(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6828175
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】アレイ基板及びアレイ基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20210128BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20210128BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20210128BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
H01L29/78 619A
H01L29/78 627C
G09F9/30 338
G02F1/1368
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-539282(P2019-539282)
(86)(22)【出願日】2017年3月10日
(65)【公表番号】特表2020-507208(P2020-507208A)
(43)【公表日】2020年3月5日
(86)【国際出願番号】CN2017076317
(87)【国際公開番号】WO2018152874
(87)【国際公開日】20180830
【審査請求日】2019年7月19日
(31)【優先権主張番号】201710098323.2
(32)【優先日】2017年2月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 思坤
【審査官】
岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第101442056(CN,A)
【文献】
特開2008−134337(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2014−0030289(KR,A)
【文献】
特開2012−138574(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0146035(US,A1)
【文献】
特開平09−101542(JP,A)
【文献】
特開2012−084866(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0064650(US,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2012−0088505(KR,A)
【文献】
特開平09−107088(JP,A)
【文献】
特開平02−198430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/786
H01L 21/336
G09F 9/30
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板であって、
ベース基板と、
前記ベース基板上に設置され、走査線及び薄膜トランジスタのゲートを形成するために用いられる第1金属層と、
前記第1金属層上に設けられ、前記第1金属層及び活性層を隔離するために用いられる第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に設けられ、前記薄膜トランジスタの導電チャネルを形成するために用いられる前記活性層と、
前記活性層上に設けられ、データ線、前記薄膜トランジスタのソース及び前記薄膜トランジスタのドレインを形成するために用いられる第2金属層と、
前記第1絶縁層と前記第2金属層との間に設けられ、前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域において、前記第1金属層と前記第2金属層との間の距離を増加させ、前記第1金属層と前記第2金属層との間に形成される寄生容量の容量値を低下させるために用いられるバリア層と、
を含む前記アレイ基板において、
前記バリア層の厚さは3ミクロン〜5ミクロンであり、
前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域の前記ベース基板上への投影は、前記バリア層の前記ベース基板上への投影と一致する、ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項2】
前記ベース基板は第1領域及び第2領域を含み、前記薄膜トランジスタの前記ベース基板上への投影が前記第1領域と重なり、前記バリア層の前記ベース基板上への投影が前記第2領域と重なる、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記バリア層は、無機材料または有機絶縁材料である、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
アレイ基板であって、
ベース基板と、
前記ベース基板上に設置され、走査線及び薄膜トランジスタのゲートを形成するために用いられる第1金属層と、
前記第1金属層上に設けられ、前記第1金属層及び活性層を隔離するために用いられる第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に設けられ、前記薄膜トランジスタの導電チャネルを形成するために用いられる前記活性層と、
前記活性層上に設けられ、データ線、前記薄膜トランジスタのソース及び前記薄膜トランジスタのドレインを形成するために用いられる第2金属層と、
前記第1絶縁層と前記第2金属層との間に設けられ、前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域において、前記第1金属層と前記第2金属層との間の距離を増加させ、前記第1金属層と前記第2金属層との間に形成される寄生容量の容量値を低下させるために用いられるバリア層と、
を含み、
前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域の前記ベース基板上への投影が、前記バリア層の前記ベース基板上への投影と一致する、ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項5】
前記ベース基板は第1領域及び第2領域を含み、前記薄膜トランジスタの前記ベース基板上への投影が前記第1領域と重なり、前記バリア層の前記ベース基板上への投影が前記第2領域と重なる、請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記バリア層の厚さは3ミクロン〜5ミクロンである、請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記バリア層は無機材料または有機絶縁材料である,請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項8】
アレイ基板の製造方法であって、
ベース基板上に第1金属層を堆積し、かつパターニングプロセスにより走査線及び薄膜トランジスタのゲートを形成するステップと、
前記第1金属層上に第1絶縁層を堆積するステップと、
前記第1絶縁層上に活性層を堆積し、かつパターニングプロセスにより前記薄膜トランジスタの導電チャネルを形成するステップと、
前記活性層上に第2金属層を堆積し、かつパターニングプロセスによりデータ線、前記薄膜トランジスタのソース及び前記薄膜トランジスタのドレインを形成するステップと、
前記第1絶縁層と前記第2金属層との間にバリア層を形成することより、前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域において、前記第1金属層と前記第2金属層との間の距離を増加させ、前記第1金属層と前記第2金属層との間に形成される寄生容量の容量値を低下させるステップと、
を含み、
前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域の前記ベース基板上への投影領域は、前記バリア層の前記ベース基板上への投影領域と一致する、アレイ基板の製造方法。
【請求項9】
前記ベース基板は第1領域及び第2領域を含み、前記薄膜トランジスタの前記ベース基板上への投影が前記第1領域と重なり、前記バリア層の前記ベース基板上への投影が前記第2領域と重なる、請求項8に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項10】
前記バリア層の厚さは3ミクロン〜5ミクロンである、請求項8に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項11】
前記バリア層は無機材料又は有機絶縁材料である、請求項8に記載のアレイ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶ディスプレイの製造分野に関し、特にアレイ基板及びアレイ基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は現在最も広く使用されているフラットパネルディスプレイであり、様々な電子機器に、例えば携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、デジタルカメラ、コンピュータ又はノートパソコンなどに、高解像度を有するカラースクリーンを提供することができる。
【0003】
液晶表示パネルは液晶ディスプレイの最も主要な構成部品であり、第1基板、第2基板、両者の間に設置された液晶層を含む。ここで、第1基板はアレイ基板であり、
図1を参照して説明する。
図1は従来の液晶表示パネルのアレイ基板の平面構造概略図であり、以下を含む:第1金属層、第1絶縁層、活性層、第2金属層及び画素電極層。第1金属層は走査線102及び薄膜トランジスタ103のゲート1033を形成するために用いられる。第1絶縁層(図示せず)は、第1金属層上に設置され、第1金属層及び活性層を隔離するために用いられる。活性層は、第1絶縁層上に設けられ、薄膜トランジスタ103の導電チャネル1034を形成するために用いられる。第2金属層は、活性層上に設けられ、データ線101、薄膜トランジスタ103のソース1031及び薄膜トランジスタ103のドレイン1032を形成するために用いられる。画素電極層は、第2金属層上に設けられ、画素電極104を形成するために用いられ、貫通孔により薄膜トランジスタ103のドレイン1032に接続される。
【0004】
しかしながら、第1金属層と第2金属層との間の距離が短く、第1金属層と第2金属層とが重なる領域105に寄生容量が形成されやすく、それにより画素の充電率が低下し、さらに液晶ディスプレイの表示効果及び品質に悪影響を及ぼす。
【0005】
したがって、従来の技術に存在する問題を解決するためのアレイ基板及びアレイ基板の製造方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、アレイ基板及びアレイ基板の製造方法を提供することにより、従来のアレイ基板では第1金属層と第2金属層との間の距離が短いことに起因して、第1金属層と第2金属層とが重なる領域に寄生容量が形成されやすく、それにより画素の充電率が低下され、さらに液晶ディスプレイの表示効果及び品質に悪影響が及ぼされる、という技術的課題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はアレイ基板を提供し、該アレイ基板は、
ベース基板と、
前記ベース基板上に設置され、走査線及び薄膜トランジスタのゲートを形成するために用いられる第1金属層と、
前記第1金属層上に設けられ、前記第1金属層及び活性層を隔離するために用いられる第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に設けられ、前記薄膜トランジスタの導電チャネルを形成するために用いられる前記活性層と、
前記活性層に設けられ、データ線、前記薄膜トランジスタのソース及び前記薄膜トランジスタのドレインを形成するために用いられる第2金属層と、
前記第1絶縁層と前記第2金属層との間に設けられ、前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域において、前記第1金属層と前記第2金属層との間の距離を増加させ、前記第1金属層と前記第2金属層との間に形成される寄生容量の容量値を低下させるために用いられるバリア層と、を含み、
前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域の前記ベース基板上への投影が、前記バリア層の前記ベース基板上への投影内に位置し、
前記バリア層の厚さは3ミクロン〜5ミクロンである。
【0008】
本発明のアレイ基板において、前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域の前記ベース基板上への投影は、前記バリア層の前記ベース基板上への投影と重なる。
【0009】
本発明のアレイ基板において、前記ベース基板は第1領域及び第2領域を含み、前記薄膜トランジスタの前記ベース基板上への投影が前記第1領域と重なり、前記バリア層の前記ベース基板上への投影が前記第2領域と重なる。
【0010】
本発明のアレイ基板において、前記バリア層は、無機材料または有機絶縁材料である。
【0011】
本発明はさらに以下のアレイ基板を提供し、該アレイ基板は、
ベース基板と、
前記ベース基板上に設置され、走査線及び薄膜トランジスタのゲートを形成するために用いられる第1金属層と、
前記第1金属層上に設けられ、前記第1金属層及び活性層を隔離するために用いられる第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に設けられ、前記薄膜トランジスタの導電チャネルを形成するために用いられる前記活性層と、
前記活性層に設けられ、データ線、前記薄膜トランジスタのソース及び前記薄膜トランジスタのドレインを形成するために用いられる第2金属層と、
前記第1絶縁層と前記第2金属層との間に設けられ、前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域において、前記第1金属層と前記第2金属層との間の距離を増加させ、前記第1金属層と前記第2金属層との間に形成される寄生容量の容量値を低下させるために用いられるバリア層と、を含む。
【0012】
本発明のアレイ基板において、前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域の前記ベース基板上への投影が前記バリア層の前記ベース基板上への投影内に位置する。
【0013】
本発明のアレイ基板において、前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域の前記ベース基板上への投影が前記バリア層の前記ベース基板上への投影と重なる。
【0014】
本発明のアレイ基板において、前記ベース基板は第1領域及び第2領域を含み、前記薄膜トランジスタの前記ベース基板上への投影が前記第1領域と重なり、前記バリア層の前記ベース基板上への投影が前記第2領域と重なる。
【0015】
本発明のアレイ基板において、前記バリア層の厚さは3ミクロン〜5ミクロンである。
【0016】
本発明のアレイ基板において、前記バリア層は、無機材料または有機絶縁材料である。
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明はさらに以下のアレイ基板の製造方法を提供し、該アレイ基板の製造方法は、
ベース基板上に第1金属層を堆積し、かつパターニングプロセスにより走査線及び薄膜トランジスタのゲートを形成するステップと、
前記第1金属層上に第1絶縁層を堆積するステップと、
前記第1絶縁層上に活性層を堆積し、かつパターニングプロセスにより前記薄膜トランジスタの導電チャネルを形成するステップと、
前記活性層上に第2金属層を堆積し、かつパターニングプロセスによりデータ線、前記薄膜トランジスタのソース及び前記薄膜トランジスタのドレインを形成するステップと、
前記第1絶縁層と前記第2金属層との間にバリア層を形成することより、前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域において、前記第1金属層と前記第2金属層との間の距離を増加させ、前記第1金属層と前記第2金属層との間に形成される寄生容量の容量値を低下させるステップと、を含む。
【0018】
本発明のアレイ基板の製造方法において、前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域の前記ベース基板上への投影は、前記バリア層の前記ベース基板上で投影内に位置する。
【0019】
本発明のアレイ基板の製造方法において、前記第1金属層と前記第2金属層とが重なる領域の前記ベース基板上への投影領域は、前記バリア層の前記ベース基板上への投影領域と重なる。
【0020】
本発明のアレイ基板の製造方法において、前記ベース基板は第1領域及び第2領域を含み、前記薄膜トランジスタの前記ベース基板上への投影が前記第1領域と重なり、前記バリア層の前記ベース基板上への投影が前記第2領域と重なる。
【0021】
本発明のアレイ基板の製造方法において、前記バリア層の厚さは3ミクロン〜5ミクロンである。
【0022】
本発明のアレイ基板の製造方法において、前記バリア層は無機材料又は有機絶縁材料である。
【発明の効果】
【0023】
本発明のアレイ基板及びアレイ基板の製造方法はバリア層を設けることにより、第1金属層と第2金属層とが重なる領域において、第1金属層と第2金属層との間の距離を増加させ、第1金属層と第2金属層との間に形成される寄生容量の容量値を低下させ、それにより画素の充電率を向上させ、さらに液晶ディスプレイの表示効果及び品質を向上させることができる。
【0024】
本発明の上記内容をより分かりやすくするために、以下に好ましい実施例を挙げ、かつ添付図に合わせて、以下のように詳細に説明する。
【0025】
以下に図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態を詳細に説明することにより、本発明の技術的解決手段及びその有益な効果を明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】従来の液晶表示パネルのアレイ基板の平面構造概略図である。
【
図2】本発明のアレイ基板の第1好ましい実施例の構造概略図である。
【
図3】本発明のアレイ基板の第2好ましい実施例の構造概略図である。
【
図4】本発明のアレイ基板の製造方法のプロセスフロー概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の採用する技術的手段及びその効果をさらに説明するために、以下に本発明の好ましい実施例及びその図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同一の構成部分には同一の符号を付している。なお、本発明の目的は、第1金属層と第2金属層との間にバリア層を設けることにより、第1金属層と第2金属層とが重なる領域において、第1金属層と第2金属層との間の距離を増加させ、第1金属層と第2金属層との間に形成される寄生容量の容量値を低下させ、画素の充電率を向上させ、さらに液晶ディスプレイの表示効果及び品質を向上させることにある。言うまでもなく、説明された実施例は本発明の一の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要さずに想到し得る他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0028】
図2は本発明のアレイ基板の第1好ましい実施例の構造概略図である。
図2に示すように、本発明の好ましい実施例のアレイ基板は、ベース基板201、第1金属層202、第1絶縁層203、活性層204、第2金属層205、及びバリア層206を含む。
【0029】
第1金属層202はベース基板201上に設置され、走査線2081及び薄膜トランジスタ207のゲート2071を形成するために用いられる。第1絶縁層203は、第1金属層202上に設置され、第1金属層202及び活性層204を隔離するために用いられる。活性層204は、第1絶縁層203上に設置され、薄膜トランジスタ207の導電チャネル2072を形成するために用いられる。第2金属層205は、活性層204上に設けられ、データ線2082、薄膜トランジスタ207のソース2073及び薄膜トランジスタ207のドレイン2074を形成するために用いられる。バリア層206は、第1絶縁層203と第2金属層205との間に設けられ、第1金属層202と第2金属層205とが重なる領域208において、第1金属層202と第2金属層205との間の距離を増加させ、それにより第1金属層202と第2金属層205との間に形成される寄生容量の容量値を低下させるために用いられる。
【0030】
好ましくは、該アレイ基板上のバリア層206の厚さは3ミクロン〜5ミクロンである。該アレイ基板上のバリア層206は無機材料又は有機絶縁材料である。
【0031】
さらに、該アレイ基板上の第1金属層202と第2金属層205とが重なる領域208のベース基板201上への投影は、バリア層206のベース基板201上への投影内に位置する。
【0032】
好ましくは、該アレイ基板上の第1金属層202と第2金属層205とが重なる領域208のベース基板201上への投影は、バリア層206のベース基板201上への投影と重なる。
【0033】
したがって、本発明の好ましい実施例のアレイ基板はバリア層206を設けることにより、第1金属層202と第2金属層205とが重なる領域208において、第1金属層202と第2金属層205との間の距離を増加させ、第1金属層202と第2金属層205との間に形成される寄生容量の容量値を低下させ、それにより画素の充電率を向上させ、さらに液晶ディスプレイの表示効果及び品質を向上させることができる。
【0034】
図3は本発明のアレイ基板の第2好ましい実施例の構造概略図である。
図3に示すように、本発明の好ましい実施例のアレイ基板は、ベース基板301、第1金属層302、第1絶縁層303、活性層304、第2金属層305、及びバリア層306を含む。
【0035】
第1金属層302はベース基板301上に設置され、走査線3081及び薄膜トランジスタ307のゲート3071を形成するために用いられる。第1絶縁層303は、第1金属層302上に設置され、第1金属層302及び活性層304を隔離するために用いられる。活性層304は、第1絶縁層303上に設けられ、薄膜トランジスタ307の導電チャネル3072を形成するために用いられる。第2金属層305は、活性層304上に設けられ、データ線3082、薄膜トランジスタ307のソース3073及び薄膜トランジスタ307のドレイン3074を形成するために用いられる。バリア層306は、第1金属層302と第2金属層305との間に設けられ、第1金属層302と第2金属層305とが重なる領域308において、第1金属層302と第2金属層305との間の距離を増加させ、それにより第1金属層302と第2金属層305との間に形成される寄生容量の容量値を低下させるために用いられる。
【0036】
好ましくは、該アレイ基板上のバリア層306の厚さは3ミクロン〜5ミクロンである。該アレイ基板上のバリア層306は無機材料又は有機絶縁材料である。
【0037】
さらに、該アレイ基板上の第1金属層302と第2金属層305とが重なる領域308のベース基板上への投影はバリア層306のベース基板301上への投影内に位置する。
【0038】
好ましくは、ベース基板301は第1領域及び第2領域を含み、薄膜トランジスタ307のベース基板301上への投影は第1領域と重なり、バリア層306のベース基板302上への投影は第2領域と重なる。
【0039】
したがって、本発明の好ましい実施例のアレイ基板は、バリア層を設けることにより、第1金属層302と第2金属層305とが重なる領域308において、第1金属層302と第2金属層305との間の距離を増加させ、第1金属層302と第2金属層305との間に形成される寄生容量の容量値を低下させ、それにより画素の充電率を向上させ、さらに液晶ディスプレイの表示効果及び品質を向上させることができる。
【0040】
図4に示すように、
図4は本発明のアレイ基板の製造方法のプロセスフロー概略図である。本発明の実施例はさらに上記アレイ基板の製造方法を提供し、以下のステップを含む:
ステップS401:ベース基板上に第1金属層を堆積し、かつパターニングプロセスにより走査線及び薄膜トランジスタのゲートを形成する。
ステップS402:第1金属層上に第1絶縁層を堆積する。
ステップS403:第1絶縁層上に活性層を堆積し、かつパターニングプロセスにより薄膜トランジスタの導電チャネルを形成する。
ステップS404:前記活性層上に第2金属層を堆積し、かつパターニングプロセスによりデータ線、薄膜トランジスタのソース及び薄膜トランジスタのドレインを形成する。
ステップS405:前記第1絶縁層と前記第2金属層との間にバリア層を形成し、第1金属層と第2金属層とが重なる領域の距離を増加させ、第1金属層と第2金属層との間に形成される寄生容量の容量値を低下させる。
【0041】
好ましくは、第1金属層と第2金属層とが重なる領域のベース基板上への投影はバリア層のベース基板上への投影内に位置する。
【0042】
好ましくは、第1金属層と第2金属層とが重なる領域のベース基板上への投影領域はバリア層のベース基板上への投影領域と重なる。
【0043】
好ましくは、ベース基板は第1領域及び第2領域を含み、薄膜トランジスタのベース基板上への投影は第1領域と重なり、バリア層の前記ベース基板上への投影は第2領域と重なる。
【0044】
本発明の好ましい実施例のアレイ基板の製造方法は、バリア層を設けることにより、第1金属層と第2金属層とが重なる領域において、第1金属層と第2金属層との間の距離を増加させ、第1金属層と第2金属層との間に形成される寄生容量の容量値を低下させ、それにより画素の充電率を向上させ、さらに液晶ディスプレイの表示効果及び品質を向上させることができる。
【0045】
本発明のアレイ基板及びアレイ基板の製造方法は、バリア層を設けることにより、第1金属層と第2金属層とが重なる領域において、第1金属層と第2金属層との間の距離を増加させ、第1金属層と第2金属層との間に形成される寄生容量の容量値を低下させ、それにより画素の充電率を向上させ、さらに液晶ディスプレイの表示効果及び品質を向上させることができる。
【0046】
要するに、本発明の好ましい実施例は以上のように開示されているが、上記好ましい実施例は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想及び技術的範囲から逸脱せずに様々な変更及び修正を行うことができるため、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に基づくものである。
【符号の説明】
【0047】
201 ベース基板
202 第1金属層
203 第1絶縁層
204 活性層
205 第2金属層
206 バリア層
207 薄膜トランジスタ
208 第1金属層202と第2金属層205とが重なる領域
2071 ゲート
2072 導電チャネル
2073 ソース
2074 ドレイン
2081 走査線
2082 データ線
301 ベース基板
302 第1金属層
303 第1絶縁層
304 活性層
305 第2金属層
306 バリア層
307 薄膜トランジスタ
308 第1金属層202と第2金属層205とが重なる領域
3071 ゲート
3072 導電チャネル
3073 ソース
3074 ドレイン
3081 走査線
3082 データ線