(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6828755
(24)【登録日】2021年1月25日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】超臨界流体装置
(51)【国際特許分類】
G01N 30/32 20060101AFI20210128BHJP
G01N 30/02 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
G01N30/32 Z
G01N30/02 N
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-566739(P2018-566739)
(86)(22)【出願日】2017年3月17日
(86)【国際出願番号】JP2017010937
(87)【国際公開番号】WO2018146826
(87)【国際公開日】20180816
【審査請求日】2019年7月9日
(31)【優先権主張番号】62/458107
(32)【優先日】2017年2月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100205981
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】藤戸 由佳
(72)【発明者】
【氏名】小倉 泰郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 健一朗
【審査官】
大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−101875(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/183290(WO,A1)
【文献】
国際公開第2016/031008(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0187304(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00 − 30/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析流路と、
超臨界流体を構成する移動相を前記分析流路中で送液する送液部と、
前記分析流路内の移動相が超臨界状態となるように前記分析流路内の圧力を制御する背圧制御部と、
試料を保持する試料保持部、及び前記試料保持部を前記分析流路に導入した状態と導入しない状態との間で切り替える切替バルブを有する試料導入装置と、
一端が前記試料導入装置よりも上流の位置に接続され、他端が前記分析流路における前記試料導入装置よりも下流の位置に接続されたバイパス流路と、
前記分析流路上における前記バイパス流路の前記他端が接続されている位置よりも下流に設けられ、前記試料導入装置により導入された試料を分離する分析カラムと、
前記分析流路上における前記バイパス流路の前記一端が接続されている位置よりも上流に設けられ、前記送液部からの移動相によって試料成分を抽出する超臨界抽出部と、
前記分析流路における前記バイパス流路の前記他端が接続されている位置よりも下流で前記分析カラムよりも上流の位置で前記分析流路から分岐したスプリット流路と、を備えた超臨界流体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超臨界流体クロマトグラフ(SFC)やオンライン超臨界流体抽出(SFE)−SFCシステムなどの超臨界流体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超臨界流体を利用する装置として、超臨界流体の流れる分析流路中に試料を注入し、その試料を分析カラムで分離して分析する超臨界流体クロマトグラフ(以下、SFC)や、試料が収容された抽出容器に超臨界流体を導入して成分を抽出する超臨界流体抽出(以下、SFE)が知られている。
【0003】
さらには、SFCとSFEとを一体化させたSFE−SFCシステムが提案され、実施もなされている(特許文献1参照。)。SFE−SFCシステムでは、SFEにおいて抽出された試料成分をオンラインでSFCの分析カラムへ導入し、その試料成分の分離分析を行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2016/031008号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のSFCやSFE−SFCシステムには、超臨界流体が流れる分析流路中に試料を導入するための試料導入装置が設けられている。一般的に、試料導入装置は、注入された試料を一時的に保持するサンプルループなどの試料保持部を備え、その試料保持部を分析流路の途中に介在させるか否かを6方バルブなどの切替バルブによって切り替えるように構成されている。試料を保持した試料保持部を分析流路の途中に介在させることで、試料が分析流路中に導入される。
【0006】
SFCやSFE−SFCシステムでは、分析流路内の圧力を分析カラムの下流に設けられた背圧制御部(BPR)によって一定に制御している。しかし、試料導入装置の切替バルブの切替え時、特に、分析流路中へ試料を導入する際の切替バルブの切替え時に、分析流路内の圧力が変動し、移動相流量の安定性が一時的に低下するという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、試料導入装置の切替バルブの切替え時の圧力変動による影響を緩和することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る超臨界流体装置は、分析流路と、超臨界流体を構成する移動相を前記分析流路中で送液する送液部と、前記分析流路内の移動相が超臨界状態となるように前記分析流路内の圧力を制御する背圧制御部と、試料を保持する試料保持部、及び前記試料保持部を前記分析流路に導入した状態と導入しない状態との間で切り替える切替バルブを有する試料導入装置と、一端が前記試料導入装置よりも上流の位置に接続され、他端が前記分析流路における前記試料導入装置よりも下流の位置に接続されたバイパス流路と、前記分析流路上における前記バイパス流路の前記他端が接続されている位置よりも下流に設けられ、前記試料導入装置により導入された試料を分離する分析カラムと、を備えたものである。
【0009】
本発明は、SFE−SFCシステムに対しても適用することができる。すなわち、本発明の超臨界流体装置は、分析流路上における前記バイパス流路の前記一端が接続されている位置よりも上流に、前記送液部からの移動相によって試料成分を抽出する超臨界抽出部が設けられていてもよい。
【0010】
SFE−SFCシステムでは、SFEにおいて試料成分の抽出をした後のタイミングで、試料導入装置によって標準試料を分析流路中に導入し、分析を行なうことがある。この場合、標準試料を分析流路中に導入する際の試料導入装置の切替バルブの切替えにより、分析流路内の圧力が変動し、分析結果に影響を与えることが懸念される。
【0011】
これに対し、本発明では、送液部からの移動相の一部が試料導入装置を介さないで分析カラム側へ導かれるようにバイパス流路が設けられているので、標準試料を分析流路中に導入する際の試料導入装置の切替バルブの切替えによる分析流路内の圧力変動が緩和され、分析結果への影響が抑制される。
【0012】
特許文献1の[0027]にも記載されているように、SFEでは抽出の速度を優先させるため、超臨界流体(移動相)の流量を多くすることが望ましい一方で、SFCでは分析カラムによる分離を優先させるため、分析カラム内の流量を小さくすることが望ましいことから、流量について、SFEとSFCはトレードオフの関係にある。したがって、単純にSFEとSFCをオンラインにすると、SFEの抽出速度とSFCの分離のいずれかを犠牲にする必要がある。
【0013】
この問題を解決するために、特許文献1にも開示されているように、SFE−SFCシステムにおける分析カラムの上流で分析流路を分岐させ、SFEを経た移動相をスプリットすることが提案され、実施もなされている。分析カラムの上流で移動相をスプリットすることで、分析カラムに流入する移動相の流量を小さくすることができ、SFEでの高い抽出速度とSFCでの高い分離性能の両立を図ることができる。
【0014】
そこで、本発明の超臨界流体装置は、前記分析流路における前記バイパス流路の前記他端が接続されている位置よりも下流で前記分析カラムよりも上流の位置で前記分析流路から分岐したスプリット流路をさらに備えていることが好ましい。そうすれば、超臨界流体部での抽出速度と分析カラムでの分離性能を高いレベルで実現することができる。
【0015】
ここで、分析カラムの上流で移動相をスプリットするスプリット流路を備えている場合、分析結果の再現性を高めるためには、分析カラム側へ流れる移動相の流量とスプリット流路側へ流れる移動相の流量の比率、すなわちスプリット比を安定させる必要がある。このスプリット比は分析流路内の圧力変動による影響を大きく受けるが、本発明では、試料導入装置の切替バルブの切替えによる圧力変動を緩和するバイパス流路が設けられているので、スプリット比の乱れが抑制され、分析結果の再現性の低下を抑制することができる。
【0016】
また、試料導入装置により導入された標準試料が分析流路のスプリット流路との分岐部分を通過する際に、流体の粘性の違い等によってスプリット比が変動し、移動相の流量が変動してしまうという懸念がある。しかし、本発明では、バイパス流路の他端が分析流路のスプリット流路との分岐部分よりも上流に接続されているため、試料導入装置により導入された標準試料がバイパス流路からの移動相によって希釈され、分析流路中において標準試料がより広がった状態となる。これにより、試料導入装置により導入された標準試料が分析流路のスプリット流路との分岐部分を通過する際のスプリット比の変動が抑制され、移動相の流量の変動が抑制される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の超臨界流体装置では、一端が試料導入装置よりも上流の位置に接続され、他端が分析流路における試料導入装置よりも下流の位置に接続されたバイパス流路を備えているので、試料導入装置の切替バルブの切替えによる分析流路内の圧力変動が緩和され、分析流路を流れる移動相の流量が安定し、分析結果の再現性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】超臨界流体装置の一実施例を示す概略構成図である。
【
図2】同実施例の抽出準備時の状態を示す概略構成図である。
【
図3】同実施例の静的抽出時の状態を示す概略構成図である。
【
図4】同実施例の動的抽出時の状態を示す概略構成図である。
【
図5】同実施例の標準試料注入準備時の状態を示す概略構成図である。
【
図6】同実施例の標準試料注入時の状態を示す概略構成図である。
【
図7】同実施例の分析時の状態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る超臨界流体装置の一実施例について、図面を用いて説明する。
【0020】
まず、
図1を用いて一実施例の超臨界流体装置の構成について説明する。この実施例の超臨界流体装置は、超臨界流体によって試料成分を抽出する超臨界流体抽出(SFE)と、超臨界流体を用いて試料を分析カラムにおいて成分ごとに分離し分析する超臨界流体クロマトグラフ(SFC)とが一体化してなるSFE−SFCシステムである。
【0021】
この実施例の超臨界流体装置は、主として、分析流路4中で移動相を送液する送液部2、超臨界流体抽出部6、試料注入装置8、分析カラム10、背圧制御部(BPR)12及び検出器14を備えている。
【0022】
送液部2は、液体状態の二酸化炭素を送液するための送液ポンプ16とメタノールなどのモディファイアを送液する送液ポンプ18を備えている。送液部2は、移動相として、二酸化炭素とモディファイアを所定の比率で又はその比率を変化させながら送液するものである。送液部2により送液される移動相中の二酸化炭素は、BPR12によって分析流路4内の圧力が所定圧力に制御されることによって超臨界状態となり、超臨界流体として分析流路4を流れる。
【0023】
分析流路4上における送液部2の下流に超臨界流体抽出部6が設けられている。超臨界流体抽出部6は、
図1においては示されていないが、試料を収容した抽出容器44(
図2参照)に送液部2からの移動相を導入し、分析対象の成分を抽出するものである。
図1において超臨界流体抽出部6の構成が簡略的に示されているが、その構成は例えば特許文献1に開示されたSFEユニットと同様の構成でよい。抽出容器44から抽出された試料成分は分析カラム10へ導入されて分離される。
【0024】
分析流路4上における超臨界流体抽出部6の下流に試料導入装置8が設けられている。試料導入装置4は、試料の吸入と吐出を行なうニードル20、そのニードル20を挿入してニードル20からの試料注入を行なう注入ポート22、注入ポート22を介して注入された試料を一時的に保持するサンプルループ24(試料保持部)、及びそのサンプルループ24を分析流路4の一部として導入した状態と分析流路4から切り離した状態のいずれかの状態に切り替える切替バルブ26を備えている。
【0025】
分析流路4における超臨界流体抽出部6と試料導入装置8との間の位置30に、バイパス流路28の一端が接続されている。バイパス流路28の他端は、分析流路4における試料導入装置8の下流の位置32に接続されている。バイパス流路28は超臨界流体抽出部6を経た送液部2からの移動相の一部を、試料導入装置8を介さずに試料導入装置8の下流側へ流す流路である。バイパス流路28の流路抵抗は、試料導入装置8側を流れる移動相流量とバイパス流路28を流れる移動相流量との比率、すなわち分析流路4の位置30でのスプリット比が1:3〜1:10となるように設計されることが好ましい。
【0026】
分析流路4上における試料導入装置8の下流に分析カラム10が設けられ、分析カラム10よりもさらに下流にBPR12が設けられている。BPR12のさらに下流に検出器14が設けられている。分析カラム10はカラムオーブン11内に収容されており、一定温度に維持されている。分析流路4における分析カラム10とBPR12との間の位置40に、メイクアップポンプ42によってメイクアップ液を送液するメイクアップ流路が接続されている。
【0027】
分析流路4は、バイパス流路28の他端が接続されている位置32よりも下流で分析カラム10よりも上流の位置34で、分析カラム10側の流路とスプリット流路36に分岐している。分析流路4から分岐したスプリット流路36上には、分岐部分34におけるスプリット比を調節するためのBPR38が設けられている。BPR38により、分析カラム10側へ流れる移動相の流量とスプリット流路36側へ流れる移動相の流量との比率(スプリット比)が、例えば1:99になるように調節される。
【0028】
図2から
図7を用いて、この実施例の超臨界流体装置の動作の一例について説明する。
【0029】
まず、
図2に示されているように、超臨界流体抽出部6で試料抽出を行なうために、試料を収容した抽出容器44を超臨界流体抽出部6に設置し、所定温度に加温する。その後、
図3に示されているように、抽出容器44の入口を送液部2に接続するとともに出口を分析流路4に接続しない状態にして、送液部2から移動相(超臨界流体)を送液して抽出容器44に超臨界流体を充てんし、試料成分の静的抽出を行なう。
【0030】
試料成分の静的抽出が終了した後、
図4に示されているように、抽出容器44の出口を分析流路4に接続して、試料成分の動的抽出を行なう。このとき、試料導入装置8の切替バルブ26は、サンプルループ24を分析流路4から切り離した状態となる。試料成分の動的抽出では、抽出容器44から抽出された試料成分が送液部2からの移動相によって分析流路4及びバイパス流路28を流れ、分岐部分34に到達する。分岐部分34において試料成分を含む移動相は所定の比率でスプリットされ、一部が分析カラム10に導入され、残りの部分がスプリット流路36を介して廃棄される。分析カラム10に導入された試料成分はさらに成分ごとに分離された後、BPR12を経て検出器14に導入され、検出される。
【0031】
上記の動的抽出中に、分析流路4に標準試料を導入する。標準試料は図示されていないバイアルに収容されており、ニードル20がそのバイアルから標準試料を吸入し、
図5に示されているように、ニードル20から注入ポート22を介してサンプルループ24に標準試料を注入する。注入ポート22を介して注入された標準試料は、サンプルループ24内に滞留する。
【0032】
サンプルループ24に標準試料を注入した後、
図6に示されているように、切替バルブ26を切り替えて、サンプルループ24が分析流路4の一部として導入された状態にする。
【0033】
このとき、分析流路4に導入される前のサンプルループ24内と分析流路4内には圧力差があるため、切替バルブ26を切り替えたときに、分析流路4内で圧力変動が生じる。分析流路4内で圧力変動が生じると、分析流路4内の圧力を所定圧力に維持するようにBPR12が動作するため、分岐部分34でのスプリット比が変動し、分析カラム10側へ流れる移動相の流量が変動する。
【0034】
しかし、送液部2からの移動相の一部は試料導入装置8を介さずにバイパス流路28を流れるため、切替バルブ26の切替え時の圧力変動はバイパス流路28が設けられていない場合よりも小さいものとなる。これにより、分析流路4の分岐部分34におけるスプリット比の変動幅もより小さく抑制され、分析カラム10側へ流れる移動相の流量変動が抑制される。これにより、検出器14で得られるクロマトグラムのピーク面積の再現性が向上する。
【0035】
また、バイパス流路28が設けられていることにより、送液部2からの移動相の一部が、バイパス流路28を流れて試料導入装置8の下流の位置32で、試料導入装置8によって導入された標準試料を含む移動相と合流する。これにより、試料導入装置8によって導入された標準試料が位置32で合流するバイパス流路28からの移動相によって希釈され、分析流路4内においてより広がりをもったものとなる。そして、位置32で希釈された標準試料を含む移動相が分岐部分34を通過することになる。
【0036】
移動相中における標準試料の濃度が高い場合、分岐部分34を通過する液の粘性の変化等の影響により分岐部分34でのスプリット比が変化することが懸念されるが、この実施例では、分岐部分34の上流の位置32において標準試料がバイパス流路28からの移動相によって希釈されるため、分岐部分34でのスプリット比の変動が抑制される。
【0037】
図4から
図6に示した試料成分の動的抽出と標準試料の導入により、試料成分と標準試料が分析カラム10に導入される。その後、
図7に示されているように、抽出容器44を分析流路4から切り離し、試料成分の抽出を完了し、分析カラム10での試料成分の分離と検出器14による検出を行なう。分析カラム10から溶出速度を向上させる場合には、BPR38を閉じてスプリット流路36の流量をゼロにし、分析カラム10を流れる移動相の流量を高める。
【0038】
本発明者らは、バイパス流路28を設けた場合と設けなかった場合について、検出器14の検出信号のクロマトグラムのピーク面積の再現性について検証を行なった。その結果、バイパス流路28を設けなかった場合のピーク面積再現性(ピーク面積の%RSD)は8.8〜17.6であったのに対し、バイパス流路28を設けた場合のピーク面性再現性は2.6〜3.8であった。すなわち、この検証では、バイパス流路28を設けることによってピーク面積再現性を2.5倍〜6.5倍改善することができることを確認した。なお、この検証では、試料導入装置8側へ流れる移動相流量とバイパス流路28側へ流れる移動相流量の比率、すなわち分析流路4の位置30におけるスプリット比が1:3〜1:10程度になるように設計した。
【符号の説明】
【0039】
2 送液部
4 分析流路
6 超臨界流体抽出部
8 試料導入装置
10 分析カラム
11 カラムオーブン
12,38 背圧制御部(BPR)
14 検出器
16,18 送液ポンプ
20 ニードル
22 注入ポート
24 サンプルループ(試料保持部)
26 切替バルブ
28 バイパス流路
34 分岐部分
36 スプリット流路
42 メイクアップポンプ
44 抽出容器