(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【技術分野】
【0001】
本発明は、後で水に可溶性になる可撓性シートの形態の洗剤組成物、及び水溶性洗剤シートを記載する。該可撓性シートの形態の洗剤組成物は、水溶性ポリマー成分、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、水、及び他の成分を含む成分の固有の混合物を含む。適切な比率で混合されると、該成分は、衣類洗浄受容器に直接投入することができる洗剤特性を有する可撓性シートを生成し、該受容器は、単なる桶から最新式の自動洗濯機に及ぶ。該洗剤シートが該洗浄受容器内部で水と接触すると、該シートは溶解し、そして、その中に含有されている活性成分及び補完成分を放出する。
【0002】
先行技術の説明
今日、大部分の洗濯洗剤は、典型的に、液体又は粉末となっている。多くの場合、粉末洗剤は洗浄受容器において完全には溶解せず、そして、再三、その流動性の欠如に起因して、洗濯機内部で該受容器に残渣が留まって、該受容器の壁に接着する小さなかさぶた状のものを形成し;またあるときには、その溶解性の欠如に起因して、洗濯物に残渣が残るので、2回目の洗浄サイクルを行う必要性が生じる。液体洗剤は、流動性を改善し、そして、残渣の形成を防ぐが、こぼれた場合あまり実用的ではなくなることがあり、そして、清浄にするのが困難になることがある。傷めることなく衣類を清浄にする洗濯製品に対する消費者の要求は日に日に高まっており、また、魅力的な外観、そして特に、容易かつ快適に取り扱うことができる製品も求められている。
【0003】
先行技術には、シートを使用することによって液体又は粉末の洗剤の問題に対する解決策を見出そうと試みた様々な発明者による幾つかの試みが記録されている。米国特許第4.938.888号には、洗剤の浸透した可撓性基材の組み合わせが記載されている。該基材は、紙又は織布からなるが;その1つの問題点は、その不溶性に起因して、洗浄サイクルが完了した後に洗濯機内部に該基材が残存する点である。米国特許第4.853.142号には、洗剤を含有するプラスチックバンドが記載されているが;これもまた、上述の紙又は布と同じ問題点を有する、すなわち、洗浄サイクルが完了した後に洗濯機内に該布が残存する。洗剤シート製品を提供するもう1つの試みは、米国特許第6.818.606号に記載されており、ここでは、洗剤ミックスの層が2層の水溶性基材間に位置し、該基材は、主に水溶性無機物質からなる。他方、米国特許第7.094.744号には、坪量20g/m2を有する水溶性不織布材料の第1の層と水溶性フィルムの第2の層とからなる洗剤シートが開示されており、この積層製品は、後に、水溶性不織布上に配置されて、第2の外層として作用する。この製品の主な問題点は、それを生産するのに必要な方法が複雑であり、そして、該水溶性基材内に、洗濯機内部の衣類の清浄化に関与せず、価値を高めることもしない要素が導入される点である。
【0004】
したがって、取り扱いが容易であり、そして、乾燥状態で保管することができ、そして、最も重要なことに、洗浄サイクル中に完全に溶解して残渣が残らない、シートの形態の洗剤が必要とされている。この製品は、洗浄サイクルにおいて実に有効であり、そして、洗浄される衣類を傷めないことが望ましい。
【0005】
発明の概要
本明細書に記載される発明は、可撓性シートの形態であり、また、水溶性でもあり、そして、洗剤要素、コンディショナー、及び水の混合物からなる洗剤組成物に対応する。
【0006】
具体的には、本発明は、後で水に可溶性になる可撓性シートの形態の洗剤組成物であって、
(i)10〜15%(p/p) 水溶性ポリマー成分;
(ii)30〜37%(p/p) アニオン性界面活性剤;
(iii)7〜10%(p/p) 非イオン性界面活性剤;
(iv)1〜4%(p/p) 鉱油;
(v)11〜17%(p/p) グリセリン;
(vi)1〜4%(p/p) ココナッツジエタノールアミド;
(vii)18〜25%(p/p) 水;及び
(viii)0.5〜2.0%(p/p) 少なくとも1つの追加補足成分
からなる洗剤組成物について記載する。
【0007】
適切な比率で混合されると、上記成分から液体が生成され、これを乾燥プレートに注ぎ、そして、過剰の水を蒸発させた後、固体かつ可撓性のままであるが、使用時には完全に水溶性になるシートが生じる。このシートは、衣類洗濯機で使用することができ、そして、水を添加し、そして、撹拌したとき、その成分を放出する。
【0008】
好ましい実施態様では、本発明の可撓性、水溶性のシートの形態の洗剤組成物は、
(i)10〜15%(p/p) ポリビニルアルコール;
(ii)30〜37%(p/p) ドデシル硫酸ナトリウム;
(iii)7〜10%(p/p) 一級アルコールエトキシラート;
(iv)1〜4%(p/p) 鉱油;
(v)11〜17%(p/p) グリセリン;
(vi)1〜4%(p/p) ココナッツジエタノールアミド;
(vii)18〜25%(p/p) 水;及び
(viii)0.5〜2.0%(p/p) 香料
からなる。
【0009】
本発明の他の実施態様では、その洗剤組成物は、芳香剤、着色剤、及びホワイトニング剤を含み得る。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明は、後で水に可溶性になる可撓性シートの形態の洗剤組成物であって、以下の成分からなる洗剤組成物に言及する:
(i)10〜15%(p/p) 水溶性ポリマー成分;
(ii)30〜37%(p/p) アニオン性界面活性剤;
(iii)7〜10%(p/p) 非イオン性界面活性剤;
(iv)1〜4%(p/p) 鉱油;
(v)11〜17%(p/p) グリセリン;
(vi)1〜4%(p/p) ココナッツジエタノールアミド;
(vii)18〜25%(p/p) 水;及び
(viii)0.5〜2.0%(p/p) 少なくとも1つの追加補足成分。
【0011】
本発明は洗剤組成物について開示するので、その主な成分は、明らかに、張力活性剤(tensoactive)としても知られている界面活性剤であろう。この場合、「界面活性剤」及び「張力活性剤」は、技術的には互いにわずかに異なる場合があるが、いずれも同じ対象を指す。したがって、本発明では、「界面活性剤」及び「張力活性剤」の両用語を区別せずに使用し、そして、同じ対象を指す。
【0012】
界面活性剤又は張力活性剤は、このような物質が両親媒性分子からなり、そして、2相(液体−液体又は固体−固体)間の表面張力を低減することができる表面又は界面的な活性を有することを意味する。界面活性剤に含まれる両親媒性分子は、湿潤作用及び可溶化力を有し得、これらは組み合わされたときに、一般に界面活性剤を定義する清浄化作用を生じさせる。
【0013】
より広い定義では、界面活性剤材料は、一般に、アニオン性、カチオン性、非イオン性、ハイブリッド、又は両性の種、及びこれらの混合物(ただし、互いに相溶性である場合に限る)から選択され得る1つ以上の界面活性剤からなり得る。例えば、該界面活性剤は、"Surface Active Agents", by Schwartz & Perry, vol I, Interscience, 1949;"Surface Active Agents", by Schwartz, Perry & Berch, vol. II (Interscience, 1958);"Emulsifiers & Detergents"の現行版, by McCutcheon, published by the McCutcheon Division of the Manufacturing Confectioners Company;又は"Tensid-Taschenbuch", by H. Stache, 2nd edition, Carl Hanser Verlag, Munich & Viena, 1981に記載されているクラス、サブクラス、及び具体的な材料のいずれかから選択され得る。
【0014】
本発明の可撓性シートの形態の洗剤組成物は、好ましくは非イオン性界面活性剤材料と組み合わせて、合成アニオン性界面活性剤成分を含有し得る。適切なアニオン性界面活性剤は、通常、アルカリ金属サルファート及び約8〜約22個の炭素原子を含有するアルキル基を有する有機スルホナート由来の水溶性塩であり、アルキルという用語は、高級アシル基のアルキル部分を含む。適切な合成アニオン性界面活性剤化合物の例は、アルキル硫酸ナトリウム及びアルキル硫酸カリウム、特に、例えば脂肪又はココナッツ油由来の高級アルコール(C8〜C18)を硫酸化することによって得られるもの;(アルキルC9〜C20)ベンゼンスルホン酸ナトリウム及びベンゼンスルホン酸カリウム、特に、(直鎖二級アルキルC10〜C15)ベンゼンスルホン酸ナトリウム;アルキル−グリセリル−エーテル硫酸ナトリウム、特に、脂肪又はココナッツ油に由来する高級アルコール、及び石油に由来する合成アルコール、ココナッツ油脂肪酸モノグリセリドに由来する硫酸ナトリウム及びスルホン酸ナトリウム;脂肪族アルコールC8〜C18とアルキレンオキシド、特にエチレンオキシドとの間の反応生成物由来の硫酸エステル由来のナトリウム及びカリウムの塩;脂肪酸、例えばイセチオン酸でエステル化され、そして、水酸化ナトリウムで中和されたココナッツ脂肪酸と、メチルタウリン脂肪酸アミン由来のナトリウム及びカリウムの塩との間の反応生成物;アルカンモノスルホナート、例えば、アルファ−オレフィンC8〜C20と重亜硫酸ナトリウムとの間の反応から得られるもの、及びパラフィンとSO
2とCl
2とを反応させ、そして、後でランダムスルホナートを生成するために塩基で加水分解することから得られるもの;並びにオレフィン、特にアルファ−オレフィンC10〜C20をSO
3と反応させ、そして、後で反応生成物を中和し、そして、加水分解することから作製された物質を説明するために使用される用語であるオレフィンスルホナートである。本発明の好ましいアニオン性界面活性剤化合物は、(アルキルC11〜C15)ベンゼンスルホン酸ナトリウム及び(アルキルC16〜C18)スルホン酸ナトリウムである。特に、本発明では、好ましい主な界面活性剤材料は、アルキルサルファート型のアニオン性界面活性剤であり、好ましくは、アニオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムである。
【0015】
非イオン性界面活性剤も本発明に含まれる。この種の界面活性剤は、水溶液中でイオンを生成しないので、他の種類の界面活性剤と相溶性であり、そして、複雑な製剤に組み込まれ得る。非イオン性界面活性剤は、水溶液中においてイオン化しないという独特な特徴を有するが、その理由は、アルコール、フェノール、エーテル、又はアミド型の親水性基を有するためである。該界面活性剤の大部分は、エチレンポリオキシド型のポリエーテル鎖の存在によって、比較的親水性になり得る。疎水性基は、一般的に、アルキル基又はアルキルベンゼンであり、そして、時に、特に低毒性が必要であるとき、脂肪酸等の天然由来の構造である。
【0016】
非イオン性界面活性剤は、一般的に、良好な湿潤及び乳化洗剤である。そのうちの一部は、優れた発泡特性を有する。上述の特性の全てに鑑みて、現在、液体又は粉末の洗剤製剤の全ての種類において、更には他の用途において非イオン性界面活性剤がみられる。様々な種類の非イオン性界面活性剤が存在するが、市場は、ヒドロキシル又はアミンの基に固定されているエチレンポリオキシド鎖を含有する副生成物によって占められている。一般的に知られている非イオン性界面活性剤は、エトキシル化直鎖アルコール、エトキシル化アルキルフェノール、脂肪酸エステル、アミン−及びアミド−副生成物、エチレンオキシドコポリマー、プロピレンオキシド、及びエトキシル化ポリアルコールである。本発明において好ましい非イオン性界面活性剤は、エトキシル化直鎖アルコールである。特に、本発明では、好ましいアニオン性界面活性剤材料は、一級アルコールエトキシラートである。
【0017】
本明細書に記載される発明は、張力活性要素と他の補足成分との混合物で作製される可撓性洗剤シートに対応する。該洗剤シートは、乾燥したとき、固体かつ可撓性のままである材料の粘稠度を有するが、水には完全に可溶性であるという特徴を有する。上記特徴を得るためには、フィルムを形成する能力を有し、そして、水に溶解するポリマー成分が必要である。ポリマーは、その主鎖又は側鎖に沿って十分な数の親水性基を有し、該基が主にアミン、アミド、カルボキシルの基及びスルホン酸基からなるとき、水に可溶性である。天然及び合成の水溶性ポリマーが存在し;前者はカルボキシメチルセルロース、デンプン、及びキサンタンガムを含み;後者は、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、及びポリビニルアルコールを含む。本発明において好ましいポリマー材料は、ポリビニルアルコールである。該ポリビニルアルコール(PVOH)は、水溶性合成ポリマーであり、一般化学式は(C
2H
4O)
nである。
【0018】
ポリビニルアルコールは、成膜剤、乳化剤、及び接着剤として優れた特性を有する。また、油、脂肪、及び溶剤に対して耐性である。重要な特徴は、無臭かつ無毒であることである。ポリビニルアルコールは、高い強度及び可撓性を有し、そして、酸素及び臭いに対する高いバリア特性を有する。ポリビニルアルコールは、完全に生分解性であり、そして、迅速に溶解し、完全に加水分解されたバージョン及び部分的に加水分解されたバージョンについて、それぞれ、融点は230℃(446°F)及び180〜190℃(356〜374°F)である。ポリビニルアルコールは、熱可塑性物質として融解しないが、150℃(302°F)を超える温度で2つの隣接するヒドロキシル基から水が失われることによって分解する。ポリビニルアルコールは水溶性であり;冷水中ではゆっくり溶解するが、高温では迅速に溶解し、そして、通常、90℃(194°F)を超える温度で溶解し得る。ポリビニルアルコールは、200℃(392°F)超で迅速に分解する。
【0019】
ポリビニルアルコールは、ある程度、セルロールと同様の特徴を有する。巨大分子線に位置する二級アルコール基に起因して、ポリビニルアルコールは、良好な成膜特性を有し;同様に、溶液の増粘を相乗的に達成するために、塩化ナトリウムをポリビニルアルコールと共に使用することができる。更に、文献中の開示に基づいて、ポリビニルアルコールは、洗浄製品に適用されたとき、汚れの再沈降を防ぐことができる。
【0020】
本発明に係る、後で水溶性になる可撓性シートの形態の洗剤組成物中の別の関連成分は、鉱油であり、これは、基材上に油膜を容易に形成することによって作用し、湿潤及びコンディショニングの効果を有し;高品質化粧用鉱油は、静電気防止及び柔軟剤として用いることもできる。鉱油は、石油の液体副生成物であり、一般的に、無色透明かつ無臭である。鉱油は、原油の蒸留によって得られ、そして、化学的観点から、石油ゼリーと類似している。鉱油は、長鎖炭化水素からなり、そして、密度及び粘度に関して様々な種類が存在する。市場で入手可能な広範な鉱油が存在するが、本発明には、化粧品等級の鉱油が好ましい。
【0021】
グリセリン又はグリセロールは、本発明に記載される可撓性シートの形状の洗剤組成物に含まれるもう1つの成分である。グリセロール又はグリセリンは、1,2,3−プロパンとリオール(C
3H
8O
3)に対応し、そして、3つのヒドロキシル基(−OH)を有するアルコールであると一般的に説明される。その物理的外観は、粘性のある無色の液体であるが、特徴的な臭い及び甘い香りを有する。同様に、グリセロールは、吸湿性化合物であり、これは、その周囲の環境中に存在する水分を移動させるか又は吸収する能力を有することを意味する。更に、それは、水に容易に可溶性であり、そして、25℃(77°F)の周囲温度において液体の形態で見出され得る。本場合については、グリセロール又はグリセリンは、一般的に、洗剤組成物において軟水化剤、保湿剤、及び増粘剤の役割を果たす。
【0022】
本発明の可撓性シートの形態の洗剤組成物のもう1つの成分は、コカミドとしても知られているココナッツジエタノールアミドである。ココナッツジエタノールアミドは、ココナッツから得られる脂肪酸であり;ココナッツ油の精製又は反応のプロセスに由来するアミドであることに鑑みて、その1:1の分子比率が高品質のものである。ココナッツジエタノールアミドは、特に、全ての種類の洗剤に対する泡安定剤としての優れた特性から、産業において多くの用途が知られている。ココナッツジエタノールアミドは、泡形成、泡安定性、濾過及び除染、並びに硬水に対する耐性等の良好な特徴を有する、重要な種類の非イオン性張力活性剤としても作用し得る。
【0023】
本発明の可撓性シートの形態の洗剤組成物では、水がそのもう1つの成分であり;成分の混合を促進する溶媒として使用され、そして、水の大部分はシートの乾燥プロセス中に蒸発するが、十分な水分を提供するので、最終シート製品は可撓性であり、そして、脆性ではない。
【0024】
可撓性シートの形態の洗剤組成物に対して補足的であり、そして、衣料品の清浄化及び保護について有用な結果をもたらすか又はシート製品を消費者にとってより魅力的なものにする、他の可能な成分も含まれる。該補足成分は、以下を含む:
−抗菌及び抗真菌の特性を有する化合物、例えば、メチルパラベン及びプロピルパラベン;
−「ホワイトニング」効果を通じて布地の色を増強するための蛍光増白剤;該増白剤は、以下を含む:Ciba(登録商標)によるTinopal CBS-X及びTanatex ChemicalによるBlancophor G;両製品は、電磁スペクトルの紫外及び紫色の領域(一般的に、340〜370nm)において光を吸収し、そして、青色領域(典型的には、420〜470nm)において光を再放出する着色剤である;
−水の硬度を低減して、洗剤の有効性を増大させるためのキレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA);
−次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、及び過酸化尿素を含むホワイトニング剤;
−香料又は芳香剤;該香料又は芳香剤は、洗剤の根底にある臭いを覆い隠し、洗浄及び乾燥のフェーズに耐え、そして、洗浄された衣類片によい香りを残すことができなければならない。洗剤組成物用の適切な香料を供給することができる広範な供給業者が市場には存在する;
−特定の波長を吸収することができる着色剤;着色剤は、他の物質に定着し、そして、特定の物理的又は化学的な要因、例えば、光及び酸化剤に鑑みて安定的に該物質に色を与える物質である。本場合、洗剤組成物によって形成されるシートに特定の色を与えることを意図する場合、所望の色に基づいて何らかの着色剤を配合しなければならない。
−本発明の洗剤組成物は布地柔軟剤を含むことができる;該柔軟剤は、カチオン/四級アンモニウム塩及びシリコーン系化合物、例えば、セトリモニウムブロミド、四級アンモニウムクロリド、及びポリジメチルシロキサンに基づく。
【0025】
したがって、本発明に係る可撓性、水溶性のシートの形態の洗剤組成物は、以下の特徴に基づいて定義され得る:
−水溶性ポリマー成分は、ポリビニルアルコールである;
−アニオン性界面活性剤は、アルキルサルファート型のものである、具体的には、ドデシル硫酸ナトリウムである;
−非イオン性界面活性剤は、一級アルコールエトキシラートである;
−追加補足成分は、ホワイトニング剤、増白剤、着色剤、香料、及び柔軟剤からなる群から選択される。
【0026】
本発明の好ましい実施態様では、可撓性、水溶性のシートの形態の洗剤組成物は、
(i)10〜15%(p/p) ポリビニルアルコール;
(ii)30〜37%(p/p) ドデシル硫酸ナトリウム;
(iii)7〜10%(p/p) 一級アルコールエトキシラート;
(iv)1〜4%(p/p) 鉱油;
(v)11〜17%(p/p) グリセリン;
(vi)1〜4%(p/p) ココナッツジエタノールアミド;
(vii)18〜25%(p/p) 水;及び
(viii)0.5〜2.0%(p/p) 香料
からなる。
【0027】
上に定義された可撓性、水溶性のシートの形態の洗剤組成物の全成分は、適切な比率で混合されると、組み合わされて液体を生成し、該液体は、大きな熱い乾燥板に注ぐことができ、該液体を該板上に広げて均一な厚さのコーティングを形成し、後で乾燥させる。得られたシートは、0.1mm〜8mmの厚さを有し、そして、洗濯物の大きさに基づいて、そして、所望の事業戦略に従って小片に切断され得る。得られた洗浄シートは、固体かつ可撓性のままであるが、水に可溶性である。このシートは、衣類洗濯機において使用することができ、そして、水が添加されたとき、洗剤及びその他の成分を放出する。投入及び衣類洗濯サイクルが完了したら、シートの成分は残留水中に排出される。
【0028】
好ましい実施態様では、本発明に係る洗濯シートを形成する成分を混合し、そして、加工して、以下からなる水溶性洗剤シートを作製する:
(i)10〜15%(p/p) ポリビニルアルコール;
(ii)30〜37%(p/p) ドデシル硫酸ナトリウム;
(iii)7〜10%(p/p) 一級アルコールエトキシラート;
(iv)1〜4%(p/p) 鉱油;
(v)11〜17%(p/p) グリセリン;
(vi)1〜4%(p/p) ココナッツジエタノールアミド;
(vii)18〜25%(p/p) 水;及び
(viii)0.5〜2.0%(p/p) 香料。
【0029】
本発明に係る水溶性洗剤シートは、多角形状又は曲線縁形状を有し得;好ましくは、該洗剤シートは、正方形、矩形、菱形、円形、若しくは楕円の形状、又はこれらの組み合わせを有し得る:
【0030】
水溶性洗剤シートが有し得る形状にかかわらず、該シートは、該シートの表面のうちの少なくとも1つに少なくとも1つの記号又はメッセージを含むことができ、該記号又はメッセージは、印刷又は刻印され得る。
【0031】
実施例
以下の実施例を通して本発明をより詳細に説明するが、これは本発明を限定するものとみなされるべきではなく、単に本発明自体に係る可撓性、水溶性のシートの形態の洗剤組成物の有効性を示すものである。全ての百分率は重量によるものである。
【0032】
比較の例A及びB、Aは本発明に係る可撓性、水溶性のシートの形態の洗剤組成物であり;そして、Bは、米国特許第7.094.744号の実施例9に係る洗剤組成物である。
【0033】
ターゴトメータを用いる試験を通して、綿布における汚れの抑制性能を測定した。使用した汚れは、視覚的指標として作用する紫色の着色剤を添加した大豆油(典型的な調理油汚れとして選択される)であった。試験に使用した衣類は、10cm×10cm(4インチ×4インチ)と測定された綿布であり、それぞれ1つに紫色に染色された大豆油 0.5mLで染みをつけ;該布を、以下の条件下で、シートの形態の洗剤組成物を使用してターゴトメータで処理した:
−温度:25℃(77°F);
−用量:洗浄水 1リットルあたり製品 3グラム;
−撹拌しながらの洗浄時間:20分間。
【0034】
試験布を処理したら、結果の比較分析を実施し、比色計においてサンプルの反射率を測定し、以下の式を用いて結果をΔRの観点で表す:
ΔR=(Rw−Ru)
(式中、
R=反射率
u=洗浄されていない、染みのついた衣類、
w=洗浄された、染みのついた衣類)
【0035】
上記に基づいて、各組成物のΔR値は、以下の通りである:
ΔR(A)=25.7
ΔR(B)=16.3
【0036】
上記結果にみることができるように、本発明に係る可撓性、水溶性のシートの形態の洗剤組成物で処理された衣類は、当技術分野の現行の製剤よりも57.5%高い挙動を示す。
【0037】
本発明の多くの改変及び他の実施態様が、当業者及び本発明の教示を知らされた者によって推定され得る。したがって、本発明は記載される特定の実施態様に限定されるものではなく、そして、添付の特許請求の範囲の範囲内に該改変及び実施態様が含まれることを意味することが理解される。