(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記搬送装置が、前記第2方向において前記搬送面の高さが変化するような形状を有することにより、第2方向における前記隙間が変化する、請求項3に記載の粉末供給装置。
前記搬送装置が、前記第2方向において前記搬送面の高さが変化するような形状を有することにより、第2方向における前記隙間が変化する、請求項4に記載の粉末供給装置。
前記搬送装置が、前記第2方向において前記搬送面の高さが変化するような形状を有することにより、第2方向における前記隙間が変化する、請求項5に記載の粉末供給装置。
前記搬送装置が、前記第2方向において前記搬送面の高さが変化するような形状を有することにより、第2方向における前記隙間が変化する、請求項6に記載の粉末供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一態様に係る粉末供給装置は、粉末を収容するホッパであって、ホッパの下部に設けられて粉末を排出する排出口を含むホッパと、ホッパの排出口の下方に配置された搬送面を含み、搬送面を第1方向に移動させると共に前端部において搬送面を反転させるように構成された搬送装置と、を備え、ホッパは、排出口における第1方向の下流側に位置する前壁部を含み、ホッパの前壁部の下端と搬送装置の搬送面との間には所定の隙間が形成され、搬送面上に堆積した粉末が、隙間に相当する厚みをもって搬送装置によって第1方向に搬送されて前端部から落下させられる。
【0009】
この粉末供給装置によれば、ホッパの排出口から排出された粉末は、搬送装置の搬送面上に堆積する。ホッパの前壁部の下端と搬送面とによって、所定の隙間が規定される。搬送面が第1方向に移動すると、堆積した粉末は、前壁部の下端で均されるようにして、その隙間に相当する厚みを持って搬送される。そして粉末は、搬送装置の前端部に到来し、前端部から落下させられる。よって、搬送装置における搬送面の移動量を調整することにより、粉末の落下量すなわち供給量を任意に調整することができる。したがって、この粉末供給装置によれば、所望の供給量で粉末を供給することができる。
【0010】
いくつかの態様において、搬送装置は、搬送面を形成すると共に、第1方向に沿ったループ状をなして周回軌道上を移動するベルトと、周回軌道上でベルトを移動させる移動機構と、を含む。移動機構およびベルトを備える構成により、粉末を確実かつ容易に搬送できる。
【0011】
いくつかの態様において、搬送面に平行であって第1方向に直交する第2方向において、前壁部の下端と搬送面との間の隙間は変化する。この場合、第2方向において隙間が変化するので、搬送面上に堆積して搬送される粉末の厚みも変化することになる。よって、第2方向において粉末の供給量に分布を持たせることができる。その結果として、たとえば、造形面の形状が単純な矩形ではない形状である場合に、造形面の形状に応じた適切な供給量をもって粉末を供給することができ、余剰粉末の発生を抑えることができる。
【0012】
いくつかの態様において、前壁部が、第2方向において下端の高さが変化するような形状を有することにより、第2方向における隙間が変化する。この場合、ホッパの前壁部の下端の形状を工夫することにより、第2方向において粉末の供給量に分布を持たせることができる。
【0013】
いくつかの態様において、搬送装置が、第2方向において搬送面の高さが変化するような形状を有することにより、第2方向における隙間が変化する。この場合、搬送装置の搬送面(たとえば、ベルトの表面等)の形状を工夫することにより、第2方向において粉末の供給量に分布を持たせることができる。
【0014】
本開示の一態様に係る三次元積層造形装置は、上記のいずれかの粉末供給装置と、搬送装置の前端部の下方に設けられ、粉末が載る上面を有する作業台と、作業台の側方において上方に向けて露出する造形面と、作業台の上面上から造形面上に向けて移動可能な塗布機構と、塗布機構によって造形面上に供給された粉末に向けてビームを照射するビーム出射部と、を備える。この三次元積層造形装置によれば、所望の供給量で粉末を供給することができるので、余剰粉末の発生を抑えることができる。その結果として、三次元積層造形において、たとえば、粉末のリサイクル性の向上、粉末の品質劣化抑制、および装置の小型化等の効果が奏される。
【0015】
いくつかの態様において、三次元積層造形装置は、造形面に供給された後に余った又は造形面からはみ出た余剰の粉末を作業台から回収する粉末回収装置と、粉末回収装置による粉末の回収量を計測する計測装置と、計測装置によって計測された粉末の回収量に基づいて搬送装置を制御し、搬送面の移動量を調整する制御装置と、を更に備える。この場合、計測装置によって粉末の回収量が計測され、その回収量に基づいて、制御装置によって、搬送面の移動量が調整される。したがって、粉末の供給量を高精度にコントロールすることができる。
【0016】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、本開示の実施形態に係る三次元積層造形装置の構成概要図である。三次元積層造形装置1は、造形面S上の粉末Aに電子ビームBを照射して粉末Aを溶融させ凝固させて三次元の物体を造形する装置である。三次元積層造形装置1は、電子ビーム出射部2、造形部3および制御部4を備えている。
【0018】
電子ビーム出射部2は、造形部3の造形面S上の粉末Aに向けて電子ビームBを出射し、粉末Aを溶融させる。電子ビーム出射部2は、物体の造形を行う前に粉末Aに対し電子ビームBを照射して粉末Aの予備加熱を行ってもよい。
【0019】
電子ビーム出射部2は、電子銃部21と、収束コイル22と、偏向コイル23とを備えている。電子銃部21は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動し、電子ビームBを出射する。電子銃部21は、たとえば、下方に向けて電子ビームBを出射するように設けられている。収束コイル22は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。収束コイル22は、電子銃部21から出射される電子ビームBの周囲に設置され、電子ビームBを収束させる。偏向コイル23は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。偏向コイル23は、電子銃部21から出射される電子ビームBの周囲に設置され、制御信号に応じて電子ビームBの照射位置を調整する。電子銃部21、収束コイル22および偏向コイル23は、たとえば、筒状を呈するコラム24内に設置される。
【0020】
造形部3は、所望の物体である造形物Cを造形する部位である。造形部3は、チャンバ30内において、作業台39と、造形タンク36と、プレート31と、昇降装置10と、2台の粉末供給装置40と、塗布機構33とを備えている。チャンバ30内は、真空状態とされている。
【0021】
図1および
図2に示されるように、作業台39は、粉末供給装置40の下方に配置されており、粉末供給装置40によって供給された粉末Aが載る水平かつ平坦な上面39aを有する。作業台39には、たとえば円形の開口39cが設けられており、この開口39cに、たとえば円筒状の造形タンク36が嵌合している。造形タンク36は、鉛直方向に延びる軸線を有する。造形タンク36の上端面36aは、作業台39の上面39aと、たとえば面一である。
【0022】
プレート31は、造形タンク36内に配置された平板状の部材である。プレート31は、たとえば円形をなしている。プレート31の形状は、造形面S(すなわち造形領域)の形状に対応する。プレート31は、平坦な上面31aを有し、この上面31a上に造形される物体を支持する。プレート31は、電子ビームBの出射方向の延長線上に配置され、たとえば水平なXY平面に平行に設けられる。プレート31は、造形タンク36内に配置されている。プレート31と造形タンク36とは、同心円状に配置される。
【0023】
昇降装置10は、プレート31を支持すると共に、造形タンク36内でプレート31を上下方向に昇降させる。昇降装置10は、プレート31を昇降させる昇降機32を有する。昇降装置10は、プレート31の下方に設置されて、プレート31を支持する昇降ステージ(図示せず)を有してもよい。昇降機32は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。昇降機32は、物体の造形の初期においてプレート31を上部へ移動させ、プレート31上で粉末Aが溶融凝固されて積層されるごとにプレート31を降下させる。プレート31上には造形物Cが造形されていく。造形物Cの上面に、造形面Sが形成される。この造形面Sは、プレート31と同じ外形形状を持っている。粉末Aが溶融凝固されてできる溶融造形面は、プレート31の降下とともに下に下がっていく。下に下がった溶融造形面の上に、新たな(次の層の)造形面Sが形成される。以上のように構成された作業台39、プレート31、および昇降装置10において、作業台39の側方には、開口39cの位置に造形面Sが露出している。
【0024】
上記したプレート31、造形タンク36、および造形面Sの形状は、造形物Cの形状等に応じて、適宜に変更可能である。本実施形態では、プレート31および造形面Sが円形であり、造形タンク36が円筒状である場合について説明するが、その他の形状が採用されてもよい。プレート31が造形タンク36内に配置され、プレート31上に造形面Sが形成されるので、平面視において、これらは等しい形状および大きさを有することになる。
【0025】
プレート31、造形タンク36、および造形面Sが設けられた作業台39の中央部分に対して、2台の粉末供給装置40が、対称に設置されている。各粉末供給装置40は、粉末Aを収容するホッパ(またはタンク)34を備える。ホッパ34の下部には、粉末Aを排出する排出口35が設けられている。排出口35は、たとえば、Y方向に長い長方形状である。
【0026】
粉末Aは、多数の粉末体により構成される。粉末Aとしては、たとえば金属製の粉末が用いられる。また、粉末Aとしては、電子ビームBの照射により溶融および凝固できるものであれば、粉末より粒径の大きい粒体を用いてもよい。粉末Aは、良好な流動性を有しており、ホッパ34内におけるブリッジ現象は、生じにくくなっている。
【0027】
ホッパ34の下方には、所定の供給量をもって粉末Aを落下させるための搬送装置41が設けられている。すなわち、ホッパ34の排出口35の下方に、搬送装置41の搬送面43が配置されている。排出口35から、搬送装置41の搬送面43に対して粉末Aが供給される。搬送装置41は、X方向に平行な搬送方向(第1方向)に搬送面43を移動させる。ここで、搬送方向とは、X方向において、造形面S(プレート31)の両側から造形面Sに近づく方向である。搬送装置41は、搬送面43上の粉末Aを、その前端部41aから落下させる。
【0028】
ホッパ34の形状は、粉末Aを収容しつつ粉末Aを順次下方に送って排出させることのできる形状であれば、どのような形状であってもよい。排出口35の形状も、粉末Aを排出し搬送装置41の搬送面43上に堆積させられる形状であれば、どのような形状であってもよい。角筒状のホッパ34の下部は、排出口35における上記搬送方向の下流側に位置する前壁部34aと、排出口35における上記搬送方向の上流側に位置する後壁部34bとを含む。前壁部34aおよび後壁部34bは、たとえば平行に延在している。ホッパ34の下部は、これらの前壁部34aおよび後壁部34bのX方向の両端部を接続する一対の側壁部34c(
図5に示される変形例に係るホッパ34A参照)を含む。
【0029】
前壁部34aの下端34eは、たとえば直線状をなしており、水平なY方向に延びる。前壁部34aの下端34eは、搬送装置41の搬送面43から離間している。前壁部34aの下端34eと搬送装置41の搬送面43との間には、所定の隙間Gが形成されている(
図3参照)。隙間Gの大きさは、搬送面43に平行であって搬送方向に直行するY方向において、たとえば一定である。前壁部34aの下端34eと、後壁部34bの下端と、一対の側壁部34cの下端とによって、たとえば水平に延びる長方形状の開口が形成される。この開口と搬送面43との間に隙間Gが形成されることにより、搬送面43上には、開口から外方に広がりつつ所定の安息角(傾斜角)をもって、粉末Aが堆積する。
図4に示されるように、排出口35のY方向の長さは、造形面S(すなわちプレート31)のY方向の長さと略同じであってもよいし、造形面S(すなわちプレート31)のY方向の長さより多少小さくてもよい。なお、搬送装置41に対してかかる荷重を低減するために、ホッパ34の内部に仕切り板を設けたり、ラビリンス構造を形成したりしてもよい。
【0030】
図2および
図3に示されるように、搬送装置41は、X方向に沿ったループ状をなして周回軌道上を移動するベルト44と、その周回軌道上でベルト44を移動させる移動機構45とを含む。すなわち、搬送装置41は、ベルトコンベア式の搬送装置である。ベルト44は、たとえばステンレス製である。ベルト44は、上に載る粉末Aの荷重に耐え得る強度を有しており、ホッパ34内の粉末Aからの荷重を受けても変形しない。ベルト44は、造形面Sから遠い側に配置されたローラ47と、造形面Sに近い側に配置されたローラ46とに掛け渡されている。ベルト44がローラ46,47の上側に位置している間において、ベルト44の表面は、上記した搬送面43を形成する。ベルト44の表面は、ざらついていることが好ましい。
【0031】
ローラ46の第1回転軸線L1とローラ47の第2回転軸線L2とは平行であり、いずれもY方向に延びる。ローラ46およびローラ47のいずれか一方、たとえばローラ47が駆動モータ42に連結されて回転駆動されてもよい。この駆動モータ42は、制御部4と電気的に接続され、制御部4からの制御信号を受けて作動する。駆動モータ42は、制御部4によって制御されることにより、所定の回転数だけ回転する。これらの駆動モータ42、ローラ46、およびローラ47によって、移動機構45が構成されている。なお、移動機構45の構成は、周回軌道上でベルト44を移動させることができるものであれば、上記以外の構成が採用されてもよい。
【0032】
搬送装置41は、ベルト44の搬送面43を搬送方向に移動させると共に、前端部41aにおいて搬送面43を反転させる。すなわち、前端部41aにおいて、ベルト44は湾曲し、その後ベルト44は、ローラ46,47に回り込み、上記の搬送方向とは逆方向に移動する。搬送装置41は、ローラ47の回転数に応じて、ベルト44を移動(走行)させる。搬送面43上に堆積した粉末Aは、上記の隙間Gに相当する厚みをもって搬送装置41によって搬送方向に搬送され、前端部41aから落下させられる。これにより、搬送装置41は、所定の供給量をもって粉末Aを落下させる。すなわち、粉末供給装置40による供給量は、隙間Gに相当する粉末Aの厚みとY方向の幅W(
図4参照)との積から求められる断面積SAと、搬送面43の移動量とによって定まる。すなわち、ベルト44の移動量と供給量は、無段階の比例関係になる。供給量の分解能は、無段階に調整可能となっている。粉末供給装置40では、搬送面43の移動量を調整することで供給量を任意に調整できるので、隙間Gが厳密に管理される必要がない。なお、断面積SAには、上述した安息角に相当する断面積が付加されてもよい。
【0033】
搬送装置41の前端部41aから落下した粉末Aは、前端部41aの下方に設けられた作業台39の上面39aに載って堆積し、堆積粉末Aaとなる。搬送装置41の前端部41aは、作業台39の上面39aであって、造形タンク36と孔部39bとの間の領域の上方に位置する。この位置関係により、堆積粉末Aaは、造形タンク36と孔部39bとの間に位置する。堆積粉末Aaは、Y方向において、造形面Sを含む範囲(造形面Sよりも大きい範囲)に形成されてもよい。
【0034】
塗布機構33は、堆積粉末Aaを造形面S上に移動させ、造形面S上に粉末Aを供給すると共に粉末Aを均す部材である。塗布機構33は、水平なY方向に長く延びる部材である。塗布機構33の長さは、造形面S(すなわちプレート31)のY方向の長さよりも大きい。塗布機構33は、造形面S上に位置した際、Y方向において造形面Sの全体を覆うように設けられている(
図4参照)。塗布機構33は、作業台39の上面39aから隙間をもって離れた位置に設けられる。塗布機構33の断面形状は、図に示されるように矩形であってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0035】
塗布機構33は、作業台39の上面39a上から造形面S上に向けて、水平なX方向に移動可能である。より詳細には、塗布機構33は、造形面S上を横切るようにして、X方向に沿って往復移動可能である。塗布機構33は、上面39a上および造形面S上を移動する間、これらの上面39aおよび造形面Sに対して所定の間隔を維持する。塗布機構33は、図示しないアクチュエータ等により移動させられる。塗布機構33は、制御部4からの制御信号を受けて作動する。
【0036】
制御部4は、三次元積層造形装置1の装置全体の制御を行う電子制御ユニットである。制御部4は、たとえばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)等のハードウェアと、ROMに記憶されたプログラム等のソフトウェアとから構成されたコンピュータを含んで構成される。制御部4は、プレート31の昇降制御、塗布機構33の作動制御、電子ビームBの出射制御および偏向コイル23の作動制御などを実行する。制御部4は、プレート31の昇降制御として、昇降機32に制御信号を出力して昇降機32を作動させ、プレート31の上下方向の位置を調整する。制御部4は、塗布機構33の作動制御として、電子ビームBの出射前に塗布機構33を作動させ、プレート31上の粉末Aを均す。制御部4は、電子ビームBの出射制御として、電子銃部21に制御信号を出力し、電子銃部21から電子ビームBを出射させる。
【0037】
制御部4は、偏向コイル23の作動制御として、偏向コイル23に制御信号を出力して、電子ビームBの照射位置を制御する。たとえば、制御部4には造形すべき物体である造形物Cの三次元CAD(Computer-Aided Design)データが入力される。制御部4は、この三次元CADデータに基づいて二次元のスライスデータを生成する。スライスデータは、たとえば、造形物Cの水平断面のデータであり、上下位置に応じた多数のデータの集合体である。このスライスデータに基づいて、電子ビームBが造形面S上の粉末Aに対し照射する領域が決定され、その領域に応じて偏向コイル23に制御信号が出力される。
【0038】
続いて、粉末回収装置に関わる構成について詳細に説明する。本実施形態の三次元積層造形装置1は、造形に用いられなかった粉末Aを作業台39から回収する粉末回収装置37を備える。
図2および
図4に示されるように、チャンバ30内に設けられた作業台39には、上面39aと作業台39の裏面側とを貫通する孔部39bが形成されている。2つの孔部39bが、X方向における造形面Sの両側に形成されている。これらの孔部39bは、塗布機構33によって移動させられ、造形面S上に供給された後に、余った又は造形面Sからはみ出た余剰の粉末Aを落下および回収するための粉末回収孔である。
図3に示されるように、各孔部39bは、Y方向に長い矩形をなしている。孔部39bの長さは、造形面S(すなわちプレート31)のY方向の長さよりも大きい。孔部39bは、Y方向において、造形面Sを含む範囲(造形面Sよりも大きい範囲)に形成される。
【0039】
図2に示されるように、各孔部39bは、造形タンク36と、塗布機構33の停止位置との間に設けられる。2つの孔部39bの間の長方形の領域(造形面Sを含む領域)には、所定の厚みをもって、粉末Aが堆積する。各孔部39bは、塗布機構33が造形面Sを通過した後に、塗布機構33によって更に移動させられた余剰の粉末Aを通過および落下させる。孔部39bの下方には、それぞれ回収タンク38が設けられる。回収タンク38の上面は、上方に向けて、すなわち孔部39bに向けて開放されている。孔部39bを通じて落下した余剰の粉末Aは、回収タンク38に収容される。これらの孔部39bおよび回収タンク38によって、粉末回収装置37が構成されている。
【0040】
三次元積層造形装置1は、更に、粉末回収装置37による粉末Aの回収量を計測する計測装置48を備える。計測装置48は、たとえば作業台39の裏面側であって、孔部39bの下側に設けられる。計測装置48としては、公知のセンサ等が用いられ得る。計測装置48は、孔部39bを通過し落下した粉末Aの量を計測することにより、粉末回収装置37によって回収された粉末Aの量を計測する。計測装置48は、計測した粉末Aの回収量を制御部4に出力する。制御部4は計測装置48によって計測された粉末Aの回収量に基づいて搬送装置41を制御し、搬送面43の移動量を調整する制御装置である。制御部4は、たとえば、搬送面43の移動量あたりの粉末Aの供給量を記憶している。この数値は、三次元積層造形装置1の運転の初期段階において予め求められてもよい。制御部4は、搬送面43の移動量あたりの粉末Aの供給量に基づいて、搬送面43の移動量を調整し、所望の供給量で粉末Aが供給されるように駆動モータ42を制御する。例えば、粉末Aの回収量(計測装置48による計測値)が所定の閾値(たとえば予め設定された目標値)よりも多い場合に、制御部4は、搬送面43の移動量を少なくして、粉末Aの供給量が少なくなるように制御してもよい。
【0041】
なお、各搬送装置41は、造形面Sを挟んで各搬送装置41の反対側に設けられている計測装置48の計測値に基づいて、制御部4によって制御される。すなわち、
図2において造形面Sの左側に配置されている搬送装置41は、造形面Sの右側に配置されている計測装置48の計測値に基づいて制御される。造形面Sの右側に配置されている搬送装置41は、造形面Sの左側に配置されている計測装置48の計測値に基づいて制御される。以下、
図2に示される各装置の配置を基準として、「右側」、「左側」との用語が用いられる。
【0042】
上記構成による積層造形方法の一例を説明する。まず、造形面Sの左側に配置されている搬送装置41の前端部41aの左側(塗布機構の移動方向において後方)に塗布機構33が位置する状態で、造形面Sの左側に位置する搬送装置41から粉末Aが落下させられる。塗布機構33の右側(塗布機構の移動方向において前方)に堆積粉末Aaが形成されると、堆積粉末Aaの左側から右側に向かって塗布機構33が移動させられ、堆積粉末Aaが造形面S上に塗布される。塗布されなかった余剰の粉末Aは、塗布機構33によって造形面Sの右側に移動させられ、造形面Sの右側に位置する孔部39bに落下する。造形面Sの右側に位置する計測装置48によって、粉末Aの回収量が計測される。
【0043】
そして、塗布機構33が造形面Sの右側に移動したままの状態において、造形面S上に塗布された粉末Aに、電子ビームが照射され、造形物Cの形状に応じた領域の粉末Aが溶融、固化される。その後、プレート31が一層分下降させられる。これにより、造形面S上の粉末A(および溶融された粉末)が一層分下降させられる。
【0044】
次に、造形面Sの右側に配置されている搬送装置41の前端部41aの右側(次の塗布機構の移動方向において後方)に塗布機構33が位置する状態で、造形面Sの右側に位置する搬送装置41から粉末Aが落下させられる。塗布機構33の左側(次の塗布機構の移動方向において前方)に堆積粉末Aaが形成されると、堆積粉末Aaの右側から左側に向かって塗布機構33が移動させられ、堆積粉末Aaが造形面S上に塗布される。塗布されなかった余剰の粉末Aは、塗布機構33によって造形面Sの左側に移動させられ、造形面Sの左側に位置する孔部39bに落下する。造形面Sの左側に位置する計測装置48によって、粉末Aの回収量が計測される。
【0045】
そして、塗布機構33が造形面Sの左側に移動したままの状態において、造形面S上に塗布された粉末Aに、電子ビームが照射され、造形物Cの形状に応じた領域の粉末Aが溶融、固化される。その後、プレート31が一層分下降させられる。これにより、造形面S上の粉末A(および溶融された粉末)が一層分下降させられる。
【0046】
次に、造形面Sの左側に配置されている搬送装置41の前端部41aの左側(塗布機構の移動方向において後方)に塗布機構33が再び位置する状態で、その搬送装置41から粉末Aが落下させられ、塗布機構33の右側(塗布機構の移動方向において前方)に堆積粉末Aaが形成される。このとき、前回の粉末塗布時(造形面Sの左側に位置する搬送装置41から供給された粉末が塗布されたとき)における計測装置48の計測値に基づいて、搬送装置41が制御され、粉末Aの供給量(すなわち堆積粉末Aaの量)が制御される。そして、前回と同様に、塗布機構33による粉末塗布が行われる。
【0047】
以上のような工程が繰り返されることで、造形物Cが積層造形される。
【0048】
粉末回収装置37、計測装置48および制御部4によれば、粉末Aの供給量が高精度にコントロールされ得る。また粉末Aの物性値が変わることによって供給量を変動させる必要性が生じた場合でも、ベルト44(搬送面43)の移動量の変更のみで対応が可能である。言い換えれば、機械調整の手間が省略され、コストを低減できる。
【0049】
以上説明した本実施形態の粉末供給装置40によれば、ホッパ34の排出口35から排出された粉末Aは、搬送装置41の搬送面43上に堆積する。ホッパ34の前壁部34aの下端34eと搬送面43とによって、所定の隙間Gが規定される。搬送面43が搬送方向に移動すると、堆積した粉末Aは、前壁部34aの下端34eで均されるようにして、その隙間Gに相当する厚みを持って搬送される。そして粉末Aは、搬送装置41の前端部41aに到来し、前端部41aから落下させられる。よって、搬送装置41における搬送面43の移動量を調整することにより、粉末Aの落下量すなわち供給量を任意に調整することができる。したがって、この粉末供給装置40によれば、所望の供給量で粉末Aを供給することができる。
【0050】
上述した従来の装置では、粉末補充手段は、円柱状の部材が回転する構成となっており、当該円柱状の部材とその外周面を包囲する面との間の隙間から粉末が漏れることを抑制するために、隙間を調整する必要があった。そのため、外乱(熱、材料物性)に依存して動作に支障が出る可能性がある。しかし、粉末供給装置40によれば、ホッパ34とベルト44の隙間Gが粉末Aの漏れに大きく影響しないので、加工組み立ての精度を下げることができる。よって、コストを低減することができる。また、機械的なシール部がないため、構造部品の摩耗低下、高寿命、コンタミレス等が実現される。また、隙間の変動に強いため、外乱の影響を受けにくく、粉末Aの物性値の変化や温度による構造の変化に強い。
【0051】
また、以下の種々の効果が奏される。第一に、粉末Aのリサイクル性、すなわちリサイクル効率の向上が図られる。粉末Aのリサイクル効率とは、たとえば、「造形に使用した粉末」を「準備に必要な粉末」で除した値である。「準備に必要な粉末」は、「造形に使用した粉末」と「想定される余剰粉末量」との和であるため、余剰粉末が減少することで、「準備に必要な粉末」が減少し、粉末のリサイクル効率が向上する。第二に、粉末Aの品質劣化が抑制される。粉末Aの塗布動作の際、粉末Aが造形面Sの上を通過するため、余剰粉末は瞬間的に熱される。そのため余剰粉末は、ホッパ34内の粉末と比較して、品質の劣化を招きやすい。よって、本実施形態のように余剰粉末を減少させることは、粉末の品質劣化を抑制するという点で有効である。第三に、装置の小型化を図ることができる。余剰粉末が減少することで、粉末Aの供給量および回収量の双方を低減できる。よって、ホッパ34や回収タンク38の小型化が図られる。
【0052】
搬送装置41が移動機構45およびベルト44を備える構成により、粉末Aを確実かつ容易に搬送できる。
【0053】
本実施形態の三次元積層造形装置1によれば、所望の供給量で粉末Aを供給することができるので、余剰粉末の発生を抑えることができる。その結果として、三次元積層造形において、たとえば、粉末Aのリサイクル性の向上、粉末の品質劣化抑制、および装置の小型化等の効果が奏される。
【0054】
また、計測装置48によって粉末Aの回収量が計測され、その回収量に基づいて、制御部4によって、搬送面43の移動量が調整される。したがって、粉末Aの供給量を高精度にコントロールすることができる。複数の搬送装置41と、各搬送装置41による粉末Aの供給およびその後の塗布・回収に対応する複数の計測装置48とを備える三次元積層造形装置1において、制御部4が上述した制御を実施すれば、前回の余剰の粉末Aの量が最新の粉末Aの供給制御に反映される。その結果として、余剰粉末の発生抑制に伴う上記の各効果が一層好適に奏され得る。
【0055】
続いて、
図5を参照して、変形例に係る粉末供給装置40Aについて説明する。粉末供給装置40Aが粉末供給装置40と違う点は、一定の隙間Gを形成するホッパ34の下端34eに代えて、水平なY方向において隙間Gを変化させるような形状の下端34eを含んだホッパ34Aを備える点である。粉末供給装置40Aでは、隙間Gの大きさが、軸方向(Y方向、第2方向)において一様ではない。すなわち、ホッパ34Aの前壁部34aは、Y方向において下端34eの高さが変化するような形状を有する。隙間Gの高さは、たとえば、ベルト44の幅方向(ローラ46,47の軸方向)の中央部の方が、幅方向の端部よりも大きい。造形面Sの形状が、たとえば円形等である場合には、幅方向の端部よりも中央部において、より多くの粉末Aが供給されることが望ましい。粉末供給装置40Aによれば、造形面の形状に応じた適切な供給量をもって粉末を供給することができる。なお、造形面Sが円形の場合に限られず、幅方向の端部ほど、塗布機構の移動方向(X方向)の長さすなわち幅が小さい形状であれば、この態様は有利である。しかも、隙間Gの高さが、幅方向の端部から中央部に向かうにつれて大きくなっているので、特に円形の造形面Sに対して、適切な供給量をもって粉末を供給することができる。
【0056】
この点、従来技術の構造では分布をつくることができないため、円形状の造形タンクに粉末を供給するとき、余剰粉末が25%以上も発生していた。ホッパ34とベルト44の隙間Gに変化を持たせて分布を形成することで、搬送面43上に堆積して搬送される粉末Aの厚みも変化することになる。よって、幅方向において粉末Aの供給量に分布を持たせることができる。その結果として、たとえば、造形面Sの形状が単純な矩形ではない形状である場合に、造形面Sの形状に応じた適切な供給量をもって粉末Aを供給することができ、余剰粉末の発生を抑えることができる。すなわち、造形タンク36が円筒状の場合、中心部と端部では必要供給量に差が出る。分布を形成することで余剰粉末を削減することができ、コストを下げることができる。また、換言すれば、粉末供給装置40Aでは、X方向(塗布方向)における造形面Sの寸法に応じて、その領域に対応する下端34eの高さ、隙間Gの大きさ、粉末落下量が調節されている。具体的には、X方向(塗布方向)における造形面の寸法が大きいほど、その領域に対応する下端34eの高さが高く、隙間Gの大きさ、粉末落下量が大きくなっている。このようにすることで、造形面Sの形状に応じた適切な供給量をもって粉末Aを供給することができる。
【0057】
粉末供給装置40Aでは、ホッパ34の前壁部34aの下端34eの形状を工夫することにより、幅方向において粉末Aの供給量に分布を持たせることができる。
【0058】
続いて、
図6(a)および(b)を参照して、他の変形例に係る粉末供給装置40B,40Cについて説明する。
図6(a)に示される粉末供給装置40Bでは、ホッパ34の下端34eの高さはY方向において一定である。一方で、搬送装置41Bが、Y方向において搬送面43の高さが段階的に変化するような形状を有する。これにより、ベルト44Bの幅方向における隙間Gが変化している。ここで、ベルト44Bの幅方向は、X方向に平行な搬送方向(第1方向)に直交する第2方向である。粉末供給装置40B,40Cでは、隙間Gの大きさが、軸方向(Y方向、第2方向)において一様ではない。より詳細には、搬送装置41Bのベルト44Bは、幅方向の両端部に形成された2つの第1段部43b1と、第1段部43b1の軸方向の中央側に連通するように形成された2つの第2段部43b2とを含む。第2段部43b2は、第1段部43b1よりも低い。ベルト44Bは、更に、2つの第2段部43b2の間であって軸方向の中央部に形成された1つの第3段部43b3を含む。第3段部43b3は、第2段部43b2よりも更に低い。このようなベルト44Bの表面形状は、たとえば複数のベルト片を積層し、その積層枚数を異ならせることにより得られる。また、換言すれば、粉末供給装置40Bでは、X方向(塗布方向)における造形面Sの寸法に応じて、その領域に対応する搬送面43の高さ、隙間Gの大きさが段階的に設定されている。具体的には、X方向(塗布方向)における造形面の寸法が大きいほど、その領域に対応する搬送面43の高さが低く、隙間Gの大きさ、粉末落下量が大きくなっている。
【0059】
粉末供給装置40Bのように、搬送装置41Bの搬送面(たとえば、ベルト44Bの表面等)の形状を工夫することにより、幅方向において粉末Aの供給量に分布を持たせることができる。粉末供給装置40Bによっても、造形面Sの形状に応じた適切な供給量をもって粉末Aを供給することができ、余剰粉末の発生を抑えることができる。
【0060】
また、
図6(b)に示される粉末供給装置40Cのように、搬送装置41Cが、Y方向において搬送面43Cの高さがなだらかに(連続的に)変化するような形状を有する。これにより、ベルト44Cの幅方向における隙間Gが変化している。粉末供給装置40Cによっても、造形面Sの形状に応じた適切な供給量をもって粉末Aを供給することができ、余剰粉末の発生を抑えることができる。
【0061】
図7を参照して、他の実施形態に係る粉末供給装置について説明する。
図7に示される搬送装置では、ベルトコンベア式の搬送装置に代えて、搬送面としての周面49aを有するローラ49が備わっている。ローラ49は、ケーシング50内に収容されており、その周面の一部(前端部41a)が露出している。ローラ49は、たとえば図示しない駆動モータによって回転駆動されて、回転軸線Lを中心に回転する。ローラ49の周面49aとホッパ34の下端34eとの間には、隙間Gが形成されている。ローラ49の周面49aは、ざらついていることが好ましい。ローラ49は、周面49a上に粉末Aを堆積させた状態を維持できる形状および大きさ(すなわち直径)を有する。ローラ49は、その回転とともに、周面49aを周方向(第1方向)に移動させる。この場合の搬送方向(第1方向)は、円弧状である。搬送面の移動量は、ローラ49の周面49aの移動量であり、ローラ49の半径と回転角度により定まる。ローラ49は、制御部4によって駆動モータが制御されることにより所定の回転角度を回転し、前端部41aにおいて周面49aを反転させる。このとき、隙間Gに相当する厚みをもって周面49a上に堆積した粉末Aは、前端部41aから落下させられる。このようなローラ式の搬送装置を備える粉末供給装置によっても、上記した粉末供給装置40と同様の作用・効果が奏される。
【0062】
なお、ローラ式の搬送装置を備える粉末供給装置において、ローラ49の径を軸方向(Y方向、第2方向)において変化させてもよい。そうすれば、
図5、
図6に示される変形例と同様に、Y方向において隙間Gを変化させることができる。従って、
図5、
図6に示される変形例と同様な効果が期待できる。例えば、ローラ49の径が軸方向(Y方向、第2方向)において端部から中央部に向かうにつれて小さくなるように、ローラ49が構成されてもよい。この構成により、隙間Gの高さは、ローラ49の軸方向の端部よりも中央部において大きくなる。隙間Gの高さが、ローラ49の軸方向の端部から中央部に向かうにつれて大きくなっているので、特に円形の造形面Sに対して、適切な供給量をもって粉末を供給することができる。この形態においても、X方向(塗布方向)における造形面Sの寸法に応じて、その領域に対応するローラ49の径、隙間Gの大きさを設定してもよい。例えば、X方向(塗布方向)における造形面の寸法が大きいほど、その領域に対応するローラ49の径が小さく、隙間Gの大きさ、粉末落下量が大きくなるようにしてもよい。
【0063】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。たとえば、造形タンク36の形状は、円筒状に限定されず、断面矩形または断面多角形の角筒状であってもよい。プレート31の形状は、円形に限定されず、矩形または多角形であってもよい。造形面Sの形状が円形以外の場合にも、本発明は適用可能である。X方向(塗布方向)における造形面Sの寸法に応じて、その領域に対応する隙間Gの大きさ、粉末落下量を設定するようにしてもよい。塗布機構33(またはリコータ)の構成は、上記で説明した構成に限られない。塗布機構33は、たとえば、板状であってもよいし、ローラ部、棒状部材、または刷毛部などを備える構成であってもよい。ホッパ34の排出口35は、前壁部34aのみが搬送面43との間で隙間Gを形成しており、その他の後壁部34bや側壁部34cは同じ大きさの隙間Gを形成していなくてもよい。ベルト44Bの幅方向における隙間Gの変化は、ホッパ34の下端34eおよび搬送装置41の搬送面43の両方の形状を変化させることで実現してもよい。搬送装置の搬送方向である第1方向は、水平である場合に限られず、水平面に対して幾らか傾斜した方向であってもよい。第1方向は、直線状である場合に限られず、曲線状であってもよい。
【0064】
三次元積層造形装置は、電子ビーム溶融法が適用された造形装置に限られず、たとえばレーザ溶融法が適用された造形装置であってもよい。すなわち、三次元積層造形装置において粉末Aに照射されるビームは、レーザビームであってもよい。三次元積層造形装置において粉末Aに照射されるビームは、電子ビームおよびイオンビームを含む概念である荷電粒子ビームであってもよい。三次元積層造形装置において粉末Aに照射されるビームは、粉末Aに対してエネルギーを供給し得るエネルギービームであってもよい。三次元積層造形装置は、粉末Aを落下させて供給するあらゆる形式の造形装置に適用可能である。
【0065】
また、本発明が適用され得る造形装置は、粉末床溶融結合方式の造形装置に限定されない。本発明は、たとえば、バインダー(結合剤)を粉末床に噴射することで粉末を選択的に結合させる結合剤噴射方式の造形装置にも適用可能である。また別の観点では、本発明は、あらゆるパウダーベッド方式の積層造形装置に適用可能である。どのような種類の粉末や熱源が採用されるパウダーベッド方式の積層造形装置に対しても、本発明は適用可能である。本発明は、粉末を焼結させる方式にも適用可能である。粉末A(造形材料)は、金属には限定されず、たとえば樹脂などであってもよい。