(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
他の機器と所定のコネクタを介しての直接接続のみ可能で、データの入出力先が固定され、データの出力先及び入力先を設定する設定機能を有していない1つ以上の制御装置と、通信可能に接続されたリモート管理装置であって、
制御部と、
携帯端末とネットワークを介して通信するための通信部と、を備え、
前記制御部は、
前記制御装置から前記リモート管理装置に対して、前記制御装置の有するデータを出力する場合、前記リモート管理装置が前記制御装置から前記データを入力するために、少なくとも前記制御装置を入力先にするとともに、前記リモート管理装置を入力待ちにする設定と、前記リモート管理装置から前記制御装置に対して、前記リモート管理装置の保存するデータを出力する場合、前記制御装置を出力先にするとともに、前記リモート管理装置における前記データを前記制御装置に対して出力するための出力開始指示をする設定と、を制御する入出力制御部と、
前記携帯端末に対して、前記制御装置から前記リモート管理装置に対して前記データを出力する場合の、前記データを前記制御装置から入力するための前記設定をユーザに行わせるための設定画面、及び前記リモート管理装置から前記制御装置に対して前記データを出力する場合の、前記データを前記制御装置に対して出力するための前記設定をユーザに行わせるための設定画面を提供する設定画面提供部と、
を備えるリモート管理装置。
他の機器と所定のコネクタを介しての直接接続のみ可能で、データの入出力先が固定され、データの出力先及び入力先を設定する設定機能を有していない1つ以上の制御装置と通信可能に接続されたリモート管理装置により実行されるリモート管理方法であって、
携帯端末とネットワークを介して通信する通信ステップと、
前記制御装置におけるデータの出力及び入力に関する設定を制御する
前記制御装置から前記リモート管理装置に対して、前記制御装置の有するデータを出力する場合、前記リモート管理装置が前記制御装置から前記データを入力するために、少なくとも前記制御装置を入力先にするとともに、前記リモート管理装置を入力待ちにする設定と、前記リモート管理装置から前記制御装置に対して、前記リモート管理装置の保存するデータを出力する場合、前記制御装置を出力先にするとともに、前記リモート管理装置における前記データを前記制御装置に対して出力するための出力開始指示をする設定と、を制御する入出力制御ステップと、
前記携帯端末に対して、前記制御装置から前記リモート管理装置に対して前記データを出力する場合に、前記データを前記制御装置から入力するための前記設定をユーザに行わせるための設定画面、及び前記リモート管理装置から前記制御装置に対して前記データを出力する場合に、前記データを前記制御装置に対して出力するための前記設定をユーザに行わせるための設定画面を前記通信ステップにより提供する設定画面提供ステップと、
を備えるリモート管理方法。
【背景技術】
【0002】
工作機械を制御する数値制御装置やPLC(Programmable Logic Controller)装置(以下、これらを「制御装置」ともいう)において、古い制御装置は例えばRS232C等を介してのみ、データを読み込み当該データを外部記憶装置に保管(バックアップ)したり、又はアップデートされたデータを外部記憶装置から制御装置に対して書き込む構成となっており、データの出力先や入力先を設定する設定機能を有していない。前述したデータの例として、数値制御装置の場合には各種加工プログラムや加工パラメータ等のデータが挙げられ、PLC装置の場合には各種ラダープログラムやI/O割り付け情報等のデータが挙げられる。
図9、
図10にはこのような数値制御装置に対して1台の外部記憶装置(フロッピーディスク装置)をRS232Cコネクタを介して直接接続した構成を示す。
図9は、数値制御装置に格納されたプログラムを外部記憶装置(フロッピーディスク装置)にアップロードするための動作を示す図である。
図9に示すように、数値制御装置に格納されたプログラムを外部記憶装置に書き込むためには、オペレータは、外部記憶装置(フロッピーディスク装置)を入力待ち状態にさせたうえで、数値制御装置に格納されたプログラムのプログラム番号一覧を数値制御装置の表示画面に表示させ、外部記憶装置(フロッピーディスク装置)に書き込むプログラムのプログラム番号を指定し、出力する。
図10は、外部記憶装置(フロッピーディスク装置)に格納されたプログラムを数値制御装置にダウンロードするための動作を示す図である。
図10に示すように、外部記憶装置(フロッピーディスク装置)に格納されたプログラムを数値制御装置に書き込むためには、オペレータは数値制御装置の表示画面において入力開始指示を行い、数値制御装置を入力待ち状態にさせたうえで、外部記憶装置(フロッピーディスク装置)に格納されたプログラムのプログラム番号一覧を外部記憶装置(フロッピーディスク装置)の表示画面に表示させ、プログラム番号を指定して、出力する。
このように、数値制御装置に格納されたプログラムを例えばRS232C等を介してのみ外部記憶装置に書き込む場合又は外部記憶装置(フロッピーディスク装置)に格納されたプログラムを数値制御装置に書き込む場合、オペレータは、数値制御装置の表示画面を介しての指示及び外部記憶装置(フロッピーディスク装置)の表示画面を介しての指示を行う必要があった。このため、外部記憶装置(フロッピーディスク装置)は必ず数値制御装置の近くに設置される必要があった。また、数値制御装置ごとに、データの入力先や出力先が決まり、データの管理が煩雑となった。
【0003】
この点、例えば特許文献1には、RS232Cコネクタのみ有する工作機械200に対して、データ発信装置100をRS232Cコネクタを介して接続するとともに、データ発信装置100に装填された無線LANカード170から無線LAN用ルータ400を介してサーバ500に通信可能に接続する構成、又はデータ発信装置100を有線LANによりルータ400を介してサーバ500に通信可能に接続する構成が開示されている。
そして、工場内に設置された複数の工作機械200のそれぞれにデータ発信装置100を接続することで、これらの工作機械200の有する加工プログラムや加工パラメータ等のデータをサーバ500において、一元的に管理することを可能とする発明が開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
本実施形態では、制御装置10として数値制御装置を例示して説明するが、特に断らない限り、PLC装置にも適用できる。
図1は、本発明に係るリモート管理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、リモート管理システム1は、工作機械を制御する制御装置10と、変換器20と、リモート管理装置としてのリモート管理サーバ30と、携帯端末40と、通信ネットワーク50とを含んで構成される。なお、リモート管理システム1は、複数の制御装置10と複数の変換器20とを含むようにしてもよい。
【0014】
<制御装置10>
本実施形態に係る制御装置10は、特に断らない限り、LAN接続機能等を有していない、所定のコネクタ(例えばRS232C用コネクタ16)を介しての直接接続のみ可能でデータの入出力先が直接接続された機器に固定され、出力先や入力先を設定する設定機能を有していない制御装置である。
図2に示すように、制御装置10は、制御部11と、記憶部12と、表示器14と、入力器15と、コネクタ16と、を備える。
記憶部12には、数値制御装置の場合、工作機械でワークを加工するための、加工プログラム及び加工パラメータ等のデータを保存することができる。また、PLC装置の場合、記憶部12には、入力機器からの信号により出力機器を制御するための例えばラダープログラム、PLC装置に装着されている入出力ユニットの実入出力をI/Oメモリに割り付けるI/O割り付け情報を保存することができる。また、制御装置10は、所定のコネクタ(例えばRS232C用コネクタ16)を介して直接接続された外部機器(例えば外部記憶装置)にデータを出力することができる。逆に、制御装置10は、所定のコネクタ(例えばRS232C用コネクタ16)を介して直接接続された外部機器(例えば外部記憶装置)からデータを入力することができる。
このため、制御部11は、入出力指示部111と、入出力制御部112とを備える。
入出力指示部111は、
図9に示すように、記憶部12に格納されたプログラム等のデータを直接接続された外部機器(例えば外部記憶装置)に出力するために、記憶部12に格納されたプログラム等のデータの番号一覧を表示器14に表示させ、直接接続された外部機器に出力するプログラム等のデータの番号をオペレータに指定させる。
また、入出力指示部111は、
図9に示すように、直接接続された外部機器からプログラム等のデータを入力させるために、制御装置10を入力待ち状態にさせるための入力開始指示を表示器14に表示させ、オペレータに入力待ち状態にさせる。
なお、PLC装置については、表示器14を備えていない場合がある。この場合、データのリモート管理サーバ30へのアップロードやデータのリモート管理サーバ30からのダウンロードに係る操作は、リモート管理サーバ側でなされることが一般的である。PLC装置は、電源がオンにされた直後から、データのアップロード及びダウンロードの指示待ち状態で待機する。
入出力制御部112は、オペレータにより指定されたプログラムを直接接続された外部機器に出力する。また、入出力制御部112は、直接接続された外部機器からプログラム等のデータを入力する。
なお、制御装置10は、これらの機能部以外に、数値制御装置又はPLC装置特有の機能部を含むが、当業者にとって公知であることから、説明は省略する。
【0015】
<変換器20>
図1に示すように変換器20は、制御装置10と所定のコネクタ(例えばRS232C用コネクタ)を介して直接接続するとともに、リモート管理サーバ30と例えばEthernet(登録商標)用端子を介して通信接続される。なお、リモート管理サーバ30がRS232Cインタフェースを備える(すなわち、変換器20相当の機能を有する)場合、制御装置10をリモ―ト管理サーバの備えるRS232Cインタフェースと直接接続してもよい。
このため、変換器20は、外部機器と所定のコネクタ(例えばRS232C用コネクタ26)を介しての直接接続のみ可能な制御装置10と接続するための、所定のコネクタ(例えばRS232C用コネクタ)等を備えている。また、変換器20は、リモート管理サーバ30と接続するための、例えばEthernet(登録商標)用端子等を備える。なお、変換器20の備える端子は、RS232C用コネクタやEthernet用端子に限られない。RS232C用コネクタに換えて、制御装置10と接続するための任意のコネクタを備えてもよい。また、リモート管理サーバ30と接続するための任意の端子を備えてもよい。
変換器20は、制御装置10から、所定のコネクタ(例えばRS232C用コネクタ)を介して受信したデータ(例えば、プログラム、パラメータ等)を予め設定された通信プロトコルに基づいてプロトコル変換して、例えばEthernet用端子を介してリモート管理サーバ30に対して送信することができる。逆に、変換器20は、リモート管理サーバ30から、例えばEthernet用端子を介して受信したデータ(例えば、プログラム、パラメータ等)を予め設定された通信プロトコルに基づいてプロトコル変換して、所定のコネクタ(例えばRS232C用コネクタ)を介して制御装置10に対して送信する。
より具体的には、リモート管理サーバ30から制御装置10にデータを送信する場合、制御装置10側において、当該制御装置10を当該データを受信できるように当該データの入力待ち状態にするとともに、他方、リモート管理サーバ30側において、リモート管理サーバ30から当該制御装置10と直接接続された変換器20に対して当該データを送信することで、リモート管理サーバ30から制御装置10にデータを変換器20を介して送信することができる。
同様に、制御装置10からリモート管理サーバ30にデータを送信する場合、リモート管理サーバ30側において、リモート管理サーバ30を当該データを受信できるように当該データの入力待ち状態にするとともに、他方、制御装置10側において、当該制御装置10と直接接続された変換器20に対して当該データを出力することで、制御装置10からリモート管理サーバ30にデータを変換器20を介して送信することができる。
なお、変換器20とリモート管理サーバ30とを接続する通信形態としては、無線LANや無線通信網等のネットワークに限らず、有線通信網等と接続してもよい。また、複数のネットワークを介してリモート管理サーバ30と接続されるようにしてもよい。
【0016】
<リモート管理サーバ30>
図1に示すように、リモート管理サーバ30は、例えばRS232C用コネクタを介しての直接接続のみ可能でデータの入出力先が固定される1台以上の制御装置10と直接又は変換器20を介して各データの送受信が可能である。
また、リモート管理サーバ30は、例えば無線LANや無線通信網等のネットワークを介して、少なくとも1台の携帯端末40と接続可能である。
【0017】
図3は、リモート管理サーバ30の機能構成を示すブロック図である。
リモート管理サーバ30は、例えばパーソナルコンピュータ又はサーバ装置等の情報処理装置(コンピュータ)であり、制御部31、記憶部32、通信部33の他、各種の入出力デバイスを備える。ここで、制御部31は例えばマイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、リモート管理サーバ30を構成する各部の制御を行う。なお、パーソナルコンピュータ又はサーバ装置等の情報処理装置(コンピュータ)に限られない。例えば、クラウド上に設定される仮想サーバであってもよい。この場合、例えば携帯端末40が表示部としての役割を果たす。制御部31の詳細については、後述する。
【0018】
記憶部32は、例えば、磁気ディスクや半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラムや、リモート管理制御処理を行うためのプログラムといった各プログラム、さらにその他、各制御装置10で利用されるデータ(例えば、プログラム、パラメータ等)等の種々の情報が記憶される。
図中には、記憶部32が記憶する情報として、各制御装置10で利用されるプログラム等を制御装置10ごとに、ディレクトリ管理されたプログラム記憶部321、及び各制御装置10で利用されるパラメータ等を制御装置10ごとに、ディレクトリ管理されたパラメータ記憶部322を図示する。
より具体的には、プログラム記憶部321には、ディレクトリ構造として、例えば制御装置10ごとに、当該制御装置10で利用されるプログラムを記憶するようにしてもよい。その際、当該プログラム番号に対応するプログラムがバージョン管理されている場合には、例えば、バージョン番号、当該プログラムの作成日、更新日、また、これらのプログラム間で呼び出し利用する関係等を記憶してもよい。なお、ディレクトリ構造としては、これに限られない。任意のディレクトリ構造としてよい。
【0019】
通信部33は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)等を有し、3G(3rd Generation)やWi−Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網50を介して、携帯端末40との間の無線通信を実現する。また、通信部33は、有線通信網を含む通信網50を介して変換器20との間の通信を実現する。これにより、通信部33は、各変換器20を介して、変換器20と接続された制御装置10と通信することができる。
【0020】
リモート管理サーバ30は、この外に表示部34及び入力部35を備えてもよい。ここで表示部34は、液晶ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示デバイスにより構成される。表示部34は、制御部31からの指示を受けて画像を表示する。
入力部35は、キーボードや表示部34の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置(図示を省略する。)等で構成される。入力部35からの操作入力、例えばオペレータによるキーの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御部31に出力することで、オペレータによる入力操作や、選択操作等の操作を実現することができる。
【0021】
次に、制御部31の詳細について説明をする。制御部31は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びI/O(Input / Output)等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部32から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部32から情報を読み出し、RAM及び記憶部32に対して情報の書き込みを行い、通信部33、表示部34、及び入力部35と信号の授受を行う。そして、このようにして、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
このように、制御部31は各プログラムを実行することによって、リモート管理サーバ30に所定の手段(以下、「リモート管理制御部」と総称する)として機能させる。
また、制御部31は各プログラムを実行することによって、リモート管理サーバ30に、所定のステップ(以下、「リモート管理制御ステップ」と総称する)を実行させる。
以下、制御部31の有する機能をリモート管理制御部の観点から説明する。なお、リモート管理制御ステップ(方法)の観点に基づく説明は、「部」を「ステップ」に置き換えることで説明できるため、省略する。
【0022】
制御部31は、機能ブロックとして、入出力制御部311、設定画面提供部312、表示制御部313と、を含む。
【0023】
入出力制御部311は、制御装置10におけるデータの入出力先等を含む出力及び入力に関する設定及び設定に基づき当該データの入出力を制御する。より具体的には、入出力制御部311は、後述する設定指示等に基づいて、各制御装置10に格納されているプログラムやパラメータ等のデータを直接又は直接接続された変換器20を介して受信(入力)して、リモート管理サーバ30のプログラム記憶部321やパラメータ記憶部322の指定されたディレクトリに書き込み保存(アップロード)する。動作の詳細については、後述する。
逆に、入出力制御部311は、設定指示等に基づいて、リモート管理サーバ30のプログラム記憶部321やパラメータ記憶部322に格納された制御装置10のプログラムやパラメータ等のデータを直接又は直接接続された変換器20を介して、当該制御装置10に出力(ダウンロード)する。動作の詳細については、後述する。
これにより、例えば、数値制御装置の場合、制御装置10における実際の加工処理において、オペレータが修正等の調整を行った、実際の加工処理に使用された加工プログラムや加工パラメータをリモート管理サーバ30にアップロードして一元管理することが可能となる。逆に、リモート管理サーバ30の記憶部32に制御装置10ごとに保存されている、所定の加工プログラムや所定の加工パラメータを制御装置10にダウンロードすることで、実際の加工処理に際して、最適な加工プログラムや加工パラメータを再利用することが可能となる。
なお、前述したように、リモート管理サーバ30の記憶部32では、各制御装置10からアップロードされる各種データを、例えば、バージョン番号等とともに保存してもよい。また、データの作成更新日や、当該データの作成更新者(オペレータ)の識別情報、プログラム間の呼び出し利用関係等とともに保存してもよい。
【0024】
設定画面提供部312は、入出力制御部311に対するオペレータによる設定指示を支援するための設定画面を携帯端末40又はリモート管理サーバ自身(後述する表示制御部313)に対して提供する。また、設定画面提供部312は、携帯端末40又はリモート管理サーバ自身において、当該設定画面を介してオペレータにより入力された設定指示情報を入出力制御部311に入力する。なお、後述するように携帯端末40は、設定画面提供部312により提供される設定画面を表示して、オペレータに設定のための指示入力をさせる。
より具体的には、設定画面提供部312は、各制御装置10に格納され使用されているプログラムやパラメータ等のデータを、リモート管理サーバ30のプログラム記憶部321やパラメータ記憶部322の任意のディレクトリに書き込み保存(アップロード)するための、ディレクトリを設定させるためのディレクトリ設定画面、書き込み保存(アップロード)を実行開始させるための設定画面等を、通信部33を介して、携帯端末40又はリモード管理サーバ30自身(後述の表示制御部313)に提供する。
同様に、設定画面提供部312は、リモート管理サーバ30のプログラム記憶部321やパラメータ記憶部322に格納された各制御装置10のプログラムやパラメータ等のデータを当該制御装置10に書き込む(ダウンロードする)ために、データのダウンロード先となる制御装置10を選択させるための制御装置一覧を表示する設定画面、ダウンロードするデータを選択させるためのダウンロード設定画面、及びダウンロードを実行開始させるための指示画面等を、通信部33を介して携帯端末40又はリモード管理サーバ30自身(後述の表示制御部313)に提供する。
そうすることで、携帯端末40は、設定画面提供部312により提供される設定画面を表示して、オペレータに設定のための指示入力をさせることができる。同様に、リモード管理サーバ30(後述の表示制御部313)は、設定画面提供部312により提供される設定画面を表示して、オペレータに設定のための指示入力をさせることができる。これらの動作の詳細については、後述する。
設定画面提供部312は、携帯端末40から受信した指示情報を入出力制御部311に対して出力する。そうすることで、設定画面提供部312は、オペレータによる、制御装置10におけるデータの入出力先等を含む出力及び入力に関する設定指示を支援する。
また、設定画面提供部312は、リモート管理サーバ30の表示部34に設定画面を表示させてオペレータによる設定指示を支援するようにしてもよい。なお、設定画面提供部312は、例えばWebアプリケーション又はWebサービス等により実現することができる。
【0025】
表示制御部313は、リモート管理サーバ30の表示部34に、表示データ、例えば設定画面を表示させる。また、表示制御部313は、入力部35を介して入力された指示データを設定画面提供部312等に受け渡す。なお、表示制御部313の機能は、例えばリモート管理サーバ30のWebサービス及びWebブラウザ等により実現することができる。
【0026】
<携帯端末40>
図4は、携帯端末40の機能構成を示すブロック図である。
携帯端末40は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノート型PC、ラップトップPC、その他の携帯可能な電子機器により実現することができる。
図4に示すように、携帯端末40は、制御部41、記憶部42、通信部43、表示部44、及び入力部45を備える。
【0027】
制御部41は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、携帯端末40を構成する各部の制御を行う。制御部41の詳細については、後述する。
記憶部42は、例えば、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラムや、オペレータによる設定指示を支援するための設定画面表示プログラムといった各プログラム、さらにその他、種々の情報が記憶される。
通信部43は、DSP等を有し、3G、LTE(Long Term Evolution)やWi−Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網50を介して他の装置(例えば、リモート管理サーバ30)との間の通信を実現する。
表示部44は、液晶ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示デバイスにより構成される。表示部44は、制御部41からの指示を受けて画像を表示する。表示部44が表示する主な情報としては、リモート管理サーバ30(設定画面提供部312)から提供される各種設定画面が挙げられる。
入力部45は、テンキーと呼ばれる物理スイッチや表示部44の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置(図示を省略する。)等で構成される。入力部45からの操作入力、例えばオペレータによるテンキーの押下、オペレータによるタッチパネルのタッチに基づいた信号を制御部41に出力することで、オペレータによる設定指示を通信部43を介してリモート管理サーバ30に送信することができる。
【0028】
次に制御部41について説明する。制御部41は機能ブロックとして、
図4に示すように、設定画面取得部411、設定画面表示制御部412、及び指示情報送信部413を備える。
設定画面取得部411は、リモート管理サーバ30(設定画面提供部312)から提供(送信)される各種設定画面を取得する。
設定画面表示制御部412は、取得した各種設定画面を表示部44に表示する。
指示情報送信部413は、各種設定画面等を介して、オペレータにより入力された各種指示情報をリモート管理サーバ30(設定画面提供部312)に対して送信する。
なお、制御部11の備える機能は、例えばリモート管理サーバ30のWebサービス及び携帯端末40の備えるWebブラウザ等により実現することができる。
以上、本発明のリモート管理システム1の各機能部の実施形態を、制御装置10、変換器20、リモート管理サーバ30、及び携帯端末40の構成に基づいて説明した。
次に、本発明のリモート管理システム1の動作について、数値制御装置を例示して説明する。
【0029】
<本実施形態の処理動作>
図5及び
図6は、制御装置10のプログラムをリモート管理サーバ30にアップロードするための動作を示す図である。
図5は、携帯端末40を利用せずに、制御装置10のプログラムをリモート管理サーバ30にアップロードするための処理動作を示す。これに対して、
図6は、携帯端末40を利用して、制御装置10のプログラムをリモート管理サーバ30にアップロードするための処理動作を示す。
ここで、リモート管理サーバ30は、制御装置10の設置された工場の現場から離れた工場管理室又は事務所に設置され、携帯端末40は、オペレータが工場の現場の制御装置10の設置された場所に携行しているものとする。
【0030】
<アップロード作業>
図5を参照すると、前述したように、制御装置10に格納されたプログラムをリモート管理サーバ30にアップロードするため、オペレータはリモート管理サーバ30の設置場所に移動して、リモート管理サーバ30の表示画面にディレクトリ表示画面を表示させるとともに、制御装置10から出力されるプログラムを入力できるように、入力先となる制御装置10を指定するとともに、例えば、入力開始ボタンを押下して入力待ち状態とする。その後、オペレータは、当該制御装置10の設置場所に移動して、当該制御装置10に格納されたプログラム番号一覧を制御装置10の表示画面に表示させ、リモート管理サーバ30にアップロードするプログラムの番号を指定するとともに、例えば、出力開始ボタンを押下して、出力開始させる。
こうすることで、制御装置10で選択されたプログラムが変換器20を介してリモート管理サーバ30の指定したディレクトリ(例えば当該制御装置10に対応する記憶領域)に出力され、アップロードされる。そうすると、リモート管理サーバ30の当該ディレクトリを表示する表示画面上に、制御装置10からアップロードされたプログラム番号が表示される。このため、オペレータは、実際にアップロードされたことを確認するために、再度、リモート管理サーバ30の設置場所に移動して、制御装置10からアップロードされたプログラム番号を確認する。
このように、携帯端末40を利用しない場合、オペレータは、リモート管理サーバ30の設置場所と制御装置10の設置場所との間を移動する必要がある。
【0031】
これに対して、
図6を参照すると、オペレータは、携帯端末40を携行して制御装置10の設置場所で全ての処理を実行することができる。
オペレータは、携帯端末40にリモート管理サーバ30から提供されるディレクトリ表示画面を表示させるとともに、制御装置10から出力されるプログラムを入力できるように、入力先となる制御装置10を指定するとともに、例えば、入力開始ボタンを押下してリモート管理サーバ30を入力待ち状態とする。その後、オペレータは、当該制御装置10に格納されたプログラム番号一覧を制御装置10の表示画面に表示させ、リモート管理サーバ30にアップロードするプログラムの番号を指定するとともに、例えば、出力開始ボタンを押下して出力させる。
こうすることで、制御装置10で選択されたプログラムが変換器20を介してリモート管理サーバ30の指定したディレクトリ(例えば当該制御装置10に対応する記憶領域)に出力され、アップロードされる。そうすると、オペレータは、携帯端末40に、制御装置10からリモート管理サーバ30にアップロードされたプログラム番号が表示されたディレクトリ画面を表示させることで、制御装置10からアップロードされたプログラム番号を確認することができる。
以上のように、携帯端末40を利用することで、オペレータは、制御装置10の設置場所に留まったまま、リモート管理サーバ30へのアップロード作業及びアップロード結果の確認を行うことができる。このように、オペレータは、リモート管理サーバ30の設置場所に移動することなく、携帯端末40により、容易にデータのアップロード作業を行うことができる。
【0032】
次に、ダウンロード作業について説明する。
図7及び
図8は、リモート管理サーバ30で管理されるプログラムを制御装置10にダウンロードするための動作を示す。
図7は、携帯端末40を利用せずに、リモート管理サーバ30で管理されるプログラムを制御装置10にダウンロードするための動作を示す図である。これに対して、
図8は、携帯端末40を利用して、リモート管理サーバ30で管理されるプログラムを制御装置10にダウンロードするための動作を示す。
ここで、リモート管理サーバ30は、制御装置10の設置された工場の現場から離れた工場管理室又は事務所に設置されている。また、携帯端末40は、オペレータが工場の現場の制御装置10の設置された場所に携行しているものとする。
【0033】
<ダウンロード作業>
図7を参照すると、前述したように、リモート管理サーバ30に格納されたプログラムを制御装置10にダウンロードするため、オペレータは制御装置10の設置場所に移動して、リモート管理サーバ30から出力されるプログラムを入力できるように、例えば、制御装置10の表示画面の入力開始ボタンを押下して入力待ち状態とする。その後、オペレータは、リモート管理サーバ30の設置場所に移動して、ディレクトリ画面を表示させ、出力先となる工作機械200の指定するとともにリモート管理サーバ30に格納されたプログラム番号一覧から、制御装置10にダウンロードするプログラムの番号を選択し、例えば、出力開始ボタンを押下して出力開始させる。
こうすることで、リモート管理サーバ30で選択されたプログラムが変換器20を介して制御装置10の記憶部に出力され、ダウンロードされる。その後、オペレータは、実際にダウンロードされたことを確認するために、再度、制御装置10の設置場所に移動して、制御装置10にダウンロードされたプログラム番号を確認する。
このように、オペレータは、リモート管理サーバ30の設置場所と制御装置10の設置場所との間を移動する必要がある。
【0034】
これに対して、
図8を参照すると、オペレータは、携帯端末40を携行して制御装置10の設置場所で全ての処理を実行することができる。
オペレータは、リモート管理サーバ30から出力されるプログラムを制御装置10が入力するように、例えば、制御装置10の表示画面の入力開始ボタンを押下して入力待ち状態とする。その後、オペレータは、携帯端末40にリモート管理サーバ30から提供されるディレクトリ表示画面を表示させ、出力先となる工作機械200の指定するとともにリモート管理サーバ30に格納されたプログラム番号一覧から、当該制御装置10にダウンロードするプログラムの番号を選択し、例えば、出力開始ボタンを押下して、出力開始させる。
こうすることで、リモート管理サーバ30で選択されたプログラムが変換器20を介して制御装置10の記憶部に出力され、ダウンロードされる。その後、オペレータは、実際にダウンロードされたことを確認するために、制御装置10にダウンロードされたプログラム番号を確認する。
以上のように、携帯端末40を利用することで、オペレータは、制御装置10の設置場所に留まったまま、リモート管理サーバ30からのダウンロード作業及びダウンロード結果の確認を行うことができる。このように、オペレータは、リモート管理サーバ30の設置場所に移動することなく、携帯端末40により、容易にデータのダウンロード作業を行うことができる。
【0035】
なお、PLC装置の場合のリモート管理システム1の動作については以下の点を除き、数値制御装置の場合と同様である。
前述したように、PLC装置は、表示器14を備えていない場合がある。この場合、データのリモート管理サーバ30へのアップロード作業やデータのリモート管理サーバ30からのダウンロード作業に係る操作は、リモート管理サーバ側でなされる。PLC装置は、電源がオンにされた直後から、データのアップロード及びダウンロードの指示待ち状態で待機することとなる。なお、オペレータは、データのリモート管理サーバ30へのアップロードやデータのリモート管理サーバ30からのダウンロードに係る操作をリモート管理サーバ側で実行した場合においても、当該アップロード又はダウンロードが正常に行われたことを確認するため、PLC装置側に移動して、データの動作又は設定の確認を行うのが一般的である。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、リモート管理サーバ30は、制御装置10と直接又は変換器20を介して通信可能に接続され、携帯端末40とネットワークを介して通信可能に接続され、携帯端末40に対して、リモート管理サーバ30の備える、制御装置10におけるデータの入出力先等を含む出力及び入力に関する設定する機能を提供する。これにより、オペレータは、制御装置10の近くで、制御装置10に対して設定の確認又は表示画面から指示を行うともに、リモート管理サーバ30の設置位置に移動することなく、携帯端末40により制御装置10におけるデータの入出力先等を含む出力及び入力に関する設定をすることができる。すなわち、オペレータは制御装置10の設置場所に留まったまま、制御装置10に格納され使用されているプログラムやパラメータ等のデータを、携帯端末40により、リモート管理サーバ30のプログラム記憶部321やパラメータ記憶部322の所定のディレクトリにアップロードすることができる。逆に、オペレータは制御装置10の設置場所に留まったまま、リモート管理サーバ30のプログラム記憶部321やパラメータ記憶部322の所定のディレクトリに格納された制御装置10のプログラムやパラメータ等のデータを、携帯端末40により、当該制御装置10にダウンロードすることができる。すなわち、オペレータは、制御装置10がデータの出力先及び入力先を設定する設定機能を有している場合と同じように設定作業を行うことができる。
【0037】
また、リモート管理サーバ30は、携帯端末40に対して、制御装置10に出力させることのできるデータの識別番号の一覧を提供する。これにより、オペレータは、リモート管理サーバ30の設置位置に移動することなく、制御装置10の設置場所に留まったまま、携帯端末40により、容易にデータのダウンロード作業をすることができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0039】
<変形例1>
本実施形態では、制御装置10として、数値制御装置及びPLC装置を例示したが、これに限られない。他の機器と所定のコネクタを介しての直接接続のみ可能で、データの入出力先が固定され、データの出力先及び入力先を設定する設定機能を有していない、任意の制御装置に適用できる。なお、リモート管理サーバが制御装置と離れた位置に設置される場合には、オペレータは、携帯端末を利用することにより、制御装置の設置場所で設定作業を行うことができるので特に有効である。
さらに、データの入出力先が固定され、データの出力先及び入力先を設定する設定機能を備えない装置であって、当該設定機能が当該装置と離れた場所に設置される管理装置からのみ設定可能とされるシステムにも適用可能である。その場合、管理装置に本発明のリモート管理サーバに係る機能を搭載してもよい。また、本発明のリモート管理サーバに当該管理装置の機能を搭載するようにしてもよい。また、本発明のリモート管理サーバと当該管理装置とを通信で連携させる分散システムとしてもよい。
【0040】
<変形例2>
本実施形態では、データとして、主に加工プログラムやラダープログラム等を例示して説明したが、加工プログラムやラダープログラムに限られない。前述したように、制御装置10の記憶する任意のデータに適用することができる。
【0041】
<変形例3>
本実施形態では、全ての制御装置10を、他の機器と所定のコネクタ(例えば後述の「RS232C用コネクタ16」)を介しての直接接続のみ可能で、データの入出力先が固定され、データの出力先及び入力先を設定する設定機能を有していないものとしたが、これに限られない。LAN接続機能等を有する制御装置10Aや、データの出力先及び入力先を設定する設定機能を有する制御装置10Bを制御装置10に混在させてもよい。
この場合、制御装置10AはLAN接続されて、リモート管理サーバ30に通信可能に接続される。そうすることで、リモート管理サーバ30と携帯端末40のリモート制御機能を適用することができる。また、リモート管理サーバ30は、制御装置10Bの備えるデータの出力先及び入力先を設定する設定機能を利用して、リモート管理サーバ30からデータの出力先及び入力先を設定することができる。これにより、出力先や入力先を設定する設定機能を有していない制御装置10とデータの出力先及び入力先を設定する設定機能を備える制御装置10Aの何れも、携帯端末40から設定作業等を行うことができる。
【0042】
<変形例4>
リモート管理サーバ30の入出力制御部311、設定画面提供部312、表示制御部313等、各機能部は、ネットワーク上の複数の装置に分散されてもよい。
また、リモート管理サーバ30は、クラウド上のサーバであってもよい。
【0043】
リモート管理サーバ30によるリモート管理方法は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアによって実現される場合には、このソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ(リモート管理サーバ30)にインストールされる。また、これらのプログラムは、リムーバブルメディアに記録されてユーザに配布されてもよいし、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。