特許第6828182号(P6828182)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6828182測定された量の液体を分配するための装置及びプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6828182
(24)【登録日】2021年1月22日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】測定された量の液体を分配するための装置及びプロセス
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/24 20060101AFI20210128BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20210128BHJP
   B65D 47/32 20060101ALI20210128BHJP
   G01F 13/00 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   B65D51/24 600
   B65D47/06 400
   B65D47/32 100
   G01F13/00 331Z
   G01F13/00 321Z
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-548447(P2019-548447)
(86)(22)【出願日】2018年4月25日
(65)【公表番号】特表2020-514196(P2020-514196A)
(43)【公表日】2020年5月21日
(86)【国際出願番号】US2018029306
(87)【国際公開番号】WO2018200639
(87)【国際公開日】20181101
【審査請求日】2019年9月5日
(31)【優先権主張番号】62/490,080
(32)【優先日】2017年4月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/554,341
(32)【優先日】2017年9月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【弁理士】
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】スミス、クリストファー・ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ブリッグス、ニコール・リン
(72)【発明者】
【氏名】フ、フア
(72)【発明者】
【氏名】ホーストマン、リチャード・ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】マイザー、スコット・ユージェイン
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0091153(US,A1)
【文献】 米国特許第04836415(US,A)
【文献】 米国特許第05505349(US,A)
【文献】 米国特許第04666065(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
B65D 83/00
B65D 83/08−83/76
G01F 11/00−13/00
G01F 17/00−22/02
A47K 5/00− 5/18
B67D 1/00− 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(10)であって、
入口端部(30)及び出口端部(40)と、前記入口端部から前記出口端部へと延在する注ぎチャンバ壁部(50)と、を備える注ぎチャンバ(20)であって、前記注ぎチャンバは、前記入口端部から前記出口端部への流動が生じ得る開放断面積(60)を有し、前記開放断面積は、前記入口端部と前記出口端部との間の位置の関数であり、前記出口端部は、前記入口端部の下流にあり、前記出口端部は出口周囲長(90)を有し、前記出口端部の上流の前記注ぎチャンバの一部分は、前記出口端部の上流にスパウトエントランス(47)を有するスパウト(45)である、注ぎチャンバと、
前記注ぎチャンバ壁部と係合され、前記入口端部と前記スパウトとの間に配置されたダム(80)であって、前記開放断面積は、前記ダムの直ぐ上流の位置と比較すると、前記ダムが配置されている場所で低減され、前記ダムは、前記スパウトエントランスを部分的に閉鎖する、ダムと、
前記出口端部から離間配置されたエントランス(105)と、前記エントランスからイグジット(130)へと延在する通気口壁部(120)と、を備える通気口(100)であって、前記イグジットは前記注ぎチャンバと流体連通し、前記イグジットは、前記出口端部が前記ダムから離れている距離よりも大きく前記ダムから離れており、前記イグジットは、前記出口周囲長の約0.5倍超、前記ダムから離れており、前記イグジットはイグジット周囲長(140)を有し、前記出口周囲長(90)は、前記イグジット周囲長の約2倍超、長い、通気口(100)と、
前記注ぎチャンバと係合されるタイマー(150)であって、
供給元リザーバ(170)と、
内側空間(190)と外側表面(200)とを有する収集リザーバ(180)であって、前記内側空間の少なくとも一部分が前記外側表面から視認可能である、収集リザーバ(180)と、
前記供給元リザーバと前記収集リザーバとを接続するタイミングオリフィス(210)と、
前記収集リザーバと、前記タイミングオリフィスから離れて配置された前記供給元リザーバとを接続する開口部(220)と、
前記供給元リザーバ及び前記収集リザーバの一方又は両方に収容された固定体積を有するタイミング液(230)であって、前記タイミング液、前記供給元リザーバ、及び前記収集リザーバは、前記注ぎチャンバと流体連通していない、タイミング液(230)と、を備える、タイマー(150)と、を備える、装置(10)。
【請求項2】
前記装置は、前記出口端部が前記入口端部の上方に位する第1の姿勢と、前記入口端部が前記出口端部の上方に位する第2の姿勢と、を有し、前記装置が前記第2の姿勢にあるとき、前記装置が前記第1の姿勢にあるときよりも多量の前記タイミング液が前記収集リザーバ内にあり、前記装置が前記第2の姿勢にあるとき、前記タイミング液が前記外側表面から視認可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記収集リザーバは、前記外側表面から視認可能な少なくとも1つの計量表示部(240)を備える、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
開放端部(250)を有する容器(70)を更に備え、前記注ぎチャンバ、前記ダム、前記通気口、及び前記タイマーは、前記開放端部と係合されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
出口クロージャ260が前記出口端部(40)と係合され、前記出口クロージャは、任意選択により、ヒンジ付き出口クロージャである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、少なくとも部分的に前記スパウトを囲んで延在し、かつ前記スパウトから離れて外向きに延在するフロア(270)と、チャネル壁部(280)であって、前記入口端部(30)から離れる方向に前記フロアから延在して、前記スパウトと前記チャネル壁部との間にチャネル(290)を画定する、チャネル壁部(280)と、を更に備え、前記フロアは、前記エントランスに向かって、又は前記注ぎチャンバと流体連通する穴に向かって傾斜されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
開放端部(250)を有する容器(70)を更に備え、前記注ぎチャンバ、前記ダム、前記通気口、前記タイマー、及び前記出口クロージャは共に、容器クロージャの少なくとも一部を形成する、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記イグジットは、前記出口端部が前記ダムから離れている距離よりも約1.5倍超、前記ダムから離れている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、少なくとも部分的に前記スパウトを囲んで延在し、かつ前記スパウトから離れて外向きに延在するフロア(270)と、チャネル壁部(280)であって、前記入口端部(30)から離れる方向に前記フロアから延在して、前記スパウトと前記チャネル壁部との間にチャネル(290)を画定する、チャネル壁部(280)と、を更に備え、前記フロアは、前記注ぎチャンバと流体連通する穴に向かって傾斜され、前記通気口は前記穴から離間している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記タイマーは容器(70)上に装着されている、請求項1〜3、5、6、8、及び9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は、前記出口端部が前記入口端部の上方に位する第1の姿勢と、前記入口端部が前記出口端部の上方に位する第2の姿勢と、を有し、前記装置が前記第1の姿勢にあるとき、前記タイミングオリフィスは前記開口部の上方に位し、前記装置が前記第2の姿勢にあるとき、前記タイミングオリフィスは前記開口部の下方に位し、前記装置が前記第1の姿勢から前記第2の姿勢に移行されるとき、前記タイミング液は、前記タイミングオリフィスを通って前記供給元リザーバから前記収集リザーバへと移動する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記出口周囲長と前記イグジット周囲長との比が、約2:1〜約20:1、好ましくは約2:1〜約15:1、より好ましくは約2:1〜約10:1である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記ダムは前記スパウトエントランスにある、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置を用いて液体製品を分配するためのプロセスであって、液体製品が前記出口端部を通って分配されるとき、前記タイミング液は前記収集リザーバ内に貯留する、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
液体分配
【背景技術】
【0002】
多くの液体製品は、容器の開放端部を通じて、又は容器のためのクロージャの一部を形成する分配システムを通じて容器から分配される。例えば、液体洗濯製品は一般に、スパウト取付体が取り付けられた容器並びにスパウト取付体及び/又は容器と係合するクロージャに包装される。クロージャは、多くの場合、測定カップとして機能するための二次目的を有し、クロージャの内側又は外側に計量表示部を設けられており、この表示部は、洗濯物の大きさ又は他の洗浄条件に応じて使用するのが望ましい特定の体積の液体に対応する、クロージャの内側壁部上にマークされたフォームライン又はバーを有する。
【0003】
時には、消費者が所望の量の液体洗濯製品を投入カップの中に正確に分配するには、いくぶんかの努力が必要とされ得る。消費者が製品を過少に計量した場合、消費者は、有効量の製品を使用できなかったために、液体洗濯製品の性能に不満となる場合がある。消費者が製品を過剰に計量した場合、消費者は、液体洗濯製品の単一の容器で消費者が行い得る洗濯物の数に不満となる場合がある。
【0004】
容器が液体を分配する際に容器から分配される液体の量を測定する目的を有する様々な装置が存在する。容器からの流量が一定でない場合があり、変位した液体と置き換わるべく容器に進入する空気は結果として、容器からの不規則な液体流を生じることがあり、また、容器から絞り及び複数の経路を通る液体流の動力学は複雑であるため、容器から液体を注ぐときに分配される液体の量を測定することは、特に困難な作業である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの制限を念頭に置いて、測定された量の液体を分配するための装置及びプロセスに対する継続的な未解決の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
装置(10)であって、入口端部(30)及び出口端部(40)と、入口端部から出口端部へと延在する注ぎチャンバ壁部(50)と、を備える注ぎチャンバ(20)であって、注ぎチャンバは、入口端部から出口端部への流動が生じ得る開放断面積(60)を有し、開放断面積は、入口端部と出口端部との間の位置の関数であり、出口端部は、入口端部の下流にあり、出口端部は出口周囲長(90)を有し、出口端部の上流の注ぎチャンバの一部分は、出口端部の上流にスパウトエントランス(47)を有するスパウト(45)である、注ぎチャンバと、注ぎチャンバ壁部と係合され、入口端部とスパウトとの間に配置されたダム(80)であって、開放断面積は、ダムの直ぐ上流の位置と比較すると、ダムが配置されている場所で低減され、ダムは、スパウトエントランスを部分的に閉鎖する、ダムと、出口端部の外側にあるエントランス(105)と、エントランスからイグジット(130)へと延在する通気口壁部(120)と、を備える通気口(100)であって、イグジットは注ぎチャンバと流体連通し、イグジットは、出口端部がダムから離れている距離よりも大きくダムから離れており、イグジットは、出口周囲長の約0.5倍超、ダムから離れており、イグジットはイグジット周囲長(140)を有し、出口周囲長は、イグジット周囲長の約2倍超、長い、通気口(100)と、注ぎチャンバと係合されるタイマー(150)であって、供給元リザーバ(170)と、内側空間(190)と外側表面(200)とを有する収集リザーバ(180)であって、内側空間の少なくとも一部分が外側表面から視認可能である、収集リザーバ(180)と、供給元リザーバと収集リザーバとを接続するタイミングオリフィス(210)と、収集リザーバと、タイミングオリフィスから離れて配置された供給元リザーバとを接続する開口部(220)と、供給元リザーバ及び収集リザーバの一方又は両方に収容された固定体積を有するタイミング液(230)であって、タイミング液、供給元リザーバ、及び収集リザーバは、注ぎチャンバと流体連通していない、タイミング液(230)と、を備える、タイマーと、を備える、装置(10)。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】装置の断面である。
図2】装置の上面図である。
図3】装置のイメージである。
図4】装置の上面イメージである。
図5】タイマーを取り外された装置の上面イメージである。
図6】タイマーを取り外された装置のイメージである。
図7】装置の底面イメージである。図3〜7の各々は、異なる視点から見た、様々な組立/分解の状態にある同じ装置の図である。
図8】タイミング液がタイミングオリフィスを通って収集リザーバの中へと流動し得るように傾ける準備を終えた、供給元リザーバ内にタイミング液が収容される第1の姿勢に示されたタイマーである。
図9】タイミング液が供給元リザーバから収集リザーバに流動し、計量表示部のレベルに到達している第2の姿勢に示されたタイマーである。タイマーは、液体が装置から分配されるときにタイマーが存在し得る位置に対応するように傾けられる。
図10】装置の斜視図である。
図11】装置の破断図である。
図12】装置の斜視図である。
図13】装置の断面図である。
図14】装置の断面の斜視図である。
図15】第2の姿勢にある使用中の装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、注ぎチャンバ20を備える装置10である。注ぎチャンバ20は、入口端部30と、出口端部40と、入口端部30から出口端部40まで延在する注ぎチャンバ壁部50と、を備える。注ぎチャンバ20は、開放断面積60を有する。開放断面積60は、入口端部30に平行な様々な平面で取られ得る。スパウト45の開口端部30を通過する長手方向軸線Lもまた入口端部30を通過するスパウトの場合、長手方向軸線Lは入口端部30と直交し得る。注ぎチャンバ20は、容器70からの液体がダム80を通り過ぎて出口端部40を通過する場所である。使用中、前述の要素は、容器70のためのクロージャシステムの一部を形成してもよい。ユーザーが容器70を傾けて容器70から液体を分配すると、液体は容器から入口端部30を通って流動し、次いで注ぎチャンバ20を通って下流に流動し、次いで出口端部40を通って更に下流に流動して、例えばバケット、洗濯機、洗濯機のコンパートメントなどに分配され得る。
【0009】
入口端部30は、約3cm〜約40cm、任意選択で約5cm〜約20mmの開放断面積60を有し得る。出口端部40は、約025cm〜約8cmの開放断面積60を有し得る。入口端部30の開放断面積60は、出口端部40の開放断面積60よりも小さくてもよい。開放断面積60は、流動が発生し得る平面において測定されるものであり、また入口端部30から出口端部及び開放断面積60の位置の関数として変動する。すなわち、デッドエンド経路に沿った開放部分は測定されない。流動が活動的であり得る部分のみが考慮される。注ぎチャンバ20は、全体的に先細にされてもよい。注ぎチャンバ20は、入口端部30から出口端部40に向かって、先細にされ得るか又は絞り込まれ得る。注ぎチャンバ20は、概ね円錐形状をなしてもよい。入口端部30は、出口端部40の開放断面積60よりも大きい開放断面積60を有し得る。入口端部30から出口端部40への絞りは液体の流動を集中させる助けとなり、容器から出口端部40に向かう液体の過剰供給をもたらし得ると考えられ、したがって、注ぎチャンバ20の流速の制限、出口端部40の流速の制限、スパウト45の流速の制限、又はダム80を越える流速の制限のうちの1つ以上によって流速が抑制され得るため、出口端部40からの流速が適度に又は実質的に定常となる。注ぎチャンバ20内には、注ぎチャンバ20、ダム80を通過する通気口100、及び、装置10を容器70に接続するための構造、例えば、ねじ山又は容器70のネックにスナップ嵌めされるビード設計などの他の付属物などの機構が存在してもよい。
【0010】
出口端部40は、約3mm〜約30mm、任意選択で約5mm〜約20mm、更に任意選択で約5mm〜約15mm、任意選択で約10mmの直径を有し得る。所与の液体製品の場合、出口端部40の直径又は開放断面積が小さくなるほど、液体製品の流速がより遅くなる。出口端部40は、約7mm〜約700mm、任意選択で約20mm〜約700mm、任意選択で約20mm〜約300mm、約75mmの開放断面積を有し得る。
【0011】
出口端部40の上流の注ぎチャンバ20の一部分がスパウト45であってもよい。スパウト45は、出口端部40の上流にスパウトエントランス47を有し得る。スパウトは、液体製品が出口端部40を出るときに小さな面積の全体に液体製品の流動を集中させるために設けられる注ぎチャンバ20の狭小部分であり得る。出口端部40の前述の直径及び開放断面積の範囲は、スパウト45の出口端部40に好適であり得る。
【0012】
装置10は、注ぎチャンバ壁部50と係合されたダム80を備える。ダム80は、図7のような非限定的な例として、装置10が液体製品を分配する姿勢にあるときに、流路の縁部から縁部への液体製品の流動を遮断する構造であり得る。このことは、川岸の間に延びるダムによく似ているが、注ぎの状況において、ダムを越える流動、又は更には、ダム80の縁部とダム上方の注ぎチャンバ20の内側との間隙における全流量が望まれ得るという点では異なっている。図14に示されるような非限定的な例として、任意選択により、ダム80は、液体製品の流動に抵抗し、スパウトエントランス47に到達する前に、ダム80の周囲に液体製品を流動させる構造であり得る。例えば、ダム80は、液体製品の流動の経路における障害物であり得る。すなわち、液体製品は、ダム80の頂部を越えて、又はダムの側部の周りに流動し得る。ダム80は、スパウトエントランス47と一直線になるように配置され得る。ダム80は、スパウトエントランスの中心線と一直線になるように配置され得る。ダム80は、入口端部30からスパウトエントランス47への液体製品の流動の流線を、スパウトエントランス47において又はその近くで局所的に方向転換させるように配置され得る。ダム80は、入口端部から出口端部への液体製品の流動の流線を方向転換させるように、特にスパウトエントランス47へのエントランス又はその付近における液体製品の流動の流線を方向転換又は延長するように作用し得る。
【0013】
ダム80は、入口端部30と出口端部40との間に配置されている。この位置では、ダム80はスパウトエントランス47を部分的に閉鎖する。例えば、非限定的な例である図1に示されるように、ダム80は、スパウトエントランス47のすぐ上流にあり得る。この位置において、又は、同様に非現実的な例である図12〜15に示されるダム80の位置において、ダム80は、スパウトエントランス47を部分的に閉塞すると考えられる。容器70から分配された液体は、容器70から入口端部30を通って注ぎチャンバ20の中へと進行し、ダム80の上へ、ダムの周囲へ、又はダムを越えて、スパウトエントランス47の中へ、そして出口端部40を通って進行する。ダム80は、注ぎチャンバ20の内部にある。ダム80は、ダム80を越える液体製品の流速に対するダムの上流の全ヘッドの影響を低減するのに役立ち得、また、注ぎチャンバ20の形状、注ぎチャンバ20の表面粗さ、及び、液体製品が装置10から分配される姿勢に装置10があるときのダム80の上の全ヘッドよりも、出口端部40から流出する流速に対して比較的大きな又は更にはより大きな効果を有し得る。
【0014】
ダム80は、ダム80の直ぐ上流の位置と比較してダム80が配置される場合、開放断面積60を低減する。ダム80は、スパウトエントランス47に配置され得るか、スパウトエントランス47のすぐ上流に配置され得るか、又はスパウトエントランス47の上流に配置され得る。ダム80は、入口端部30よりもスパウトエントランス47の近くに配置され得る。ダム80は、スパウト45の中への液体製品の流動に影響を有するか、又は更には大きな影響を有するか、又は更には重大な影響を有するように配置され得る。すなわち、ダム80は、ダム80の上流にある注ぎチャンバ20内にあるか又は注ぎチャンバを画定する他の特徴部よりも、スパウト45への液体製品の流動に比較的大きな効果を有し得る。ダム80の機能は、出口端部40から出る液体製品の流速に相当な影響を与える構造的特徴部を設けることであり、これは、出口端部40から出る液体製品の流速に対して入口端部30又はダム80の上方の液体製品の全ヘッドが与える影響を低減する働きをし得る。
【0015】
ダム80は、ダム80の直ぐ上流の位置と比較してダムが配置される場合、開放断面積を約10%超、任意選択で約20%超、更なる任意選択で約30%超、低減し得る。使用中、注ぎチャンバ20を通る流動は、上流から下流へと向かうものであり、これは入口端部30からダム80を越えて出口端部40の外に向かうものである。ダム80のすぐ上流に、比較的大きな開放断面積が存在してもよく、またダム80においてその開放断面積は急激に低減され得る。例えば、ダム80のすぐ上流で、開放断面積は、約1000mm〜約10000mm、任意選択で約2000mm〜約7000mm、任意選択で約3000mm〜約5000mm、任意選択で約4000mmであり得る。
【0016】
ダム80は、入口端部30よりも出口端部40の近くに配置され得る。これにより、ほぼ一定の流速の液体がダム80を越えて出口端部40に向かって供給されるように、十分な量の液体が注ぎチャンバ20に絶えず収集されると考えられる。ダム80は、ダム80が配置されている場所で、注ぎチャンバ20の開放断面積60の約10%超を遮断し得る。ダム80は、ダム80が配置されている場所で、注ぎチャンバ20の開放断面積60の約20%超を遮断し得る。ダム80は、ダム80が配置されている場所で、注ぎチャンバ20の開放断面積60の約30%超を遮断し得る。ダム80は、ダム80が配置されている場所で、注ぎチャンバ20の開放断面積60の約40%超を遮断し得る。ダム80は、ダム80が配置されている場所で、注ぎチャンバ20の開放断面積60の約50%超を遮断し得る。ダム80は、ダム80が配置されている場所で、注ぎチャンバ20の開放断面積60の約60%超を遮断し得る。ダム80が遮断する流れが多くなるほど、十分な体積の液体製品がダム80の背後にあり、ダム80にまたがるか又はそれを通過する定常流を支持する可能性が高くなり、またより緩徐に液体製品が出口端部40から流出するようになる。
【0017】
ダム80は、出口端部40の開口断面積60の約20%を超えるダム面領域を有し得る。ダム面領域は、入口端部30に向かって下流に提示されるダムの投影面積として測定される。ダム面領域は、約50mm〜約200mm、任意選択で約80mm〜約160mm、任意選択で約100mm〜約140mm、任意選択で約120mmであり得る。ダム80は、出口端部40の開口断面積60の約30%を超えるダム面領域を有し得る。ダム80は、出口端部40の開口断面積60の約40%を超えるダム面領域を有し得る。ダム80は、出口端部40の開口断面領域60の約50%を超えるダム面領域を有し得る。ダム80は、出口端部40の開口断面領域60の約70%を超えるダム面領域を有し得る。ダム80は、出口端部40の開口断面領域60の約90%を超えるダム面領域を有し得る。ダム80は、出口端部40から約1mm〜約40mm、又は任意選択で10mm〜約30mm、又は任意選択で約15mm〜約25mmに位置し得るか、あるいは出口端部40から任意選択で約20mm、又は任意選択で出口端部40から約1mm〜約6mm、又は任意選択で約1mm〜4mmに位置し得る。
【0018】
ダム80は、出口端部40に向かって下流に向けられた下流面82と、入口端部30に向かって上流に向けられた対向する上流面84とを有し得る。ダム80は、入口端部30から出口端部40への液体流の流線を方向転換させ得る。すなわち、入口端部30から出口端部40への液体流の流線は、非直線的であり得る。
【0019】
ダム80の少なくとも一部分は、出口端部40を通って入口端部30と直交する真っ直ぐな長手方向軸線Lと交差し得る。このように配置構成されると、ユーザーが出口端部40を通じて見下ろすとき、ダム80の少なくとも一部が、入口端部30の視界を遮断し得る。スパウト45は、真っ直ぐな長手方向軸線Lがスパウト45と交差することなく通過し得る真っ直ぐなスパウトであり得る。任意選択により、スパウト45は、真っ直ぐな長手方向軸線Lがスパウト45の内側壁部と交差することなくスパウト45を通過し得ないように湾曲され得る。
【0020】
出口端部40は、出口周囲長90を有している。出口周囲長90は、出口端部40における注ぎチャンバ20の内側周囲長である。出口周囲長90はスカラー量である。出口周囲長90は、約6mm〜約60mm、任意選択で約8mm〜約30mm、任意選択で約10mm〜約20mmであり得る。出口周囲長90がより小さいほど、液体の流れは出口端部40を抜け出した後により収縮する。
【0021】
装置は通気口100を備え得る。通気口100は、出口端部40の外部のエントランス110と、エントランス110からイグジット130まで延在する通気口壁部120と、を備え得る。すなわち、通気口エントランス110は、出口端部40から離間されていてもよい。通気口エントランス110は、約5mm〜約50mm、任意選択で約20mm〜約30mm、任意選択で約28mmの面積を有し得る。通気口エントランス110は、容器70内の空気圧が周囲の空気圧と等しくなるように、液体製品が容器70から完全に出されるとき、十分な量の空気を再び容器70の中へと流入させるのに十分な大きさのみあればよい。
【0022】
イグジット130は、注ぎチャンバ20と流体連通し得る。通気口100は、外部環境からの空気が容器70の中へと進入して、容器70から分配される液体と置き換わるための経路を設けている。通気口100は、出口端部40からの液体の流れが容器70の通気を妨げないように、出口端部40から分離され得る。出口端部40からの液体の定常流及びボトル70内への空気の定常流をもたらすために、出口端部40からの液体流は、通気口100のエントランス110への空気進入とは無関係であり得る。
【0023】
イグジット130は、出口端部40がダム80から離れている距離よりもダム80から離れていてもよい。これは、通気口100を通過してイグジット130を抜け出す空気が、ダム80を越える液体の流れに干渉する影響を低減するのに役立ち得る。これはひいては、ダム80を越えて出口端部40から流出する液体製品を十分に安定した流速で供給する助けとなり得る。通気口100を通って容器に入る気泡から、ダム80を通過する流れを分離することにより、容器70に入る空気が容器70から流出する液体製品の流速に及ぼす影響が低減される。
【0024】
イグジット130は、出口周囲長90の約0.5倍超、ダム80から離れ得る。これはまた、出口端部40から排出される液体から、容器70の中へと戻る空気の通気を分離する助けとなり得る。出口130とダム80との空間的関係は、ダム80とイグジット130の内側壁部との間の最小直線距離と解釈される。
【0025】
イグジット130は、出口端部40がダム80から離れている距離の約1.5倍超、ダム80から離れていてもよい。このことは、再び容器70の中へと通気されている空気が、容器からダム80を越えて分配されている液体の流れにほとんど又は全く影響を及ぼさないように、ダム80とイグジット130との間に十分な距離を設けることによって有益となり得る。
【0026】
イグジット130はイグジット周囲長140を有し得る。イグジッ周囲長140は、イグジット130における通気口壁部120の内側周囲長である。出口周囲長90は、イグジット周囲長140の約2倍超であってもよい。出口周囲長140は、約0.1mm〜約12mmであってもよい。出口周囲長140は、約1mm〜約12mmであってもよい。出口周囲長140は、約2mm〜約4mmであってもよい。出口周囲長140は、約3.8mmであり得る。より小さい出口周囲長140は、液体が出口端部40及び通気口のエントランス110から排出される状況である、2重注ぎの可能性を低減するために実用的であり得る。液体製品の毛管力は、イグジット130への進入に抵抗し得る。出口周囲長90は、約1mm〜約60mm、任意選択で約1mm〜約20mm、任意選択で約2mm〜約10mmであり得る。
【0027】
出口周囲長90とイグジット周囲長140との比は、約2:1〜約20:1となり得る。出口周囲長90がイグジット周囲長140よりもはるかに大きいことにより、液体製品が出口端部40及び通気口100のエントランス110の両方から流出する可能性が低減され得る。液体製品中の毛管力が通気口のイグジット130への液体製品の進入に抵抗するため、イグジット周囲長140が小さいほど、液体製品が通気口に進入する可能性はより低くなる。出口周囲長90とイグジット周囲長140との比は、約3:1〜約15:1、任意選択で約3:1〜約5:1、又は任意選択で約10:1となり得る。液体製品の動粘度が高いほど、出口周囲長90とイグジット周囲長140との間の比が大きくなり得る。イグジット130は、約1mm〜約30mm、任意選択で約2mm〜約20mm、任意選択で約3mm〜約10mm、任意選択で約7mmの面積を有し得る。イグジット130は、約0.5mm〜約5mm、任意選択で約1mm〜約3mmの直径を有し得る。
【0028】
装置10はタイマー150を更に備え得る。タイマー150は、イグジット130、出口端部40、及び/又はイグジット130と出口端部40の両方から液圧的に分離され得る。そうでなければ、タイマー150は、タイマー150と出口端部40との間に流体連通を含まなくてもよい。タイマー150は、注ぎチャンバ20と係合され得る。タイマー150は、注ぎチャンバ20の外側面160上に装着されることによって、注ぎチャンバ20と係合され得る。任意選択により、タイマー150は、容器70に接合されることによって注ぎチャンバ20と係合され得る。タイマー150は、タイマー150と注ぎチャンバ20とを接続する要素に接合されることによって、注ぎチャンバ20に接合され得る。
【0029】
タイマー150は供給元リザーバ170を備え得る。タイマー150は、収集リザーバ180を更に備え得る。収集リザーバ180は、内側空間190と外側表面200とを有し得る。内側空間190の少なくとも一部分は、外側表面200から視認可能であり得る。タイミングオリフィス210は、供給元リザーバ170と収集リザーバ180とを接続し得る。タイミングオリフィス210は、供給元リザーバ170と収集リザーバ180との間に流体連通をもたらすと考えられ得る。供給元リザーバ170と収集リザーバ180は、収集リザーバ180と供給元リザーバ170とを接続する開口部220を介して更に互いに接続され得る。開口部220は、タイミングオリフィス210から離れて配置され得る。タイミングオリフィス210は、約0.2mm〜約1.2mm、任意選択で約0.8mmの直径を有し得る。開口部220は、約0.2mm〜約4mm、任意選択で約1.6mmの直径を有し得る。開口部220は、液体製品が分配された後に、収集リザーバ180から再び供給元リザーバ170へと流体連通する経路をもたらし得る。タイミングオリフィス210は、約0.01mm〜約1mmの周囲長を有し得る。タイミングオリフィス210は、約0.01mm〜約0.7mmの周囲長を有し得る。
【0030】
タイミングオリフィス210は、タイミング液230の特定の流量範囲をもたらすように大きさ及び寸法を定められ得る。タイミングオリフィス210の開放面積は、設計者が容器70からの液体分配を提供することを望む時間量に基づいて設定され得る。出口端部40からの液体の流量は、入口端部30、出口端部40、注ぎチャンバ20及びダム80の大きさ及び形状、並びにタイミングオリフィス210におけるタイミング液230の全ヘッドの関数であるため、設計者は、分配されるべき所望の量の液体を採取し、そのような液体が出口端部40から抜け出す時間量を測定してもよい。次いで、設計者は、供給元リザーバ170から収集リザーバ180へのタイミング液230の流れが、容器から分配される液体の量のインジケータとなり得るように、タイミングオリフィスの開放領域のサイズを計算してもよい。設計者はまた、タイマー150内に提供されるタイミング液230の量を決定することもできる。
【0031】
タイミング液230が供給元リザーバ170から収集リザーバ180に流れるとき、空気、又は収集リザーバ180内のタイマー150内にある他のガスが、収集リザーバ180にタイミング液230が充填され始める際に、開口部220を通って変位され得る。収集リザーバ180は、約0.4cm〜約2cm、任意選択で約0.5cm〜約1cm、任意選択で約0.78cmの体積を有し得る。
【0032】
装置が第2の姿勢にある状態で、タイミング液130が所望の計量表示部240に到達すると、ユーザーは、装置10を第2の姿勢から再び第1の姿勢に移行させ得る。次いで、タイミング液130は、開口部220を通って供給元リザーバ170へと再び流れ込み得る。タイミング液130は、分配されている液体製品とは依然として離隔されており、また使用時に、供給元リザーバ170から、タイミングオリフィス210を通って収集リザーバ180の中へと計量表示部のレベルまでループをなして、開口部220を介して収集リザーバ180から出て、再び供給元リザーバ170の中へと移動する。
【0033】
タイミング液230は、一定の体積又は質量を有し得る。タイミング液のその一定の体積は、約0.5cm〜約2cm、任意選択で約1.25cmであり得る。タイミング液は、供給元リザーバ170と収集リザーバ180の一方又は両方に収容され得る。タイミング液230、供給元リザーバ170、及び収集リザーバ180は、注ぎチャンバ20又は出口端部40と流体連通していない。これにより、タイミングの態様と容器70からの液体製品の分配との機能的分離が可能となる。容器70からの液体製品の流動は動力学的に複雑であるため、容器70の内容物と液体連通しているタイマーを使用しようと試みることは、容器70からの複雑な液体流様式によって複雑となる。更に、ボトルの中へと再び空気を通気することは、分配される液体の体積の測定を複雑にし得る。タイマーが注ぎチャンバ20又は出口端部40と流体連通している液体製品分配システムは、特定の量の液体製品を提供するための所望のレベルの正確度又は精度を有していない。例えば、1つの技術的アプローチは、液体製品の一部分をタイマーへと出口端部に向かって方向転換させることであり得るが、ここで液体製品は、注がれた体積のインジケータとして、タイマー内に貯留する。このタイプのシステムは、液体製品を出口端部からタイマーへと比例的にルーティングする複雑性のため、所望の程度まで正確ではない。この比例的なルーティングは、注出角度の関数となり得る。
【0034】
タイミング液は、グリセリン、水、アルコール、又は約0℃〜約60℃の温度で液体である他の物質を含み得る。
【0035】
装置10は、出口端部40が入口端部30の上方に位する第1の姿勢と、入口端部30が出口端部40の上方に位する第2の姿勢とを有すると考えられ得る。装置10が第1の姿勢にあるとき、収集リザーバ180はタイミング液230を有さなくてもよい。あるいは、タイミング液230が収集リザーバ180内に存在する場合、収集リザーバ180のその部分は、消費者がタイミング液230を見ることができないように、覆い隠されても不透明にされてもよい。装置10の第1の姿勢は直立姿勢にあり、この姿勢では、注ぎチャンバ20は、その基部に載せられている容器70に装着され、注ぎチャンバ20が容器70の上方に位するようになっている。
【0036】
装置10が第2の姿勢にあるとき、装置10が第1の姿勢にあるときよりも大量のタイミング液230が収集リザーバ180内にある。更に、第2の姿勢では、タイミング液230は、収集リザーバ180の外側表面200から視認可能であり得る。装置10の第2の姿勢は、出口端部40が入口端部30の下方にあるような傾いた姿勢にある。この姿勢では、液体製品は出口端部40から分配され得る。第2の姿勢は、消費者が容器70を傾けるか又は反転させて容器70から液体製品を分配するときの装置10の姿勢に対応する。
【0037】
第1の姿勢において、出口端部40は入口端部30の上方に位し得る。第2の姿勢において、入口端部30は出口端部40の上方に位し得る。装置が第1の姿勢にあるとき、タイミングオリフィス210は開口部220の上方にある。装置10が第1の姿勢から第2の姿勢に移行されるとき、タイミングオリフィス210は、開口部220の下にあり得、装置10が第1の姿勢から第2の姿勢へと移行されると、タイミング液230は移動し始め、タイミングオリフィス210を通って供給元リザーバ170から収集リザーバ180へと移動し続ける。タイミング液230がタイミングオリフィス210の上方に存在し、タイミングオリフィス210の供給元リザーバ170側の全ヘッドが、タイミングオリフィス210の収集リザーバ180側の全ヘッドよりも大きい限り、タイミング液230は、供給元リザーバ170から収集リザーバ180へと移動する。タイミングオリフィス210は、約0.01mm〜約4mmの周囲長を有し得る。タイミングオリフィス210は、約0.01mm〜約1mmの周囲長を有し得る。タイミングオリフィス210は、約0.01mm〜約0.7mmの周囲長を有し得る。タイミングオリフィスの周囲長及び形状は、タイミング液230が、容器70から液体を注ぐ消費者によって観察及び追跡され得る流量で、タイミングオリフィスを通って流れるように選定され得る。流量は十分に高くなければならず、また、出口端部40の大きさに関し、注ぎの持続時間が長すぎてユーザーにとって不快にならないように設定される必要がある。注ぎの持続時間は、約2秒〜約10秒、任意選択で約4秒〜約7秒であり得る。
【0038】
収集リザーバ180は、外側表面200上で視認可能な少なくとも1つの計量表示部240を備え得る。計量表示部240は、非限定的な例として、外側表面200の隆起部分、外側表面200上の印刷マーク、収集リザーバ180の着色部分若しくは染色部分、又は収集リザーバ180の内側表面上の印刷マークであり得る。計量表示部240は、液体製品の推奨される計量量に対応する、出口端部40から分配される液体の体積を指示し得る。複数の計量表示部240は、収集リザーバ180の一部として設けられ得る。
【0039】
装置は、開放端部250を有する容器70を更に備え得る。注ぎチャンバ20、ダム80、通気口100、及びタイマー150は、開放端部250と係合され得る。例えば、注ぎチャンバ20、ダム80、通気口100、及びタイマー150は共に、容器70の開口端部250上に、又はその中に嵌合する取付体を形成し得る。
【0040】
出口クロージャ260が注ぎチャンバ20の出口端部40と係合され得る。任意選択により、出口クロージャ260は、注ぎチャンバ20と係合されて、出口端部40と通気口100の両方を閉鎖し得る。出口クロージャ260は、容器が意図せず反転された場合に、容器70からの漏出液を防止するのに役立つ。装置10は、取付体として容器70に接続され得るか、容器70にスナップ嵌め又はねじ留めされ得る。容器70の開放端部は、開放端部の内側又は外側にねじ山を有し得る。装置10は、容器70にねじ込まれ得る。装置の内側は、容器70上の雄ねじと係合可能なねじ山を有し得る。
【0041】
装置10は、ドレインバック機構を設けられ得る。ドレインバック機構は、消費者が容器70からの分配を終えたときに、出口端部40から滴を捕捉するのに実用的となり得る。出口端部40はスパウト45であり得る。スパウト45は、出口端部40の上流の注ぎチャンバ20の一部分であり得る。スパウト45は、出口端部40の上流にスパウト入口47を有し得る。ドレインバック機構はフロア270を備え得るが、このフロアは、少なくとも部分的にスパウト45を囲み、またスパウト45から離れて外向きに延在している。ドレインバック機構はチャネル壁部280を更に備え得るが、このチャネル壁部は、スパウト45とチャネル壁部280との間にチャネル290を画定するように、入口端部30から離れる方向にフロア270から延在している。フロア270は、エントランス105に向かって、又は注ぎチャンバ20と流体連通する穴に向かって傾斜され得る。フロア270は、水平から約5度〜約45度の角度で傾斜され得る。チャネル290は、注ぎチャンバ20又はスパウト45の外部にあるものとして説明され得る。チャネル290は、スパウト45の下にあるものとして更に説明され得る。チャネル290は、出口端部40と入口端部30との間に配置されるものとして更に説明され得る。
【0042】
ドレインバック機構はまた、通気口100として働き得る。任意選択により、ドレインバック機構は、通気口100から分離され得る。
【0043】
装置10は、開放端部250を有する容器70を更に備え得る。注ぎチャンバ20、ダム80、通気口100、タイマー150、及び出口クロージャ260は共に、容器クロージャの少なくとも一部を形成し得る。
【0044】
通気口100は、ドレインバック機構から独立していてもよい。例えば、ドレインバック機構は、チャネル290のフロア270内の穴として設けられてもよく、また、上述のように構造化された別個の通気口100が、装置10上の別の場所に設けられてもよい。例えば、ドレインバック機構は、ドレインバックチューブ300に接続された穴を備え得る。
【0045】
タイマー150は容器70上に装着され得る。例えば、タイマー150は容器70のハンドル上に装着され得る。任意選択により、タイマー150は、容器70のハンドルと開放端部250との間の位置で容器70上に装着されてもよい。
【0046】
装置10は、液体製品を分配するためのプロセスにおいて使用され得る。液体製品が出口端部40を通って分配されると、タイミング液230は収集リザーバ180内に貯留する。消費者は、タイミング液230が収集リザーバ180内に貯留するところを観察することができ、収集リザーバ180内のタイミング液230のレベルが、計量表示部240と一致すると、消費者は、装置10を上向きにして液体製品の分配を停止させ得る。本明細書に記載されるように、消費者は、装置10を第1の姿勢で開始し、出口端部40を通して液体の注ぎを開始するために装置10を第2の姿勢に反転させて、収集リザーバ180内に貯留しているタイミング液230のレベルを観察し、タイミング液230のレベルが所望の計量表示部240と一致したとき、消費者は、装置10を第2の姿勢から再び第1の姿勢に移行させることによって装置10を上向きにする。
【0047】
装置10は、三次元印刷などの付加製造によって製造され得る。これは、非限定的な例として、湾曲したスパウト45などの形状に実用的であり得る。装置は、射出成形によって形成されてもよい。装置10は、ポリプロピレン、ポリエチレン、又は他のポリマー材料を含み得る。
【0048】
図12に示すように、装置は、ヒンジ310によって出口端部40と係合されたヒンジ付きクロージャ260を更に備え得る。ヒンジ付きクロージャ260は、出口端部40が閉鎖される位置にクロージャ260があるときにタイマー150が視認可能となる窓265を有し得る。窓265は、装置10が店舗又はオンラインで消費者に提示されるとき、装置10がタイマー150を有することを消費者が観察することを可能にするために実用的であり得る。窓265がなければ、タイマー150の存在は、装置10を使用する前に消費者には明らかでない場合がある。
【0049】
図12に示される装置10の断面が図13に示されており、クロージャ260は閉鎖位置にある。図13に示すように、ダム80は、注ぎチャンバ20のタイマー150とは反対の側で注ぎチャンバ20から延在し得る。任意選択により、ダム80は、注ぎチャンバ20のタイマー150と同じ側で注ぎチャンバ20から延在し得る。いずれの配置構成においても、ダム80は、ダム80が存在しない場合に生じる液体流の流線と比較して、入口端部30から出口端部40への流れの流線を長くすることによって、入口端部30から出口端部40への液体流に抵抗する。ダム80はまた、ダム80の非存在下で同じ構造を有する装置10と比較して、全ヘッド駆動流量の関数として出口端部40から流出する液体流量の変動を低減するのに役立ち得る。
【0050】
クロージャ260が開放位置にある、図12に示される装置10の断面の斜視図が図14に示されている。図12〜14に示されるように、タイマー150は、装置10が第1の姿勢及び第2の姿勢の両方であるとき、消費者から視認可能となり得る。
【0051】
図15は、使用中の第2の姿勢にある装置10の図である。図15に示されるように、ユーザーが液体製品330を分配するとき、液体製品330は出口端部40から流動し得る。流動を誘導するために、ユーザーは、容器70を傾けて、装置10を第1の姿勢から第2の姿勢に移行させる。タイマー150は、出口端部40からの液体製品330の流動とタイマー150とが両方ともユーザーから視認可能となるように配置され得る。所望の計量表示部240のレベルにタイミング液230が達すると(必要量の液体製品330が分配されたことを示す)、ユーザーは容器70を上向きにして、装置10を第2の姿勢から再び第1の姿勢に移行させ得る。収集リザーバ180内に貯留されたタイミング液230は、開口部220を介して再び供給元リザーバ170の中へと流動し得る。したがって、タイミング液230は依然として、液体製品330と分離された状態、又は液圧的に独立した状態、又は液体製品と流体連通しない状態にある。
【0052】
容器70から分配された液体製品330は、通気口100を介して容器70に進入する空気と置き換えられる。通気口100内のイグジット130は、液体製品330が通気口100に進入しないように小さくてもよい。容器の中へと通気口100を通過する空気の泡は、液体製品の流動に対して通気口100を効果的に遮断し得る。更に、液体製品330がイグジット130への液体製品330の移動に関連する毛管力を克服する必要があるため、小さな通気口100はまた、通気口100内への液体製品の進入に抵抗し得る。
【0053】
実施例及び組み合わせ
以下に実施例を示す。
A.装置(10)であって、
入口端部(30)及び出口端部(40)と、入口端部から出口端部へと延在する注ぎチャンバ壁部(50)と、を備える注ぎチャンバ(20)であって、注ぎチャンバは、入口端部から出口端部への流動が生じ得る開放断面積(60)を有し、開放断面積は、入口端部と出口端部との間の位置の関数であり、出口端部は、入口端部の下流にあり、出口端部は出口周囲長(90)を有し、出口端部の上流の注ぎチャンバの一部分は、出口端部の上流にスパウトエントランス(47)を有するスパウト(45)である、注ぎチャンバと、
注ぎチャンバ壁部と係合され、入口端部とスパウトとの間に配置されたダム(80)であって、開放断面積は、ダムの直ぐ上流の位置と比較すると、ダムが配置されている場所で低減され、ダムは、スパウトエントランスを部分的に閉鎖する、ダムと、
出口端部から離間配置されたエントランス(105)と、エントランスからイグジット(130)へと延在する通気口壁部(120)と、を備える通気口(100)であって、イグジットは注ぎチャンバと流体連通し、イグジットは、出口端部がダムから離れている距離よりも大きくダムから離れており、イグジットは、出口周囲長の約0.5倍超、ダムから離れており、イグジットはイグジット周囲長(140)を有し、出口周囲長(90)は、イグジット周囲長の約2倍超、長い、通気口(100)と、
注ぎチャンバと係合されるタイマー(150)であって、
供給元リザーバ(170)と、
内側空間(190)と外側表面(200)とを有する収集リザーバ(180)であって、内側空間の少なくとも一部分が外側表面から視認可能である、収集リザーバ(180)と、
供給元リザーバと収集リザーバとを接続するタイミングオリフィス(210)と、
収集リザーバと、タイミングオリフィスから離れて配置された供給元リザーバとを接続する開口部(220)と、
供給元リザーバ及び収集リザーバの一方又は両方に収容された固定体積を有するタイミング液(230)であって、タイミング液、供給元リザーバ、及び収集リザーバは、注ぎチャンバと流体連通していない、タイミング液(230)と、を備える、タイマー(150)と、を備える、装置(10)。
B.装置は、出口端部が入口端部の上方に位する第1の姿勢と、入口端部が出口端部の上方に位する第2の姿勢と、を有し、装置が第2の姿勢にあるとき、装置が第1の姿勢にあるときよりも多量のタイミング液が収集リザーバ内にあり、装置が第2の姿勢にあるとき、タイミング液が外側表面から視認可能である、パラグラフAに記載の装置。
C.収集リザーバは、外側表面から視認可能な少なくとも1つの計量表示部(240)を備える、パラグラフA又はBに記載の装置。
D.開放端部(250)を有する容器(70)を更に備え、注ぎチャンバ、ダム、通気口、及びタイマーは、開放端部と係合されている、パラグラフA〜Cのいずれか1つに記載の装置。
E.出口クロージャ260が出口端部40と係合され、出口クロージャは、任意選択により、ヒンジ付き出口クロージャである、パラグラフA〜Dのいずれか1つに記載の装置。
F.装置は、少なくとも部分的にスパウトを囲んで延在し、かつスパウトから離れて外向きに延在するフロア(270)と、チャネル壁部(280)であって、入口端部(30)から離れる方向にフロアから延在して、スパウトとチャネル壁部との間にチャネル(290)を画定する、チャネル壁部(280)と、を更に備え、フロアは、エントランスに向かって、又は注ぎチャンバと流体連通する穴に向かって傾斜されている、パラグラフA〜Eのいずれか1つに記載の装置。
G.開放端部(250)を有する容器(70)を更に備え、注ぎチャンバ、ダム、通気口、タイマー、及び出口クロージャは共に、容器クロージャの少なくとも一部を形成する、パラグラフA〜Fのいずれか1つに記載の装置。
H.イグジットは、出口端部がダムから離れている距離よりも約1.5倍超、ダムから離れている、パラグラフA〜Gのいずれか1つに記載の装置。
I.装置は、少なくとも部分的にスパウトを囲んで延在し、かつスパウトから離れて外向きに延在するフロア(270)と、チャネル壁部(280)であって、入口端部(30)から離れる方向にフロアから延在して、スパウトとチャネル壁部との間にチャネル(290)を画定する、チャネル壁部(280)と、を更に備え、フロアは、注ぎチャンバと流体連通する穴に向かって傾斜され、通気口は穴から離間している、パラグラフA〜Hのいずれか1つに記載の装置。
J.タイマーは容器(70)上に装着されている、パラグラフA〜C、E、F、H、及びIのいずれか1つに記載の装置。
K.装置は、出口端部が入口端部の上方に位する第1の姿勢と、入口端部が出口端部の上方に位する第2の姿勢と、を有し、装置が第1の姿勢にあるとき、タイミングオリフィスは開口部の上方に位し、装置が第2の姿勢にあるとき、タイミングオリフィスは開口部の下方に位し、装置が第1の姿勢から第2の姿勢に移行されるとき、タイミング液は、タイミングオリフィスを通って供給元リザーバから収集リザーバへと移動する、パラグラフA〜Jのいずれか1つに記載の装置。
L.出口周囲長とイグジット周囲長との比が、約2:1〜約20:1、好ましくは約2:1〜約15:1、より好ましくは約2:1〜約10:1である、パラグラフA〜Kのいずれか1つに記載の装置。
M.ダムはスパウトエントランスに設置される、パラグラフA〜Lのいずれか1つに記載の装置。
N.パラグラフA〜Mのいずれか1つに記載の装置を用いて液体製品を分配するためのプロセスであって、液体製品が出口端を通って分配されるとき、タイミング液は収集リザーバ内に貯留する、プロセス。
【0054】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか、又は別途制限されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0055】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
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