特許第6829481号(P6829481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6829481
(24)【登録日】2021年1月26日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】ダンパー開閉器
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/15 20060101AFI20210128BHJP
   A62C 2/16 20060101ALI20210128BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20210128BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20210128BHJP
【FI】
   F24F13/15 D
   A62C2/16
   F24F13/15 B
   F24F7/007 B
   F24F13/15 C
   F24F11/74
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-518556(P2018-518556)
(86)(22)【出願日】2016年6月17日
(65)【公表番号】特表2018-524552(P2018-524552A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】KR2016006496
(87)【国際公開番号】WO2016204582
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2019年6月17日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0086859
(32)【優先日】2015年6月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517442982
【氏名又は名称】ミドイーエヌシー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ビョン キュ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジュ ファン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ビョン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドン ボム
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−064051(JP,U)
【文献】 韓国登録特許第10−1009856(KR,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2007−0013513(KR,A)
【文献】 特開2000−065231(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2010−0122989(KR,A)
【文献】 特開平05−277200(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0071818(KR,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1205976(KR,B1)
【文献】 韓国登録実用新案第20−0473282(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/15
A62C 2/16
F24F 7/007
F24F 11/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンパーの複数個のブレードを開閉させるダンパー開閉器において、
前記ダンパーのダンパー軸が取り付けられ、前記ダンパー軸と共に回転する回転部;
前記回転部を回転させるための動力を提供する駆動部;および
前記ブレードの閉鎖動作時、前記駆動部にかかる負荷を測定し、測定された負荷が予め設定された値以上であれば、前記駆動部に供給される電力を遮断する制御部を含み、
前記回転部は、前記ダンパー軸が挿入される挿入孔が形成される回転軸;および、前記回転軸の周りに結合される回転プレートを含み、
前記ダンパー軸を前記回転軸に対して固定するためのクランプをさらに含み、前記クランプは、前記回転軸の一端部に締結されるクランピング治具;および、前記クランピング治具に取り付けられ、前記回転軸を前記クランピング治具に対して固定するクランピング環を含み、
前記クランプは、前記クランピング治具が前記回転軸から抜けないように前記クランピング治具を前記回転軸に対して固定するスナップリングをさらに含み、前記回転軸の一端部には、前記回転軸の長手方向に引き入れられる治具溝、および前記回転軸の中心方向に引き入れられるスナップリング溝が形成され、前記クランピング治具は、前記回転軸の周りを取り囲む環状部、および前記環状部の内側に突出して前記治具溝に安着する治具突起を含み、
前記スナップリングは、前記クランピング治具が前記回転軸の一端部に安着した状態で前記スナップリング溝に挿入されることを特徴とする、ダンパー開閉器。
【請求項2】
前記制御部は、前記ブレードの閉鎖動作時、前記駆動部にかかる負荷が前記予め設定された値未満であれば、前記駆動部に供給される電力を持続的に維持することを特徴とする、請求項1に記載のダンパー開閉器。
【請求項3】
前記駆動部にかかる負荷は、前記駆動部で消耗される電流の大きさを示し、前記予め設定された値は、前記駆動部の最大許容電流の大きさに対する一定割合に設定されることを特徴とする、請求項1に記載のダンパー開閉器。
【請求項4】
前記回転軸を挟んで両側に位置する一対の光センサを構成されるセンサ部をさらに含み、
前記回転軸には、前記挿入孔と交差する方向に貫通孔が形成され、
前記センサ部は、前記貫通孔が前記一対の光センサと並んで配置されると電気的な信号を生成し、
前記制御部は、前記センサ部から前記電気的な信号を受信すると前記駆動部に供給される電力を遮断することを特徴とする、請求項に記載のダンパー開閉器。
【請求項5】
前記回転軸に前記ダンパー軸が挿入されて前記貫通孔が塞がると、前記貫通孔が前記一対の光センサと並んで配置されても電気的な信号を生成しないことを特徴とする、請求項に記載のダンパー開閉器。
【請求項6】
前記回転プレートの回転軌跡上に位置し、前記ブレードの開放動作時、前記回転プレートの一端部と接触すると電気的な信号を生成するリミットスイッチをさらに含み、
前記制御部は、前記ブレードの開放動作時、前記リミットスイッチから前記電気的な信号を受信すると前記駆動部に供給される電力を遮断することを特徴とする、請求項に記載のダンパー開閉器。
【請求項7】
請求項1によるダンパー開閉器を含むことを特徴とする、ダンパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日常で空気調和用に用いられる空調ダンパー、火災状況で消防用に用いられる排煙ダンパーなどのダンパーに取り付けられ、ダンパーのブレードを自動で開閉させるためのダンパー開閉器に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、通常の除煙システムを概略的に示した系統図である。
【0003】
図1に示されたように、一般に、建物内部には、火災発生時に非常通路や階段のような避難区域に煙や有毒ガスなどが拡散することを防止するために、除煙設備システム1が設けられる。このとき、除煙設備システム1は、消火活動設備の一つであって、火災時に発生した煙および有毒ガスを効果的に排出させ、消火活動に障害となる煙を除去する設備システムをいう。このような除煙設備システム1は、排煙送風機3、給気送風機4、排煙ダクト5、給気ダクト6、排煙ダンパー10、給気ダンパー20の他にも、排出器、防火ダンパー、空気流入口などで構成されている。
【0004】
特に、既存の除煙設備システム1の構成のうち排煙ダンパー10は、煙排出のための空気通路である排煙ダクト5に連結され、高層ビルやアパートの非常階段やエレベーター前室などに設けられ、火災時に発生する煙を排煙送風機3により外部に排出させて、火災の初期鎮圧、燃焼拡大、人命被害などを予防または防止するために重要な役割をする。
【0005】
火災の発生時、火災区域Aの排煙ダンパー10のブレード(羽根)を開放して排煙送風機3により煙を外部に排出しなければならないが、このためには、火災区域Aの排煙ダンパー10だけが開放されていなければならない。言い換えれば、非火災区域Bに設けられた排煙ダンパー10のブレードは完全な閉鎖状態を維持しなければならない。即ち、非火災区域Bで排煙ダンパー10のブレードが完全に気密な状態を維持して初めて排煙送風機3が火災区域A内の煙および有害ガスを吸い込んで円滑に建物の外部に排出できるからである。
【0006】
図2は、通常の排煙ダンパーのブレードの構造を説明するための概略図である。
【0007】
図2に示されたように、上述したような用途に用いられる排煙ダンパー10は、ブレード11の配列構造が水平に構成されている。より具体的に、排煙ダンパー10は、多数個のブレード11の両端がブレード11間に互いに噛み合うように(ヒンジ式)凹に形成されており、そこで、連結ヒンジ17が形成された連結リンク台19により中央のダンパー軸13が回転すれば、残りのブレード11と連結された連結ヒンジ17によって回転支持軸15がともに回転するようになる構造である。即ち、排煙ダンパー10は、中央のダンパー軸13が回転する場合、まるでドミノ現象のように、連結リンク台19上で中央のダンパー軸13と連結された連結ヒンジ17により連鎖的に左右の残りの連結ヒンジ17が動き、排煙ダンパー10のブレード11の開閉を調節するように構成されている。
【0008】
ところが、このような原理で作動する排煙ダンパー10は、排煙ダンパー10の中央のダンパー軸13がダンパー開閉器100内に取り付けられ、多数個のブレード11を気密に閉鎖状態で固定させて排煙ダクト5に設けた後に、初期電源投入時、排煙ダンパー10に取り付けられたダンパー開閉器100により回転運動することとなる。このとき、ブレード11が開いてから閉じられながら排煙ダンパー10の構造の特性上および使用上発生するブレード11漏気隙間の欠陥によりブレード11間の閉鎖状態が正確になされず、建物内の除煙設備が正しく作動できない実情である。
【0009】
また、排煙ダンパー10の中央のダンパー軸13と回転支持軸15との間の距離が離れるほど、回転支持軸15と連結された複数個のブレード11を中央のダンパー軸13の動きだけで調節するには困難があり、排煙ダンパー10自体の機械的な遊隔が生じて根源的に3〜5%の漏気隙間を持つようになる問題点がある。
【0010】
一方、前記のような問題点は、火災状況で消防用に用いられる排煙ダンパーあるいは除煙ダンパーにのみ限定されるものではなく、日常で空気調和用に用いられる空調ダンパーあるいは空気調和用ダンパーを含めてブレード開閉構造を有する様々な種類のダンパーで発生するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国登録実用新案第20−0423332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、ブレード開閉構造を有するダンパーに取り付けられ、ダンパーのブレード間の隙間を充実に遮蔽して気密性を維持するダンパー開閉器およびそれを含むダンパーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的は、本発明によって、ダンパーの複数個のブレードを開閉させるダンパー開閉器において、前記ダンパーのダンパー軸が取り付けられ、前記ダンパー軸と共に回転する回転部;前記回転部を回転させるための動力を提供する駆動部;および、前記ブレードの閉鎖動作時、前記駆動部にかかる負荷を測定し、測定された負荷が予め設定された値以上であれば、前記駆動部に供給される電力を遮断する制御部を含むことを特徴とするダンパー開閉器およびそれを含むダンパーにより達成される。
【0014】
好ましくは、前記制御部は、前記ブレードの閉鎖動作時、前記駆動部にかかる負荷が前記予め設定された値未満であれば、前記駆動部に供給される電力を持続的に維持する。
【0015】
好ましくは、前記駆動部にかかる負荷は、前記駆動部で消耗される電流の大きさを示し、前記予め設定された値は、前記駆動部の最大許容電流の大きさに対する一定割合に設定される。
【0016】
好ましくは、前記回転部は、前記ダンパー軸が挿入される挿入孔が形成される回転軸;および、前記回転軸の周りに結合される回転プレートを含む。
【0017】
好ましくは、前記ダンパー開閉器は、前記回転軸を挟んで両側に位置する一対の光センサを構成されるセンサ部をさらに含み、さらに好ましくは、前記回転軸には、前記挿入孔と交差する方向に貫通孔が形成され、前記センサ部は、前記貫通孔が前記一対の光センサと並んで配置されると電気的な信号を生成し、前記制御部は、前記センサ部から前記電気的な信号を受信すると前記駆動部に供給される電力を遮断する。
【0018】
好ましくは、前記回転軸に前記ダンパー軸が挿入されて前記貫通孔が塞がると、前記貫通孔が前記一対の光センサと並んで配置されても電気的な信号を生成しない。
【0019】
好ましくは、前記ダンパー開閉器は、前記回転プレートの回転軌跡上に位置し、前記ブレードの開放動作時、前記回転プレートの一端部と接触すると電気的な信号を生成するリミットスイッチをさらに含み、前記制御部は、前記ブレードの開放動作時、前記リミットスイッチから前記電気的な信号を受信すると前記駆動部に供給される電力を遮断する。
【0020】
好ましくは、前記ダンパー開閉器は、前記ダンパー軸を前記回転軸に対して固定するためのクランプをさらに含み、さらに好ましくは、前記クランプは、前記回転軸の一端部に締結されるクランピング治具;および、前記クランピング治具に取り付けられ、前記回転軸を前記クランピング治具に対して固定するクランピング環を含む。
【0021】
好ましくは、前記クランプは、前記クランピング治具が前記回転軸から抜けないように前記クランピング治具を前記回転軸に対して固定するスナップリングをさらに含み、前記回転軸の一端部には、前記回転軸の長手方向に引き入れられる治具溝、および前記回転軸の中心方向に引き入れられるスナップリング溝が形成され、前記クランピング治具は、前記回転軸の周りを取り囲む環状部、および前記環状部の内側に突出して前記治具溝に安着する治具突起を含み、前記スナップリングは、前記クランピング治具が前記回転軸の一端部に安着した状態で前記スナップリング溝に挿入される。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、ブレードが閉鎖動作時、駆動部にかかる負荷が予め設定された値になるまでダンパー軸を回転させることで、ダンパーブレード間の漏気面積を最小化して気密性を高める効果がある。
【0023】
また、本発明は、ブレードが閉鎖動作時、駆動部に印加される負荷の最大値が予め設定された値以上である場合、駆動部に印加される駆動電流を遮断されるように設定されることで、過負荷によるモータの故障発生を防ぐだけでなく、不要な電力を消耗せずエネルギーを節減することができる。
【0024】
また、本発明は、ダンパー軸が取り付けられていない状態で光センサによりダンパーブレードの回転角度を制限することで、本発明のダンパー開閉器をダンパーに取り付ける前に本発明のダンパー開閉器の駆動状態または故障有無が予め分かり、製品の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】通常の除煙システムを概略的に示した系統図である。
図2】通常の排煙ダンパーのブレードの構造を説明するための概略図である。
図3】本発明の一実施例に係るダンパー開閉器が排煙ダンパーに設けられた状態を示す正面図である。
図4】本発明の一実施例に係るダンパー開閉器が排煙ダンパーに設けられた状態を示す背面図である。
図5】本発明の一実施例に係るダンパー開閉器の構成を説明するための構成図である。
図6】本発明の一実施例に係るダンパー開閉器の構成を説明するためのブロック図である。
図7】本発明の一実施例に係るダンパー開閉器の概略的な斜視図である。
図8】本発明の一実施例に係るダンパー開閉器をダンパーに取り付ける過程でダンパーの軸をダンパー開閉器の回転軸に固定するクランプを説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の利点および/または特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下において開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現され、単に、本実施例は、本発明の開示が完全なものとなるようにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0027】
以下においては、火災状況で消防用に用いられる排煙ダンパーに適用される本発明のダンパー開閉器を一実施例として説明する。ただ、本発明のダンパー開閉器は、排煙ダンパーあるいは除煙ダンパーにのみ適用されることに限定されず、日常で空気調和用に用いられる空調ダンパーあるいは空気調和用ダンパーを含めてブレード開閉構造を有する様々な種類のダンパーに適用され得ることはもちろんである。
【0028】
図3および図4は、本発明の一実施例に係るダンパー開閉器が排煙ダンパーに設けられた状態を示す正面図および背面図である。
【0029】
図3および図4に示されたように、本発明に係るダンパー開閉器100は、複数個のブレード11を開閉させるために排煙ダンパー10の一側に設けられ、排煙ダンパー10の中央に位置したダンパー軸13と連結され、ダンパー軸13を回転させてブレード11の開閉程度を調節することができる。
【0030】
また、本発明のダンパー開閉器100が排煙ダンパー10に取り付けられた場合、ブレード11間の作動原理を検討すると、本発明のダンパー開閉器100が中央のダンパー軸13を回転させてダンパー軸13と連結された連結ヒンジ17を動かすが、このとき、連結リンク台上に設けられた連結ヒンジ17同士で互いに連結されているので、ダンパー軸13と連結された連結ヒンジ17が一つだけ動いても残りの回転支持軸15と連結された連結ヒンジ17が引き続き動くように設けられており、多数個のブレード11が開くか、閉じられ得る。
【0031】
これは、排煙ダンパー10に本発明のダンパー開閉器100を一側に設けてダンパー軸13を回転するようにすることで、ブレード11間の隙間を完全に遮蔽し、火災によって発生した煙が非火災区域に拡散することを防止することができる。
【0032】
また、本発明のダンパー開閉器100は、火災発生時に生じる煙移動力(煙突効果、浮力、膨張、風など)から発生する圧力を考慮して排煙ダンパー10に適用され得る。
【0033】
このように、本発明に係るダンパー開閉器100により排煙ダンパー10のブレード11は開閉され得、火災区域A内の煙だけを排出できるように非火災区域B内のブレード11を完全に遮蔽するためのダンパー開閉器100の構成を以下において詳細に説明する。
【0034】
図5および図6は、本発明の一実施例に係るダンパー開閉器の構成を説明するための構成図およびブロック図である。
【0035】
本発明に係るダンパー開閉器100は、図5に示されたように、排煙ダンパー10のダンパー軸13に取り付けられ、ダンパー軸13と共に回転する回転部110と、回転部110を回転させるための動力を提供する駆動部120、およびブレード11の閉鎖動作時、駆動部120にかかる負荷を測定し、測定された負荷が予め設定された値以上であれば、駆動部120に供給される電力を遮断する制御部130を含むことができる。
【0036】
回転部110は、ブレード11の開放動作または閉鎖動作が遂行されるようにするために、駆動部120から回転動力の伝達を受けてダンパー軸13を回転させることができる構成を有する。
【0037】
また、回転部110は、ダンパー軸13が挿入される挿入孔111が形成される回転軸112、および回転軸112の周りに結合される回転プレート113を含むことができる。
【0038】
具体的には、回転軸112の挿入孔111には排煙ダンパー10の中央に位置したダンパー軸13が挿入されるので、そこで、回転軸112とダンパー軸13が一体に結合され、回転軸112の回転によりダンパー軸13が回転できる。即ち、回転軸112は、ダンパー軸13が挿入され得る中空の形態で設けられ得る。
【0039】
このとき、回転部110の回転軸112が時計回りに回転する場合は、ブレード11が閉鎖動作を遂行する場合であり、反時計回りに回転する場合は、ブレード11が開放動作を遂行する場合である。
【0040】
回転プレート113は、回転軸112の円周方向の一部に設けられ、回転軸112を回転させるように回動できる。即ち、回転プレート113は、駆動部120の動力の伝達を受けて回動でき、回転プレート113の回転により回転軸112が回転してブレード11を開閉させることができる。
【0041】
このとき、本発明に係るダンパー開閉器100は、駆動部120の動力を回転部110に伝達するために減速ギヤボックス80をさらに含むことができる。減速ギヤボックス80は、駆動部120の動力の伝達を受けてギヤ軸81を回動させることができ、ギヤ軸81は、回転プレート113と噛み合うように形成され、ギヤ軸81の作動により回転プレート113は回転できる。
【0042】
回転プレート113の末端は、歯車で形成され、減速ギヤボックス80のギヤ軸81の歯車と互いに噛み合い、ギヤ軸81が駆動部120の動力により回転することで、回転プレート113は、時計回りまたは反時計回りに回動できる。
【0043】
このとき、減速ギヤボックス80のギヤ軸81は、5段減速ギヤで設けられ、ギヤ軸81を作動させるのに必要な電力を節減されるようにすることができる。参考までに、減速ギヤボックス80は、平板型のパネルであって、ブレード11のダンパー軸13を回転させるために各種のギヤおよびギヤ軸81を組み合わせて配置するための構成である。
【0044】
駆動部120は、前述したように、回転部110が回転できるように動力を提供でき、モータにより具現され得る。結果として、駆動部120は、ダンパー軸13が回転できるようにする。
【0045】
具体的に、駆動部120は、減速ギヤボックス80のギヤ軸81を回転させ、ギヤ軸81と噛み合った回転プレート113を回転させることができる。次いで、回転軸112に設けられた回転プレート113が回転するとき、回転軸112の挿入孔111にはダンパー軸13が挿入されているので、ブレード11が開閉され得る。
【0046】
制御部130は、駆動部120に設けられたモータのトルクを測定し、測定されたトルクによる駆動負荷を感知し、駆動電流をギヤ軸81に印加して回転プレート113を回転させることができる。
【0047】
制御部130は、前述したように、ブレード11の閉鎖動作時、駆動部120にかかる負荷を測定し、測定された負荷が予め設定された値以上であれば、駆動部120に供給される電力を遮断することができる。
【0048】
即ち、ブレード11の閉鎖動作時、駆動部120にかかる負荷が予め設定された最大許容電流の大きさ未満であれば、駆動部120に供給される電力を持続的に維持することができる。
【0049】
このとき、駆動部120にかかる負荷は、駆動部120で消耗される電流の大きさを示し、予め設定された値は、駆動部120の最大許容電流の大きさに対する一定割合に設定され得る。
【0050】
即ち、制御部130は、駆動部120の駆動負荷により印加される最大許容電流の大きさによって電流の大きさを予め設定することができる。参考までに、制御部130は、駆動電流の許容範囲内の限界値で約80%の駆動電流が印加されるように制御することができる。
【0051】
従って、駆動負荷が予め設定された値以上であれば、駆動部120に印加される駆動電流を直ちに遮断させるか、一定時間が経過したにもかかわらず負荷値が落ちない場合、遮断されるように設定することで不要な電力を消耗しない効果がある。
【0052】
また、駆動負荷が予め設定された値未満であれば、駆動部120に印加される駆動電流を設定された値まで持続的に維持させてブレード11を完全に遮蔽できるようにする。前記のような場合に、仮にブレード11に異物が入るか、または機械的な遊隔により漏気隙間が発生しても、制御部130が駆動部120に印加される駆動電流を設定された値まで持続的に維持させることで、ブレード11間の隙間を減らし、気密性を高めることができる。
【0053】
本発明に係るダンパー開閉器100は、制御部130により予め設定された値によって駆動電流が印加されることで、前記のような構成によって電力消耗を節減すると同時に漏気量を減少させることができる。
【0054】
一方、図6に示されたように、本発明に係るダンパー開閉器100の駆動部120に供給される電力は、駆動部120が設けられたPCB基板55内の端子台50が建物の各層または地下に設けられた受電盤40のバッテリーと有線で連結され得る。このとき、受電盤40への電力供給は、外部に設けられた電源設備30により供給され得る。参考までに、電源設備とは、受変電設備、非常予備保安用自家用発電設備、同蓄電池設備などの総称である。
【0055】
一方、本発明に係るダンパー開閉器100は、回転プレート113の回転軌跡上に位置し、ブレード11の開放動作時(反時計回りに回転時)に回転プレート113の一端部と接触すると電気的な信号を生成するリミットスイッチ116をさらに含むことができる。
【0056】
図6に示されたように、リミットスイッチ116は、ブレード11の開放動作を停止させるための構成であり、回転プレート113の一端部に接触して電気的な信号を生成することができる。このような信号は、制御部130に送信されて駆動部120の動力を遮断する。
【0057】
ブレード11の開放動作時、回転軸112は反時計回りに回転し、回転プレート113の一端部がリミットスイッチ116に接触することとなる。そこで、ブレード11は、最大開放状態となり得る。
【0058】
一方、本発明に係るダンパー開閉器100は、回転プレート113の長手方向の一端または他端が予め設定された角度だけ回動するかをテストするために、回転軸112を挟んで両側に位置する一対の光センサ115aを構成されるセンサ部115をさらに含むことができる。即ち、ダンパー軸13が挿入孔111に取り付けられる前に一対の光センサ115aが互いに交信し、本発明に係るダンパー開閉器100の作動に対する異常有無を点検することができる。
【0059】
センサ部115は、一対の光センサ115aで構成され得、一対の光センサ115aは、回転部110の回転軸112を挟んで互いに向かい合うように配置され得る。即ち、一対の光センサ115aは、回転軸112が設けられた排煙ダンパー10の下部ケーシング70側に設けられ得る。
【0060】
参考までに、センサ部115は、光センサ115aで構成されることが好ましいが、これに限定されるものではなく、物体の動きを感知できる様々な公知のセンサで具現され得る。
【0061】
ここで、回転軸112には、一対の光センサ115aが互いに交信できるように貫通孔114が形成され得る。
【0062】
即ち、回転軸112には、挿入孔111と交差する方向に貫通孔114が形成され、ブレード11の閉鎖動作時に、センサ部115は、貫通孔114が一対の光センサ115aと並んで配置されると電気的な信号を生成することができる。そこで、図6に示されたように、センサ部115は、制御部130に電気的な信号を送信して駆動部120に供給される電力を遮断することができる。
【0063】
言い換えれば、センサ部115は、回転軸112にダンパー軸13が挿入されて貫通孔114が塞がると、貫通孔114が一対の光センサ115aと並んで配置されても電気的な信号を生成しないように設けられ得る。
【0064】
従って、回転軸112にダンパー軸13が取り付けられていない状態でのみ作動するように設けられた一対の光センサ115aは、回転軸112の貫通孔114と一直線上にアラインされた場合にのみ互いに交信が可能であることで、回転プレート113の作動状態を確認するだけでなく、故障有無を確認することができ、装置自体の信頼度が向上し得る。
【0065】
図7は、本発明の一実施例に係るダンパー開閉器の概略的な斜視図である。
【0066】
図7に示されたように、本発明に係るダンパー開閉器100は、内部に構成要素の支持または保護のために上部ケーシング60、下部ケーシング70がさらに設けられ得る。このとき、上部ケーシング60および下部ケーシング70の間には、上部ケーシング60および下部ケーシング70を相互連結するようにする支持台65がさらに設けられ得る。このとき、上部ケーシング60または下部ケーシング70と支持台65との間の結合は、ボルト結合が好ましいが、これに限定しない。
【0067】
上部ケーシング60には、曲線形態のホールを有し、ホールは、回転部110の固定または作動位置を作業者により火災発生時に手動で変更可能であるように取っ手またはレバーがさらに形成され得るが、その形態および位置を限定しない。
【0068】
下部ケーシング70には、本発明の端子台50、PCB基板55、リミットスイッチ116、減速ギヤボックス80、一対の光センサ115aおよび駆動部120が設けられることが好ましいが、構成要素の役割をする範囲内でその位置を限定しない。
【0069】
図8は、本発明の一実施例に係るダンパー開閉器をダンパーに取り付ける過程でダンパーの軸をダンパー開閉器の回転軸に固定するクランプを説明するための斜視図である。
【0070】
図8に示されたように、本発明に係るダンパー開閉器100は、ダンパー軸13を回転軸112に対して固定するためのクランプ150をさらに含むことができる。
【0071】
クランプ150は、ダンパー軸13が回転軸112の挿入孔111に挿入された場合に、ダンパー軸13が回転軸112から分離されないように固定するために設けられ得る。
【0072】
このとき、クランプ150は、回転軸112の一端部に締結されるクランピング治具151、およびクランピング治具151に取り付けられ、回転軸112をクランピング治具151に対して固定するクランピング環155を含むことができる。
【0073】
クランピング治具151は、回転軸112からクランプ150が分離されないように締結され、クランピング環155は、回転軸112に挿入されたダンパー軸13を固定することができる。このとき、クランピング治具151とクランピング環155との間の結合は、ボルト結合が好ましいが、これに限定しない。
【0074】
また、クランプ150は、クランピング治具151が回転軸112から抜けないようにクランピング治具151を回転軸112に対して固定するスナップリング157をさらに含むことができる。
【0075】
このとき、回転軸112の一端部には、回転軸112の長手方向に引き入れられる治具溝112a、および回転軸112の中心方向に引き入れられるスナップリング溝112bが形成され得る。
【0076】
また、クランピング治具は、回転軸112の周りを取り囲む環状部153、および環状部153の内側に突出して治具溝112aに安着する治具突起を含むことができる。
【0077】
スナップリング157は、クランピング治具151が回転軸112の一端部に安着した状態でスナップリング溝112bに挿入され得る。
【0078】
即ち、クランプ150は、回転軸112に挿入されるダンパー軸13を固定するようにしてブレード11の開閉作動を円滑にする。
【0079】
以上のように、本発明は、限定された実施例と図面により説明されたが、本発明は、前記の実施例に限定されるものではなく、それは、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から様々な修正および変形が可能である。従って、本発明思想は、下記に記載の特許請求の範囲によってのみ把握されるべきであり、その均等または等価的変形はいずれも本発明思想の範疇に属するといえる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、日常で空気調和用に用いられる空調ダンパー、火災状況で消防用に用いられる排煙ダンパーなどのブレード開閉構造を有する様々な種類のダンパーに利用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8