(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6828938
(24)【登録日】2021年1月25日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】貨物自動車の改造方法及び貨物自動車
(51)【国際特許分類】
B60P 1/04 20060101AFI20210128BHJP
B60G 11/27 20060101ALI20210128BHJP
B62D 21/11 20060101ALI20210128BHJP
B60G 11/02 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
B60P1/04 A
B60G11/27
B62D21/11
B60G11/02
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-159291(P2020-159291)
(22)【出願日】2020年9月24日
【審査請求日】2020年9月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520370038
【氏名又は名称】有限会社ミナミ自動車
(74)【代理人】
【識別番号】100163533
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 義信
(72)【発明者】
【氏名】保木 秀崇
【審査官】
林 政道
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−195972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/04
B60G 1/00−99/00
B62D 21/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台を備え、後車軸がリーフスプリングでフレームに懸架された貨物自動車の改造方法であって、
複数の治具(61、62、63)を前記フレームと前記後車軸との間に架け渡して固定し、前記リーフスプリングを取り外し、前記後車軸に車軸ブラケット、前記フレームに前ブラケットを取り付け、前記車軸ブラケットと前記前ブラケットとをアッパリンク、ロワリンクで軸支して接続し、前記治具を取り外してエアスプリングを前記後車軸と前記フレームとの間に設置することを特徴とする貨物自動車の改造方法。
【請求項2】
前記フレームは、左サイドメンバ、右サイドメンバ、及びそれらを左右方向に繋ぎ、前記後車軸より前側に設けられた車軸側クロスメンバ(22)を有し、前記車軸側クロスメンバ(22)と前記後車軸(51)との間に架け渡して固定される前記治具(61、62、63)を備えたことを特徴とする請求項1に記載の貨物自動車の改造方法。
【請求項3】
前記左サイドメンバの近傍に設けられた一方の前記治具(61)と、前記右サイドメンバの近傍に設けられた他方の前記治具(62)とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の貨物自動車の改造方法。
【請求項4】
前記治具(61)の前記後車軸側と前記治具(62)の前記車軸側クロスメンバ(22)とに架け渡されて固定される前記治具(63)を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の貨物自動車の改造方法。
【請求項5】
前記左サイドメンバと前記右サイドメンバとの間に架け渡されて固定されるクロス治具(64)を備えたことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の貨物自動車の改造方法。
【請求項6】
前記リーフスプリングは、前記フレームに固定された既存ブラケットにより前端部が傾動自在に巻き掛けられたものであり、前記前ブラケットは、前記既存ブラケットの位置に設けられ、前記アッパリンク、前記ロワリンクの一端が軸支されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の貨物自動車の改造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンやトランスミッション、タイヤとそれらを支え、走行を行い、支える車台(フレーム)と、運転席など人間が乗るキャビンと、荷台を備えた貨物自動車において、積込み積卸し作業を改善するため、後輪側の車高を下げることで荷台を後方へ傾斜移動させることが可能となるように改造する貨物自動車の改造方法及び貨物自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷台を後方へ傾斜移動させる貨物自動車として、特許文献1は、車両等の積込み積卸し時の荷台を傾斜させるため、フレームの後部に支軸で傾動可能に支持されたガイドステーと、ガイドステー上に前後を移動可能に支持された荷台と、荷台をガイドステーと共に傾動させる傾動用シリンダ及びアームと、荷台をガイドステーに沿って前後移動させる移動シリンダを備えることが記載されている。
【0003】
また、スロープ方式の車いす搭載を可能にした介護車両において、大幅な改造を必要とせず、短時間での部品取替えと、価格の大幅低減を実現するため、車体受バネに代るエアーサスペンションを取付けて、車体を上下させることにより、荷室床面を低くすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−46523号公報
【特許文献2】特開2004−359206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術において、特許文献1に記載のものは、ガイドステー、傾動用シリンダ、アーム、移動シリンダ等を必須の構成とし、車体を特殊構造とする必要があり、一般の貨物自動車、特に、荷台部分がオープンになった比較的に低価格な軽貨物自動車(軽トラック)に適用するには、困難であった。
【0006】
また、特許文献2は、単に、車体受バネ(リーフサスペンション)をエアーサスペンションに代えて、エアーサスペンションのエアーを調整して車体後部を降下させるに過ぎない。したがって、特許文献2は、エアーサスペンションへ代えたときの車のボディーアライメント(自動車の車体構造の歪み具合)、ホイールアライメント(車体に対するホイールの整列具合、例えば、位置、角度、方向の誤差)については考慮されてなく、車を運転するときの「走る・曲がる・止まる」動作、走行上のトラブルとなる恐れがあった。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、比較的に低価格な軽貨物自動車等において、大幅改造を必要とせず、短時間でフレーム及び荷台を後方へ傾斜移動させることが可能なように改造すると共に、改造に伴ない走行上のトラブルが生じることの無い貨物自動車の改造方法及び改造された貨物自動車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、荷台を備え、後車軸がリーフスプリングでフレームに懸架された貨物自動車の改造方法であって、複数の治具(61、62、63)をフレーム(20)と後車軸(51)との間に架け渡して固定し、リーフスプリング(10)を取り外し、後車軸(51)に車軸ブラケット(71)、フレーム(20)に前ブラケット(70)を取り付け、車軸ブラケット(71)と前ブラケット(70)とをアッパリンク(73)、ロワリンク(72)で軸支して接続し、治具(61、62、63)を取り外してエアスプリング(80)を後車軸(51)とフレーム(20)との間に設置する。
【0009】
また、上記の貨物自動車の改造方法において、前記フレームは、左サイドメンバ(20−1)、右サイドメンバ(20−2)、及びそれらを左右方向に繋ぎ、前記後車軸の前側近傍に設けられた車軸側クロスメンバ(22)を有し、前記車軸側クロスメンバ(22)と前記後車軸(51)との間に架け渡して固定される前記治具(61、62、63)を備えたことが望ましい。
【0010】
さらに、上記の貨物自動車の改造方法において、前記左サイドメンバの近傍に設けられた一方の治具(61)と、前記右サイドメンバの近傍に設けられた他方の治具(62)とを備えたことが望ましい。
【0011】
さらに、上記の貨物自動車の改造方法において、前記治具(61)の後車軸側と前記治具(62)の前記車軸側クロスメンバ(22)とに架け渡されて固定される前記治具(63)を備えたことが望ましい。
【0012】
さらに、上記の貨物自動車の改造方法において、前記左サイドメンバと前記右サイドメンバとの間に架け渡されて固定されるクロス治具(64)を備えたことが望ましい。
【0013】
さらに、上記の貨物自動車の改造方法において、前記リーフスプリングは、前記フレームに固定された既存ブラケットにより前端部が傾動自在に巻き掛けられたものであり、前記前ブラケットは、前記既存ブラケットの位置に設けられ、前記アッパリンク、前記ロワリンクの一端が軸支されていることが望ましい。
【0014】
本発明は、フレーム上に乗る荷台を後方へ傾斜移動させることが可能な貨物自動車において、前記フレームに取り付けられた前ブラケットと、後車軸に取り付けられた車軸ブラケットと、前記車軸ブラケットと前記前ブラケットとを軸支して接続するアッパリンク及びロワリンクと、前記後車軸と前記フレームとの間に設置されたエアスプリングと、前記エアスプリングへの空気量を調整するコントローラと、を備えたものである。
【0015】
上記の貨物自動車において、前記コントローラは、前記貨物自動車に設けられているサイドブレーキを戻してブレーキを開放すると、前記エアスプリングへの空気量を増加して前記フレーム及び前記荷台を水平位置に戻すことが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の治具をフレームと後車軸との間に架け渡して固定した後に、リーフスプリングを取り外し、後車軸に車軸ブラケット、フレームに前ブラケットを取り付け、車軸ブラケットと前ブラケットとをアッパリンク、ロワリンクで軸支して接続し、エアスプリングを設置するので、短時間でフレーム及び荷台を後方へ傾斜移動させることが可能なように改造できると共に、改造に伴なう走行上のトラブル等が生じることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】本発明による一実施形態の改造手順を示すフローチャート
【
図4】一実施形態の治具がフレーム20及び後車軸へ固定された状態を示す平面図
【
図6】一実施形態のアッパリンク、ロワリンクが接続された状態を示す側面図
【
図7】一実施形態のアッパリンク、ロワリンクが接続された状態を示す平面図
【
図9】一実施形態による荷台及びフレームを後方へ傾斜させた状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、貨物自動車の代表的な構成を示す側面図であり、
図2は、その平面図である。フレーム20は、トランスミッション54やタイヤ50、52とそれらを支え、走行を行うための装置類全体である。キャビン30は、運転席など人間が乗る部分である。荷台40は、フレーム20の上に乗り、キャビン30以外の荷役用の部分である。
【0019】
一般的に、小型の貨物自動車の場合は、前後に2本の車軸として、後車軸51、前車軸53を配置し、後車軸51を駆動輪とし、前部にトランスミッション54を配置し、プロペラシャフト55を介して後車軸51を回転させるFR方式が用いられる。そして、後車軸51は、リーフスプリング10(リーフスプリング10は、左右で同じ構造なので
図2では説明を省略する)を介してフレーム20に懸架するようにしたリーフサスペンション装置が用いられている。トランスミッション54の駆動力は、プロペラシャフト55、リヤデフ56を介して後車軸51へ伝達される。
【0020】
リーフサスペンション装置は、通常、リーフスプリング10が積層されて構成され、後車軸51は、Uボルト57等でリーフスプリング10の前後方向における中間部下面に取り付けられている。リーフスプリング10は、フレーム20に固定された既存ブラケット11、リヤブラケット12により、前端部及び後端部が傾動自在に巻き掛けられている。
【0021】
フレーム20は、貨物自動車の前後方向を長手方向とした2本の左サイドメンバ20−1、右サイドメンバ20−2とそれらを左右に繋ぐ前クロスメンバ21、車軸側クロスメンバ22、後クロスメンバ23や補強材で構成され、剛性が確保されたはしご型フレームとされている。特に、車軸側クロスメンバ22は、後車軸51の前側近傍に設けられたている。
【0022】
フレーム20は、駆動力を伝え自重を支えたり路面の凹凸による衝撃を受け止めることのできる高い強度が必要とされ、歪んだりねじれやすいと、ホイールアライメントを正常に保つことができず、操縦安定性にも大きな影響を与える。したがって、貨物自動車の改造は、ボディーアライメント(自動車の車体構造の歪み具合)、ホイールアライメント(車体に対するホイールの整列具合、例えば、位置、角度、方向の誤差)を損なってはならない。
【0023】
図3は、荷台40を後方へ傾斜移動させるためフレーム20を傾斜させる改造手順を示すフローチャートであり、
図4は、治具61、62、63及びクロス治具64がフレーム20及び後車軸51へ固定された状態を示す平面図、
図5は、
図4の要部を示す斜視図である。
【0024】
(1)鋼板等で作成された棒状又はプレート状の複数の治具61、62、63は、フレーム20と後車軸51との間に架け渡される。治具61、62、63のそれぞれの端部は、フレーム20へボルト止めできるブラケットで固定する。ブラケットで固定後にブラケットをフレームにろう付けまたはアーク溶接等で固定しても良い。ろう付けは、フレーム20及び後車軸51をほとんど溶融することなく、接合が可能とされる。
【0025】
治具61、62は、フレーム20より下側に位置する後車軸51とフレーム20を構成する左サイドメンバ20−1、右サイドメンバ20−2を左右方向に繋ぎ、後車軸51より前側に設けられた車軸側クロスメンバ22との間に架け渡されて固定される。一方の治具61は、左側(左サイドメンバ20−1近傍)、他方の治具62は、右側(右サイドメンバ20−2近傍)に設けられる。
【0026】
治具63は、治具61の後車軸51側と治具62の車軸側クロスメンバ22側とに架け渡されて固定される。クロス治具64は、左サイドメンバ20−1、右サイドメンバ20−2との間に架け渡されて治具61、62、63と同様に端部が固定される。
【0027】
(2)次に、左右のリーフスプリング10(リーフスプリング10は、左右で同じ構造なので
図4では説明を省略する)を取り外す。このとき、フレーム20及び後車軸51は、既に治具61、62、63によって固定されているので、ボディーアライメント及びホイールアライメントが維持される。
【0028】
(3)後車軸51に車軸ブラケット71、後車軸51より前側のフレーム20に前ブラケット70を取り付ける。前ブラケット70は、既存ブラケット11の位置に設けられる。なお、前ブラケット70は、リーフスプリング10の前端部を取り付けている既存ブラケット11を利用してその中にボルト等で固定して組み込むことが望ましい。
【0029】
(4)車軸ブラケット71と前ブラケット70とをアッパリンク73、ロワリンク72をそれぞれ回動可能として軸支して接続する。
図6は、アッパリンク73、ロワリンク72が接続された状態を示す側面図、
図7は平面図である。ロワリンク72は、一方を軸72−2で車軸ブラケット71へ軸支され、他方を軸72−1で前ブラケット70へ軸支される。なお、前ブラケット70は、既存ブラケット11の位置に設けられ、アッパリンク73、ロワリンク72の一端が軸支されている。
【0030】
同様に、アッパリンク73は、一方を軸73−2で車軸ブラケット71へ軸支され、他方を軸73−1で前ブラケット70へ軸支される。車軸ブラケット71は、プレート71−1をボルト74、75で後車軸51へ固定される。なお、アッパリンク73、ロワリンク72は、
図2、4、7等で左右を
図6に示すと同様に平行に接続することがホイールアライメントを確保する上では望ましい。
【0031】
(5)治具61、62、63、クロス治具64を取り外す。治具61、62、63、クロス治具64は、フレーム20及び後車軸51へろう付けされただけなので、再加熱により取り外しが可能であり、比較的作業が簡単である。
【0032】
治具61、62、63、クロス治具64を取り外した後は、後車軸51は、アッパリンク73、ロワリンク72を用いて位置決めが行われる。そして、アッパリンク73、ロワリンク72は、前後左右に働く力のみを受け持ち、鉛直方向の荷重はエアスプリング80で支えられる。車軸は上下方向の動きを許されている。
【0033】
(6)エアスプリング80を後車軸51とフレーム20との間に設置する。
図6、7は、既にエアスプリング80が取り付けられている状態を示している。
図8は、エアスプリング80の例を示す断面図であり、この例は、圧縮空気の弾力性を利用したベローズ型のばね装置である。上エンドプレート80−1、下エンドプレート80−4は、金属製であり、その間は、ナイロン地で強化された柔軟なゴム膜とされた蛇腹型のベローズ80−2で接合され、空気室を構成している。
【0034】
蛇腹型のベローズ80−2は、内部に合成繊維コードと、ビードワイヤ(図示せず)を有している。ベローズ80−2は、外側の折れ曲り部にリング80−3が設けられている。上エンドプレート80−1は、フレーム20へ、下エンドプレート80−4は、後車軸51へ固定される。
【0035】
(7)エアスプリング80への空気調整を行うために必要なパーツは、エアタンク、コンプレッサ、ソレノイドバルブ、コントローラ等を配管するチューブ(いずれも図示せず)である。エアタンクは、エアスプリング80に送る空気を溜めておくタンクである。コンプレッサは、エアスプリング80とエアタンクに空気を圧送し、空気を安定供給する。
【0036】
コントローラは、空気室内の空気量、空気圧を調整し、車高調整、耐荷重力の調整を行う。荷役時は、車高調整によってフレーム20及び荷台40を後方へ傾斜移動させることが可能となる。なお、エアスプリング80は、ベローズ型に限らず、ダイヤフラム型、スリーブ型であっても良い。
【0037】
図9は、積込み積卸し作業を改善する等のため、荷台40及びフレーム20を後方へ傾斜させた状態を示す側面図である。エアスプリング80は、空気量を調整されて、高さが小さくなっている。荷台40及び荷室床面は、エアスプリング80の空気量を調整することにより、必要に応じて低くすることが可能となる。
【0038】
また、このとき、後車軸51は、エアスプリング80には位置を規制されないが、アッパリンク73、ロワリンク72よって位置決めされる。ホイールアライメントは、アッパリンク73、ロワリンク72によって確保される。
【0039】
また、後車軸51は、アッパリンク73、ロワリンク72によって、上下方向の動きを許され、エアスプリング80によって、ある程度自由に動く。そして、アッパリンク73、ロワリンク72、エアスプリング80は、後車軸51の前後方向の回転を防ぐため、走行性を確保できる。特に、本実施形態は、荷台40及びフレーム20を後方へ傾斜させた状態であっても走行を可能にすることができる。
【0040】
もちろん、荷台40及びフレーム20の傾斜を戻した場合は、アッパリンク73、ロワリンク72、エアスプリング80によって、道路の凹凸をやわらげる緩衝装置の役割、安定走行のためタイヤ50、52をできるだけ地面に接地させ追従性を保つ役割、そして貨物自動車全体を支える役割を果たすことができる。
【0041】
車軸ブラケット71、前ブラケット70、アッパリンク73、ロワリンク72は、1台ずつカスタムで作成することなく、例えば、車種ごとに専用に作って置き、キットとすれば、改造が簡単となり、低価格化に寄与する。また、コントローラは、通常設けられているサイドブレーキと連動させ、サイドブレーキを戻してブレーキを開放すると、エアスプリング80への空気量を増加してエアスプリング80の高さを大きくして荷台40及びフレーム20を原点である水平位置に戻すことが良い。
【0042】
さらに、コントローラは、リモコンを設けることが望ましく、この場合は、貨物自動車の外部から荷台40及びフレーム20の傾斜をコントロール可能となり、積込み積卸し作業がより容易、かつ安全に行うことができる。
【符号の説明】
【0043】
10…リーフスプリング
11…既存ブラケット
12…リヤブラケット
20…フレーム
20−1…左サイドメンバ
20−2…右サイドメンバ
21…前クロスメンバ
22…車軸側クロスメンバ
23…後クロスメンバ
30…キャビン
40…荷台
50、52…タイヤ
51…後車軸
53…前車軸
54…トランスミッション
55…プロペラシャフト
56…リヤデフ
57…Uボルト
61、62、63…治具
64…クロス治具
70…前ブラケット
71…車軸ブラケット
71−1…プレート
72…ロワリンク
72−1、72−2…軸
73…アッパリンク
73−1、73−2…軸
74、75…ボルト
80…エアスプリング
80−1…上エンドプレート
80−2…ベローズ
80−3…リング
80−4…下エンドプレート
【要約】
【課題】短時間でフレーム及び荷台を後方へ傾斜移動させることが可能なように貨物自動車を改造すると共に、改造に伴ない走行上のトラブルが生じることを防止する。
【解決手段】荷台40を備え、後車軸がリーフスプリング10でフレーム20に懸架された貨物自動車の改造方法であって、複数の治具(61、62、63)をフレーム20と後車軸51との間に架け渡して固定し、リーフスプリング10を取り外し、後車軸51に車軸ブラケット71、フレーム20に前ブラケット70を取り付け、車軸ブラケット71と前ブラケット70とをアッパリンク73、ロワリンク72で軸支して接続し、治具(61、62、63)を取り外してエアスプリング80を設置する。
【選択図】
図7