(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0012】
〔第1実施形態〕
先ず、
図1等を用いて本実施形態に係るコイル部品の端子用板材100(以下、単に、端子用板材100と称する)を説明する。
本実施形態に係る端子用板材100は、コイル部品(例えば、
図2(a)に示すように、コイル部品30)の端子32が実装される端子用板材100である。
端子用板材100は、環状の枠部10と、枠部10の内周縁から枠部10の内方に向けてそれぞれ延出している一対の延出部15、16と、を備えている。枠部10は、少なくとも1つの延出部(本実施形態の場合、双方の延出部15、16)の基端部近傍に、当該延出部の幅方向全域に亘って延在する易変形部(本実施形態の場合、スリット18(貫通孔))を有する。
ここで、易変形部が延出部の幅方向全域に亘って延在するとは、易変形部が、少なくとも、延出部の幅方向における一端から他端までの範囲に亘って延在していることを意味する。また、本実施形態のように一の易変形部が延出部の幅方向全域に亘って延在していてもよいし、本実施形態とは異なり、複数に分割された易変形部によって延出部の幅方向全域がカバーされていてもよい。後者の場合、複数の易変形部のうち互いに隣り合う易変形部は、延出部の延在方向において互いに異なる位置に配置されており、互いに隣り合う易変形部は、延出部の延在方向に視たときに互いにオーバーラップするように配置されている。
以下、詳細に説明する。
【0013】
端子用板材100は、導電性が良好な金属材料(銅など)により構成された薄板状の部材であり、フープとも称されるものである。
【0014】
枠部10は、例えば、矩形枠状(矩形の環状)に形成されている。枠部10の中央には開口10aが形成されている。
枠部10は、例えば、それぞれ直線状に延在している4つの縁辺部(第1縁辺部11、第2縁辺部12、第3縁辺部13及び第4縁辺部14)を含んで構成されている。
第1縁辺部11と第2縁辺部12とは互いに平行に延在しており、第3縁辺部13と第4縁辺部14とは互いに平行に延在している。また、第3縁辺部13及び第4縁辺部14は第1縁辺部11及び第2縁辺部12に対して直交する方向に延在している。
第1縁辺部11の一端は第4縁辺部14の一端に対して連接されており、第4縁辺部14の他端は第2縁辺部12の一端に対して連接されており、第2縁辺部12の他端は第3縁辺部13の一端に対して連接されており、第3縁辺部13の他端は第1縁辺部11の他端に対して連接されている。
【0015】
延出部15は、第1縁辺部11の延在方向における中央部から、第2縁辺部12の方に向けて延出している。
同様に、延出部16は、第2縁辺部12の延在方向における中央部から、第1縁辺部11の方に向けて延出している。
より詳細には、延出部15及び延出部16は、第1縁辺部11及び第2縁辺部12に対してそれぞれ直交する方向に延在している。
延出部15と延出部16とは、例えば、互いに同一直線上に配置されている。
延出部15の先端部15a、及び、延出部16の先端部16aは、例えば、それぞれ二股形状に形成されている。
【0016】
本実施形態の場合、第1縁辺部11及び第2縁辺部12には、易変形部として、それぞれ貫通孔(例えばスリット18)が形成されている。
すなわち、本実施形態の場合、易変形部は、枠部10に形成された貫通孔(スリット18)である。
【0017】
スリット18は、例えば、第1縁辺部11及び第2縁辺部12の各々の長手方向に沿って直線状に延在している。本実施形態の場合、延出部15及び延出部16は、第1縁辺部11及び第2縁辺部12に対して直交する方向に延在している。このため、スリット18は、延出部15及び延出部16の延在方向に対する交差方向(例えば、直交方向)に延在している。
第1縁辺部11に形成されたスリット18は、少なくとも、延出部15の幅方向全域に亘って延在している。
同様に、第2縁辺部12に形成されたスリット18は、少なくとも、延出部16の幅方向全域に亘って延在している。
【0018】
より詳細には、第1縁辺部11に形成されたスリット18は、延出部15の幅よりも長尺に形成されており、延出部15の幅を超えて延在している。例えば、第1縁辺部11に形成されたスリット18の一端は、第1縁辺部11と第4縁辺部14との交差部の近傍に位置しており、当該スリット18の他端は、第1縁辺部11と第3縁辺部13との交差部の近傍に位置している。
同様に、第2縁辺部12に形成されたスリット18は、延出部16の幅よりも長尺に形成されており、延出部16の幅を超えて延在している。例えば、第2縁辺部12に形成されたスリット18の一端は、第2縁辺部12と第4縁辺部14との交差部の近傍に位置しており、当該スリット18の他端は、第2縁辺部12と第3縁辺部13との交差部の近傍に位置している。
すなわち、易変形部(スリット18)は、延出部15、16の延在方向に対する交差方向において延出部15、16の幅を超えて延在している。
【0019】
なお、スリット18の長さ(長手寸法)は、延出部15、16の幅寸法の1.0倍以上、4.0倍以下であることが好ましい。
また、上述のように、易変形部(本実施形態の場合、スリット18)は、延出部15、16の基端部近傍に配置されている。易変形部と延出部15、16の基端部との距離は、延出部15、16の幅寸法以下であることが好ましい一例である。
【0020】
ここで、枠部10は、当該枠部10の周縁部を含む環状部20と、接続部19と、を有している。
すなわち、枠部10は、環状部20の内側において第1縁辺部11のスリット18に沿って延在し、延出部15の基端部と環状部20とを相互に接続している一対の接続部19と、環状部20の内側において第2縁辺部12のスリット18に沿って延在し、延出部16の基端部と環状部20とを相互に接続している一対の接続部19と、を有している。
枠部10において、接続部19を除いた部分が、環状部20である。
【0021】
ここで、端子用板材100には、
図2(a)及び
図2(b)等に示されるコイル部品30が実装される。
図2(a)及び
図2(b)等において、コイル部品30については模式的な形状を示している。
コイル部品30は、導電線により構成されている。すなわち、コイル部品30は、導電線を巻回することにより構成された巻回部31と、巻回部31から突出している一対の端子32と、を有している。
巻回部31の軸心方向にコイル部品30を視たとき、一対の端子32は、巻回部31から互いに反対方向に直線状に突出している。
【0022】
なお、
図2(a)及び
図2(b)等に示すように、延出部15、16は、端子32よりも幅広である。
【0023】
枠部10は、端子32の端部をかしめによって保持するかしめ保持部(例えば、かしめ保持部17a及びかしめ保持部17b)を有する。
そして、易変形部(スリット18)は、かしめ保持部と延出部15、16との間に配置されている。
本実施形態の場合、第1縁辺部11と第2縁辺部12の各々が、かしめ保持部17a及び17bを有している。
【0024】
より詳細には、第1縁辺部11には、スリット18と連続する周囲開口17dがスリット18に隣接して形成されている。この周囲開口17dは、スリット18に対して、延出部15側とは反対側に隣接している。
第1縁辺部11は、周囲開口17dの内周縁から周囲開口17d内に向けて突出している支持部17cを有している。この支持部17cは、周囲開口17dの内周縁において、延出部15側とは反対側の部位から、延出部15側に向けて突出している。
第1縁辺部11のかしめ保持部17aは、第1縁辺部11の支持部17cから、スリット18に対して平行な一方向に突出しており、第1縁辺部11のかしめ保持部17bは、第1縁辺部11の支持部17cから、スリット18に対して平行な他方向(上記一方向に対する反対方向)に突出している。
第1縁辺部11のかしめ保持部17a及びかしめ保持部17bは、延出部15の延在方向に並んで配置されており、かしめ保持部17aと延出部15との距離は、かしめ保持部17bと延出部15との距離よりも長い。
【0025】
同様に、第2縁辺部12には、スリット18と連続する周囲開口17dがスリット18に隣接して形成されている。この周囲開口17dは、スリット18に対して、延出部16側とは反対側に隣接している。
第2縁辺部12は、周囲開口17dの内周縁から周囲開口17d内に向けて突出している支持部17cを有している。この支持部17cは、周囲開口17dの内周縁において、延出部16側とは反対側の部位から、延出部16側に向けて突出している。
第2縁辺部12のかしめ保持部17aは、第2縁辺部12の支持部17cから、スリット18に対して平行な一方向に突出しており、第2縁辺部12のかしめ保持部17bは、第2縁辺部12の支持部17cから、スリット18に対して平行な他方向(上記一方向に対する反対方向)に突出している。
第2縁辺部12のかしめ保持部17a及びかしめ保持部17bは、延出部16の延在方向に並んで配置されており、かしめ保持部17aと延出部16との距離は、かしめ保持部17bと延出部16との距離よりも長い。
【0026】
ただし、本発明は、この例に限らず、易変形部(本実施形態の場合、スリット18)は、延出部15、16を基準として、かしめ保持部(かしめ保持部17a、かしめ保持部17b)よりも遠い側に配置されていてもよい。すなわち、
図1において、左側の易変形部(スリット18)は、左側のかしめ保持部17a及びかしめ保持部17b)の左側に配置されていてもよいし、右側の易変形部(スリット18)は、右側のかしめ保持部17a及びかしめ保持部17b)の右側に配置されていてもよい。
【0027】
枠部10は、端子用板材100の位置決めに用いられる位置決め用孔21を有する。すなわち、枠部10は、位置決め用孔21とは別に、易変形部であるスリット18を有している。
位置決め用孔21の形状及び配置は特に限定されないが、一例として、位置決め用孔21は、円形であり、第1縁辺部11と第4縁辺部14との交差部、第4縁辺部14と第2縁辺部12との交差部、第2縁辺部12と第3縁辺部13との交差部、及び、第3縁辺部13と第1縁辺部11との交差部の、合計4箇所に配置されている。
【0028】
次に、本実施形態に係る電子部品の製造方法を説明する。
この製造方法は、以下の(i)〜(v)の工程を有する。
(i)本実施形態に係るコイル部品の端子用板材100を用意する工程。
(ii)コイル部品として、導電線により構成されたコイル部品30を用意する工程。上述のように、コイル部品30は、導電線が巻回された巻回部31と、巻回部31から突出している一対の端子32と、を有する。
(iii)端子用板材100の各延出部15、16上にコイル部品30の各端子32を配置し、コイル部品30と端子用板材100とを相互に組み合わせ、半製品60を作製する工程(
図2(a)〜
図2(b))。
(iv)半製品60を金型40にセットし、磁性粉末51により半製品60を覆う充填工程(
図3)。
(v)磁性粉末51を加圧して磁性コア50(
図4、
図5(a)、
図5(b))を形成するプレス工程(
図3)。
そして、プレス工程によって、延出部15、16が端子32の延伸方向に変位し、その変位を易変形部が吸収する(
図4参照)。
以下、詳細に説明する。
【0029】
端子用板材100及びコイル部品30を用意した後、
図2(a)に示すように、コイル部品30の一方の端子32を延出部15上に配置するとともに、他方の端子32を延出部16上に配置する。なお、このように端子用板材100に対してコイル部品30を位置合わせする際には、位置決め用孔21を用いて端子用板材100を位置決めしてもよい。
ここで、一方の端子32の先端部(被かしめ部32b)は、第1縁辺部11の支持部17c上に配置し、他方の端子32の先端部(被かしめ部32b)は、第2縁辺部12の支持部17c上に配置する。
なお、コイル部品30の巻回部31は、延出部15の先端部と延出部16の先端部との間に配置される。
【0030】
次に、
図2(b)に示すように、第1縁辺部11のかしめ保持部17a及びかしめ保持部17bをかしめることで支持部17cによって一方の端子32の被かしめ部32bを保持させるとともに、第2縁辺部12のかしめ保持部17a及びかしめ保持部17bをかしめることで支持部17cによって他方の端子32の被かしめ部32bを保持させる。
このように、端子用板材100の各延出部15、16上にコイル部品30の各端子32を配置し、コイル部品30と端子用板材100とを相互に組み合わせる。
これにより、
図2(b)に示す半製品60が得られる。
【0031】
次に、
図3に示すように、半製品60を金型40にセットする。
金型40は、例えば、それぞれ矩形枠状に形成されていて上下に開口している第1金型部材41と第2金型部材42とを含んで構成され、これら第1金型部材41と第2金型部材42とを相互に組み付けることにより構成されている。また、金型40には第3金型部材44と第4金型部材45とが設けられており、金型40、第3金型部材44及び第4金型部材45によってプレス装置が構成されている。
金型40は、一対の挿通孔43を有している。
一方の挿通孔43は、一方の端子32を金型40の内部空間から外部空間に突出させるとともに、延出部15の先端部15aを金型40の内部に挿入するためのものである。
また、他方の挿通孔43は、他方の端子32を金型40の内部空間から外部空間に突出させるとともに、延出部16の先端部16aを金型40の内部に挿入するためのものである。
【0032】
図3に示すように、先ず、コイル部品30の巻回部31を金型40の内部空間に配置し、一対の端子32は、挿通孔43を介して金型40の外部に突出させる。この状態で、各延出部15、16の先端部15a、16aは、金型40の内部空間に配置される。
次に、金型40の内部に磁性粉末51を充填する。これにより、コイル部品30の巻回部31と、各端子32の基端部と、各延出部15、16の先端部15a、16aは、磁性粉末51に埋設される。すなわち、磁性粉末51により半製品60を覆う(半製品60の一部分を覆う)(充填工程)。
【0033】
次に、第3金型部材44と第4金型部材45とにより金型40内で磁性粉末51を加圧することによって、巻回部31の周囲に磁性コア50を形成する(プレス工程)。
その後、第3金型部材44と第4金型部材45とを磁性コア50から上下に離間させ、金型40から半製品60を取り外す。
【0034】
ここで、プレス工程の際に、延出部15、16が端子32の延伸方向(
図3、
図4の矢印A方向及び矢印B方向)に押し出されることによって変位するが、その変位を易変形部であるスリット18が吸収する。すなわち、
図4に示すように、各延出部15、16が巻回部31から遠ざかる方向(磁性コア50から遠ざかる方向)に変位し、その変位を、各接続部19が変形することで吸収する(
図4参照)。
これにより、端子用板材100が歪んでしまうこと(端子用板材100の変形)を抑制することができる。よって、磁性コア50において、延出部15、16及び端子32が突出している部位に局所的に作用する応力を抑制することができ、磁性コア50におけるクラックの発生も抑制できる。
なお、矢印A方向と、矢印B方向は、互いに反対方向である。
【0035】
ここで、本実施形態に係る電子部品の製造方法は、以下のように定義することもできる。
すなわち、本実施形態に係る電子部品の製造方法は、コイル部品の端子用板材100を用意する工程と、コイル部品として、導電線により構成されたコイル部品30であって該導電線が巻回された巻回部31と巻回部31から突出している一対の端子32と、を有するコイル部品30を用意する工程と、端子用板材100の各延出部15、16上にコイル部品30の各端子32を配置し、コイル部品30と端子用板材100とを相互に組み合わせ、半製品60を作製する工程と、半製品60を金型40にセットし、磁性粉末51により半製品60を覆う充填工程と、磁性粉末を加圧して磁性コアを形成するプレス工程と、を備えている。そして、プレス工程によって、延出部15、16が当該延出部15、16の延伸方向に変位し、その変位を易変形部が吸収する。
【0036】
金型40から半製品60を取り外した後は、
図5(a)に示すように、各端子32及び各延出部15、16を切断し、半製品60から個片72を得る。なお、半製品60において、
図4に示される領域C内の部分である電子部品構成部71が個片72となる。
【0037】
更に、
図5(b)に示すように、延出部15及び一方の端子32を磁性コア50の外面に沿って折り曲げ、且つ、延出部16及び他方の端子32を磁性コア50の外面に沿って折り曲げる。
こうして、電子部品70が得られる。
【0038】
以上のような第1実施形態によれば、端子用板材100の枠部10は、少なくとも1つの延出部15、16の基端部近傍に、当該延出部の幅方向全域に亘って延在する易変形部であるスリット18を有する。
よって、コイル部品30を覆う磁性粉末51を加圧して磁性コア50を形成する際において、延出部15、16が端子32の延伸方向に変位し、その変位を易変形部(スリット18)が吸収することができるので、端子用板材100の変形(歪み)を抑制することが可能である。
これにより、磁性コア50において、延出部15、16及び端子32が突出している部位に局所的に作用する応力を抑制することができ、磁性コア50におけるクラックの発生も抑制できる。
【0039】
また、易変形部(スリット18)は、延出部15、16の延在方向に対する交差方向において、延出部15、16の幅を超えて延在しているので、延出部15、16のより大きな変位を易変形部によって吸収することができる。
【0040】
〔第2実施形態〕
次に、
図6(a)及び
図6(b)を用いて第2実施形態を説明する。
本実施形態に係る端子用板材100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る端子用板材100と相違しており、その他の点では、第1実施形態に係る端子用板材100と同様に構成されている。
【0041】
図6(a)に示すように、本実施形態の場合も、易変形部は、延出部15、16の延在方向に対する交差方向(例えば直交方向)に延在するスリット18であり、枠部10は、当該枠部10の周縁部を含む環状部20と、環状部20の内側においてスリット18に沿って延在し、延出部15、16の基端部と環状部20とを相互に接続している一対の接続部19と、を有している。なお、枠部10は、各延出部15、16毎に、一対の接続部19を有している。
そして、一対の接続部19の各々は、当該接続部19における延出部15、16側の端部に形成された第1ノッチ81と、当該接続部19における環状部20側の端部に形成された第2ノッチ82と、を有する。
これにより、枠部10が各接続部19の端部において容易に折れ曲がることができるようになっている(
図6(b)参照)。
【0042】
より詳細には、第1ノッチ81は、スリット18に臨んでおり、第2ノッチ82は、開口10aに臨んでいる。これにより、枠部10が各接続部19の端部においてより容易に折れ曲がることができるようになっている。
【0043】
よって、本実施形態においても、コイル部品30を覆う磁性粉末51を加圧して磁性コア50を形成する際において、延出部15、16が端子32の延伸方向に変位し、その変位を易変形部(スリット18)が吸収することができるので、端子用板材100の変形(歪み)を抑制することが可能である。
【0044】
〔第3実施形態〕
次に、
図7を用いて第3実施形態を説明する。
本実施形態に係る端子用板材100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る端子用板材100と相違しており、その他の点では、第1実施形態に係る端子用板材100と同様に構成されている。
【0045】
図7に示すように、本実施形態の場合、接続部19は、ミアンダ形状(蛇行形状)のミアンダ形状部19aを含んで構成されている。これにより、接続部19の可撓性が向上する。
よって、本実施形態においても、コイル部品30を覆う磁性粉末51を加圧して磁性コア50を形成する際において、延出部15、16が端子32の延伸方向に変位し、その変位を易変形部(スリット18)が吸収することができるので、端子用板材100の変形(歪み)を抑制することが可能である。
【0046】
〔第4実施形態〕
次に、
図8を用いて第4実施形態を説明する。
本実施形態に係る端子用板材100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る端子用板材100と相違しており、その他の点では、第1実施形態に係る端子用板材100と同様に構成されている。
【0047】
図8に示すように、本実施形態の場合、枠部10の第1縁辺部11及び第2縁辺部12にはスリット18(
図1)が形成されておらず、代わりに、第1縁辺部11及び第2縁辺部12には、易変形部として、それぞれ薄肉部22が形成されている。
すなわち、本実施形態の場合、易変形部は、枠部10に形成された薄肉部22である。
薄肉部22は、枠部10における薄肉部22の周囲の部分よりも薄肉に形成されている。つまり、枠部10の表面に凹部が形成されている箇所である薄肉部22が、易変形部である。
薄肉部22は、例えば、ハーフエッチングなどにより形成することができる。
【0048】
薄肉部22は、例えば、第1縁辺部11及び第2縁辺部12の各々の長手方向に沿って直線状に延在している。本実施形態の場合、延出部15及び延出部16は、第1縁辺部11及び第2縁辺部12に対して直交する方向に延在している。このため、薄肉部22は、延出部15及び延出部16の延在方向に対する交差方向(例えば、直交方向)に延在している。
【0049】
第1縁辺部11に形成された薄肉部22は、少なくとも、延出部15の幅方向全域に亘って延在している。
同様に、第2縁辺部12に形成された薄肉部22は、少なくとも、延出部16の幅方向全域に亘って延在している。
【0050】
より詳細には、第1縁辺部11に形成された薄肉部22は、延出部15の幅よりも長尺に形成されており、延出部15の幅を超えて延在している。例えば、第1縁辺部11に形成された薄肉部22の一端は、第1縁辺部11と第4縁辺部14との交差部の近傍に位置しており、当該薄肉部22の他端は、第1縁辺部11と第3縁辺部13との交差部の近傍に位置している。
同様に、第2縁辺部12に形成された薄肉部22は、延出部16の幅よりも長尺に形成されており、延出部16の幅を超えて延在している。例えば、第2縁辺部12に形成された薄肉部22の一端は、第2縁辺部12と第4縁辺部14との交差部の近傍に位置しており、当該スリット18の他端は、第2縁辺部12と第3縁辺部13との交差部の近傍に位置している。
すなわち、易変形部(薄肉部22)は、延出部15、16の延在方向に対する交差方向において延出部15、16の幅を超えて延在している。
【0051】
本実施形態においても、コイル部品30を覆う磁性粉末51を加圧して磁性コア50を形成する際において、延出部15、16が端子32の延伸方向に変位し、その変位を易変形部(薄肉部22)が吸収することができるので、端子用板材100の変形(歪み)を抑制することが可能である。
【0052】
〔第5実施形態〕
次に、
図9(a)から
図15(c)を用いて第5実施形態を説明する。
本実施形態に係る端子用板材100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る端子用板材100と相違しており、その他の点では、第1実施形態に係る端子用板材100と同様に構成されている。
【0053】
図9(a)及び
図9(b)は、端子用板材100の全体が平坦な状態を示している。すなわち、後述するように、第2かしめ保持部151、161は後でそれぞれ折り曲げられるが(例えば
図10(a)、
図10(b)、
図10(c)参照)、
図9(a)及び
図9(b)では第2かしめ保持部151、161が折り曲げられる前の状態を示している。
【0054】
図9(a)及び
図9(b)に示すように、本実施形態に係る端子用板材100においても、延出部15の先端部15a、及び、延出部16の先端部16aは、例えば、それぞれ二股形状に形成されている。
すなわち、一対の延出部15、16の各々の先端部15a、16aは、一対の分枝部を有する二股形状に形成されている。
【0055】
延出部15の先端部15aの一対の分枝部のうち、一方の分枝部は、第2かしめ保持部151であり、他方の分枝部は、アンカー部152となっている。
第2かしめ保持部151は、コイル部品30の一方の端子32をかしめによって保持する部分である(
図12(a)、
図12(c)参照)。
また、第2かしめ保持部151及びアンカー部152は、それぞれ磁性コア50内に埋設されて、切断後の延出部15(
図15(a)、
図15(c))が磁性コア50から脱落することを規制するアンカー機能を発揮する。
【0056】
同様に、延出部16の先端部16aの一対の分枝部のうち、一方の分枝部は、第2かしめ保持部161であり、他方の分枝部は、アンカー部162となっている。
第2かしめ保持部161は、コイル部品30の他方の端子32をかしめによって保持する部分である(
図12(a)、
図12(b)、
図12(c)参照)。
また、第2かしめ保持部161及びアンカー部162は、それぞれ磁性コア50内に埋設されて、切断後の延出部16(
図15(a)、
図15(b)、
図15(c))が磁性コア50から脱落することを規制するアンカー機能を発揮する。
【0057】
ここで、延出部15において、先端部15a以外の部分を基端部15bと称する。
同様に、延出部16において、先端部16a以外の部分を基端部16bと称する。
【0058】
また、本実施形態の場合、先端部15aは、先端基部153と、一対の分枝部(第2かしめ保持部151及びアンカー部152)と、により構成されている。
先端基部153は、基端部15bの先端側に連接された部分である。
一対の分枝部(第2かしめ保持部151及びアンカー部152)は、先端基部153の先端から更に、延出部15の先端側に突出している。
【0059】
同様に、本実施形態の場合、先端部16aは、先端基部163と、一対の分枝部(第2かしめ保持部161及びアンカー部162)と、により構成されている。
先端基部163は、基端部16bの先端側に連接された部分である。
一対の分枝部(第2かしめ保持部161及びアンカー部162)は、先端基部163の先端から更に、延出部16の先端側に突出している。
【0060】
本実施形態の場合、先端基部153は、例えば、基端部15bよりも幅広に形成されており、基端部15bの先端から、基端部15bの幅方向両側に張り出している。
そして、先端基部153において、基端部15bよりも幅方向に張り出している部分の一方から第2かしめ保持部151が突出しており、他方からアンカー部152が突出している。
また、先端基部153からの第2かしめ保持部151の突出長さは、先端基部153からのアンカー部152の突出長さよりも長い。
第2かしめ保持部151の先端部は、例えば、一定幅の帯状に形成されている。この帯状の部分は、例えば、延出部15の延出方向と平行な方向に長尺に形成されている。
第2かしめ保持部151において、この帯状の部分が、かしめられて、一方の端子32を保持するようになっている。
【0061】
同様に、本実施形態の場合、先端基部163は、例えば、基端部16bよりも幅広に形成されており、基端部16bの先端から、基端部16bの幅方向両側に張り出している。
そして、先端基部163において、基端部16bよりも幅方向に張り出している部分の一方から第2かしめ保持部161が突出しており、他方からアンカー部162が突出している。
また、先端基部163からの第2かしめ保持部161の突出長さは、先端基部163からのアンカー部162の突出長さよりも長い。
第2かしめ保持部161の先端部は、例えば、一定幅の帯状に形成されている。この帯状の部分は、例えば、延出部16の延出方向と平行な方向に長尺に形成されている。
第2かしめ保持部161において、この帯状の部分が、かしめられて、他方の端子32を保持するようになっている。
【0062】
このように、一対の延出部15、16の各々の先端部15a、16bは、一対の分枝部を有する二股形状に形成されており、一対の分枝部のうち少なくとも一方の分枝部は、端子32をかしめによって保持する第2かしめ保持部151、161を構成している。
本実施形態の場合、一対の分枝部のうち一方が第2かしめ保持部151又は161となっており、他方は第2かしめ保持部151又は161ではなくアンカー部152又は162となっている。
ただし、本発明は、この例に限らず、一対の分枝部の双方が第2かしめ保持部151又は161となっていてもよい。
【0063】
先端基部153における先端側の縁辺(以下、基部先端縁辺153a)は、例えば、延出部15の延出方向に対して直交する方向に直線状に延在している。
例えば、基部先端縁辺153aの両端部には、それぞれ縁辺ノッチ154が形成されている。
一方の縁辺ノッチ154は、第2かしめ保持部151の基端に隣接して配置されている。
他方の縁辺ノッチ154は、アンカー部152の基端に隣接して配置されている。
【0064】
先端基部163における先端側の縁辺(以下、基部先端縁辺163a)は、例えば、延出部16の延出方向に対して直交する方向に直線状に延在している。
例えば、基部先端縁辺163aの両端部には、それぞれ縁辺ノッチ164が形成されている。
一方の縁辺ノッチ164は、第2かしめ保持部161の基端に隣接して配置されている。
他方の縁辺ノッチ164は、アンカー部162の基端に隣接して配置されている。
【0065】
延出部15の先端部15aと延出部16の先端部16aとは互いに対向して配置されている。
より詳細には、第2かしめ保持部151と第2かしめ保持部161とが互いに対向しており、アンカー部152とアンカー部162とが互いに対向している。
例えば、延出部15と延出部16とは、互いに線対称の形状に形成されている(
図9(a)において、左右対称に形成されている)。
【0066】
なお、本実施形態の場合、第1縁辺部11及び第2縁辺部12の各々には、かしめ保持部17a、17b、支持部17c及び周囲開口17dが形成されていない。換言すれば、第1縁辺部11及び第2縁辺部12の各々には、ストレート状のスリット18が形成されている。こうする事により、端子用板材100の構成がシンプルになる。
【0067】
また、第1実施形態では、
図1等に示すように、第3縁辺部13及び第4縁辺部14にもスリット(例えば、2つずつのスリット)が形成されている例を図示したが、本実施形態の場合、例えば、第3縁辺部13及び第4縁辺部14にはスリットが形成されていない。こうする事により、端子用板材100の構成が更にシンプルになる。ただし、必要に応じて、実施形態1と同様に、小さめのスリットが第3縁辺部13及び第4縁辺部14に形成されていても良い。
【0068】
次に、本実施形態に係る端子用板材100を用いて電子部品70(
図15(a)、
図15(b))を製造する方法を説明する。
【0069】
先ず、
図10(a)、
図10(b)及び
図10(c)に示すように、各第2かしめ保持部151、161の帯状の先端部を折り曲げる。これにより、各第2かしめ保持部151、161の帯状の先端部が、枠部10が存在する平面から起立した状態とする。
すなわち、
図10(a)、
図10(b)及び
図10(c)に示す状態では、端子用板材100の第2かしめ保持部151、161は、枠部10が存在する平面から起立している。
ここで、枠部10が存在する平面を基準として、第2かしめ保持部151及び第2かしめ保持部161を互いに同じ側(
図10(c)において下側)に起立させる。
【0070】
なお、
図10(a)、
図10(b)及び
図10(c)の状態でも、延出部15において第2かしめ保持部151の先端部を除く部分、及び、延出部16において第2かしめ保持部161の先端部を除く部分は、枠部10が存在する平面内に位置している。
【0071】
次に、コイル部品30の一方の端子32が第2かしめ保持部151に係止され、他方の端子32が第2かしめ保持部161に係止されるようにして、コイル部品30を端子用板材100にセットする。
ここで、
図11(a)等に示すように、本実施形態の場合コイル部品30の一対の端子32は、巻回部31から互いに平行に、且つ、互いに同方向に延出している。
例えば、各端子32が延出部15及び延出部16の延出方向に対して直交するように延在するように、コイル部品30を配置する。
【0072】
ここで、コイル部品30の巻回部31は、先端部15aと先端部16aとの対向間隔において、先端部15a及び先端部16aの双方から離間した位置に配置する。
上述のように、各延出部15、16は、基端部15b、16bよりも先端基部153、163が幅広に形成されており、先端基部153、163において基端部15b、16bよりも幅方向に張り出している部分から第2かしめ保持部151、161及びアンカー部152、162が突出している。
このため、第1実施形態と比べて、巻回部31の平面寸法に対する磁性コア50の平面寸法の割合が小さくても、巻回部31と第2かしめ保持部151、161及びアンカー部152、162とのクリアランスを確保することができる。
なお、第2かしめ保持部151、161及びアンカー部152、162は、平面視において磁性コア50の四隅にそれぞれ配置することが好ましい(
図14(a)参照)。
【0073】
次に、
図11(a)、
図11(b)及び
図11(c)に示すように、第2かしめ保持部151をかしめることで該第2かしめ保持部151によって一方の端子32を保持(挟持)させるとともに、第2かしめ保持部161をかしめることで該第2かしめ保持部161によって他方の端子32を保持(挟持)させる。
ここで、より詳細には、例えば、第2かしめ保持部151及び161をそれぞれパンチにより折り曲げるかしめ加工を行いながら、パンチの先端部から第2かしめ保持部151及び161にそれぞれ電流を印加する。
これにより、各端子32は、第2かしめ保持部151及び161に対してそれぞれかしめ固定されるとともに、抵抗溶接により接合される。
【0074】
次に、
図12(a)、
図12(b)及び
図12(c)に示すように、各端子32において第2かしめ保持部151、161により保持されている部位よりも先端側の部分を切除する。より詳細には、第2かしめ保持部151、161の近傍において各端子32を切断する。
ここで、
図12(a)に一点鎖線で示す領域Rは、磁性コア50(
図14(a)、
図14(b))が形成される領域である。
【0075】
次に、第1実施形態において
図3を用いて説明したのと同様に、金型40を用いて磁性コア50を形成する。
ここで、本実施形態の場合、
図13に示すように、磁性粉末51によって、コイル部品30の巻回部31及び各端子32と、第2かしめ保持部151及び161と、アンカー部152、162と、を覆う。なお、
図13においては、金型40(
図3)の図示を省略している。
そして、第1実施形態と同様に磁性粉末51を加圧することにより、
図14(a)及び
図14(b)に示すように、磁性コア50を形成する(プレス工程)。
【0076】
本実施形態の場合も、延出部15、16が、延出部15、16の延出方向に押し出されることによって変位するが、その変位を易変形部であるスリット18が吸収する。すなわち、
図14(a)に示すように、各延出部15、16が巻回部31から遠ざかる方向(磁性コア50から遠ざかる方向)に変位し、その変位を、各接続部19が変形することで吸収する。
これにより、端子用板材100が歪んでしまうこと(端子用板材100の変形)を抑制することができる。よって、磁性コア50において、延出部15、16及び端子32が突出している部位に局所的に作用する応力を抑制することができる。
【0077】
このように、本実施形態に係る電子部品の製造方法も、コイル部品の端子用板材100を用意する工程と、コイル部品として、導電線により構成されたコイル部品30であって該導電線が巻回された巻回部31と巻回部31から突出している一対の端子32と、を有するコイル部品30を用意する工程と、端子用板材100の各延出部15、16上にコイル部品30の各端子32を配置し、コイル部品30と端子用板材100とを相互に組み合わせ、半製品60を作製する工程(
図11(a)から
図12(c)の工程)と、半製品60を金型40にセットし、磁性粉末51により半製品60を覆う充填工程(
図13の工程)と、磁性粉末を加圧して磁性コアを形成するプレス工程(
図14(a)及び
図14(b)の工程)と、を備えている。そして、プレス工程によって、延出部15、16が当該延出部15、16の延伸方向に変位し、その変位を易変形部が吸収する。
【0078】
金型40から半製品60を取り外した後は、
図15(a)に示すように、各延出部15、16を基端部15b、16bにおいて切断し、半製品60から個片72を得る。なお、半製品60において、
図14(a)に示される領域C内の部分である電子部品構成部71が個片72となる。
【0079】
更に、
図15(b)及び
図15(c)に示すように、延出部15及び延出部16をそれぞれ磁性コア50の外面に沿って折り曲げる。ここで、延出部15及び延出部16を折り曲げる位置は、第2かしめ保持部151及びアンカー部152の基端の位置(先端基部153の基部先端縁辺153aに沿った位置)、及び、第2かしめ保持部161及びアンカー部162の基端の位置(先端基部163の基部先端縁辺163aに沿った位置)である。
【0080】
ここで、上記のように、第2かしめ保持部151及びアンカー部152の基端に隣接して、それぞれ縁辺ノッチ154が配置されているとともに、第2かしめ保持部161及びアンカー部162の基端に隣接して、それぞれ縁辺ノッチ164が配置されている。このため、延出部15及び延出部16の折曲げを容易に行うことができる。すなわち、延出部15及び延出部16を、軽い力で、且つ、綺麗に折り曲げることができる。
【0081】
また、第2かしめ保持部151、161、アンカー部152、162がそれぞれ磁性コア50に対するアンカー機能を発揮するため、延出部15及び16を折り曲げる際に、磁性コア50から延出部15及び16が抜けてしまうことを抑制できる。
【0082】
また、
図14(a)及び
図15(b)に示すように、磁性コア50の下面には、例えば、延出部15、16の基端部15b、16bの一部分をそれぞれ収容する一対の凹部50aが形成されている。そして、
図15(c)に示すように、各凹部50aに基端部15b、16bの一部分が配置される。
こうして、電子部品70が得られる。
【0083】
以上のような第2実施形態によれば、延出部15、16の先端部15a、16aの第2かしめ保持部151、161によってコイル部品30の各端子32を保持することができるため、コイル部品30の巻回部31からの端子32の引出し長さを短くすることができ、そのようにすることによって、製造コストを抑えることができる。
各端子32の長さは、例えば、
図11(a)及び
図11(b)に示す長さよりも短くても十分である。
また、予め端子32の長さを最適化しておくことにより、
図12(a)〜
図12(c)を用いて説明した端子32の切断工程を省略することもできる。
【0084】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。また、上記の各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、適宜に組み合わせることができる。
【0085】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)コイル部品の端子が実装される端子用板材であって、
環状の枠部と、
前記枠部の内周縁から前記枠部の内方に向けてそれぞれ延出している一対の延出部と、
を備え、
前記枠部は、少なくとも1つの延出部の基端部近傍に、当該延出部の幅方向全域に亘って延在する易変形部を有するコイル部品の端子用板材。
(2)前記易変形部は、前記枠部に形成された貫通孔又は薄肉部である(1)に記載のコイル部品の端子用板材。
(3)前記易変形部は、前記延出部の延在方向に対する交差方向において前記延出部の幅を超えて延在している(1)又は(2)に記載のコイル部品の端子用板材。
(4)前記易変形部は、前記延出部の延在方向に対する交差方向に延在する貫通孔であり、
前記枠部は、
当該枠部の周縁部を含む環状部と、
前記環状部の内側において前記貫通孔に沿って延在し、前記延出部の基端部と前記環状部とを相互に接続している一対の接続部と、
を有し、
前記一対の接続部の各々は、当該接続部における前記延出部側の端部に形成された第1ノッチと、当該接続部における前記環状部側の端部に形成された第2ノッチと、を有する(3)に記載のコイル部品の端子用板材。
(5)前記延出部は前記端子よりも幅広である(1)から(4)のいずれか一項に記載のコイル部品の端子用板材。
(6)前記枠部は、当該端子用板材の位置決めに用いられる位置決め用孔を有する(1)から(5)のいずれか一項に記載のコイル部品の端子用板材。
(7)前記枠部は、前記端子の端部をかしめによって保持するかしめ保持部を有し、
前記易変形部は、前記かしめ保持部と前記延出部との間に配置されている(1)から(6)のいずれか一項に記載のコイル部品の端子用板材。
(8)前記一対の延出部の各々の先端部は、一対の分枝部を有する二股形状に形成されており、
前記一対の分枝部のうち少なくとも一方の分枝部は、前記端子をかしめによって保持する第2かしめ保持部を構成している(1)から(7)のいずれか一項に記載のコイル部品の端子用板材。
(9)前記第2かしめ保持部は、前記枠部が存在する平面から起立している(8)に記載のコイル部品の端子用板材。
(10)(1)から(7)のいずれか一項に記載のコイル部品の端子用板材を用意する工程と、
前記コイル部品として、導電線により構成されたコイル部品であって、前記導電線が巻回された巻回部と、前記巻回部から突出している一対の端子と、を有するコイル部品を用意する工程と、
前記端子用板材の各延出部上に前記コイル部品の各端子を配置し、前記コイル部品と前記端子用板材とを相互に組み合わせ、半製品を作製する工程と、
前記半製品を金型にセットし、磁性粉末により前記半製品を覆う充填工程と、
前記磁性粉末を加圧して磁性コアを形成するプレス工程と、
を備え、
前記プレス工程によって、前記延出部が前記端子の延伸方向に変位し、その変位を前記易変形部が吸収する電子部品の製造方法。
(11)(1)から(9)のいずれか一項に記載のコイル部品の端子用板材を用意する工程と、
前記コイル部品として、導電線により構成されたコイル部品であって、前記導電線が巻回された巻回部と、前記巻回部から突出している一対の端子と、を有するコイル部品を用意する工程と、
前記端子用板材の各延出部上に前記コイル部品の各端子を配置し、前記コイル部品と前記端子用板材とを相互に組み合わせ、半製品を作製する工程と、
前記半製品を金型にセットし、磁性粉末により前記半製品を覆う充填工程と、
前記磁性粉末を加圧して磁性コアを形成するプレス工程と、
を備え、
前記プレス工程によって、前記延出部が当該延出部の延伸方向に変位し、その変位を前記易変形部が吸収する電子部品の製造方法。