(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、例えば助手席などに搭載される一人用のシートに配置されることを想定しており、当該シートに着座する人の姿勢ばらつきが僅少であることを前提に着座センサの検知範囲を絞って人が存在しているか否かを検知している。一方、例えば、セダンタイプの後席側に搭載されるシートのように複数(例えば3つ)の座席が並設される後部シートがある。このような後部シートは、助手席シートとは異なり、コンソール又はダッシュボード等がシートの周囲にないため、シートに着座する人の姿勢ばらつきが助手席シートよりも大きくなる。これにより、後部シートに着座可能な範囲は、助手席シートに比べて広範囲になる。このように、後部シートに助手席シートと同様の着座センサの配置をすると、着座センサの検知範囲が不十分となる場合がある。従って、後部シートでは、人が着座しているか否かを正しく検知できなくなる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、後部シートの座席に人が存在しているか否かを好適に検知できる着座検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する着座検知装置は、車両の後方に配置される後部シートにおいて、車両幅方向に並設される複数の座席の両端に設けられ、前記座席の座面部に配置される第1着座センサと、前記第1着座センサに設けられ、所定の荷重が付加されることで導通状態になり、且つ、前記車両幅方向に並設される複数の第1荷重検知スイッチと、を備え、前記第1荷重検知スイッチは、前記座面部における車両前後方向に延伸する第1基準線よりも前記車両幅方向のいずれか一方に設けられる隣り合う2つの該第1荷重検知スイッチが直列接続され、且つ、前記第1基準線が間に配置されて隣り合う2つの並列接続された該第1荷重検知スイッチ
、及び
それら両第1荷重検知スイッチを前記車両幅方向において挟んだ両端に設けられた2つの並列接続された該第1荷重検知スイッチが直列接続される。
【0007】
この構成によれば、前記第1着座センサは、前記第1基準線よりも前記車両幅方向のいずれか一方に設けられる隣り合う2つの該第1荷重検知スイッチが共に導通状態になること及び前記第1基準線が間に配置されて隣り合う2つの該第1荷重検知スイッチのいずれか一方、及び両端に設けられる該第1荷重検知スイッチのいずれか一方が共に導通状態になることの少なくとも一方が成立することで導通状態になり、それ以外では非導通状態になる。つまり、前記第1着座センサは、前記第1基準線よりも前記車両幅方向のいずれか一方に設けられる隣り合う2つの該第1荷重検知スイッチが共に導通状態になること及び前記第1基準線が間に配置されて隣り合う2つの該第1荷重検知スイッチのいずれか一方、及び両端に設けられる該第1荷重検知スイッチのいずれか一方が共に導通状態になることの少なくとも一方が成立することで該当座席に人が存在することを検知する。ここで、例えば前記後部シートの前記車両幅方向における両端の前記座席の当該幅方向における寸法が相対的に大きく設定されているとして、当該座席に人が一般的な姿勢で着座(以下、「正規着座」ともいう)する場合、前記第1着座センサは、基本的に両腿やこれに繋がる尻の両側部からの荷重を受ける。このとき、前記第1基準線が間に配置されて隣り合う2つの該第1荷重検知スイッチのいずれか一方、及び両端に設けられる該第1荷重検知スイッチのいずれか一方であって、前記第1基準線が間に配置される2つの前記第1荷重検知スイッチが共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで、前記第1着座センサが導通状態になる。これにより、該当座席に人が存在することを検知できる。また、当該座席に人が前記車両幅方向に偏った姿勢で着座(以下、「横座り」ともいう)する場合、前記第1着座センサは、基本的に片腿やこれに繋がる尻の片側部からの荷重を受ける。このとき、前記第1基準線よりも前記車両幅方向のいずれか一方に設けられる隣り合う2つの該第1荷重検知スイッチが共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで、前記第1着座センサが導通状態になる。これにより、該当座席に人が存在することを検知できる。
【0008】
上記着座検知装置について、前記後部シートには3つの前記座席が設けられ、前記後部シートの前記車両幅方向における中央の前記座席の前記座面部に配置される第2着座センサと、前記第2着座センサに設けられ、所定の荷重が付加されることで導通状態になり、且つ、前記車両前後方向に並設される複数の第2荷重検知スイッチと、を備え、前記第2荷重検知スイッチは、前記座面部における前記車両幅方向に延伸する第2基準線よりも前記車両前後方向のいずれか一方に設けられる隣り合う2つの該第2荷重検知スイッチが直列接続され、且つ、前記第2基準線が間に配置されて隣り合う2つの並列接続された該第2荷重検知スイッチ
、及び
それら両第2荷重検知スイッチを前記車両前後方向において挟んだ両端に設けられた2つの並列接続された該第2荷重検知スイッチが直列接続されることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、前記第2着座センサは、前記第2基準線よりも前記車両前後方向のいずれか一方に設けられる隣り合う2つの該第2荷重検知スイッチが共に導通状態になること及び前記第2基準線が間に配置されて隣り合う2つの該第2荷重検知スイッチのいずれか一方、及び両端に設けられる該第2荷重検知スイッチのいずれか一方が共に導通状態になることの少なくとも一方が成立することで導通状態になり、それ以外では非導通状態になる。つまり、前記第2着座センサは、前記第2基準線よりも前記車両前後方向のいずれか一方に設けられる隣り合う2つの該第2荷重検知スイッチが共に導通状態になること及び前記第2基準線が間に配置されて隣り合う2つの該第2荷重検知スイッチのいずれか一方、及び両端に設けられる該第2荷重検知スイッチのいずれか一方が共に導通状態になることの少なくとも一方が成立することで該当座席に人が存在することを検知する。ここで、例えば前記車両幅方向における中央の前記座席の当該幅方向における寸法が相対的に小さく設定されているとして、当該座席に人が正規着座する場合、前記第2着座センサは、基本的に腿やこれに繋がる尻からの荷重を受ける。このとき、前記第2基準線よりも前記車両前後方向のいずれか一方に設けられる隣り合う2つの該第2荷重検知スイッチが共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで、若しくは前記第2基準線が間に配置されて隣り合う2つの該第2荷重検知スイッチのいずれか一方、及び両端に設けられる該第2荷重検知スイッチのいずれか一方であって、前記第2基準線が間に配置される2つの前記第2荷重検知スイッチが共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで、前記第2着座センサが導通状態になる。これにより、該当座席に人が存在することを検知できる。また、当該座席に人が車両の前方に偏った姿勢で着座(以下、「前座り」ともいう)する場合、前記第2着座センサは、基本的に尻からの荷重を受ける。このとき、前記第2基準線よりも車両の前方寄りで隣り合ういずれか2つの前記第2荷重検知スイッチが共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで、前記第2着座センサが導通状態になる。これにより、該当座席に人が存在することを検知できる。
【0010】
上記着座検知装置について、前記第1着座センサは、前記複数の第1荷重検知スイッチで構成される第1荷重検知群を前記車両前後方向に複数並設し、前記第2着座センサは、前記複数の第2荷重検知スイッチで構成される第2荷重検知群を前記車両幅方向に複数並設することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、前記第1着座センサ及び前記第2着座センサの検知領域が共に拡大されることで、該当座席に人が存在することの検知精度をより向上させることができる。
上記着座検知装置について、前記第1着座センサ及び前記第2着座センサは同一形状であることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、前記第1着座センサ及び前記第2着座センサが共通部品になることで、製造工数を削減できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、後部シートの座席に人が存在しているか否かを好適に検知できる効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、着座検知装置の一実施形態について説明する。なお、以下では、車両前後方向を「前後方向」という。
図1に示すように、例えばセダンタイプの後席側に搭載される後部シート10は、車両幅方向に3つの座席11R,11C,11Lが並設されている。車両の幅方向両側の各々の座席11R,11Lの当該幅方向における寸法は、座席11Cの当該幅方向における寸法よりも大きく(例えば2倍程度に)設定されている。そして、車両幅方向両側の座席11R,11Lの座面部12R,12Lには、第1着座センサ20R,20Lが配設される。また、車両幅方向中央部に設けられる座席11Cの座面部12Cには、第2着座センサ20Cが配設されている。
図2に併せ示すように、これら両第1着座センサ20R,20L及び第2着座センサ20Cは、互いに同一形状に成形されている。両第1着座センサ20R,20Lは、車両幅方向において対称(左右対称)に配置されている。第2着座センサ20Cは、両第1着座センサ20R,20Lに対して略90°に傾くように配置されている。
【0016】
そして、両第1着座センサ20R,20Lは、座席11R,11L(座面部12R,12L)の寸法に合わせて車両幅方向が長く(横長に)なるように配置されている。すなわち、両第1着座センサ20R,20Lは、車両幅方向が長くなる向き、つまり、車両幅方向に略平行に配置されている。また、第2着座センサ20Cも、座席11C(座面部12C)の寸法に合わせて前後方向が長く(縦長に)なるように配置されている。すなわち、第2着座センサ20Cは、前後方向が長くなる向き、つまり、前後方向に略平行に配置されている。
【0017】
また、前後方向に延伸する第1基準線としての第1中心線L1は、座面部12R,12Lに設けられる。さらに、車両幅方向に延伸する第2基準線としての第2中心線L2は、座面部12Cに設けられる。さらに、この第1中心線L1は、第2中心線L2に対して、交差して配置されている。具体的には、第1中心線L1は、第2中心線L2に対して略90°に傾くように配置されている。
【0018】
なお、両第1着座センサ20R,20L及び第2着座センサ20Cの各々は、絶縁性フィルム(例えばポリエステルフィルム)に導電インク(例えば銀ペースト、カーボンペースト)を印刷してなる一対の接点シートを絶縁性のスペーサ(例えばポリエステルフィルム)を介して積層したメンブレンスイッチからなる。そして、両第1着座センサ20R,20Lは、該当座席11R,11Lにおいて前後対称なH字形状を成す。また、第2着座センサ20Cは、該当座席11Cにおいて左右対称なH字形状を成す。
【0019】
図3(a)に示すように、片側の第1着座センサ20Lは、車両幅方向に延在する前後一対の検知部21,22と、それら両検知部21,22の車両幅方向中央部同士を前後方向に接続する連結部23と、該連結部23の前後方向中央部に接続されて座席11Cから離間する車両幅方向に延出する延出部24とを一体的に有する。そして、延出部24の先端には、外部接続用のコネクタ25が接続されている。
【0020】
検知部21は、連結部23に沿って前後方向に延伸する第1中心線L1を中心に線対称に車両幅方向に並設された複数(本実施形態では4つ)の第1荷重検知スイッチとしてのセルC1,C2,C3,C4を有する。セルC1〜C4は、その順番で外側(座面部12Cの反対側)から座面部12C側に向かって配置されている。つまり、セルC1,C2及びセルC3,C4は、第1中心線L1を挟んで外側及び座面部12C側にそれぞれ配置されている。
【0021】
同様に、検知部21の後方に位置する検知部22は、第1中心線L1に対して対称に車両幅方向に並設された複数(本実施形態では4つ)の第1荷重検知スイッチとしてのセルC5,C6,C7,C8を有する。セルC5〜C8は、その順番で外側(座面部12Cの反対側)から座面部12C側に向かって配置されている。つまり、セルC5,C6及びセルC7,C8は、第1中心線L1を挟んで外側及び座面部12C側にそれぞれ配置されている。
【0022】
セルC1〜C8の各々は、所定の荷重が付加されることで導通状態になる。すなわち、
図3(b)に等価回路で示したように、検知部21に位置するセルC1〜C4は、並列接続されたセルC1,C4及びセルC2,C3同士が直列接続されている。つまり、第1中心線L1を跨ぐことなく隣り合ういずれか2つのセルC1,C2、C3,C4が直列接続され、且つ、第1中心線L1を跨いで1つ飛ばしで隣り合ういずれか2つのセルC1,C3、C2,C4が直列接続されている。言い換えると、第1中心線L1よりも車両幅方向のいずれか一方(
図3(a)中の右又は左側)に設けられる隣り合う2つのセルC1,C2、C3,C4が直列接続され、且つ、第1中心線L1が間に配置されて隣り合う2つの並列接続されたセルC2,C3及び両端に設けられた2つの並列接続されたセルC1,C4が直列接続されている。
【0023】
また、検知部22に位置するセルC5〜C8は、並列接続されたセルC5,C8及びセルC6,C7同士が直列接続されている。つまり、第1中心線L1を跨ぐことなく隣り合ういずれか2つのセルC5,C6、C7,C8が直列接続され、且つ、第1中心線L1を跨いで1つ飛ばしで隣り合ういずれか2つのセルC5,C7、C6,C8が直列接続されている。言い換えると、第1中心線L1よりも車両幅方向のいずれか一方(
図3(a)中の右又は左側)に設けられる隣り合う2つのセルC5,C6、C7,C8が直列接続され、且つ、第1中心線L1が間に配置されて隣り合う2つの並列接続されたセルC6,C7及び両端に設けられた2つの並列接続されたセルC5,C8が直列接続されている。
【0024】
そして、セルC1〜C4の電気回路及びセルC5〜C8の電気回路同士は、並列接続されている。つまり、第1着座センサ20L自体は、検知部21において、第1中心線L1よりも車両幅方向のいずれか一方(
図3(a)中の右又は左側)に設けられる隣り合ういずれか2つのセルC1,C2、C3,C4が共に導通状態になり、若しくは第1中心線L1が間に配置されて隣り合う2つのセルC3,C2のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC1,C4のいずれか一方が共に導通状態になることで導通状態になる。あるいは、第1着座センサ20L自体は、検知部22において、第1中心線L1よりも車両幅方向のいずれか一方(
図3(a)中の右又は左側)に設けられる隣り合ういずれか2つのセルC5,C6、C7,C8が共に導通状態になり、若しくは第1中心線L1が間に配置されて隣り合う2つのセルC7,C6のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC5,C8のいずれか一方が共に導通状態になることで導通状態になる。そして、第1着座センサ20Lは、その導通状態及び非導通状態に応じた検知信号SLをコネクタ25から出力する。第1着座センサ20Lの検知部21に位置するセルC1〜C4及び検知部22に位置するセルC5〜C8の各々は、第1荷重検知群G1を構成する。つまり、第1着座センサ20Lは、第1荷重検知群G1が前後方向に複数(本実施形態では2つ)並設された構造となっている。
【0025】
また、
図3に示すように、検知部21,22を成す各第1荷重検知群G1は、第1中心線L1を中心に線対称となるように形成されている。
車両幅方向の両端における反対側の座席11Lに配置される第1着座センサ20Rは、前述のように対称配置されていることを除いて第1着座センサ20Lと同一構造であるため、前後及び左右を入れ替えることで同様に説明される。第1着座センサ20Rは、その導通状態及び非導通状態に応じた検知信号SR(
図2参照)をコネクタ25から出力する。
【0026】
図3(c)に示すように、第2着座センサ20Cは、前述のように第1着座センサ20Lに対して90°に傾けたもので、同様の検知部21C,22C、連結部23C及び延出部24Cを一体的に有する。ただし、両検知部21C,22Cは、車両幅方向で対をなして前後方向に延在しており、連結部23Cは、両検知部21C,22Cの前後方向中央部同士を車両幅方向に接続する。また、延出部24Cは、連結部23の車両幅方向中央部に接続されて後方に延出する。そして、延出部24Cの先端に外部接続用のコネクタ25Cが接続されている。
【0027】
なお、第2着座センサ20Cの第2荷重検知スイッチとしてのセルC1〜C4は、検知部21Cにおいて、連結部23Cに沿って車両幅方向に延伸する第2中心線L2を中心に線対称に前後方向に並設されている。同様に、第2着座センサ20Cの第2荷重検知スイッチとしてのセルC5〜C8は、検知部22Cにおいて、第2中心線L2に対して対称に前後方向に並設されている。セルC1〜C8による第2着座センサ20Cの等価回路は、第1着座センサ20Lと同様である。
【0028】
従って、第2着座センサ20C自体は、検知部21Cにおいて、第2中心線L2よりも前後方向のいずれか一方(
図3(c)中の上又は下側)に設けられる隣り合ういずれか2つのセルC1,C2、C3,C4が導通状態になり、若しくは第2中心線L2が間に配置されて隣り合う2つのセルC3,C2のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC1,C4のいずれか一方が導通状態になることで導通状態になる。あるいは、第2着座センサ20C自体は、検知部22Cにおいて、第2中心線L2よりも前後方向のいずれか一方(
図3(c)中の上又は下側)に設けられる隣り合ういずれか2つのセルC5,C6、C7,C8が導通状態になり、若しくは第2中心線L2が間に配置されて隣り合う2つのセルC7,C6のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC5,C8のいずれか一方が導通状態になることで導通状態になる。そして、第2着座センサ20Cは、その導通状態及び非導通状態に応じた検知信号SCをコネクタ25Cから出力する。第2着座センサ20CのセルC1〜C4及びセルC5〜C8の各々は、第2荷重検知群G2を構成する。つまり、第2着座センサ20Cは、第2荷重検知群G2が車両幅方向に複数(本実施形態では2つ)並設された構造となっている。
【0029】
また、
図2及び
図3に示すように、検知部21C,22Cを成す各第2荷重検知群G2は、第2中心線L2を中心に線対称となるように形成されている。
図2に示すように、両第1着座センサ20R,20Lのコネクタ25及び第2着座センサ20Cのコネクタ25Cは、ECU(電子制御装置)30に電気的に接続されている。ECU30は、両第1着座センサ20R,20L及び第2着座センサ20Cから出力される検知信号SR,SL,SCに基づいて、該当する座席11R,11L,11Cに人が存在するか否かを判断する。そして、ECU30は、それらの判断結果に応じた制御信号を適宜の機器に出力する。具体的には、ECU30は、例えばいずれかの座席11R,11L,11Cに人が存在すると判断した場合、シートベルトの着用を促す報知部材(ウォーニングランプ等)を駆動するための制御信号を出力する。
【0030】
次に、本実施形態の作用について説明する。
各第1着座センサ20R,20Lは、検知部21において、第1中心線L1よりも車両幅方向のいずれか一方(
図3(a)中の右又は左側)に設けられる隣り合ういずれか2つのセルC1,C2、C3,C4が共に導通状態になること及び第1中心線L1が間に配置されて隣り合う2つのセルC3,C2のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC1,C4のいずれか一方が共に導通状態になることの少なくとも一方が成立することで導通状態になる。若しくは、各第1着座センサ20R,20Lは、検知部22において、第1中心線L1よりも車両幅方向のいずれか一方(
図3(a)中の右又は左側)に設けられる隣り合ういずれか2つのセルC5,C6、C7,C8が共に導通状態になること及び第1中心線L1が間に配置されて隣り合う2つのセルC7,C6のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC5,C8のいずれか一方が共に導通状態になることの少なくとも一方が成立することで導通状態になる。一方、各第1着座センサ20R,20Lは、上記以外では非導通状態になる。そして、各第1着座センサ20R,20Lは、それ自体が導通状態になることで該当座席11R,11Lに人が存在することを検知する。
【0031】
ここで、
図4(a)に実線で示すように、例えば車両幅方向片側の座席11Lに人Mが座面部12Lに対して車両幅方向及び前後方向に偏りなく着座する正規着座する場合、第1着座センサ20Lは、基本的に両腿やこれに繋がる尻の両側部からの荷重を受ける。このとき、第1着座センサ20Lは、検知部21において、第1中心線L1が間に配置されて隣り合う2つのセルC3,C2のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC1,C4のいずれか一方であって、第1中心線L1が間に配置される2つのセルC1,C3、C2,C4が共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで導通状態になる。若しくは、第1着座センサ20Lは、検知部22において、第1中心線L1が間に配置されて隣り合う2つのセルC7,C6のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC5,C8のいずれか一方であって、第1中心線L1が間に配置される2つのセルC5,C7、C6,C8が共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで導通状態になる。これにより、該当座席11Lに人Mが存在することを検知できる。
【0032】
また、
図4(a)に2点鎖線で示すように、当該座席11Lに人Mが横座りする場合、第1着座センサ20Lは、基本的に片腿やこれに繋がる尻の片側部からの荷重を受ける。このとき、第1着座センサ20Lは、検知部21において、第1中心線L1を跨ぐことなく隣り合ういずれか2つのセルC1,C2、C3,C4が共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで導通状態になる。若しくは、第1着座センサ20Lは、検知部22において、第1中心線L1を跨ぐことなく隣り合ういずれか2つのセルC5,C6、C7,C8が共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで導通状態になる。これにより、該当座席11Lに人Mが存在することを検知できる。
【0033】
反対側の座席11Rについても同様である。
一方、第2着座センサ20Cは、検知部21Cにおいて、第2中心線L2よりも前後方向のいずれか一方(
図3(c)中の上又は下側)に設けられる隣り合ういずれか2つのセルC1,C2、C3,C4が共に導通状態になること及び第2中心線L2が間に配置されて隣り合う2つのセルC3,C2のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC1,C4のいずれか一方が共に導通状態になることの少なくとも一方が成立することで導通状態になる。若しくは、第2着座センサ20Cは、検知部22Cにおいて、第2中心線L2よりも前後方向のいずれか一方(
図3(c)中の上又は下側)に設けられる隣り合ういずれか2つのセルC5,C6、C7,C8が共に導通状態になること及び第2中心線L2が間に配置されて隣り合う2つのセルC7,C6のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC5,C8のいずれか一方が共に導通状態になることの少なくとも一方が成立することで導通状態になる。一方、第2着座センサ20Cは、上記以外では非導通状態になる。そして、第2着座センサ20Cは、それ自体が導通状態になることで該当座席11Cに人が存在することを検知する。
【0034】
ここで、
図4(b)に実線で示すように、例えば座席11Cに人Mが正規着座する場合、第2着座センサ20Cは、基本的に腿やこれに繋がる尻からの荷重を受ける。このとき、第2着座センサ20Cは、検知部21Cにおいて、第2中心線L2よりも前後方向のいずれか一方に設けられる隣り合ういずれか2つのセルC1,C2、C3,C4が共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで、若しくは第2中心線L2が間に配置されて隣り合う2つのセルC3,C2のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC1,C4のいずれか一方であって、第2中心線L2が間に配置される2つのセルC1,C3、C2,C4が共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで導通状態になる。若しくは、第2着座センサ20Cは、検知部22Cにおいて、第2中心線L2よりも前後方向のいずれか一方に設けられる隣り合ういずれか2つのセルC5,C6、C7,C8が共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで、若しくは第2中心線L2が間に配置されて隣り合う2つのセルC7,C6のいずれか一方、及び両端に設けられるセルC5,C8のいずれか一方であって、第2中心線L2が間に配置される2つのセルC5,C7、C6,C8が共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで導通状態になる。これにより、該当座席11Cに人Mが存在することを検知できる。
【0035】
また、
図4(b)に2点鎖線で示すように、当該座席11Cに人Mが前座りする場合、第2着座センサ20Cは、基本的に尻からの荷重を受ける。このとき、第2着座センサ20Cは、検知部21Cにおいて、第2中心線L2よりも車両の前方寄りで(即ち第2中心線L2を跨ぐことなく)隣り合う2つのセルC3,C4が共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで導通状態になる。若しくは、第2着座センサ20Cは、検知部22Cにおいて、第2中心線L2よりも車両の前方寄りで(即ち第2中心線L2を跨ぐことなく)隣り合う2つのセルC7,C8が共に所定の荷重が付加されて導通状態になることで導通状態になる。これにより、該当座席11Cに人Mが存在することを検知できる。
【0036】
なお、
図4(c)に示すように、例えば座席11LにCRS(子供用拘束装置)40を設置する場合、その取付荷重の偏在によって、座面部12Lの外形に沿う略U字状の範囲(パターンにて図示)に荷重が集中することが知られている。この場合、第1着座センサ20Lは、検知部21において、セルC1,C4が共に一定レベルの荷重が付加されて導通状態になるものの、非導通状態のままである。若しくは、第1着座センサ20Lは、検知部22において、セルC5,C8が共に一定レベルの荷重が付加されて導通状態になるものの、非導通状態のままである。このように、座席11LにCRS40が設置されたとしても、これによって第1着座センサ20Lが人Mの存在を誤検知する可能性が低減されている。
【0037】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、座席11R,11Lに人Mが正規着座や横座りしている場合においても、第1着座センサ20R,20Lにより当該座席11R,11Lに人Mが存在することを検知できる。一方、座席11Cに人Mが正規着座や前座りしている場合においても、第2着座センサ20Cにより当該座席11Cに人Mが存在することを検知できる。
【0038】
(2)本実施形態では、第1着座センサ20R,20Lは、複数のセルC1〜C4、C5〜C8で構成される第1荷重検知群G1を前後方向に複数並設する。同様に、第2着座センサ20Cは、複数のセルC1〜C4、C5〜C8で構成される第2荷重検知群G2を車両幅方向に複数並設する。従って、第1着座センサ20R,20L及び第2着座センサ20Cの検知領域が共に拡大されることで、該当座席に人が存在することの検知精度をより向上させることができる。
【0039】
(3)本実施形態では、両第1着座センサ20R,20L及び第2着座センサ20C(3つの着座センサ)は、互いに同一形状である。従って、両第1着座センサ20R,20L及び第2着座センサ20Cが共通部品になることで、製造工数及びコストを削減できる。
【0040】
(4)本実施形態では、座席11LにCRS40が設置されたとしても、これによって第1着座センサ20Lが人Mの存在を誤検知する可能性を低減できる。座席11RにCRS40が設置された場合も同様である。
【0041】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・
図3(b)に線X1で示すように、セルC1,C4及びセルC2,C3の接続部と、セルC5,C8及びセルC6,C7の接続部とを短絡することも考えられる。また、このような回路構成を、他の第1着座センサ20Rや第2着座センサ20Cに採用してもよい。
【0042】
・前記実施形態において、両第1着座センサ20R,20L及び第2着座センサ20C(3つの着座センサ)は、互いに異なる形状であってもよい。
・前記実施形態において、各第1着座センサ20R,20Lは、第1荷重検知群G1を3つ以上並設していてもよい。同様に、第2着座センサ20Cは、第2荷重検知群G2を3つ以上並設していてもよい。
【0043】
・前記実施形態において、各第1着座センサ20R,20LのセルC1〜C4及びセルC5〜C8のいずれか一方を省略してもよい。つまり、各第1着座センサ20R,20Lは、第1荷重検知群G1が複数並設されていなくてもよい。同様に、第2着座センサ20CのセルC1〜C4及びセルC5〜C8のいずれか一方を省略してもよい。つまり、第2着座センサ20Cは、第2荷重検知群G2が複数並設されていなくてもよい。
【0044】
・前記実施形態において、各検知部21,22,21C,22Cにおいて並設されるセルの個数は、4つでなくてもよく、適宜変更してもよい。例えば、
図5(a)に示すように、各検知部21,22のセルの個数が5つであってもよい。具体的には、検知部21において、セルC4の隣りにセルCa、検知部22において、セルC8の隣りにセルCbを設けてもよい。
【0045】
・前記実施形態において、第1着座センサ20Lは、
図5(a)、(b)に示すように、検知部21において、第1基準線Lαが間に配置されて隣り合う2つの並列接続されたセルC2,C3及び両端に設けられた2つの並列接続されたセルC1,Caが直列接続されていてもよい。すなわち、第1着座センサ20Lは、検知部21において、第1基準線Lαを跨いで2つ飛ばしで隣り合う2つのセルC1,Caが直列接続されていてもよい。
【0046】
同様に、第1着座センサ20Lは、検知部22において、第1基準線Lαが間に配置されて隣り合う2つの並列接続されたセルC6,C7及び両端に設けられた2つの並列接続されたセルC5,Cbが直列接続されていてもよい。すなわち、第1着座センサ20Lは、検知部22において、第1基準線Lαを跨いで2つ飛ばしで隣り合う2つのセルC5,Cbが直列接続されていてもよい。
【0047】
・前記実施形態において、各検知部21,22,21C,22Cは、必ずしも第1基準線としての第1中心線L1及び第2基準線としての第2中心線L2を中心に線対称とならなくてもよい。例えば、
図5(a)に示すように、各検知部21,22が5つのセルを備える場合、セルC2,C3の間、セルC6,C7の間に第1基準線Lαを設けてもよい。
【0048】
・前記実施形態において、第2着座センサ20Cは、座面部12Cに配置されていなくてもよい。すなわち、第1着座センサ20R,20Lの少なくとも1つが座面部12R,12Lに配置されているのみでもよい。
【0049】
・前記実施形態においては、第1着座センサ20R,20Lにおいて、延出部24が、車両幅方向に略平行となるように設けられている。しかし、延出部24は、検知部21又は22から前後方向に延出する形状でもよい。