特許第6828538号(P6828538)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 豊田合成株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6828538-光源を有する装置 図000002
  • 特許6828538-光源を有する装置 図000003
  • 特許6828538-光源を有する装置 図000004
  • 特許6828538-光源を有する装置 図000005
  • 特許6828538-光源を有する装置 図000006
  • 特許6828538-光源を有する装置 図000007
  • 特許6828538-光源を有する装置 図000008
  • 特許6828538-光源を有する装置 図000009
  • 特許6828538-光源を有する装置 図000010
  • 特許6828538-光源を有する装置 図000011
  • 特許6828538-光源を有する装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6828538
(24)【登録日】2021年1月25日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】光源を有する装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20210128BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   G09F13/18 Q
   F21V8/00 320
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-55455(P2017-55455)
(22)【出願日】2017年3月22日
(65)【公開番号】特開2018-159730(P2018-159730A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2019年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(74)【代理人】
【識別番号】100179202
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 誠司
(72)【発明者】
【氏名】浅川 れんげ
(72)【発明者】
【氏名】北元 美貴
(72)【発明者】
【氏名】明比 里実
(72)【発明者】
【氏名】中村 恵奈
(72)【発明者】
【氏名】朴 志倫
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 千穂
【審査官】 金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−343662(JP,A)
【文献】 実開昭61−099881(JP,U)
【文献】 特開2003−066886(JP,A)
【文献】 特開2009−297954(JP,A)
【文献】 特開2016−157582(JP,A)
【文献】 実開昭55−008973(JP,U)
【文献】 特公昭49−046117(JP,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0226361(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0044497(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00 − 13/46
F21V 8/00
33/00
G02B 6/00 − 6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光性材料からなる棒状部材と、
第1の光源と、
第2の光源と、を有する装置であって、
前記第1の光源からの光は前記棒状部材の側面の第1の領域に照射され、
前記第2の光源からの光は前記棒状部材の側面の第2の領域に入射し、
前記第1の領域と前記第2の領域は前記棒状部材の長手方向において互いに異なり、
前記第2の光源からの光は前記棒状部材の端面から出射する、装置であって、
前記棒状部材の側面の前記第1の領域と前記第2の領域の境界に設置される仕切り板を更に有する、装置。
【請求項2】
束状に配置される複数の前記棒状部材を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の光源と前記第2の光源はそれぞれ前記複数の棒状部材を囲むように配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
導光性材料からなる棒状部材と、
第1の光源と、
第2の光源と、を有する装置であって、
前記第1の光源からの光は前記棒状部材の側面の第1の領域に照射され、
前記第2の光源からの光は前記棒状部材の側面の第2の領域に入射し、
前記第1の領域と前記第2の領域は前記棒状部材の長手方向において互いに異なり、
前記第2の光源からの光は前記棒状部材の端面から出射する、装置であって、
束状に配置される複数の前記棒状部材を備え、
前記第1の光源と前記第2の光源はそれぞれ前記複数の棒状部材を囲むように配置される、装置。
【請求項5】
前記棒状部材の側面の前記第2の領域は粗面である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源を有する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源を有する装置の一例として、椅子と発光装置とを組み合わせた構成が提案されている。例えば、特許文献1(特開平9−252875号公報)には、椅子の背もたれの背面に発光表示される電飾看板を備えた電飾看板付椅子が記載されている(請求項1、図1〜4等参照)。特許文献1にはまた、椅子の背もたれおよび肘掛けの上面にフラッシュライトなどの発光体を組み込んだ構成(請求項5、図5等参照)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−252875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているように椅子の背もたれの背面や、背もたれと肘掛けの上面にのみ発光装置を配置する態様では、椅子の全体に占める発光部分の位置や範囲は限定的なものであり、特に座面の発光については何ら考慮されておらず、また、発光装置からの発光の態様は従来通りのものであり、なお発展や改良の余地があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑み、光源を有する装置における光源の新規な利用の態様を提供することをその目的の一つとする。また、光源を有する装置の新規な発光の態様を提供することを本発明の目的の別の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下のように本発明の各局面に想到した。
すなわち、本発明の第1の局面に係る装置は、導光性材料からなる棒状部材と、第1の光源と、第2の光源と、を有する装置であって、第1の光源からの光は棒状部材の側面の第1の領域に照射され、第2の光源からの光は棒状部材の側面の第2の領域に入射し、第1の領域と第2の領域は棒状部材の長手方向において互いに異なり、第2の光源からの光は棒状部材の端面から出射する。
このような構成によれば、第1の光源から発せられて棒状部材の側面の第1の領域において反射された光は棒状部材の側面の発光として視認され、第2の光源からの光のうち棒状部材の側面の第2の領域に入射し棒状部材の端面から出射した光は棒状部材の端面の発光として視認される。こうして、棒状部材の側面を発光させるための光源と、棒状部材の端面を発光させるための光源とが別の光源となっていることで、例えば、棒状部材の側面と端面とをそれぞれを異なる輝度、色、パターン等の態様で発光させることが可能となる。このように、本発明の第1の局面による装置は新規な態様の発光を実現できる。
【0007】
また、本発明の第2の局面によれば、上記の装置において、棒状部材の側面の第2の領域は粗面である。これによれば、棒状部材の側面の第2の領域での反射光および透過光を減らし、棒状部材の上端面から出射する光量を増大させることが可能となる。
また、本発明の第3の局面によれば、上記の装置は、棒状部材の側面の第1の領域と第2の領域の境界に設置される仕切り板を更に有する。これによれば、第1の光源からの光と第2の光源からの光が混ざり合うことを回避でき、特に、棒状部材の側面と端面とをそれぞれを異なる輝度、色、パターン等の態様で発光させる場合の演出効果を高めることができる。
【0008】
また、本発明の第4の局面によれば、上記の装置は、束状に配置される複数の棒状部材を備える。これによれば、第1の光源からの光が複数の棒状部材の側面で繰り返し反射されるとともに、第2の光源からの光が複数の棒状部材の端面から放出され、全体として新規な発光態様が提供される。また、この場合、本発明の第5の局面によれば、第1の光源と第2の光源はそれぞれ複数の棒状部材を囲むように配置される。これによれば、複数の棒状部材の束の外周が最も明るく、内側へ行くに従って徐々に暗くなるグラデーション状の発光態様を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は本発明の第1実施形態に係る保持装置の斜視図である。
図2図2は第1実施形態に係る保持装置の平面図である。
図3図3(A)は図2の保持装置のIIIA−IIIA断面を矢印の方向に見た縦断面図であり、図3(B)は図3(A)において一点鎖線IIIBで囲む範囲を拡大して示す拡大部分断面図である。
図4図4図3(A)のIV−IV切断面を矢印の方向に見た部分断面図である。
図5図5図3(A)のV−V切断面を矢印の方向に見た部分断面図である。
図6図6は本発明の第2実施形態に係る保持装置の縦断面図である。
図7図7は本発明の第3実施形態に係る保持装置の平面図である。
図8図8図7の保持装置のVIII−VIII断面を矢印の方向に見た縦断面図である。
図9図9は本発明の第4実施形態に係る保持装置の縦断面図である。
図10図10は本発明の第5実施形態に係る保持装置の平面図である。
図11図11は本発明の比較例に係る保持装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る光源を有する装置につき、それを保持装置として具現化した場合の複数の実施形態を例に取り、添付の図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る保持装置1の斜視図であり、図2は保持装置1の平面図であり、図3(A)は図2の保持装置1のIIIA−IIIA断面を矢印の方向に見た縦断面図である。これらの図に示すように、保持装置1は略円柱状の基台10と、基台10から上方へ突出する複数の棒状部材20を有する。棒状部材20はアクリル樹脂(PMMA樹脂)やポリカーボネート樹脂(PC樹脂)等の透明な樹脂やガラス等の透光性を有する無色または有色の導光性材料からなる。図例において、各棒状部材20は円柱状のものとして形成される。
【0011】
基台10の上面は板状の仕切り板12と、仕切り板12の縁部分の一段高い位置に配置される環状の平板部材である枠部11からなる。基台10はその周面を形成する壁部を更に有する。仕切り板12は金属、樹脂、木材等の材質からなり、材質そのものが遮光性を有するか、もしくは、塗装、印刷、メッキ、スパッタリング等による遮光性の表面処理が施されることによって遮光性を有するものとなっている。仕切り板12には複数の棒状部材20の数および断面形状に対応する複数の穴13が形成され、各棒状部材20は穴13に挿通されている。これにより、各棒状部材20は、仕切り板12よりも上に突出する部分(以下、「突出部分」とも称する)と、仕切り板12よりも下の基台10の内部の空間に収容される部分(以下、「被収容部分」とも称する)とを有する。各棒状部材20は対応する穴13に対して遊嵌されていてもよく、圧入されていてもよく、穴13の内周面に対して接着剤等により固定されていてもよい。複数の棒状部材20と仕切り板12とが一体的に形成されていてもよい。
【0012】
図3(A)に示す例においては、複数の棒状部材20の上端部の位置は一つの仮想的な平面に沿う。これにより、保持装置1は、複数の棒状部材20の上端部の上に人が座ったり寝たりするための椅子、ベッド、ソファ等としての機能や、物を置くためのテーブルや棚等としての機能を奏し得る。本発明は、複数の棒状部材20の上端部の位置が一つの仮想的な平面に沿う構成に限定されず、複数の棒状部材20の上端部の位置が複数の仮想的な平面に沿う構成や、一つまたは複数の仮想的な曲面に沿う構成とすることもできる。特に、保持装置1を椅子として用いる場合、複数の棒状部材20の上端面は群として座面としての機能を奏し、複数の棒状部材20の上端部は人の臀部や大腿部に沿う曲面形状に沿うように配置されることが好ましい。
【0013】
図3(B)は図3(A)において一点鎖線IIIBで囲む範囲を拡大して示す拡大部分断面図である。図4図3(A)の保持装置1のIV−IV切断面を矢印の方向に見た部分断面図である。図示するように、保持装置1は仕切り板12の周縁部付近の上面の上に設置される円環形状の第1の光源30を更に備える。第1の光源30は複数の棒状部材20の束の外周を囲むように配置されている。第1の光源30はその周方向に互いに間隔を空けて配置される複数の発光部31を有し、複数の発光部31は、複数の棒状部材20の束へ向けて光を照射するように構成および配置されている。
【0014】
第1の光源30の各発光部31は、通電により、複数の棒状部材20の突出部分の周面に対して光を照射することとなる。照射された光は複数の棒状部材20の突出部分を透過したり、突出部分の周面において反射されたりし、このように透過するかまたは反射された光は別の棒状部材20の突出部分を透過するかまたはその周面で反射され、このような光の透過と反射とが複数の棒状部材20において繰り返し生じる。こうして、第1の光源30の各発光部31からの発光により、各棒状部材20の周面を輝かせる演出を行うことができる。また、このように各棒状部材20の周面が発光しているように視認されるため、第1の光源30の発光部31よりも多くの棒状部材20を備えることで、発光部31の実際の数よりも多くの光源から発光しているように見える光の演出を行うことができる。
【0015】
このような第1の光源30の発光部31からの光による複数の棒状部材20の周面の発光を複数の棒状部材20においてより均一に行うためには、棒状部材20同士の隙間を比較的狭くすることが好ましい。そのための一つの指標として、例えば、複数の棒状部材20の直径a(図3(B)参照)の平均的な値Aと、複数の棒状部材20の間の隙間の長さb(図3(B)参照)の平均的な値Bが、B/A≦2の関係を満たす様にすることが好ましい。
【0016】
図5図3(A)の保持装置1のV−V切断面を矢印の方向に見た部分断面図である。図示するように、保持装置1は、仕切り板12よりも下の基台10の内周面に設置される円環形状の第2の光源40を更に有する。第2の光源40は複数の棒状部材20の束の外周を囲むように配置される。第2の光源40はその周方向に互いに間隔を空けて配置される複数の発光部41を有し、複数の発光部41は、複数の棒状部材20の束へ向けて光を照射するように構成および配置されている。
【0017】
第2の光源40の発光部41は、通電により、棒状部材20の被収容部分の周面に対して光を照射することとなる。第2の光源40の発光部41から各棒状部材20の被収容部分の周面へ照射された光の一部は棒状部材20の周面から各棒状部材20の内部へと進入し、進入した光の一部は当該棒状部材20の内面で反射され、当該棒状部材20の上端面から外側へ放出される。こうして、第2の光源40の発光部41から照射される光により、複数の棒状部材20の上端面がそれぞれ発光し、複数の棒状部材20の上端面が全体として点状に発光する演出を行うことができる。各棒状部材20の上端面が発光しているように視認されることから、第2の光源40の発光部41よりも多くの棒状部材20を備えることにより、発光部41の実際の数よりも多くの光源から発光しているように見える光の演出を行うことができる。棒状部材20の下端面を白色とする加工を行うことで、棒状部材20の上端面からの発光の視認性を高めることができる。棒状部材20の下端面を白色とする加工に代えて、または、それに加えて、棒状部材20の下端面が接するか面する他部材の部分または面を白色としても同様の効果が得られる。
なお、各棒状部材20は、被収容部分の周面(図3(B)において両矢印「ア」によって示す範囲内の周面)に対してブラスト処理、つや消しクリア塗装、メンディングテープの貼付等の粗面化処理が施されている。そのため、光入射面としての棒状部材20の被収容部分の周面での反射光および透過光を減らし、棒状部材20の上端面から出射する光量を増大させることが可能となる。
【0018】
このように、棒状部材20の突出部分の周面を発光させるための第1の光源30と、棒状部材20の上端面を発光させるための第2の光源40とが別の光源となっていることで、例えば、棒状部材20の周面と上端面とをそれぞれを異なる輝度、色、パターン等の態様で発光させることが可能となる。そのために、第1の光源30の発光部31と第2の光源40の発光部41の発光の輝度、色、パターン等の態様を異ならせてもよい。時間の経過とともに第1の光源30の発光部31と第2の光源40の発光部41の少なくとも一方の発光の態様を変化させてもよい。第1および第2の光源30、40の複数の発光部31、41の間で発光の態様を異ならせてもよい。荷重センサを用いる等して、棒状部材20に加えられる荷重に応じて第1および第2の光源30、40の複数の発光部31、41の発光の態様を変化せてもよい。
【0019】
第1の光源30の発光部31や第2の光源40の発光部41はLEDや有機EL等の発光素子としてもよく、その他、蛍光灯や白熱電球等としてもよく、更にはこれらに限られない。第1の光源30、第2の光源40はそれらの全周が発光する線状光源でもよく、全周の内周側のみが線状に発光するものでもよい。環状の第1の光源30を用いることに代えて、複数の発光部31のみを直接、仕切り板12に取り付けてもよい。同様に、環状の第2の光源40を用いることに代えて、複数の発光部41のみを直接、基台10の内面に取り付けてもよい。
第1の光源30の発光部31と第2の光源40の発光部41の位置や個数は互いに異なっていてもよい。第1の光源30の発光部31間の間隔や第2の光源40の発光部41間の間隔は一定でなくてもよい。
なお、第1の光源30の発光部31および第2の光源40の発光部41を発光させるための電源や制御回路については図示を省略した。
【0020】
上記説明においては基台10の横断面形状を円形状としたが、本発明はこれに何ら限定されず、基台10の横断面形状を楕円形状としたり、長円型としたり、多角形状としたり、その他、任意の形状とすることができる。基台10の形状としては柱状に限定されず、台形状その他、任意の形状とすることができる。その場合、基台10の形状に応じて、枠部11、仕切り板12、第1の光源30、第2の光源40等の形状や棒状部材20の配置位置も任意に設定可能である。
保持装置1は、人や物を保持する機能を有するものとして説明したが、単に照明装置や装飾装置としての使用も可能である。その場合、保持装置1の設置方向は横置きや上下反対とするなど任意である。更に、本発明に係る装置は、保持装置1単体として実現するのみならず、自動車用シートなど、他の製品の一部として実現することも可能である。
【0021】
枠部11の上面および側面や仕切り板12の上面は鏡面となっていてもよい。鏡面による光の反射により、より奥行きのある光の演出が可能となる。
仕切り板12は透明な部材であってもよく、あるいは、省略してもよい。ただし、仕切り板12が遮光性を有する場合には、第1の光源30の光と第2の光源40の光が混ざり合うのを避けられる利点があり、例えば、棒状部材20の周面と上端面とをそれぞれを異なる輝度、色、パターン等の態様で光らせる場合の演出効果を高めることができる。
【0022】
棒状部材20は円柱状に限らず、楕円柱状、多角柱状であってもよい。また、棒状部材20は管形状を有していてもよい。棒状部材20は柱状以外の長尺の部材であってもよい。棒状部材20が円柱状でない場合、上述した「棒状部材20の直径aの平均的な値A」に代えて、第1の光源30の発光部31と略同じ高さにおける棒状部材20の断面形状を、その外周が規定する断面積と同じ断面積を有する円形状に置換した場合の当該円形状の直径の平均的な値A’を用いる等してもよい。棒状部材20の上端面の縁が面取りされていてもよい。
棒状部材20の本数は上記図示例に何ら限定されない。また、複数の棒状部材20は形状や寸法が均一である必要はない。例えば、保持装置1の中央部付近の棒状部材20の高さを保持装置1の周縁部に比べて低くして人の臀部に合わせた座面を形成してもよい。また、保持装置1の周縁部付近における棒状部材20の上端を中央部付近より高く設定することで、一部の棒状部材20がひじ掛け、背もたれ、枕、棚等として機能するように形成してもよい。
図例においては、仕切り板12のうち、枠部11と重なる部分を除く範囲に複数の棒状部材20をほぼ均一の配置密度となるように配置したが、棒状部材20の配置密度を仕切り板12内の場所によって異ならせてもよい。
【0023】
棒状部材20と穴13との隙間は、棒状部材20が穴13の内周縁によって安定的に保持され得る程度に狭く設定されたり、その隙間から光が漏れない程度に狭く設定されていたりしていてもよい。棒状部材20と穴13と隙間に保持用または光漏れ防止用のスポンジ状ウレタン樹脂やゴム等の可撓部材を取り付けてもよい。
仕切り板12の一部または全部にメッシュ状、格子状、ルーバー状その他の通風孔を設け、基台10内部に送風機または空調機を備え、送風機または空調機からの風を通風孔から基台10の上方へ向かって噴出させる構成としてもよい。
【0024】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る保持装置1Aの縦断面図であり、第1実施形態の図3(A)の縦断面図に対応する図である。第2実施形態に係る保持装置1Aは、第1実施形態の保持装置1の構成に加えて、基台10Aの内部に設置される弾性材料ブロック50を有する。弾性材料ブロック50はウレタン樹脂などの弾性材料からなる。弾性材料ブロック50は基台10A内部の底部に配置され、複数の棒状部材20の下端が弾性材料ブロック50の上面に接するようになっている。基台10Aは、仕切り板12Aに加えて、支持板60を有する。支持板60は仕切り板12Aと同様の形状および穴を有し、仕切り板12Aの下部に所定の間隔を隔てて基台10Aの内周面に取り付けられる。仕切り板12Aと支持板60の穴は上下方向において一致するように配置されており、各棒状部材20は上下方向に並ぶ仕切り板12Aの穴13Aと支持板60の穴に摺動可能に挿通される。
【0025】
棒状部材20の上端に対して下向きの荷重が加えられると、棒状部材20は仕切り板12Aの穴13Aと支持板60の穴の内部を移動して、棒状部材20の下端が弾性材料ブロック50の当接している部分を下方向に押し込む。その結果、棒状部材20が基台10Aの内部へ向かって下がる。棒状部材20の上端に対する荷重が取り除かれると、弾性材料ブロック50は元の形状へ復元することで棒状部材20を上方へ押し戻し、棒状部材20は元の位置へ戻る。
このような構成により、例えば、複数の棒状部材20の上端の上に人が座ったり寝たりしたとき、人の臀部や、大腿部、背中等の体表面の形状に沿って各棒状部材20がそれぞれ沈み込むため、快適な使用感が提供される。
【0026】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る保持装置1Bにつき、図7および図8を参照して説明する。図7は本発明の第3実施形態に係る保持装置1Bの平面図であり、図8図7の保持装置1BのVIII−VIII断面を矢印の方向に見た縦断面図である。これらの図に示す様に、第3実施形態に係る保持装置1Bは、基台10Bの仕切り板12Bの一部の上面に対して楕円柱状の箱状部14が、複数の棒状部材20に囲まれる態様で固定されている。箱状部14の上面には複数の穴15が形成されており、複数の穴15には複数の棒状部材21が挿通されており、複数の棒状部材21は箱状部14の上方へ突出する。複数の棒状部材21はアクリル樹脂(PMMA樹脂)やポリカーボネート樹脂(PC樹脂)等の透明な樹脂やガラス等の透光性を有する無色または有色の導光性材料からなる。図例において、箱状部14の棒状部材21は、仕切り板12Bの穴13Bに挿通される棒状部材20よりも径が小さい円柱形状を有するものとなっている。ただし、本発明の適用において、棒状部材20と棒状部材21の径の大小関係は問わない。
【0027】
箱状部14の内部には図示しない光源が設置されており、その光源からの光が各棒状部材21の周面に照射され、棒状部材21の内部へ入射した光が棒状部材21の上端から放出される構成としてもよい。棒状部材21の周面のうち、箱状部14の内部となる部分に粗面化処理が施され、光源からの光が棒状部材21の内部へより入射し易い構成となっていてもよい。
箱状部14の外面は鏡面となっており、箱状部14の周囲に存在する複数の棒状部材20からの光を反射する構成となっている。このような構成により、奥行きや広がりのある発光の態様が提供される。箱状部14の複数の棒状部材21の上端部は、例えば、肘掛や枕、棚等として利用することができる。
【0028】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る保持装置1Cにつき、図9を参照して説明する。図9は本発明の第4実施形態に係る保持装置1Cの縦断面図であり、第3実施形態の図8に対応する図である。第4実施形態に係る保持装置1Cは第3実施形態に係る保持装置1Bの箱状部14と同様の箱状部14Cを有する。ただし、第4実施形態に係る保持装置1Cの箱状部14Cは、内部にシリコーンゲル等からなる弾性膜部70を有する。弾性膜部70の外周部分が箱状部14Cの内周面に対して固定されることで、弾性膜部70は箱状部14Cの内部を水平方向に横断するように延在する。箱状部14Cの複数の棒状部材21は下端部が弾性膜部70の上面の上に載置または固定される。
【0029】
複数の棒状部材21は箱状部14Cの上面に形成された穴15Cに摺動可能に挿通されている。棒状部材21を支持するための支持板71が箱状部14Cの内部であって弾性膜部70よりも上の位置に配置されている。支持板71は箱状部14Cの穴15Cと上下で重なる位置に同様の穴を有し、各棒状部材21は箱状部14Cの穴15Cと支持板71の穴に摺動可能に挿通されている。複数の棒状部材21の下端部が弾性膜部70の上面に固定される場合、支持板71は省略してもよい。
以上の構成において、棒状部材21の上端に下向きの荷重が加えられると、棒状部材21は弾性膜部70を変形させるように降下することができる。棒状部材21に加えられていた荷重が除去されると、弾性膜部70が弾性的に元の形状へ戻り、棒状部材21は弾性膜部70により元の位置へ押し戻される。
【0030】
箱状部14Cの内部であって、弾性膜部70よりも下の位置には第3の光源80が設置されている。弾性膜部70は透光性を有するものとして形成されている。そのため、第3の光源80からの光は複数の棒状部材21の下端面に入射し、棒状部材21の内部を通って上端面から放出される。
また、第4実施形態に係る保持装置1Cは、図6を参照して説明した第2実施形態に係る保持装置1Aが有する弾性材料ブロック50と支持板60を有し、第2実施形態と同様に複数の棒状部材20は荷重の載荷および除去により上下動が可能な構成となっている。
【0031】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る保持装置1Dにつき、図10を参照して説明する。図10は本発明の第5実施形態に係る保持装置1Dの平面図であり、第1実施形態の図2に対応する図である。第5実施形態に係る保持装置1Dは、複数の棒状部材20のうち、仕切り板12Dよりも上側へ突出している突出部分の周面に対して光を照射する第1の光源30Dを、枠部11Dの下方で複数の棒状部材20の束の外周を囲むように配置するのではなく、仕切り板12D上面の複数の棒状部材20が配置されている範囲内に配置する。より詳しくは、図10に示す様に、環状の第1の光源30Dが仕切り板12Dの中央に近い位置に配置され、第1の光源30Dの内側および外側の両方に棒状部材20が配置される構成となっている。
【0032】
第1の光源30Dはその周方向に互いに間隔を空けて配置される複数の発光部31Dを有し、発光部31Dは第1の光源30Dから外側の方向へ、棒状部材20の突出部分の周面に向けて光を照射するように構成されている。これに代えて発光部31Dは第1の光源30Dの内側の方向へ光を照射するものでもよく、あるいは、発光部31Dは第1の光源30Dの外側と内側の両方向へ光を照射するものであってもよい。更には、第1の光源30Dは仕切り板12Dの中央付近に配置され、複数の棒状部材20は第1の光源30Dの外側にのみ配置され、第1の光源30Dの複数の発光部31Dは放射状に光を照射するものであってもよい。
【0033】
第5実施形態およびその変形例として説明した第1の光源30Dの構成を、棒状部材20の被収容部分の周面に対して光を照射する第2の光源40に対しても適用してもよい。また、第1実施形態の第1の光源30と第5実施形態の第1の光源30Dの両方を同時に備えてもよく、このことは第2の光源40についても同様である。
【0034】
(比較例)
図11は本発明の比較例に係る保持装置100の縦断面図であり、第1実施形態の図3に対応する図である。第1実施形態の第1の光源30と第2の光源40に代えて、図11に示す保持装置100は各棒状部材20の下端の下側にそれぞれ配置される複数の光源200を有する。このような構成を有する比較例の保持装置100においては、光源200からの光を棒状部材20の下端面から取り入れ、取り入れた光を棒状部材20の上端面から放射する構成となっている。
比較例の保持装置100においては、複数の棒状部材20の上端に下向きの荷重が加えられると、その荷重の影響が棒状部材20の下端から光源200に伝達される可能性があり、光源200の破損につながる可能性がある。対照的に、本発明の各実施形態に係る保持装置1、1A〜1Dにおいては、棒状部材20用の光源30、40は棒状部材20の下端の下には配置されないためそのような問題が生じない。
【0035】
また、比較例において光源200から棒状部材20の下端面に入射した光を、棒状部材20の上端面のみならず突出部分の周面からも出射させようとすると、突出部分の周面を粗面化する等の加工が必要となる。対照的に、本発明の各実施形態に係る保持装置1、1A〜1Dにおいては、棒状部材20の突出部分の周面に対して光を照射する第1の光源30が備えられるため、突出部分の周面を粗面化する等の加工は必要ない。
更には、図11に示す比較例のように複数の棒状部材20のそれぞれに直接光を入射するための光源200を準備する構成では、棒状部材20の数に応じて準備すべき光源200の数が多くなり、製造や費用の観点から不利となる。
【0036】
以上において説明した本発明の異なる実施形態の要素を、実現不可能な場合を除き、互いに組み合わせて実施してもよく、そのような実施の態様も本発明の範囲に含まれる。
本発明は上記発明の各局面や実施形態やその変形例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1、1A、1B、1C、1D 保持装置
10、10A、10B、10C、10D 基台
11、11D 枠部
12、12A、12B、12C、12D 仕切り板
13、13A、13B 穴
14、14C 箱状部
15、15C 穴
20 棒状部材
21、21C 棒状部材
30、30D 第1の光源
31、31D 発光部
40 第2の光源
41 発光部
50 弾性材料ブロック
60 支持板
70 弾性膜部
71 支持板
80 第3の光源

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11