(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が、3つの(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート化合物、または4つの(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート化合物である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
前記分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
前記アクリレート化合物に由来する構成単位(B)が、さらに、芳香族アクリレート化合物に由来する構成単位(b−2)と脂肪族アクリレート化合物に由来する構成単位(b−3)を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第1発明、第2発明及び第3発明の詳細を順に説明する。なお、第2発明の説明においては、第1発明での説明と共通する記載については適宜記載を省略する。また、第3発明の説明においては、第1発明での説明又は第2発明での説明と共通する記載については適宜記載を省略する。
【0019】
1.第1発明
第1発明の光硬化性樹脂組成物は、スチレン−アクリレート共重合体と、エチレン性不飽和化合物と、を含有することを特徴とするものであり、スチレン−アクリレート共重合体は、スチレン系化合物に由来する構成単位(A)の比率が10〜90モル%であり、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)の比率が10〜90モル%であり、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)が、分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物に由来する構成単位(b−1)を含むことを特徴とするものである。
【0020】
1−1.スチレン−アクリレート共重合体
第1発明の光硬化性樹脂組成物において、スチレン−アクリレート共重合体は、スチレン系化合物とアクリレート化合物との共重合体であって、スチレン系化合物に由来する構成単位(A)の比率が10〜90モル%であり、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)の比率が10〜90モル%であり、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)が、分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物に由来する構成単位(b−1)を含むことを特徴とするものである。
【0021】
なお、第1発明において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。また、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
【0022】
スチレン−アクリレート共重合体において、スチレン系化合物に由来する構成単位(A)の比率は10〜90モル%であればよいが、エチレン性不飽和化合物との相溶性、乾燥性、耐スクラッチ性、基材との密着性に優れるインキまたは塗料を好適に得る観点から、20〜80モル%であることが好ましく、20〜50モル%であることがより好ましい。また、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)の比率は、10〜90モル%であればよいが、エチレン性不飽和化合物との相溶性、乾燥性、耐スクラッチ性、基材との密着性に優れるインキまたは塗料を好適に得る観点から、20〜80モル%であることが好ましく、50〜80モル%であることがより好ましい。
【0023】
1−2.スチレン系化合物に由来する構成単位(A)
スチレン−アクリレート共重合体において、スチレン系化合物に由来する構成単位(A)としては、特に限定されないが、相溶性、乾燥性、耐スクラッチ性、基材との密着性に優れるインキまたは塗料を好適に得る観点から、例えば、スチレン;メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン等のアルキル置換スチレン類;4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、クロロメチルスチレン等のハロゲン置換スチレン類;p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類;ビニルベンジルアルコール類;p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、m−tert−ブトキシスチレン等のアルコキシ置換スチレン類;3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸等のビニル安息香酸類;4−ビニルベンジルアセテート;4−アセトキシスチレン;2−ブチルアミドスチレン、4−メチルアミドスチレン、p−スルホンアミドスチレン等のアミドスチレン類;3−アミノスチレン、4−アミノスチレン、2−イソプロペニルアニリン、ビニルベンジルジメチルアミン等のアミノスチレン類;3−ニトロスチレン、4−ニトロスチレン等のニトロスチレン類;3−シアノスチレン、4−シアノスチレン等のシアノスチレン類;ビニルフェニルアセトニトリル;フェニルスチレン等のアリールスチレン類、インデン類等が含まれるものを例示することができる。中でもスチレン;メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン等のアルキル置換スチレン類;4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、クロロメチルスチレン等のハロゲン置換スチレン類;p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類が好ましく、スチレン;メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン等のアルキル置換スチレン類がより好ましい。
【0024】
1−3.アクリレート化合物に由来する構成単位(B)
スチレン−アクリレート共重合体において、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)は、分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物に由来する構成単位(b−1)を含むものであればよい。
【0025】
構成単位(b−1)において、分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、相溶性、乾燥性、耐スクラッチ性、基材との密着性に優れるインキまたは塗料を好適に得る観点から、3つの(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート化合物または4つの(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート化合物であることが好ましい。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0026】
アクリレート化合物に由来する構成単位(B)は、さらに、芳香族アクリレート化合物に由来する構成単位(b−2)と脂肪族アクリレート化合物に由来する構成単位(b−3)を含むものであってもよい。なお、芳香族アクリレート化合物と脂肪族アクリレート化合物には、上述した構成単位(b−1)の分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物は含まれない。
【0027】
アクリレート化合物に由来する構成単位(B)中に、分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物に由来する構成単位(b−1)と芳香族アクリレート化合物に由来する構成単位(b−2)と脂肪族アクリレート化合物に由来する構成単位(b−3)を含む場合、各構成単位の比率((b−1):(b−2):(b−3))は、1〜4:1〜5:1〜4の範囲であることが好ましく、1〜3:1〜4:1〜3の範囲であることがより好ましい。
【0028】
芳香族アクリレート化合物に由来する構成単位(b−2)としては、分子中に1つまたは2つの(メタ)アクリロイル基を有する芳香族アクリレート化合物(好ましくは、分子中に1つの(メタ)アクリロイル基を有する芳香族アクリレート化合物)であればよく、具体的には、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、クミルフェノール(メタ)アクリレート、クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、クミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。中でもベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0029】
脂肪族アクリレート化合物に由来する構成単位(b−3)としては、分子中に1つまたは2つの(メタ)アクリロイル基を有する脂肪族アクリレート化合物(好ましくは、分子中に1つの(メタ)アクリロイル基を有する脂肪族アクリレート化合物)であればよく、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等を例示することができる。中でもヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0030】
スチレン−アクリレート共重合体におけるアクリレート化合物に由来する構成単位(B)は、さらに、その他のアクリレート化合物に由来する構成単位(b−4)を含むものであってもよい。この場合、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)中におけるその他のアクリレート化合物に由来する構成単位(b−4)の比率は、分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物に由来する構成単位(b−1)と芳香族アクリレート化合物に由来する構成単位(b−2)と脂肪族アクリレート化合物に由来する構成単位(b−3)の合計:その他のアクリレート化合物に由来する構成単位(b−4)で、100:0〜80:20の範囲であることが好ましく、100:0〜90:10の範囲であることがより好ましい。
【0031】
第1発明のスチレン−アクリレート共重合体におけるアクリレート化合物に由来する構成単位(B)は、さらに、その他のアクリレート化合物に由来する構成単位(b−4)を含む場合、その他アクリレート化合物には、上述した、分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、芳香族アクリレート化合物、脂肪族アクリレート化合物は含まれない。
【0032】
その他アクリレート化合物としては、上述した分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、芳香族アクリレート化合物、脂肪族アクリレート化合物以外の単官能アクリレート、2官能アクリレートを例示することができる。
【0033】
単官能アクリレートとして、例えば、エチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、アクリロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が例示される。
【0034】
2官能アクリレートとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0035】
中でも、(メタ)アクリロイルモルフォリンが好ましい。
【0036】
スチレン−アクリレート共重合体におけるアクリレート化合物に由来する構成単位(B)にその他のアクリレート化合物に由来する構成単位(b−4)を含んでいる場合、その他のアクリレート化合物に由来する構成単位(b−4)の比率は、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)全体において、0モル%〜20モル%の範囲であることが好ましく、0モル%〜10モル%の範囲がより好ましい。
【0037】
スチレン−アクリレート共重合体には、さらに、カルボン酸に由来する構成単位(C)を含んでいてもよい。カルボン酸に由来する構成単位(C)を含む場合の、カルボン酸に由来する構成単位(C)の比率は、0〜20モル%の範囲であることが好ましく、0〜10モル%の範囲であることがより好ましい。
【0038】
カルボン酸としては、特に制限されないが、不飽和脂肪族カルボン酸であることが好ましく、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等がより好ましい。
【0039】
スチレン−アクリレート共重合体の分子量分布(質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、1〜50の範囲であることが好ましく、1〜40の範囲であることがより好ましく、1〜30の範囲であることがさらに好ましい。
【0040】
スチレン−アクリレート共重合体の数平均分子量(Mn)は、特に制限されないが、1,000〜100,000であることが好ましく、1,000〜50,000がより好ましく、1,000〜30,000がさらに好ましい。スチレン−アクリレート共重合体の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、1,000〜500,000であることが好ましく、1,000〜400,000がより好ましく、1,000〜300,000がさらに好ましい。なお、本明細書において「数平均分子量」、及び「質量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(島津製作所製Prominence−i、LC−2030)を用いて40℃下で測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて求めたものである。スチレン−アクリレート共重合体のヨウ素価は、特に制限されないが、1〜100であることが好ましく、1〜80であることがより好ましく、1〜50であることがさらに好ましい。
【0041】
スチレン−アクリレート共重合体を得るための重合反応は、上記のような原料を用いて公知の方法で合成することができる。この合成における各種条件は、使用する原料やその量に応じて適宜設定する必要がある。この重合反応では、必要に応じて触媒を使用することができる。触媒の例としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ開始剤、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類等の過酸化物開始剤、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド等のリン系、チオキサントン等のイオウ系等の公知の触媒を例示することができる。
【0042】
ケトンパーオキサイド類の具体例としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、及びメチルシクロヘキサノンパーオキサイドが挙げられる。
【0043】
ハイドロパーオキサイド類の具体例としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、及びジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドが挙げられる。
【0044】
ジアシルパーオキサイド類の具体例としては、例えば、ジイソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルベンゾイルパーオキサイド、及びコハク酸パーオキサイドが挙げられる。
【0045】
ジアルキルパーオキサイド類の具体例としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジ−tert−ヘキシルパーオキサイド、及び2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3が挙げられる。
【0046】
パーオキシケタール類の具体例としては、例えば、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、及び4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ペンタン酸ブチル、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサンが挙げられる。
【0047】
アルキルパーエステル類(パーオキシエステル類)の具体例としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、tert−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−2−エチルヘキサノイルパーオキシヘキサン、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ−ベンゾイルパーオキシヘキサン、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート、tert−ヘキシルパーオキシ−酢酸エステルが挙げられる。
【0048】
第1発明のスチレン−アクリレート共重合体の反応に用いる原料の添加順は、反応に用いる原料を全て反応容器に添加した後、加熱して重合反応を開始してもよく、一部を先に反応容器中に添加し、加熱した後、残りを滴下しながら重合反応を行ってもよく、反応容器に溶剤を添加し、加熱した後、反応に用いる原料の混合物を滴下しながら、重合反応をおこなってもよい。また、第1発明のスチレン−アクリレート共重合体の反応に用いる触媒の添加量は適宜調製すればよく、重合反応に用いる成分100質量部に対して、10.0質量部以下であることが好ましく、8.0質量部以下であることがより好ましい。また、触媒の添加量は、0.001〜8.0質量部であることがさらに好ましい。
【0049】
重合反応に際しては、必要に応じて溶剤を使用しても良い。溶剤を用いる場合、反応液全量に対し80質量%以下の範囲で使用することが好ましい。
【0050】
溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、ジエチルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン、エチルイソブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、乳酸メチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール及びグリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ノナン、イソノナン、ドデカン、イソドデカン等の飽和炭化水素類、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等の不飽和炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、デカリン等の環状飽和炭化水素類、γブチロラクトン、δバレロラクトン等の環状エステル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等の含窒素複素環類、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、シクロドデセン等の環状不飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0051】
反応雰囲気は、窒素やアルゴンのような不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。又反応圧力は大気圧下、加圧下いずれでもよいが、作業の簡便性を鑑みて大気圧下で行うことが好ましい。反応は攪拌羽根を備えた反応装置に原料を一度、又は分割して仕込んだうえで所定温度にて反応させることにより行うことができる。重合時の反応温度は60〜240℃、例えば80〜220℃であることが好ましい。反応時間は、0.1〜100時間、例えば0.5〜30時間であることが好ましい。
【0052】
光硬化性樹脂組成物中におけるスチレン−アクリレート共重合体の含有量は、特に制限されないが、1〜50質量%の範囲であることが好ましく、1〜45質量%の範囲であることがより好ましい。
【0053】
1−4.エチレン性不飽和化合物
第1発明の光硬化性樹脂組成物は、光照射により硬化可能であるエチレン性不飽和化合物を含有する。エチレン性不飽和化合物としては、炭素−炭素二重結合を1〜20個有することが好ましく、1〜10個有することがより好ましく、2〜6個有することがさらに好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アリル化合物およびビニル化合物等が挙げられる。また、エチレン性不飽和化合物は2種以上の化合物の混合物を用いることも可能である。
【0054】
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ポリ(例えば、ジ、トリ等)エチレングリコール、ポリ(例えば、ジ、トリ等)プロピレングリコール等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したものの(メタ)アクリル酸エステル化合物;エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキッド(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;エポキシ化大豆油アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物を例示することができ、好ましくはペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ポリ(例えば、ジ、トリ等)エチレングリコール、ポリ(例えば、ジ、トリ等)プロピレングリコール等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物であり、より好ましくはペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、トリプロピレングリコール等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
【0055】
(メタ)アリル化合物としては、ジ(メタ)アリルフタレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等を例示することができる。ビニル化合物としては、スチレン、ジビニルベンゼン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル等を例示することができる。
【0056】
中でも、光硬化した際の乾燥性の点で、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートがより好ましい。
【0057】
第1発明の光硬化性樹脂組成物に含有されるエチレン性不飽和化合物の含有量は、光硬化性樹脂組成物中におけるスチレン−アクリレート共重合体100質量部に対して、50〜1200質量部であることが好ましく、100〜1100質量部であることがより好ましく、150〜1000質量部であることがさらに好ましい。
【0058】
1−5.その他の添加物
第1発明の光硬化性樹脂組成物は、重合開始剤を含んでいてもよく、特に光重合開始剤を含有することが好ましい。光硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤の例としては、特に限定されないが、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン等のアセトフェノン類、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のα―アミノアルキルフェノン類、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィン類、ブチロイン、アゾビスイソブチロニトリル等を例示することができる。中でも、アセトフェノン類、α−アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、オキシムエステル類が好ましく、アセトフェノン類、α−アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類がより好ましい。これらの光重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。さらに光重合開始剤と、増感剤を併用することも可能である。
【0059】
光硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜15質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜12質量%の範囲がより好ましく、1〜12質量%の範囲がさらに好ましい。
【0060】
光硬化性樹脂組成物には、増感剤(例えば、トリエタノールアミン等のアミン系増感剤)を併用してもよい。
【0061】
増感剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜5質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜3質量%の範囲がより好ましい。
【0062】
第1発明の光硬化性樹脂組成物は、種々の添加剤、例示すれば、安定剤(例えば、ハイドロキノン、メトキノン等の重合禁止剤)、顔料(例えば、無機顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、ベンガラ等、有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系等)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系等の多環式顔料および複素環式顔料等の公知公用の各種顔料)等の着色剤、充填剤、粘度調整剤等の各種添加剤を目的に応じて含有することができる。
【0063】
光硬化性樹脂組成物に含有される安定剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.01〜2質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜1質量%の範囲がより好ましい。
【0064】
着色剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、1〜50質量%の範囲であることが好ましく、1〜45質量%の範囲がより好ましい。
【0065】
1−6.光硬化性樹脂組成物の製造方法及び用途
第1発明の光硬化性樹脂組成物は、エチレン性不飽和化合物に、スチレン−アクリレート共重合体を加え、さらには必要に応じて、光重合開始剤、増感剤、添加剤(例えば、安定剤、顔料)を混合することによって製造できる。第1発明の光硬化性樹脂組成物は、光を照射することによって硬化する。硬化に用いる光は、一般に紫外線である。紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
【0066】
光硬化性樹脂組成物の硬化反応に用いる硬化装置、また、硬化条件は特に限定されず、通常の光硬化反応に用いられる方法であればよい。
【0067】
第1発明の光硬化性樹脂組成物の用途は特に限定されない。インキ(例えば、光硬化性平版用印刷インキ、シルクスクリーンインキ、グラビアインキ等の印刷インキ)、塗料(例えば、紙用、プラスチック用、金属用、木工用等の塗料、例示すれば、オーバープリントワニス)、接着剤、フォトレジスト等の技術分野において使用できる。また、印刷物の基材としては、特に制限はなく、紙、プラスチック、シール、ラベル、金属等あらゆる材料への印刷が挙げられ、好ましくは紙への印刷である。
【0068】
第1発明の光硬化性樹脂組成物を含むインキは第1発明のインキであり、第1発明の光硬化性樹脂組成物を含む塗料は第1発明の塗料である。また、第1発明の塗料はオーバープリントワニスであることが好ましい。
【0069】
第1発明の光硬化性樹脂組成物の製造方法は、従来の光硬化性樹脂組成物と同様の方法によって行えばよく、例えば、常温から100℃の間で、第1発明のスチレン−アクリレート共重合体、エチレン性不飽和化合物、必要に応じて、光重合開始剤および増感剤、その他添加剤等の組成物成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサー等の練肉、混合、調整機を用いて製造される。
【0070】
より具体的なインキの一般的作製方法は次のとおりである。エチレン性不飽和化合物にスチレン−アクリレート共重合体、及び安定剤等を60℃〜100℃の温度で攪拌しながら溶解させワニスを作製する。このワニスに、顔料、光重合開始剤、その他添加剤を、バタフライミキサーで撹拌混合後、3本ロール等で練肉することでインキが得られる。また、オーバープリントワニスの作製は、顔料を使用しない以外は、インキと同様の手順により行える。
【0071】
2.第2発明
第2発明の光硬化性樹脂組成物は、スチレン−アクリレート共重合体と、ラジカル重合性二重結合を有するモノマーと、光重合開始剤と、を含有することを特徴とするものであり、スチレン−アクリレート共重合体は、スチレン系化合物に由来する構成単位(A)の比率が10〜90モル%であり、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)の比率が10〜90モル%であり、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)が、分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物に由来する構成単位(b−1)を含むことを特徴とするものである。
【0072】
2−1.スチレン−アクリレート共重合体
第2発明の光硬化性樹脂組成物において、スチレン−アクリレート共重合体に関する説明は、第1発明の前記「1−1.スチレン−アクリレート共重合体」の欄での説明と同じである。
【0073】
2−2.スチレン系化合物に由来する構成単位(A)
第2発明の光硬化性樹脂組成物において、スチレン系化合物に由来する構成単位(A)に関する説明は、第1発明の前記「1−2.スチレン系化合物に由来する構成単位(A)」の欄での説明と同じである。
【0074】
2−3.アクリレート化合物に由来する構成単位(B)
第2発明の光硬化性樹脂組成物において、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)に関する説明は、第1発明の前記「1−3.アクリレート化合物に由来する構成単位(B)」の欄での説明と同じである。
【0075】
ただし、第2発明において、光硬化性樹脂組成物中におけるスチレン−アクリレート共重合体の含有量は、特に制限されないが、1〜50質量%の範囲であることが好ましく、1〜40質量%の範囲であることがより好ましい。
【0076】
2−4.ラジカル重合性二重結合を有するモノマー
第2発明の光硬化性樹脂組成物におけるラジカル重合性二重結合を有するモノマーとして、(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を例示することができ、具体的には、下記のものが例示できる。
【0077】
単官能アクリレートとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のカーボン数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレートがあり、さらに、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、アクリロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が例示される。
【0078】
さらに、2官能アクリレートとしてエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0079】
3官能アクリレートとしてグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0080】
4官能以上のアクリレートとしてペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0081】
さらに(メタ)アクリロイル基を含有する化合物として、脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートを例示することができる。
脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートとして脂肪族アルコール化合物のモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド他)モノまたはポリ(1〜10)(メタ)アクリレートがある。より具体的には、1官能変性アクリレート、2官能変性アクリレート、3官能変性アクリレート、4官能変性アクリレート等が挙げられる。
【0082】
1官能変性アクリレートとして、カーボン数が2〜20アルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレート、例えばメタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、エタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ブタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ヘキサノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、オクタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ドデカノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ステアリルモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)がある。さらにブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフェノールのポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート等が例示される。
【0083】
さらに2官能変性アクリレートとして、エチレングリコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールポリアルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレンオキサイド付加体(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサ
イドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、また、ビスフェノールの変性アクリレートとして、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレートが例示される。
【0084】
3官能変性アクリレートとしてグリセリンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(3〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0085】
4官能以上の変性アクリレートとしてペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタン(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンポリ(4〜200)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(5〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート等が例示されるがこれに限るものではない。
【0086】
さらに(メタ)アクリロイル基を含有する化合物として、光硬化型の(メタ)アクリル系オリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートを適宜使用できる。
【0087】
オリゴマーの一例としては、ポリオール、多塩基酸および(メタ)アクリル酸のエステル化物、さらにはエポキシアクリレート等が例示される。上記ポリオールとしてはエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等、多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、(無水)琥珀酸、(無水)マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸等が使用される。ポリオール、多塩基酸および(メタ)アクリル酸のエステル反応は常法により行われる。
【0088】
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、一般的な芳香族系或いは脂肪族系のウレタン(メタ)アクリレートが上げられる。一例を挙げると、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0089】
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、一般的な芳香族系或いは脂肪族系のエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。一例を挙げると、ビスフェノールAエポキシ、ビスフェノールFエポキシ、ノボラックエポキシ、リン酸系エポキシ等の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0090】
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、一般的なポリエステル(メタ)アクリレートの他、脂肪酸変性タイプ、塩素化ポリエステル等が挙げられる。
【0091】
第2発明の光硬化性樹脂組成物におけるラジカル重合性二重結合を有するモノマーとして、2官能アクリレート、3官能アクリレート、4官能以上のアクリレート、3官能変性アクリレートが好ましい。
【0092】
第2発明の樹脂組成物中におけるラジカル重合性二重結合を有するモノマーの含有量としては、好ましくは40〜90質量%であり、より好ましくは50〜90質量%である。
【0093】
2−5.光重合開始剤
第2発明の光硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を含有する。
【0094】
光重合開始剤の例としては、ラジカル重合性二重結合を有するモノマーの重合を開始できるものであれば特に限定されず、第1発明の前記「1−5.その他の添加物」の欄で例示したものと同じものが例示される。
【0095】
第2発明において、乾燥性、耐スクラッチ性、基材との密着性に優れるインキまたは塗料を好適に得る観点から、光重合開始剤として好ましくは、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル-フェニル)-ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等を例示することができ、特に優れた乾燥性を発揮させる観点からは、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル-フェニル)−ブタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが最も好ましい。
【0096】
光硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜15質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜12質量%の範囲がより好ましく、1〜12質量%の範囲がさらに好ましい。
【0097】
2−6.その他の添加物
第2発明の光硬化性樹脂組成物は、さらに、増感剤(例えば、トリエタノールアミン等のアミン系増感剤)、種々の添加剤、例示すれば、安定剤(例えば、ハイドロキノン、メトキノン等の重合禁止剤)、顔料(例えば、無機顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、ベンガラ等が、有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系等)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系等の多環式顔料および複素環式顔料等の公知公用の各種顔料)等の着色剤、充填剤、粘度調整剤等の各種添加剤を目的に応じて含有することができる。
【0098】
安定剤、増感剤及び着色剤の量は、それぞれ、第1発明の前記「1−5.その他の添加物」に記載した量と同じ量が例示される。
【0099】
2−7.光硬化性樹脂組成物の製造方法及び用途
第2発明の光硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合性二重結合を有するモノマーに、スチレン−アクリレート共重合体を加え、光重合開始剤、さらに必要に応じて、増感剤、添加剤(例えば、安定剤、顔料)を混合することによって製造できる。第2発明の光硬化性樹脂組成物は、光を照射することによって硬化する。硬化に用いる光は、一般に紫外線である。紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
【0100】
第2発明の光硬化性樹脂組成物の製造方法及び特に限定されず、第1発明の「1−6.光硬化性樹脂組成物の製造方法及び用途」における説明と同様である。
【0101】
3.第3発明
第3発明の光硬化性樹脂組成物は、スチレン−アクリレート共重合体と、ラジカル重合性二重結合を有するモノマーと、光重合開始剤と、増感剤とを含有することを特徴とするものであり、スチレン−アクリレート共重合体は、スチレン系化合物に由来する構成単位(A)の比率が10〜90モル%であり、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)の比率が10〜90モル%であり、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)が、分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物に由来する構成単位(b−1)を含むことを特徴とするものである。
【0102】
3−1.スチレン−アクリレート共重合体
第3発明の光硬化性樹脂組成物において、スチレン−アクリレート共重合体に関する説明は、第1発明の前記「1−1.スチレン−アクリレート共重合体」の欄での説明と同じである。
【0103】
3−2.スチレン系化合物に由来する構成単位(A)
第3発明の光硬化性樹脂組成物において、スチレン系化合物に由来する構成単位(A)に関する説明は、第1発明の前記「1−2.スチレン系化合物に由来する構成単位(A)」の欄での説明と同じである。
【0104】
3−3.アクリレート化合物に由来する構成単位(B)
第3発明の光硬化性樹脂組成物において、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)に関する説明は、第1発明の前記「1−3.アクリレート化合物に由来する構成単位(B)」の欄での説明と同じである。
【0105】
3−4.ラジカル重合性二重結合を有するモノマー
第3発明の光硬化性樹脂組成物において、ラジカル重合性二重結合を有するモノマーに関する説明は、第2発明の前記「2−4.ラジカル重合性二重結合を有するモノマー」の欄での説明と同じである。
【0106】
3−5.光重合開始剤
第3発明の光硬化性樹組成物は、光硬化性樹脂組成物を含有する。
【0107】
第3発明において、光重合開始剤の例としては、特に限定されないが、第2発明の前記「2−5.光重合開始剤」の欄で例示したものと同じものが例示される。
【0108】
第3発明においては、中でも、アセトフェノン類、α−アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類が好ましい。これらの光重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。さらに光重合開始剤と、増感剤を併用することも可能である。
【0109】
光硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜15質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜12質量%の範囲がより好ましく、1〜12質量%の範囲がさらに好ましい。
【0110】
3−6.増感剤
第3発明の光硬化性樹脂組成物は、増感剤を含むものである。
【0111】
増感剤としては、特に制限されないが、乾燥性、耐スクラッチ性、基材との密着性の観点から、例えば、ベンゾフェノン類、カルコン類やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン類、ベンゾイン類、フルオレン類、ナフトキノン類、アントラキノン類、キサンテン類、チオキサンテン類、キサントン類、チオキサントン類、クマリン類、ケトクマリン類、シアニン類、メロシアニン類、オキソノ−ル類等のポリメチン色素、アクリジン類、アジン類、チアジン類、オキサジン類、インドリン類、アズレン類、アズレニウム類、スクアリリウム類、ポルフィリン類、テトラフェニルポルフィリン類、トリアリールメタン類、テトラベンゾポルフィリン類、テトラピラジノポルフィラジン類、フタロシアニン類、テトラアザポルフィラジン類、テトラキノキサリロポルフィラジン類、ナフタロシアニン類、サブフタロシアニン類、ピリリウム類、チオピリリウム類、テトラフィリン類、アヌレン類、スピロピラン類、スピロオキサジン類、チオスピロピラン類、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体等を挙げることができる。
【0112】
乾燥性、耐スクラッチ性、基材との密着性の観点から、好ましい具体例としては、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン;p−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸ブチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等のp−ジメチルアミノ安息香酸アルキルエステル;p−ジエチルアミノ安息香酸メチルエステル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジエチルアミノ安息香酸イソアミル等のp−ジエチルアミノ安息香酸アルキルエステル等を例示することができる。また、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類を例示することができる。中でも、乾燥性を特に高める観点から、p−ジメチルアミノ安息香酸アルキルエステル、p−ジメエルアミノ安息香酸アルキルエステル、チオキサントン類、ベンゾフェノン類が好ましく、4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルがより好ましい。
【0113】
第3発明において、光硬化性樹脂組成物に含有される増感剤の量は、乾燥性、耐スクラッチ性、基材との密着性の観点から、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜5質量%の範囲がより好ましく、0.5〜5質量%の範囲がさらに好ましい。
【0114】
3−7.その他の添加物
第3発明の光硬化性樹脂組成物は、さらに、第1発明及び第2発明で例示した種々の添加剤を目的に応じて含有することができる。
【0115】
第3発明において、安定剤及び着色剤の量は、それぞれ、第1発明の「1−5.その他の添加物」に記載した量と同じ量が例示される。
【0116】
3−8.光硬化性樹脂組成物の製造方法及び用途
第3発明の光硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合性二重結合を有するモノマーに、スチレン−アクリレート共重合体を加え、光重合開始剤、増感剤、さらに必要に応じて、添加剤(例えば、安定剤、顔料)を混合することによって製造できる。第3発明の光硬化性樹脂組成物は、光を照射することによって硬化する。硬化に用いる光は、一般に紫外線である。紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
【0117】
第3発明の光硬化性樹脂組成物の製造方法及び特に限定されず、第1発明の「1−6.光硬化性樹脂組成物の製造方法及び用途」における説明と同様である。
【実施例】
【0118】
以下に、実施例により本発明の第1発明、第2発明及び第3発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、本発明において、「部」は、「質量部」を表し、「%」は「質量%」を表す。
【0119】
スチレン−アクリレート共重合体の質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)の測定方法
スチレン−アクリレート共重合体の質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)はGPCを用いて測定した。Mw、Mnは標準ポリスチレン換算の質量平均分子量、数平均分子量の値である。
カラム:ShodexLF−804×2本を直列に接続
流速:1.0mL/min
温度:40℃
検出器:RID−20A
試料:試料20mgをテトラヒドロフラン10mLに溶解させ測定用のサンプルとした。
【0120】
ヨウ素価測定
製造に用いたスチレン−アクリレート共重合体のヨウ素価は、JIS K6235に定める方法に従って測定した。
【0121】
(合成例1A)スチレン−アクリレート共重合体(共重合体1A)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた4つ口フラスコ内にメシチレン130gを添加し、撹拌しながら160℃まで加熱した。スチレン16g、ベンジルアクリレート12g、2−エチルヘキシルアクリレート14g、トリメチロールプロパントリアクリレート22g、tert−ブチルパーオキシベンゾエート5gの混合物を、反応容器中に6時間かけて滴下した。その後、30分間スチレン−アクリレート共重合体の重合反応を行った後、室温まで冷却した。得られた重合液を10倍量のヘキサンで処理することにより未反応アクリレートを除去し、80℃で減圧乾燥させ共重合体1Aを得た。(収率:60%、質量平均分子量:27,000、数平均分子量:5,500、分子量分布:4.9、ヨウ素価:10)。共重合体1Aは、スチレン系化合物に由来する構成単位(A)の比率が10〜90モル%であり、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)の比率が10〜90モル%であり、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)が、分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物に由来する構成単位(b−1)を含む、スチレン−アクリレート共重合体である。
【0122】
(合成例2A)スチレン−アクリレート共重合体(共重合体2A)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた4つ口フラスコ内にメシチレン130gを添加し、撹拌しながら160℃まで加熱した。スチレン16g、ベンジルアクリレート13g、2−エチルヘキシルアクリレート15g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート18g、tert−ブチルパーオキシベンゾエート5gの混合物を、反応容器中に6時間かけて滴下した。その後、30分間スチレン−アクリレート共重合体の重合反応を行った後、室温まで冷却した。得られた重合液を10倍量のヘキサンで処理することにより未反応アクリレートを除去し、80℃で減圧乾燥させ共重合体2Aを得た。(収率:60%、質量平均分子量:29,000、数平均分子量:11,000 、分子量分布:2.6 、ヨウ素価:5)。共重合体2Aは、スチレン系化合物に由来する構成単位(A)の比率が10〜90モル%であり、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)の比率が10〜90モル%であるが、アクリレート化合物に由来する構成単位(B)が、分子中に少なくとも3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物に由来する構成単位(b−1)を含まない、スチレン−アクリレート共重合体である。
【0123】
(実施例)
下記表1Aに記載の各組成の光硬化性樹脂組成物を調製し、各特性を評価した。
【0124】
(実施例1A〜10A、比較例1A〜7A)
1A)活性エネルギー線硬化型組成物の溶解性(相溶性)の評価
表1Aに記載した各成分を、90℃で2時間加熱混合して活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。各組成物を室温(25℃)に冷却後、一晩経過したものの外観が透明であるかで溶解性(スチレン−アクリレート共重合体とエチレン性不飽和化合物との相溶性)を評価した。冷却後も外観が透明であったもの:〇、白濁したもの:×とした。評価結果を表1Aに示す。
【0125】
2A)乾燥性試験
表1Aに記載した各成分より調製した活性エネルギー線硬化型組成物を、片アート紙(王子製紙株式会社製 アート紙)にRIテスターを用いてコートし、出力80W/cmのメタルハライドランプ(ランプ距離11cm、コンベアスピード100m/min)で硬化させた。UV硬化装置はアイグラフィックス株式会社製コンベア型紫外線硬化装置を用いた。塗膜を指で触り、面に指紋が付かない状態(タックフリー)になるまで複数回通過させた。通過回数が5回以内の場合は○、6回以上の場合は×として評価した。
【0126】
3A)スクラッチ性試験
表1Aに記載した各成分より調製した活性エネルギー線硬化型組成物を、乾燥性試験と同様の方法で片アート紙にコートし、硬化させた。得られた塗膜の表面を爪で擦り、表面状態を確認した。塗膜に変化無しまたは抵抗しながら削れる:○、容易に削れる:×として評価した。評価結果を表1Aに示す。
【0127】
【表1A】
【0128】
表1Aに示した共重合体1A,2A以外の成分は下記のとおりである。
また、表1Aに示す組成量は質量部での表記である。
※1:U−2PPA:新中村化学工業株式会社製 ウレタンアクリレート
※2:VS−1063:星光PMC株式会社製 ポリスチレン樹脂
※3:DPHA:東亞合成株式会社製 アロニックス M−404 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
※4:DTMPTA:MIWON製 MIRAMER M410 ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
※5:3EO−TMPTA:MIWON製 MIRAMER M3130 エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
※6:3PO−TMPTA:サートマー株式会社製 SR492TFN プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
※7:TMPTA:MIWON製 MIRAMER M300 トリメチロールプロパントリアクリレート
※8:TPGDA:サートマー株式会社製 SR306H トリプロピレングリコールジアクリレート
※9:GPTA:MIWON製 MIRAMER M320 プロピレンオキサイド変性グリセリントリアクリレート
※10:HDDA:サートマー株式会社製 SR238NS 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
※11:Omnirad907:IGM Resins B.V.製 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
【0129】
表1Aに示すように、第1発明のスチレン−アクリレート共重合体を含む光硬化性樹脂組成物は、各種アクリレートを用いた場合でも相溶性、乾燥性、耐スクラッチ性に優れることが示された。
【0130】
(合成例1B)スチレン−アクリレート共重合体(共重合体1B)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた4つ口フラスコ内にメシチレン130gを添加し、撹拌しながら160℃まで加熱した。スチレン16g、ベンジルアクリレート12g、2−エチルヘキシルアクリレート14g、トリメチロールプロパントリアクリレート22g、tert-ブチルパーオキシベンゾエート5gの混合物を、反応容器中に6時間かけて滴下した。その後、30分間スチレン−アクリレート共重合体の重合反応を行った後、室温まで冷却した。得られた重合液を10倍量のヘキサンで処理することにより未反応アクリレートを除去し、80℃で減圧乾燥させ共重合体1Bを得た。(収率:60%、重量平均分子量:27,000、数平均分子量:5,500、分子量分布:4.9、ヨウ素価:10)
【0131】
(実施例)
下記表1Bに記載の各組成の光硬化性樹脂組成物を調製し、各特性を評価した。
【0132】
(実施例1B〜10B、比較例1B〜6B)
1B)乾燥性試験
表1Bに記載した各成分より調製した活性エネルギー線硬化型組成物を、片アート紙(王子製紙株式会社製 アート紙)にRIテスターを用いてコートし、出力80W/cmのメタルハライドランプ(ランプ距離11cm、コンベアスピード100m/min)で硬化させた。なお、UV硬化装置はアイグラフィックス株式会社製コンベア型紫外線硬化装置を用いた。塗膜を指で触り、面に指紋が付かない状態(タックフリー)になるまで複数回通過させた。通過回数が3回以内の場合は◎、4または5回の場合は○、6回以上の場合は×として評価した。評価結果を表1Bに示す。
【0133】
2B)スクラッチ性試験
表1Bに記載した各成分より調製した活性エネルギー線硬化型組成物を、乾燥性試験と同様の方法で片アート紙にコートし、硬化させた。得られた塗膜の表面を爪で擦り、表面状態を確認した。塗膜に変化無しまたは抵抗しながら削れる:○、容易に削れる:×として評価した。評価結果を表1Bに示す。
【0134】
【表1B】
【0135】
表1Bに示した共重合体1B以外の成分は下記のとおりである。また、表1Bに示す組成量は質量部での表記である。
※1:U−2PPA:新中村化学工業株式会社製 ウレタンアクリレート
※2:DPHA:東亞合成株式会社製 アロニックス M−404 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
※3:Omnirad907:IGM Resins B.V.製 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
※4:Omnirad379:IGM Resins B.V.製 2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル) −ブタン−1−オン
※5:OmniradTPO:IGM Resins B.V.製 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド
※6:Omnirad184:IGM Resins B.V.製 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
※7:Omnirad651:IGM Resins B.V.製 2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
※8:Omnirad1173:IGM Resins B.V.製 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン
【0136】
表1Bに示すように第2発明のスチレン−アクリレート共重合体と各種光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物は、優れた乾燥性と耐スクラッチ性を有することが明らかとなった。中でも、スチレン−アクリレート共重合体とOmnirad907、スチレン−アクリレート共重合体とOmnirad379、スチレン−アクリレート共重合体とOmniradTPOの組み合わせが特に優れた乾燥性が得られた。
【0137】
(合成例1C)スチレン−アクリレート共重合体(共重合体1C)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた4つ口フラスコ内にメシチレン130gを添加し、撹拌しながら160℃まで加熱した。スチレン16g、ベンジルアクリレート12g、2−エチルヘキシルアクリレート14g、トリメチロールプロパントリアクリレート22g、tert−ブチルパーオキシベンゾエート5gの混合物を、反応容器中に6時間かけて滴下した。その後、30分間スチレン−アクリレート共重合体の重合反応を行った後、室温まで冷却した。得られた重合液を10倍量のヘキサンで処理することにより未反応アクリレートを除去し、80℃で減圧乾燥させ共重合体1Cを得た。(収率:60%、質量平均分子量:27,000、数平均分子量:5,500、分子量分布:4.9、ヨウ素価:10)
【0138】
(実施例)
下記表1Cに記載の各組成の光硬化性樹脂組成物を調製し、各特性を評価した。
【0139】
(実施例1C〜9C、比較例1C〜5C)
1C)乾燥性試験
表1Cに記載した各成分より調製した活性エネルギー線硬化型組成物を、片アート紙(王子製紙株式会社製 アート紙)にRIテスターを用いてコートし、出力80W/cmのメタルハライドランプ(ランプ距離11cm、コンベアスピード100m/min)で硬化させた。なお、UV硬化装置はアイグラフィックス株式会社製コンベア型紫外線硬化装置を用いた。塗膜を指で触り、面に指紋が付かない状態(タックフリー)になるまで複数回通過させた。通過回数が3回以内の場合は◎、4または5回の場合は○、6回以上の場合は×として評価した。評価結果を表1Cに示す。
【0140】
2C)スクラッチ性試験
表1Cに記載した各成分より調製した活性エネルギー線硬化型組成物を、乾燥性試験と同様の方法で片アート紙にコートし、硬化させた。得られた塗膜の表面を爪で擦り、表面状態を確認した。塗膜に変化無しまたは抵抗しながら削れる:○、容易に削れる:×として、評価した。評価結果を表1Cに示す。
【0141】
【表1C】
【0142】
表1Cに示した共重合体1C以外の成分は下記のとおりである。
また、表1Cに示す組成量は質量部での表記である。
※1:U−2PPA:新中村化学工業株式会社製 ウレタンアクリレート
※2:DPHA:東亞合成株式会社製 アロニックス M−404 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
※3:Omnirad 369:IGM Resins B.V.製 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1
※4:Omnirad TPO:IGM Resins B.V.製 2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド
※5:Omnirad 819:IGM Resins B.V.製 ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
※6:EAB−SS:大同化成工業株式会社製 4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
※7:KAYACURE DETX−S:日本化薬株式会社製 2,4−ジエチルチオキサントン
※8:KAYACURE EPA:日本化薬株式会社製 p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル
【0143】
表1Cに示すように第3発明のスチレン−アクリレート共重合体と各種増感剤を含む光硬化性樹脂組成物は、優れた乾燥性と耐スクラッチ性を有することが明らかとなった。