特許第6829410号(P6829410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6829410
(24)【登録日】2021年1月26日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】スピーカ装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/00 20060101AFI20210128BHJP
   H04R 1/32 20060101ALI20210128BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20210128BHJP
【FI】
   H04R1/00 311
   H04R1/32 310A
   H04N5/225
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-179811(P2020-179811)
(22)【出願日】2020年10月27日
【審査請求日】2020年11月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 園昌
(72)【発明者】
【氏名】石田 義春
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 誠
【審査官】 堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6767664(JP,B1)
【文献】 特開2008−190766(JP,A)
【文献】 特開平09−205694(JP,A)
【文献】 特開平10−096845(JP,A)
【文献】 特開2019−203976(JP,A)
【文献】 特開2018−182124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00
H04N 5/225
H04R 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容室と、前記収容室と通じた開口部と、が設けられた支持部と、
音を放射する音放射部を有し、回転中心軸回りに回転可能に前記支持部に支持された回転部と、
前記開口部を通るとともに前記収容室と前記音放射部とに亘って設けられたケーブルと、
前記開口部に設けられ、塵を捕捉可能であり、前記開口部内において前記回転中心軸の周方向へ移動する前記ケーブルに押されることにより弾性変形する防塵部と、
を備えたスピーカ装置。
【請求項2】
前記防塵部は、導電性を有した、請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記支持部は、
ケースと、
前記ケースに一部が収容されたシャフトと、
前記シャフトを前記回転中心軸回りに回転可能に支持した軸受と、
導電性を有し、前記軸受を支持した軸受ホルダと、
を備え、
前記開口部は、前記ケースと前記軸受ホルダの間に設けられ、
前記防塵部は、前記軸受ホルダに支持された、請求項1または2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記防塵部は、ブラシである、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記防塵部は、複数の帯状のシートを有した、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載のスピーカ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、店舗の天井等に設置されるスピーカ装置がある。この種のスピーカ装置として、天井に取り付けられる支持部と、音放射部を有し回転可能に支持部に支持された回転部と、支持部と音声放射部とに亘って設けられたケーブルと、を備えたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020−129821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のスピーカ装置の支持部には、ケーブルが通る開口部が設けられており、開口部から支持部の内部に塵が入る場合がある。そこで、支持部の内部に塵が入るのが抑制されやすい新規な構成のスピーカ装置が得られれば有益である。
【0005】
本発明の課題の一つは、支持部の内部に塵が入るのが抑制されやすい新規な構成のスピーカ装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様にかかるスピーカ装置は、収容室と、前記収容室と通じた開口部と、が設けられた支持部と、音を放射する音放射部を有し、回転中心軸回りに回転可能に前記支持部に支持された回転部と、前記開口部を通るとともに前記収容室と前記音放射部とに亘って設けられたケーブルと、前記開口部に設けられ、塵を捕捉可能であり、前記開口部内において前記回転中心軸の周方向へ移動する前記ケーブルに押されることにより弾性変形する防塵部と、を備える。
【0007】
前記スピーカ装置では、例えば、前記防塵部は、導電性を有する。
【0008】
前記スピーカ装置では、例えば、前記支持部は、ケースと、前記ケースに一部が収容されたシャフトと、前記シャフトを前記回転中心軸回りに回転可能に支持した軸受と、導電性を有し、前記軸受を支持した軸受ホルダと、を備え、前記開口部は、前記ケースと前記軸受ホルダの間に設けられ、前記防塵部は、前記軸受ホルダに支持されている。
【0009】
前記スピーカ装置では、例えば、前記防塵部は、ブラシである。
【0010】
前記スピーカ装置では、例えば、前記防塵部は、複数の帯状のシートを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記態様によれば、支持部の内部に塵が入るのが抑制されやすい新規な構成のスピーカ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第一の実施形態のスピーカ装置の上側からの例示的な斜視図である。
図2図2は、第一の実施形態のスピーカ装置の例示的な側面図である。
図3図3は、第一の実施形態のスピーカ装置の下側からの例示的な斜視図である。
図4図4は、第一の実施形態のスピーカ装置の例示的な断面図である。
図5図5は、第一の実施形態のスピーカ装置の一部の例示的な断面図である。
図6図6は、第一の実施形態のスピーカ装置の内部構成の例示的な斜視図である。
図7図7は、第一の実施形態のスピーカ装置の一部の例示的な断面図である。
図8図8は、第一の実施形態のスピーカ装置の一部の例示的に断面図であって、防塵部の図示が省略された図である。
図9図9は、第一の実施形態のスピーカ装置における軸受、軸受ホルダ、および防塵部の例示的な斜視図である。
図10図10は、第一の実施形態のスピーカ装置の一部の例示的な断面図であって、回転部が水平位置に対して回転した状態の図である。
図11図11は、第二の実施形態のスピーカ装置における軸受、軸受ホルダ、および防塵部の例示的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0014】
また、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。
【0015】
<第一の実施形態>
図1は、本実施形態のスピーカ装置1の上側からの例示的な斜視図である。図2は、本実施形態のスピーカ装置1の例示的な側面図である。図3は、第一の実施形態のスピーカ装置1の下側からの例示的な斜視図である。
【0016】
図1図3に示されるように、スピーカ装置1は、固定部10と、駆動部50と、音を放射する回転部90と、を備える。固定部10は、天井面等の設置壁2(図2)に固定される。固定部10と駆動部50とは、回転部90を支持する支持部5を構成している。支持部5は、回転部90を回転中心軸Ax1回りおよび回転中心軸Ax2回りにそれぞれ規定の角度範囲内で回転可能に支持している。回転中心軸Ax1は、設置壁2と交差(一例として直交)する。回転中心軸Ax2は、回転中心軸Ax1と交差(一例として直交)する。設置壁2は設置部や設置対象部とも称される。
【0017】
図4は、第一の実施形態のスピーカ装置1の例示的な断面図である。
【0018】
図4に示されるように、固定部10は、ケース11と、複数の結合具12と、基板装置13と、を有する。
【0019】
ケース11は、複数のケース部材14〜16の組み合わせによって構成されている。ケース部材14は、底壁14aと、底壁14aの外周部から上方に延びた円筒部14bと、を有する。ケース部材14は、例えば合成樹脂材料によって構成されている。ケース部材15は、円筒部14bの上端部の開口部を塞ぐように配置されている。ケース部材16は、ケース部材15の下側に配置されている。ケース部材16は、ネジ等の結合具17によって、ケース部材15に固定されている。また、ケース部材16は、底壁14aの上側で底壁14aに重ねられ、底壁14aに固定されている。ケース部材15,16および結合具17は、例えば、鉄等の導電性材料によって構成されている。ケース11には、収容室11aが設けられている。収容室11aは、ケース部材14〜16によって囲まれている。
【0020】
結合具12は、ケース部材15に固定されるとともに、ケース部材15から上方に突出している。結合具12は、例えば、ボルトであり、設置壁2に設けられるナットと結合する。結合具12は、例えば金属等の導電性材料によって構成されている。
【0021】
基板装置13は、収容室11aに収容されている。基板装置13は、基板18と、基板18に実装された複数の電子部品19と、基板18に実装されたコネクタ20と、を有する。コネクタ20は、外部コネクタ(不図示)と結合可能である。コネクタ20には、例えば、外部コネクタから音データ等の電気信号が入力される。
【0022】
図5は、第一の実施形態のスピーカ装置1の一部の例示的な断面図である。図6は、第一の実施形態のスピーカ装置1の内部構成の例示的な斜視図である。
【0023】
図1、および図4図6に示されるように、駆動部50は、ケース51と、フレーム52と、二つの回転機構53,54と、を有する。
【0024】
図1および図4に示されるように、ケース51は、ベース51aと、二つの突出部51b,51cとを有する。ベース51aは、回転中心軸Ax1回りに筒状に形成されている。二つの突出部51b,51cは、ベース51aから下方に延びている。二つの突出部51b,51cは、回転中心軸Ax2の軸方向に離間している。ケース51は、例えば、合成樹脂材料によって構成されている。
【0025】
ケース51には、二つの突出部51b,51cの間に溝部51dが設けられている。溝部51dは、ベース51aに含まれる底壁51aaの外面51abと、突出部51bに含まれる壁51baの外面51bbと、突出部51cに含まれる壁51caの壁51cbと、よって形成されている。また、溝部51dには、開口部51h(貫通孔)が形成されている。開口部51hは、底壁51aaと壁51baと壁51caとを貫通している。
【0026】
また、ケース51の内部には、収容室51eが設けられている。収容室51eは、ベース51aと突出部51bと突出部51cとに亘って設けられている。収容室51eは、収容室11aとともに支持部5の収容室5aを構成している。
【0027】
図4および図5に示されるように、フレーム52は、収容室51eに収容されている。フレーム52は、ケース部材14の底壁14aに固定されている。図4図6に示されるように、フレーム52は、複数のフレーム部材55,56の組み合わせによって構成されている。複数のフレーム部材55,56は、互いに固定されている。各フレーム部材55,56は、鉄等の導電性材料によって構成されている。すなわち、フレーム52は、導電性を有する。
【0028】
図4および図5に示されるように、回転機構53は、収容室51eに収容されている。図4図6に示されるように、回転機構53は、シャフト60と、モータ61と、ギヤ機構62と、軸受63と、を有する。
【0029】
シャフト60は、軸受63によって、フレーム52ひいては固定部10に対して回転中心軸Ax1回りに回転可能に支持されている。軸受63は、フレーム52に支持されている。モータ61は、フレーム52に支持されている。ギヤ機構62は、シャフト60に固定された傘歯車64と、モータ61の回転軸に固定され、傘歯車64と噛み合う傘歯車65と、を有する。ギヤ機構62は、モータ61の回転運動をシャフト60の回転運動に変換する。
【0030】
シャフト60の下端部には、固定部材57を介して支持部材58が固定されている。支持部材58は、ケース51および回転機構53を支持している。また、支持部材58は、回転機構53を介して回転部90を支持している。固定部材57、支持部材58、ケース51、回転機構53、および回転部90は、シャフト60と一体となって回転中心軸Ax1回りに回転する。固定部材57および支持部材58は、例えば金属などの導電性材料によって構成されている。
【0031】
上記構成の回転機構53では、モータ61の動力によってシャフト60が回転する。シャフト60の回転により、ケース51、回転機構53、および回転部90が回転中心軸Ax1回りに回転する。
【0032】
上記のシャフト60の回転は、ロックピン66によってロックすることができる。ロックピン66は、ケース51に設けられた孔に入れられるとともに固定部10のケース部材16に設けられた孔16aに挿入されることにより、ケース51ひいてはシャフト60の回転を制限する。ロックピン66が孔16aから外された状態では、シャフト60、ケース51、回転機構53、および回転部90が回転中心軸Ax1回りに回転可能である。
【0033】
図4図6に示されるように、回転機構54は、シャフト68と、モータ69と、軸受70,71と、軸受ホルダ72、73と、を有する。
【0034】
シャフト68は、軸受70,71によって、支持部材58ひいてはケース51、フレーム52、および固定部10に対して回転中心軸Ax2回りに回転可能に支持されている。シャフト60の軸方向の両端部は、収容室51eに収容され、シャフト60の中間部、詳細には軸受70と軸受71との間のシャフト60は、ケース51の外側に位置されている。軸受70と軸受71との間のシャフト60には、回転部90が固定されている。これにより、シャフト60と回転部90とが、一体となって、回転中心軸Ax2回りに回転する。シャフト68は、例えば、金属等の導電性材料によって構成されている。
【0035】
軸受70,71は、軸受ホルダ72,73を介して支持部材58に支持されている。軸受ホルダ72の詳細は後述する。モータ69は、支持部材58に支持されている。
【0036】
上記構成の回転機構53では、モータ69の動力によってシャフト68が回転する。シャフト68の回転により、回転部90が回転中心軸Ax2回りに回転する。
【0037】
図7は、本実施形態のスピーカ装置1の一部の例示的な断面図である。図8は、第一の実施形態のスピーカ装置1の一部の例示的に断面図であって、防塵部75の図示が省略された図である。
【0038】
図7および図8に示されるように、軸受ホルダ72は、溝部51dに設けられた開口部51hに少なくとも一部が位置されている。軸受ホルダ72と、突出部51bとの間には、開口部50aが設けられている。開口部50aは、開口部51hに含まれる。開口部50aは、収容室5aと通じている。
【0039】
図9は、第一の実施形態のスピーカ装置1における軸受70、軸受ホルダ72、および防塵部75の例示的な斜視図である。
【0040】
図9に示されるように、軸受ホルダ72は、ベース72aと、ベース72aから下方に突出した半円状部72bと、を有する。半円状部72bは、ベース72aの中央部から下方に突出している。これにより、ベース72aは、半円状部72bに対して突出した突出部72dが形成されている。軸受ホルダ72は、例えば、金属等の導電性材料によって構成されている。
【0041】
突出部72dの下面72daと、半円状部72bの外周面72baとは、開口部50aに面している。これらの下面72daおよび外周面72baと、突出部51bにおける開口部51hの縁部(縁面)とは、開口部50aを形成している。
【0042】
軸受ホルダ72には、軸受70が嵌められた貫通孔72cが設けられている。
【0043】
また、半円状部72bには、防塵部75が設けられて、開口部50aに位置している。換言すると、防塵部75は、開口部50aに設けられている。防塵部75は、開口部50aを部分的に塞ぐように設けられている。
【0044】
防塵部75は、ブラシである。詳細には、防塵部75は、複数の毛束76を有する。毛束76は、複数の毛76aを有する。複数の毛束76は、半円状部72bの外周面72baにおいて回転中心軸Ax2回りに並べられている。複数の毛束76は、半円状部72bの外周面72baから突出している。毛束76の基端部は、半円状部72bに固定され、毛束76の先端部は、固定されていない。すなわち、毛76aが軸受ホルダ72に植毛されている。毛76aは、鉄等の導電性材料を含み、導電性を有する。また、毛76aは、単一または複数の材料によって構成されうる。なお、毛76aは、合成樹脂材料で構成されていてもよいし、動物の毛であってもよい。毛76aおよび毛束76は、弾性変形可能である。すなわち、防塵部75は、弾性変形可能である。別の言い方をすると、防塵部75は、柔軟性を有する。防塵部75は、開口部50aを通過しようとする塵を捕捉可能である。換言すると、防塵部75には、塵が付着する。防塵部75は、除電ブラシとも称される。塵は、異物とも称される。
【0045】
図4に示されるように、回転部90は、ケース91と、支柱92、音放射部99と、を有する。
【0046】
ケース91は、複数のケース部材94〜96の組み合わせによって構成されている。ケース部材94は、円筒状に形成されている。ケース部材95は、ケース部材94の上端部の開口部を塞ぎ、ケース部材96は、ケース部材96の下端部の開口部を塞いでいる。複数のケース部材94〜96は、互いに固定されている。
【0047】
支柱92は、ケース部材95に固定され、ケース部材95から上方に突出している。支柱92は、筒状に形成されている。
【0048】
音放射部99は、ケース91内に収容されている。音放射部99は、電気信号を音に変換する変換素子である複数のスピーカ素子93を有する。音放射部99には、ケーブル80によって電気信号が入力される。音放射部99は、音出力部とも称される。
【0049】
図4および図5に示されるように、ケーブル80は、開口部50aを通るとともに収容室5aと音放射部99とに亘って設けられている。ケーブル80は、例えば基板装置13に電気的に接続されている。また、ケーブル80は、支柱92の内側を通って音放射部99に接続されている。ケーブル80は、支柱92に取り付けられた環状の保護部材98を通って、支柱92の内外に延びる。保護部材98は、支柱92に設けられた貫通孔に嵌められている。すなわち、ケーブル80は、支柱92の貫通孔を通る。保護部材98は、例えば合成樹脂材料やエラストマ等によって構成されている。
【0050】
図10は、第一の実施形態のスピーカ装置1の一部の例示的な断面図であって、回転部90が水平位置に対して回転した状態の図である。
【0051】
上記構成のスピーカ装置1では、図7および図10に示されるように、回転部90が支持部5に対して回転中心軸Ax2回りに回転可能である。回転部90が支持部5に対して回転中心軸Ax2回りに回転した場合、開口部50a内においてケーブル80が回転中心軸Ax2の周方向へ移動する。このとき、防塵部75の毛束76は、ケーブル80に押されることにより弾性変形する。すなわち、防塵部75は、開口部50a内におけるケーブル80の回転中心軸Ax2の周方向への移動を許容する。
【0052】
以上のように、本実施形態では、スピーカ装置1は、支持部5と、回転部90と、ケーブル80と、防塵部75と、を備える。支持部5には、収容室5aと、収容室5aと通じた開口部50aと、が設けられている。回転部90は、音を放射する音放射部99を有し、回転中心軸Ax2回りに回転可能に支持部5に支持されている。ケーブル80は、開口部50aを通るとともに収容室5aと音放射部99とに亘って設けられている。防塵部75は、開口部50aに設けられ、塵を捕捉可能である。防塵部75は、開口部50a内において回転中心軸Ax2の周方向へ移動するケーブル80に押されることにより弾性変形する。
【0053】
このような構成によれば、開口部50aに設けられた防塵部75が塵を捕捉するので、塵が開口部50aから支持体の内部(収容室5a)に入るのが抑制されやすい。よって、収容室5aが汚れるのを抑制しやすい。
【0054】
また、本実施形態では、防塵部75は、導電性を有する。
【0055】
このような構成によれば、例えば、ケーブル80の静電気が防塵部75に流れやすい。
【0056】
また、本実施形態では、支持部5は、ケース51と、ケース51に一部が収容されたシャフト68と、シャフト68を回転中心軸Ax2回りに回転可能に支持した軸受70と、導電性を有し、軸受70を支持した軸受ホルダ72と、を備える。開口部50aは、ケース51と軸受ホルダ72の間に設けられている。防塵部75は、軸受ホルダ72に支持されている。
【0057】
このような構成によれば、例えば、ケーブル80の静電気が、防塵部75を介して軸受ホルダ72に流れやすい。ここで、本実施形態では、ケーブル80の静電気は、防塵部75、軸受ホルダ72、軸受70、支持部材58、固定部材57、シャフト60、軸受63、フレーム52、ケース部材16、結合具17、およびケース部材15を介して、結合具12に流れる。これにより、ケーブル80の静電気等のノイズをスピーカ装置1の外部に流すことができる。よって、基板装置13に静電気等のノイズが伝わるのを抑制することができる。ここで、フレーム52とケース部材16とは、電気的に接続されている。
【0058】
また、本実施形態では、防塵部75は、ブラシである。
【0059】
このような構成によれば、例えば、防塵部75の見た目を向上させやすい。すなわち、スピーカ装置1の美観を向上させやすい。
【0060】
<第二の実施形態>
図11は、第二の実施形態のスピーカ装置1における軸受70、軸受ホルダ72、および防塵部75の例示的な斜視図である。
【0061】
本実施形態のスピーカ装置1は、第一の実施形態のスピーカ装置1と同様の構成を有する。ただし、図11に示されるように、本実施形態のスピーカ装置1は、防塵部75に替えて防塵部75Aを備える。
【0062】
防塵部75Aは、帯状の複数のシート76Aを有する。複数のシート76Aは、半円状部72bの外周面72baにおいて回転中心軸Ax2回りに並べられている。複数のシート76Aは、半円状部72bの外周面72baから突出している。シート76Aの基端部は、半円状部72bに固定され、シート76Aの先端部は、固定されていない。シート76Aは、鉄等の導電性材料を含み、導電性を有する。なお、シート76Aは、単一または複数の材料によって構成されうる。また、シート76Aは、合成樹脂材料で構成されていてもよい。シート76Aは、弾性変形可能である。すなわち、防塵部75Aは、弾性変形可能である。別の言い方をすると、防塵部75Aは、柔軟性を有する。防塵部75Aは、開口部50aを通過しようとする塵を捕捉可能である。換言すると、防塵部75Aには、塵が付着する。
【0063】
以上のように、本実施形態では、防塵部75Aは、複数の帯状のシート76Aを有する。
【0064】
このような構成によれば、防塵部75を比較的安価にしやすい。
【0065】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0066】
1…スピーカ装置、5…支持部、5a…収容室、50a…開口部、51…ケース、68…シャフト、70…軸受、72…軸受ホルダ、75,75A…防塵部、76A…シート、80…ケーブル、90…回転部、99…音放射部、Ax2…回転中心軸。
【要約】      (修正有)
【課題】支持部の内部に塵が入るのが抑制されやすい新規な構成のスピーカ装置を提供する。
【解決手段】スピーカ装置1は、支持部と、回転部90と、防塵部75と、を備える。支持部には、収容室5aと、収容室と通じた開口部50aと、が設けられている。回転部は、音を放射する音放射部99を有し、回転中心軸Ax1回りに回転可能に支持部に支持されている。ケーブル80は、開口部を通るとともに収容室と音放射部とに亘って設けられている。防塵部は、開口部に設けられ、塵を捕捉可能であり、開口部内において回転中心軸の周方向へ移動するケーブルに押されることにより弾性変形する。
【選択図】図4
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