【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩に関し、式(I)の化合物の構造は、次の通りである:
【化1】
式中:
環Aは、ヘテロシクリルおよびシクロアルキルから成る群から選択され;
各R
1は、同一または異なって、それぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
6、-C(O)R
6、-C(O)OR
6、-S(O)
mR
6、-S(O)
mNR
7R
8および-(CH
2)
xR
aから成る群から選択され、該アルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意にアルキル、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
R
aは、ハロゲン、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび-NR
7R
8から成る群から選択され、該シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、それぞれ独立して任意にアルキル、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
R
2は、水素またはアルキルであり、該アルキルは、任意にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキルおよびヘテロシクリルから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
R
3は、水素、アルキル、ハロゲン、シアノ、アルコキシおよびハロアルキルから成る群から選択され;
各R
4は、同一または異なって、それぞれ独立して水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
6、-C(O)R
6、-C(O)OR
6、-S(O)
mR
6、-S(O)
mNR
7R
8および-NR
7R
8から成る群から選択され;
各R
5は、同一または異なって、それぞれ独立して水素、アルキル、オキソ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
6、-C(O)R
6、-C(O)OR
6、-S(O)
mR
6、-S(O)
mNR
7R
8および-NR
7R
8から成る群から選択され;
R
6は、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され;
R
7およびR
8は、同一または異なって、それぞれ独立して水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意にアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
mは、0,1または2であり;
nは、0,1,2または3であり;
pは、0,1,2,3,4または5であり;
qは、0,1または2であり;そして
xは、0,1,2または3である。
【0008】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、nは2である。
【0009】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、qは0または1である。
【0010】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、pは0または1である。
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、各R
1は、同一または異なって、それぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび-(CH
2)
xR
aから成る群から選択され、該アルキルおよびヘテロシクリルは、それぞれ独立して任意にアルキル、ヒドロキシアルキルおよびハロゲンから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;R
aはハロゲン、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよび-NR
7R
8から成る群から選択され、該シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、それぞれ独立して任意にヒドロキシアルキル、アルキルおよびハロゲンから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;そしてR
7、R
8およびxは、式(I)で定義した通りである。
【0011】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、各R
1は、同一または異なって、それぞれ独立して水素、アルキル、ハロアルキル、シアノおよび-(CH
2)
xR
aから成る群から選択され、xは0であり、R
aはハロゲンまたはシクロアルキルである。
【0012】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、R
2はシクロアルキルで任意に置換されていてもよいアルキルである。
【0013】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、R
3はアルキル、ハロゲンおよびハロアルキルから成る群から選択される。
【0014】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、各R
4は、同一または異なって、それぞれ独立して水素、アルキルおよびアルコキシから成る群から選択される。
【0015】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩で、各R
5は、同一または異なって、それぞれ独立して水素、ハロゲン、オキソ、ハロアルキル、-C(O)R
6、-S(O)
mR
6および-NR
7R
8から成る群から選択され、R
6〜R
8およびmは式(I)で定義した通り、好ましくは水素である。
【0016】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩は、式(II)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩である;
【化2】
式中:
Gは、CR
bR
c、C=O、S(O)
m、NR
dおよび酸素から成る群から選択され;
R
bおよびR
cは、それぞれ独立して水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
6、-C(O)R
6、-C(O)OR
6、-S(O)
mR
6および-NR
7R
8から成る群から選択され;
R
dは、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
6、-C(O)OR
6および-S(O)
mR
6から成る群から選択され;そして
R
1〜R
4、R
6〜R
8、n、mおよびqは、式(I)で定義した通りである。
【0017】
本発明の好ましい実施態様において、式(II)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩は、式(III)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩である;
【化3】
式中:
Eは、CHまたはN原子であり;
Fは、CR
bR
c、C=O、NR
dおよび酸素から成る群から選択され;
R
bおよびR
cは、それぞれ独立して水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-OR
6、-C(O)R
6、-C(O)OR
6、-S(O)
mR
6および-NR
7R
8から成る群から選択され;
R
dは、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)R
6、-C(O)OR
6および-S(O)
mR
6から成る群から選択され;
各R
eは、同一または異なって、それぞれ独立して水素、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され;
tは、0、1、2、3、4または5であり;
xは、0、1、2または3であり;
yは、0、1、2または3であり;そして
R
1〜R
4、R
6〜R
8、mおよびnは、式(I)で定義した通りである。
【0018】
本発明の好ましい実施態様において、式(III)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩は、式(IV)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩である;
【化4】
式中:
各R
eは、同一または異なって、それぞれ独立して水素、アルキルおよびハロゲンから成る群から選択され;
tは、0、1、2、3、4または5であり;そして
R
2〜R
4およびnは、式(I)で定義した通りである。
【0019】
本発明の好ましい実施態様において、式(III)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩は、式(V)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩である;
【化5】
式中:
R
eは、水素、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され;そして
R
2〜R
4およびnは、式(I)で定義した通りである。
【0020】
代表的な式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩としては、これらに限定されないが:
またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩が挙げられる。
【0021】
本発明は、さらに、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩を製造するための中間体、即ち、式(VI)の化合物:
【化6】
(式中:環A、R
1〜R
3、R
5、pおよびqは、式(I)で定義した通りである。)
またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩を提供する。
【0022】
他の態様において、本発明は、また、
【化7】
(式中: R
1〜R
5、環A、p、qおよびnは、式(I)で定義した通りである。)
式(VI)の化合物を式(VII)の化合物と室温で縮合して式(I)の化合物を得るステップを含む、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩を製造する方法に関する。
【0023】
他の態様において、本発明は、また、式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩の治療有効量、および1以上の薬剤的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含有する医薬組成物に関する。本発明は、また、式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩を1以上の薬剤的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合するステップを含む、前述の組成物の製造方法に関する。
【0024】
本発明は、さらに、腫瘍および癌を予防および/または治療するための薬物の製造における式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、またはそれを含有する医薬組成物の使用に関し、該癌はリンパ腫、白血病、乳癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、肝臓癌、メラノーマ、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、中皮腫、子宮頸癌、大腸癌、直腸癌、胃癌、膵臓癌、脳癌、皮膚癌、口腔癌、骨癌、腎臓癌、膀胱癌、卵管腫瘍、卵巣腫瘍、腹膜腫瘍、神経膠腫、神経膠芽腫、頭頸部癌、および骨髄腫;好ましくは、リンパ腫、白血病、乳癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、肝臓癌、メラノーマ、横紋筋肉腫、滑膜肉腫および中皮腫から成る群から選択され;該肺癌は小細胞肺癌および非小細胞肺癌から成る群から選択され;該白血病は慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病および混合型白血病から成る群から選択され;該リンパ腫は非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫および濾胞性リンパ腫から選択される。
【0025】
本発明は、さらに、腫瘍および癌が上記で定義した通りである、腫瘍および癌を予防および/または治療するための薬物として使用するための式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、またはそれを含む医薬組成物に関する。
【0026】
本発明は、また、腫瘍および癌が上記で定義した通りである、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、またはそれを含有する医薬組成物の治療有効量をそれを必要とする患者に投与するステップを含む、腫瘍および癌を予防および/または治療する方法に関する。
【0027】
本発明は、さらに、腫瘍および癌が上記で定義した通りである、腫瘍および癌を予防および/または治療するための薬物の製造におけるEZH2阻害剤としての式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、またはそれを含有する医薬組成物の使用に関する。
【0028】
本発明は、さらに、EZH2を阻害するための薬物の製造における、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、またはそれを含有する医薬組成物の使用に関する。
【0029】
本発明は、さらに、EZH2を阻害する薬物として使用するための式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、またはそれを含有する医薬組成物に関する。
【0030】
本発明は、また、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩、またはそれを含有する医薬組成物の治療有効量をそれを必要とする患者に投与するステップを含む、EZH2を阻害する方法に関する。
【0031】
活性成分を含有する医薬組成物は、経口投与に適した形態、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ、水性または油性懸濁剤、分散性粉末または顆粒剤、乳剤、ハードまたはソフトカプセル剤、またはシロップ剤またはエリキシル剤であってもよい。経口用組成物は、医薬組成物の製造分野で公知の方法に従って製造することができる。そのような組成物は、気持ちがよくて美味な医薬製剤を提供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤および保存剤から成る群から選択される1以上の添加剤を含んでいてもよい。錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の薬剤的に許容される賦形剤と混合して活性成分を含有する。
【0032】
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合して活性成分を含んでいる。水性懸濁剤は、また、エチルパラベンまたはn−プロピルパラベンなどの1以上の保存剤、1以上の着色剤、1以上の香味料、およびショ糖、サッカリンまたはアスパルテームなどの1以上の甘味剤を含んでいてもよい。
【0033】
油性懸濁剤は、活性成分を植物油に懸濁させて製造される。油性懸濁剤は、増粘剤を含んでいてもよい。前述の甘味剤や香味料は味の良い製剤を提供するために添加してもよい。
【0034】
分散または湿潤剤、懸濁剤または1以上の保存剤と混合した活性成分は、水を加えることによって水性懸濁剤を調製するのに適した分散性粉末または顆粒として調製してもよい。適切な分散または湿潤剤および懸濁剤は、既に上述したもので例示される。甘味料、香味料および着色剤などの更なる賦形剤も添加してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することにより保存することができる。
【0035】
本医薬組成物は、水中油型乳剤の形態であってもよい。
【0036】
医薬組成物は、無菌の注射用水溶液の形態であってもよい。使用することができる許容される溶剤または溶媒は、水、リンゲル液および等張の塩化ナトリウム溶液である。無菌の注射用製剤は、また活性成分が油相に溶解した無菌の注射用水中油型マイクロエマルションであってもよい。例えば、活性成分をまず大豆油とレシチンの混合物に溶解し、次いでオイル溶液を水とグリセリンの混合液に導入し、処理してマイクロエマルションを形成させることができる。注射用溶液またはマイクロエマルションは、局所ボーラス注入により個々の血流中に導入できる。あるいは、本発明化合物の一定の循環濃度を維持するような方法で溶液またはマイクロエマルションを投与するのも有利である。そのような一定の濃度を維持するために、連続性の静脈送達デバイスが用いられる。そのようなデバイスの例としては、Deltec CADD-PLUS. TM. 5400静脈内注射ポンプがある。
【0037】
医薬組成物は、筋肉内または皮下投与のための無菌の注射用水性または油性懸濁剤の形態であってもよい。そのような懸濁液は、上記のような適切な分散または湿潤剤および懸濁剤を用いて公知の技術に従って製造できる。無菌の注射用製剤は、また非毒性で非経口的に許容される希釈剤または溶媒中で調製された無菌の注射用溶液または懸濁液であってもよい。さらに、無菌の不揮発性オイルが溶媒または懸濁媒体として容易に用いられる。
【0038】
本発明化合物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与してもよい。これらの医薬組成物は、薬物を、常温では固体であるが直腸では液体であり、それにより直腸内で融解して薬物を放出する、適切な非刺激性賦形剤と混合することによって製造できる。そのような物質としては、カカオバター、グリセリンゼラチン、水添植物油、種々の分子量を持つポリエチレングリコールの混合物およびポリエチレングリコールの脂肪酸エステルが挙げられる。
【0039】
薬物の用量は、限定されないが、次の因子:特定化合物の活性、患者の年齢、患者の体重、患者の一般的な健康、患者の挙動、患者の食事、投与時間、投与ルート、排泄速度、併用薬剤などの種々の因子に依存することが当業者によく知られている。さらに、治療様式、式(I)の化合物の1日用量またはその薬学的に許容される塩のタイプなどのベストの治療が、従来の治療計画によって証明できる。
【0040】
本発明の詳細な説明
【0041】
特に言及しない限り、本明細書及び特許請求の範囲で用いた用語は以下に述べる意味を有する。
【0042】
「アルキル」とは、C
1〜C
20の直鎖及び分岐鎖基を含む飽和脂肪族炭化水素基をいう。好ましくは1〜12個の炭素原子を持つ、また、より好ましくは1〜6個の炭素原子を持つものである。代表例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、n-ヘプチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、2,2-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、n-オクチル、2,3-ジメチルヘキシル、2,4-ジメチルヘキシル、2,5-ジメチルヘキシル、2,2-ジメチルヘキシル、3,3-ジメチルヘキシル、4,4-ジメチルヘキシル、2-エチルヘキシル、3-エチルヘキシル、4-エチルヘキシル、2-メチル-2-エチルペンチル、2-メチル-3-エチルペンチル、n-ノニル、2-メチル-2-エチルヘキシル、2-メチル-3-エチルヘキシル、2,2-ジエチルペンチル、n-デシル、3,3-ジエチルヘキシル、2,2-ジエチルヘキシル及びそれらの分岐鎖異性体が含まれる。より好ましくは、アルキル基は1〜6個の炭素原子を持つ低級アルキルである。代表例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル及び2,3-ジメチルブチル等が含まれる。アルキル基は置換されていても、また無置換のものでもよい。置換されている場合には、置換基は任意な結合可能なポイントで置換してもよい。置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、オキソ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0043】
「アルキレン」とは、更に1つの水素原子が置換されたアルキルをいう。例えば、「メチレン」とは、-CH
2-をいい、「エチレン」とは、-(CH
2)
2-をいい、「プロピレン」とは、-(CH
2)
3-をいい、「ブチレン」とは、-(CH
2)
4-をいう等。
【0044】
「アルケニル」とは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を持つ上記で定義したアルキルをいう。例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-、2-または3-ブテニル等。アルケニル基は置換されていても、また無置換のものでもよい。置換されている場合には、置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環式アルコキシ、シクロアルキルチオ及び複素環式アルキルチオから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0045】
「シクロアルキル」とは、3〜20個の炭素原子を持つ飽和及び/または部分的に非飽和の単環式または多環式の炭化水素基をいう。好ましくは3〜12個の炭素原子を持つ、より好ましくは3〜6個の炭素原子を持つものである。単環式シクロアルキルの例としては、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプタトリエニル及びシクロオクチル等が含まれる。多環式シクロアルキルにはスピロ環、縮合環または架橋環を持つシクロアルキルが含まれる。
【0046】
「スピロシクロアルキル」とは、1つの共通の炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を通じてつながっている環を持つ5〜20員の多環式基であって、ここで1つまたはそれ以上の環は1つまたはそれ以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系を持たないものをいう。好ましくはスピロシクロアルキルは6〜14員、より好ましくは7〜10員である。共通のスピロ原子の数によって、スピロシクロアルキルは単環式スピロ環、双環式スピロ環または多環式スピロ環のものに分けられるが、好ましくは単環式スピロ環または双環式スピロ環のものである。より好ましいスピロシクロアルキルは4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員または5員/6員の単環式スピロ環である。スピロシクロアルキルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【0047】
「縮合シクロアルキル」とは、5〜20員の全炭素多環式基であって、系内の各環が隣接した一対の炭素原子を他の環と共有していて、ここで1つまたはそれ以上の環が1つまたはそれ以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系を持たないものをいう。縮合シクロアルキル基は、好ましくは6〜14員、より好ましくは7〜10員のものである。構成する環の数により、縮合シクロアルキルは二環式、三環式、四環式及び多環式縮合シクロアルキルに分けられるが、好ましくは二環式または三環式縮合シクロアルキルである。より好ましくは5員/5員または5員/6員の二環式縮合シクロアルキルである。縮合シクロアルキルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【0048】
「架橋シクロアルキル」とは、5〜20員の全炭素多環式基であって、ここで系内のそれぞれ二つの環が2つの連結していない原子を共有していて、これらの環は1つまたはそれ以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系を持たないものをいう。好ましくは、架橋シクロアルキルは6〜14員、より好ましくは7〜10員のものである。構成する環の数により、架橋シクロアルキルは二環式、三環式、四環式及び多環式架橋シクロアルキルに分けられるが、好ましくは二環式、三環式または四環式架橋シクロアルキル、より好ましくは二環式または三環式架橋シクロアルキルである。架橋シクロアルキルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
シクロアルキルの環はアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの環に縮合していてもよく、ここで親構造と結合する環がシクロアルキルである。代表例としては、これらに限定されないが、インダニル、テトラヒドロナフチル及びベンゾシクロヘプチル等が含まれる。シクロアルキルは任意に置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、オキソ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0049】
「ヘテロシクリル」とは、3〜20員の飽和及び/または部分的に不飽和の単環式または多環式炭化水素基であって、環原子としてN、O及びS(O)
m(式中、mは0〜2の間の整数である)から成る群から選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子を有するが、環内に−O−O−、−O−S−または−S−S−はなく、残りの環原子が炭素原子であるものをいう。ヘテロシクリルは、好ましくは3〜12個の原子を有し、うち1〜4個の原子がヘテロ原子であるもの;より好ましくは3〜8個の原子を有し、うち1〜3個の原子がヘテロ原子であるもの;最も好ましくは3〜6個の原子を有し、うち1〜2個の原子がヘテロ原子である。単環式ヘテロシクリルの代表例としては、これらに限定されないが、ピロリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニル、ピラニル等が含まれる。好ましくはピペリジニル、ピロリジニル、ピラニル、モルホリニルまたは
である。多環式ヘテロシクリルには、スピロ環、縮合環または架橋環を持つヘテロシクリルが含まれる。
【0050】
「スピロヘテロシクリル」とは、1つの共通原子(スピロ原子と呼ばれる)を通じて結合している環を持つ5〜20員の多環式ヘテロシクリルであって、ここで該環は環原子としてN、O及びS(O)
m(式中、mは0〜2の間の整数である)から成る群から選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子は炭素原子であって、1つまたはそれ以上の環は1つまたはそれ以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系を持たないものをいう。好ましくは、スピロヘテロシクリルは6〜14員、より好ましくは7〜10員のものである。環で共通のスピロ原子の数により、スピロヘテロシクリルは単環式スピロヘテロシクリル、双環式スピロヘテロシクリル及び多環式スピロヘテロシクリルに分けられるが、好ましくは単環式スピロヘテロシクリルまたは双環式スピロヘテロシクリルであり、より好ましくは4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員または5員/6員の単環式スピロヘテロシクリルである。スピロヘテロシクリルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
.
【0051】
「縮合ヘテロシクリル」とは、5〜20員の多環式ヘテロシクリル基であって、ここで系内の各環が隣接した一対の原子を他の環と共有していて、1つまたはそれ以上の環が1つまたはそれ以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系を持たず、該環は環原子としてN、O及びS(O)
m(式中、mは0〜2の間の整数である)から成る群から選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子は炭素原子であるものをいう。縮合ヘテロシクリルは、好ましくは6〜14員、より好ましくは7〜10員のものである。構成する環の数により、縮合ヘテロシクリルは二環式、三環式、四環式及び多環式縮合ヘテロシクリルに分けられるが、好ましくは二環式または三環式縮合ヘテロシクリルであり、より好ましくは5員/5員または5員/6員の二環式縮合ヘテロシクリルである。縮合ヘテロシクリルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【0052】
「架橋ヘテロシクリル」とは、5〜14員の多環式ヘテロシクリル基であって、ここで系内のそれぞれ二つの環が2つの連結していない原子を共有していて、これらの環は1つまたはそれ以上の二重結合を持っていてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系は持たず、そしてこれらの環は環原子としてN、O及びS(O)
m(式中、mは0〜2の間の整数である)から成る群から選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子は炭素原子であるものをいう。架橋ヘテロシクリルは、好ましくは6〜14員、より好ましくは7〜10員のものである。構成する環の数により、架橋ヘテロシクリルは二環式、三環式、四環式及び多環式架橋ヘテロシクリルに分けられるが、好ましくは二環式、三環式または四環式架橋ヘテロシクリルであり、より好ましくは二環式または三環式架橋ヘテロシクリルである。架橋ヘテロシクリルの代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
【0053】
ヘテロシクリル環はアリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキルの環に縮合していてもよいが、ここで親構造と結合する環がヘテロシクリルである。代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
ヘテロシクリルは任意に置換されていても、また無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクリルアルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、オキソ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0054】
「アリール」とは、6〜14員の全て炭素の単環式環または多環式縮合環(即ち、系内の各環が隣り合った炭素原子対を系内の他の環と共有している)であって、完全に共役したπ電子系を持っているものをいう。好ましくは6〜10員のものであり、例えば、フェニル及びナフチルである。より好ましくはフェニルである。アリール環は、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルの環に縮合していてもよく、ここでは親構造に結合する環がアリール環である。代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
アリール基は任意に置換されていても、また無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環式アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0055】
「ヘテロアリール」とは、O、S及びNから成る群から選択される1〜4個のヘテロ原子を環原子として持つ、5〜14員のヘテロ芳香族系をいう。ヘテロアリールは、好ましくは1〜3のヘテロ原子を持つ、5〜10員のものであり;より好ましくは1〜2のヘテロ原子を持つ、5員または6員のものである。例えば、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、ピロリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、チアジアゾール、ピラジニル等。好ましくはイミダゾリル、テトラゾリル、チエニル、ピラゾリル、ピリミジニルまたはチアゾリルである。より好ましくはピラゾリルまたはチアゾリルである。ヘテロアリール環は、アリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルの環に縮合してもよく、ここでは親構造に結合する環がヘテロアリール環である。代表例としては、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。
ヘテロアリールは任意に置換されていても、また無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環式アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0056】
「アルコキシ」とは、−O−(アルキル)または−O−(無置換のシクロアルキル)をいい、ここでアルキルは上記で定義した通りである。代表例としては、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が含まれる。アルコキシは任意に置換されていても、または無置換のものでもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環式アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環式アルキルチオ、カルボキシ及びアルコキシカルボニルから成る群から独立して選択される1つまたはそれ以上の基である。
【0057】
「ハロアルキル」とは、1つまたはそれ以上のハロゲンで置換されたアルキル基をいい、ここでアルキルは上記で定義した通りである。
「ハロアルコキシ」とは、1つまたはそれ以上のハロゲンで置換されたアルコキシ基をいい、ここでアルコキシは上記で定義した通りである。
「ヒドロキシアルキル」とは、ヒドロキシで置換されたアルキルをいい、ここでアルキルは上記で定義した通りである。
「ヒドロキシ」とは、−OH基をいう。
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。
「アミノ」とは、−NH
2基をいう。
「シアノ」とは、−CN基をいう。
「ニトロ」とは、−NO
2基をいう。
「オキソ」とは、=O基をいう。
「カルボニル」とは、C=O基をいう。
「カルボキシル」とは、−C(O)OH基をいう。
「イソシアナト」とは、−NCO基をいう。
「ヒドロキシイミノ」とは、=N−OH基をいう。
「アルコキシカルボニル」とは、“−C(O)O(アルキル)または−C(O)O(シクロアルキル)基をいい、ここでアルキル及びシクロアルキルは上記で定義した通りである。
「アシルハライド」とは、−C(O)−ハロゲン基を含む化合物をいう。
【0058】
「任意の」または「任意に」は、続いて記載した出来事や状況が生じても、生じなくてもよいことを意味する。そのような記載は出来事や状況が生じても、生じなくてもよいことを含んでいる。例えば、「アルキルで任意に置換されたヘテロシクリル」は、アルキル基が存在しても、しなくてもよいことを意味する。その記載はアルキルで置換されているヘテロシクリルとアルキルで置換されていないヘテロシクリルの場合を含んでいる。
【0059】
「置換された」とは、基内の1つまたはそれ以上の水素原子、好ましくは5個まで、より好ましくは1〜3個の水素原子が、対応する数の置換基でそれぞれ独立して置換されていることをいう。置換基はそれらの化学的に可能な位置にのみ存在することは言うまでもない。当業者は過剰な努力を払うことなく実験や理論により置換が可能かどうか判断することができる。例えば、フリーの水素を持つアミノまたはヒドロキシル基が不飽和結合を持つ炭素原子(例、オレフィン)と結合する場合は不安定となりうる。
【0060】
「医薬組成物」とは、本発明の1つまたはそれ以上の化合物またはそれらの生理学的/薬学的に許容される塩またはプロドラッグ及び生理学的/薬学的に許容される担体や賦形剤等の他の化学成分の混合物をいう。医薬組成物の目的は、生体への化合物の投与を容易にすることであり、これにより活性成分の吸収を助け、生物活性を実現できる。
【0061】
「薬学的に許容される塩」とは、哺乳類において安全で有効であり、期待の生物学的活性を有する、本発明の化合物の塩をいう。
【0062】
本発明化合物の合成方法
発明の目的を達成するために、本発明は以下の合成の技術的解決法を適用する:
以下のステップを含む、本発明の式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー、またはそれらの混合物、またはそれらの薬剤的に許容される塩を製造するための工程:
式(I-1)の化合物を氷浴中で硫酸に添加し、硝酸ナトリウムとN-ブロモコハク酸イミドを数回に分けて添加して加熱下で式(I-2)の化合物を得る。式(I-2)の化合物をアルカリ条件下で塩化物とエステル化反応に付して、式(I-3)の化合物を得る、ここでアルカリ条件を与えるアルカリ試薬は、好ましくは炭酸カリウムである。式(I-3)の化合物を還元して、式(I-4)の化合物を得る。式(I-5)の化合物は、式(I-4)の化合物から硫酸と硝酸ナトリウムの存在下に得られる。式(I-5)の化合物をアルカリ条件下に2-ブロモ-1,1-ジエトキシエタンと反応させて式(I-6)の化合物を得る。式(I-6)の化合物を加熱下酸性条件で3-ブロモ-5-(2,2-ジエトキシエトキシ)-2-エチルベンゾエートと環化反応に付し、式(I-7)の化合物を得る。式(I-7)の化合物を触媒の存在下、加熱下にアルカリ条件で式(Ia)の化合物と反応させて式(I-8)の化合物を得る、ここでこの反応にアルカリ条件を与えるアルカリ試薬は好ましくは炭酸カリウムであり、触媒は好ましくはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムまたは
(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレンである。式(I-8)の化合物をアルカリ条件下にハロゲン化アルキルと反応させて式(I-9)の化合物を得る。式(I-9)の化合物をアルカリ条件下にN,N-ジメチルホルムアミドと反応させて式(I-10)の化合物を得る、ここでこの反応にアルカリ条件を与えるアルカリ試薬は好ましくはリチウムジイソプロピルアミドである。式(I-10)の化合物を還元剤の存在下に式(I-11)の化合物に還元する、ここでこの条件下の還元剤は好ましくは水素化ホウ素ナトリウムである。式(I-11)の化合物を三臭化リンと反応させて式(I-12)の化合物を得る。式(I-12)の化合物をR
1Hと反応させて式(I-13)の化合物を得る。式(I-13)の化合物をアルカリ条件下に加水分解して式(VI)の化合物を得る、ここでこの反応にアルカリ条件を与えるアルカリ試薬は好ましくは水酸化ナトリウムである。式(VI)の化合物を式(VII)の化合物とアシル化反応に付して式(I)の化合物をえる。
【0063】
アルカリ条件を供給する試薬としては有機塩基および無機塩基が挙げられ、該有機塩基としては、限定されないが、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、酢酸カリウム、ナトリウムtert-ブトキシドおよびカリウムtert-ブトキシドが挙げられ、該無機塩基としては、限定されないが、水素化ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸セシウムが挙げられる。
【0064】
関与する触媒としては、限定されないが、2-ジシクロへキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル、(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、酢酸パラジウム、 [1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、トリフェ
ニルホスフィン、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムが挙げられる。
【0065】
式中:
R
xは、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、それぞれ独立して任意にアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
Xは、ハロゲンであり;
R
1〜R
5、環A、p、qおよびnは、式(I)で定義した通りである。
【0066】
好ましい実施態様
以下の実施例に基づいて本発明を更に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0067】
実施例
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)及び/または質量分析(MS)で同定した。NMRはBruker AVANCE-400装置で測定した。測定に用いた溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d
6)、重水素化クロロホルム(CDCl
3)及び重水素化メタノール(CD
3OD)であった。内部標準はテトラメチルシラン(TMS)であった。NMRケミカルシフト(δ)は10
-6(ppm)で示した。
MSはFINNIGAN LCQAd(ESI)質量分析計(メーカー:Thermo、型式:Finnigan LCQ advantage MAX)で測定した。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)はAgilent 1200DAD 高圧液体クロマトグラフィー装置(Sunfire C18 150×4.6 mm クロマトグラフィーカラム)及びWaters 2695-2996高圧液体クロマトグラフィー装置(Gimini C18 150×4.6 mmクロマトグラフィーカラム)で測定した。
平均酵素阻害率及びIC
50値はNovoStar ELISA(BMG Co., ドイツ)で測定した。
薄層シリカゲルクロマトグラフィー(TLC)には、Yantai Huanghai HSGF254またはQingdao GF254シリカゲルプレートを使用した。TLCに使用したシリカゲルプレートの寸法は0.15 mm〜0.2 mmであった。生成物の精製に使用したシリカゲルプレートの寸法は0.4 mm〜0.5 mmであった。
カラムクロマトグラフィー用の担体として、Yantai Huanghai 200〜300メッシュのシリカゲルを用いた。
【0068】
本発明の公知の原料は、当業における従来の合成法により調製でき、または、ABCR GmbH & Co. KG、Acros Organics、Aldrich Chemical Company、Accela ChemBio Inc.またはDari Chemical Company等から購入できる。
特に明記しない限り、反応はアルゴン雰囲気下または窒素雰囲気下で行った。
用語「アルゴン雰囲気」または「窒素雰囲気」は、反応フラスコが1Lのアルゴンまたは窒素風船を備えていることを意味する。
用語「水素雰囲気」は、反応フラスコが1Lの水素風船を備えていることを意味する。
高圧水素化反応は、Parr 3916EKX型水素化装置及びQL-500型水素発生器またはHC2-SS型水素化装置で行った。
水素化反応では、反応系を通常真空にして水素で満たし、前記の操作を3回繰り返して行った。
マイクロ波反応には、CEM Discover-S 908860型マイクロ波反応器を用いた。
特に明記しない限り、反応に用いる溶液とは、水溶液をいう。
特に明記しない限り、反応における反応温度とは、室温をいう。
室温は最適な反応温度であり、20℃〜30℃の範囲内にある。
反応の進行は薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニターし、展開の溶媒系としては、A:ジクロロメタンとメタノール系、B:n−ヘキサンと酢酸エチル系、C:石油エーテルと酢酸エチル系及びD:アセトンが含まれる。溶媒の容積比は化合物の極性に応じて調節することができる。
化合物の精製に用いるカラムクロマトグラフィー及び薄層クロマトグラフィーの溶出系としては、A:ジクロロメタンとメタノール系、B:n−ヘキサンと酢酸エチル系、C:n−ヘキサン、酢酸エチル及びジクロロメタン系、D:石油エーテルと酢酸エチル系及びE:酢酸エチルが含まれる。溶媒の容積比は化合物の極性に応じて調節することができ、また時には、少量のアルカリ性試薬、例えば、トリエチルアミン、または酸性試薬を添加することもできる。
【0069】
実施例1
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
3-ブロモ-2-エチル-5-ニトロ安息香酸
2-エチル安息香酸1a(20.0 g, 133 mmol,“Journal of the American Chemical Society, 1991, 113(13), 4931-6”に開示された方法で調製)を150 mLの硫酸に加えた後、氷浴の中で硝酸ナトリウム(11.3 g, 133 mmol)を数回に分けて加えた。混合物を3時間攪拌した後、N-ブロモスクシンイミド(2.6 g, 14.5 mmol)を数回に分けて加えた。反応系を60℃で1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を氷水の中に注ぎ入れ、よく攪拌し、濾過した。濾液を水で洗浄し、減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物3-ブロモ-2-エチル-5-ニトロ安息香酸1bの粗製品(35 g)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程2
メチル3-ブロモ-2-エチル-5-ニトロベンゾエート
3-ブロモ-2-エチル-5-ニトロ安息香酸1bの粗製品(35 g, 128 mmol)を200 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、ヨードメタン(21.8 g, 153 mmol)及び炭酸カリウム(35.3 g, 255 mmol)を加えた。反応系を室温で2時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。過剰な水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色油の標記化合物メチル3-ブロモ-2-エチル-5-ニトロベンゾエート1cの粗製品(36 g)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程3
メチル5-アミノ-3-ブロモ-2-エチルベンゾエート
メチル3-ブロモ-2-エチル-5-ニトロベンゾエート1cの粗製品(35.0 g, 121 mmol)を250 mLのエタノール及び150 mLの水に加えた。混合物を70℃に加熱し、塩化アンモニウム(52.8 g, 969 mmol)を加えた後、鉄粉(34 g, 606 mmol)を数回に分けて加えた。反応系を70℃で2時間攪拌した。反応終了後、混合物を熱いうちにセライトに通して濾過した。濾過ケーキを熱いエタノールで洗浄した後、濾液を合わせ、減圧下で濃縮した。酢酸エチル及び炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を加えた。2つの層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物メチル5-アミノ-3-ブロモ-2-エチルベンゾエート1d(22.0 g, 収率 70%)を得た。
工程4
メチル3-ブロモ-2-エチル-5-ヒドロキシベンゾエート
メチル5-アミノ-3-ブロモ-2-エチルベンゾエート1d(15.0 g, 58 mmol)を10 mLのアセトニトリルに溶解した後、200 mLの10%硫酸を加えた。混合物をよく攪拌し、氷-塩浴中で3℃に冷却した後、10 mLの用時調製した亜硝酸ナトリウム溶液(4.4 g, 64 mmol)を加えた。混合物を前記温度で4時間攪拌し、200 mLの50%硫酸を滴下した後、90℃で1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、褐色固体の標記化合物メチル3-ブロモ-2-エチル-5-ヒドロキシベンゾエート1e(5.5 g, 収率 37%)を得た。
工程5
メチル3-ブロモ-5-(2,2-ジエトキシエトキシ)-2-エチルベンゾエート
メチル3-ブロモ-2-エチル-5-ヒドロキシベンゾエート1e(35 g, 135 mmol)を200 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-ブロモ-1,1-ジエトキシエタン(40 g, 202 mmol)及び炭酸カリウム(37 g, 269 mmol)を加えた。反応系を120℃で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、N,N-ジメチルホルムアミドを除去した。水を加え、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、淡い黄色油の標記化合物メチル3-ブロモ-5-(2,2-ジエトキシエトキシ)-2-エチルベンゾエート1f(40 g, 収率 80%)を得た。
工程6
メチル6-ブロモ-5-エチルベンゾフラン-4-カルボキシラート
ポリリン酸(30 g)を400 mLのトルエンに加えた。混合物を100℃に加熱し、50 mLの用時調製したメチル3-ブロモ-5-(2,2-ジエトキシエトキシ)-2-エチルベンゾエート1f(40 g, 107 mmol)のトルエン溶液を攪拌下で加えた。混合物を100℃で16時間攪拌した。反応終了後、上清を別の容器に移した。水及び酢酸エチルを残渣に加えた。2つの層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、炭酸ナトリウムの飽和溶液及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物メチル6-ブロモ-5-エチルベンゾフラン-4-カルボキシラート1g(11.8 g, 収率 39%)を得た。
工程7
メチル5-エチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル6-ブロモ-5-エチルベンゾフラン-4-カルボキシラート1g(11.0 g, 39 mmol)、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン(5.89 g, 58 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(3.6 g, 3.9 mmol)、
(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(4.86 g, 7.8 mmol)及び炭酸セシウム(38 g, 117 mmol)を100 mLのトルエンに溶解した。混合物を100℃で12時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトパットに通して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物メチル5-エチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート1h(10.0 g, 収率 85%)を得た。
工程8
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル5-エチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート1h(10.0 g, 0.033 mmol)を150 mLの1,2-ジクロロエタンに溶解した後、アセトアルデヒド(7.2 g, 0.165 mmol)及び酢酸(9.9 g, 0.165 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(20.8 g, 0.1 mmol)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート1i(7.8 g, 収率 71%)を得た。
MS m/z (LC-MS): 332.4 [M+1]
工程9
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-ホルミルベンゾフラン-4-カルボキシレート
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート1i(1.6 g, 4.8 mmol)を25 mLのテトラヒドロフランに溶解した。混合物を-70℃に冷却した後、アルゴン雰囲気下で2.0 Mリチウムジイソプロピルアミド(3.6 mL, 7.3 mmol)を滴下した。混合物を90分間攪拌した後、N,N-ジメチルホルムアミド(536 mg, 7.3 mmol)を加えた。混合物を2時間攪拌した後、室温までゆっくり加熱した。過剰な塩化アンモニウムを加えた。混合物をよく攪拌し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-ホルミルベンゾフラン-4-カルボキシレート1j(1.3 g, 収率 75%)を得た。
MS m/z (ESI):360.2 [M+1]
工程10
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ヒドロキシメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシレート
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-ホルミルベンゾフラン-4-カルボキシレート1j(1.4 g, 3.9 mmol)を5 mLのテトラヒドロフラン及び10 mLのメタノールに溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム(222 mg, 5.8 mmol)を加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、水及び炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を加え、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ヒドロキシメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシレート1k(1.4 g, 収率 99%)を得た。
工程11
メチル2-(ブロモメチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ヒドロキシメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシレート1k(1.0 g, 2.8 mmol)を30 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、三臭化リン(1.12 g, 4.2 mmol)を滴下した。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。黄色油の標記化合物メチル2-(ブロモメチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート1lの粗製品(1.15 g)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程12
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシレート
メチル2-(ブロモメチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート1lの粗製品(1.15 g, 2.7 mmol)を15 mLのアセトニトリルに溶解した後、10 mLの用時調製したピペリジンのアセトニトリル溶液(362 mg, 4.3 mmol)を滴下した。混合物を室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。酢酸エチル及び炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を加えた。2つの層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシレート1m(1.2 g, 収率 99%)を得た。
MS m/z (LC-MS): 429.2[M+1]
工程13
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシレート1m(1.2 g, 2.7mmol)を5 mLのテトラヒドロフラン及び20 mLのメタノールに溶解した後、5 mLの4M水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、濃塩酸を加え、反応溶液のpHを4に調整した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)に溶解し、濾過した。濾過ケーキをジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)で洗浄した。濾液を合わせ、減圧下で濃縮し、黄色固体の標記化合物5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸1nの粗製品(1.1 g)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
MS m/z (LC-MS): 415.2[M+1]
工程14
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸1nの粗製品(150 mg, 0.36 mmol)を5 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(104 mg, 0.54 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(73 mg, 0.54 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(232 mg, 1.8 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、3-(アミノメチル)-4-メトキシ-6-メチル
ピリジン-2(1H)-オン塩酸塩1o(96 mg, 0.47 mmol,特許出願“WO2014177982”に開示された方法で調製)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド1(155 mg, 収率 76%)を得た。
MS m/z (ESI): 565.3 [M+1]
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 11.44(s, 1H), 8.00(s, 1H), 7.40(s, 1H), 6.53(brs, 1H), 6.10(s, 1H), 4.29(d, 2H), 3.85(brs, 2H), 3.83(s, 3H), 3.56(brs, 2H), 3.22(t, 2H), 3.03-3.08(m, 2H), 2.93-2.98(m, 1H), 2.78-2.84(m, 2H), 2.42(brs, 4H), 2.18(s, 3H), 1.64-1.67(brd, 2H), 1.47-1.56(m, 6H), 1.38(brs, 2H), 1.06(t, 3H), 0.83(t, 3H).
【0070】
実施例2
N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸1n(1.0 g, 2.4 mmol)を30 mLの N,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(696 mg, 3.6 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(490 mg, 3.6 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.56 g, 12.1 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、3-(アミノメチル)-4,6-ジメチルピリジン-2(1H)-オン塩酸塩2a(593 mg, 3.0 mmol,特許出願“WO2014097041”に開示された方法で調製)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド2(750 mg, 収率 57%)を得た。
MS m/z (ESI): 549.7 [M+1]
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 11.48(s, 1H), 8.15(t, 1H), 7.39(s, 1H), 6.46(s, 1H), 5.86(s, 1H), 4.32(d, 2H), 3.83(d, 2H), 3.54(s, 2H), 3.21(t, 2H), 3.01-3.07(m, 2H), 2.92-2.97(m, 1H), 2.77-2.82(m, 2H), 2.39(brs, 4H), 2.23(s, 3H), 2.11(s, 3H), 1.64-1.67(brd, 2H), 1.47-1.55(m, 6H), 1.36-1.37(brd, 2H), 1.02(t, 3H), 0.82(t, 3H).
【0071】
実施例3
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-エチル-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸1n(50 mg, 0.12 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(35 mg, 0.18 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(24 mg, 0.18 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(78 mg, 0.60 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、3-(アミノメチル)-4-エチル-6-メチル
ピリジン-2(1H)-オン塩酸塩3a(36 mg, 0.18 mmol,特許出願“WO2013173441”に開示された方法で調製)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-エチル-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド3(58 mg, 収率 85%)を得た。
MS m/z (ESI): 563.7 [M+1]
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 11.51(s, 1H), 8.12(t, 1H), 7.39(s, 1H), 6.47(s, 1H), 5.91(s, 1H), 4.33(d, 2H), 3.81-3.83(brd, 2H), 3.54(brs, 2H), 3.20(t, 2H), 3.01-3.06(m, 2H), 2.91-2.97(m, 1H), 2.76-2.82(m, 2H), 2.59(q, 2H), 2.39(brs, 4H), 2.13(s, 3H), 1.63-1.66(brd, 2H), 1.48-1.50(m, 6H), 1.36(brs, 2H), 1.37(t, 3H), 1.01(t, 3H), 0.81(t, 3H).
【0072】
実施例4
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチル-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル5-アミノ-3-ブロモ-2-メチルベンゾエート
メチル3-ブロモ-2-メチル-5-ニトロベンゾエート4a(13 g, 47.3 mmol,特許出願“WO2012061602”に開示された方法で調製)を200 mLのエタノール及び50 mLの水に加えた。混合物を70℃に加熱した後、塩化アンモニウム(20.6 g, 378 mmol)を加え、鉄粉(13.3 g, 236 mmol)を数回に分けて加えた。反応系を70℃で2時間攪拌した。反応終了後、混合物を熱いうちにセライトパットに通して濾過した。濾過ケーキを熱いエタノールで洗浄した後、濾液を合わせ、減圧下で濃縮した。残渣を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物メチル5-アミノ-3-ブロモ-2-メチルベンゾエート4b(11.0 g, 収率 95%)を得た。
工程2
メチル3-ブロモ-5-ヒドロキシ-2-メチルベンゾエート
メチル5-アミノ-3-ブロモ-2-メチルベンゾエート4b(3.0 g, 0.012 mmol)を20 mLの10%硫酸の中に懸濁させた。混合物を0℃に冷却した後、5 mLの用時調製した亜硝酸ナトリウム溶液(1.0 g, 14.7 mmol)滴下した。前記温度で3時間攪拌した後、反応溶液を80℃で30 mLの用時調製した10%硫酸に注ぎ入れた。そして、80℃で1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物メチル3-ブロモ-5-ヒドロキシ-2-メチルベンゾエート4c(1.1 g, 収率 32%)を得た。
工程3
メチル3-ブロモ-5-(2,2-ジエトキシエトキシ)-2-メチルベンゾエート
メチル3-ブロモ-5-ヒドロキシ-2-メチルベンゾエート4c(800 mg, 3.3 mmol)を15 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-ブロモ-1,1-ジエトキシエタン(965 mg, 4.9 mmol)及び炭酸カリウム(900 mg, 6.5 mmol)を加えた。反応系を120℃で12時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、淡い黄色油の標記化合物メチル3-ブロモ-5-(2,2-ジエトキシエトキシ)-2-メチルベンゾエート4d(820 mg, 収率 69%)を得た。
工程4
メチル6-ブロモ-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル3-ブロモ-5-(2,2-ジエトキシエトキシ)-2-メチルベンゾエート4d(650 mg, 1.8 mmol)を10 mLのトルエンに溶解した後、10 mLの用時調製したポリリン酸のトルエン溶液(10 g)を加えた。混合物を100℃で5時間攪拌した。反応終了後、上層の有機層を別の容器に移した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、炭酸ナトリウムの飽和溶液及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物メチル6-ブロモ-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート4e(220 mg, 収率 45%)を得た。
工程5
メチル5-メチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル6-ブロモ-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート4e(250 mg, 0.93 mmol)、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン(141 mg, 1.4 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(85 mg, 0.09 mmol)、
(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(116 mg, 0.19 mmol)及び炭酸セシウム(909 mg, 2.79 mmol)を10 mLのトルエンに溶解した。混合物を100℃で12時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトパットに通して濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物メチル5-メチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート4f(250 mg, 収率 90%)を得た。
工程6
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル5-メチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート4f(250 mg, 0.87 mmol)を10 mLの1,2-ジクロロエタンに溶解した後、アセトアルデヒド(190 mg, 4.3 mmol)及び酢酸(260 mg, 4.3 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(545 mg, 2.6 mmol)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。酢酸エチル及び炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を加えた。2つの層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート4g(180 mg, 収率 56%)を得た。
MS m/z (LC-MS): 318.2[M+1]
工程7
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-ホルミル-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート4g(180 mg, 0.57 mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに溶解した。混合物を-70℃に冷却し、アルゴン雰囲気下で2.0 Mリチウムジイソプロピルアミド(0.57 mL, 1.14 mmol)滴下した。混合物を1時間攪拌した後、4-ホルミルモルホリン(98 mg, 0.85 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、室温までゆっくり加熱し、塩化アンモニウム溶液を加えた。混合物を20分間攪拌し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-ホルミル-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート4h(130 mg, 収率 66%)を得た。
工程8
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-ホルミル-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート4h(130 mg, 0.38 mmol)を1 mLのテトラヒドロフラン及び5 mLのメタノールに溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム(22 mg, 0.57 mmol)を数回に分けて加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮した。炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を加え、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色油の標記化合物メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート4iの粗製品(120 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
MS m/z (LC-MS): 348.0 [M+1]
工程9
メチル2-(ブロモメチル)-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ヒドロキシメチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート4iの粗製品(130 mg, 0.36 mmol)を5 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、三臭化リン(146 mg, 0.54 mmol)滴下した。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、水を加え、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色油の標記化合物メチル2-(ブロモメチル)-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート4jの粗製品(152 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程10
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル2-(ブロモメチル)-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート4jの粗製品(140 mg, 0.33 mmol)を5 mLのアセトニトリルに溶解した後、5 mLの用時調製したピペリジンのアセトニトリル溶液(56 mg, 0.66 mmol)を滴下した。混合物を室温で1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮した後、酢酸エチル及び炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を加えた。2つの層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色油の標記化合物メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート4k(120 mg, 収率 86%)を得た。
工程11
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート4k(120 mg, 0.29 mmol)を10 mLのメタノールに溶解した後、3 mLの4M水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、濃塩酸を加え、反応溶液のpHを4に調整した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)に溶解し、濾過した。濾過ケーキをジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)で洗浄した。濾液を合わせ、減圧下で濃縮し、黄色固体の標記化合物6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸4iの粗製品(120 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
MS m/z (LC-MS): 399.0[M+1]
工程12
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチル-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸4iの粗製品(40 mg, 0.1 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(29 mg, 0.15 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(20 mg, 0.15 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(63 mg, 0.48 mmol)を加えた。混合物を16時間攪拌した後、3-(アミノメチル)-4-メトキシ-6-メチル
ピリジン-2(1H)-オン塩酸塩1o(26 mg, 0.13 mmol)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチル-2-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド4(35 mg, 収率 64%)を得た。
MS m/z (ESI): 551.7 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.45(s, 1H), 8.01(s, 1H), 7.40(s, 1H), 6.91(brs, 1H), 6.12(s, 1H), 4.30(d, 2H), 3.84(brs, 5H), 3.23(t, 2H), 3.04-3.09(m, 2H), 2.95-3.01 (m, 1H), 2.62(s, 3H), 2.19(s, 3H), 1.64-1.81(brd, 6H), 1.50-1.55(m, 4H), 1.38(brs, 2H), 0.81(t, 3H).
【0073】
実施例5
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
tert-ブチル4-((5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4-(メトキシカルボニル)ベンゾフラン-2-イル)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-ホルミルベンゾフラン-4-カルボキシレート1j(30 mg, 0.083 mmol)、1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン(24 mg, 0.13 mmol)及び酢酸(25 mg, 0.42 mmol)を5 mLのメタノールに加えた。混合物を1時間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(53 mg, 0.25 mmol)を加えた。混合物を12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物tert-ブチル4-((5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4-(メトキシカルボニル)ベンゾフラン-2-イル)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート5a(40 mg, 収率 90%)を得た。
MS m/z (LC-MS): 530.3 [M+1]
工程2
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
tert-ブチル4-((5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4-(メトキシカルボニル)ベンゾフラン-2-イル)メチル)ピペラジン-1-カルボキシラート5a(40 mg, 0.075 mmol)を10 mLのトリフルオロ酢酸に加えた。混合物を室温で1時間攪拌した後、減圧下で濃縮した。5 mLのN,N-ジメチルホルムアミド及び炭酸カリウム(21 mg, 0.15 mmol)を残渣に加え、混合物を30分間攪拌した。その後、1-ヨードプロパン(20 mg, 0.11 mmol)を加え、反応系を70℃で1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を過剰な水に注ぎ入れ、ジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で3回抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色油の標記化合物メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート5b(25 mg, 収率 70%)を得た。
MS m/z (LC-MS): 472.3 [M+1]
工程3
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート5b(10 mg, 0.021 mmol)を3 mLのメタノール及び1 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、13 mLの2M水酸化ナトリウム溶液を加えた。反応系を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を濃硫酸で中和した後、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)に溶解し、濾過した。濾過ケーキをジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)で洗浄した。濾液を合わせ、減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸5cの粗製品(9 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
MS m/z (LC-MS): 458.4 [M+1]
工程4
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸5cの粗製品(10 mg, 0.022 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(7 mg, 0.033 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(5 mg, 0.033mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(6 mg, 0.044 mmol)を加えた。混合物を30分間攪拌した後、3-(アミノメチル)-4-メトキシ-6-メチル
ピリジン-2(1H)-オン塩酸塩1o(5.8 mg, 0.028)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド5(9 mg, 収率 69%)を得た。
MS m/z (ESI): 608.6 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.45(s, 1H), 8.01(s, 1H), 7.39(s, 1H), 6.56(brs, 1H), 6.11(s, 1H), 4.29(d, 2H), 3.85(brs, 2H), 3.83(s, 3H), 3.63(brs, 3H), 3.22(t, 2H), 3.03-3.07(m, 2H), 2.93-2.99(m, 2H), 2.79-2.82(m, 2H), 2.34-2.68(brs, 8H), 2.19(s, 3H), 1.64-1.67(brd, 2H), 1.50-1.52(m, 2H), 1.24-1.26(brd, 2H), 1.06(t, 3H), 0.98(brs, 6H), 0.83(t, 3H).
【0074】
実施例6
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル6-ブロモ-5-エチル-2-ホルミルベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル6-ブロモ-5-エチルベンゾフラン-4-カルボキシラート1g(260 mg, 0.92 mmol)を8 mLのテトラヒドロフランに溶解した。混合物を-70℃に冷却した後、アルゴン雰囲気下で2.0 Mリチウムジイソプロピルアミド(0.92 mL, 1.84 mmol)を滴下した。混合物を1時間攪拌した後、4-ホルミルモルホリン(158 mg, 1.38 mmol)を加えた。反応を室温までゆっくり加熱し、過剰な塩化アンモニウムを加えた。混合物をよく攪拌、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物メチル6-ブロモ-5-エチル-2-ホルミルベンゾフラン-4-カルボキシラート6a(80 mg, 収率 48%)を得た。
工程2
メチル6-ブロモ-5-エチル-2-(ヒドロキシメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル6-ブロモ-5-エチル-2-ホルミルベンゾフラン-4-カルボキシラート6a(80 mg, 0.26 mmol))を4 mLのメタノール及び0.5 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、室温で水素化ホウ素ナトリウム(20 mg, 0.51 mmol)を数回に分けて加えた。混合物を3分間攪拌した。反応終了後、酢酸エチル及び炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を加えた。2つの層に分離し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。白色固体の標記化合物メチル6-ブロモ-5-エチル-2-(ヒドロキシメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート6bの粗製品(80 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程3
メチル6-ブロモ-5-エチル-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル6-ブロモ-5-エチル-2-(ヒドロキシメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート6bの粗製品(80 mg, 0.26 mmol)を5 mLのジクロロメタンに溶解した後、塩化メタンスルホニル(45 mg, 0.38 mmol)及びトリフルオロ酢酸(130 mg, 1.29 mmol)を加えた。混合物を12時間攪拌した。混合物を減圧下で濃縮した後、5 mLのN,N-ジメチルホルムアミド、炭酸カリウム(71 mg, 0.51 mmol)及びモルホリン(40 mg, 0.51 mmol)を加えた。反応系を80℃で1時間攪拌した。反応終了後、水を加え、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物メチル6-ブロモ-5-エチル-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート6c(65 mg, 収率 64%)を得た。
MS m/z (ESI): 382.0 [M+1]
工程4
メチル5-エチル-2-(モルホリノメチル)-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル6-ブロモ-5-エチル-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート6c(90 mg, 0.24 mmol)、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン(36 mg, 0.35 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(22 mg, 0.02 mmol)、
(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(30 mg, 0.05 mmol)及び炭酸セシウム(230 mg, 0.71 mmol)を5 mLのトルエンに溶解した。混合物を100℃で12時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトパットに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物メチル5-エチル-2-(モルホリノメチル)-6- ((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート6d(85 mg, 収率 89%)を得た。
MS m/z (LC-MS): 401.2 [M+1]
工程5
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル5-エチル-2-(モルホリノメチル)-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート6d(85 mg, 0.21 mmol)を5 mLの1,2-ジクロロエタンに溶解した後、アセトアルデヒド(93 mg, 2.1 mmol)及び酢酸(63 mg, 1.06 mmo)を加えた。混合物を2時間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(133 mg, 0.63 mmol)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート6e(75 mg, 収率 82%)を得た。
MS m/z (LC-MS): 344.1 [M-86]
工程6
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート6e(75 mg, 0.17 mmol)を1 mLのテトラヒドロフラン及び3 mLのメタノールに溶解した後、3 mLの4M水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、濃塩酸を加え、反応溶液のpHを4に調整した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をメタノールで洗浄し、濾過し、白色固体を除去した。濾液を減圧下で濃縮した。白色固体の標記化合物5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸6fの粗製品(71 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程7
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸6fの粗製品(45 mg, 0.11 mmol)を5 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(31 mg, 0.16 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(22 mg, 0.16 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(70 mg, 0.54 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、3-(アミノメチル)-4-メトキシ-6-メチル
ピリジン-2(1H)-オン塩酸塩1o(33 mg, 0.16 mmol)を加えた。混合物を室温で36時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(モルホリノメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド6(35 mg, 収率 57%)を得た。
MS m/z (ESI): 567.4 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.43(s, 1H), 7.99(t, 1H), 7.39(s, 1H), 6.54(s, 1H), 6.10(s, 1H), 4.28(d, 2H), 3.84(brs, 2H), 3.82(s, 3H), 3.59(s, 2H), 3.55-3.57(m, 4H), 3.21(t, 2H), 3.02-3.07(m, 2H), 2.92-2.97(m, 1H), 2.78-2.83(m, 2H), 2.43(brs, 4H), 2.18(s, 3H), 1.64-1.67(brd, 2H), 1.45-1.55(m, 2H), 1.05(t, 3H), 0.82(t, 3H).
【0075】
実施例7
2-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル2-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-ホルミルベンゾフラン-4-カルボキシレート1j(50 mg, 0.14 mmol)、4,4-塩酸ジフルオロピペリジン(33 mg, 0.21 mmol)及び酢酸(42 mg, 0.49 mmol)を5 mLのメタノールに加えた。混合物を1時間攪拌した後、分子ふるい及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(88 mg, 0.42 mmol)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、ジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色油の標記化合物メチル2-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート7a(25 mg, 収率 45%)を得た。
MS m/z (ESI): 465.1[M+1]
工程2
2-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボン酸
メチル2-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート7a(20 mg, 0.043 mmol)を1 mLのテトラヒドロフラン及び3 mLのメタノールに溶解した後、3 mLの4M水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を濃塩酸で中和した後、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)に溶解し、濾過した。濾過ケーキをジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)で洗浄した。濾液を合わせ、減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物2-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボン酸7bの粗製品(20 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程3
2-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
2-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボン酸7bの粗製品(20 mg, 0.044 mmol)を5 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(13 mg, 0.066)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(9 mg, 0.066 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(29 mg, 0.22 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、3-(アミノメチル)-4-メトキシ-6-メチル
ピリジン-2(1H)-オン塩酸塩1o(12 mg, 0.058 mmol)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物2-((4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド7(21 mg, 収率 78%)を得た。
MS m/z (ESI): 601.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.43(s, 1H), 8.00(t, 1H), 7.39(s, 1H), 6.55(s, 1H), 6.10(s, 1H), 4.28(d, 2H), 3.84(brs, 2H), 3.82(s, 3H), 3.69(s, 2H), 3.21(t, 2H), 3.02-3.07(m, 2H), 2.92-2.98(m, 1H), 2.78-2.83(m, 2H), 2.57(brs, 4H), 2.17(s, 3H), 1.95-1.98(m, 4H), 1.64-1.66(brd, 2H), 1.46-1.55(m, 2H), 1.05(t, 3H), 0.82(t, 3H).
【0076】
実施例8
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-ホルミルベンゾフラン-4-カルボキシレート1j(40 mg, 0.11 mmol)、ピロリジン(15 mg, 0.22 mmol)及び酢酸(30 mg, 0.55 mmol)を5 mLのメタノールに溶解した。混合物を1時間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(70 mg, 0.33 mmol)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色油の標記化合物メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート8a(44 mg, 収率 95%)を得た。
工程2
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート8a(56 mg, 0.13 mmol)を1 mLのテトラヒドロフラン及び5 mLのメタノールに溶解した後、2 mLの4M水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、濃塩酸を加え、pHを4に調整した後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)に溶解し、濾過した。濾過ケーキをジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)で洗浄した。濾液を合わせ、減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸8bの粗製品(50 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
MS m/z (ESI): 399.0 [M-1]
工程3
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸8bの粗製品(25 mg, 0.60 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(15 mg, 0.09 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(12 mg, 0.09 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(387 mg, 3.0 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、3-(アミノメチル)-4-メトキシ-6-メチル
ピリジン-2(1H)-オン塩酸塩1o(16 mg, 0.078 mmol)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド8(12 mg, 収率 36%)を得た。
MS m/z (ESI): 551.6 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.43(s, 1H), 7.99(t, 1H), 7.37(s, 1H), 6.50(s, 1H), 6.10(s, 1H), 4.28(d, 2H), 3.84(brs, 2H), 3.82(s, 3H), 3.71(brs, 2H), 3.18-3.26(m, 4H), 3.03-3.07(m, 2H), 2.92-2.97(m, 1H), 2.78-2.81(m, 2H), 2.17(s, 3H), 1.70(brs, 4H), 1.64(brs, 2H), 1.46-1.54(m, 2H), 1.23(brs, 2H), 1.05(t, 3H), 0.82(t, 3H).
【0077】
実施例9
N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル2-ブロモ-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート1i(1 g, 3.0 mmol)を15 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、-70℃で1.8 mLの2Mリチウムジイソプロピルアミドを滴下した。混合物を90分間攪拌した後、1,2-ジブロモテトラクロロエタン(978 mg, 3 mmol)を加えた。反応溶液を1時間攪拌し、室温に加熱した。塩化アンモニウム溶液を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物メチル2-ブロモ-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート9a(320 mg, 収率 40%)を得た。
工程2
tert-ブチル4-(5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4-(メトキシカルボニル)ベンゾフラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
メチル2-ブロモ-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート9a(1.4 g, 3.4 mmol)、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(1.6 g, 5.1 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(312 mg, 0.34 mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(325 mg, 0.68 mmol)及び炭酸セシウム(3.4 g, 10.2 mmol)を50 mLの1,4-ジオキサンと水の混合物(V:V=4:1)と混合した。この混合物を80℃に加熱し、16時間攪拌した。反応溶液をセライトパットに通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。水を濾液に加え、2つの層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、紫色油の標記化合物tert-ブチル4-(5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4-(メトキシカルボニル)ベンゾフラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート9b(1.67 g, 収率 95%)を得た。
工程3
tert-ブチル4-(5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4-(メトキシカルボニル)ベンゾフラン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル4-(5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4-(メトキシカルボニル)ベンゾフラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート9b(1.7 g, 3.3 mmol)を23 mLのメタノールとテトラヒドロフランの混合物(V:V=20:3)に溶解した後、Pd/C (200 mg, 10%)を加えた。反応系を水素で3回パージし、1時間攪拌した。反応溶液をセライトパットに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、淡い黄色油の標記化合物tert-ブチル4-(5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4-(メトキシカルボニル)ベンゾフラン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート9c(1.6 g, 収率 94%)を得た。
MS m/z (ESI): 515.0 [M+1]
工程4
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート2,2,2-トリフルオロアセテート
tert-ブチル4-(5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4-(メトキシカルボニル)ベンゾフラン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート9c(1.6 g, 3.3 mmol)を20 mLのジクロロメタンに溶解した後、4 mLのトリフルオロ酢酸を加えた。混合物を2時間攪拌した後、減圧下で濃縮した。淡い黄色油の標記化合物メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート2,2,2-トリフルオロアセテート9dの粗製品(1.3 g)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
MS m/z (ESI): 415.3 [M+1]
工程5
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート2,2,2-トリフルオロアセテート9dの粗製品(1.3 g, 3.1 mmol)を30 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、炭酸カリウム(1.3 g, 8.4 mmol)を加えた。混合物を10分間攪拌した後、2-ブロモプロパン(575 mg, 4.7 mmol)及びヨウ化カリウム(261 mg, 1.5 mmol)を加えた。混合物を70℃で2時間攪拌した後、水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色油の標記化合物メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート9e(1.4 g, 収率 90%)を得た。
MS m/z (ESI): 457.0 [M+1]
工程6
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボン酸
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート9e(1.1 g, 2.4 mmol)を30 mLのメタノールに溶解した後、5 mLの4M水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で16時間攪拌した後、濃塩酸を加え、反応溶液のpHを4に調整し
た。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)に溶解し、濾過した。濾過ケーキをジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=5:1)で洗浄した。濾液を合わせ、減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボン酸9fの粗製品(1.4 g)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
MS m/z (ESI): 443.3 [M+1]
工程7
N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボン酸9fの粗製品(1.1 g, 2.5 mmol)を20 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(715 mg, 3.7 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(510 mg, 3.7 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.6 g, 12.5 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、3-(アミノメチル)-4,6-ジメチルピリジン-2(1H)-オン塩酸塩2a(470 mg, 2.5 mmol)を加えた。混合物を16時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド9(850 mg, 収率 59%)を得た。
MS m/z (ESI): 577.7 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.50(s, 1H), 8.16(t, 1H), 7.38(s, 1H), 6.37(brs, 1H), 5.87(s, 1H), 4.31(d, 2H), 3.82(d, 2H), 3.21(t, 2H), 3.01-3.07(m, 4H), 2.91-2.96 (m, 1H), 2.79-2.81(m, 2H), 2.24(s, 3H), 2.17(brs, 2H), 2.12(s, 3H), 2.02(brs, 2H), 1.63-1.66(brd, 2H), 1.45-1.54(m, 2H), 1.25(brs, 6H), 1.01(t, 3H), 0.81(t, 3H).
【0078】
実施例10
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボン酸9fの粗製品(30 mg, 0.07 mmol)を5 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(20 mg, 0.1 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(15 mg, 0.1 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(45 mg, 0.34 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、3-(アミノメチル)-4-メトキシ-6-メチル
ピリジン-2(1H)-オン塩酸塩1o(21 mg, 0.1 mmol)を加えた。混合物を16時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド10(31 mg, 収率 77%)を得た。
MS m/z (ESI): 593.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.44(s, 1H), 7.95(brs, 1H), 7.36(s, 1H), 6.37(brs, 1H), 6.11(s, 1H), 4.28(d, 2H), 3.84(brs, 2H), 3.82(s, 3H), 3.21(t, 3H), 3.01-3.06(m, 3H), 2.90-2.96(m, 2H), 2.77-2.83(m, 3H), 2.19(s, 3H), 2.01(brs, 4H), 1.63-1.67(brd, 2H), 1.45-1.53(m, 2H),1.22(brs, 6H), 1.04(t, 3H), 0.81(t, 3H).
【0079】
実施例11
N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド11
工程1
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-(ピペラジン-1-イルメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート11a
5a(60 mg, 0.12 mmol)を5 mLのジクロロメタンに溶解した後、0.5 mLのトリフルオロ酢酸を加えた。2時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、炭酸ナトリウムの飽和溶液で中和し、ジクロロメタンとメタノールの混合物で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色固体の標記化合物11aの粗製品(45 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程2
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸11b
11aの粗製品(25 mg, 0.06 mmol)を5 mLのエタノールに溶解した後、2,2-ジメチルオキシラン(6.5 mg, 0.09 mmol)及び炭酸カリウム(17 mg, 0.12 mmol)を加えた。混合物を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、混合物を濾過し、12M塩酸を加え、pHを4に調整した。混合物を減圧下で濃縮し、生成した残渣を高速液体クロマトグラフィーで精製し、白色固体の標記化合物11b(15 mg, 収率 52%)を得た。
工程3
N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド11
11b(15 mg, 0.031 mmol)を4 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(9 mg, 0.046 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(7 mg, 0.046 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(20 mg, 0.155 mmol)を前記反応溶液に加えた。混合物を1時間攪拌した後、2a(9 mg, 0.046 mmol)を前記反応溶液に加えた。混合物を12時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=10:1)(10 mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(20 mL)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物11(13 mg, 収率 70%)を得た。
MS m/z (ESI): 622.7 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.48(brs, 1H), 8.17(t, 1H), 7.39(s, 1H), 6.48(s, 1H), 5.86(s, 1H), 4.32(d, 2H), 4.04(brs, 1H), 3.83(brd, 2H), 3.58(s, 2H), 3.21(t, 2H), 3.04(q, 2H), 2.91-2.97(m, 1H), 2.79(q, 2H), 2.56(brs, 4H), 2.45(brs, 4H), 2.23(s, 3H), 2.16(brs, 2H), 2.11(s, 3H), 1.63-1.66(m, 2H), 1.48-1.52(m, 2H), 1.00-1.06(m, 9H), 0.82(t, 3H).
【0080】
実施例12
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド12
工程1
メチル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート12a
5a(74 mg, 0.14 mmol)を10 mLの1,2-ジクロロエタンに溶解した後、1.0 mLのトリフルオロ酢酸を加えた。1時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。その後、残渣に5 mLのメタノール、ホルムアルデヒド(61 mg, 1.4 mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(88 mg, 0.42 mmol)を順次に加えた。混合物を3時間攪拌した。反応終了後、混合物を減圧下で濃縮し、20 mLの炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、ジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)(10 mL)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物12a(60 mg, 収率 97%)を得た。
工程2
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸12b
12a(60 mg, 0.13 mmol)を4 mLのメタノールに溶解した後、4 mLの20%水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、12 M塩酸を加え、pHを4に調整した。混合物を減圧下で濃縮した後、残渣を10 mLのメタノールに溶解し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色固体の標記化合物12bの粗製品(55 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程3
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド12
12bの粗製品(25 mg, 0.058 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(17 mg, 0.087 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(12 mg, 0.087 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(38 mg, 0.29 mmol)を加えた。混合物を2時間攪拌した後、1o(18 mg, 0.087 mmol)を反応溶液に加えた。混合物を12時間攪拌した。反応終了後、20 mLの水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水(10 mL)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物12(22 mg, 収率 65%)を得た。
MS m/z (ESI): 580.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.43(brs, 1H), 7.99(s, 1H), 7.38(s, 1H), 6.56(s, 1H), 6.10(s, 1H), 4.28(d, 2H), 3.85(brs, 2H), 3.82(s, 3H), 3.63(s, 2H), 3.21(t, 2H), 3.02-3.07(m, 2H), 2.92-2.97(m, 1H), 2.79-2.81(m, 2H), 2.58(brs, 4H), 2.40(brs, 4H), 2.18(s, 3H), 1.64-1.66(m, 2H), 1.46-1.55(m, 2H), 1.05(t, 3H), 0.82(t, 3H).
【0081】
実施例13
2-((ジメチルアミノ)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド13
工程1
メチル2-((ジメチルアミノ)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート13a
1j(30 mg, 0.084 mmol)を5 mLのメタノールに溶解した後、ジメチルアミン塩酸塩(14 mg, 0.17 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(53 mg, 0.25 mmol)を加えた。混合物を12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、ジクロロメタンとメタノールの混合物で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物13a(30 mg, 収率 90%)を得た。
工程2
2-((ジメチルアミノ)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボン酸13b
13a(30 mg, 0.077 mmol)を3 mLのエタノール及び1 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、5 mLの2N水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、濃塩酸で反応溶液を弱酸性に調整した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=1:1)に溶解し、濾過し、無機塩を除去した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色油の標記化合物13bの粗製品(25 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程3
2-((ジメチルアミノ)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド13
13bの粗製品(15 mg, 0.040 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(7.7 mg, 0.04 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(8 mg, 0.060 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(26 mg, 0.20 mmol)を加えた。混合物を0.5時間攪拌した後、1o(11 mg, 0.052 mmol)を加えた。混合物を12時間攪拌した。反応終了後、過剰な水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)(10 mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(10 mL)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物13(7 mg, 収率 30%)を得た。
MS m/z (ESI): 525.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.44(brs, 1H), 8.00(brs, 1H), 7.37(s, 1H), 6.51(s, 1H), 6.10(s, 1H), 4.28(d, 2H), 3.85(brs, 2H), 3.82(s, 3H), 3.52(s, 2H), 3.21(t, 2H), 3.02-3.06(m, 2H), 2.92-2.96(m, 1H), 2.77-2.83(m, 2H), 2.19(s, 6H), 2.17(s, 3H), 1.63-1.67(m, 2H), 1.46-1.53(m, 2H), 1.06(t, 3H), 0.82(t, 3H).
【0082】
実施例14
2-シクロペンチル-N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキサミド14
工程1
メチル2-(シクロペント-1-エン-1-イル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート14b
9a(70 mg, 0.17 mmol)、2-(シクロペンタ-1-エン-1-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン14a(40 mg, 0.20 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(16 mg, 0.017 mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(16 mg, 0.034 mmol)及び炭酸ナトリウム(52 mg, 0.51 mmol)を5 mLのトルエンに溶解した。アルゴン雰囲気下で混合物を100℃で12時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物14b(50 mg, 収率 75%)を得た。
工程2
メチル2-シクロペンチル-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート14c
14b(75 mg, 0.19 mmol)を5 mLのメタノールに溶解した後、20 mgの10% Pd/Cを加えた。反応系水素で3回パージし、1時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色油の標記化合物14c(55 mg, 収率 73%)を得た。
工程3
2-シクロペンチル-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボン酸14d
14c(55 mg, 0.14 mmol)を5 mLのメタノールとテトラヒドロフランの混合物(V:V=3:2)に溶解した後、2 mLの2N水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、混合物を減圧下で濃縮し、有機溶媒を除去し、12M塩酸で中和し、pHを3に調整し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(10 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、無色油の標記化合物14dの粗製品(45 mg, 収率 85%)を得た。
工程4
2-シクロペンチル-N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキサミド14
14d(15 mg, 0.065 mmol)を4 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(20 mg, 0.097 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(15 mg, 0.097 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(50 mg, 0.33 mmol)を反応溶液に加えた。混合物を1時間攪拌した後、2a(18 mg, 0.097 mmol)を加えた。混合物を12時間攪拌した。反応終了後、20 mLの水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物14(18 mg, 収率 53%)を得た。
MS m/z (ESI): 520.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.49(brs, 1H), 8.09(s, 1H), 7.35(s, 1H), 6.30(s, 1H), 5.87(s, 1H), 4.31(d, 2H), 3.82(brd, 2H), 3.16-3.23(m, 3H), 3.03(q, 2H), 2.90-2.96(m, 1H), 2.79(q, 2H), 2.24(s, 3H), 2.11(s, 3H), 2.00(brd, 2H), 1.67(brs, 8H), 1.43-1.53(m, 2H), 1.01(t, 3H), 0.81(t, 3H).
【0083】
実施例15
N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル2-ブロモ-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート15a
4g(330 mg, 1.04 mmol)を6 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、アルゴン雰囲気下及び-70℃で0.63 mLの2Mリチウムジイソプロピルアミド滴下した。混合物を1時間攪拌した後、20 mLの用時調製した1,2-ジブロモテトラクロロエタンのテトラヒドロフラン溶液(170 mg, 0.53 mmol)を加えた。混合物をゆっくり加熱し、1時間攪拌した。反応終了後、5 mLの塩化アンモニウムの飽和溶液を加え、反応を急冷させ、混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物15a(145 mg, 収率 35%)を得た。
工程2
tert-ブチル4-(6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4-(メトキシカルボニル)-5-メチルベンゾフラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート15b
15a(90 mg, 0.23 mmol)、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(105 mg, 0.34 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(21 mg, 0.023 mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(22 mg, 0.045 mmol)及び炭酸ナトリウム(72 mg, 0.68 mmol)を5 mLの1,4-ジオキサンと水の混合物(V:V=4:1)に溶解した。アルゴン雰囲気下で混合物を90℃で12時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトパットに通して濾過し、2つの層を分離した。有機層を水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物15b(100 mg, 収率 88%)を得た。
工程3
tert-ブチル4-(6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-4-(メトキシカルボニル)-5-メチルベンゾフラン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシラート15c
15b(100 mg, 0.2 mmol)を6 mLのエタノールに溶解し、30 mgの10%Pd/Cを加えた。反応系を水素で3回パージし、0.5時間攪拌した。反応溶液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物15c(80 mg, 収率 80%)を得た。
工程4
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート15d
15c(80 mg, 0.16 mmol)を10 mLのジクロロメタンに溶解した後、1 mLのトリフルオロ酢酸を加えた。1時間攪拌した後、混合物を減圧下で濃縮した。5 mLのメタノール及び5 mLのホルムアルデヒドを加え、混合物を1時間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(100 mg, 0.48 mmol)を加えた。3時間攪拌した後、反応溶液を減圧下で濃縮し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、ジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物15d(60 mg, 収率 90%)を得た。
工程5
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボン酸
15d(30 mg, 0.072 mmol)を5 mLのメタノール及び2 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、2 mLの4M水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で12時間攪拌した。12 M塩酸を加え、反応溶液のpHを4に調整し、混合物を減圧下で濃縮した。残渣を10 mLのメタノールに溶解し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物15eの粗製品(30 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程6
N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド15
15eの粗製品(25 mg, 0.06 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(18 mg, 0.094 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(15 mg, 0.094 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(40 mg, 0.31 mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、2a(18 mg, 0.094 mmol)を加えた。混合物を12時間攪拌した。反応終了後、20 mLの水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物15(24 mg, 収率 73%)を得た。
MS m/z (ESI): 535.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.50(brs, 1H), 8.10(s, 1H), 7.34(s, 1H), 6.29(s, 1H), 5.87(s, 1H), 4.31(d, 2H), 3.81(brd, 2H), 3.22(t, 2H), 3.03(q, 2H), 2.91-2.94(m, 1H), 2.80(brd, 2H), 2.67(brs, 1H), 2.23(s, 3H), 2.22(s, 3H), 2.18(s, 3H), 2.11(s, 3H), 1.92-2.02(m, 4H), 1.61-1.64(m, 4H), 1.45-1.48(m, 2H), 0.78(t, 3H).
【0084】
実施例16
N-((4,6-ジメチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド16
実施例12の合成経路に従い、出発原料5aの代わりに15bを、また、1oの代わりに2aをそれぞれ用い、白色固体の標記化合物16(18 mg, 収率 62%)を調製した。
MS m/z (ESI): 533.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.51(brs, 1H), 8.17(t, 1H), 7.35(s, 1H), 6.58(s, 1H), 6.35(s, 1H), 5.87(s, 1H), 4.31(d, 2H), 3.81(brd, 2H), 3.19-3.25(m, 3H), 3.02-3.07(m, 3H), 2.90-2.97(m, 1H), 2.43(brs, 2H), 2.23(s, 3H), 2.22(s, 3H), 2.11(s, 3H), 1.62-1.64(m, 2H), 1.44-1.51(m, 2H), 1.17(t, 2H), 0.79(t, 3H).
【0085】
実施例17
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド17
実施例12の合成経路に従い、出発原料5aの代わりに9cを用い、白色固体の標記化合物17(17 mg, 収率 50%)を調製した。
MS m/z (ESI): 565.2 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.43(brs, 1H), 7.94(brs, 1H), 7.35(s, 1H), 6.39(brs, 1H), 6.10(s, 1H), 4.27(d, 2H), 3.83(brs, 2H), 3.81(s, 3H), 3.20(t, 2H), 3.02(q, 2H), 2.90-2.95(m, 2H), 2.79(q, 2H), 2.44(brs, 4H), 2.18(s, 3H), 2.07(brs, 2H), 1.81(brs, 2H), 1.62-1.64(m, 2H), 1.43-1.52(m, 2H), 1.03(t, 3H), 0.80(t, 3H).
【0086】
実施例18
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキサミド18
工程1
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボン酸18a
4g(45 mg, 0.142 mmol)を4 mLのメタノールと水の混合物(V:V=1:1)に溶解した後、水酸化ナトリウム(60 mg, 1.58 mmol)を加えた。混合物を70℃で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、メタノールを除去した。10%塩酸を加え、pHを3に調整し、混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物18a(40 mg, 収率 93%)を得た。
工程2
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキサミド18
18a(15 mg, 0.049 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(18.9 mg, 0.147 mmol)及び2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-
イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(27.9 mg, 0.0735 mmol)を加えた。反応系を0℃で1時間攪拌した。窒素雰囲気下で1o(12 mg, 0.0558 mmol)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、30 mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物18(4.4 mg, 収率 20%)を得た。
MS m/z (ESI): 454.2 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) d 10.90(s, 1H), 7.43(s, 1H), 7.27(s, 1H), 6.76(s, 1H), 6.61(s, 1H), 5.85(s, 1H), 4.52(brs, 2H), 3.90-3.93(brd, 2H), 3.82(s, 3H), 3.28(t, 2H), 3.02-3.07(m, 2H), 2.91-2.95(m, 1H), 2.29(s, 3H), 1.83(s, 3H), 1.56-1.68(m, 4H), 0.83(t, 3H).
【0087】
実施例19
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2,5-ジメチルベンゾフラン-4-カルボキサミド19
工程1
3-ブロモ-2-メチル-5-ニトロ安息香酸19b
2-メチル-5-ニトロ安息香酸(30 g, 0.166 mol, Bide)を70 mLの濃硫酸に溶解した後、N-ブロモスクシンイミド(35.4 g, 0.199 mol)を数回に分けて加えた。反応系60℃で3時間攪拌した。反応終了後、標記化合物19bの反応溶液を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程2
メチル3-ブロモ-2-メチル-5-ニトロベンゾエート19c
前記19bの反応溶液に100 mLのメタノールを加え、6時間連続に攪拌した。反応終了後、反応溶液を1Lの水に注ぎ入れ、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水(100 mL)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(200 mL)で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物19cの粗製品(53 g)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程3
メチル5-アミノ-3-ブロモ-2-メチルベンゾエート19d
19cの粗製品(52 g, 0.189 mol)を200 mLのエタノールに溶解した後、鉄粉(31.7 g, 0.569 mol)を加え、16 mLの4 N塩酸をゆっくり滴下した。混合物を75℃に加熱し、4時間攪拌した。反応終了後、200 mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(200 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物19d(27 g, 収率 59%)を得た。
工程4
メチル3-ブロモ-5-ヒドロキシ-2-メチルベンゾエート19e
19d(5 g, 0.02 mol)を50 mLの10%硫酸に溶解した後、0℃で10 mLの用時調製した亜硝酸ナトリウム溶液(1.55 g, 0.023 mol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、50 mLの50%硫酸を加えた。混合物を100℃に加熱し、1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物19e(1.4 g, 収率 29%)を得た。
工程5
メチル3-ブロモ-2-メチル-5-(プロプ-2-イン-1-イルオキシ)ベンゾエート19f
19e(0.5 g, 2.04 mmol)を20 mLのアセトンに溶解した後、3-ブロモプロパン (0.73 g, 6.12 mmol)及び炭酸カリウム(0.85 g, 6.12 mmol)を加えた。反応系を80℃で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮した後、20 mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色液体の標記化合物19f(0.5 g, 収率 86.7%)を得た。
工程6
メチル6-ブロモ-2,5-ジメチルベンゾフラン-4-カルボキシラート19g
19f(0.5 g, 1.76 mmol)及びフッ化セシウム(0.79 g, 5.28 mmol)を5 mLのN,N-ジエチルアニリンに加えた。マイクロ波で混合物を200℃で2時間攪拌した。反応終了後、20 mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色液体の標記化合物19g(0.2 g, 収率 40%)を得た。
工程7
メチル2,5-ジメチル-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート19h
19h(0.2 g, 0.70 mmol)、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン(14 mg, 0.14 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(64 mg, 0.07 mmol)、
(±)-2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(87.15 mg, 0.14 mmol)及び炭酸セシウム(455 mg, 1.4 mmol)を5 mLのトルエンに溶解した。窒素雰囲気下で混合物を110℃で12時間攪拌した。反応終了後、10 mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物19h(140 g, 収率 67%)を得た。
工程8
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2,5-ジメチルベンゾフラン-4-カルボキシレート19i
19h(90.0 g, 0.297 mmol)、アセトアルデヒド(39.2 mg, 0.89 mmol)及び酢酸 (89.1 mg, 1.48 mmol)を8 mLのメタノールに溶解した。混合物を0℃で1時間攪拌し、更に窒素雰囲気下及び室温で4時間攪拌した。そして、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(55.9 mg, 0.891 mmol)を加えた。混合物を12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、20 mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色液体の標記化合物19i(60 mg, 収率 61%)を得た。
工程9
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2,5-ジメチルベンゾフラン-4-カルボン酸19j
19i(60 mg, 0.18 mmol)及び水酸化カリウム(50.6 mg, 0.90 mmol)を4 mLのメタノールと水の混合物(V:V=1:1)に加えた。混合物を75℃で16時間攪拌した。反応終了後、混合物を冷却し、2N塩酸を加え、反応溶液のpHを3〜4に調整した。混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=10:1)(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色固体の標記化合物19jの粗製品(30 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程10
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-2,5-ジメチルベンゾフラン-4-カルボキサミド19
19jの粗製品(15 mg, 0.047 mmol)を2 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(18.3 mg, 0.14 mmol)及び2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-
イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(47.7 mg, 0.125 mmol)を加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した後、1o(11.58 mg, 0.057 mmol)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、50 mLの水を加えた後、混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=10:1)(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物19(20 mg, 収率 91%)を得た。
MS m/z (ESI): 468.2 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) d 11.57(s, 1H), 7.19(s, 1H), 6.38(s, 1H), 5.93(s, 1H), 5.36(s, 1H), 4.64(d, 2H), 3.95(brs, 2H), 3.91(s, 3H), 3.28-3.33(m, 2H), 3.03-3.05(m, 2H), 2.92-2.96(m, 1H), 2.37(s, 3H), 2.34(s, 3H), 2.19(s, 3H), 1.69(brs, 2H), 1.25(brs, 2H), 0.85(t, 3H).
【0088】
実施例20
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-3,5-ジメチルベンゾフラン-4-カルボキサミド20
実施例19の合成経路に従い、工程5に用いた出発原料3-ブロモプロパンの代わりに1-ブロモプロパン-2-オンを用い、白色固体の標記化合物20(17 mg, 収率 11%)を調製した。
MS m/z (ESI): 468.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) d 11.22(s, 1H), 7.27(s, 1H), 7.21(s, 1H), 6.94(s, 1H), 5.94(s, 1H), 4.61-4.62(brd, 2H), 3.92-3.95(brd, 2H), 3.89(s, 3H), 3.29(dt, 2H), 3.16-3.20(m, 3H), 2.29(s, 3H), 2.22(s, 3H), 2.11(s, 3H), 1.65(brs, 2H), 1.31(brs, 2H), 0.86(t, 3H).
【0089】
実施例21
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-トリフルオロメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル3-ブロモ-5-(2,2-ジエトキシエトキシ)ベンゾエート21b
3-ブロモ-5-ヒドロキシ安息香酸メチル21a(1.9 g, 8.23 mmol,“Journal of Medicinal Chemistry, 2013, 56(8), 3217-3227”に開示された方法で調製)を60 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-ブロモ-1,1-ジエトキシエタン(3.23 g, 16.4 mmol)及び炭酸セシウム(5.35 g, 16.4 mmol)を加えた。反応系を95℃で4時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を氷水に注ぎ入れ、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色油の標記化合物21bの粗製品(3.5 g)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程2
メチル6-ブロモベンゾフラン-4-カルボキシラート21c
ポリリン酸(5.46 g, 16.4 mmol)を20 mLのトルエンに加えた。混合物を115℃に加熱した後、攪拌しながら40 mLの用時調製した21bのトルエン溶液(3.5 g, 10 mmol)を加えた。混合物を5時間攪拌した。反応終了後、混合物を氷水に注ぎ入れ、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物21c(1.08 g, 収率 52%)を得た。
工程3
メチル6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート21d
21c(1.08 g, 4.25 mmol)、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン(0.644 g, 6.38 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(393 mg, 0.43 mmol)、
(±)-2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(267 mg, 0.43 mmol)及び炭酸セシウム(2.6 g, 8.5 mmol)を60 mLのトルエンに溶解した。窒素雰囲気下で混合物を36時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を氷水に注ぎ入れ、酢酸エチル(30 mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物21d(200 mg, 収率 17%)を得た。
工程4
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート21e
21d(200 mg, 0.727 mmol)、アセトアルデヒド(160 mg, 3.64 mmol)及び0.2 mLの酢酸を4 mLのメタノールに溶解した。24時間攪拌した後、混合物を0℃以下に冷却した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(227 mg, 3.6 mmol)を加え、混合物を室温まで自然加熱した。出発原料がほとんど消失するまでに反応をTLCでモニターした。反応終了後、反応溶液を0℃に冷却し、20 mLの炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を加え、反応を急冷させた。混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、緑黄色固体の標記化合物21e(140 mg, 収率 64%)を得た。
工程5
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-ヨードベンゾフラン-4-カルボキシラート21f
21e(13 mg, 0.043 mmol)を2 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、5滴のトリフルオロ酢酸を添加し、0℃でN-ヨードスクシンイミド(12 mg, 0.052 mL)を加えた。混合物を室温まで自然加熱した。出発原料がほとんど消失するまでに反応をTLCでモニターした。反応終了後、反応溶液を0℃に冷却し、炭酸ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物21f(16 mg, 収率 86%)を得た。
工程6
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート21g
21f(16 mg, 0.0373 mmol)、ヨウ化第一銅(36 mg, 0.187 mmol)及びメチルフルオロスルホニルジフルオロアセテート(140 mg, 0.75 mmol)を2 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。窒素雰囲気下で混合物を80℃で12時間攪拌した。反応終了後、混合物を減圧下で濃縮した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、緑黄色固体の標記化合物21g(10 mg, 収率 72%)を得た。
工程7
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸21h
21g(10 mg, 0.027 mmol)を4 mLのメタノールとテトラヒドロフランの混合物(V:V=1:1)に溶解した後、0.27 mLの2N水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で4時間攪拌した。反応終了後、混合物を減圧下で濃縮し、溶媒をほとんど除去した。0℃で2 mLのテトラヒドロフランを残渣に加え、1N塩酸を加え、pHを3〜4に調整した。混合物を減圧下で濃縮し、黄色固体の標記化合物21hの粗製品(9 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程8
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-トリフルオロメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド21
21hの粗製品(9 mg, 0.025 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-
イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(14 mg, 0.041 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(17 mg, 0.135 mmol)を加えた。混合物を20分間攪拌した後、1o(8.3 mg, 0.041 mmol)を反応溶液に加えた。混合物を5時間攪拌した。反応終了後、20 mLの塩化ナトリウムの飽和溶液を加え、混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物21(10 mg, 収率 78%)を得た。
MS (ESI) m/z: 508.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.98(brs, 1H), 7.53(m, 1H), 7.32(m, 1H), 6.92(s, 1H), 5.96(s, 1H), 4.65(d, 2H), 4.09-4.05(m,2H), 3.92(s, 3H), 3.89-3.85(m, 1H), 3.55-3.50 (m, 2H), 3.37(q, 2H), 2.27(s, 3H), 1.85-1.79(m, 4H), 1.20(t, 3H).
【0090】
実施例22
5-クロロ-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル3-ブロモ-2-クロロ-5-ニトロベンゾエート22b
メチル2-クロロ-5-ニトロベンゾエート(6.0 g, 27.8 mmol)を30 mLの濃硫酸に溶解した後、N-ブロモスクシンイミド(5.2 g, 29.2 mmol)を前記反応溶液に加えた。反応系を60℃で1時間攪拌した。反応終了後、反応系を300 mLの氷水に注ぎ入れ、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(100 mL)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、淡い緑色固体の標記化合物22bの粗製品(7.58 g)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程2
メチル5-アミノ-3-ブロモ-2-クロロベンゾエート22c
22bの粗製品(7.5 g, 25 mmol)を55 mLのエタノールと水の混合物(V:V=8:3)に溶解し、塩化アンモニウム(11.2 g, 203 mmol)を加えた。反応系を70℃に加熱し、鉄粉(7.1 g, 127 mmol)を加え、2時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトパットに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチル(50 mL ×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色固体の標記化合物22cの粗製品(5.0 g)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程3
メチル3-ブロモ-2-クロロ-5-ヨードベンゾエート22d
22cの粗製品(7.0 g, 26.5 mmol)を50 mLの40%硫酸及び10 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した。混合物を0℃に冷却し、5 mLの用時調製した亜硝酸ナトリウム溶液(2.0 g, 29.1 mmol)を滴下した。混合物を1時間攪拌した後、50 mLの用時調製したヨウ化カリウム溶液(22 g, 132 mmol)を前記反応溶液に加えた。混合物を70℃に加熱し、30分間攪拌した。反応終了後、混合物を酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水(100 mL)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、淡い黄色固体の標記化合物22d(8.0 g, 収率 80%)を得た。
工程4
3-ブロモ-2-クロロ-5-ヒドロキシ安息香酸22e
22d(7.0g, 18.7 mmol)を10 mLのテトラヒドロフランに溶解した後、70 mLの4N水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で2時間攪拌した後、減圧下で濃縮し、有機溶媒を除去し、亜酸化銅(7.7 g, 53.5mmol)を加えた。マイクロ波で混合物を120℃で1時間攪拌した。反応終了後、混合物を濾過した。濾液を12M塩酸で中和し、酢酸エチル(100 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、褐色油の標記化合物22eの粗製品(6.0 g)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程5
メチル3-ブロモ-2-クロロ-5-ヒドロキシベンゾエート22f
22eの粗製品(6.0 g, 24 mmol)を30 mLのメタノールに溶解した後、反応溶液に2 mLの濃硫酸を滴下した。反応系を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、混合物を減圧下で濃縮し、50 mLの酢酸エチルに溶解した。100 mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水(100 mL)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(100 mL)で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物22f(3.3 g, 収率 52%)を得た。
工程6
メチル3-ブロモ-2-クロロ-5-(2,2-ジエトキシエトキシ)ベンゾエート22g
22f(3.3 g, 12.5 mmol)を30 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-ブロモ-1,1-ジエトキシエタン(2.96 g, 15 mmol)及び炭酸カリウム(3.4 g, 25 mmol)を加えた。混合物を120℃で3時間攪拌した。反応終了後、150 mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(50 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水(100 mL)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(100 mL)で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色油の標記化合物22 g(3.5 g, 収率 74%)を得た。
工程7
メチル6-ブロモ-5-クロロベンゾフラン-4-カルボキシラート22h
ポリリン酸(1.0 g)を15 mLのトルエンに加えた。混合物を100℃に加熱し、攪拌しながら10 mLの用時調製した22gのトルエン溶液(780 mg, 2.1 mmol)を加えた。混合物を4時間攪拌した。反応終了後、上清を分離し、残渣に水を加え、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。酢酸エチル層及び上清を合わせ、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(30 mL)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(100 mL)で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、淡い黄色固体の標記化合物22h(150 g, 収率 25%)を得た。
工程8
メチル5-クロロ-6-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート22i
22h(120 mg, 0.41 mmol)、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン(60 mg, 0.6 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(38 g, 0.04 mmol)、
(±)-2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(26 mg, 0.04 mmol)及び炭酸セシウム(405 mg, 1.24 mmol)を2 mLのトルエンに溶解した。アルゴン雰囲気下で反応系を80℃で16時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトパットに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物22i(125 mg, 収率 87%)を得た。
工程9
メチル5-クロロ-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート22j
22i(50 mg, 0.16 mmol)、アセトアルデヒド(36 mg, 0.81 mmol)及び酢酸(49 mg, 0.81 mmol)を5 mLの1,2-ジクロロエタンに加えた。混合物を2時間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(102 mg, 0.48 mmol)を加えた。混合物を12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水(50 mL)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(50 mL)で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物22j(26 mg, 収率 50%)を得た。
工程10
5-クロロ-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボン酸22k
22j(51 mg, 0.16 mmol)を3 mLのテトラヒドロフランとメタノールの混合物(V:V=1:2)に溶解した後、3 mLの2N水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で1時間攪拌した。反応終了後、混合物を減圧下で濃縮し、有機溶媒を除去し、12 M塩酸を加え、反応溶液のpHを5に調整し、混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、赤褐色油の標記化合物22kの粗製品(42 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程11
5-クロロ-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド22
22kの粗製品(8 mg, 0.025 mmol)を1 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-(7-アザベンゾトリアゾール
-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(14 mg, 0.037 mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(16 mg, 0.12 mmol)及び1o(7 mg, 0.032 mmol)を前記溶液に加えた。混合物を12時間攪拌した。反応終了後、10 mLの水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水(50 mL)及び塩化ナトリウムの飽和(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物22(8 mg, 収率 70%)を得た。
MS (ESI) m/z: 474.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.46(brs, 1H), 8.17(s, 1H), 7.97(s, 1H), 7.56(s, 1H), 6.78(s, 1H), 6.10(s, 1H), 4.27(d, 2H), 3.85(brs, 2H), 3.82(s, 3H), 3.23(t, 2H), 3.11-3.15(m, 3H), 2.18(s, 3H), 1.66-1.69(m, 2H), 1.50-1.57(m, 2H), 0.83(t, 3H).
【0091】
実施例23
N-((4-(5-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチル-6-(メチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル5-メチル-6-(メチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート23a
4f(60 mg, 0.208 mmol)を5 mLのメタノールに溶解した後、ホルムアルデヒド(18.7 mg, 0.623 mmol)及び酢酸(62.4 mg, 1.04 mmol)を加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した後、室温に加熱した。混合物を12時間攪拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(39.2 mg, 0.624 mmol)を前記溶液に加えた。反応を6時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮した後、20 mLの水を加え、酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色液体の標記化合物23a(50 mg, 収率 75%)を得た。
工程2
5-メチル-6-(メチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボン酸23b
23a(50 mg, 0.165 mmol)を2 mLのメタノールと水の混合物(V:V=1:1)に溶解した後、水酸化ナトリウム(33 mg, 0.825 mmol)を加えた。反応系を75℃で16時間攪拌した。反応終了後、混合物を室温に冷却した。2N塩酸を加え、反応溶液のpHを3〜4に調整し、混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(30 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色液体の標記化合物23b(20 mg, 収率 48%)を得た。
工程3
N-((4-(5-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチル-6-(メチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキサミド23
23b(15 mg, 0.052 mmol)を2 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-(7-アザベンゾトリアゾール
-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(47.7 mg, 0.125 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(18.3 mg, 0.14 mmol)を加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した後、1o(11.58 mg, 0.057 mmol)を加えた。混合物を12時間攪拌した。反応終了後、50 mLの水を加え、反応溶液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=10:1)(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(30 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物23(21 mg, 収率 91%)を得た。
MS (ESI) m/z: 440.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.30(brs, 1H), 7.48(d, 1H), 7.18(brs, 1H), 6.74(s, 1H), 5.94(s, 1H), 4.64(d, 2H), 3.95-3.98(m, 2H), 3.91(s, 3H), 3.30-3.36(m, 2H), 2.96-3.01 (m, 1H), 2.65(s, 3H), 2.39(s, 3H), 2.19(s, 3H), 1.69-1.73(m, 2H), 1.45(brs, 2H).
【0092】
実施例24
6-(((1r,4r)-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル6-(((1r、4r)-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート24b
4e(200 mg, 0.75 mmol)、(1r, 4r)-N1,N1-ジメチルシクロヘキサン-1,4-ジアミン24a(260 mg, 1.49 mmol, “Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,
2011, 21(15), 4622-4628”に開示された方法で調製)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(137 mg, 0.15 mmol)、
(±)-2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(140 mg, 0.22 mmol)及び炭酸セシウム(731.25 mg, 2.25 mmol)を20 mLのトルエンに溶解した。窒素雰囲気下及び還流下で反応系を12時間攪拌した。反応終了後、100 mLの水を反応系に加え、混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=10:1)(20 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色固体の標記化合物24b(15 mg, 収率 6.1%)を得た。
工程2
メチル6-(((1r、4r)-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート24c
24b(15 mg, 0.045 mmol)、アセトアルデヒド(6.3 mg, 0.136 mmol)及び酢酸 (13.3 mg, 0.22 mmol)3 mLのエタノールに加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した後、室温までゆっくり加熱し、12時間攪拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(8.5 mg, 0.135 mmol)を加え、混合物を10時間攪拌した。反応終了後、反応系に20 mLの水を加え、ジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=10:1)(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(30 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色固体の標記化合物24cの粗製品(20 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程3
6-(((1r、4r)-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボン酸24d
24cの粗製品(20 mg, 0.056 mmol)を4 mLのメタノールと水の混合物(V:V=1:1)に溶解した後、水酸化カリウム(18.7 mg, 0.335 mmol)を加えた。混合物を80℃で12時間攪拌した。反応終了後、2N塩酸を加え、反応溶液のpHを3〜4に調整した。混合物を減圧下で濃縮した後、粗製品を8 mLの塩化メチレンとテトラヒドロフランの混合物(V:V=1:1)に溶解し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、褐色固体の標記化合物24dの粗製品(25 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程4
6-(((1r,4r)-4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)(エチル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキサミド24
24dの粗製品(25 mg, 0.073 mmol)を2 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-(7-アザベンゾトリアゾール
-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(41.8 mg, 0.110 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(28 mg, 0.219 mmol)を加えた。反応を0℃で1時間攪拌した。1o(11.58 mg, 0.057 mmol)を加え、混合物を12時間攪拌した。反応終了後、2 mLの水を加え、反応を急冷させ、混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物24(4.9 mg, 収率 14%)を得た。
MS (ESI) m/z: 495.4 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.62(brs, 1H), 7.49(s, 1H), 7.20(brs, 1H), 6.77(s, 1H), 5.93(s, 1H), 5.35(brs, 1H), 4.66(d, 2H), 3.91(s, 3H), 3.07(q, 2H), 2.65-2.71(m, 1H), 2.39(s, 3H), 2.21(s, 6H), 2.15(s, 3H), 2.02(brs, 1H), 1.85-1.93(m, 4H), 1.32-1.43(m, 4H), 0.86(t, 3H).
【0093】
実施例25
6-(エチル(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
tert-ブチル4-((4-(メトキシカルボニル)-5-メチルベンゾフラン-6-イル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシラート25b
4e(810 mg, 3.02 mmol)、tert-ブチル4-アミノピペリジン-1-カルボキシラート25a(1200 mg, 6.04 mmol,“Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2011, 21(3), 983-988”に開示された方法で調製)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(553 mg, 0.604 mmol)、
(±)-2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(564 mg, 6.04 mmol)及び炭酸セシウム(1.96 g, 6.04 mmol)を10 mLのトルエンに溶解した。混合物を110℃で72時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトに通して濾過した。60 mLの酢酸エチルを加え、混合物を塩化ナトリウムの飽和溶液(100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色液体の標記化合物25b(1 g, 収率 83%)を得た。
工程2
tert-ブチル4-(エチル(4-(メトキシカルボニル)-5-メチルベンゾフラン-6-イル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシラート25c
25b(1 g, 2.58 mmol)を10 mLのメタノールに溶解した後、アセトアルデヒド(360 mg, 7.73 mmol)及び酢酸(774 mg, 12.9 mmol)を加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した後、室温に加熱し、12時間攪拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(486 mg, 7.74 mmol)を加え、混合物を10時間攪拌した。反応終了後、反応溶液に50 mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液 (100 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色液体の標記化合物25c(573.8 mg, 収率 62.8%)を得た。
工程3
メチル6-(エチル(ピペリジン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート25d
25c(184 mg, 0.58 mmol)を12 mLのジクロロメタンに加えた後、3 mLのトリフルオロ酢酸を加えた。混合物を2時間攪拌した。反応終了後、混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、褐色液体の標記化合物25dの粗製品(156)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程4
メチル6-(エチル(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキシラート25e
25dの粗製品(52 mg, 0.16 mmol)を10 mLジクロロメタンに加え、トリエチルアミン(64.6 mg, 0.64 mmol)を加えた後、0℃で塩化メタンスルホニル(37.8 mg, 0.33 mmol)を加えた。混合物を室温までゆっくり加熱し、12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液に50 mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色液体の標記化合物25e(20 mg, 収率 33%)を得た。
工程5
6-(エチル(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボン酸25f
25e(20 mg, 0.05 mmol)を1 mLのメタノール及び1 mLの水に溶解した後、水酸化カリウム(14.2 mg, 0.25 mmol)を加えた。混合物を70℃で12時間攪拌した。反応終了後、2N塩酸を加え、反応溶液のpHを3〜4に調整し、混合物をジクロロメタンとテトラヒドロフランの混合物(V:V=1:1)(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、無色液体の標記化合物25fの粗製品(16 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程6
6-(エチル(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキサミド25
25fの粗製品(8 mg, 0.21 mmol)を2 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-(7-アザベンゾトリアゾール
-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(12 mg, 0.0315 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(8 mg, 0.063 mmol)を前記溶液に加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した。1o(5.2 mg, 0.025 mmol)を加え、反応を室温で48時間攪拌した。反応終了後、20 mLの水を加え、混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=10:1)(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物25(12.5 mg, 収率 11%)を得た。
MS (ESI) m/z: 531.2 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.5(brs, 1H), 7.51(d, 1H), 7.29(s, 1H), 7.22(brs, 1H), 6.77(s, 1H), 5.96(s, 1H), 4.65(d, 2H), 3.92(s, 3H), 3.72-3.69(m, 2H), 3.17-3.11(m, 1H), 3.07(q, 2H), 2.96-2.89(m, 2H), 2.74(s, 3H), 2.67(t, 2H), 2.39(s, 3H), 2.19(s, 3H), 1.90-1.71(m, 4H), 0.88(t, 3H).
【0094】
実施例26
6-((1-アセチルピペリジン-4-イル)(エチル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキサミド26
実施例25の合成経路に従い、工程4に用いた出発原料塩化メタンスルホニルの代わりに無水酢酸を用い、白色固体の標記化合物26(10.1 mg, 収率 50%)を調製した。
MS (ESI) m/z: 495.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.76(brs, 1H), 7.45(brs, 1H), 6.80(brs, 1H), 6.30(s, 1H), 4.53(s, 2H), 3.96(s, 3H), 3.91(brs, 2H), 3.36-3.30(m, 2H), 3.23(q, 2H), 3.11-3.05 (m, 3H), 2.41(brs, 3H), 2.33(s, 3H), 2.07(s, 3H), 1.85(brs, 2H), 1.60(brs, 2H), 0.90(t, 3H).
【0095】
実施例27
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-フルオロ-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボン酸27a
1i(260 mg, 0.79 mmol)を15 mLのメタノールとテトラヒドロフランの混合物(V:V=2:1)に溶解した後、5 mLの4 N水酸化ナトリウム溶液を加えた。混合物を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、12 M塩酸を加え、反応溶液のpHを4に調整し、混合物を酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物27aの粗製品(220 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程2
4-メトキシベンジル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)ベンゾフラン-4-カルボキシラート27b
27aの粗製品(170 mg, 0.54 mmol)を15 mLのアセトンに溶解した後、1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン(168 mg, 1.07 mol, Accela)及び炭酸カリウム(148 mg, 1.07 mmol)を前記溶液に加えた。混合物を48時間攪拌した。反応終了後、混合物を減圧下で濃縮し、30 mLの水及び20 mLの酢酸エチルを順次に加えた。2つの層を分離し、水層を酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色油の標記化合物27b(230 mg, 収率 99%)を得た。
工程3
4-メトキシベンジル5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-フルオロベンゾフラン-4-カルボキシラート27c
27b(230 mg, 0.53 mmol)を8 mLのテトラヒドロフランに加えた。混合物を-70℃に冷却し、0.79 mLの2.0 Mリチウムジイソプロピルアミドを加え、混合物を-70℃で1時間攪拌した。N-フルオロジベンゼンスルホンアミド(182 mg, 0.58 mmol, Bepharm)を加え、混合物を-70℃で1時間攪拌した。反応終了後、混合物を室温までゆっくり加熱した後、20 mLの塩化アンモニウムの飽和溶液を加え、反応を急冷させた。混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色油の標記化合物27c(17 mg, 収率 7%)を得た。
工程4
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-フルオロベンゾフラン-4-カルボン酸27d
27c(17 mg, 0.037 mmol)を3 mLのジクロロメタンに溶解した後、0.5 mLのトリフルオロ酢酸を加えた。反応を室温で1時間攪拌した。反応終了後、混合物を減圧下で濃縮し、黄色油の標記化合物27dの粗製品(20 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程5
5-エチル-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-2-フルオロ-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド27
27dの粗製品(20 mg, 0.06 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-(7-アザベンゾトリアゾール
-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(32.6 mg, 0.85 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(39 mg, 0.30 mmol)を前記溶液に加えた。混合物を1時間攪拌した後、1o(18 mg, 0.00 mmol)を加え、混合物を12時間攪拌した。反応終了後、20 mLの水を加え、混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物27(12 mg, 収率 41%)を得た。
MS (ESI) m/z: 486.4 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.48(brs,1H), 8.06(t, 1H), 7.43(s, 1H), 1.55(d, 1H), 6.10(s, 1H), 4.25(d, 2H), 3.83(brd, 2H), 3.81(s, 3H), 3.21(t, 2H), 3.03(q, 2H), 3.90-3.96(m, 1H), 2.82(q, 2H), 2.18(s, 3H), 1.63-1.67(brd, 2H), 1.45-1.53(m, 2H), 1.05(t, 3H), 0.81(t, 3H).
【0096】
実施例28
2-シクロプロピル-6-((シクロプロピルメチル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-エチル-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル6-((シクロプロピルメチル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-エチルベンゾフラン-4-カルボキシラート28a
1h(950 mg, 3.03 mmol)を50 mLの1,2-ジクロロエタンに溶解した後、シクロプロパンカルバルデヒド(1.1 g, 15.7 mmol)及び酢酸(940 mg, 15.7 mmol)を前記溶液に加えた。混合物を12時間攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.97 g, 9.4 mmol)を加えた。混合物を3時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で中和し、酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、水(50 mL)及び塩化ナトリウムの飽和溶液(50 mL)で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、淡い黄色油の標記化合物28a(850 mg, 収率 76%)を得た。
工程2
メチル2-ブロモ-6-((シクロプロピルメチル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-エチルベンゾフラン-4-カルボキシラート28b
28a(400 mg, 1.1 mmol)を15 mLのテトラヒドロフランに溶解した。混合物を-70℃に冷却した後、1.65 mLの2.0 Mリチウムジイソプロピルアミドを前記溶液に加えた。混合物を-70℃で1時間攪拌した。反応溶液に15 mLの用時調製した1,2-ジブロモ-1,1,2,2-テトラクロロエタンのテトラヒドロフラン溶液(429 mg, 1.3 mmol)を滴下した。反応を-70℃で1時間攪拌した。反応終了後、50 mLの塩化アンモニウムの飽和溶液を加え、反応を急冷させ、混合物を酢酸エチル(20 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、淡い黄色油の標記化合物28b(150 mg, 収率 31%)を得た。
工程3
メチル2-シクロプロピル-6-((シクロプロピルメチル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-エチルベンゾフラン-4-カルボキシラート28c
28b(50 mg, 0.11 mmol)を5 mLのトルエンに溶解した後、シクロプロピルボロン酸(20 mg, 0.23 mmol)、酢酸パラジウム(5 mg, 0.2 mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(10 mg, 0.03 mmol)及びリン酸カリウム三水和物(91 mg, 0.34 mmol)を前記溶液に加えた。アルゴン雰囲気下で反応を100℃で12時間攪拌した。反応終了後、混合物をセライトに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、無色油の標記化合物28c(33 mg, 収率 73%)を得た。
工程4
2-シクロプロピル-6-((シクロプロピルメチル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-エチルベンゾフラン-4-カルボン酸28d
28c(33 mg, 0.08 mmol)を5 mLのテトラヒドロフラン及び15 mLのメタノールに加えた後、5 mLの4 M水酸化ナトリウム溶液を加えた。反応系を60℃で12時間攪拌した。反応終了後、混合物を濃縮し、有機溶媒を除去した。水を少量に加え、12 M塩酸を加え、pHを3に調整し、混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物28dの粗製品(25 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程5
2-シクロプロピル-6-((シクロプロピルメチル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-エチル-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-1-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド28
28dの粗製品(25 mg, 0.065 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-(7-アザベンゾトリアゾール
-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(47 mg, 0.098 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(42 mg, 0.33 mmol)を前記溶液に加えた。混合物を1時間攪拌した。1o(20 mg, 0.098 mmol)を加え、混合物を12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液に20 mLの水を加え、混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)で抽出した。有機層を合わせ、水及び塩化ナトリウムの飽和溶液で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、淡い黄色固体の標記化合物28(12 mg, 収率 34%)を得た。
MS (ESI) m/z: 534.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d 11.48(brs, 1H), 7.91(s, 1H), 7.38(s, 1H), 6.36(s, 1H), 6.12(s, 1H), 4.27(brs, 2H), 3.83(s, 3H), 3.79(brs, 2H), 3.28(brs, 2H), 3.17-3.23 (m, 2H), 2.96-3.00(m, 1H), 2.83-2.86(m, 2H), 2.19(s, 3H), 2.06(brs, 1H), 1.38-1.46(m, 2H), 1.24(brs, 2H), 1.06(t, 3H), 0.98(brs, 2H), 0.83(brs, 2H), 0.64(brs, 1H), 0.28(brs, 2H), 0.03(brs, 2H).
【0097】
実施例29
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチル-2-(トリフルオロメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
メチル6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(トリフルオロメチル)ベンゾフラン-4-カルボキシラート29a
15a(50 mg, 0.126 mmol)を8 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、メチルフルオロスルホニルジフルオロアセテート(500 mg, 2.52 mmol)及びヨウ化第一銅(120 mg, 0.63 mmol)を前記溶液に加えた。窒素雰囲気下で反応を120℃で24時間攪拌した。反応終了後、反応溶液に50 mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Bを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、黄色液体の標記化合物29a(10 mg, 収率 20.8%)を得た。
工程2
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチル-2-(トリフルオロメチル)ベンゾフラン-4-カルボン酸29b
29a(10 mg, 0.026 mmol)を2 mLの水とメタノールの混合物(V:V=1:1)に加えた後、水酸化ナトリウム(5.16 mg, 0.129 mmol)を加えた。反応系を70℃で16時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を5℃に冷却し、2 N塩酸を加え、pHを3〜4に調整し、混合物を減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物29bの粗製品(10 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程3
6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチル-2-(トリフルオロメチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド29
29bの粗製品(10 mg, 0.027 mmol)を3 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-(7-アザベンゾトリアゾール
-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(15.4 mg, 0.041 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(10.5 mg, 0.081 mmol)を加えた。反応系を0℃に冷却し、1時間攪拌した。1o(6.6 mg, 0.032 mmol)を加え、混合物を室温で12時間攪拌した。反応終了後、40 mLの水を加え、混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V = 8:1)(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(50 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物29(1.6 mg, 収率 11.4%)を得た。
MS (ESI) m/z: 522.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.52(s, 1H), 7.33(s, 1H), 7.19(brs, 1H), 5.98(s, 1H), 4.66(s, 2H), 4.00-3.95(m, 2H), 3.95(s, 3H), 3.36-3.30(m, 2H), 3.12(q, 2H), 3.04-2.99 (m, 1H), 2.41(s, 3H), 2.28(s, 3H), 1.72(brs, 4H), 0.89(t, 3H).
【0098】
実施例30
2-シアノ-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキサミド
工程1
2-ブロモ-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボン酸
15a(30 mg, 0.076 mmol)を2 mLの水とメタノールの混合物(V:V=1:1)に加えた後、水酸化ナトリウム(15.1 mg, 0.378 mmol)を加えた。反応系を70℃で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を5℃に冷却し、2 N塩酸を加え、pHを3〜4に調整し、混合物を減圧下で濃縮し、白色固体の標記化合物30aの粗製品(30 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程2
2-ブロモ-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキサミド30b
30aの粗製品(30 mg, 0.078 mmol)を5 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した後、2-(7-アザベンゾトリアゾール
-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(44.5 mg, 0.117 mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(30.2 mg, 0.234 mmol)を前記溶液に加えた。反応系を0℃に冷却し、1時間攪拌した。1o(6.6 mg, 0.032 mmol)を加え、混合物を12時間攪拌した。反応終了後、50 mLの水を加え、混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=8:1)(10 mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩化ナトリウムの飽和溶液(20 mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、黄色液体の標記化合物30bの粗製品(50 mg)を得た。これを更に精製せずに次の工程に直接に使用した。
工程3
2-シアノ-6-(エチル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)-5-メチルベンゾフラン-4-カルボキサミド30
30bの粗製品(40 mg, 0.075 mmol)を5 mLのN,N-ジメチルアセトアミドに溶解した後、シアン化第一銅(13.6 mg, 0.15 mmol)及びヨウ化第一銅(14.3 mg, 0.075 mmol)を前記溶液に加えた。反応系を170℃で1時間攪拌した。反応終了後、混合物を濾過し、濾液をジクロロメタンとメタノールの混合物(V:V=10:1) (10 mL)で洗浄した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮し、溶出系Aを備えた薄層クロマトグラフィーで生成した残渣を精製し、白色固体の標記化合物30(4.7 mg, 収率 12.5%)を得た。
MS (ESI) m/z: 479.4 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 11.5(brs, 1H), 7.55(s, 1H), 7.26(s, 1H), 7.16(brs, 1H), 5.97(s, 1H), 4.66(s, 2H), 3.98-3.96(m, 2H), 3.93(s, 3H), 3.35-3.30(m, 2H), 3.11(q, 2H), 3.04-2.99(m, 1H), 2.41(s, 3H), 2.27(s, 3H), 1.75-1.66(m, 4H), 0.89(t, 3H).
【0099】
実施例31
6-((4,4-ジフルオロシクロヘキシル)(エチル)アミノ)-5-エチル-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド31
実施例24の合成経路に従い、出発原料4eの代わりに1gを、また、24aの代わりに4,4-ジフルオロシクロヘキシルアミンをそれぞれ用い、白色固体の標記化合物31(10 mg, 収率 77%)を調製した。
MS (ESI) m/z: 502.4 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.47(brs, 1H), 8.02(t, 1H), 7.88(d, 1H), 7.46(s, 1H), 6.75(d, 1H), 6.11(s, 1H), 4.29(d, 2H), 3.82(s, 3H), 3.05(brs, 2H), 2.97(m, 1H), 2.82(q, 2H), 2.18(s, 3H), 1.98(brs, 2H), 1.81(brs, 2H), 1.73(m, 2H), 1.58(q, 2H), 1.08(t, 3H), 0.83(t, 3H).
【0100】
実施例32
6-((3,3-ジフルオロシクロブチル)(エチル)アミノ)-5-エチル-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド32
実施例24の合成経路に従い、出発原料4eの代わりに1gを、また、24aの代わりに3,3-ジフルオロシクロブタンアミンをそれぞれ用い、白色固体の標記化合物32(15 mg, 収率 83%)を調製した。
MS (ESI) m/z: 474.4 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.45(brs, 1H), 8.04(t, 1H), 7.88(d, 1H), 7.41(s, 1H), 6.75(d, 1H), 6.10(s, 1H), 4.28(d, 2H), 3.81(s, 3H), 3.79(brs, 1H), 2.93(q, 2H), 2.81(q, 2H), 2.70(brs, 2H), 2.25(brs, 2H), 2.18(s, 3H), 1.07(t, 3H), 0.86(t, 3H).
【0101】
実施例33
6-((1,1-ジオキシドテトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル)(エチル)アミノ)-5-エチル-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド33
実施例24の合成経路に従い、出発原料4eの代わりに1gを、また、24aの代わりに4-アミノテトラヒドロ-2H-チオピラン1,1-ジオキシドをそれぞれ用い、白色固体の標記化合物33(9 mg, 収率 64%)を調製した。
MS (ESI) m/z: 516.3 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 11.46(brs, 1H), 8.02(t, 1H), 7.88(d, 1H), 7.47(s, 1H), 6.75(d, 1H), 6.10(s, 1H), 4.29(d, 2H), 3.81(s, 3H), 2.98-3.07(m, 5H), 3.01(q, 2H), 2.80 (q, 2H), 2.18(s, 3H), 2.07(brs, 4H), 1.09(t, 3H), 0.83(t, 3H).
【0102】
実施例34
6-((シクロプロピルメチル)(1-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペリジン-4-イル)アミノ)-5-エチル-N-((4-メトキシ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)メチル)ベンゾフラン-4-カルボキサミド34
実施例25の合成経路に従い、出発原料4eの代わりに1gを、工程2に用いた出発原料アセトアルデヒドの代わりにシクロプロパンカルボアルデヒドを、また、工程4に用いた出発原料塩化メタンスルホニルの代わりにトリクロロメチル(2,2,2-トリフルオロエチル)スルフェートをそれぞれ用い、白色固体の標記化合物34(14 mg, 収率 65%)を調製した。
MS (ESI) m/z: 575.5 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.01(brs, 1H), 7.87(s, 1H), 7.50(s, 1H), 6.75(s, 1H), 6.11(s, 1H), 4.29(d, 2H), 3.83(s, 3H), 3.10(q, 2H), 2.83-2.91(m, 4H), 2.76(brs, 1H), 2.26(t, 2H), 2.19( 3H), 1.70(brs, 2H), 1.49(q, 2H), 1.24(brs, 2H), 1.10(t, 3H), 0.65(brs, 1H), 0.28(d, 2H), 0.003(d, 2H).
【0103】
生物学的試験
本発明を、以下の試験例を参照して更に説明するが、これらの試験例は本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。