特許第6829258号(P6829258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6829258
(24)【登録日】2021年1月25日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】部品評価方法、電気的特性測定方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20210128BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   H05K13/02 Z
   H05K13/02 B
   H05K13/08 A
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-540243(P2018-540243)
(86)(22)【出願日】2016年9月20日
(86)【国際出願番号】JP2016077625
(87)【国際公開番号】WO2018055658
(87)【国際公開日】20180329
【審査請求日】2019年8月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000969
【氏名又は名称】特許業務法人中部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 光彦
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/186861(WO,A1)
【文献】 特開2011−159964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/30;13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品実装機において、長手方向に並んだ多数の部品を保持する部品テープによって供給される部品をピックアップして運んで回路基板に装着する実装作業が行われる場合において、前記部品テープに長手方向に並んで保持された多数の部品のうち中間に位置する部品を含む複数の部品の電気的特性を、前記部品実装機に設けられた電気的特性測定装置を利用してそれぞれ測定する測定工程と、
その測定工程において測定された前記複数の部品の電気的特性の測定値について前記部品テープ毎に統計的な処理を行う処理工程と、
前記処理工程における処理結果に基づいて、同じ種類の部品の電気的特性に関する前記部品テープ間または前記部品テープを供給する部品メーカ間の比較を行う工程と
を含むことを特徴とする部品評価方法。
【請求項2】
前記測定工程において、前記部品テープに保持された多数の部品のうちの、先頭に位置する部品から入力された個数の部品の電気的特性を、連続して、それぞれ測定する請求項1に記載の部品評価方法。
【請求項3】
長手方向に並んだ多数の部品を保持する部品テープによって供給される部品をピックアップして運んで回路基板に装着する実装作業が行われる部品実装機において、前記部品テープに長手方向に並んで保持された多数の部品のうち中間に位置する部品を含む複数の部品の電気的特性を、前記部品実装機に設けられた電気的特性測定装置を利用してそれぞれ測定する測定工程と、
その測定工程において測定された前記複数の部品の電気的特性の測定値について前記部品テープ毎に統計的な処理を行う処理工程と、
前記処理工程における処理結果に基づいて、同じ種類の部品の電気的特性に関する前記部品テープ間または前記部品テープを供給する部品メーカ間の比較を行う工程と
を含む部品評価方法の前記測定工程において実行される電気的特性測定方法であって、
前記部品実装機が、測定専用モードに設定可能とされ、
前記部品実装機において前記測定専用モードが設定された場合には、前記電気的特性測定装置を利用した前記部品テープに長手方向に並んで保持された多数の部品すべての電気的特性の測定を、前記電気的特性の適否の判定結果または前記電気的特性の適否の判定の有無に関係なく、前記測定の途中で実装作業を行うことなく連続して行うことを特徴とする電気的特性測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品テープに保持された部品の電気的特性に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の部品評価方法は、部品テープに保持された部品の寸法精度に対する評価を行う方法であり、この部品評価方法においては、部品テープにより供給された部品が吸着ノズルによってピックアップされて運ばれて回路基板に装着される際に、吸着ノズルに保持された部品が、それぞれカメラによって撮像され、それぞれの撮像画像に基づいて部品の寸法がそれぞれ求められる。そして、それら求められた寸法を表すデータが統計的に処理されて、評価される。特許文献2に記載の部品評価方法においては、部品の装着が開始されるときに、部品テープに長手方向に並んで保持された多数の部品のうち先頭に位置する部品の電気的特性が測定され、その測定値に基づいて部品テープに保持された多数の部品の電気的特性が適正であるか否かが評価される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-335609号公報
【特許文献2】実開平1-76100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、部品テープに保持された多数の部品の電気的特性についての評価を、適切に行い得るようにすることである。
【課題を解決するための手段、作用および効果】
【0005】
本発明に係る部品評価方法においては、部品テープに保持された多数の部品のうちの中間に位置する部品を含む複数の部品の電気的特性がそれぞれ測定され、それら測定値が統計的に処理される。
このように、部品テープに保持された多数の部品のうち、中間に位置する部品を含む複数の部品の電気的特性の測定値に基づけば、先頭に位置する部品の電気的特性の測定値に基づく場合に比較して、多数の部品の電気的特性をより正確に推定することが可能となり、これらの測定値が統計的に処理された結果に基づけば、多数の部品の電気的特性についての評価を適切に行うことができる。また、多数の部品すべての電気的特性が測定された場合には、より一層、評価を適切に行うことができる。
【0006】
「中間に位置する部品」は、新品の部品テープに保持された多数の部品のうち先頭部分の部品および最後尾(上流端の意味である)にある部品を除いた部品をいい、例えば、(1)予め定められた設定個数毎に位置する部品、(2)長手方向に並んだ部品に順番に数値を対応付けた場合において、乱数に基づいて決まる数値に対応する部品、(3)設定個数の部品から成る複数のグループの各々からそれぞれ選択された部品等とすることができる。なお、「中間に位置する部品を含む複数の部品」には、先頭(下流端の意味である)と最後尾との少なくとも一方に位置する部品を含む場合がある。
【0007】
また、部品テープの中間に位置する部品の電気的特性は、部品の実装作業において測定することができる。「実装作業において」とは、「実装作業の開始後、終了前の、実装作業の途中に」の意味であり、例えば、「実装作業を中止して」、または、「実装作業と並行して」部品の電気的特性が測定されるようにすることができる。なお、電気的特性が測定された部品は、測定後に、回路基板への装着に使用されても廃棄されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1に係る方法を実施可能な部品実装システムを概念的に示す図である。本部品実装システムには部品実装機が含まれる。
図2】上記部品実装機に取付け可能なリールに巻かれた部品テープの平面図である。
図3】(a)上記部品実装機の斜視図である。(b)上記部品実装機に取付け可能なヘッドの斜視図である。
図4】上記部品実装機のヘッド移動装置の斜視図である。
図5】上記部品実装機に設けられた電気的特性測定装置の斜視図である。
図6】上記部品実装システムの制御部の周辺を示す概念図である。
図7】上記部品実装機の制御装置の記憶部に記憶された載置情報追加プログラムを表すフローチャートである。
図8】上記プログラムの実行により作成された実装・載置シーケンスの一例を概念的に示す図である。
図9】(a)上記記憶部に記憶されたヘッド移動制御プログラムを表すフローチャートである。(b)上記記憶部に記憶されたLCR測定等プログラムを表すフローチャートである。
図10】上記部品実装システムのホストコンピュータの記憶部に記憶されたデータ処理プログラムを表すフローチャートである。
図11】(a)測定されたLCR値を表す図である。(b)LCR値のバラツキを表す図である。
図12】本発明の実施例2に係る方法を実施可能な部品実装システムの部品実装機の制御装置の記憶部に記憶されたヘッド移動制御プログラムを表すフローチャートである。
図13】本発明の実施例3に係る方法を実施可能な部品実装システムの部品実装機の制御装置の記憶部に記憶された載置情報追加プログラムを表すフローチャートである。
図14】本発明の実施例4に係る方法を実施可能な部品実装システムの部品実装機の制御装置の記憶部に記憶されたモード設定プログラムを表すフローチャートである。
図15】上記制御装置において作成された載置シーケンスの一例を概念的に示す図である。
図16】上記記憶部に記憶されたヘッド移動制御プログラムを表すフローチャートである。
図17】本発明の実施例5に係る方法を実施可能な部品実装システムの部品実装機の制御装置の記憶部に記憶された載置情報追加プログラムを表すフローチャートである。
図18】上記プログラムの実行により作成された実装・載置シーケンスの一例を概念的に示す図である。
【発明の実施形態】
【0009】
以下、部品実装システムについて図面に基づいて詳細に説明する。本部品実装システムにおいては、本発明に係る部品評価方法、電気的特性測定方法が実施される。また、部品実装システムには、本発明に係る部品実装機が複数含まれる。
【実施例1】
【0010】
図1に示すように、本部品実装システムは、複数の部品実装機2と、これら複数の部品実装機2に接続された外部コンピュータとしてのホストコンピュータ4とを含む。複数の部品実装機2の各々において、電子部品(以下、単に部品と称する)を回路基板(以下、基板と略称する)に装着する実装作業が行われる場合には、その部品を保持する部品テープ6が巻かれたリール8が用いられる。リール8は、リール8の各々に個別に付された識別情報ID(以下、単にID、または、リールIDと略称する)により管理される。リール8は、部品メーカから購入後、倉庫に入れて保管されるが、その際に、リールIDが読み取られ、ホストコンピュータ4の記憶部に記憶させられる。リールIDには、部品メーカ、部品の種類、電気的特性の規格値、公差(許容最大値と許容最小値との差)、部品の個数、ロット番号等を表す情報が含まれる。
【0011】
部品実装機2の各々において、実装作業の開始前にリール8を倉庫から出して用いて、実装作業の終了後に倉庫に片づけるのが普通である。そのため、倉庫が共通の複数の部品実装機2においては、互いに同一のIDのリール8または同一の部品メーカから購入したリール8が用いられる場合がある。以上のことから、ホストコンピュータ4に接続された複数の部品実装機2は、設置場所は問わないが、用いられるリール8の供給元{部品メーカと倉庫との少なくとも一方}が互いに同じものとすることが望ましい。ホストコンピュータ4において、複数の部品実装機2において用いられた同じリール8、同じ部品メーカのリール8に関する情報を効率よく集計することが可能となるからである。なお、リール8とは、部品テープ6が巻かれる前のものをいう場合もあるが、本実施例においては、部品テープ6が巻かれているものをいう。
【0012】
部品テープ6は、図2に示すように、中央部に長手方向に一列に並んで形成された多数の凹部10の各々に部品sを1つずつ収容して保持するものである。また、部品テープ6の側部には長手方向に並んで多数の送り穴11が形成される。
【0013】
部品実装機2は、図3(a)に示すように、部品sを基板Pに装着するものであり、本体12,回路基板搬送保持装置14,部品供給装置16,ヘッド装置18等を含む。
回路基板搬送保持装置14は、基板Pを搬送して保持するものであり、基板Pの搬送方向をx方向、幅方向をy方向、厚み方向をz方向とする。y方向、z方向は、それぞれ、部品実装機2の前後方向、上下方向である。部品供給装置16は、基板Pに装着される部品sを供給するものであり、複数のテープフィーダ20等を含む。複数のテープフィーダ20は、それぞれ、リール保持部50、図示しない送り装置等を含み、リール保持部50に保持されたリール8に巻かれた部品テープ6を送り装置により送り穴11を利用して1ピッチずつ送る。
【0014】
ヘッド装置18は、ヘッド21と、ヘッド21をx、y方向へ移動させるヘッド移動装置22とを含む。ヘッド21は、部品sを保持する1つの吸着ノズル23を昇降可能に保持するシングルヘッドである。ヘッド移動装置22は、図4に示すように、x移動装置24とy移動装置25とを含む。y移動装置25は、yモータ26の駆動により、運動変換機構27を介してyスライダ28をy方向に移動させるものであり、x移動装置24は、yスライダ28に設けられ、xモータ29の駆動により、運動変換機構30を介してxスライダ31をx方向に移動させるものである。xスライダ31にヘッド21が着脱可能に取り付けられるが、図3(b)に示すヘッド32に交換することもできる。ヘッド32は、複数(MA)本の吸着ノズル33を、間欠回転可能かつ昇降可能に保持するマルチヘッドである。
【0015】
また、符号34は、吸着ノズル23に保持された部品sを撮像するカメラを示し、符号36は部品sとしての角チップの電気的特性を測定する電気的特性測定装置としてのLCR測定装置を示す。LCR測定装置36は、部品sの電気的特性としての、L(インダクタンス)、C(キャパシタンス)、R(レジスタンス)、Z(インピーダンス)等を測定するものであり、本実施例において、部品実装機2の内部の回路基板搬送保持装置14の本体に取り付けられる。LCR測定装置36は、図5に示すように、(a)部品保持台40、(b)一対の測定子42,44、(c)一対の測定子42,44をエアシリンダの作動により互いに接近、離間させる接近・離間装置46、(d)部品保持台40をエアシリンダの作動により初期位置と測定位置とに移動させる保持台移動装置49、(e)LCR検出回路48等を含む。上述のエアシリンダの作動は、エア源、大気およびエアシリンダのエア室の間に設けられた図示しない電磁弁により制御される。以下、本明細書において、電気的特性をLCRと称し、電気的特性の測定値をLCR値と称する場合がある。
【0016】
当該部品実装機2は制御装置60を含む。制御装置60は、図6に示すように、コンピュータを主体とするコントローラ62、図示を省略する複数の駆動回路等を含む。コントローラ62は、実行部70、記憶部72、入出力部74等を含み、入出力部74には、回路基板搬送保持装置14、部品供給装置16、ヘッド移動装置22が、それぞれ、図示しない駆動回路を介して接続されるとともに、カメラ34、LCR測定装置36、ディスプレイ80、操作入力部82等が接続される。ディスプレイ80がタッチパネルとしての機能を有する場合には、操作入力部82の少なくとも一部の機能をディスプレイ80が果たす場合がある。また、操作入力部82は、LCR測定専用モード設定入力部84を含む。さらに、コントローラ62には、ホストコンピュータ4が互いに通信可能に接続されている。ホストコンピュータ4は、実行部90、記憶部92、入出力部94等を備え、記憶部82には、部品実装機2の各々における作業計画情報、リール8のID等が記憶されている。
【0017】
以上のように構成された部品実装システムの部品実装機2において、テープフィーダ20によって部品テープ6が送られ、部品供給位置に達した部品sが吸着ノズル23によってピックアップされて運ばれて、基板Pの予め定められた位置において放されて装着される実装作業が行われる。また、吸着ノズル23によってピックアップされた部品sは、LCR測定装置36の部品保持台40に運ばれて放されて載置される載置作業が行われる場合もある。また、部品保持台40に部品sが載置されると、その部品sのLCRの測定、適否の判定等が行われる。
【0018】
本実施例において、部品sのLCRの測定・適否判定は、図9(b)のフローチャートで表されるLCR測定等プログラムの実行により行われる。
ステップ101(以下、S101と略称する。他のステップについても同様とする)において、部品sが部品保持台上に載置されたか否かが判定される。吸着ノズル23が部品保持台40へ移動させられて部品sが放された場合に、判定がYESとなり、S102において、LCRの測定が行われる。接近・離間装置46により一対の測定子42,44が接近させられ、部品sが両側から把持され、保持台移動装置49により部品保持台40が初期位置から測定位置へ移動させられ、その状態で、部品sに電流が流され、LCR検出回路48においてLCR値が求められるのである。S103において、LCR値を表す情報であるLCR値情報がホストコンピュータ4に出力され、S104において、LCR値が規格値と公差とで決まる適正範囲内にあるか否かが判定される。適正範囲内にある場合には、S105においてLCR値が適正であると判断され、適正範囲から外れている場合には、S106において不適正であると判断される。LCR値が不適正であると判定され場合には、例えば、そのことを表す情報、リール8の交換指示等がディスプレイ80に表示されるようにすること等ができる。
【0019】
一方、部品実装機2には予めホストコンピュータ4から実装シーケンス{「実装される部品sを特定する情報および基板P上の実装位置(x、y)等を含む実装情報」等が複数、作業順に並んで構成されたデータ群をいう。}が供給される。そして、作業者は、実装作業において使用された部品sを保持する部品テープ6が巻かれたリール8を倉庫から出して、テープフィーダ20に保持させて、部品実装機2に取り付ける(以下、単に、リール8を部品実装機2に取り付けると略称する場合がある)。そして、リールID等が読み取られ、ホストコンピュータ4に報告される。ホストコンピュータ4において、リールID等のチェックが行われ、適正であると判断された後に、部品実装機2において、実装作業が行われる。
部品実装機2において、ホストコンピュータ4から供給された実装シーケンスに基づいて、複数の実装情報と複数の「部品sを特定する情報および部品保持台40上の部品載置位置(x0、y0)等を含む載置情報」等とが、作業順に並んで構成されたデータ群である実装・載置シーケンスが作成されて、記憶部72に記憶させられる。
なお、載置情報等はホストコンピュータ4において追加されて、実装・載置シーケンスが部品実装機2に供給されるようにすることもできる。
【0020】
本実施例において、リール8の各々について、部品テープ6が新品である場合の先頭に位置する部品sと、中間に位置する少なくとも1つの部品sとが、LCRの測定対象とされる。中間に位置する部品sとは、部品テープ6に保持された多数の部品sのうち部品テープ6が新品である場合の先頭部分および最後尾に位置する部品sを除く部品sをいい、先頭部分の部品sとは、先頭に位置する部品sを含む先頭から第1設定個数NSの部品sとすることができる。第1設定個数NSは、例えば、1個以上30個以下の個数とすることができ、2個以上、5個以上、7個以上、10個以上、15個以上、25個以下、20個以下等とすることができる。
【0021】
具体的には、部品テープ6が新品である場合の先頭位置の部品s(1番目の部品s)から起算して第2設定個数(請求の範囲に記載の設定個数に対応)毎に位置する複数の部品sがLCRの測定対象とされる。第2設定個数NAは第1設定個数NSより大きい数であり、例えば、5個以上200個以下の個数とすることができ、20個、30個、50個、70個、100個、150個等とすることができる。部品実装機2に取り付けられたリール8については、リール毎に、実装作業において使用された部品sの個数である使用済個数がカウントされ(カウントされた使用済個数をCとする)、1枚の基板Pへの実装作業が終了する毎に部品実装機2からホストコンピュータ4に報告されて、リール8のIDと対応づけて記憶させられる。そのため、部品実装機2に取り付けられたリール8が新品であっても中古品であっても、また、実装作業の途中であっても、先頭に位置する部品sは、新品である場合の先頭位置から(C+1)番目の部品sであることがわかる。
【0022】
部品実装機において、複数の基板Pの各々への部品の実装が開始される毎に、すなわち、基板Pへの部品の実装が終了した時点から次の基板が搬入される時点までの間の予め定められたタイミングで、図7のフローチャートで表される載置情報追加プログラムが実行されて、実装・載置シーケンスが作成される。本プログラムは、部品実装機2において取り付けられた複数のリール毎に実行されるが、本明細書においては、IDaのリールAについて実行される場合について説明する。
S1において、ホストコンピュータ4に、そのリール8のID(リールIDa)と対応して記憶されている使用済個数Cが読み込まれ、使用済個数Cに1を加えた値が予定カウンタのカウント値C*の初期値とされる(C*=C+1)。予定カウンタは、使用済個数Cとこれから使用される部品sの個数とを合わせた個数をカウントするものであり、初期値は、基板Pの各々への部品の実装が開始されるそれぞれの時点における部品テープ6の先頭に位置する部品sの、新品である場合の先頭に位置する部品sから起算した個数(C+1)である。以下、本明細書において、予定カウンタのカウント値を予定カウント値と略称する。次に、S2において、整数の変数kの初期値k0が決定される(k←k0)。初期値k0は、(C*/NA)の値の整数部分に1を加えた値とされるが、予定カウント値C*が1である場合(例えば、リール8が新品であり、かつ、第1枚目の基板Pへの部品の実装が開始される場合)には初期値k0も1となる。
【0023】
S3において、予定カウント値C*が1であるか否かが判定される。判定がYESである場合には、S4において載置情報が追加され、S5において予定カウント値C*が1増加させられる。予定カウント値C*が1の部品sが測定対象とされるのである。そして、S6において、基板Pの1枚分の実装シーケンスに含まれる実装情報のデータ群(以下、単に、「一枚分のデータ群」と略称する場合がある)に実装情報が残っているか否かが判定される。この場合には、判定はYESとなるためS7が実行される。
【0024】
それに対して、予定カウント値C*が1でない場合には、一枚分のデータ群から実装情報が1つずつ順番に読み取られるが、本実施例においては、S7において、リールIDaに対応する部品sの実装情報が順番に特定される。S8において、予定カウント値C*が、式(C*=k×NA)を満たすか否か、すなわち、設定個数NAのk倍であるか否かが判定される。上式を満たさない場合には、判定がNOとなり、S5,6が実行された後にS7に戻される。S7,8,5,6が繰り返し実行されるうちに、予定カウント値C*が設定個数NAのk倍になると、S8の判定がYESとなり、S9において、次にリールIDaに対応する部品sの載置情報が追加される。測定対象になった部品sはリールAにおける(k×NA+1)番目の部品sである。S10において予定カウント値C*が1増加させられ、S11において変数kが1増加させられる。以下、S5,6が実行された後、S7以降が実行されるのであり、一枚分のデータ群からすべての実装情報が読み取られるまで繰り返し実行され、S12において、実装・載置シーケンスが作成されて、記憶部72に記憶させられる。
【0025】
以上のように作成された実装・載置シーケンスの一例を図8に概念的に示す。IDaが付されたリールAが新品である場合において、1番目の部品s、(NA+1)番目の部品s、(2×NA+1)番目の部品sが測定対象とされるのであり、NA番目、(2×NA)番目の実装情報の次に載置情報が追加される。IDbが付されたリールBは中古品であるため、今回、部品実装機2に取り付けられた状態で先頭に位置する部品sは測定対象とされない。新品である場合に先頭に位置する部品sから起算して、(K×NA+1)番目の部品s、{(k+1)×NA+1}番目の部品sが測定対象となる。
【0026】
部品実装機2においては、図9(a)のフローチャートで表されるヘッド移動制御プログラムが実行される。S21において、実装・載置シーケンスに含まれる情報が1つずつ順番に読み込まれる。その読み込んだ情報が、S22,23において載置情報であるか否か、実装情報であるか否かが判定される。載置情報である場合にはS24において載置作業が行われ、S25において、設定時間が経過するのが待たれ、S26において、LCR値の適否の判定結果が適正であるか否かが判定される。適正である場合には、S27において実装・載置シーケンスに情報が残っているか否かが判定され、残っている場合には、S21に戻される。それに対して、読み込まれた情報が実装情報である場合には、S28において実装作業が行われる。以下、実装・載置シーケンスに情報がある間、S21〜28が繰り返し実行される。また、LCR値が不適正である場合には、本ルーチンは中止させられ、リール交換等が行われる。
このように、本実施例においては、LCRの測定、適否の判断が行われる設定時間の間(S25)、実装作業が行わない。実装作業が中止させられ、LCRが測定され、適正であると判断された後に、実装作業が再開されるのである。
【0027】
ホストコンピュータ4において、図10のフローチャートで表されるデータ処理プログラムが実行される。S41、42において、部品実装機2からLCR値情報が供給されたか否かが判定され、判定がYESである場合には、読み込まれて記憶される。そして、S43において、集計が終了したか否かが判定される。例えば、1本のリール8において測定される予定のすべての部品sのLCR値情報が記憶された場合、予め定められた個数以上のLCR値情報が記憶された場合、または、当該リール8が廃棄等された場合等に、集計が終了したと判定される。集計が終了しない場合にはS41〜43が繰り返し実行され、集計が終了した場合にはS44において統計的な処理が行われ、S45において評価される。
なお、上記データ処理プログラムは、部品実装機2における一連の実装作業において行われるとは限らず、同一のまたは異なる部品実装機2において行われる複数回の実装作業に渡って行われる場合がある。
【0028】
例えば、図11(a)に示すように、リールAについて、1番目の部品s、(NA+1)番目の部品s・・・等の測定対象の部品sのLCR値がX1,X2,X3・・・である場合において、図11(b)に示すように、LCR値を処理してグラフで表すことができる。その結果、バラツキ、平均値の規格値からの隔たり、適正範囲から外れたLCT値の比率、外れの程度等が容易にわかる。また、複数のLCR値情報を処理して平均値、分散、標準偏差等を取得することもでき、例えば、分散の値が小さく、平均値と規格値との差が小さい場合には、リール8に巻かれた部品テープ6に保持された多数の部品s(母集団)の電気的特性に関する評価が高いとすることができる。
【0029】
このように、本実施例においては、部品テープ6に長手方向に並んで保持された多数の部品sのうちの中間に位置する部品sを含む複数の部品sの電気的特性が測定される。その結果、先頭に位置する部品sが高品質のものとされ、中間に位置する部品sが粗悪なものとされた部品テープであっても、そのことを検出し易くすることができる。また、部品テープ6の先頭に位置する部品sのLCR値のみに基づく場合に比較して、サンプリングの適正化を図ることが可能となり、多数の部品s(母集団)の電気的特性をより正確に推定することができ、より正確に評価することが可能となる。さらに、部品テープ6に保持された多数の部品sのうち中間に位置する部品sのLCRを測定するためには、リール8から部品テープ6を解き、部品sを取り出さなければならず、非常に困難である。それに対して、本実施例においては、部品sの実装作業においてLCRが測定されるため、上述の作業が不要となる。
【0030】
また、実装作業が中止された状態でLCRが測定され、不適正な場合には、リール8の交換等が指示される。そのため、不良な基板の発生を未然に防止することが可能となる。さらに、ホストコンピュータ4には、リール8の供給元が共通する複数の部品実装機2が接続されている。そのため、接続された部品実装機2が1つである場合に比較して、統計的な処理に必要なLCR値を早期に集計することが可能となる。また、多数のリール8についてそれぞれLCR値を集計することが可能となり、同じ種類の部品sの電気的特性に関するリール間の比較、部品メーカ間の比較、部品sの種類毎の電気的特性に関する品質の比較等を行うことも可能である。
【0031】
なお、実装シーケンスの作成等が、部品実装機2のコントローラ62において行われるようにしたり、コントローラ62とホストコンピュータ4との協働によって行われるようにしたりすること等ができる。また、LCR値の適否の判定はホストコンピュータ4において行われるようにすることもできる。さらに、第2設定個数NAの起算部品(1番目の部品)sは、リール8が部品実装機2に取り付けられた時点に先頭に位置する部品s{新品である場合の先頭位置から起算した場合に、(C+1)番目の部品s}としてもよい。また、データ処理プログラムにおいて、S45のステップは不可欠ではない。評価は、部品メーカが行ったり、オペレータが行ったりすることもできる。
【0032】
以上のように、本実施例においては、制御装置60の図8に示す実装・載置シーケンスを記憶する部分、S24,28を記憶する部分、実行する部分等によりヘッド移動制御装置が構成される。また、そのうちの載置情報を記憶する部分、S24を記憶する部分、実行する部分等により測定時移動制御部が構成され、実装情報を記憶する部分、S28を記憶する部分、実行する部分等により実装時移動制御部が構成される。また、図7の載置情報追加プログラムの実行により作成された図8の載置・実装シーケンスに基づいて図9(a)のヘッド移動制御プログラムの実行により部品保持台40に載置された部品sのLCRが図9(b)のLCR測定等プログラムのS102において測定される工程が測定工程に対応し、S44の実行が処理工程に、S45の実行が評価工程に対応する。さらに、上述の測定工程の実施は、電気的特性測定方法の実施に対応する。
【実施例2】
【0033】
本実施例においては、部品実装機2において実装作業と並行してLCRの測定等が行われる。本実施例において、図12のフローチャートで表すヘッド移動制御プログラムには、図9(a)のフローチャートのS25,26がない。そのため、載置作業、実装作業が連続して行われる。換言すれば、載置作業が行われると(S24)、LCR測定等プログラムの実行によりLCRが測定されるが、それと並行にヘッド移動制御プログラムの実行による実装作業が行われるのである。LCR測定装置36において、接近・離間装置46、保持台移動装置49は、ヘッド移動装置22と関係なく駆動可能であり、LCR検出回路48は部品sのLCRを測定することができる。
以上のように、本実施例においては、部品実装機2における実装作業に要する時間を短くすることができる。
【0034】
なお、本発明は、実施例1と実施例2とを組み合わせた態様で実施することもできる。例えば、予定カウント値C*が1である部品(先頭に位置する部品)のLCRの測定は、部品の実装が中止されて行われ、それ以外の部品のLCRの測定は、部品の実装と並行して行われるようにすることもできる。本実施例においては、リール8の取付けミス等に起因する不良な基板の発生を防止しつつ、実装作業に要する時間を短くすることができる。
また、実装作業の開始前に、先頭に位置の部品のLCRを測定して、測定値が適正であると判断された場合に、その部品テープにより供給された部品の実装作業が開始されるようにすることができる。そして、実装作業が開始された後においては、実施例1、実施例2または実施例1と実際例2とを合わせた態様で、部品テープ6の中間に位置する部品sのLCRが測定されるようにすることができる。
【実施例3】
【0035】
本実施例においては、測定対象の部品sがランダムに選択される。例えば、新品または中古品であるリール8に巻かれた部品テープ6に長手方向に一列に並んで保持された多数の部品sのうちの先頭に位置する部品sを1として、順番に数値に対応付け、乱数xと一致する数値の次の部品s{数値(x+1)に対応する部品s}をLCRの測定対象とすることができる。また、乱数xは、部品テープ6に保持された部品sの個数を表す数値、すなわち、最後尾に位置する部品に対応する数値以下2以上において少なくとも1つ発生させられるようにする。
【0036】
本実施例においては、図13のフローチャートで表される載置情報追加プログラムが実行される。図13のフローチャートにおいて、図7のフローチャートで表される載置情報追加プログラムと同様の実行が行われるステップについては同じステップ番号を付して説明を省略する。
S3の判定がNOである場合に、S7bにおいて、最小の乱数xが読み込まれ、S8aにおいて、予定カウント値C*が乱数xと一致するか否かが判定される。一致する場合には判定がYESとなり、S9において、次に、載置情報が追加される。そして、S11aにおいて、次に小さい乱数xが読み込まれ、S5,6が実行され、S7,S8aが実行される。以下、S5,6,7,8aが、予定カウント値C*と乱数xとが一致するまで繰り返し実行される。このように、LCRの測定対象の部品sがランダムに選択されるため、母集団の電気的特性の推定をより正確に行うことができる。
【0037】
なお、S9において、乱数xと一致した数値に対応する部品sの実装情報の前に、載置情報が追加されるようにすることもできる。その場合には、数値xに対応する部品sが測定対象とされることになる。また、リール8が部品実装機2に取り付けられた時点における先頭位置の部品sを数値1に対応付けて、測定対象の部品を選択することもできる。
【実施例4】
【0038】
本実施例の部品実装機2においては、作業者の操作によりLCR測定専用モードが設定可能とされ、LCR測定専用モードが設定された場合には、リール8に巻かれた部品テープ6のすべての部品sのLCRが連続して測定される。
【0039】
「連続」とは、LCRの測定の途中に実装作業が行われないという意味であり、載置情報を含み、実装情報を含まない載置シーケンスに従って作動させられることをいう。「すべて」とは、その時点において、部品テープ6に保持されたすべての部品という意味であり、リール8は新品であっても中古品であってもよい。
【0040】
部品実装機2において、図14のフローチャートで表されるモード設定プログラムのS51において、LCR測定専用モード設定入力部84の操作によりLCR測定専用モードを設定する操作がされたか否かが判定され、設定操作がされた場合には、S52において、LCR測定専用モードが設定されたことを表す情報がホストコンピュータ4に出力される。
【0041】
LCR測定専用モードが設定された場合には、部品実装機2において、図15に概念的に示すように載置シーケンスが作成される。また、図16のフローチャートで表されるヘッド移動制御プログラムが実行されるが、本ヘッド移動制御プログラムには、実施例1におけるヘッド移動制御プログラムのS22,23,26,28がない。そのため、例えば、リールAの部品テープ6に保持された複数の部品sが、先頭から順番に、設定時間(S25)間隔で、吸着ノズル23によってピックアップされて運ばれて部品保持台40に載せられる。LCR値情報は、その都度、ホストコンピュータ4に供給される。ホストコンピュータ4においては、上記実施例における場合と同様に、図10のフローチャートで表されるデータ処理が行われるが、S43において、リールAに保持されたすべての部品sのLCR値が記憶された場合に、集計が終了したと判断される。なお、LCR測定等プログラムにおいて、LCR値の適否の判定が行われる必要は必ずしもない(S104〜106は不可欠ではない)。また、シングルヘッド21の代わりにマルチヘッド32を使用することも可能であり、その場合には、ヘッド32の移動回数を少なくすることができる。
【0042】
このように、本実施例においては、リール8に巻かれた部品テープ6に保持されたすべての部品sのLCRが測定されるため、多数の部品sの電気的特性の評価をより一層正確に行うことができる。また、例えば、上記実施例1ないし3のいずれかにおいて、実装作業の途中に行われたLCRの測定の結果、LCR値が不適正であると判断された場合に、そのリール8の部品テープ6に残っている部品sすべてについてLCRの測定が行われるようにすることもできる。
【0043】
なお、データ処理は、当該部品実装機2の制御装置において行われるようにしたり、当該部品実装機2と1対1に接続された外部コンピュータにおいて行われるようにしたりすること等ができる。
また、図15のシーケンスに従ってヘッド移動装置22が制御されて、部品sのLCRが測定される当該部品実装機2を、LCRの測定のみが実行され、実装作業が行われない電気的特性測定専用機として用いることも可能である。その場合には、回路基板搬送保持装置14は不可欠ではない。
【0044】
さらに、リール8に保持されたすべての部品sではなく、オペレータがLCRが測定されることを要望する部品sの個数を入力可能として、その入力された個数の部品sのLCRが連続して測定されるようにすることもできる。この場合において、第1設定個数NSより多い数が入力されるようにする。
【実施例5】
【0045】
本実施例においては、xスライダ31に図3(b)に示すヘッド(マルチヘッド)32が取り付けられる。実装作業において、原則として、MA本(本実施例においては、8本とする)の吸着ノズル33のすべてに連続して部品sが保持され、それら保持された部品sのすべてが連続して基板Pへ実装される。以下、この作動を、「ヘッド32による1回の実装作動」と称する。
そのため、例えば、測定対象の部品sが8本の吸着ノズル33のうちの第4番目にピックアップされた場合には、その部品sのLCRの測定のために、ヘッド32を基板PからLCR測定装置36へ移動させることになり、望ましくない。そのため、本実施例においては、ヘッド32による1回の実装作動が終了した後に、部品sが8本の吸着ノズル33のうちの1本にピックアップされて、部品保持台40に載置されるようにした。
【0046】
部品実装機2において、図17のフローチャートで表された載置情報追加プログラムが実行される。図17のフローチャートにおいて、図7のフローチャートで表される載置情報追加プログラムと同様の実行が行われるステップには、同じステップ番号を付して説明を省略する。
S61,62において、実装シーケンスに含まれる実装情報が順番に特定されて、カウントされる。nは、実装シーケンスに含まれる実装情報の先頭からの個数であり、個数をカウントする個数カウンタのカウント値である。S63において、その特定した実装情報がリールIDaに対応する部品sの実装情報であるか否かが判定され、判定がYESである場合には、S64において予定カウント値C*が1増加させられる。S65において、後述する未測定フラグがONであるか否かが判定され、判定がNOである場合には、S66において、リールIDaに対応する部品sの予定カウント値C*が式(C*=k×NA)を満たすか否かが判定され、S67において、実装情報の個数nがMA(8)の倍数であるか否かが判定される。そして、S66の判定がYES,S67の判定がNOである場合は、載置情報を追加することが望ましくないため、S68において、未測定フラグがONとされ、載置情報の追加が見送られる。未測定フラグは、追加すべき載置情報が追加されない場合にONとされるフラグである。
【0047】
未測定フラグがONである場合には、S66の実行が行われることなく、S67が実行され、実装情報の個数nがMAの倍数になるのが待たれる。この間、S68,6,61〜63(64),65,67が繰り返し実行される。そのうちに、S67の判定がYESになると、S69において、予定カウント値C*+1の部品sについて載置情報が追加される。S70〜72において、未測定フラグがOFFとされ、予定カウント値C*が1増加させられ、変数kが1増加させられる。
なお、個数カウンタのカウント値nは、1枚分の実装情報のカウントを開始する毎に0にリセットされる(S2a)ようにしても、一連の実装作業が終了するまでリセットされないようにしてもよい。
【0048】
作成された実装・載置シーケンスの一例を図18に概念的に示す。図18に示すように、予定カウント値C*が設定個数NAに達した場合に、個数nを本数MAで割った値(n/MA)が整数でないため、その時点において、載置情報を追加せず、n/MAの値が整数になるのを待って、載置情報が追加される。このように、マルチヘッド32が取り付けられた場合には、第2設定個数NA毎に位置する部品sから数個隔たった部品sが測定対象とされる場合もある。
【0049】
なお、本実施例においては、第2設定個数NAは本数MAより大きい値であることが望ましい。また、予定カウント値C*が式(C*=NA×k)となる前の、n/MAの値が整数になった時(n=MA×i)に、載置情報(n=MA×i+1)が追加されるようにすることもできる。
【0050】
以上、本発明を複数の実施例に基づいて説明したが、複数の実施例を互いに組み合わせて実施することができる等本発明は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0051】
2:部品実装機 4:ホストコンピュータ 6:部品テープ 8:リール 22:ヘッド移動装置 20:テープフィーダ 36:LCR測定装置 60:制御装置 62:コントローラ 72:記憶部 80:ディスプレイ 92:記憶部
図1
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