針(100)は、100μmの内径の35ゲージであってよいが、他の適切なサイズを使用することができる。例えば、針(100)の外径は、27ゲージ〜45ゲージの範囲内;または、より具体的には、30ゲージ〜42ゲージの範囲内;または、より具体的には、32ゲージ〜39ゲージの範囲内におさまってよい。別の単に例示的な実施例として、針(100)の内径は、約50μm〜約200μmの範囲内;または、より具体的には、約50μm〜約150μmの範囲内;または、より具体的には、約75μm〜約125μmの範囲内におさまってよい。
【0016】
針(100)は、針ガイド(60)の内腔(64)内部にスライド可能に配される。針ガイド(60)は、一般的には、カニューレ(50)の側方開口部(56)を通ってカニューレ(50)の長さ方向軸(LA)に対して斜めに方向づけられている出口軸(EA)に沿って上方に針(100)を導くように構成される。これは、
図3A〜
図3Bに描かれたシーケンスに示されており、
図3Aは、近位位置にある針(100)を示し(針(100)の遠位先端部(102)が針ガイド(60)の内腔(64)に完全に収容されている);
図3Bは、遠位位置にある針(100)を示す(針(100)の遠位先端部(102)が針ガイド(60)の外側にある)。針(100)は可撓性であるが、本実施例の針(100)は、まっすぐな構成をとるように弾性的に付勢される。よって、
図3Bに示すように、カニューレ(50)および針ガイド(60)の外側に延びる針(100)の部分は、実質的にまっすぐであり、出口軸(EA)に沿って延びる。特に、カニューレ(50)および針ガイド(60)の外側に延びる針(100)の部分の少なくとも実質的な長さは、出口軸(EA)と同軸上で整列する。
【0017】
図3A〜
図3Bにおける出口軸(EA)の描写は、例示的な目的のみで幾分誇張されているかもしれないことを、理解されたい。いくつかの変形体では、湾曲遠位端部(62)は、カニューレ(50)の長さ方向軸(LA)に対して約7°〜約9°の角度でカニューレ(50)から遠位に延びる出口軸(EA)に沿って針(100)を導くように構成される。このような角度は、脈絡膜内への針の貫通を確実にし、かつ針(100)が(脈絡膜を貫通するのとは対照的に)上脈絡膜腔を通って脈絡膜の下に続く可能性および網膜穿孔の可能性を最小限にする方向に、針(100)を偏向させるために望ましくなり得ることを理解されたい。さらにほんの一例として、湾曲遠位部分(88)は、カニューレ(50)の長さ方向軸(LA)に対して約5°〜約30°の範囲内;または、より具体的には、カニューレ(50)の長さ方向軸(LA)に対して約5°〜約20°の範囲内;または、より具体的には、カニューレ(50)の長さ方向軸(LA)に対して約5°〜約10°の範囲内、の角度で方向づけられた出口軸(EA)に沿って針(100)をカニューレ(50)から出すことができる。
【0018】
図1に示すように、本実施例の器具(10)は、本体(20)の近位端部に位置する作動ノブ(26)をさらに含む。作動ノブ(26)は、本体(20)に対して回転可能であり、それにより、カニューレ(50)に対して長さ方向に針(100)を選択的に並進運動させる。特に、作動ノブ(26)は、針(100)をカニューレ(50)に対して遠位に駆動するように第1の角度方向に、また針(100)をカニューレ(50)に対して近位に駆動するように第2の角度方向に、回転可能である。ほんの一例として、器具(10)は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for Subretinal Administration of Therapeutic Agent」のタイトルで2015年8月13日に公開された米国特許出願公開第2015/0223977号の教示の少なくとも一部に従ってノブ(26)を通じてこのような機能性を提供し得る。あるいは、任意の他の適切な種類の作動特徴部を使用して、カニューレ(50)に対して長さ方向に針(100)を駆動することができる。
【0019】
本実施例では、ノブ(26)は、完全な可動域にわたって回転可能であり、完全な可動域は、患者の目内部における所定の貫通量まで、カニューレ(50)に対する位置に針(100)を前進させることに対応する。言い換えれば、器具(10)は、ノブ(26)がもはや回転できなくなるまで、または、ノブ(26)がクラッチ組立体においてすべるかもしくは「惰性で動き(freewheel)」始めるまで、操作者がノブ(26)を回転させて、針(100)を患者の目内部に適切に位置づけるように、構成される。いくつかの実施例では、カニューレ(50)に対する針(100)の所定の前進量は、約0.25mm〜約10mm;または、より具体的には、約0.1mm〜約10mmの範囲内;または、より具体的には、約2mm〜約6mmの範囲内;または、より具体的には、約4mmまで、である。
【0020】
加えて、または代わりに、器具(10)は、針(100)が、いつカニューレ(50)に対して特定の所定の距離まで前進したかを操作者に示す、特定の触覚フィードバック特徴部を備え得る。したがって、操作者は、器具上の印の直接可視化に基づいて、かつ/または器具(10)からの触覚フィードバックに基づいて、患者の目への針(100)の所望の貫通深さを決定することができる。当然、このような触覚フィードバック特徴部は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであるように、本実施例と組み合わせることができる。
【0021】
やはり
図1に示すように、一対の供給チューブ(30、40)がアクチュエータノブ(26)から近位に延びる。本実施例では、第1の供給チューブ(30)は、ブレブ流体(340)(例えばBSS)の供給源と連結されるように構成され;第2の供給チューブ(40)は、治療薬(341)の供給源と連結されるように構成されている。各流体供給チューブ(30、40)は、従来のルアー特徴部および/または流体供給チューブ(30、40)がそれぞれの流体供給源と連結されることを可能にする他の構造体を含み得ることを理解されたい。流体供給チューブ(30、40)は、作動アーム(24)を含む弁組立体につながる。作動アーム(24)は、弁組立体の状態を選択的に変化させるように旋回可能である。作動アーム(24)の旋回位置に基づいて、弁組立体は、流体供給チューブ(30、40)から針(100)の内腔(104)への流体の供給を選択的に締めつけるか、または別様に開放/閉鎖するように動作可能である。よって、作動アーム(24)は、針(100)を介したブレブ流体(340)および治療薬(341)の送達を選択的に制御するように動作可能である。ほんの一例として、弁組立体は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for Subretinal Administration of Therapeutic Agent」のタイトルで2015年8月13日に公開された米国特許出願公開第2015/0223977号の教示の少なくとも一部に従って構成され、かつ動作可能であってよい。針(100)を介した流体送達を制御するのに使用され得る、他の適切な特徴部および構成は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0022】
器具(10)の特徴部および操作性は多くの方法で変更され得ることを理解されたい。ほんの一例として、針(100)は、以下でさらに詳細に説明するような、針(200)と置き換えられ得る。さらに、カニューレ(50)は、以下でさらに詳細に説明するような、カニューレ(400)と置き換えられ得る。加えて、器具(10)は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for Subretinal Administration of Therapeutic Agent」のタイトルで2015年8月13日に公開された米国特許出願公開第2015/0223977号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Therapeutic Agent Delivery Device with Convergent Lumen」のタイトルで2015年12月10日に公開された米国特許出願公開第2015/0351958号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Sub−Retinal Tangential Needle Catheter Guide and Introducer」のタイトルで2015年12月10日に公開された米国特許出願公開第2015/0351959号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for Sensing Position Between Layers of an Eye」のタイトルで2016年3月17日に公開された米国特許出願公開第2016/0074212号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Motorized Suprachoroidal Injection of Therapeutic Agent」のタイトルで2016年3月17日に公開された米国特許出願公開第2016/0074217号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Therapeutic Agent Delivery Device with Advanceable Cannula and Needle」のタイトルで2016年3月17日に公開された米国特許出願公開第2016/0074211号;および/または、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Therapeutic Agent Delivery Device」のタイトルで2016年3月24日に公開された米国特許出願公開第2016/0081849号、の教示の少なくとも一部に従って改変され得る。他の適切な改変は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0023】
II.治療薬の網膜下投与のための例示的な処置
図4A〜
図5Cは、前述した器具(10)を用いて上脈絡膜アプローチにより治療薬を網膜下送達するための例示的な処置を示す。ほんの一例として、本明細書に記載する方法は、黄斑変性および/または他の眼の状態を治療するために用いられ得る。本明細書に記載する処置は、加齢黄斑変性の治療の文脈で論じられるが、いかなるそのような制限も意図または意味していないことを理解されたい。例えば、単に例示的ないくつかの代替的な処置では、本明細書に記載する同じ技術を使用して、網膜色素変性症、糖尿病性網膜症、および/または他の眼の状態を治療することができる。さらに、本明細書に記載する処置を使用して、ドライ型またはウェット型どちらの加齢黄斑変性も治療し得ることを理解されたい。
【0024】
本実施例では、処置は、操作者が、検鏡、および/または固定に適切な任意の他の器具を用いて、患者の目(301)の周囲の組織(例えば、まぶた)を固定することで始める。固定は、目(301)の周囲の組織に関して本明細書に記載するが、目(301)自体は自由に動くことができるままであってよいことを、理解されたい。いったん目(301)の周囲の組織が固定されたら、眼用シャンデリアポート(eye chandelier port)(314)が、
図4Aに示すように目(301)に挿入され、瞳孔を通じて目(301)の内部を見るときに眼内照明を提供する。本実施例では、眼用シャンデリアポート(314)は、上方側頭象限強膜切開部(superior temporal quadrant sclerotomy)を事前形成することができるように、下方内側象限(inferior medial quadrant)に位置付けられる。眼用シャンデリアポート(314)は、目(301)の内部に光を導いて(例えば、黄斑の少なくとも一部を含む)網膜の少なくとも一部を照明するように位置付けられる。理解されるように、このような照明は、治療薬の送達の対象とされている目(301)の領域に対応する。
【0025】
本実施例では、
図4Aに示す段階でシャンデリアポート(314)のみが挿入され、光ファイバ(315)はまだポート(314)に挿入されていない。いくつかの他の変形体では、光ファイバ(315)は、この段階でシャンデリアポート(314)に挿入され得る。いずれの場合も、顕微鏡をオプションとして使用して、目を目視で調べ、対象部位に対する眼用シャンデリアポート(314)の適切な位置づけを確認することができる。
図4Aは眼用シャンデリアポート(314)の特定の位置づけを示しているが、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかとなるように、眼用シャンデリアポート(314)が任意の他の位置づけを有し得ることを理解されたい。
【0026】
いったん眼用シャンデリアポート(314)が位置づけられたら、強膜(304)は、結膜の組織弁に切り込みを入れ、その組織弁を後方に引っ張ることで、結膜を切開することによりアクセスされ得る。このような切開が完了した後、強膜(304)の露出表面(305)は、オプションとして、出血を最小限にするよう、焼灼ツールを用いて白くする(blanched)ことができる。いったん結膜切開が完了したら、強膜(304)の露出表面(305)は、オプションとして、ウェックセル(WECK−CEL)または他の適切な吸収装置を用いて乾燥させることができる。次に、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for Subretinal Administration of Therapeutic Agent」のタイトルで2015年8月13日に公開された米国特許出願公開第2015/0223977号に記載されるように、テンプレートを用いて目(301)にマーキングすることができる。操作者は次に、テンプレートを用いて作製された視覚的ガイドを使用して、縫合糸ループ組立体(332)を取り付け、従来の外科用メス(313)または他の適切な切断器具を用いて、
図4Bに示すように、強膜切開術を実行することができる。強膜切開処置で、目(301)の強膜(304)を通る小さい切り目を形成する。強膜切開術は、脈絡膜(306)を貫通しないよう特に注意を払って実行する。よって、強膜切開処置は、強膜(304)と脈絡膜(306)との間の空間へのアクセスを提供する。いったん切り目を目(301)に作ったら、強膜(304)を脈絡膜(306)から局所的に分離するために、鈍的切開をオプションとして行うことができる。このような切開は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろうが、小さく鈍い細長い器具を用いて実行することができる。
【0027】
強膜切開処置が実行されたら、操作者は、切り目(316)を通じて、強膜(304)と脈絡膜(306)との間の空間内へ器具(10)のカニューレ(50)を挿入し得る。
図4Cで見ることができるように、カニューレ(50)は、縫合糸ループ組立体(332)を通って、切り目の中へと導かれる。縫合糸ループ組立体(332)は、挿入中、カニューレ(50)を安定させることができる。さらに、縫合糸ループ組立体(332)は、カニューレ(50)を切り目に対して概ね接線方向の向きに維持する。このような接線方向の向きにより、カニューレ(50)が切り目を通ってガイドされる際の外傷を減らすことができる。カニューレ(50)が縫合糸ループ組立体(332)を通って切り目に挿入される際、操作者は、非外傷性経路に沿ってカニューレ(50)をさらにガイドするように鉗子または他の器具を使用し得る。当然、鉗子または他の器具の使用は、単にオプションであり、いくつかの実施例では省略され得る。
【0028】
不図示ではあるが、いくつかの実施例では、カニューレ(50)がさまざまな挿入深さを示すためにカニューレ(50)の表面上に1つ以上のマーカーを含み得ることを理解されたい。単なるオプションであるが、このようなマーカーは、カニューレ(50)が非外傷性経路に沿ってガイドされるときに適切な挿入深さを操作者が識別するのを助けるために望ましい場合がある。例えば、操作者は、カニューレ(50)が目(301)に挿入される深さの表示として、縫合糸ループ組立体(332)に対する、および/または強膜(304)の切り目に対する、このようなマーカーの位置を目で観察することができる。ほんの一例として、そのような1つのマーカーは、カニューレ(50)の約6mmの挿入深さに対応し得る。
【0029】
図4Dに示すように、いったんカニューレ(50)が少なくとも部分的に目(301)に挿入されると、操作者は、光ファイバ(315)がまだこの段階で挿入されていない場合にはファイバ(315)を眼用シャンデリアポート(314)に挿入し得る。眼用シャンデリアポート(314)が適所にあり、光ファイバ(315)と組み立てられたら、操作者は、光ファイバ(315)を通じて光を導くことで眼用シャンデリアポート(314)を起動させて目(301)の照明を提供し、それによって、目(301)の内部を可視化し得る。カニューレ(50)の位置づけに対するさらなる調節が、オプションとしてこの時点で行われて、網膜(308)の地図状萎縮エリアに対する適切な位置づけを確実にし得る。場合によっては、操作者は、瞳孔を介した目(301)の内部の可視化を最適化するために目(301)の瞳孔を操作者の方に向けるため、縫合糸ループ組立体(332)を引っ張ることなどによって、目(301)を回転させることを望み得る。
【0030】
図4C〜
図4Dは、治療薬の送達部位まで強膜(304)と脈絡膜(306)との間をガイドされるときのカニューレ(50)を示す。本実施例では、送達部位は、網膜(308)の地図状萎縮エリアに隣接した目(301)の概ね後方の領域に対応する。特に、本実施例の送達部位は、黄斑より上方で、網膜神経感覚上皮と網膜色素上皮層との間の潜在空隙にある。ほんの一例として、操作者は、ファイバ(315)およびポート(314)を通って照明が提供された状態で、カニューレ(50)が
図4C〜
図4Dに示す可動域にわたって前進されているときに目(301)の瞳孔を通じて行われる、顕微鏡を通じた直接的な可視化に依存し得る。カニューレ(50)は、目(301)の網膜(308)および脈絡膜(306)を通じて少なくとも部分的に可視であってよい。視覚追跡は、光ファイバを使用してカニューレ(50)の遠位端部を通じて可視光を発する変形体で、向上され得る。
【0031】
いったんカニューレ(50)が
図4Dに示すように送達部位まで前進したら、操作者は、ノブ(26)を作動させることによって、前述のように器具(10)の針(100)を前進させることができる。
図4Eおよび
図5Aで見ることができるように、針(100)は、針(100)が網膜(308)を貫かずに脈絡膜(306)を貫通するように、カニューレ(50)に対して前進させられる。脈絡膜(306)を貫く直前に、針(100)は、脈絡膜(306)の表面を「テント形にする(tenting)」ものとして、直接可視化されて現れ得る。言い換えれば、針(100)は、脈絡膜(306)を押し上げることにより脈絡膜(306)を変形させ、テントの屋根を変形させるテントの支柱と同じような外観をもたらし得る。このような視覚的現象は、脈絡膜(306)が貫通されようとしているかどうか、また、任意の最後の貫通場所を識別するために、操作者が使用し得る。「テント形にし」始め、その後脈絡膜(306)を貫通するのに十分な、針(100)の特定の前進量は、全体的な患者の解剖学的構造、局所的な患者の解剖学的構造、操作者の好み、および/または他の要因などであるがこれらに制限されない、いくつかの要因によって決定され得るような、任意の適切な量であってよい。前述したように、針(100)の前進の単に例示的な範囲は、約0.25mm〜約10mm、または、より具体的には約2mm〜約6mmであってよい。
【0032】
本実施例では、前述したテント形にする効果を可視化することによって針(100)が適切に前進したことを操作者が確認した後、操作者は、針(100)がカニューレ(50)に対して前進されるときに平衡塩類溶液(BSS)または他の同様の溶液を注入する。このようなBSSは、針(100)が脈絡膜(306)を通って前進すると、針(100)の前に先頭のブレブ(340)を形成し得る。先頭のブレブ(340)は、2つの理由で望ましくなり得る。第一に、
図4Fおよび
図5Bに示すように、先頭のブレブ(340)は、針(100)がいつ送達部位に適切に位置づけられたかを示すさらなる視覚的インジケータを操作者に提供し得る。第二に、先頭のブレブ(340)は、いったん針(100)が脈絡膜(306)を貫いたら、針(100)と網膜(308)との間にバリアを提供し得る。このようなバリアは、網膜壁を外側に押し、それにより、針(100)が送達部位まで前進する際の網膜穿孔のリスクを最小限にすることができる。いくつかの変形体では、先頭のブレブ(340)を針(100)から押し出すためにフットペダルが作動される。あるいは、先頭のブレブ(340)を針(100)から押し出すのに使用され得る他の適切な特徴部は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0033】
いったん操作者が先頭のブレブ(340)を可視化したら、操作者は、BSSの注入を中止し、
図4Fおよび
図5Bで見ることができるような流体のポケットを残し得る。次に、治療薬(341)が、注射器、または本明細書で引用するさまざまな参考文献に記載されるような他の流体送達装置を作動させることによって、注入され得る。送達される特定の治療薬(341)は、眼の状態を治療するように構成された任意の適切な治療薬であってよい。いくつかの単に例示的な適切な治療薬は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろうが、より小さい分子もしくは大分子を有する薬品、治療用細胞溶液、特定の遺伝子療法溶液、組織プラスミノゲン活性化因子、および/または任意の他の適切な治療薬を含み得るが、必ずしもこれらに制限されない。ほんの一例として、治療薬(341)は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Treatment of Retinitis Pigmentosa with Human Umbilical Cord Cells」のタイトルで2008年8月19日に発行された米国特許第7,413,734号の教示の少なくとも一部に従って提供され得る。治療薬(341)を送達するために使用されるのに加えて、またはその代わりに、器具(10)およびその変形体は、排液をもたらし、かつ/または他の手術を実行するのに使用され得る。
【0034】
本実施例では、最終的に送達部位に送達される治療薬(341)の量は約50μLであるが、任意の他の適切な量を送達し得る。いくつかの変形体では、薬(341)を針(100)から押し出すためにフットペダルが作動される。あるいは、薬(341)を針(100)から押し出すのに使用され得る他の適切な特徴部は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。治療薬(341)の送達は、
図4Gおよび
図5Cで見ることができるように、流体のポケットの拡張によって可視化することができる。図示のとおり、治療薬(341)は、治療薬(341)が上脈絡膜の(surprachoroidal)、網膜下腔に注入されると、本質的に先頭のブレブ(340)の流体と混合される。
【0035】
いったん送達が完了したら、針(100)は、針(100)を前進させるのに使用したのとは反対側の方向にノブ(26)を回転させることにより、後退され得;カニューレ(50)はその後、目(301)から抜き取られ得る。針(100)のサイズにより、針(100)が脈絡膜(306)を通って貫いた部位は自己封止しており、脈絡膜(306)を通じて送達部位を封止するためにさらなるステップを行う必要はないことを、理解されたい。縫合糸ループ組立体(332)およびシャンデリア(314)は取り外され得、強膜(304)の切り目は、任意の適切な従来の技術を用いて閉鎖され得る。
【0036】
前述のとおり、前述した処置は、黄斑変性を有する患者を治療するために実施され得る。そのようないくつかの場合には、針(100)によって送達される治療薬(341)は、分娩後臍および胎盤から得られた細胞を含み得る。前述のとおり、ほんの一例として、治療薬(341)は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Treatment of Retinitis Pigmentosa with Human Umbilical Cord Cells」のタイトルで2008年8月19日に発行された米国特許第7,413,734号の教示の少なくとも一部に従って提供され得る。あるいは、針(100)は、任意の他の適切な1つまたは複数の物質を、米国特許第7,413,734号および/または本明細書の他の場所に記載されたものに加えて、またはそれらの代わりに、送達するのに使用され得る。ほんの一例として、治療薬(341)は、小分子、大分子、細胞および/または遺伝子療法を含むがこれらに限定されない、さまざまな種類の薬品を含み得る。黄斑変性は本明細書に記載する処置を通じて治療され得る状態の単に例示的な一例にすぎないことも、理解されたい。本明細書に記載する器具および処置を用いて対処され得る、他の生物学的状態は、当業者には明らかであろう。
【0037】
前述した処置は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for Subretinal Administration of Therapeutic Agent」のタイトルで2015年8月13日に公開された米国特許出願公開第2015/0223977号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Therapeutic Agent Delivery Device with Convergent Lumen」のタイトルで2015年12月10日に公開された米国特許出願公開第2015/0351958号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Sub−Retinal Tangential Needle Catheter Guide and Introducer」のタイトルで2015年12月10日に公開された米国特許出願公開第2015/0351959号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for Sensing Position Between Layers of an Eye」のタイトルで2016年3月17日に公開された米国特許出願公開第2016/0074212号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Motorized Suprachoroidal Injection of Therapeutic Agent」のタイトルで2016年3月17日に公開された米国特許出願公開第2016/0074217号;開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Therapeutic Agent Delivery Device with Advanceable Cannula and Needle」のタイトルで2016年3月17日に公開された米国特許出願公開第2016/0074211号;および/または、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Therapeutic Agent Delivery Device」のタイトルで2016年3月24日に公開された米国特許出願公開第2016/0081849号、の教示のいずれかに従って実行され得ることも理解されたい。
【0038】
III.例示的なカニューレガイド
前述したとおり、縫合糸ループ組立体(332)が、カニューレ(50)を患者の目(301)の切り目(316)に挿入している間、カニューレ(50)を安定させガイドするために、目(301)の中に設置され得る。当業者は、縫合糸ループ組立体(332)の形成が、いくらか時間のかかるものとなり得ることを認識するであろう。さらに、縫合糸ループ組立体(332)の縫合糸ループ間に、また、縫合糸ループと目(301)との間に、一貫した間隔を設けることは困難となり得る。間隔におけるこのような変動は、進入角度における変動、および/または縫合糸ループ組立体(332)を通じてカニューレ(50)を挿入するのに必要とされる力の変動を生じ得る。したがって、縫合糸ループ組立体(332)の安定化およびガイド機能性を提供するが、目(301)の中に設置するのが縫合糸ループ組立体(332)よりも迅速かつ容易であり、より一貫した結果をもたらす、装置を提供することが望ましくなり得る。このような装置のさまざまな例示的な実施例を、以下でさらに詳細に説明する。以下で説明するこれらの装置は、設置時間を速くし、外科医の技術による変動性を最小限にし、かつ、必要となる外科医の訓練が少なくなるよう、必要とされる専門知識をより低いレベルとすることができる。処置の終わりに、異物が目の中に残らないように、装置を目から取り出すことができる。
【0039】
A.概観
図6〜
図7は、縫合糸ループ組立体(332)を使用する代わりに、目(301)の切り目(316)を通じてカニューレ(50)をガイドするのに使用され得る、例示的なガイド鋲(400)を示す。本実施例のガイド鋲(400)は、ヘッド(420)を含み、一対の脚部(410)がヘッド(420)から下方に延びている。よって、ガイド鋲(400)は、成形されていないステープルに似ている。ヘッド(420)は、着色されるか、または別様にマーキングされて、ヘッド(420)と強膜(304)との間に高度なコントラストをもたらすことができる。これにより、以下で説明するように、ガイド鋲(400)が目(301)の中に設置されたときに、ヘッド(420)の容易な可視化が促進され得る。
【0040】
各脚部(410)の自由端部は、鋭利な先端部(412)を含む。ほんの一例として、脚部(410)は、従来の硝子体切除トロカールと同じように構成され、動作可能であってよい。さらなるほんの一例として、脚部(410)は、25ゲージ〜30ゲージに対応するサイズを有し得る。本実施例では、脚部(410)は、ヘッド(420)から約3mmの距離にわたって延びる。このような脚部(410)の長さは、目(301)の中における脚部(410)の十分な保持を確実にする十分な長さを提供すると共に、目(301)の中の内部解剖学的構造と接触するリスクを最小限にし得る。
【0041】
鋭利な先端部(412)により、脚部(410)は、先端部(412)が目(301)の硝子体腔に到達するように目(301)を貫通することができる。いったん脚部(410)が目(310)に挿入されたら、摩擦により、ガイド鋲(400)が目(301)に実質的につなぎ留められるようにガイド鋲(400)を目に固定することができるが、脚部(410)により作られた穿刺部位より向こうで損傷を引き起こさずに、ガイド鋲(400)を目(301)から取り出すことができる。さらに、脚部(410)により作られた穿刺部位は、ガイド鋲(guide tach)(400)を目(301)から取り出した後で自己封止するよう十分小さくてよく、穿刺部位を封止するのに縫合糸は必要ない。ガイド鋲(400)を目(301)に設置するのに用いられ得る例示的な器具および処置は、以下でさらに詳細に説明する。
【0042】
本実施例のヘッド(420)は、ガイド開口部(422)と、1組の保持ピン開口部(424)と、面取り部(428)と、を画定する。ガイド開口部(422)は、脚部(410)間に定められる平面に対して横向きの軸に沿って方向づけられる。ガイドピン開口部(424)は、以下でさらに詳細に説明するように、カニューレ(50)をスライド可能に、しかしぴったりと受容するような寸法である。保持ピン開口部(424)は、脚部(410)の長さ方向軸に平行な軸に沿って方向づけられている。保持ピン開口部(424)は、やはり以下でさらに詳細に説明するように、配備器具の保持ピンを受容するような寸法である。
【0043】
面取り部(428)は、以下でさらに詳細に説明するように、ガイド鋲(400)に隣接した強膜切開部の部位の可視化を容易にするように構成される。ただ1つの面取り部(428)が、本実施例では、ヘッド(420)の上方エッジのうちの1つのみに沿って設けられているが、いくつかの変形体では、ヘッド(420)の上方エッジの両方に沿って、2つの面取り部(428)を設けることができる。このような二重の面取り部は、ヘッド(420)の対称構成をもたらし(すなわち、横軸を中心として対称)、ヘッド(420)が操作者の視界を妨げるリスクをさらに低下させることができる。
【0044】
いくつかの変形体では、ガイド開口部(422)を画定する内壁は、ガイド開口部(422)の深さ全体に沿ってガイド開口部(422)の均一な断面サイズを提供するように構成される。いくつかの他の変形体では、ガイド開口部(422)を画定する内壁は、ガイド開口部(422)にテーパー状になる外形を与えるように構成される。このようなテーパー状になる外形は、カニューレ(50)が挿入されるガイド開口部(422)の端部には、より大きいガイド開口部(422)サイズを、カニューレ(50)が出るガイド開口部(422)の端部には、より小さいガイド開口部(422)サイズを提供し得る。このような変形体では、面取り部(428)は、より小さいガイド開口部(422)サイズに対応するヘッド(420)の側に位置し得る。このような変形体では、操作者は、面取り部(428)が以下で説明するような強膜切開部(514)に最も近い側にくるように、ガイド鋲(400)を方向づけるように指示され得る(または器具(500)はガイド鋲(400)を予め装填され得る)。このことは、カニューレ(50)がガイド鋲(400)を出るガイド鋲(400)の側に、より小さいガイド開口部(422)サイズが位置することを確実にするのに役立つ。
【0045】
やはり
図6〜
図7に示すように、脚部(410)の上方端部(426)は、ヘッド(420)の上面に対して露出される。本実施例では、脚部(410)は、鉄鋼材料(例えば、ステンレス鋼など)で形成され、露出した上方端部(426)は、以下でさらに詳細に説明するような、配備器具の磁石に係合し得る。ほんの一例として、ガイド鋲(400)は、脚部(410)の上方領域の周りで、プラスチック材料からヘッド(420)を成型することによって、形成され得る。ガイド鋲(400)を形成するのに使用され得るさまざまな適切な材料および技術は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0046】
図8A〜
図8Eは、前述したように
図4D〜
図4Gおよび
図5A〜
図5Cに示すステップを実行するよう、
図4D〜
図4Gおよび
図5A〜
図5Cに示す位置に到達するためにカニューレ(50)を患者の目(301)の中にガイドするのにガイド鋲(400)が使用される、例示的な処置を示す。
図8Aに示すように、患者の目(301)の強膜は、結膜の組織弁に切り込みを入れ、その組織弁を後方に引っ張ることで、結膜を切開することによりアクセスされる。このような切開が完了した後、強膜(304)の露出表面(305)は、オプションとして、出血を最小限にするよう、焼灼ツールを用いて白くする(blanched)ことができる。いったん結膜切開が完了したら、強膜(304)の露出表面(305)は、オプションとして、ウェックセル(WECK−CEL)または他の適切な吸収装置を用いて乾燥させることができる。マーキングおよび配備器具(500)の第1の端部(502)が、露出表面(305)に押し付けられて、一対のマーク(510)を露出表面(305)に付ける。ほんの一例として、顔料材料が、まず(例えば、第1の端部(502)をインクパッドに押し付けることによって)第1の端部(502)に付けられ得、第1の端部(502)は、露出表面(305)上に顔料の一部を残してマーク(510)を提供する。マーキングおよび配備器具(500)に使用され得るさまざまな例示的な構成は、以下でさらに詳細に説明する。本実施例では、マーク(510)は、目(301)の毛様体扁平部領域上に位置する。いくつかの変形体では、第1の端部(502)のマーキング特徴部はまた、操作者が、毛様体扁平部の場所に対応する目(301)の角膜縁からの適切な間隔を特定するのを可能にすることによって、毛様体扁平部領域の位置特定を促進するように構成される。
【0047】
図8Bに示すように、操作者は次に、マーキングおよび配備器具(500)の第2の端部(504)を使用して、ガイド鋲(400)を目(301)の中に設置し得る。具体的には、操作者は、先端部(412)をマーク(510)と位置合わせし、その後、ガイド鋲(400)を目(301)に向かって押し、それによって、先端部(412)で目(301)を貫通することができる。操作者は、ヘッド(420)の下面(430)が露出表面(305)に当接するまで、ガイド鋲(400)を目(301)に向かってさらに押すことができる。露出表面(305)と下面(430)の当接により、ガイド開口部(422)と表面(305)との間に一貫した間隔が保証され、この間隔は、処置ごとに変更すべきではない。
【0048】
図8Cに示すように、操作者がマーキングおよび配備器具(500)を取り外すと、ガイド鋲(400)は目(301)につなぎ留められる。また、一対の追加のマーク(512)が露出表面(305)に残る。本実施例では、また、以下でさらに詳細に説明するように、マーキングおよび配備器具(500)の第2の端部(504)は、ガイド鋲(400)が取り外し可能に取り付けられている構造体の隣に一対のマーキング要素を含み、第2の端部(504)は、ガイド鋲(400)を目(301)の中に配備すると同時にマーク(512)を目(301)に付ける。
【0049】
図8Dに示すように、操作者は次に、従来の外科用メス(520)を用いて、強膜切開部(514)を形成する。強膜切開部(514)はマーク(512)間に形成され、マーク(512)は、強膜切開部(514)の端部を識別するのに使用される。ほんの一例として、強膜切開部(514)は約3mmの長さであってよく、マーク(512)の間で中心間を延びている。強膜切開部(514)は、強膜の厚さ全体にわたって延び、強膜線維をすべて取り除く。強膜切開部(514)は、脈絡膜(306)を貫かないよう特に注意を払って実行する。よって、強膜切開処置は、強膜(304)と脈絡膜(306)との間の空間へのアクセスを提供する。いったん強膜切開部(514)を目(301)に作ったら、強膜(304)を脈絡膜(306)から局所的に分離するために、鈍的切開をオプションとして行うことができる。このような切開は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろうが、小さく鈍い細長い器具を用いて実行することができる。
【0050】
強膜切開部(514)が形成された後で、
図8Eに示すように、カニューレ(50)は、ガイド鋲(400)のガイド開口部(422)を、そして強膜切開部(514)を通過する。特に、カニューレ(50)は、強膜(304)と脈絡膜(306)との間の空間に挿入される。前述したように、ガイド鋲(400)はカニューレ(50)を安定させ得る。さらに、ガイド鋲(400)は、カニューレ(50)を強膜切開部(514)に対して概ね接線方向の向きに維持する。このような接線方向の向きにより、カニューレ(50)が強膜切開部(514)を通ってガイドされる際の外傷を減らしてカニューレ(50)を安定化させ、周囲組織への損傷を防ぐことができる。カニューレ(50)がガイド鋲(400)を通って強膜切開部(514)に挿入される際、操作者は、非外傷性経路に沿ってカニューレ(50)をさらにガイドするように鉗子または他の器具を使用し得る。当然、鉗子または他の器具の使用は、単にオプションであり、いくつかの実施例では省略され得る。
【0051】
やはり
図8Eに示すように、本実施例のカニューレ(50)は、カニューレ(50)の外側表面に深さマーカー(51)をさらに含む。深さマーカー(51)は、操作者が、ガイド鋲(400)に対する、または強膜切開部(514)に対する、深さマーカー(51)の位置を視覚的に観察して、カニューレ(50)がいつ所定の挿入深さまで挿入されたかを決定することができるように、構成される。ほんの一例として、深さマーカー(510)は、強膜切開部(514)に対する約5mmの最初のカニューレ(50)の挿入深さと対応するように位置づけられ得る。カニューレ(50)は、本実施例では1つの深さマーカー(51)を有するのみであるが、代替的な変形体では、2つ以上の深さマーカー(51)を含み得る。
【0052】
さらに別の単に例示的な変形体として、カニューレ(50)は、外側に突出する深さ停止特徴部を含んでよく、これは、ガイド鋲(400)に当接して、目(301)内部でのカニューレ(50)の挿入深さを物理的に制限する。いくつかのこのような変形体では、深さ停止特徴部は、カニューレ(50)の長さに沿って深さ停止特徴部を選択的に位置づけることを可能にするように構成され、操作者は、カニューレ(50)をガイド開口部(420)に通す前に所望の挿入深さを選択し得る。やはり、1つ以上の深さマーカー(51)を使用して、操作者がカニューレ(50)の長さに沿った調節可能な深さ停止特徴部の位置を選択するのを助けることができる。深さ停止特徴部がとり得るさまざまな適切な形態は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0053】
図8Eに示す状態に達した後、かつカニューレ(50)が適切な深さまで目(301)に挿入された後で、処置は、
図4D〜
図4Gおよび
図5A〜
図5Cを参照して前述したように続けられ得る。治療薬(341)が上脈絡膜の(surprachoroidal)、網膜下腔に注入された後、カニューレ(500)は目(301)から抜き取られてよく、ガイド鋲(400)も目(301)から取り出されてよい。強膜切開部(514)は次に、任意の適切な従来技術を用いて閉じられ得る。前述したとおり、針(100)が脈絡膜(306)を通って貫いた部位は自己封止しており、脈絡膜(306)を通じて送達部位を封止するためにさらなるステップを行う必要はない。前述したように、脚部(510)が目(301)を通って貫いた部位も自己封止しており、脚部(510)が挿入された穿刺部位を封止するためにさらなるステップを行う必要はない。
【0054】
B.ガイド鋲の変形体
図9〜
図10および
図13〜
図14は、前述したガイド鋲(400)の代わりに使用され得る、別の例示的なガイド鋲(600)を示す。以下で別段の記載がある場合を除き、本実施例のガイド鋲(600)は、ガイド鋲(400)と同じように構成され動作可能であってよい。本実施例のガイド鋲(600)は、ヘッド(620)を含み、一対の脚部(610)がヘッド(620)から下方に延びている。
【0055】
各脚部(610)の自由端部は鋭利な先端部(612)を含む。
図11〜
図12で最もよく分かるように、鋭利な先端部(612)はそれぞれ、3斜端構成を有する。特に、鋭利な先端部(612)は、近位面(614)と、一対の遠位面(616、618)と、を含む。3つの面(614、616、618)はすべて、第1の点(615)に共に集まるが、遠位面(616、618)は、第2の点(619)にも集まる。この3斜端構成により、操作者が鋭利な先端部(612)を目(301)に押し込む際に目(301)を比較的容易に貫通することを促進する。あるいは、鋭利な先端部(612)は、鋭利な先端部(612)が目(301)の組織層を貫通するのを可能にする任意の他の適切な構成を有し得、これには、当技術分野で既知の、さまざまな目貫通先端部構成が含まれるがこれらに制限されない。脚部(610)は、その他の点では、前述した脚部(410)と同じように構成され得る。本明細書に記載するその他のガイド鋲のいずれの脚部の鋭利な先端部も、鋭利な先端部(612)が有する同じ3斜端構成を有し得ることも、理解されたい。
【0056】
本実施例のヘッド(620)は、ガイド開口部(630)と、面取り部(622)と、を画定する。図示していないが、ヘッド(620)は、前述した保持ピン開口部(424)と同様の保持ピン開口部も含み得る。加えて、図示していないが、脚部(610)の上方端部は、ヘッド(620)の上面で露出され得る。さらに、ただ1つの面取り部(622)が図示されているが、ヘッド(620)は、代わりに、本明細書に記載するように2つの面取り部(622)を有し得る。ガイド開口部(630)は、カニューレ(50)をスライド可能に受容するようにサイズ決めされ構成される。ガイド開口部(630)は、脚部(610)間に定められる平面に対して横方向の軸に沿って方向づけられる。前述したガイド開口部(422)とは異なり、本実施例のガイド開口部(630)は、ガイド開口部(622)の底部に沿って開口している。
【0057】
図14で最もよく分かるように、本実施例のガイド開口部(630)は、いくつかの平坦な表面(632、634、636、638、642、644、646、648)によって形成される。表面(632、634、636、638、642、644、646、648)はすべて、脚部(610)間に定められる平面に対して、また、脚部(610)間に定められる平面に垂直な平面に対して、斜めに方向づけられる。
図13に示す方向に沿って見ると、表面(632、634、636、638、642、644、646、648)は、ガイド開口部(630)が、脚部(610)間に定められる平面に沿って、ガイド開口部(630)の高さに沿ったガイド開口部(630)の中心領域において、ガイド鋲(600)の中心線から外側にそれるように、構成されている。この構成により、ガイド開口部(630)内部におけるカニューレ(50)の捕捉が促進され得、カニューレ(50)が強膜(304)の表面(305)から適切な距離にとどまることが確実となる。
【0058】
図14に示す方向に沿って見ると、表面(632、634、636、638、642、644、646、648)は、ガイド開口部(630)が、脚部(610)間に定められる平面に垂直な平面に沿って、ガイド開口部(630)の高さに沿ったガイド開口部(630)の中心領域において、ガイド鋲(600)の中心線に向かって内側にそれるように、構成されている。この構成により、カニューレ(50)とヘッド(620)との間の接触量を最小限にすることができ、これにより、カニューレ(50)がガイド開口部(630)を通ってスライドする際のカニューレ(50)とヘッド(620)との間の摩擦量を最小限にすることができる。摩擦の減少により、カニューレ(50)がガイド開口部(630)を通ってスライドする際にカニューレ(50)が目(301)からガイド鋲(600)を不注意に引っ張るリスクを減らすことができる。カニューレ(50)とヘッド(620)との間の接触をこのように最小限にするにもかかわらず、表面(632、634、636、638、642、644、646、648)は依然として、カニューレ(50)がガイド開口部(630)内に配される際にカニューレ(50)の安定性を維持するよう十分な接触をもたらし得る。
【0059】
図15〜
図17は、前述したガイド鋲(400)の代わりに使用され得る、別の例示的なガイド鋲(700)を示す。以下で別段の記載がある場合を除き、本実施例のガイド鋲(700)は、ガイド鋲(400)と同じように構成され動作可能であってよい。本実施例のガイド鋲(700)は、ヘッド(720)を含み、一対の脚部(710)がヘッド(720)から下方に延びている。各脚部(710)の自由端部は鋭利な先端部(712)を含む。鋭利な先端部(712)は、鋭利な先端部(612)と同じように形成され得る。あるいは、鋭利な先端部(712)は、任意の他の適切な構成を有し得る。
【0060】
本実施例のヘッド(720)は、ガイド開口部(722)と、一対の面取り部(728)と、を画定する。ガイド開口部(722)は、カニューレ(50)をスライド可能に受容するようにサイズ決めされ、構成される。ガイド開口部(722)は、脚部(710)間に定められる平面に対して横方向の軸に沿って方向づけられる。前述したガイド開口部(422)とは異なり、本実施例のガイド開口部(722)は、ガイド開口部(722)の上部に沿って開口している。しかしながら、脚部(710)のクラウン部分(714)が、ガイド開口部(722)の開口した上部を通って延び、ガイド開口部(722)の上部を効果的に閉じる。いくつかの変形体では、脚部(710)およびクラウン部分(714)の両方が、単一のモノリシックな材料片で形成される。いくつかの他の変形体では、脚部(710)およびクラウン部分(714)は、別々に形成され、ヘッド(720)と共に単に成型されるだけである。他の適切な構成および装置は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0061】
図18〜
図20は、前述したガイド鋲(400)の代わりに使用され得る、別の例示的なガイド鋲(800)を示す。以下で別段の記載がある場合を除き、本実施例のガイド鋲(800)は、ガイド鋲(400)と同じように構成され動作可能であってよい。本実施例のガイド鋲(800)は、ヘッド(820)を含み、一対の脚部(810)がヘッド(820)から下方に延びている。各脚部(810)の自由端部は鋭利な先端部(812)を含む。鋭利な先端部(812)は、鋭利な先端部(612)と同じように形成され得る。あるいは、鋭利な先端部(812)は、任意の他の適切な構成を有し得る。
【0062】
本実施例のヘッド(820)は、ガイド開口部(822)と、保持ピン開口部(826)と、一対の面取り部(828)と、を画定する。ガイド開口部(822)は、カニューレ(50)をスライド可能に受容するようにサイズ決めされ、構成される。ガイド開口部(822)は、脚部(810)間に定められる平面に対して横方向の軸に沿って方向づけられる。保持ピン開口部(826)は、脚部(810)の長さ方向軸に平行な軸に沿って方向づけられる。保持ピン開口部(826)は、やはり以下でさらに詳細に説明するように、配備器具の保持ピンを受容するような寸法である。
【0063】
本実施例のヘッド(820)は、ガイド開口部(822)の側面において、ガイド開口部(822)の全長に沿って延びる一対のリブ(824)をさらに含む。リブ(824)は一緒になって、開口部(822)の有効幅(w)を定める。この幅(w)は、カテーテル(50)の幅とぴったりと対応するようなサイズであり、リブ(824)は、カテーテル(50)が開口部(822)を通ってスライドする際にカテーテル(50)にスライドして接触する。この構成により、カニューレ(50)とヘッド(820)との間の接触量を最小限にすることができ、これにより、カニューレ(50)がガイド開口部(822)を通ってスライドする際のカニューレ(50)とヘッド(820)との間の摩擦量を最小限にすることができる。摩擦の減少により、カニューレ(50)がガイド開口部(822)を通ってスライドする際にカニューレ(50)が目(301)からガイド鋲(800)を不注意に引っ張るリスクを減らすことができる。カニューレ(50)とヘッド(820)との間の接触をこのように最小限にするにもかかわらず、リブ(824)は依然として、カニューレ(50)がガイド開口部(822)内に配される際にカニューレ(50)の安定性を維持するよう十分な接触をもたらし得る。
【0064】
図21〜
図22は、前述したガイド鋲(400)の代わりに使用され得る、別の例示的なガイド鋲(900)を示す。以下で別段の記載がある場合を除き、本実施例のガイド鋲(900)は、ガイド鋲(400)と同じように構成され動作可能であってよい。本実施例のガイド鋲(900)は、ヘッド(920)を含み、一対の脚部(910)がヘッド(920)から下方に延びている。各脚部(910)の自由端部は鋭利な先端部(912)を含む。鋭利な先端部(912)は、鋭利な先端部(612)と同じように形成される。あるいは、鋭利な先端部(912)は、任意の他の適切な構成を有し得る。
【0065】
本実施例のヘッド(820)は、ガイドノッチ(922)と、一対の面取り部(928)と、を画定する。ガイドノッチ(922)は、脚部(910)間に定められる平面に対して横方向の軸に沿って方向づけられる。ガイド鋲(900)が目(301)に固定されると、ガイドノッチ(922)は、強膜(304)の表面(305)と協働してガイド開口部を画定するように構成される。表面(305)とガイドノッチ(922)とによって画定されたガイド開口部は、カニューレ(50)をスライド可能に受容するようにサイズ決めされ、構成される。
【0066】
図23〜
図24は、本明細書に記載するガイド鋲(400)のいずれにも容易に組み込まれ得る、例示的な代替的なヘッド(1000)を示す。本実施例のヘッド(1000)は、保持ピン開口部(1010)と、一対の脚部開口部(1012)と、ガイド開口部(1020)と、面取り部(1030)と、を含む。保持ピン開口部(1010)は、脚部開口部(1012)内に配された脚部の長さ方向軸に平行な軸に沿って方向づけられる。保持ピン開口部(1010)は、やはり以下でさらに詳細に説明するように、配備器具の保持ピンを受容するような寸法である。脚部開口部(1012)は、本明細書に記載するさまざまなガイド鋲脚部のいずれかと同じように構成され得る、それぞれの脚部を受容するように構成される。脚部開口部(1012)は、ヘッド(1000)の上面まで延び、脚部開口部(1012)内に配された脚部の上方端部は、ヘッド(1000)に対して露出され得る。
【0067】
ガイド開口部(1020)は、カニューレ(50)をスライド可能に受容するようにサイズ決めされ、構成される。ガイド開口部(1020)は、脚部開口部(1012)内に配された脚部間に定められる平面に対して横方向の軸に沿って方向づけられる。本実施例のヘッド(1000)は、ガイド開口部(1020)の上方側面において、ガイド開口部(1020)の全長に沿って延びるリブ(1022)をさらに含む。ガイド開口部(1020)のリブ(1022)と底面とは一緒になって、開口部(1020)の有効高さ(h)を定める。この高さ(h)は、カテーテル(50)の厚さにぴったりと対応するようなサイズであり、ガイド開口部(1020)のリブ(1022)と底面とは、カテーテル(50)が開口部(1020)を通ってスライドする際にカテーテル(50)にスライドして接触する。この構成により、カニューレ(50)とヘッド(1000)との間の接触量を減少させることができ、これにより、カニューレ(50)がガイド開口部(1020)を通ってスライドする際のカニューレ(50)とヘッド(1000)との間の摩擦量を減らすことができる。摩擦の減少により、カニューレ(50)がガイド開口部(1020)を通ってスライドする際にカニューレ(50)が目(301)からヘッド(1000)を組み込むガイド鋲を不注意に引っ張るリスクを減らすことができる。カニューレ(50)とヘッド(1050)との間の接触をこのように減らすにもかかわらず、ガイド開口部(1020)のリブ(1022)および底面は依然として、カニューレ(50)がガイド開口部(1020)内に配される際にカニューレ(50)の安定性を維持するよう十分な接触をもたらし得る。
【0068】
図25〜
図28は、本明細書に記載するガイド鋲(400)のいずれにも容易に組み込まれ得る、別の例示的な代替的なヘッド(1050)を示す。本実施例のヘッド(1050)は、保持ピン開口部(1052)と、一対の脚部開口部(1054)と、ガイド開口部(1060)と、面取り部(1070)と、を含む。保持ピン開口部(1052)は、脚部開口部(1054)内に配された脚部の長さ方向軸に平行な軸に沿って方向づけられる。保持ピン開口部(1052)は、やはり以下でさらに詳細に説明するように、配備器具の保持ピンを受容するような寸法である。脚部開口部(1054)は、本明細書に記載するさまざまなガイド鋲脚部のいずれかと同じように構成され得る、それぞれの脚部を受容するように構成される。脚部開口部(1054)は、ヘッド(1050)の上面まで延び、脚部開口部(1054)内に配された脚部の上方端部は、ヘッド(1050)に対して露出され得る。
【0069】
ガイド開口部(1060)は、カニューレ(50)をスライド可能に受容するようにサイズ決めされ、構成される。ガイド開口部(1060)は、脚部開口部(1054)内に配された脚部間に定められる平面に対して横方向の軸に沿って方向づけられる。本実施例のヘッド(1050)は、ガイド開口部(1060)の側面において、ガイド開口部(1060)の全長に沿って延びる一対のリブ(1062)をさらに含む。リブ(1062)は一緒になって、開口部(1060)の有効幅(w)を定める。この幅(w)は、カテーテル(50)の幅にぴったりと対応するようなサイズであり、リブ(1062)は、カテーテル(50)が開口部(1062)を通ってスライドする際にカテーテル(50)にスライドして接触する。この構成により、カニューレ(50)とヘッド(1050)との間の接触量を最小限にすることができ、これにより、カニューレ(50)がガイド開口部(1060)を通ってスライドする際のカニューレ(50)とヘッド(1050)との間の摩擦量を最小限にすることができる。摩擦の減少により、カニューレ(50)がガイド開口部(1060)を通ってスライドする際にカニューレ(50)が目(301)からヘッド(1050)を組み込むガイド鋲を不注意に引っ張るリスクを減らすことができる。カニューレ(50)とヘッド(1050)との間の接触をこのように最小限にするにもかかわらず、リブ(1062)は依然として、カニューレ(50)がガイド開口部(1060)内に配される際にカニューレ(50)の安定性を維持するよう十分な接触をもたらし得る。
【0070】
図29〜
図31は、ガイド鋲の脚部をガイド鋲のヘッドに固定するのに使用され得る追加の例示的な構成を示す。特に、
図29は、脚部(1110)の上方端部(1112)が、ヘッド(1120)のガイド開口部(1122)の上方で、互いに向かって内側に曲がる、ガイド鋲(1100)を示す。ヘッド(1120)は、脚部(1110)の曲がった上方端部(1112)の周りでオーバーモールドされて、脚部(1110)をヘッド(1120)に固定することができる。
図30は、脚部(1160)の上方端部(1162)が、ガイド開口部(1172)の近くで、互いから離れて外側に曲がる、ガイド鋲(1150)を示す。ヘッド(1170)は、脚部(1160)の曲がった上方端部(1162)の周りでオーバーモールドされて、脚部(1160)をヘッド(1170)に固定することができる。
図31は、脚部(1210)の上方端部(1212)が、ガイド開口部(1222)の近くにおいて、ヘッド(1220)のピン(1224)の周囲で曲がる、ガイド鋲(1200)を示す。この実施例では、ピン(1224)は、脚部(1160)のまっすぐな部分に対して垂直に向けられている。ヘッド(1220)は、ピン(1224)および脚部(1212)の曲がった上方端部(1212)の周りでオーバーモールドされて、脚部(1160)をヘッド(1170)に固定することができる。
【0071】
図29〜
図31に示すガイド鋲(1100、1150、1200)の脚部(1110、1162、1210)とそれぞれのヘッド(1120、1170、1220)との間の関係はいずれも、本明細書に記載するさまざまなガイド鋲のいずれにも容易に組み込まれ得ることを、理解されたい。ガイド鋲の脚部とヘッドとの間にもたらされ得る他の適切な関係は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0072】
図32〜
図33は、前述したガイド鋲(400)の代わりに使用され得る、別の例示的なガイド鋲(1250)を示す。以下で別段の記載がある場合を除き、本実施例のガイド鋲(1250)は、ガイド鋲(400)と同じように構成され動作可能であってよい。本実施例のガイド鋲(1250)は、鋭利な先端部(1262)を備えた一対の脚部(1260)と、ガイド開口部(1274)を画定するヘッド部分(1270)と、ガイド斜面(1274)と、把持用タブ(1276)と、を含む。ガイド開口部(1272)は、カニューレ(50)をスライド可能に受容するようにサイズ決めされ、構成される。ガイド開口部(1272)は、脚部(1260)間に定められる平面に対して横方向の軸に沿って方向づけられる。ガイド斜面(1274)は、強膜(304)の表面(305)に対してガイド鋲(1250)を安定させ、カニューレ(50)をガイド開口部(1272)内へとガイドするのを助けるように構成される。把持用タブ(1276)は、任意の適切な把持器具でガイド鋲(1250)を把持し操作するのを容易にするように構成される。いくつかの変形体では、ガイド鋲(1250)は、ミルで加工した鋼(milled steel)で形成される。あるいは、任意の他の適切な材料およびプロセスを用いてガイド鋲(1250)を形成することができる。
【0073】
図34〜
図35は、前述したガイド鋲(400)の代わりに使用され得る、別の例示的なガイド鋲(1300)を示す。以下で別段の記載がある場合を除き、本実施例のガイド鋲(1300)は、ガイド鋲(400)と同じように構成され動作可能であってよい。本実施例のガイド鋲(1300)は、鋭利な先端部(1312)を備えた一対の脚部(1310)と、ガイド開口部(1322)を画定するヘッド部分(1320)と、ガイド斜面(1324)と、を含む。鋭利な先端部(1312)は、本実施例では、さかとげが付けられているが、これは単なるオプションである。ガイド開口部(1322)は、カニューレ(50)をスライド可能に受容するようにサイズ決めされ、構成される。ガイド開口部(1322)は、脚部(1310)間に定められる平面に対して横方向の軸に沿って方向づけられる。ガイド斜面(1324)は、ガイド鋲(1300)を強膜(304)の表面(305)に対して安定させ、カニューレ(50)をガイド開口部(1322)内にガイドするのを助けるように構成される。いくつかの変形体では、ガイド鋲(1300)は、ミルで加工した鋼で形成される。あるいは、任意の他の適切な材料およびプロセスを用いてガイド鋲(1300)を形成することができる。
【0074】
IV.例示的なマーキングおよび配備器具
前述したとおり、マーキングおよび配備器具(500)は、以下の3つの機能を提供するのに使用され得る:ガイド鋲(400)が目(301)に設置されるべき部位をマーキングする;マーキングされた部位にガイド鋲(400)を設置する;強膜切開部(514)が形成されるべき部位をマーキングする。以下に記載する実施例は、このような器具(500)がとり得るいくつかの形態を提供する。以下に記載する実施例は、1つの器具を通じて3つすべての機能を提供するが、実施例は、2つの器具間で機能を分けるように容易に改変され得る。例えば、第1の器具を用いて、ガイド鋲(400)が目(301)に設置されるべき部位をマーキングすることができ、第2の器具を用いて、マーキングされた部位にガイド鋲(400)を設置し、強膜切開部(514)が形成されるべき部位をマーキングすることができる。他の変形体が、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。以下に記載する実施例が特にガイド鋲(400)に言及する範囲で、以下に記載する例示的な器具(およびそれらの変形体)は、代わりに、本明細書に記載するさまざまなガイド鋲のいずれかと使用され得る。
【0075】
図36〜
図41Bは、例示的なマーキングおよび配備器具(1400)を示す。本実施例の器具(1400)は、第1の端部(1410)および第2の端部(1420)を有するシャフト(1402)を含む。シャフト(1402)は、器具(1400)を把持または操作するのに追加のツールを必要とすることなく、操作者の手によって(例えば、鉛筆の握り方を用いて)容易に把持および操作されるようにサイズ決めされ、構成される。
図36および
図38で最もよく分かるように、シャフト(1402)の第1の端部(1410)は、一対の突起(1412)を含む。突起(1412)は本実施例ではとがっているが、突起(1412)は、突起(1412)が強膜(304)の表面(305)に押し付けられて本明細書に記載するように表面(305)にマーキングするときに突起(1412)が強膜(304)を貫通しないように、非外傷性となるよう構成されている。
【0076】
いくつかの変形体では、突起(1412)は、突起(1412)間の間隔が目(301)の角膜縁と目(301)の毛様体扁平部との間の間隔に対応するように、位置づけられる。このような変形体では、前述したとおり、ガイド鋲(400)が毛様体扁平部領域において配備されるので、操作者は、第1の端部(1410)を使用して、ガイド鋲(400)を配備する適切な領域の場所を決定することができる。加えて、または代わりに、突起(1412)は、突起(1412)間の間隔がガイド鋲(400)の脚部(410)間の間隔に対応するように、位置づけられ得る。よって、突起(1412)は、脚部(410)の挿入点をマーキングするのに使用され得る。特に、操作者は、まず突起(1412)をインクパッドに押し付け、その後、突起(1412)を強膜(304)の表面(305)に押し付けて、
図8Aを参照して前述したようなマーキング(510)を残すことができる。
【0077】
図37および
図39で最もよく分かるように、第2の端部(1420)は、一対の突起(1422)と、保持ピン(1424)と、一対の磁石(1428)と、を含む。突起(1422)は本実施例ではとがっているが、突起(1422)は、突起(1422)が強膜(304)の表面(305)に押し付けられて本明細書に記載するように表面(305)にマーキングするときに突起(1422)が強膜(304)を貫通しないように、非外傷性となるよう構成されている。突起(1422)は、突起(1422)間の間隔がカニューレ(50)を受容する強膜切開部(514)の適切な長さと対応するように、位置づけられる。例えば、突起(1412)は、突起(1422)の中心間が約3mmだけ離間するように、位置づけられ得る。よって、突起(1422)は、強膜切開部(514)の部位をマーキングするのに使用され得る。特に、操作者は、まず突起(1422)をインクパッドに押し付け、その後、突起(1422)を強膜(304)の表面(305)に押し付けて、
図8Cを参照して前述したようなマーキング(512)を残すことができる。
【0078】
保持ピン(1424)は、ガイド鋲の保持ピン開口部に嵌まるように構成される。特に、保持ピン(1424)は、ガイド鋲の保持ピン開口部との摩擦を提供するように構成され、ガイド鋲は、保持ピン(1424)との摩擦係合を介して第2の端部(1420)に取り外し可能に固定される。このような係合の一例が
図40に示されており、ここでは、保持ピン(1424)は両方の保持ピン開口部(424)内に配されている。磁石(1428)は、脚部(410)の露出した上方端部(426)の場所と対応するように位置づけられる。脚部(410)は本実施例では鉄鋼材料で形成されているので、磁石(1428)は、ガイド鋲(400)を第2の端部(1420)にさらに取り外し可能に固定する。ガイド鋲の脚部の上方端部が露出されていない変形体では、磁石(1428)は、ガイド鋲を第2の端部(1420)上に解放可能に保持するよう十分な磁気引力を依然として提供し得る。器具(1400)のいくつかの変形体に、保持ピン(1424)がなく、依然として磁石(1428)を有するか、または磁石(1428)がなく依然として保持ピン(1424)を有することができることも、理解されたい。
【0079】
図41A〜
図41Bに示すように、保持ピン(1424)は、本実施例ではスライダ(1426)に固定される。スライダ(1426)は、遠位位置(
図41A)と近位位置(
図41B)との間でシャフト(1402)に対してスライド可能である。ガイド鋲が保持ピン開口部を有する変形体では、ガイド鋲が第2の端部(1420)に固定される間、スライダ(1426)および保持ピン(1424)は遠位に位置付けられ得る。操作者がガイド鋲を第2の端部(1420)から解放したいと思った場合(例えば、ガイド鋲の脚部が目(301)に完全に挿入され、ガイド鋲のヘッドが強膜(304)の表面(305)に当接しているとき)、操作者は、スライダ(1426)を近位に後退させて保持ピン(1424)を近位に後退させ、これにより、保持ピン(1424)とガイド鋲の保持ピン開口部との間を係合解除させることができる。ガイド鋲の脚部と強膜(304)との間の摩擦は、磁石(1428)とガイド鋲の鉄鋼構成要素(例えば、ガイド鋲の脚部の上方端部)との間の引力より強く、ガイド鋲は、操作者が器具(1400)をガイド鋲から引き離すときに目(301)に固定されたままである。
【0080】
ガイド鋲に保持ピン開口部がない変形体では、ガイド鋲が磁石(1428)とガイド鋲の鉄鋼構成要素との間の磁気引力を介して第2の端部(1420)に固定される間、スライダ(1426)および保持ピン(1424)は、近位に位置づけられ得る。操作者がガイド鋲を第2の端部(1420)から解放したいと思った場合(例えば、ガイド鋲の脚部が目(301)に完全に挿入され、ガイド鋲のヘッドが強膜(304)の表面(305)に当接しているとき)、操作者は、スライダ(1426)を遠位に前進させて保持ピン(1424)を遠位に前進させると同時に、器具(1400)を近位に引っ張り、これによって、ガイド鋲を磁石(1428)から押し離すことができる。ガイド鋲の脚部と強膜(304)との間の摩擦により、操作者が器具(1400)をガイド鋲から引き離してガイド鋲を係合解除させるときにガイド鋲が目(301)に固定されたままとなることが確実になる。
【0081】
図42〜
図43は、別の例示的なマーキングおよび配備器具(1500)を示す。本実施例の器具(1500)は、第1の端部(1510)および第2の端部(1520)を有するシャフト(1502)を含む。第1の端部(1510)は、前述した突起(1512)のように構成され動作可能である、1組の突起(1512)を有する。第2の端部(1520)は、前述した突起(1422)のように構成され動作可能である、1組の突起(1522)を有する。第2の端部(1520)は、前述した磁石(1428)のように構成され動作可能である、一対の磁石(1528)も有する。器具(1400)とは異なり、本実施例の器具(1500)には、保持ピン(1424)およびスライダ(1426)がない。よって、本実施例の器具(1500)は、ガイド鋲を第2の端部(1520)に解放可能に固定するのに磁石(1528)のみに依存している。
【0082】
保持ピン開口部を含むガイド鋲と共に使用される、器具(1500)のいくつかの変形体では、第2の端部(1520)は、シャフト(1502)に対して前進または後退することができない、静止した保持ピンを含む。このような変形体では、ガイド鋲の脚部と強膜(304)との間の摩擦は、器具(1500)の保持ピンとガイド鋲の保持ピン開口部との間の摩擦よりも強くてよい。静止した保持ピンを有する器具(1500)の変形体では、磁石(1528)が依然として含まれ得るか、または磁石(1528)は省略され得る。
【0083】
図44〜
図47は、任意の適切なマーキング器具に組み込まれ得るマーキングヘッドのさまざまな実施例を示す。いくつかの変形体では、これらのマーキングヘッドは、マーキングおよび配備器具の一端部に設けられ、この器具の他端部は、ガイド鋲を取り外し可能に固定および配備するように構成される。いくつかの他の変形体では、これらのマーキングヘッドは、マーキングのみに特化した、器具の端部に設けられ、器具には、ガイド鋲を取り外し可能に固定および配備するように構成された特徴部がない。
【0084】
図44に示す実施例では、マーキングヘッド(1600)は、第1の突起(1602)と、一対の第2の突起(1603)と、楕円のマーキング特徴部(1604)と、一対の第3の突起(1606)と、を含む。第1の突起(1602)は、目(301)の角膜縁に位置付けられ、それによって、マーキングヘッド(1600)のその他の突起(1603、1606)およびマーキング特徴部(1604)の位置基準として役立つように構成される。第2の突起(1603)は、強膜切開部(514)の場所および長さと対応するように位置づけられ、離間されている。第3の突起(1606)は、ガイド鋲の脚部の場所および間隔と対応するように位置づけられ、離間されている。よって、第3の突起(1606)は、第1の突起(1602)が角膜縁上に位置付けられたときに、毛様体扁平部の場所と対応するように位置づけられる。楕円のマーキング特徴部(1604)は、ガイド鋲のヘッドの構成と対応するようにサイズ決めされ、構成されている。楕円のマーキング特徴部(1604)は第3の突起(1606)を取り囲む。
【0085】
使用中、操作者は、マーキングヘッド(1600)をインクパッドに押し付け、その後、第1の突起(1602)を目(301)の角膜縁に位置付け、マーキングヘッド(1600)を強膜(304)の表面(305)に押し付けることができる。操作者は次に、第3の突起(1606)によって残されたマーキングの位置を観察し、それらのマーキングの場所で、ガイド鋲の脚部を挿入することができる。ガイド鋲が強膜(304)の表面(305)に接して完全に設置されると、操作者は、楕円のマーキング特徴部(1604)によって残されたマーキングとガイド鋲のヘッドとの間の対応を観察することによって、適切な位置づけを確認することができる。操作者は次に、第2の突起(1603)によって残されたマーキング間を切断するために外科用メスを用いることによって、強膜切開部(314)を形成することができる。
【0086】
図45に示す実施例では、マーキングヘッド(1650)は、第1の突起(1652)と、一対の第2の突起(1653)と、一対の第3の突起(1654)と、楕円のマーキング特徴部(1656)と、を含む。第1の突起(1652)は、目(301)の角膜縁に位置付けられ、それによって、マーキングヘッド(1650)のその他の突起(1653、1654)およびマーキング特徴部(1656)の位置基準として役立つように構成される。第2の突起(1653)は、強膜切開部(514)の場所および長さと対応するように位置づけられ、離間されている。第3の突起(1654)は、ガイド鋲の脚部の場所および間隔と対応するように位置づけられ、離間されている。よって、第3の突起(1654)は、第1の突起(1652)が角膜縁上に位置付けられたときに、毛様体扁平部の場所と対応するように位置づけられる。楕円のマーキング特徴部(1656)は第3の突起(1654)間に延びる。
【0087】
使用中、操作者は、マーキングヘッド(1650)をインクパッドに押し付け、その後、第1の突起(1652)を目(301)の角膜縁に位置付け、マーキングヘッド(1650)を強膜(304)の表面(305)に押し付けることができる。操作者は次に、第3の突起(1654)によって残されたマーキングの位置を観察し、それらのマーキングの場所で、ガイド鋲の脚部を挿入することができる。楕円のマーキング特徴部(1656)によって残されたマーキングは、第3の突起(1654)によって残されたマーキングの位置を強調するのに役立ち得る。ガイド鋲が強膜(304)の表面(305)に接して完全に設置されると、操作者は次に、第2の突起(1653)によって残されたマーキング間を切断するために外科用メスを用いることによって、強膜切開部(314)を形成することができる。
【0088】
図46に示す実施例では、マーキングヘッド(1700)は、第1の突起(1702)と、一対の第2の突起(1703)と、一対の第3の突起(1704)と、を含む。第1の突起(1702)は、目(301)の角膜縁に位置付けられ、それによって、マーキングヘッド(1600)のその他の突起(1703、1704)の位置基準として役立つように構成される。第2の突起(1703)は、強膜切開部(514)の場所および長さと対応するように位置づけられ、離間されている。第3の突起(1704)は、ガイド鋲の脚部の場所および間隔と対応するように位置づけられ、離間されている。よって、第3の突起(1704)は、第1の突起(1702)が角膜縁上に位置付けられたときに、毛様体扁平部の場所と対応するように位置づけられる。
【0089】
使用中、操作者は、マーキングヘッド(1700)をインクパッドに押し付け、その後、第1の突起(1702)を目(301)の角膜縁に位置付け、マーキングヘッド(1700)を強膜(304)の表面(305)に押し付けることができる。操作者は次に、第3の突起(1704)によって残されたマーキングの位置を観察し、それらのマーキングの場所で、ガイド鋲の脚部を挿入することができる。ガイド鋲が強膜(304)の表面(305)に接して完全に設置されると、操作者は次に、第2の突起(1703)によって残されたマーキング間を切断するために外科用メスを用いることによって、強膜切開部(314)を形成することができる。
【0090】
図47に示す実施例では、マーキングヘッド(1750)は、第1の突起(1752)と、一対の第2の突起(1754)と、楕円のマーキング特徴部(1756)と、一対の第3の突起(1758)と、を含む。第1の突起(1752)は、目(301)の角膜縁に位置付けられ、それによって、マーキングヘッド(1750)のその他の突起(1754、1758)およびマーキング特徴部(1756)の位置基準として役立つように構成される。第2の突起(1754)は、強膜切開部(514)の場所および長さと対応するように位置づけられ、離間されている。第3の突起(1758)は、ガイド鋲の脚部の場所および間隔と対応するように位置づけられ、離間されている。よって、第3の突起(1758)は、第1の突起(1752)が角膜縁上に位置付けられたときに、毛様体扁平部の場所と対応するように位置づけられる。楕円のマーキング特徴部(1756)は、ガイド鋲のヘッドの構成と対応するようにサイズ決めされ、構成される。楕円のマーキング特徴部(1756)は第3の突起(1758)を取り囲む。
【0091】
マーキングヘッド(1750)は、突起(1603)が円形の断面プロファイルを有するのに対して突起(1754)が三角形の断面プロファイルを有することを除いて、マーキングヘッド(1600)と同じように構成され動作可能である。突起(1754)の三角形の断面プロファイルは、突起(1754)のエッジが互いのほうを向くように、方向づけられる。突起(1754)のこの構成および向きは、強膜切開部(514)をどこに形成すべきかという、より容易に識別できる視覚的表示を提供し得る。
【0092】
図48〜
図55は、マーキング器具を用いて患者の目(301)に適用され得るさまざまな例示的なマーキングパターンを示す。ほんの一例として、このようなマーキングパターンは、患者の目(301)にマーキングするのに特化した一方の端部およびガイド鋲を患者の目(301)の中で展開するのに特化したもう一方の端部を有する器具を用いて、適用され得る。別の単に例示的な実施例として、このようなマーキングパターンは、マーキングすることのみに特化した器具を用いて適用され得、この器具には、ガイド鋲を取り外し可能に固定および配備するように構成された特徴部がない。
【0093】
図48は、上部のドット(1804)および追加のドット(1802)を含むマーキングパターン(1800)を示す。上部のドット(804)は角膜縁に位置し、下方の一対のドット(1802)は、強膜切開部位の端部に対応する位置に位置し、上方の一対のドット(1802)は、ガイド鋲の脚部の挿入点に対応する位置に位置する。
【0094】
図49は、上部のドット(1816)と、追加のドット(1812)と、線(1814)と、を含むマーキングパターン(1810)を示す。上部のドット(1816)は角膜縁に位置し、ドット(1812)は、強膜切開部位の端部に対応する位置に位置し、線(1814)は、ガイド鋲の脚部の挿入点に対応する位置に位置する。
【0095】
図50は、上部のドット(1826)と、追加のドット(1822)と、線(1824)と、を含むマーキングパターン(1820)を示す。上部のドット(1826)は角膜縁に位置し、下方の一対のドット(1822)は、強膜切開部位の端部に対応する位置に位置し、上方の一対のドット(1822)は、ガイド鋲の脚部の挿入点に対応する位置に位置する。線(1824)は、上方の一対のドット(1822)間に位置付けられ、それによって、上方の一対のドット(1822)の位置を視覚的に強調する。
【0096】
図51は、上部のドット(1836)と、追加のドット(1832)と、中空の楕円マーク(1834)と、を含むマーキングパターン(1830)を示す。上部のドット(1836)は角膜縁に位置し、ドット(1832)は、強膜切開部位の端部に対応する位置に位置し、楕円マーク(1834)は、ガイド鋲の脚部の挿入点に対応する位置に位置する。
【0097】
図52は、いくつかのドット(1842、1844、1846)を含むマーキングパターン(1840)を示す。パターン(1840)は、ドット(1844)が中空(すなわち、円)であるのに対し、上方の一対のドット(1802)が中実である点を除き、パターン(1840)と同一である。
【0098】
図53は、いくつかのドット(1852、1856)と、楕円マーク(1854)と、を含むマーキングパターン(1850)を示す。パターン(1850)は、楕円マーク(1854)が矩形であるのに対し、楕円マーク(1834)が卵形または扁平な長円のように成形されている点を除き、パターン(1830)と同一である。
【0099】
図54は、いくつかのドット(1862、1866)と、楕円マーク(1864)と、を含むマーキングパターン(1860)を示す。パターン(1860)は、楕円マーク(1864)が矩形であるのに対し、楕円マーク(1814)が卵形または扁平な長円のように成形されている点を除き、パターン(1810)と同一である。
【0100】
図55は、いくつかのドット(1862、1866、1868)と、線(1864)と、を含むマーキングパターン(1870)を示す。パターン(1870)は、ドット(1866)が中空(すなわち、円)であるのに対し、上方の一対のドット(1822)が中実である点を除き、パターン(1820)と同一である。
【0101】
V.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示が組み合わせられるかまたは適用され得る、さまざまな非包括的方法に関する。以下の実施例は、本出願または本出願の後続出願において随時提示され得る、任意の請求項の範囲を制限することを意図していないことを、理解されたい。いかなる放棄も意図していない。以下の実施例は、単なる例示目的で提供されているに過ぎない。本明細書のさまざまな教示が多くの他の方法でアレンジされ適用され得ることが企図されている。いくつかの変形体では以下の実施例で言及される特定の特徴部を省略し得ることも企図されている。したがって、以下で言及される態様または特徴部のいずれも、発明者らまたは関与する発明者らの承継人によって後日そのようなものとして別段明示的に示されない限り、不可欠とみなすべきではない。以下で言及するもののほかに追加の特徴部を含む、任意の請求項が、本出願または本出願に関する後続出願において提示された場合、その追加の特徴部は、特許性に関する理由で追加されたと推定されるものではない。
【0102】
実施例1
器具であって、(a)配備器具に係合するように構成された係合特徴部を含む本体と、(b)本体から延びる一対の剛性脚部であって、脚部は互いに平行であり、各脚部は鋭利な先端部を有し、脚部はいずれも、平面に沿って延びる、一対の剛性脚部と、を含み、本体は、ガイド開口部を画定し、ガイド開口部は、脚部と関連付けられた平面に対して横方向に方向づけられ、ガイド開口部は、概ね平坦なプロファイルを有するカニューレを受容するようなサイズである、器具。
実施例2
実施例1に記載の器具において、
係合特徴部は、第1の保持ピン開口部を含み、第1の保持ピン開口部は、配備器具の保持ピンを受容するように構成されている、器具。
実施例3
実施例2に記載の器具において、
係合特徴部は、第2の保持ピン開口部をさらに含み、第2の保持ピン開口部は、配備器具の保持ピンを受容するようにさらに構成されている、器具。
実施例4
実施例3に記載の器具において、
第1および第2の保持ピン開口部は、互いに同軸上で整列している、器具。
実施例5
実施例3〜4のいずれか1つ以上に記載の器具において、
第1の保持ピン開口部は、ガイド開口部の上方側面に位置し、第2の保持ピン開口部は、ガイド開口部の下方側面に位置する、器具。
実施例6
実施例1〜5のいずれか1つ以上に記載の器具において、
本体は、上面および下面を有し、脚部は、下面から延び、各脚部は、上面に対して露出された上方端部を有する、器具。
実施例7
実施例6に記載の器具において、
脚部は鉄鋼材料を含む、器具。
実施例8
実施例1〜7のいずれか1つ以上に記載の器具において、
本体は、少なくとも1つの面取り部をさらに含む、器具。
実施例9
実施例1〜8のいずれか1つ以上に記載の器具において、
本体は、ガイド開口部に少なくとも1つのリブをさらに含み、少なくとも1つのリブは、ガイドとガイド開口部内に配されたカニューレとの間の接触を減少させるように構成されている、器具。
実施例10
実施例9に記載の器具において、
少なくとも1つのリブは、ガイド開口部の上方側面に位置付けられている、器具。
実施例11
実施例9に記載の器具において、
少なくとも1つのリブは、ガイド開口部の向かい合った側面に位置付けられた一対のリブを含む、器具。
実施例12
実施例1〜11のいずれか1つ以上に記載の器具において、
本体は、ガイド開口部に通じる、少なくとも1つの面取りされた表面をさらに含む、器具。
実施例13
実施例1〜12のいずれか1つ以上に記載の器具において、
脚部は、まっすぐな下方部分と、曲がった上方部分と、を有し、まっすぐな下方部分は、鋭利な先端部を含み、曲がった上方部分は、本体内に位置する、器具。
実施例14
実施例13に記載の器具において、
曲がった上方部分は、本体の中心線に対して外側に曲がっている、器具。
実施例15
実施例1〜14のいずれか1つ以上に記載の器具において、
アプライヤ器具をさらに含み、アプライヤ器具は、(i)シャフトと、(ii)シャフトの端部に位置するヘッド部分であって、ヘッド部分は、(A)本体の係合特徴部に解放可能に係合するように構成された係合特徴部、および、(B)目に強膜切開部位をマーキングするように構成されたマーキング特徴部、を含む、ヘッド部分と、を含む、器具。
実施例16
実施例15に記載の器具において、
係合特徴部は、保持ピンを含む、器具。
実施例17
実施例15〜16のいずれか1つ以上に記載の器具において、
係合特徴部は、1つ以上の磁石を含む、器具。
実施例18
器具において、(a)第1の端部および第2の端部を有するシャフトと、(b)第1の端部における第1のマーキング要素であって、(i)角膜縁と毛様体扁平部との間の距離、もしくは、(ii)ガイド鋲の脚部、のうちのいずれかまたは両方に対応する間隔を定めるように構成された突起を含む、第1のマーキング要素と、(c)第2の端部における第2のマーキング要素であって、強膜切開部位の端部を画定するように構成された突起を含む、第2のマーキング要素と、(d)第2の端部におけるガイド鋲保持特徴部であって、ガイド鋲を解放可能に保持するように構成されている、ガイド鋲保持特徴部と、を含む、器具。
実施例19
カニューレを患者の目に挿入する方法において、
(a)ガイド鋲の脚部を目の毛様体扁平部領域に挿入することであって、ガイド鋲は、脚部の上方端部に固定されたヘッドをさらに含み、ヘッドは、脚部間に定められる平面に対して横方向に方向づけられたガイド開口部を画定する、ことと、
(b)ガイド鋲の近くに強膜切開部を形成することと、
(c)ガイド開口部を通じてカニューレを挿入することと、
(d)強膜切開部を通じてカニューレを挿入することであって、ガイド鋲は、実質的に接線方向の向きで強膜切開部を通じてカニューレをガイドするように構成されている、ことと、
を含む、方法。
実施例20
実施例19に記載の方法において、
マーキングおよび配備器具で強膜切開部位をマーキングすることをさらに含み、ガイド鋲の脚部を目の毛様体扁平部領域に挿入する行為も、強膜切開部位をマーキングする行為と同時に、マーキングおよび配備器具によって実行され、強膜切開部を形成する行為は、強膜切開部位をマーキングする行為によって形成されたマークを用いて実行される、方法。
【0103】
VI.その他
前述した実施例では、ガイド鋲の脚部は、互いに平行であり、鋲のヘッドに対して垂直である。いくつかの変形体では、ガイド鋲の脚部は、内側または外側に広げられ得、脚部は、互いに平行ではなくなり、脚部は、鋲のヘッドに対して斜めに方向づけられる。このような変形体では、脚部は、このような広げられた構成をとるように弾性的に付勢されるが、(例えば、目(301)への脚部の挿入中に)平行な構成をとるように変形可能となり得る。このような脚部の広がりは、目(301)の中でのガイド鋲の保持をさらに促進し得る。
【0104】
本明細書に記載するガイド鋲は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Apparatus and Method to Form Entry Bleb for Subretinal Delivery of Therapeutic Agent」のタイトルで、本出願と同日に出願された米国特許出願番号[代理人整理番号END8061USNP.0614018];および/または、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Injection Device for Subretinal Delivery of Therapeutic Agent」のタイトルで、本出願と同日に出願された米国特許出願番号[代理人整理番号END8063USNP.0648024]に記載されるような装置と共に、またこれに記載されるような処置において使用され得る。あるいは、本明細書に記載するガイド鋲は、任意の他の適切な装置と共に、かつ/または、任意の他の適切な処置において、使用され得る。
【0105】
本明細書に記載される器具の変形体のいずれも、前述したものに加えて、またはそれらの代わりに、さまざまな他の特徴部を含み得ることを理解されたい。ほんの一例として、本明細書の装置はいずれも、本明細書に参考により組み込まれるさまざまな参考文献のいずれかに開示されているさまざまな特徴部のうちの1つ以上も含み得る。
【0106】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ以上は、本明細書に記載されるその他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ以上と組み合わせられ得ることを理解されたい。したがって、前述した教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考察するべきではない。本明細書の教示が組み合わせられ得る、さまざまな適切な方法は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には容易に明らかとなるであろう。このような改変および変形体は、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【0107】
参照により本明細書に組み込まれると言われた、任意の特許、刊行物、または他の開示資料は、全体としてまたは部分的に、組み込まれた資料が本開示に記載される既存の定義、陳述、または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを認識されたい。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に示された開示は、参照により本明細書に組み込まれる、いかなる矛盾する資料にも取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると言われたが、本明細書に記載される既存の定義、陳述、または他の開示資料と矛盾する、いかなる資料またはその一部も、その組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲で組み込まれるに過ぎない。
【0108】
前述した変形体は、1回使用した後で廃棄されるように設計され得るか、または、複数回使用されるように設計され得る。変形体は、いずれかの場合に、またはどちらの場合も、少なくとも1回使用された後で再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解ステップ、それに続く、特定の部品の洗浄もしくは交換ステップ、およびそれに続く再組立ステップの、任意の組み合わせを含み得る。特に、この装置のいくつかの変形体は、分解され得、装置の任意の数の特定の部品またはパーツが、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、または取り外され得る。特定のパーツを洗浄および/または交換したら、装置のいくつかの変形体は、再調整施設で、または処置の直前に操作者によって、次の使用のため再組立され得る。当業者は、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、再組立のためのさまざまな技術を利用し得ることを認識するであろう。このような技術の使用、および結果として得られる再調整済み装置はすべて、本出願の範囲内である。
【0109】
ほんの一例として、本明細書に記載される変形体は、処置の前および/または後で滅菌され得る。1つの滅菌技術では、装置は、プラスチックまたはTYVEKバッグなどの、閉鎖および密封された容器に入れられる。この容器および装置は、次に、γ線、x線、または高エネルギー電子など、容器を貫通し得る放射線場に置かれ得る。放射線は、装置上および容器内の細菌を死滅させることができる。滅菌された装置は、次に、後で使用できるように無菌容器内で保管され得る。装置は、βもしくはγ線、エチレンオキシド、または蒸気を含むがこれらに限定されない、当技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌されてもよい。
【0110】
本発明のさまざまな実施形態を図示および説明してきたが、本明細書に記載する方法およびシステムのさらなる改作が、本発明の範囲を逸脱せずに当業者による適切な改変により、達成され得る。このような潜在的な改変のいくつかについては言及しており、他のものは当業者には明らかであろう。例えば、前述した実施例、実施形態、幾何学的特徴、材料、寸法、比率、ステップなどは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲の観点で考慮されるべきであり、明細書および図面において図示および説明した構造および動作の詳細に制限されないものと理解される。
【0111】
〔実施の態様〕
(1) 器具であって、
(a)配備器具に係合するように構成された係合特徴部を含む本体と、
(b)前記本体から延びる一対の剛性脚部であって、前記脚部は互いに平行であり、各前記脚部は鋭利な先端部を有し、前記脚部はいずれも、平面に沿って延びる、一対の剛性脚部と、
を含み、
前記本体は、ガイド開口部を画定し、前記ガイド開口部は、前記脚部と関連付けられた前記平面に対して横方向に方向づけられ、前記ガイド開口部は、概ね平坦なプロファイルを有するカニューレを受容するようなサイズである、器具。
(2) 実施態様1に記載の器具において、
前記係合特徴部は、第1の保持ピン開口部を含み、前記第1の保持ピン開口部は、配備器具の保持ピンを受容するように構成されている、器具。
(3) 実施態様2に記載の器具において、
前記係合特徴部は、第2の保持ピン開口部をさらに含み、前記第2の保持ピン開口部は、配備器具の保持ピンを受容するようにさらに構成されている、器具。
(4) 実施態様3に記載の器具において、
前記第1および第2の保持ピン開口部は、互いに同軸上で整列している、器具。
(5) 実施態様3に記載の器具において、
前記第1の保持ピン開口部は、前記ガイド開口部の上方側面に位置し、前記第2の保持ピン開口部は、前記ガイド開口部の下方側面に位置する、器具。
【0112】
(6) 実施態様1に記載の器具において、
前記本体は、上面および下面を有し、前記脚部は、前記下面から延び、各前記脚部は、前記上面に対して露出された上方端部を有する、器具。
(7) 実施態様6に記載の器具において、
前記脚部は鉄鋼材料を含む、器具。
(8) 実施態様1に記載の器具において、
前記本体は、少なくとも1つの面取り部をさらに含む、器具。
(9) 実施態様1に記載の器具において、
前記本体は、前記ガイド開口部に少なくとも1つのリブをさらに含み、前記少なくとも1つのリブは、前記ガイドと前記ガイド開口部内に配されたカニューレとの間の接触を減少させるように構成されている、器具。
(10) 実施態様9に記載の器具において、
前記少なくとも1つのリブは、前記ガイド開口部の上方側面に位置付けられている、器具。
【0113】
(11) 実施態様9に記載の器具において、
前記少なくとも1つのリブは、前記ガイド開口部の向かい合った側面に位置付けられた一対のリブを含む、器具。
(12) 実施態様1に記載の器具において、
前記本体は、前記ガイド開口部に通じる、少なくとも1つの面取りされた表面をさらに含む、器具。
(13) 実施態様1に記載の器具において、
前記脚部は、まっすぐな下方部分と、曲がった上方部分と、を有し、前記まっすぐな下方部分は、前記鋭利な先端部を含み、前記曲がった上方部分は、前記本体内に位置する、器具。
(14) 実施態様13に記載の器具において、
前記曲がった上方部分は、前記本体の中心線に対して外側に曲がっている、器具。
(15) 実施態様1に記載の器具において、
アプライヤ器具をさらに含み、前記アプライヤ器具は、
(i)シャフトと、
(ii)前記シャフトの端部に位置するヘッド部分であって、前記ヘッド部分は、
(A)前記本体の前記係合特徴部に解放可能に係合するように構成された係合特徴部、および、
(B)目に強膜切開部位をマーキングするように構成されたマーキング特徴部、
を含む、ヘッド部分と、
を含む、器具。
【0114】
(16) 実施態様15に記載の器具において、
前記係合特徴部は、保持ピンを含む、器具。
(17) 実施態様15に記載の器具において、
前記係合特徴部は、1つ以上の磁石を含む、器具。
(18) 器具において、
(a)第1の端部および第2の端部を有するシャフトと、
(b)前記第1の端部における第1のマーキング要素であって、
(i)角膜縁と毛様体扁平部との間の距離、もしくは、
(ii)ガイド鋲の脚部、
のうちのいずれかまたは両方に対応する間隔を定めるように構成された突起を含む、第1のマーキング要素と、
(c)前記第2の端部における第2のマーキング要素であって、強膜切開部位の端部を画定するように構成された突起を含む、第2のマーキング要素と、
(d)前記第2の端部におけるガイド鋲保持特徴部であって、ガイド鋲を解放可能に保持するように構成されている、ガイド鋲保持特徴部と、
を含む、器具。
(19) カニューレを患者の目に挿入する方法において、
(a)ガイド鋲の脚部を前記目の毛様体扁平部領域に挿入することであって、前記ガイド鋲は、前記脚部の上方端部に固定されたヘッドをさらに含み、前記ヘッドは、前記脚部間に定められる平面に対して横方向に方向づけられたガイド開口部を画定する、ことと、
(b)前記ガイド鋲の近くに強膜切開部を形成することと、
(c)前記ガイド開口部を通じてカニューレを挿入することと、
(d)前記強膜切開部を通じて前記カニューレを挿入することであって、前記ガイド鋲は、実質的に接線方向の向きで前記強膜切開部を通じて前記カニューレをガイドするように構成されている、ことと、
を含む、方法。
(20) 実施態様19に記載の方法において、
マーキングおよび配備器具で前記強膜切開部位をマーキングすることをさらに含み、前記ガイド鋲の前記脚部を前記目の前記毛様体扁平部領域に挿入する行為も、前記強膜切開部位をマーキングする行為と同時に、前記マーキングおよび配備器具によって実行され、前記強膜切開部を形成する行為は、前記強膜切開部位をマーキングする行為によって形成されたマークを用いて実行される、方法。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【
図1】上脈絡膜アプローチにより治療薬を網膜下投与するための例示的な器具の斜視図を描く。
【
図2】
図1の器具に組み込まれ得る例示的なカニューレの遠位端部の斜視図を描く。
【
図3A】断面が
図2の線3−3に沿っており、針が第1の長さ方向位置にある、
図2のカニューレの断面側面図を描く。
【
図3B】断面が
図2の線3−3に沿っており、針が第2の長さ方向位置にある、
図2のカニューレの断面側面図を描く。
【
図4A】シャンデリアが設置されている、患者の目の断面図を描く。
【
図4B】縫合糸ループが目に取り付けられ、強膜切開術が行われている、
図4Aの目の断面図を描く。
【
図4C】
図1の器具が強膜切開開口部を通って、目の強膜と脈絡膜との間に挿入されている、
図4Aの目の断面図を描く。
【
図4D】
図1の器具が眼底において強膜と脈絡膜との間で直接可視化されている、
図4Aの目の断面図を描く。
【
図4E】
図1の器具の針が眼底で直接可視化された状態で前進させられ、脈絡膜の外側表面を圧迫して脈絡膜を「テント形にしている」、
図4Aの目の断面図を描く。
【
図4F】針が眼底で直接可視化された状態で先頭のブレブを分配しており、針が強膜と脈絡膜との間にあり、先頭のブレブが脈絡膜と網膜との間の網膜下腔内にある、
図4Aの目の断面図を描く。
【
図4G】針が眼底において強膜と脈絡膜との間で治療薬を目に分配している、
図4Aの目の断面図を描く。
【
図8A】マーキングおよび配備器具の第1の端部が目の上のガイド鋲配備部位をマーキングするのに使用されている、患者の目の上面図を描く。
【
図8B】
図8Aのマーキングおよび配備器具の第2の端部が目にガイド鋲を配備すると共に目の上の強膜切開部位をマーキングするのに使用されている、
図8Aの目の上面図を描く。
【
図8C】
図6のガイド鋲が目の中に配備され、強膜切開部位マークが目の上にある、
図8Aの目の上面図を描く。
【
図11】
図9のガイド鋲の脚部の遠位部分の正面図を描く。
【
図12】
図9のガイド鋲の脚部の遠位部分の側面図を描く。
【
図23】本明細書に記載するガイド鋲のうちのいずれにも組み込まれ得る例示的な代替的なヘッドの斜視図を描く。
【
図25】本明細書に記載するガイド鋲のうちのいずれにも組み込まれ得る別の例示的な代替的なヘッドの斜視図を描く。
【
図36】
図8A〜
図8Eに示す処置の実行中に使用され得る例示的なマーキングおよび配備器具の斜視図を描く。
【
図37】
図36のマーキングおよび配備器具の別の斜視図を描く。
【
図38】
図36のマーキングおよび配備器具の第1の端部の部分斜視図を描く。
【
図39】
図36のマーキングおよび配備器具の第2の端部の部分斜視図を描く。
【
図40】
図6のガイド鋲が取り付けられた、
図36のマーキングおよび配備器具の第2の端部の部分斜視図を描く。
【
図41A】スライダおよび取り付けピンが遠位位置にある、
図36のマーキングおよび配備器具の第2の端部の部分斜視図を描く。
【
図41B】スライダおよび取り付けピンが近位位置にある、
図36のマーキングおよび配備器具の第2の端部の部分斜視図を描く。
【
図42】
図8A〜
図8Eに示す処置の実行中に使用され得る例示的な代替的なマーキングおよび配備器具の斜視図を描く。
【
図43】
図42のマーキングおよび配備器具の別の斜視図を描く。
【
図44】例示的な代替的なマーキング器具の遠位端部の斜視図を描く。
【
図45】別の例示的な代替的なマーキング器具の遠位端部の斜視図を描く。
【
図46】別の例示的な代替的なマーキング器具の遠位端部の斜視図を描く。
【
図47】別の例示的な代替的なマーキング器具の遠位端部の斜視図を描く。
【
図48】例示的な1組のマーキングが施された、患者の目の概略図を描く。
【
図49】別の例示的な1組のマーキングが施された、患者の目の概略図を描く。
【
図50】別の例示的な1組のマーキングが施された、患者の目の概略図を描く。
【
図51】別の例示的な1組のマーキングが施された、患者の目の概略図を描く。
【
図52】別の例示的な1組のマーキングが施された、患者の目の概略図を描く。
【
図53】別の例示的な1組のマーキングが施された、患者の目の概略図を描く。
【
図54】別の例示的な1組のマーキングが施された、患者の目の概略図を描く。
【
図55】別の例示的な1組のマーキングが施された、患者の目の概略図を描く。