特許第6828144号(P6828144)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6828144
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】微粉砕機
(51)【国際特許分類】
   B02C 18/06 20060101AFI20210128BHJP
   B02C 18/18 20060101ALI20210128BHJP
   B02C 18/00 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   B02C18/06 Z
   B02C18/18 Z
   B02C18/00 104Z
【請求項の数】21
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-515340(P2019-515340)
(86)(22)【出願日】2017年9月20日
(65)【公表番号】特表2019-529096(P2019-529096A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2017073793
(87)【国際公開番号】WO2018054982
(87)【国際公開日】20180329
【審査請求日】2019年12月18日
(31)【優先権主張番号】202016105242.4
(32)【優先日】2016年9月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511230484
【氏名又は名称】フーゴ・フォーゲルザング・マシネンバウ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】HUGO VOGELSANG MASCHINENBAU GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】トルステン・ブルホルスト
【審査官】 瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−532056(JP,A)
【文献】 特開昭60−014834(JP,A)
【文献】 米国特許第06012662(US,A)
【文献】 特開昭48−029058(JP,A)
【文献】 西独国特許第01284267(DE,B)
【文献】 特表2013−537103(JP,A)
【文献】 特表2012−521285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 13/00−13/31、18/00−18/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の円形経路上に配置された、第1の鋸歯状切刃(40)を有する複数の第1の切断要素(24)と、
前記第1の円形経路と同心の第2の円形経路上で回転軸(A)を中心に変位可能な第2の切断要素(26)であって、被切断材料を切断するために前記第1の鋸歯状切刃(40)に対応する第2の鋸歯状切刃(44)を有する少なくとも1つの第2の切断要素(26)と、
前記回転軸(A)に対してそれぞれ角度(α、β)を成す半径方向内側逃げ面(102)および半径方向外側逃げ面(104)を各鋭角刃が備える、複数の鋭角刃(100)を備える前記第2の鋸歯状切刃(44)と、
前記第2の切断要素(26)を前記回転軸(A)を中心に回転駆動する駆動部(16)と、
前記複数の第1の切断要素(24)および前記第2の切断要素(26)が、それらの間の切断間隙が調整可能であるように前記回転軸(A)の方向で互いに対して軸方向に変位可能である調整機構(60)と
を備える粉砕デバイス(1)。
【請求項2】
前記鋭角刃(100)が、前記回転軸(A)に対して角度を成して延びる経路(B)上に配置される、請求項1に記載の粉砕デバイス。
【請求項3】
前記外側逃げ面(104)の前記角度(β)と前記内側逃げ面(102)の前記角度(α)とが異なる、請求項1または2のいずれか一項に記載の粉砕デバイス。
【請求項4】
前記複数の鋭角刃(100)のうちの少なくとも一部の前記外側逃げ面(104)の前記角度(β)が、前記内側逃げ面(102)の前記角度(α)よりも大きい、請求項2に記載の粉砕デバイス。
【請求項5】
少なくとも1つの半径方向外側鋭角刃(100)の前記半径方向外側逃げ面(104)の前記角度(β)が、半径方向内側鋭角刃(100)の前記半径方向外側逃げ面(104)の前記角度(β)よりも大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載の粉砕デバイス。
【請求項6】
前記半径方向外側鋭角刃(100)の前記半径方向外側逃げ面(104)の前記角度(β)が、前記半径方向内側鋭角刃(100)の前記半径方向外側逃げ面(104)の前記角度(β)よりもそれぞれ大きい、請求項5に記載の粉砕デバイス。
【請求項7】
少なくとも1つの鋭角刃(100)の前記半径方向外側逃げ面(104)が前記鋭角刃(100)の前記半径方向内側逃げ面(102)よりも長い、請求項1から6のいずれか一項に記載の粉砕デバイス。
【請求項8】
前記第2の切断要素(26)が軸方向に変位可能なハブ(48)に取り付けられ、前記調整機構(60)が前記ハブ(48)の軸方向位置を決定するデバイスを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の粉砕デバイス。
【請求項9】
前記デバイスが前記ハブ(48)の前記軸方向位置を画定する第1のねじ(62)と、前記軸方向位置を固定する第2の固定ねじ(66)とを備える、請求項8に記載の粉砕デバイス。
【請求項10】
第3の円形経路上に配置された第3の鋸歯状切刃(70)を有する複数の第3の切断要素(28)をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の粉砕デバイス。
【請求項11】
前記第3の円形経路が、前記第1の円形経路と同心であり、同一直径を有する、請求項10に記載の粉砕デバイス。
【請求項12】
前記第2の切断要素(26)が、被切断材料を切断するために前記第3の鋸歯状切刃(70)に対応する第4の鋸歯状切刃(72)を備える、請求項10または11に記載の粉砕デバイス。
【請求項13】
前記第2の鋸歯状切刃(44)と前記第4の鋸歯状切刃(72)とが実質的に鏡面対称に実施される、請求項12に記載の粉砕デバイス。
【請求項14】
前記調整機構(60)によって、前記複数の第3の切断要素(28)および前記第2の切断要素(26)が、それらの間の切断間隙が調整可能であるように、前記回転軸(A)の方向で互いに対して軸方向に変位可能である、請求項10から13のいずれか一項に記載の粉砕デバイス。
【請求項15】
前記第3の切断要素(28)がハウジング(74)内に取り付けられ、前記調整機構(60)が前記ハウジング(74)の軸方向位置を決定するデバイスを備える、請求項14に記載の粉砕デバイス。
【請求項16】
前記ハウジング(74)の前記軸方向位置を決定する前記デバイスが、前記ハウジング(74)の前記軸方向位置を画定する第1のねじ(78)と、前記ハウジング(74)の前記軸方向位置を固定する第2の固定ねじ(88)とを備える、請求項15に記載の粉砕デバイス。
【請求項17】
前記第1および第2の切断要素(24、26)の上流側に配置された予備粉砕機(120)をさらに備え、前記予備粉砕機(120)は、
少なくとも1つの第1の予備切刃を備える第1の予備切断要素(122)と、
前記第1の予備切断要素(122)に対して第4の円形経路上で変位可能であり、少なくとも1つの第2の予備切刃(125a、125b)を備える第2の第2の予備切断要素(124)とを備え、
前記第2の予備切断要素(124)が前記第2の切断要素(26)と共に変位するように前記駆動部(16)に結合される、請求項1から16のいずれか一項に記載の粉砕デバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第2の切断要素(26)が前記回転軸(A)に対して角度を成して配置される、請求項1から17のいずれか一項に記載の粉砕デバイス。
【請求項19】
前記少なくとも1つの第2の切断要素(26)が、0°より大きく90°までの範囲で前記回転軸(A)と角度(γ)を成す、請求項18に記載の粉砕デバイス。
【請求項20】
前記第2の切断要素(26)がハブ(48)に取り付けられ、前記ハブ(48)が前記回転軸(A)に対して角度を成して配置される取り付け面(132)を有する少なくとも1つの半径方向凹部(130)を備え、前記第2の切断要素(26)が前記取り付け面(132)に取り付けられる、請求項18または19に記載の粉砕デバイス。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第2の切断要素(26)が流動抵抗を減少させるために通路(140)を備える、請求項1から20のいずれか一項に記載の粉砕デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに対して回転可能な第1の切断要素と第2の切断要素とを有する粉砕デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な粉砕デバイスは、例えば、欧州特許第2613884号から既知である。そのような切断デバイスは、固体、固体塊または固体を含む液体を粉砕するために使用され、特にいわゆる湿式粉砕機として、例えば食品産業で、さらなるエネルギー利用のためのバイオ懸濁液の調製、または他の農業用途で固体と混合された流動性混合物を調製するために、そしてこの場合には含まれている固体を粉砕するために使用される。
【0003】
さらなるそのような切断デバイスは、国際出願番号第PCT/EP2010/053800号から既知である。この従来技術の粉砕デバイスでは、第1の切断要素および第2の切断要素は、一方では固定された円形の穿孔ディスクと、穿孔ディスクの中心軸周囲を回転するブレードとによって形成され、ブレードは穿孔ディスク表面の切刃と当接する。被粉砕塊は、穿孔ディスクの孔を通して押し込まれるか、またはその孔を通って流れ、この場合、孔を通過する固体は、ブレード縁部とそれぞれの孔の境界を定める縁部との間のせん断作用によって粉砕される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、そのような粉砕機は実際には粗粉砕によく適していることが示されており、実地でも広く証明されているが、材料をそれ以上に粉砕するなんらかのプロセスが必要である。これは、例えば長繊維材料、肥料または牧草サイレージなど、発酵困難な材料に当てはまる。既知の粉砕機は、この点で繊維の切断は可能だが、非常に短い繊維片への粉砕は概して可能ではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題に対処するために、本発明は、長繊維材料、肥料または牧草サイレージなどの発酵困難な材料の微粉砕が効果的かつ効率的に可能な、上述のタイプの粉砕デバイスを提供しようとするものである。
【0006】
この目的は、第1の円形経路上に配置された、第1の鋸歯状切刃を有する複数の第1の切断要素と、第1の円形経路と同心の第2の円形経路上で回転軸を中心に変位可能な第2の切断要素であって、被切断材料を切断するために第1の鋸歯状切刃に対応する第2の鋸歯状切刃を有する少なくとも1つの第2の切断要素と、回転軸に対してそれぞれ角度を成す半径方向内側逃げ面(flank)および半径方向外側逃げ面を各鋭角刃(jag)が備える、複数の鋭角刃を備える第2の鋸歯状切刃と、第2の切断要素を回転軸を中心に回転可能に駆動する駆動部と、複数の第1の切断要素および第2の切断要素が、それらの間の切断間隙が調整可能であるように、回転軸の方向で互いに対して軸方向に変位可能である調整機構とを備えることで、上述のタイプの粉砕デバイスによって達成される。
【0007】
本発明は、一方で、鋸歯状切刃を有する切断要素の実装が繊維材料の粉砕に有利であるという洞察に基づく。他方、切刃の全長が鋸歯状切刃の実装により延長され、それによってもまた切断作用を高める。複数の第1の切断要素の円形配置は、第2の切断要素が回転するときに効率的に切断する目的に役立つ。複数の第1の切断要素はさらに篩として作用するので、分割されていない材料は保持され、第1の切断要素によって分割された後にのみ通過可能となる。本出願での用語「複数」は、2つ以上のこれらの要素が存在することを常に意味する。さらに、本発明は、第1の切刃と第2の切刃との間の切断間隙が調整可能であるという着想に基づく。これは材料をニーズに応じて粗く、または微細に分割するために特に有利である。この場合、切断要素が互いに直接当接するように、切断間隙を縮小して最小限にすることができる。特に微粉砕がそれによって実現される。切断間隙は、当然ながら切断要素が互いに距離を置いて回転するようにも調整可能である。この場合は、それほど微細ではない粉砕が行われ、粗い材料または易発酵性材料に特に適している。
【0008】
切断間隙を調整するための調整機構が本発明によって提供される。第1の切断要素および第2の切断要素は、調整機構を用いて互いに対して軸方向に変位可能である。すなわち、一方では、第2の切断要素のみが軸方向に変位可能であるのに対して、複数の第1の切断要素は固定される。これにより単純な構造が実現されるので、この変形例は特に好ましい。しかし、他の変形例では、第2の切断要素が固定されるのに対して、複数の第1の切断要素を回転軸に沿って相対的に変位させることも可能である。
【0009】
さらなる実施形態では、両方の切断要素を互いに向かって変位させる。好ましくは、複数の第2の切断要素、特に2つ、4つ、6つまたは8つの第2の切断要素が提供される。これらの要素は、好ましくは円形経路上に均等に分布して配置され、それによって均等な粉砕もまた行われて、遠心力は駆動部の駆動軸で平衡を保つ。
【0010】
第2の切断要素は、好ましくは板状の本体を備え、好ましくはその主平面が回転軸と平行になるように配置される。変形例では、主平面が回転軸に対して角度を成して延びることも可能であり、第2の切断要素のこの傾斜によって流体のスクリュー搬送がもたらされ、流動が引き起こされることが可能である。
【0011】
さらに、第2の鋸歯状切刃は複数の鋭角刃を備え、各鋭角刃は、回転軸に対してそれぞれ角度を成す半径方向内側逃げ面と半径方向外側逃げ面とを備える。好ましくは、第2の切刃は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10の鋭角刃を備える。鋭角刃の数は、処理される体積流量に特に依存する。逃げ面は湾曲していてもまっすぐでもよい。まっすぐの逃げ面は製造が単純化されるという利点を有し、また切断要素の再研磨を単純な方法で行うことができる。第1の切刃と第2の切刃とが互いに対応しているので、上述の第2の切刃の鋭角刃の幾何学的形状も第1の切刃に対応して適合する。これは、したがって鋭角刃を含み、第2の切刃の各鋭角刃の頂点は、第1の切刃の鋭角刃間の谷に係合する。切断間隙は、好ましくは切刃全体に沿って実質的に一定の幅を備える。
【0012】
第1の好ましい実施形態では、鋭角刃は回転軸に対して角度を成して延びる経路上に配置される。したがって、材料の切断は平面ではなく、円錐台形表面または円錐形表面上で行われる。この経路は、好ましくは回転軸に対して45°から70°までの範囲、特に約60°の角度を含む。これは、材料が粉砕デバイス内に軸方向に入ることができ、その後そこから半径方向に流出することができるという特別な利点を有する。ここでの利点はモータの配置が単純化されることであり、これにより軸方向配置および短い軸の装備が可能になる。切断材料がモータの駆動軸周囲を流れることは必要ではない。
【0013】
さらに、外側逃げ面および内側逃げ面の角度は異なることが好ましい。これは、軸方向変位の際に回転軸に対する角度が大きいと、小さくて鋭い角度よりも切断間隙での差が大きくなることから、軸方向変位による切断間隙の変更時に、内縁部と外縁部とに異なる切断間隙幅をもたらす。その結果、半径方向外側逃げ面および半径方向内側逃げ面の切断間隙を異なるように調整することができる。しかし、変形例では、内縁部および外縁部の角度は等しくてもよい。
【0014】
さらなる好ましい実施形態では、少なくとも複数の鋭角刃のいくつかで、外側逃げ面の角度が内側逃げ面の角度より大きい。これは、調整機構を使用して摩耗調整を行う場合に特に有利である。半径方向外側逃げ面はより早く摩耗し、またその原因は半径方向外側への流れおよび遠心力であることが判明している。外側で角度がより平坦である場合、より強力な再調整、すなわち軸方向変位の際の間隙狭小化をここで実施することができる。
【0015】
さらに、少なくとも1つの半径方向外側鋭角刃の半径方向外側逃げ面の角度は、半径方向内側鋭角刃の半径方向外側逃げ面の角度より大きいことが好ましい。これは、半径方向さらに外側に位置する鋭角刃が、半径方向内側の鋭角刃よりも平坦な縁部を備えることを意味する。同じことが既に上述されており、ここでも適用される。半径方向外側に位置する鋭角刃は、一方では遠心力のために、他方ではより高速の切断速度のために、概してより激しい摩耗に曝される。半径方向外側に位置する鋭角刃は、半径方向内側の鋭角刃よりも高速の経路速度で変位し、それによって摩耗が増大する可能性がある。平坦な角度を提供することによって、軸方向調整の際、より高い送り込みがここで起こり、切断間隙を切断要素の耐用年数にわたって実質的に一定に保つことができる。ここでの間隙は、逃げ面に対して垂直に測定される。
【0016】
この場合、半径方向外側鋭角刃の半径方向外側逃げ面の角度は、いずれの場合も半径方向内側鋭角刃の半径方向外側逃げ面の角度よりも大きいことが好ましい。すなわち、鋭角刃が外側に位置するほど、角度は平坦になる。好ましくは、角度は連続的に変化しなければならない。その代わりに、半径方向内側の鋭角刃から半径方向外側の鋭角刃へと角度が緩やかに変化することが好ましい。
【0017】
さらなる好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの鋭角刃の半径方向外側逃げ面は、その鋭角刃の半径方向内側逃げ面よりも長い。好ましくは、これは2つ、3つ、4つ、5つ、または好ましくは全ての鋭角刃で提供される。その結果、回転軸に対して角度を成す経路上の鋭角刃の配置は単純化され、切刃の半径方向外側に延在する。
【0018】
特に好ましい実施形態によれば、第2の切断要素は軸方向に変位可能なハブに取り付けられ、調整機構はハブの軸方向位置を決定するデバイスを備える。ハブは、好ましくは駆動軸に支持され、駆動部、特に電気モータに結合される。ハブは、軸方向に再配置可能な軸−ハブ連結で取り付けられ、これには、例えばフェザーキー(feather key)を用いる。ハブの軸方向位置は調整機構によって決定され、それにより第1の切断要素と第2の切断要素との間の距離が決定される。この実施形態によれば、第1の切断要素は、好ましくは駆動軸の軸方向位置に基づいて固定配置される。例えば、第1の切断要素は、駆動軸も支持されているハウジングに恒久的に結合されてもよい。
【0019】
好ましくは、デバイスは、ハブの軸方向位置を画定する第1のねじと、軸方向位置を固定する第2の固定ねじとを備える。軸方向位置は、好ましくは第1のねじによって調整される。第1のねじは、好ましくはハブのセグメントを貫通して延在し、駆動軸に支持される。また、ねじが軸セグメントでねじ付きセグメントによってガイドされ、ハブに支持される逆の場合も好ましい。さらに、他の変形例も考えられる。ハブ自体が軸にねじ山を有して配置され、これによって軸に対して軸方向に調整可能であってもよい。この位置を決定するために、この実施形態によれば、さらなる固定ねじが提供され、第1のねじにナットの形態で、またはデッドロック(deadlock)の形態で実施することができ、第1のねじをそれ以上回転できないようにする。第1および第2の固定ねじはどちらも、好ましくは複数であり、好ましくはハブの外周まわりに提供される。その結果、均等な動力伝達が保証される。
【0020】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、粉砕デバイスは、第3の円形経路上に配置された第3の鋸歯状切刃を有する複数の第3の切断要素をさらに備える。好ましくは、第3の円形経路は第1の円形経路と同心であり、同一直径を有する。好ましくは、複数の第3の切断要素は、複数の第1の切断要素に対して、特に回転軸に対する垂直平面に対して実質的に鏡面対称に実施される。
【0021】
同時に、第2の切断要素が被切断材料を切断するために、第3の鋸歯状切刃に対応する第4の鋸歯状切刃を備えることがここでは好ましい。あるいは、第4の切刃を備える少なくとも1つの第4の切断要素が提供されることも考えられる。しかし、好ましくは第4の切刃は第2の切断要素に実施され、第2の切断要素が合計2つの切刃、すなわち第2の切刃と第4の切刃とを備える。したがって、第2の切断要素は両刃で実施される。第2の切刃に対して上記で定義されたことが、同様に第4の切刃の鋸歯状形状に関しても適用される。これに関しては、第2の切刃の上記説明が完全に参照される。
【0022】
また、第2の切刃と第4の切刃とは、好ましくは実質的に鏡面対称に実施される。対称面は、好ましくは回転軸に対して実質的に垂直に配置される。対称的な実施態様によって第2の切断要素の両側で均等な切断が行われ、第1の切刃と第2の切刃との間、および第3の切刃と第4の切刃との間の切断が均等に行われる。その結果、両側の摩耗はほぼ均等になり、それによってメンテナンスが単純化される。
【0023】
さらなる好ましい実施形態によれば、調整機構によって、複数の第3の切断要素および第2の切断要素は、それらの間の切断間隙が調整可能であるように、回転軸の方向で互いに対して軸方向に変位可能である。その結果、第3の切刃と第4の切刃との間の切断間隙は、すなわち調整機構によって調整可能である。第2の切断要素が固定して取り付けられる場合、第1の切刃と第2の切刃との間、および第3の切刃と第4の切刃との間の切断間隙を均等に実施するためには、複数の第1の切断要素および複数の第3の切断要素が、第2の切断要素に向かって軸方向に実質的に均等に変位される必要がある。
【0024】
しかし、本発明の好ましい変形例では、複数の第1の切断要素は固定して取り付けられており、この場合、第2の切断要素が第1の切断要素に対して変位される。したがって、切断間隙の狭小化を均等に実施するためには、複数の第3の切断要素が軸方向で二倍送り込まれる必要がある。調整機構はこれを考慮に入れ、常に第3の切断要素を二倍送り込むことが好ましい。
【0025】
好ましくは、第3の切断要素はハウジング内に取り付けられ、調整機構はハウジングの軸方向位置を決定するデバイスを備える。好ましくは、ハウジングの軸方向位置を決定するデバイスは、ハウジングの軸方向位置を画定する第1のねじと、ハウジングの軸方向位置を固定する第2の固定ねじとを備える。したがって、この機構は、上述の第1の切断間隙を調整するデバイスと同様に実施される。ハウジングの軸方向位置を画定するねじのねじ山は、ハブの軸方向位置を画定するねじのように、二倍のねじ山ピッチを有することができる。さらに、同じ意味でねじを調整し、第3の切断要素に二倍の送り込みを提供してもよい。
【0026】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、粉砕デバイスは、第1の切断要素および第2の切断要素の上流側に配置された、少なくとも1つの第1の予備切断切刃を備える第1の予備切断要素と、少なくとも1つの第2の予備切断切刃を備え、第1の予備切断要素に対して第4の円形経路上で変位可能な第2の第2の予備切断要素とを備える予備粉砕機をさらに備え、第2の予備切断要素は、第2の切断要素と共に変位するために駆動部に結合される。予備粉砕機は、好ましくは欧州特許第2614884号に記載の粉砕デバイスと実質的に同一に実施される。予備粉砕機を第2の切断要素を駆動する駆動軸に結合することによって、第1の予備切断要素と第2の予備切断要素とによる予備粉砕が、本発明による第1の切断要素、第2の切断要素、および任意選択で第3の切断要素によって実行される微粉砕の前に付加的に行われる。このような実施形態では、粉砕デバイスが2つの粉砕段階を含むので、単一の粉砕デバイスを用いて粗い材料を直接微粉砕することも可能である。2つの粉砕段階を結合するために必要とされるのは単一の駆動部のみとなる。
【0027】
好ましい改良形態では、第2の切断要素は回転軸に対して角度を成して配置される。これは、好ましくは、粉砕デバイスの全ての第2の切断要素に適用される。好ましくは、全ての第2の切断要素は同一方向に角度を成して配置される。第2の切断要素は、好ましくは実質的に板状であり、板状の切断要素の平面は角度を成して配置される。この実施形態では、切断用鋭角刃もまた、好ましくは切断要素に対して角度を成して配置され、その結果、切断用鋭角刃は、好ましくは回転軸に対して垂直な平面を画定する。
【0028】
第2の切断要素の傾斜により、個々の切断用鋭角刃が同時にではなく連続的に係合するので、より均等な負荷が実現される。その結果、負荷トルクの変動が減少するので、駆動部の消費電流をより均等にすることができる。さらに、この実施形態によって耐用年数、特に任意のギアボックスの耐用年数を延ばすことができ、また騒音の発生を減らすことができる。
【0029】
好ましくは、少なくとも1つの第2の切断要素は回転軸と角度を成し、その角度は0°より大きく90°まで、好ましくは0°より大きく45°まで、より好ましくは5°から45°までの範囲である。わずかな傾斜でも上記の効果を実現するのに十分であり得ることが判明している。多くの用途に最適であるのは45°の角度である。
【0030】
第2の切断要素がハブに取り付けられ、ハブが回転軸に対して角度を成して配置された取り付け面を有する少なくとも1つの半径方向凹部を含み、第2の切断要素が取り付け面に取り付けられることがさらに好ましい。このようにして、第2の切断要素を構造的に単純に保つことができる。第2の切断要素は摩耗し交換される必要があるので、可能な限り単純であると有利である。したがって、費用効果の高い製造は特に好ましい。この実施例によれば、傾斜によって生じる複雑性の増大はハブに伝達され、ハブは通常交換される必要はない。ハブの取り付け面の傾斜は、好ましくは第2の切断要素の傾斜を画定する。
【0031】
好ましい改良形態では、少なくとも1つの第2の切断要素は流動抵抗を減少させる通路を備える。これは、第2の切断要素が板状である場合に特に好ましい。その結果、流動抵抗が減少し、粉砕デバイスのエネルギー必要量を縮小することができる。これは、好ましくは切断用鋭角刃が常に係合しているので、第2の切断要素が角度を成して配置されている場合に特に好ましい。
以下では、関連する図面を参照し、2つの実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1の実施例による、設置状態の粉砕デバイスの断面図である。
図2図1のZの詳細図である。
図3】粉砕デバイスの断面図である。
図4】第2の切断要素の詳細図である。
図5図5によるB−Bの断面図である。
図6図1によるデバイスの部分破断平面図である。
図7】第2の実施例による、設置状態の粉砕デバイスの図である。
図8】第3の実施例による、粉砕デバイスのハブならびに第2の切断要素の斜視図である。
図9図8のハブの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
粉砕デバイス1は、配管系のポット2に配置される。ポット2は入口4および出口6を備え、対応する管にフランジを付けることができる。内部には、ポット2は、入口4と出口6とを互いに分離する分離板8を備える。分離板8には通路10が設けられており、この通路に粉砕デバイス1が挿入される。さらなる図面を参照して粉砕デバイス1をより詳細に説明する。粉砕デバイス1はメインハウジング12を備え、その中に駆動軸14が支持されて、駆動部16に結合される。粉砕デバイス1全体は、枢動機構18を介してポット2に枢動可能に取り付けられ、図1を参照して、枢動点20を中心にポット2から離れるように枢動することができる。これは、例えば個々の部品が詰まった場合に、粉砕デバイス1およびポット2のメンテナンスを実行するために使用される。
【0034】
粉砕デバイス1(図2参照)は、複数の第1の切断要素24と、少なくとも1つの第2の切断要素26と、この実施例によれば複数の第3の切断要素28とが相互作用する切断ユニット22を備える。第3の切断要素28によって環状に囲まれた下部セグメントには、切断ユニット22は円形の入口開口部30を備え、これを通って被切断材料が切断ユニット22に入ることができる。材料は切断ユニットを通過した後、複数の第1の切断要素24と複数の第3の切断要素28との間の間隙32(図2では1つのみに参照番号が付されている)から半径方向に出ることができる。材料の流路は、図2で破線矢印Pによって示される。従って、材料は入口4から流入し、その後わずかに上向きに開口部30を通って切断ユニット22内に入り、そこから半径方向に出て、分離板8の後ろをこのように粉砕されて通過して、出口6から流出することができる。材料のわずかな上向きの流れはまた、石などのような切断されない固体成分を分離するという役割も有する。これらは落下して、その後ポット2の底から取り除くことができる。
【0035】
図3図4および図5を参照して、切断機構および調整機構をここでさらに詳細に説明する。
【0036】
駆動部16は、メインハウジング12に配置される。駆動軸14は、駆動部16または駆動部16の出力軸(詳細には図示せず)に回転可能に固定されて取り付けられる。一方で、中央ねじ32がこの目的のために、およびフェザーキーが回転力を伝達するために提供される。駆動軸14は、メインハウジング12にベアリング36によって支持される。
【0037】
複数の第1の切断要素24は、最初にメインハウジング12に対して正面側に取り付けられる。さらなるねじ連結38がこの目的のために提供される。複数の第1の切断要素24は全体として一体的に実装され、個々の切刃40は本体から切削加工されるので、切断要素24は共通のハウジングセグメント42を含み、ユニットとしてメインハウジング12に取り付けることができる。切断要素24は円形経路上に配置され、それぞれ回転軸Aに対して放射状に主平面を位置合わせする。円形経路の中心軸は回転軸Aと同一である。
【0038】
第2の切断要素26は、第1の切断要素24の第1の鋸歯状切刃40に対応して提供される。これらの実施例によれば、参照番号26が付された切断要素が1つのみであっても、全体で7つの第2の切断要素26が提供される。第2の切断要素26は、鋸歯状に実施されて第1の切刃40に対応する第2の切刃44を備える。第2の切断要素26は、締め付け連結46によってハブ48に取り付けられる。ハブ48が次に軸14に軸方向に支持され、フェザーキー50がトルク伝達のために提供される。ハブ48は回転軸Aの方向で軸方向に再配置可能であり、したがって駆動軸14の軸肩部52とハブ48の端面54との間に距離が提供される。図3から容易にわかるように、端面54が肩部52と接触するように、ハブ48を図3に関しては上方へさらに押し上げることが可能である。
【0039】
図3に示すハブ48の位置では、切刃40、44は、それらが実質的に当接し、わずか十分の数ミリメートルの切断間隙を形成するように位置合わせされる。切刃40、44に摩耗がある場合は、調整を必要とする可能性がある。より粗い粉砕を提供するために、切断間隙を拡大させる必要があることも考えられる。この目的のために、本発明による粉砕デバイス1は調整機構60を備えており、これを次に説明する。
【0040】
この実施例による調整機構60は、第一に、1つまたは複数の第2の切断要素26を担持する再配置可能なハブ48を備える。ハブ48の軸方向位置を調整するために、この実施例によれば、第1のねじ62が提供され、ねじはハブ48で対応するねじ孔64を通って延在する。図3に見られるように、ねじ62の軸部は、ハブ48の端面54からある程度まで延在し、軸肩部52と接触する。同様に、ねじ62の頭部は、ねじ孔64の環状肩部に位置するのではなく、そこから一定の距離を有する。端面54からのねじ軸部の余分の長さの範囲によって、端面54の距離を軸肩部52に対して調整し、それにより画定することができる。この位置を固定するために、カバー68をハブ48および駆動軸14に対して固定し、それによりハブ48を画定する第2の固定ねじ66が提供される。図3には1つの第1のねじ62および1つの第2の固定ねじ68のみが示されるが、均等な緊張力を実現するために、ハブ48およびカバー68の外周まわりに複数のそのようなねじを提供可能であることを理解されたい。
【0041】
この実施例(図3)によれば、切断ユニット22は、第1の切断要素24と実質的に同一に形成された、複数の第3の切断要素28をさらに備える。この第3の切断要素はまた、鋸歯状切刃70を備える。第3の切断要素28は任意選択であるが、粉砕速度はより高速になる。この実施例による第3の切断要素28は、第2の切断要素26の第4の切刃72に対応する。第3の切断要素28は1つの材料から切削加工され、したがって共通のハウジング74を備える。入口30もまたハウジング74によって画定される。
【0042】
第3の切断要素28は、ハウジング74を介して第1の切断要素24のハウジング42に取り付けられる。第3の切刃70と第4の切刃72との間の距離は調整機構60によって調整可能である。この目的のために、ねじ孔76がハウジング74に提供され(図5参照)、ねじ62のねじ孔64と同様の原理を有する。ねじ78はねじ孔76に挿入され、このねじは第1の切断要素24のハウジング42でストップ80に対して軸部端で支持される。第3の切断要素28の外径は、第1の切断要素24のセグメント82の内径よりもわずかに小さいので、第3の切断要素28を有するハウジング部分74は、第1の切断要素24を有する第1のハウジング部分42に差し込むことができる。ねじ78による軸方向調整時にハウジング74をガイドするためにガイドタブ84が提供され、凹部86に係合する。さらなるねじ88が軸方向位置を決定し固定するために提供され、このねじはハウジング42でねじ孔90に係合して、2つのハウジング部分72、74を互いに固定し、ねじ78に圧力をかける。
【0043】
図4に単独の第2の切断要素26が示され、前述の鋭角刃100の幾何学的形状を見ることができる。図4では、1つの鋭角刃100のみが参照番号を付され提供されているが、他の鋭角刃も同様に実施されている。鋭角刃100は2つの逃げ面102、104を備え、102は半径方向内側逃げ面を指し、104は半径方向外側逃げ面を指す。半径方向内側逃げ面102は、回転軸Aまたはそれと平行に延びる軸線A’と角度αを成す。対応する角度βは逃げ面104を軸線A’で囲む。半径方向外側逃げ面104は半径方向内側逃げ面102よりも長いので、鋭角刃100は全体として回転軸に対して傾斜した経路B上に配置される。この実施例では、回転軸Aに対して垂直な平面Eに基づいて、角度γはほぼ30°の範囲で描出される。
【0044】
半径方向さらに外側、すなわち図4に関してはさらに右側に位置する鋭角刃100の角度βは、半径方向にさらに内側、すなわち図4に関してはさらに左側に位置する鋭角刃の角度βよりも大きい。これには、半径方向さらに外側に位置する鋭角刃の逃げ面104が、半径方向さらに内側に位置する鋭角刃100の逃げ面104よりも平坦になるという影響がある。ここで第2の切断要素26と第1の切断要素24との間の軸方向距離が減少した場合、半径方向さらに外側に位置する逃げ面104と、切刃40の対応する逆向きの逃げ面との間の距離は、半径方向さらに内側に位置する逃げ面104と対応する逆向きの逃げ面との間の距離よりも過度に小さくなり、どちらも逃げ面の表面に垂直な距離として見られる。これにより、摩耗調整が行われ、かつ、この目的のために軸方向調整が行われると、半径方向さらに外側に位置する鋭角刃100の激しい摩耗を補償することが可能になる。
【0045】
粉砕デバイス1の第2の実施例を図7に示す。同一部分には同一参照番号を付して提供されており、その限りにおいて、第1の実施例の上記説明が完全に参照される(図1図6参照)。
【0046】
第1の実施例(特に図2参照)とは対照的に、この実施例による粉砕デバイス1は予備粉砕機120を備える。予備粉砕機120は、第1の予備切断要素122および第2の予備切断要素124を備える。第1の予備切断要素122は、穿孔ディスクとして実施され、入口開口部30の前に取り付けられる。第2の予備切断要素124は、その上に配置された合計4つのブレード125a、125bを有するブレードホルダである(図7では2つのブレードのみ見ることができる)。ブレードホルダは、軸延長部126を介して駆動軸14に連結されているので、ブレードホルダは駆動軸14、ハブ48、ひいては少なくとも1つの第2の切断要素26とも共に回転する。予備切断要素122は、好ましくは、欧州特許第2613884号の穿孔ディスクに従って実施され、第2の予備切断要素124は、好ましくは、欧州特許第2613884号のブレードホルダと同様に実施される。穿孔ディスクの孔の縁部は、ブレードホルダのブレード125a、125bと共に対応する切断部を形成し、被切断材料をブレードホルダの回転によってその上で解体することができる。そのような製品はすでに市場で知られており、「RotaCut」の名称で特許所有者によって販売されている。
【0047】
図8および図9は、第3の実施例を示す。より具体的には、図8および図9では、ハブ48および第2の切断要素26のみを示す。粉砕デバイス1の残りの要素については、最初の2つの実施例と同一であり、明確にするためにここでは示さない。したがって、図8および図9に示すユニットは、最初の2つの実施例の粉砕デバイス1(図1図7)にも使用可能である。
【0048】
ハブ48は、取り付け面132を画定する複数の半径方向凹部130を備える。それぞれの第2の切断要素26はこの取り付け面132のように取り付けられる。これは、この第3の実施例では、2つのねじ134、136によって実現され、それぞれのねじは第2の切断要素26の対応する貫通孔(図示せず)を貫通し、雌ねじ付き止まり穴(図示せず)でハブ48にねじ止めされる。このねじ連結の代替として、他の連結、特に締め付け連結および/またはプラグ連結が考えられ、かつ、好ましい。
【0049】
第2の切断要素26は全て回転軸Aに対して角度をなして配置される。第1の実施例では切断要素26は回転軸Aを有する平面に共に、または少なくともそれと平行に位置するが、この実施例では、角度γを成す(図8および図9)。角度γは、板状の第2の切断要素によって画定される平面Eと回転軸Aとの間で測定される。本実施例では角度γは約45°である(図9参照)。しかし、好ましくは0°より大きく90°までの範囲内で、異なる値を有することも可能である。個々の切断用鋭角刃100も同様にして、好ましくは角度を、実際には相補的な角度ε(図9参照)を成しているので、切断用鋭角刃は回転軸Aに対してほぼ垂直に位置合わせされる。これにより効果的な切断が容易になる。切断用鋭角刃100の傾斜は、図9の中央に示す第2の切断要素26で最もよく見られ、それに基づいて角度が描画されている。
【0050】
この実施例でのさらなる相違点は、第2の切断要素がそれぞれ通路140を備えることである。通路140は基本的に第2の切断要素26の外側輪郭にほぼ適合するように実施されるが、第2の切断要素26のハブ48への取り付け、ならびに切断のどちらにも十分な壁厚を考慮する。効率的な流体の流れを可能にするために、あるいは通路140の特定の幾何学的形状によって流れに積極的に影響を与えるためにも、ここではさまざまな幾何学的形状が考えられる。通路140は、最初の2つの実施例(図1図7)の第2の切断要素26でも提供可能であり、第3の実施例(図8および図9)では、任意選択であるが好ましいというに過ぎないことを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9