特許第6829283号(P6829283)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6829283
(24)【登録日】2021年1月25日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/08 20060101AFI20210128BHJP
   D06F 58/10 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   D06F39/08 301C
   D06F58/10 Z
   D06F39/08 341
   D06F39/08 301K
【請求項の数】22
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-106312(P2019-106312)
(22)【出願日】2019年6月6日
(62)【分割の表示】特願2017-532998(P2017-532998)の分割
【原出願日】2015年12月18日
(65)【公開番号】特開2019-166375(P2019-166375A)
(43)【公開日】2019年10月3日
【審査請求日】2019年7月4日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0184452
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】パク ソンフ
(72)【発明者】
【氏名】ト ヨンチン
(72)【発明者】
【氏名】パク ヒョンソプ
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−103136(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0106834(KR,A)
【文献】 特開2010−253059(JP,A)
【文献】 特開平02−116399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/08
D06F 58/10−58/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースに対して回動しながら、前記ケースの前面を開閉するドアと、
前記ケースの内部に衣類を収容するように構成された処理チャンバーと、
前記処理チャンバーの下側に形成されて機械装置が設けられるサイクルチャンバーと、を含み、
前記サイクルチャンバーの内部には、
前記処理チャンバー内の空気を循環するための送風ファン及び前記送風ファンの前方側に設けられて前記処理チャンバー内の空気を前記送風ファンに案内するインレットダクトを含む送風ユニットと、
前記送風ユニットの後方に設けられたスチームユニット及びヒートポンプユニットと、
前記送風ユニット、前記スチームユニット及び前記ヒートポンプユニットを制御する制御ユニットと、を含むサイクルアセンブリが備えられ、
前記サイクルチャンバーの前方には、給水タンクとドレンタンクを含むタンクモジュールが備えられ、
前記インレットダクトの前方には、前記タンクモジュールが設けられるタンクモジュールフレームが備えられ
前記給水タンクと前記ドレンタンクは、前記タンクモジュールフレームの前面に互いに隣接して設けられ、
前記ドアの開放時、前記給水タンクと前記ドレンタンクのそれぞれの少なくとも一部分が外部に露出される、衣類処理装置。
【請求項2】
前記給水タンクは、
前面が開口して形成され、上面はラウンド状になっており、底面より下側に延びた側面と背面を有するタンクボディーと、
前記タンクボディーの前面に結合され、内側に凹んで形成された取っ手部が設けられたタンクカバーと、
前記タンクカバーの前面をカバーし、前記タンクカバーに対応する形状を有する装飾カバーと、
前記タンクボディーに設けられ、前記タンクボディーから外部に水を吐出する流路を開閉する給水チェックバルブと、
前記タンクボディーに貯蔵された水の水位を感知する水位センサーと、を含む、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記タンクカバーは前記タンクボディーの開口縁を形成する境界に前記タンクボディーの外面と段差がないように結合され、前記取っ手部は前記タンクボディー側に挿入される構造で形成される、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記装飾カバーは前記取っ手部の形状に対応するように凹んで形成される部分を含む、請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記装飾カバーは、前記タンクカバーの周辺を包み、前記タンクボディー側に延びて形成される、請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記タンクカバーの前面には上下方向に延びて、表面より突出したウィンドウが形成され、
前記装飾カバーには前記ウィンドウに対応する形状に開口が形成され、前記タンクカバーのウィンドウが前記装飾カバーの開口を介して突出して露出する、請求項5に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記給水タンクの水位センサーは、
前記タンクボディーの内側背面に位置するフロータケースと、前記フロータケース内で上下方向に移動するフロータと、前記フロータケースを前記給水タンク内に支持するフロータ設置部と、を含む、請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記フロータ設置部は、前記タンクボディーの内側背面から前記タンクカバーの方向に突出して前記フロータケースが前記タンクボディーの背面に支持されるようにする、請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記フロータはマグネチックを含み、
前記水位センサーは前記フロータを感知するセンサーをさらに含み、
前記センサーは前記タンクモジュールフレーム上に設置されて、前記フロータケースに対応する高さに位置する、請求項8に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記フロータ設置部は前記タンクボディーの底面から所定の離隔距離だけ離れた高さに設けられる、請求項9に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記所定の離隔距離は1行程中に前記スチームユニットが作動するために必要な最小流量に該当する水位の位置に相当する、請求項10に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記ドレンタンクは、
前面が開口して形成され、上面はラウンド状になっており、底面より下側に延びた側面と背面を有するタンクボディーと、
前記ドレンタンクのタンクボディーの前面に結合され、内側に凹んで形成された取っ手部が設けられたタンクカバーと、
前記ドレンタンクのタンクカバーの前面をカバーし、前記ドレンタンクのタンクカバーに対応する形状を有する装飾カバーと、
前記ドレンタンクのタンクボディーに設けられ、前記ドレンタンクのタンクボディーに外部から水を供給する流路を開閉するチェックバルブと、
前記ドレンタンクのタンクボディーに貯蔵された水の水位を感知する水位センサーと、を含む、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記ドレンタンクのチェックバルブは前記ドレンタンクのタンクボディーの背面の上側に形成される、請求項12に記載の衣類処理装置。
【請求項14】
前記給水タンクと前記ドレンタンクはそれぞれ上面に給水ホールと排水ホールが形成され、
前記給水ホールと前記排水ホールを開閉する給水カバーと排水カバーをそれぞれ含む、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項15】
前記給水タンクと前記ドレンタンクは前記タンクモジュールフレームの前面で互いに隣接して設けられる時、前記ドアの内側面に対向する、請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項16】
前記給水タンクと前記ドレンタンクは互いに対称の形状を有する、請求項15に記載の衣類処理装置。
【請求項17】
前記給水タンク及び前記ドレンタンクの前面に各々上下長さ方向に延びて、表面より突出するウィンドウが形成され、
前記給水タンクのウィンドウと前記ドレンタンクのウィンドウは、それぞれ左右対称となる位置に形成される、請求項16に記載の衣類処理装置。
【請求項18】
前記給水タンクと前記ドレンタンクは内部に各々水位センサーを備え、
前記給水タンクの水位センサーの設置高さは、前記ドレンタンクの水位センサーの設置高さとは異なる、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項19】
前記ヒートポンプユニットを支持し、前記ヒートポンプユニットと前記サイクルチャンバーの底面の間に所定の収容領域を限定する固定フレームをさらに含み、
前記所定の収容領域には前記スチームユニットが設けられる、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項20】
前記給水タンクは、前記タンクカバーの内側面から突出して前記タンクボディーの背面方向に延びて、前記フロータケースを前記タンクボディーの背面に固定させる固定部をさらに含む、請求項8に記載の衣類処理装置。
【請求項21】
前記ドレンタンクの水位センサーは1行程中に前記ヒートポンプユニット及び前記処理チャンバーで生成された凝縮水を貯蔵できる最高水位に相当する位置に配置される、請求項18に記載の衣類処理装置。
【請求項22】
前記ドアの閉鎖時、前記給水タンクと前記ドレンタンクのそれぞれの少なくとも一部分が前記ドアの内部面と接触する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置は、家庭内又はランドリーなどで衣類の洗濯、乾燥、シワの改善などのように、衣類を管理するための全ての装置を意味する。
【0003】
例えば、衣類処理装置は、衣類の洗濯のための洗濯機、衣類の乾燥のための乾燥機、洗濯機能及び乾燥機能を兼ねる乾燥兼用洗濯機、衣類のリフレッシュのためのリフレッシャー(Refresher)、衣類の不要なシワを改善するスチーマー(Steamer)などがある。
【0004】
リフレッシャーは、衣類の状態を快適で新鮮にするための装置であって、衣類を乾燥させたり、衣類に香りを供給したり、衣類の静電気の発生を防止したり、衣類のシワを改善する等の機能を担う。
【0005】
スチーマーは、一般に、衣類にスチームを供給して衣類のシワを除去する装置であって、一般のアイロンとは違い、衣類に熱を直接加えずに衣類のシワを除去する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願に開示される内容の目的は、タンクに蓄えられた水の水位を直接感知できる衣類処理装置を提供することにある。
【0007】
本出願に開示される内容の他の目的は、作動時に、ユーザが水不足をディレイ無しで確認できる衣類処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願に説明される内容の革新的な一側面によれば、衣類処理装置は、衣類を収容するように構成された処理チャンバー、機械装置を収納するように構成されたサイクルチャンバー、及び分離可能なタンクを収納するように構成されたタンク設置空間に区画されたケースと、前記ケースの少なくとも一部を開閉するように構成されたドアと、前記サイクルチャンバーに配置され、前記処理チャンバーにスチームを供給するように構成されたスチームユニットと、前記サイクルチャンバーに配置され、前記処理チャンバーの空気を循環及び調和するように構成されたヒートポンプユニットと、前記タンク設置空間に設置され、前記スチームユニットに連結され、前記スチームユニットに水を供給するように構成された給水タンクと、前記タンク設置空間に分離可能に設置され、前記処理チャンバー又はヒートポンプユニットの少なくとも一つで生成された凝縮水を蓄えるように構成されたドレンタンクと、前記給水タンクの内部に配置され、前記給水タンクの水位を感知するように構成された給水水位センサーと、前記ドレンタンクの内部に配置され、前記ドレンタンクの水位を感知するように構成されたドレン水位センサーと、を含む。
【0009】
前記衣類処理装置は次のような一つ以上の付加的特徴を有することができる。前記衣類処理装置は、前記ケースを、前記処理チャンバーを含む上側内部及びサイクルチャンバーを含む下側内部に区画するように構成された分離板と、前記下側内部を上方内部及びタンク設置空間を含む後方内部に区画するように構成されたタンクモジュールフレームとをさらに含む。
【0010】
前記タンク設置空間は前記ドアに向かうように構成される。前記給水タンクは前記ドレンタンクと隣接する。前記衣類処理装置は、前記タンク設置空間とドアとの間に配置されたタンク支持バーをさらに含み、前記給水タンク又はドレンタンクの少なくとも一つは前記タンク支持バー上に配置される。
【0011】
前記給水タンク又はドレンタンクの少なくとも一つは、凹んでおり、前記タンク支持バーと結合するように構成されたタンク支持端を含む。前記タンク支持バー上に位置している前記給水タンク又はドレンタンクの少なくとも一つに基づいて、前記タンク支持バー、及び前記給水タンク又は前記ドレンタンクの少なくとも一つの前面が前記タンク支持バーと連続した面を形成するように構成される。前記給水タンク又はドレンタンクの少なくとも一つの上側は、ラウンド状にした前記給水タンク又は前記ドレンタンクの上側により前記分離板との干渉を減らすように構成される。前記給水タンク又はドレンタンクの少なくとも一つは、前記給水タンク又はドレンタンクの少なくとも一つの前面から凹んでおり取りやすい取っ手部を含む。
【0012】
前記給水水位センサーは、前記給水タンクに固定されるフロータケースと、前記フロータケースの内部に配置され、前記給水タンクの水位に基づいて前記フロータケースの内部で上下に移動するように構成されたフロータと、前記フロータケース側に配置され、前記フロータを磁気的に感知するように構成されたセンサーとを含む。前記センサーは前記サイクルチャンバー又はタンク設置空間の一つに設置される。前記給水水位センサーが感知するように構成された水の最小量は、1行程中に前記スチームユニットに供給するのに十分である。
【0013】
前記ドレン水位センサーは、前記ドレンタンクに固定されるフロータケースと、前記フロータケースの内部に配置され、前記ドレンタンクの水位に基づいて前記フロータケースの内部で上下に移動するように構成されたフロータと、前記ケース側に配置され、前記フロータを磁気的に感知するように構成されたセンサーとを含む。
【0014】
前記センサーは前記サイクルチャンバー又はタンク設置空間の一つに設置される。最大水位を感知する前記ドレン水位センサーに基づいて、十分の水容量が前記ドレンタンクに残存し、前記処理チャンバー又はヒートポンプユニットの一つの1行程で生成された凝縮水の量を蓄える。前記給水タンク又はドレンタンクは、前面に開口が形成され、タンク設置空間に挿入されるように構成された上面がラウンド状になっているタンクボディーと、前記タンクボディーの前面に結合され、凹んだ取っ手部を含むタンクカバーと、前記タンクボディーに配置され、前記タンクボディーで前記衣類処理装置の外部に延長される流路を開閉するように構成されたチェックバルブとを含む。
【0015】
前記衣類処理装置は、前記タンク設置空間とドアとの間に配置されたタンク支持バーをさらに含み、前記給水タンク又はドレンタンクの少なくとも一つは、前記タンク支持バーの上側上に収容される前記給水タンク又はドレンタンクの少なくとも一つのタンク支持端と前記タンク支持バーとが結合するように構成され、前記タンク支持端は凹んでいる。前記チェックバルブを含む前記給水タンクに基づいて、前記チェックバルブは前記タンクボディーの下側に配置され、前記スチームユニットに連結され、前記スチームユニットに水を供給するように構成される。前記衣類処理装置は、前記タンクボディーの上側に配置されたウォーターホールと、前記ウォーターホールを開閉するように構成されたウォーターホールカバーとをさらに含む。前記給水タンク又は前記ドレンタンクは、前記タンクボディーの内部に配置されるフロータ設置部をさらに含み、前記タンクボディー及びタンクカバーはダイスライドインジェクションを用いたインサート射出成形によって製作され、前記給水水位センサー又はドレン水位センサーは、前記ダイスライドインジェクションを用いたインサート射出成形によって前記フロータ設置部に結合される。
【発明の効果】
【0016】
上記説明から明らかなように、衣類処理装置は次のような効果がある。
【0017】
衣類処理装置は、給水タンクに蓄えられた水の量を類推しない代わりに、直接感知することが可能である。
【0018】
衣類処理装置は、蓄えられた水位をディレイ無しで感知することが可能である。
【0019】
衣類処理装置は、ドレンタンクの水位をディレイ無しで直接感知するため、ドレンタンクから水があふれることを防止することが可能である。
【0020】
衣類処理装置は、スチームを少なくとも1回発生させるために必要な水の位置に給水水位センサーが取り付けられるため、スチームを生成させる中間に水の供給が中断されることを防止することが可能である。
【0021】
衣類処理装置は、少なくとも1行程を駆動させる間に発生する凝縮水を全て蓄え得る位置にドレン水位センサーが取り付けられるため、作動中に凝縮水があふれたりドレンタンクを排水しなければならないという問題を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】衣類処理装置の一例を示す斜視図である。
図2】サイクルアセンブリの一例を示す分解斜視図である。
図3】サイクルアセンブリの一例を示す斜視図である。
図4】給水タンクの一例を示す分解斜視図である。
図5】給水タンクの一例を示す部分分解斜視図である。
図6】チェックアセンブリの一例を示す断面斜視図である。
図7】給水タンクの一例を示す側断面図である。
図8】ドレンタンクの一例を示す斜視図である。
図9】ドレンタンクの一例を示す部分分解斜視図である。
図10】ドレンタンクの一例を示す側断面図である。
図11】衣類処理装置の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、衣類処理装置の一例を説明し、図2及び図3は、サイクルアセンブリの一例を説明し、図4図5及び図7は、給水タンクの一例を説明し、図6は、チェックアセンブリの一例を説明し、図8図9及び図10は、ドレンタンクの一例を説明する。
【0024】
いくつかの実施例において、衣類処理装置は、ケース10と、ケース10の前面を開閉するドア20を含む。
【0025】
ケース10の内部は分離板11によって上下に区画される。分離板11の上側に衣類の掛けられる処理チャンバー12が形成される。分離板11の下側に機械装置が設置されるサイクルチャンバー14が形成される。
【0026】
処理チャンバー12には衣類が掛けられ、スチーム又は空気の循環などによって衣類のシワを除去したり匂いを取る。
【0027】
サイクルチャンバー14には、処理チャンバー12内の空気を循環させる送風ユニット30と、処理チャンバー12にスチームを提供するスチームユニット40と、処理チャンバー12の空気を調和、例えば、冷却、加熱、又は除湿するヒートポンプユニット50と、各ユニット30,40,50を制御する制御ユニット60が設置される。
【0028】
送風ユニット30、スチームユニット40、ヒートポンプユニット50、制御ユニット60などのように、衣類処理装置の各行程を駆動させるための機械装置の組立体をいくつかの実施例ではサイクルアセンブリと定義する。
【0029】
送風ユニット30は、送風ファン32とインレットダクト34を含む。
【0030】
インレットダクト34は、送風ファン32の吸入側に設置され、処理チャンバー12内の空気を送風ファン32に案内する。
【0031】
送風ファン32は、ファンの回転によって空気を流動させ、処理チャンバー12から空気を吸入した後、ヒートポンプユニット50に吐き出す。
【0032】
スチームユニット40は、印加された電源によって発熱し、後述する給水タンク80から水が供給され、水を蒸気に変換させる。生成されたスチームは処理チャンバー12に吐き出される。
【0033】
いくつかの実施例では、ヒートポンプユニット50を通じて処理チャンバー12に流動するように流路が構成される。
【0034】
ヒートポンプユニット50は、圧縮機、凝縮機、蒸発器、膨脹バルブを含む冷凍サイクルで構成される。ヒートポンプユニット50は、作動モードによって処理チャンバー12の内部に冷却した空気又は加熱した空気を吐き出すことができる。
【0035】
いくつかの実施例では、ヒートポンプユニット50は、送風ユニット30から供給された空気から水分を取ることができる。
【0036】
サイクルチャンバー14の前方には、水の蓄えられるタンクモジュール70が設置される。タンクモジュール70は、スチームユニット40に水を供給する給水タンク80と、処理チャンバー12で生成された凝縮水を集めて蓄えるドレンタンク90を含む。
【0037】
給水タンク80の水は給水ポンプ45を通じてスチームユニット40に流動する。
【0038】
処理チャンバー12で生成された凝縮水は自重によって処理チャンバーの下側に流動した後、ドレンポンプ46を通じてドレンタンク90に流動する。ヒートポンプユニット50で生成された凝縮水もドレンポンプ46を通じてドレンタンク90に流動する。
【0039】
給水ポンプ45又はドレンポンプ46は、制御ユニット60によって制御される。
【0040】
いくつかの実施例では、インレットダクト34の前方側にタンクモジュールフレーム71が設置される。
【0041】
タンクモジュールフレーム71及びドア20との間にはタンク設置空間73が形成される。タンクモジュールフレーム71は分離板11と結合してサイクルチャンバー14を外部から分離させる。
【0042】
タンク設置空間73の前方側には給水タンク80又はドレンタンク90の少なくともいずれか一つと相互干渉するタンク支持バー75が設置される。
【0043】
タンク支持バー75は、給水タンク80又はドレンタンク90がタンク設置空間73で不意に分離されることを防止する。タンク支持バー75は、給水タンク80及びドレンタンク90の前方を支持する。
【0044】
これによって、ドア20の開閉時に給水タンク80及びドレンタンク90がタンク設置空間73から離脱することを抑制する。
【0045】
いくつかの実施例において給水タンク80の下端はタンク支持バー75の上端に置かれる。ドレンタンク90の下端はタンク支持バー75の上端に置かれる。
【0046】
給水タンク80又はドレンタンク90の少なくともいずれか一つにはタンク支持バー75と相互干渉するタンク支持端79が形成される。
【0047】
タンク支持端79は凹入して形成される。
【0048】
タンク支持端79によってタンク支持バー75及び給水タンク80の前面は連続した面を形成することができる。タンク支持端79によってタンク支持バー75及びドレンタンク90の前面は連続した面を形成することができる。
【0049】
給水タンク80及びドレンタンク90はタンク設置空間73に配置され、左右に並列配置される。給水タンク80及びドレンタンク90はドア20の開放時にユーザに露出される。
【0050】
給水タンク80及びドレンタンク90をユーザが引き出すことができる。
【0051】
給水タンク80及びドレンタンク90はタンクモジュールフレーム71から分離可能である。給水タンク80及びドレンタンク90はタンク設置空間73で脱着可能である。
【0052】
給水タンク80はスチームユニット40に連結されて水を供給し、ドレンタンク90は処理チャンバー12に連結され、処理チャンバー12又はヒートポンプユニット50から流入した水が蓄えられる。
【0053】
給水タンク80は前面が開口して形成されたタンクボディー82と、タンクボディー82の前面に結合されるタンクカバー84と、タンクカバー84に結合される装飾カバー 86と、タンクボディー82に取り付けられ、スチームユニット40に連結された流路を開閉する給水チェックバルブ110と、タンクボディー82に蓄えられた水の水位を感知する給水水位センサー100を含む。
【0054】
タンクボディー82は前面が開口して形成され、内側に給水水位センサー100が配置される。
【0055】
タンクボディー82は背面側の上端がラウンド形状になっている。
【0056】
タンクボディー82は脱着の際に分離板11との干渉を最小化させる。
【0057】
ラウンド形状によってユーザは、下側に配置された給水タンク80を容易に引き出し及び引き込みすることができる。
【0058】
いくつかの実施例において、給水水位センサー100は、タンクボディー82の内部に設置され、水位によって上下方向に移動するフロータ102と、タンクボディー82に設置され、フロータ102が内部に配置されるフロータケース105と、タンクモジュールフレーム71に設置され、フロータ102を感知するセンサー104を含む。
【0059】
フロータ102にはマグネチックが配置され、センサー104はマグネチックの磁気力を感知する。
【0060】
センサー104は、タンクモジュールフレーム71の前面又は後面に設置することができる。
【0061】
センサー104は、タンクモジュールフレーム71を貫通して設置することができる。
【0062】
これによって、センサー104はサイクルチャンバー14、タンク設置空間73又はタンクモジュールフレーム71のいずれか一つに位置し得る。
【0063】
給水タンク80に設置されたフロータ102は、センサー104と同一線上に位置し、水位が低くなる時、センサー104より低い位置に移動する。これによって、センサー104がフロータ102を感知できなかった時、制御ユニット60は水不足信号を出力する。水不足信号が出力されても進行行程内ではスチームを十分に供給することができる。
【0064】
制御ユニット60はセンサー104を用いてフロータ102を常にセンシングしているため、給水タンク80が装着されたか否かを判断することができる。
【0065】
例えば、ユーザが給水タンク80を装着していないか、又は水が不足している場合、制御ユニット60は水不足信号を出力する。
【0066】
これによって、水不足信号が出力された状態でユーザが衣類処理装置を作動させると、制御ユニット60は作動を進行せず、水不足信号を出力して、ユーザに給水タンク80を確認させる。
【0067】
タンクボディー82の内側面には、フロータ102が設置されるフロータ設置部83が形成され、フロータケース105はフロータ設置部83に設置される。フロータ102は浮力によってフロータケース105に沿って上下方向に移動することができる。
【0068】
いくつかの実施例では、スチームを1行程供給できる最小限の水位にフロータ102が設置される。センサー104がフロータ102を感知して水不足に関する信号を制御ユニット60に伝達しても、スチームを少なくとも1行程供給することができる。
【0069】
すなわち、スチームの供給過程で水不足信号を感知しても行程を終了するまで十分のスチームを供給することができる。
【0070】
そして、フロータ102が内蔵されたフロータケース105は、タンクカバー84及びタンクボディー82のDSI(Die Slide Injection)工程時にインサートして製作される。
【0071】
ダイスライドインジェクション(Die Slide Injection;DSI)は中空成形や薄板製品を成形するためのものである。このDSI工程を用いた製品製作は、射出成形後に接着や組立のような後工程が不要であり、中空成形やガス成形に比べて壁の厚さを調節しやすく、表面形状や寸法正確度に卓越しており、二重射出や中空成形に代えてDSIを行うことができるという利点がある。
【0072】
ここで、タンクボディー82及びタンクカバー84はDSI工法で製作され、製作過程で内部にフロータケース105がインサート射出される。タンクボディー82及びタンクカバー84の境界は製作時に結合して一体化する。
【0073】
タンクカバー84には水の高さを確認できるようにウィンドウ85が配置され、ユーザが手を入れて握ることができるように凹んで形成された取っ手部87が設けられる。
【0074】
取っ手部87はタンクカバー84の前面から後方側に凹んで形成される。
【0075】
タンクカバー84の内側面にはセンサー固定部88が形成される。センサー固定部88はタンクカバー84の内側面から突出する。センサー固定部88はタンクカバー84及びタンクボディー82の結合時にフロータケース105に密着される。
【0076】
センサー固定部88がフロータケース105に密着されるため、フロータケース105はフロータ設置部83からの離脱が防止される。
【0077】
センサー固定部88は、タンクカバー84と一体に製作することができる。
【0078】
装飾カバー86はタンクカバー84の前面をカバーする形状に形成され、タンクカバー84と対応する形状に形成される。
【0079】
タンクボディー82の上側にはウォーターホール81が形成され、ウォーターホール81を開閉するウォーターホールカバー89が配置される。
【0080】
ウォーターホールカバー89は、弾性を有する柔軟な材質で形成され、一端がタンクボディー82に固定され、他端はユーザの操作力によって曲がりながらウォーターホール81を開閉することができる。
【0081】
給水チェックバルブ110は、タンクボディー82の下側に形成されたチェックバルブホール111と、チェックバルブホール111に結合されてタンクボディー82内部の水を断続するチェックアセンブリ112を含む。
【0082】
チェックアセンブリ112はチェックバルブホール111と結合し、内部に水が流動するようにチェック流路114が形成されたチェックハウジング113と、チェックハウジング113に配置されてチェック流路114を開閉するバルブ115と、バルブ115とタンクボディー82との間に配置され、バルブ115に弾性力を提供するチェック弾性部材116を含む。
【0083】
バルブ115は小径側が下側に突出しており、タンクモジュールフレーム71に置かれる時に押し付けられて上側に移動することができる。この時、バルブ115の移動によってチェック流路114が開放される。給水タンク80がタンクモジュールフレーム71から分離されると、チェック弾性部材116の弾性力によってチェック流路114が閉鎖される。
【0084】
ドレンタンク90は給水タンク80と機能的に同一である。ドレンタンク90は給水タンク80の横に並んで配置される。
【0085】
ドレンタンク90は、給水タンク80とは違い、ドレンチェックバルブ120が下側ではなく背面側に設置される。
【0086】
給水タンク80はウォーターホール81を通って水が供給され、給水チェックバルブ110を通して水を排出させる。ドレンタンク90はドレンチェックバルブ120を通って凝縮水が供給され、ウォーターホール81を通して凝縮水を排出させることができる。
【0087】
すなわち、ドレンタンク90のドレンチェックバルブ120は、凝縮水が排出されるための流路ではなく凝縮水が供給されるための流路上に配置することができる。
【0088】
いくつかの実施例において、ウォーターホール81を通って凝縮水がドレンタンク90の内部に落下する構造に製作してもよい。また、ドレンチェックバルブ120を通って凝縮水が自動で排出されるように製作してもよい。
【0089】
処理チャンバー12で生成された凝縮水及びヒートポンプユニット50で生成された凝縮水はドレンタンク90に蓄えられる。
【0090】
ドレンタンク90の内部にはフロータケース105が設置されるフロータ設置部93が形成される。
【0091】
フロータ設置部93は1行程で発生する凝縮水を蓄えても水があふれない高さに位置することが好ましい。
【0092】
すなわち、1行程で発生する凝縮水が全てドレンタンク90に蓄えられてもあふれない位置にフロータ設置部93が位置する。
【0093】
これによって、作動中にドレンタンク90のドレン水位センサー101で信号を感知しても、さらに蓄えられる凝縮水によってドレンタンク90の水があふれない。
【0094】
ドレンタンク90のドレン水位センサー101は給水タンク80の給水水位センサー100より高く位置する。
【0095】
ドレンタンク90のドレン水位センサー101は、給水タンク80の給水水位センサー100と同じ構成を有する。ただし、作動方式は給水タンク80と異なる。
【0096】
例えば、ドレンタンク90のセンサー104はフロート102を感知していないが、凝縮水の水位が上昇すると、浮力によって上昇したフロート102を感知する。
【0097】
ドレンタンク90のセンサー104がフロート102を感知すると、制御ユニット60が水排出信号を出力する。水排出信号が出力されても、進行される行程内では凝縮水のあふれが発生しない。
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