(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6828154
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】引出し用引出しガイド
(51)【国際特許分類】
A47B 88/493 20170101AFI20210128BHJP
A47B 88/43 20170101ALI20210128BHJP
A47B 88/427 20170101ALI20210128BHJP
【FI】
A47B88/493
A47B88/43
A47B88/427
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-522678(P2019-522678)
(86)(22)【出願日】2017年7月26日
(65)【公表番号】特表2019-536527(P2019-536527A)
(43)【公表日】2019年12月19日
(86)【国際出願番号】AT2017060189
(87)【国際公開番号】WO2018076032
(87)【国際公開日】20180503
【審査請求日】2019年5月24日
(31)【優先権主張番号】A50995/2016
(32)【優先日】2016年10月28日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーク モイスブアガー
(72)【発明者】
【氏名】ヘアマン ヘマーレ
(72)【発明者】
【氏名】パスカル ベアヒトルト
【審査官】
七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−146208(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/007351(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00−88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出し用引出しガイド(4)であって、
家具本体(2)に固定することができる本体レール(5)と、
前記本体レール(5)を前記家具本体(2)に固定することができる少なくとも1つの固定部分(12a)であって、少なくとも1つの前記固定部分(12a)は、前記家具本体(2)に接触するための鉛直脚(13)と、該鉛直脚(13)から突出する横脚(14)とを有しており、前記固定部分(12a)の前記横脚(14)は、前記本体レール(5)の、前記本体レール(5)の長手方向(L)に延びるウェブ(18)に結合されている、固定部分(12a)と、
前記本体レール(5)に対して前記長手方向(L)において移動可能に支持されている少なくとも1つの引出しレール(7)と、
前記本体レール(5)と前記引出しレール(7)との間に配置された少なくとも1つの転動体(21a,21b,21c)であって、前記本体レール(5)の走行ウェブ(22a,22b,22c,22d)に、かつ/または少なくとも1つの前記引出しレール(7)の走行ウェブ(22a,22b,22c,22d)に支持可能である、転動体(21a,21b,21c)と、
を備える、引出し用引出しガイド(4)において、
前記本体レール(5)の前記ウェブ(18)は、1つの第1ウェブ部分(18a)と、少なくとも1つの第2ウェブ部分(18b)とを有しており、前記本体レール(5)の前記第1ウェブ部分(18a)は、前記固定部分(12a)の前記横脚(14)に結合されており、前記本体レール(5)の前記第2ウェブ部分(18b)は、当該引出し用引出しガイド(4)に荷重が加わっていない状態で、間隙(19)を形成しながら、前記固定部分(12a)の前記横脚(14)から間隔をあけて位置していて、前記引出しレール(7)への荷重によって、前記長手方向(L)に延びる軸線の周りで、前記横脚(14)の方向に傾倒可能または屈曲可能であり、これによって、前記引出しレール(7)への荷重によって生じる、前記走行ウェブ(22a,22b,22c,22d)と前記転動体(21a,21b,21c)との間の、前記長手方向(L)に対して横方向の相対位置の変化を、少なくとも部分的に補償可能であり、前記本体レール(5)の前記第2ウェブ部分(18b)と前記固定部分(12a)の前記横脚(14)との間に位置している前記間隙(19)は縮小可能であることを特徴とする、引出し用引出しガイド(4)。
【請求項2】
前記第1ウェブ部分(18a)と前記第2ウェブ部分(18b)とは、取付け状態において高さ方向で互いに間隔をあけて位置しており、または、前記第2ウェブ部分(18b)は、取付け状態において前記第1ウェブ部分(18a)から横方向に突出している、請求項1記載の引出し用引出しガイド。
【請求項3】
前記第1ウェブ部分(18a)および/または前記第2ウェブ部分(18b)は、ほぼ前記本体レール(5)の全長にわたって延びている、請求項1または2記載の引出し用引出しガイド。
【請求項4】
前記本体レール(5)の前記第1ウェブ部分(18a)は、少なくとも1つの固定箇所(23a,23b)を介して前記固定部分(12a)の前記横脚(14)に結合されており、好ましくは溶接されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の引出し用引出しガイド。
【請求項5】
前記第2ウェブ部分(18b)は、前記第1ウェブ部分(18a)よりも前記鉛直脚(13)の近くに配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の引出し用引出しガイド。
【請求項6】
前記第2ウェブ部分(18b)の、前記長手方向(L)に対して横方向に測定された幅が、前記第1ウェブ部分(18a)の幅の少なくとも2倍である、請求項1から5までのいずれか1項記載の引出し用引出しガイド。
【請求項7】
前記本体レール(5)は、前記長手方向(L)において互いに間隔をあけて位置している少なくとも2つの固定部分(12a,12b)を介して、前記家具本体(2)に固定することができる、請求項1から6までのいずれか1項記載の引出し用引出しガイド。
【請求項8】
当該引出し用引出しガイド(4)は、1つの引出し底(9)を支持するための支持部(15)を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の引出し用引出しガイド。
【請求項9】
当該引出し用引出しガイド(4)は、前記本体レール(5)と前記引出しレール(7)との間に走行可能に支持されている中間レール(6)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載の引出し用引出しガイド。
【請求項10】
前記中間レール(6)は、前記支持部(15)のそばで側部に配置されたサイドウェブ(6a)と、前記サイドウェブ(6a)に結合された横ウェブ(6b)とを有しており、該横ウェブ(6b)は、取付け状態において少なくとも部分的に、前記引出し底(9)のための前記支持部(15)の下に進入している、請求項8を引用する請求項9記載の引出し用引出しガイド。
【請求項11】
前記サイドウェブ(6a)は、取付け状態においてほぼ鉛直に延びており、かつ/または前記横ウェブ(6b)は、取付け状態においてほぼ水平に延びている、請求項10記載の引出し用引出しガイド。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の少なくとも1つの引出し用引出しガイド(4)を備えた引出し(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引出し用引出しガイドであって、
家具本体に固定することができる本体レールと、
本体レールを家具本体に固定することができる少なくとも1つの固定部分であって、少なくとも1つの固定部分は、家具本体に接触するための鉛直脚と、鉛直脚から突出する横脚とを有しており、固定部分の横脚は、本体レールの、本体レールの長手方向に延びるウェブに結合されている、固定部分と、
本体レールに対して長手方向において移動可能に支持されている少なくとも1つの引出しレールと、
本体レールと引出しレールとの間に配置された少なくとも1つの転動体であって、本体レールの走行ウェブに、かつ/または少なくとも1つの引出しレールの走行ウェブに支持可能である、転動体と、
を備える、引出し用引出しガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
引出し用引出しガイドは、通常、家具本体の互いに向かい合って位置している側壁に固定されており、特に高い荷重の受け止め時にも、引出しの摩擦のない走行を可能にする。引出しの引出し底に、収容された収容物によって大きな荷重が加わると、しばしば、引出しレールがこの荷重によって本体レールに対して、ひいては、本体レールと引出しレールとの間で荷重を伝達するために支持されている転動体に対しても、長手方向に延びる軸線の周りに傾くという問題が発生する。さらに、引出しレールが引出し底のための支持部を有している場合には、引出しへの荷重によって、引出しレールに作用する側方への傾倒モーメントがさらに増大する。引出しレールのこの傾斜は、転動体の早期のかつ不均一な摩耗を引き起こし、これによって、引出し用引出しガイドの機能に不都合な影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ゆえに、本発明の課題は、冒頭に述べた形式の引出し用引出しガイドを改良して、上に述べた欠点を排除することができる引出し用引出しガイドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1の特徴によって解決される。本発明のその他の好適な構成は、従属請求項に記載されている。
【0005】
本発明によれば、本体レールのウェブは、1つの第1ウェブ部分と、少なくとも1つの第2ウェブ部分とを有しており、第1ウェブ部分は、固定部分の横脚に結合されており、第2ウェブ部分は、引出しレールへの荷重によって、長手方向に延びる軸線の周りに、横脚の方向に傾倒可能または屈曲可能であり、これによって、引出しレールへの荷重によって生じる、走行ウェブと転動体との間の、長手方向に対して横方向の相対位置の変化を、少なくとも部分的に補償可能であることが提案される。
【0006】
言い換えれば、補償装置が設けられており、この補償装置によって、本体レールは、引出しレールに静的なまたは動的な荷重が加わった場合に、引出し用引出しガイドの長手方向に延びる軸線の周りに、固定部分の横脚に対して傾倒可能または屈曲可能である。このように構成されていると、走行ウェブと転動体とが、引出しへの荷重状態とは無関係に、ほぼ傾斜なしに互いに接触していることが達成され、すなわち、荷重が加わっているにもかかわらず、転動体の走行面と、この走行面と共働する走行ウェブとが、常に互いに平行に方向付けられていることが達成される。
【0007】
第1ウェブ部分と第2ウェブ部分とは、取付け状態において高さ方向で互いに間隔をあけて位置していてよい。代替的に、第2ウェブ部分が、取付け状態において第1ウェブ部分から横方向に突出していることも可能である。この場合、本体レールの第2ウェブ部分は、引出し用引出しガイドに荷重が加わっていない状態において、間隙を形成しながら、固定部分の横脚から、好ましくは平行にまたは横方向に、間隔をあけて位置していることが提案されていてよい。
【0008】
引出しレールに荷重が加わっていない状態において、走行ウェブと少なくとも1つの転動体とは、互いにゼロ位置を占めており、引出しレールへの荷重によって生じる、このゼロ位置からの変位時には、蓄力器の配置によって、本体レールにゼロ位置の方向で戻し力を加えることができる。蓄力器は、機械式のばねエレメントによって、弾性的に可撓性のプラスチック材料によって、かつ/または本体レールの固有弾性によって形成することができる。
【0009】
本発明のさらなる詳細および利点について、以下において図面を参照しながら述べる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】引出し用引出しガイドを介して家具本体に対して走行可能に支持された、引出しを備えた家具を示す図である。
【
図3】荷重が加わっていない引出し用引出しガイドを示す断面図である。
【
図4】収容物によって荷重が加えられた引出し用引出しガイドを示す断面図である。
【
図5a】引出し用引出しガイドの、荷重が加わっていない状態を示す概略図である。
【
図5b】引出し用引出しガイドの、荷重が加わっている状態を示す概略図である。
【
図6】引出し用引出しガイドの一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1には、複数の引出し3を備えた家具1が示されており、引出し3は、引出し用引出しガイド4を介して、キャビネット形状の家具本体2に対して長手方向(L)において走行可能に支持されている。引出し用引出しガイド4はそれぞれ、家具本体2に固定することができる本体レール5と、引出し3に固定することができる引出しレール7と、場合によっては本体レール5と引出しレール7との間で走行可能な中間レール6とを有している。本体レール5には、少なくとも1つの固定部分12aが結合されており、この固定部分12aによって、引出し用引出しガイド4を家具本体2に固定することができる。図示の実施形態では、互いに別個の2つの固定部分12a,12bが設けられており、両固定部分12a,12bは、長手方向(L)において互いに間隔をあけて位置している。固定部分12a,12bの長さは、それぞれ単に本体レール5の部分領域にわたって、好ましくは本体レール5の長さの1/4未満の長さにわたって延びている。引出し3はそれぞれ、前板8と、引出し底9と、側壁10と、背壁11とを有している。側壁10は、不動に、つまり軸方向において移動不能に引出しレール7に結合されているので、側壁10は引出し3の移動時に引出しレール7と一緒に走行可能である。問題は、長手方向(L)に対して横方向に作用する荷重が引出しレール7に加わることであり、これによって引出しレール7は、長手方向(L)に延びる軸線の周りに屈曲し、図示された矢印(M)の方向に傾く。引出しレール7のこのような側方への傾斜は、本体レール5と中間レール6との間、かつ/または中間レール6と引出しレール7との間に支持されている転動体21a,21b,21c(
図3)に対する片側荷重を、または転動体21a,21b,21cの破損をも引き起こすおそれがある。
【0012】
図2には、引出し用引出しガイド4が斜視図で示されている。少なくとも1つの固定部分12aは、家具本体2に固定するための孔17を備えた鉛直脚13と、この鉛直脚13から好ましくは直角に突出する横脚14とを有しており、固定部分12aの横脚14は、本体レール5の、本体レール5の長手方向(L)に延びるウェブ18に結合されている。図示の実施形態では、引出しレール7は、引出し3に固定することができる、好ましくは引出し3に予め取り付けられた保持体レール20に結合されており、この保持体レール20は、取付け状態において引出しレール7に対して軸方向に移動不能に配置されている。引出しレール7と保持体レール20との間の結合は、自体公知の連結装置を介して行うことができるので、保持体レール20(ひいては引出し3全体)は、引出しレール7に取り外し可能に連結可能である。保持体レール20は、引出し底9のための支持部15を有している。支持部15は、図示の実施形態では水平ウェブとして形成されており、この水平ウェブは、長手方向(L)において互いに間隔をあけて配置された複数のラグ16を備えている。これらのラグ16は、引出し底9の下面に押圧可能であり、これによって、引出し底9を力結合式に固定可能である。
【0013】
図3には、荷重が加わっていない引出し用引出しガイド4が断面図で示されている。固定部分12aは、家具本体2に接触するための鉛直脚13と、鉛直脚13から90°の角度を成して突出する横脚14とを有している。本体レール5は、長手方向(L)に延びているウェブ18を備えたほぼC字形の部分を有しており、ウェブ18は、横脚14に結合された第1ウェブ部分18aと、第1ウェブ部分18aに結合された第2ウェブ部分18bとを有しており、第2ウェブ部分18bは、間隙19を形成しながら固定部分12aの横脚14から間隔をあけて位置している。第1ウェブ部分18aと第2ウェブ部分18bとは、取付け状態において高さ方向で、例えば平行に、互いに間隔をあけて位置していてよい。しかしながら、代替的に、取付け状態において、第2ウェブ部分18bが第1ウェブ部分18aから横方向に突出している構成も可能である。(斜線で示された)中間レール6は、少なくとも1つの転動体21aを介して本体レール5に対して移動可能に支持されており、転動体21aは、本体レール5の第1の走行ウェブ22aにかつ中間レール6の第2の走行ウェブ22bにおいて支持可能であり、かつ/または転動可能である。中間レール6は、支持部15のそばで側部に配置された、鉛直に延びるサイドウェブ6aと、サイドウェブ6aに結合された、水平に延びる横ウェブ6bとを有しており、横ウェブ6bは、少なくとも部分的に、引出し底9のための支持部15の下に進入している。中間レール6の、支持部15の下に位置している横ウェブ6bによって、取付け状態において、引出し3の重力を、比較的小さな側方の作用間隔で、中間レール6内に導入することができる。これによって、特に引出し3に大きな荷重が加わっている場合に、引出し用引出しガイド4には比較的小さな傾倒モーメントしか加わらない。中間レール6の走行ウェブ22cに沿って転動可能である第2の転動体21bと、一方では中間レール6の走行ウェブ22cに、他方では引出しレール7の走行ウェブ22dに沿って支持可能である第3の転動体21cとによって、引出しレール7は中間レール6に対して移動可能に支持されている。転動体21a,21b,21cは、それぞれキャリッジ内に配置されていてよく、このキャリッジは、本体レール5と中間レール6との間に、かつ/または中間レール6と引出しレール7との間に走行可能に支持されている。
【0014】
図4には、荷重が加わっている引出し用引出しガイド4が断面図で示されている。収容物(Staugut)による引出し底9への荷重によって、固定部分12aの横脚14は、下方に向かって屈曲し、いまや鉛直脚13に対して例えば93°の角度を成している。第1ウェブ部分18aは、固定部分12aの横脚14に結合されており、これに対して第2ウェブ部分18bは、引出しレール7への荷重によって、長手方向(L)に延びる軸線の周りに横脚14の方向に傾倒または屈曲し、これによって引出しレール7への荷重に起因する、走行ウェブ22a,22b,22c,22dと転動体21a,21b,21cとの間の、長手方向(L)に対して横方向の相対位置の変化を、少なくとも部分的に補償可能である。すなわち、このように構成されていると、下方に向かっての横脚14の屈曲にもかかわらず、本体レール5、中間レール6、引出しレール7および保持体レール20の間の断面で見た相対位置と、転動体21a,21b,21cと所属の走行ウェブ22a,22b,22c,22dとの間の相対位置とが変化しない。つまり、転動体21a,21b,21cには、収容物による引出し3への追加的な荷重にもかかわらず、均一な荷重が加わり、これによって、転動体21a,21b,21cの不規則な摩耗または損傷を引き起こすおそれがある片側荷重が加わらない。
【0015】
図5aには、
図3の図示に相当する、引出し用引出しガイド4の荷重が加わっていない状態が概略的に示されている。本体レール5の第1ウェブ部分18aは、固定部分12aの横脚14に結合されており、本体レール5の第2ウェブ部分18bは、間隙19を形成しながら、横脚14に対して、好ましくはほぼ平行に間隔をあけて位置している。引出し3に荷重が加わると、第2ウェブ部分18bは、横脚14の方向に傾倒するかまたは屈曲し、この場合、横脚14と第2ウェブ部分18bとの間に位置している間隙19が小さくなる(
図5bは、
図4の図示に相当)。つまり、収容物による荷重によっては、単に第2ウェブ部分18bの位置が横脚14に対して変化するだけであり、レール相互の相対位置(ひいては転動体21a,21b,21cと走行ウェブ22a,22b,22c,22dとの相互の相対位置)は、維持される。
【0016】
図6には、固定部分12aおよび本体レール5が、2つの異なった斜視図で示されている。本体レール5の第1ウェブ部分18aは、少なくとも1つの固定箇所23aを介して固定部分12aの横脚14に結合されている。図示の実施形態では、第1ウェブ部分18aは、長手方向(L)において互いに間隔をあけて位置している少なくとも2つの固定箇所23a,23bを介して、横脚14に結合されており、この結合は、例えば溶接、特にレーザ溶接によって行うことができる。このように構成されていると、本体レール5は長手方向軸線(L)の周りに固定部分12aの横脚14に対して屈曲可能または傾倒可能である。固定箇所23aおよび/または固定箇所23bは、点支持部として形成されていてもよいし、または線支持部として形成されていてもよく、この場合、線支持部は少なくとも部分的に長手方向(L)に延びている。第1ウェブ部分18aはまた、少なくとも1つのジョイント(例えば膜ヒンジまたは点ヒンジ)を介して横脚14に結合されていてもよく、これによって第2ウェブ部分18bは、このジョイントを介して長手方向軸線(L)の周りに傾倒可能である。さらに、支持部24a,24bが、好ましくは膨出した隆起部の形態で設けられている。これらの支持部24a,24bには、本体レール5のウェブ部分18aがルーズに載置されており、これによって、本体レール5は、長手方向軸線(L)の周りに比較的容易に傾倒可能である。代替的に、本体レール5は、支持部24a,24bに溶接されていてもよく、その結果、第1ウェブ部分18aは、長手方向(L)に対して横方向に互いに間隔をあけて位置している少なくとも2つの溶接部を介して、横脚14に結合される。第1ウェブ部分18aと第2ウェブ部分18bとは、ほぼ本体レール5の全長にわたって延びていてよく、この場合、第2ウェブ部分18bの、長手方向(L)に対して横方向に測定された幅は、第1ウェブ部分18aの幅の少なくとも2倍であってよい。第1ウェブ部分18aと第2ウェブ部分18bとは、本体レール5の図示の両図面から分かるように、本体レール5の、長手方向(L)に延びる屈曲部25を介して、互いに結合されている。