(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、天井側を上側とし、床側を下側とする。また、以下の説明においては、下側(床側)から見て時計回り方向を単に「時計回り方向」と言い、下側(床側)から見て反時計回り方向を単に「反時計回り方向」と言う。
【0018】
<第1実施形態>
[情報発信アダプタ]
図1は、第1実施形態に係る情報発信アダプタの設置例を示す図である。
図1(b)は、
図1(a)において情報発信アダプタのみを断面で示した図である。
図2は、第1実施形態に係る火災感知器の感知器ベースの一例を示す図であって、下面側から見た図である。なお、第1実施形態の説明に用いる各図面(
図1〜
図9)のうち、
図2以外の図面では、感知器ベースとしての機能を実現する機能部(接続端子212や挿通孔213や引込孔214など)の図示を省略している。
【0019】
第1実施形態の情報発信アダプタ100は、例えば
図1(a),(b)に示すように、火災感知器200の周囲に配設可能である。ここで、火災感知器200が取付けられる被取付部Pは、天井面や、屋内配線等に用いられるボックス(アウトレットボックス、露出ボックス等)や、感知器取付金具などである。
火災感知器200は、例えば
図1(b)に示すように、円板状の感知器ベース210と、外形ドーム状の感知器本体220と、を備えて構成される。
【0020】
感知器ベース210は、火災感知器200の基部であり、取付ネジ230によって被取付部Pに取付けられる。感知器ベース210は、例えば
図2に示すように、円板状の本体211と、本体211の下面側に装着された複数(本実施形態では3つ)の接続端子212と、を備えている。
接続端子212は、火災受信機等から延びる感知器回線Q(電源線や伝送線など)と感知器本体220とを電気的に接続するためのものである。接続端子212は、箱型部分212aと、当該箱型部分212aから延出するブレード状部分212bと、を有している。箱型部分212aは、電線接続端子であり、当該箱型部分212aに設けられた差込穴212a1に感知器回線Qの先端が差込まれるようになっている。ブレード状部分212bは、連結端子であり、火災の感知を実際に行う感知器本体220に設けられた爪片(連結端子)と係合して当該感知器本体220を保持するようになっている。
【0021】
感知器ベース210の本体211には、取付ネジ230用のネジ孔として、円周方向の長孔213aを連成した挿通孔213が、上下方向に貫通して設けられている。
また、感知器ベース210の本体211の略中央部には、感知器回線Qの先端部を感知器ベース210の上面側から下面側へと引き込むための引込孔214が、上下方向に貫通して設けられている。
【0022】
さらに、本実施形態においては、感知器ベース210が有する挿通孔213,213(長孔213a,213aも含む)だけでなく、感知器ベース210が有する第一貫通孔215,215や第二貫通孔216,216も、取付ネジ230用のネジ孔として用いることができる。すなわち、
図2に示す感知器ベース210の場合、三組のネジ孔を有しており、これら三組のネジ孔の中から、被取付部P等に設けられている取付ネジ230用のネジ受け部の位置に適合する組のネジ孔を選択して用いることができるよう構成されている。このように、火災感知器200の融通性を高める(1種類の感知器ベース210で様々な取付け方に対応できるようにする)等の観点から、火災感知器200には、取付ネジ230用のネジ孔として、複数組のネジ孔が設けられている。
【0023】
図3は、第1実施形態に係る情報発信アダプタの一例を示す図であって、上面側から見た斜視図である。
図4は、第1実施形態に係る情報発信アダプタを構成するアダプタ本体の一例を示す図であって、下面側から見た図である。
情報発信アダプタ100は、例えば
図1(a),(b)に示すように、アダプタ本体101と、アダプタ本体101に装着される回転カバー102と、を備えて構成される。
アダプタ本体101は、例えば
図4に示すように、ベース部材110と、ベース部材110に装着される情報発信モジュール120と、を備えて構成される。
【0024】
アダプタ本体101のベース部材110は、例えば
図1(b)に示すように、火災感知器200の外周側面よりも外方に位置している。具体的には、ベース部材110は、例えば
図3(a),(b)に示すように、火災感知器200の感知器ベース210の外径よりも若干大きな内径を有するC字板状に形成されている。
また、ベース部材110は、例えば
図1(b)に示すように、火災感知器200の外周側面よりも内方に位置する挟持部111を有している。具体的には、ベース部材110には、例えば
図3(a),(b)に示すように、当該ベース部材110の内周面から内側に突出する挟持部111が設けられている。アダプタ本体101は、この挟持部111が火災感知器200と当該火災感知器200が取付けられる被取付部Pとに挟持されることで、火災感知器200に固定される。
【0025】
回転カバー102は、例えば
図1(b)に示すように、火災感知器200の感知器ベース210の外径よりも若干大きな内径を有する円環板状に形成されている。すなわち、回転カバー102は、例えば
図3(a),(b)に示すように、火災感知器200が挿通可能なサイズの中央開口102aを有する環状をなしている。
回転カバー102は、アダプタ本体101の下面を覆う蓋体であり、火災感知器200に固定されているアダプタ本体101に、当該火災感知器200の下方から着脱自在に装着される。
【0026】
例えば
図3(a)に示すように、回転カバー102の外縁には、上側に突出する環状の係止壁102bが設けられている。係止壁102bの先端部には、内側を向いた係止爪102b1が設けられている。一方、アダプタ本体101のベース部材110の外周面のうち係止壁102bに対応する位置には、係止爪102b1を係止させる環状の溝部110bが形成されている。
【0027】
例えばアダプタ本体101の下面側に回転カバー102を当接させた状態で、当該回転カバー102を押上げる。すると、回転カバー102の係止爪102b1がアダプタ本体101の溝部110bに嵌り、これにより回転カバー102が抜け落ちないようにアダプタ本体101に回転カバー102を装着することができる(
図3(b)参照)。また、例えば回転カバー102の係止壁102bの先端(上端)に指をかけて、回転カバー102を押下げることで、回転カバー102をアダプタ本体101から外すことができる(
図3(a)参照)。
【0028】
アダプタ本体101に設けられている溝部110bは、らせん状ではなく、環状である。すなわち、溝部110bの始点と終点とは一致している。したがって、回転カバー102は、アダプタ本体101に装着された状態で、当該アダプタ本体101に対して時計回り方向にも反時計回り方向にも回すことができる。すなわち、回転カバー102は、アダプタ本体101に回転自在に装着される。
なお、回転カバー102をアダプタ本体101に回転自在かつ着脱自在に係止するための係止構造は、係止壁102bと溝部110bとからなるものに限定されず、適宜変更可能である。
また、アダプタ本体101の挟持部111の適宜の箇所に、下側に突出する突起が設けられていてもよい。この場合、当該突起が、感知器ベース210の上面に設けられている凹部(図示省略)に引っ掛かることによって、アダプタ本体101に装着されている回転カバー102を回す際に、アダプタ本体101まで回転してしまうことを防止することができる。
【0029】
アダプタ本体101の情報発信モジュール120は、位置検出用に機器固有の識別情報を無線により発信するモジュールである。情報発信モジュール120は、
図4に示すように、回路基板や送信回路部やアンテナ部などを備える情報発信端末121と、情報発信端末121に電力を供給する電池(ボタン形電池)122と、を有している。
アダプタ本体101のベース部材110には、一の電池122を着脱自在に収容する凹状の収容室110cが円周方向に沿って等間隔に4個設けられている。これら4個の収容室110cは並列接続されているため、4個の収容室110cのうちの少なくとも1つに電池122が収容されていれば、情報発信端末121に電力を供給することができる。
収容室110cは、下方に向けて開口しているため、アダプタ本体101に回転カバー102が装着されていないと、収容室110cに収容されている電池122が落下してしまう。すなわち、回転カバー102は、収容室110cに電池122が収容されている状態を維持するために設けられている。
【0030】
図5(a)は、情報発信アダプタ100の閉塞状態を示す図であり、
図5(b)は、情報発信アダプタ100の開放状態を示す図である。
図5では、取付ネジ230の図示を省略している。
回転カバー102は、例えば
図3(a)や
図5(b)に示すように、上下方向に貫通する第一孔部102cおよび第二孔部102dと、下方に向けて開口する凹部102eと、を有している。
【0031】
第一孔部102c、第二孔部102d、および凹部102eは、4個の収容室110cのうちの3つにそれぞれ対応して設けられている。したがって、情報発信アダプタ100は、アダプタ本体101に装着されている回転カバー102を回すことで、4個の収容室110cの全てが閉塞された閉塞状態(
図5(a)参照)から、4個の収容室110cのうちの何れか2つが開放された開放状態(
図5(b)参照)に変換可能となっている。
すなわち、開放状態では、4個の収容室110cのうちの1つの直下に第一孔部102cが配置され、残り3個の収容室110cのうちの1つの直下に第二孔部102dが配置される。一方、閉塞状態では、4つの収容室110cの何れの直下にも第一孔部102cや第二孔部102dが配置されない。
【0032】
ここで、本実施形態では、4個の収容室110cのうちの一の収容室110cに対応して第一孔部102cが設けられており、当該一の収容室110cに時計回り側で隣接する収容室110cに対応して第二孔部102dが設けられている。
なお、第一孔部102cに対する第二孔部102dの位置は適宜選択可能であるが、より多くの電池122を搭載可能にする、より多くの電池122を交換可能にする等の観点から、本実施形態のように、互いに隣接する2つの収容室110cのうちの、一方に対応して第一孔部102cを設け、他方に対応して第二孔部102dを設けることが好ましい。
【0033】
次に、情報発信アダプタ100の設置方法の一例を説明する。
まず、被取付部Pに設置されている火災感知器200において、感知器ベース210から感知器本体220を外す(第1工程)。
次いで、取付ネジ230を緩めて、感知器ベース210と被取付部Pとの間に所定の間隙を作る(第2工程)。
【0034】
次いで、収容室110cに電池122が収容されていない状態のアダプタ本体101を、感知器ベース210と被取付部Pとの間に差込む(第3工程)。本実施形態において、アダプタ本体101のベース部材110は、円環状の一部に開放部110aを設けたC字状に形成されている(
図3(a),(b)や
図4参照)。この開放部110aは、アダプタ本体101を火災感知器200と被取付部Pとの間に差込む際、取付ネジ230や感知器回線Qとの干渉を回避するために設けられている。すなわち、アダプタ本体101は、開放部110aを有しているため、取付ネジ230や感知器回線Qに邪魔されることなく、火災感知器200と被取付部Pとの間に差込むことができる。したがって、アダプタ本体101は、感知器本体220を外して、取付ネジ230を緩めるだけで、火災感知器200と、当該火災感知器200が取付けられる被取付部Pと、の間に配置することができる。
【0035】
次いで、取付ネジ230を締めて、感知器ベース210と被取付部Pとでベース部材110に設けられた挟持部111を挟む(第4工程)。
次いで、感知器本体220を感知器ベース210に取付けて、火災感知器200を構成する(第5工程)。
次いで、回転カバー102を、火災感知器200の下方からアダプタ本体101に取付ける(第6工程)。本実施形態において、回転カバー102は、火災感知器200の径よりも若干大きな径の中央開口102aを有しているため、火災感知器200に邪魔されることなく、アダプタ本体101に装着することができる。
そして、ベース部材110の収容室110cに電池122を収容して、情報発信アダプタ100を構成する(第6工程)。
【0036】
第6工程では、回転カバー102を回転させて、4個の収容室110cのうちの空の収容室110cの直下に第二孔部102dを位置させ、第二孔部102dを介して当該空の収容室110cに電池122(未使用の電池122)を収容する。この収容作業を繰り返し行うことで、情報発信アダプタ100に複数の電池122を搭載することができる。
【0037】
本実施形態の場合、最大で3個の電池122を情報発信アダプタ100に搭載することが可能であるが、その手法の一例を説明する。
ここでは、情報発信アダプタ100が有する4個の収容室110cをそれぞれ「収容室A」、「収容室B」、「収容室C」、および「収容室D」と呼ぶとする。そして、これらの収容室が、収容室A→収容室B→収容室C→収容室Dの順で反時計回り方向に並んでいるとする。
【0038】
前述したように、本実施形態では、4個の収容室110cのうちの一の収容室110cに対応して第一孔部102cが設けられており、当該一の収容室110cに時計回り側で隣接する収容室110cに対応して第二孔部102dが設けられている。したがって、収容室Aの直下に第一孔部102cが位置する場合には、当該収容室Aに時計回り側で隣接する収容室Dの直下に第二孔部102dが位置し、収容室Bの直下に第一孔部102cが位置する場合には、当該収容室Bに時計回り側で隣接する収容室Aの直下に第二孔部102dが位置し、収容室Cの直下に第一孔部102cが位置する場合には、当該収容室Cに時計回り側で隣接する収容室Bの直下に第二孔部102dが位置し、収容室Dの直下に第一孔部102cが位置する場合には、当該収容室Dに時計回り側で隣接する収容室Cの直下に第二孔部102dが位置する。
【0039】
具体的には、第6工程では、まず、回転カバー102を回転させて、収容室Aの直下に第二孔部102dを位置させ、第二孔部102dを介して収容室Aに電池122(未使用の電池122)を収容する(第6−1工程)。
次いで、回転カバー102を反時計回り方向に90度回転させて、収容室Bの直下に第二孔部102dを位置させ、第二孔部102dを介して収容室Bに電池122(未使用の電池122)を収容する(第6−2工程)。第6−1工程の後、回転カバー102を時計回り方向に90度回転させて、収容室Dの直下に第二孔部102dを位置させてもよいが、その場合、収容室Aの直下に第一孔部102cが位置することになり、第6−1工程で収容室Aに収容した電池122が第一孔部102cを介して落下してしまう。よって、第6−2工程では、回転カバー102を反時計回り方向に回転させる。
【0040】
次いで、回転カバー102を反時計回り方向に90度回転させて、収容室Cの直下に第二孔部102dを位置させ、第二孔部102dを介して収容室Cに電池122(未使用の電池122)を収容する(第6−3工程)。第6−2工程の後、回転カバー102を時計回り方向に90度回転させて、収容室Aの直下に第二孔部102dを位置させてもよいが、その場合、収容室Bの直下に第一孔部102cが位置することになり、第6−2工程で収容室Bに収容した電池122が第一孔部102cを介して落下してしまう。よって、第6−3工程では、回転カバー102を反時計回り方向に回転させる。
そして、回転カバー102を反時計回り方向に45度程度回転させて、収容室Cと収容室Dとの間に第二孔部102dを位置させ、情報発信アダプタ100を閉塞状態にする(第6−4工程)。第6−3工程の後、回転カバー102を反時計回り方向に90度回転させて、収容室Dの直下に第二孔部102dを位置させると、収容室Aの直下に第一孔部102cが位置することになり、第6−1工程で収容室Aに収容した電池122が第一孔部102cを介して落下してしまう。よって、第6−4工程では、回転カバー102を45度程度回転させる。
これにより、収容室A、収容室B、および収容室Cに電池122(未使用の電池122)を供給すること、すなわち情報発信アダプタ100に3個の電池122を搭載することができる。
【0041】
このように、複数の収容室110cのうちの一の収容室110cに対応して第一孔部102cが設けられているとともに、当該一の収容室110cに時計回り側で隣接する収容室110cに対応して第二孔部102dが設けられている場合には、回転カバー102を反時計回り方向に回転(閉塞状態から第6工程を開始した場合には270度程度回転)させることで、より多くの電池122を情報発信アダプタ100に搭載することが可能となる。情報発信アダプタ100に搭載されている電池122を交換する場合も同様に、回転カバー102を反時計回り方向に回転させることで、より多くの電池122を交換することが可能となる。
【0042】
なお、上記説明では、第二孔部102dを介して収容室110cに電池122(未使用の電池122)を供給したが、これに限ることはなく、第一孔部102cを介して収容室110cに電池122を供給してもよい。第一孔部102cを介して収容室110cに電池122を供給する場合には、回転カバー102を時計回り方向に回転させることで、より多くの電池122を情報発信アダプタ100に搭載することが可能となる。
【0043】
また、情報発信アダプタ100が有する収容室110cの個数は、4個に限ることはなく、複数であればよい。また、情報発信アダプタ100が有する収容室110cの個数にかかわらず、より多くの電池122を搭載可能にする、より多くの電池122を交換可能にする等の観点から、互いに隣接する2つの収容室110cのうちの、一方に対応して第一孔部102cを設け、他方に対応して第二孔部102dを設けることが好ましい。
【0044】
[電池交換装置]
図6(a)は、第1実施形態に係る電池交換装置を説明する図であって、上面側から見た斜視図である。
図6(b)は、第1実施形態に係る電池交換装置が有する電池供給部を説明する図である。
第1実施形態の電池交換装置10は、感知器試験器20に設けられている。
感知器試験器20は、火災感知器200が正常に作動するか確認するための作動試験に用いられる感知器用作動試験器のうち、熱感知器と煙感知器との双方に使用可能な加熱・加煙試験器であり、例えば
図6(a)に示すように、ヘッド部20aと、把持部20bと、ヘッド部20aと把持部20bとを連結する連結部20cと、を備えて構成される。
なお、感知器試験器20は、加熱・加煙試験器に限定されず、熱感知器に使用可能な試験器であってもよいし、煙感知器に使用可能な試験器であってもよいし、炎感知器に使用可能な試験器であってもよい。
【0045】
ヘッド部20aは、被取付部Pに設置されている火災感知器200の下方から当該火災感知器200を囲って覆うことのできる形状をなしている。ヘッド部20a内には、擬似的な火災を発生する煙/熱発生部(図示省略)や火災感知器200の作動状態を検出する感知器作動検出部(図示省略)などが設けられている。
把持部20bは、火災感知器200の保守点検を行う作業者によって把持される棒状部材であり、被取付部Pに設置されている火災感知器200へとヘッド部20aを近づけるために用いられる。
連結部20cは、把持部20bに対するヘッド部20aの角度を切替可能に、ヘッド部20aと把持部20bとを連結している。すなわち、本実施形態の感知器試験器20は、試験対象の火災感知器200に対する作業者の位置に応じて、ヘッド角度を切替えることができるよう構成されている。
【0046】
電池交換装置10は、例えば、ヘッド部20aの周囲に装着されている。
具体的には、電池交換装置10は、例えば
図6(a)に示すように、ヘッド部20aに取付けられた支持フレーム11と、支持フレーム11上に当該支持フレーム11に対して回転自在に取付けられた円環状の回転プレート12と、回転プレート12から上方に向けて突設された円筒状の電池回収部13、円筒状の電池供給部14、および円柱状の凸部15と、を備えて構成される。
【0047】
電池回収部13、電池供給部14、および凸部15は、情報発信アダプタ100の回転カバー102が有する第一孔部102c、第二孔部102d、および凹部102eにそれぞれ対応して設けられている。
すなわち、凸部15を凹部102eに位置合わせした状態で、電池交換装置10を火災感知器200に近づける(ヘッド部20aで火災感知器200を覆う)と、凸部15が回転カバー102の凹部102eに、電池回収部13が回転カバー102の第一孔部102cに、電池供給部14が回転カバー102の第二孔部102dに挿入されるようになっている。
【0048】
電池回収部13は、その内部に電池122(使用済みの電池122)を複数積層して収容できるよう構成されている。
また、電池供給部14は、その内部に電池122(未使用の電池122)を複数積層して収容できるよう構成されている。さらに、電池供給部14の内部には、例えば
図6(b)に示すように、電池122が載置される載置板14aと、載置板14aを上側(電池供給部14の開放端側)に付勢するコイルばね14bと、が配設されている。すなわち、電池供給部14は、コイルばね14bの付勢力を利用して、空の収容室110cに電池122を供給できるよう構成されている。
【0049】
本実施形態において、電池交換装置10は、回転プレート12を、ヘッド部20aを中心に所定方向(本実施形態の場合、反時計回り方向)に回転させるプレート回転機構(図示省略)を備えている。
プレート回転機構は、例えば、駆動源と、当該駆動源の駆動力を回転プレート12に伝達する伝達部材と、を有している。また、プレート回転機構は、回転開始からの回転角度が所定角度(本実施形態の場合、270度)に達すると、自動的に回転停止するよう構成されている。
【0050】
また、本実施形態において、電池交換装置10は、当該電池交換装置10を火災感知器200へと近づける際や遠ざける際などに、電池供給部14が有する電池122が落下してしまうことを防止する電池落下防止機構(図示省略)を備えている。
電池落下防止機構は、コイルばね14bの付勢力に抗する力を作用させる状態(電池引入状態(
図6(b)の左側参照))と作用させない状態(電池押出状態(
図6(b)の右側参照))とを切替可能に構成されている。具体的には、電池落下防止機構は、例えば、駆動源と、当該駆動源の駆動力を載置板14aに伝達する伝達部材と、を有しており、載置板14aを下側に引く力を載置板14aに付与して載置板14aの移動を制限する状態(電池引入状態)と、当該付与を解除して載置板14aの移動を制限しない状態(電池押出状態)と、に切り替えることができる。
【0051】
本実施形態において、把持部20bには、ユーザが操作可能なスイッチ(図示省略)が設けられており、当該スイッチがONされると、電池交換装置10の電池落下防止機構が電池引入状態から電池押出状態に切り替わり、その後、電池交換装置10のプレート回転機構が停止状態から回転状態に切り替わる。そして、当該スイッチがOFFされると、プレート回転機構が回転状態から停止状態に戻り、その後、電池落下防止機構が電池押出状態から電池引入状態に戻るよう構成されている。
また、電池交換装置10のプレート回転機構は、回転角度が所定角度(本実施形態の場合、270度)に達すると、自動的に回転状態から停止状態に戻る。プレート回転機構が停止状態に戻っている状態で、把持部20bに設けられたスイッチがOFFされると、プレート回転機構は停止状態のまま、電池落下防止機構が電池押出状態から電池引入状態に戻るよう構成されている。
【0052】
回転プレート12が回転すると、当該回転プレート12上に固定されている電池回収部13、電池供給部14、および凸部15がヘッド部20aを周回する。したがって、凸部15が回転カバー102の凹部102eに挿入された状態で回転プレート12が回転すると、当該回転に追従して、回転プレート12の回転方向と同じ方向に、回転カバー102がアダプタ本体101に対して回転する。
【0053】
ここで、電池交換装置10を用いた情報発信アダプタ100の電池交換方法の一例を説明する。
情報発信アダプタ100の電池交換タイミングになった場合には、まず、例えば
図7に示すように、電池交換装置10を火災感知器200に近づけて、電池交換装置10の凸部15を情報発信アダプタ100の回転カバー102の凹部102eに位置合わせする。そして、この状態で、電池交換装置10を火災感知器200にさらに近づける(ヘッド部20aで火災感知器200を覆う)と、凸部15が凹部102eに、電池交換装置10の電池回収部13が回転カバー102の第一孔部102cに、電池交換装置10の電池供給部14が回転カバー102の第二孔部102dに挿入される。
【0054】
本実施形態の場合、電池交換装置10が感知器試験器20に設けられているため、火災感知器200の作動試験を行いながら、情報発信アダプタ100の電池交換を行うことができる。したがって、例えば、作動試験の待ち時間に電池交換を行うことができるため、定期点検の作業効率が向上する。
なお、電池交換装置10は感知器試験器20に設けられていなくてもよい。この場合、電池交換装置10は、例えば、逆円錐台状の支持部(支持フレーム11に相当する部位)と、当該支持部上に当該支持部に対して回転自在に取付けられた回転プレート12と、回転プレート12の上面に固定された電池回収部13、電池供給部14、および凸部15と、把持部(感知器試験器20の把持部20bに相当する部位)と、当該支持部と当該把持部とを連結する連結部(感知器試験器20の連結部20cに相当する部位)と、を備えて構成される。
【0055】
また、本実施形態の場合、例えば
図5(b)に示すように、凹部102e、第一孔部102c、および第二孔部102dの径が、収容室110cの径よりも大きい。そのため、凹部102eに対する凸部15の位置合わせの精度が低くても、凹部102eに対する凸部15の挿入、第一孔部102cに対する電池回収部13の挿入、および第二孔部102dに対する電池供給部14の挿入を容易に達成することができる。
【0056】
次いで、把持部20bに設けられたスイッチをONすると、例えば
図8に示すように、電池交換装置10の電池落下防止機構が電池引入状態から電池押出状態に切り替わり、その後、電池交換装置10のプレート回転機構が停止状態から回転状態に切り替わる。これにより、電池交換装置10の回転プレート12が所定方向(本実施形態の場合、反時計回り方向)に回転するととともに、当該回転に追従して、情報発信アダプタ100の回転カバー102が当該所定方向に回転する。
【0057】
そして、情報発信アダプタ100が有する4個の収容室110cのうち電池122が収容されている収容室110cの直下に第一孔部102c(および当該第一孔部102cに挿入されている電池回収部13)が位置すると、例えば
図9に示すように、当該電池122が第一孔部102cを介して落下して電池回収部13内に収容される。これにより、使用済みの電池122を回収することができる。
また、情報発信アダプタ100が有する4個の収容室110cのうち電池122が収容されていない空の収容室110cの直下に第二孔部102d(および当該第二孔部102dに挿入されている電池供給部14)が位置すると、例えば
図9に示すように、コイルばね14bの付勢力によって、電池供給部14が有する電池122が当該収容室110c内に押し出されて当該収容室110cに収容される。これにより、未使用の電池122を空の収容室110cに供給することができる。
【0058】
本実施形態の場合、最大で3個の電池122を交換することが可能であるが、その手法の一例を説明する。
ここでは、情報発信アダプタ100が有する4個の収容室110cをそれぞれ「収容室A」、「収容室B」、「収容室C」、および「収容室D」と呼ぶとする。そして、これらの収容室が、収容室A→収容室B→収容室C→収容室Dの順で反時計回り方向に並んでいるとともに、収容室A、収容室B、および収容室Cには電池122が収容されており、収容室Dには電池122が収容されていないとする。
【0059】
回転プレート12の回転が開始して、回転カバー102が反時計回り方向に回転し、収容室Aの直下に第一孔部102c(および当該第一孔部102cに挿入されている電池回収部13)が位置すると、収容室Aに収容されている電池122(使用済みの電池122)が回収される。また、収容室Aの直下に第一孔部102cが位置すると、収容室Dの直下に第二孔部102d(および当該第二孔部102dに挿入されている電池供給部14)が位置するため、収容室Dに電池122(未使用の電池122)が供給される。
さらに回転カバー102が反時計回り方向に90度回転し、収容室Bの直下に第一孔部102c(および当該第一孔部102cに挿入されている電池回収部13)が位置すると、収容室Bに収容されている電池122(使用済みの電池122)が回収される。また、収容室Bの直下に第一孔部102cが位置すると、収容室Aの直下に第二孔部102d(および当該第二孔部102dに挿入されている電池供給部14)が位置するため、先ほど空になった収容室Aに電池122(未使用の電池122)が供給される。
【0060】
さらに回転カバー102が反時計回り方向に90度回転し、収容室Cの直下に第一孔部102c(および当該第一孔部102cに挿入されている電池回収部13)が位置すると、収容室Cに収容されている電池122(使用済みの電池122)が回収される。また、収容室Cの直下に第一孔部102cが位置すると、収容室Bの直下に第二孔部102d(および当該第二孔部102dに挿入されている電池供給部14)が位置するため、先ほど空になった収容室Bに電池122(未使用の電池122)が供給される。
そして、回転カバー102の回転開始からの回転角度が270度に達すると、すなわち、収容室Cと収容室Dとの間に第一孔部102cが位置して情報発信アダプタ100が閉塞状態になると、回転プレート12の回転が停止する。これにより、収容室A、収容室B、および収容室Cに収容されていた電池122(使用済みの電池122)を全て回収して、収容室D、収容室A、および収容室Bに電池122(未使用の電池122)を供給することができる。
【0061】
本実施形態のように、4個の収容室110cが等間隔で配置されている場合であって、4個の収容室110cのうちの一の収容室110cに対応して第一孔部102cが設けられているとともに、当該一の収容室110cに時計回り側で隣接する収容室110cに対応して第二孔部102dが設けられている場合には、回転プレート12を反時計回り方向に270度程度回転させて、回転カバー102を反時計回り方向に270度程度回転させることで、より多くの電池122を交換することが可能となる。
【0062】
なお、本実施形態では、電池回収部13が第一孔部102cに対応し、電池供給部14が第二孔部102dに対応するよう構成したが、これに限ることはなく、電池回収部13が第二孔部102dに対応し、電池供給部14が第一孔部102cに対応するよう構成することも可能である。この場合、回転カバー102を時計回り方向に回転させることで、より多くの電池122を交換することが可能となる。
また、電池交換装置10は、電池122を交換するときだけでなく、情報発信アダプタ100を設置するときにも(具体的には、情報発信アダプタ100の設置方法における第6工程でも)使用することができる。
【0063】
このように、本実施形態の情報発信アダプタ100は、火災感知器200の近傍に設置されている状態で、電池122のみを着脱することができる。したがって、火災感知器200を被取付部Pから外したり、感知器ベース210から感知器本体220を外したり、取付ネジ230を緩めたりしなくても、電池122のみを着脱することができるため、火災感知器200による火災監視を中断することなく電池交換を行うことができる。
また、本実施形態の電池交換装置10を用いることで、情報発信アダプタ100の電池交換を簡単に行うことができる。
【0064】
以上説明した第1実施形態の情報発信アダプタ100は、火災感知器200に取付可能な情報発信アダプタであって、情報発信端末121と当該情報発信端末121に電力を供給する電池122とを有する情報発信モジュール120と、火災感知器200の外部からの作用によって動作可能な可動体(回転カバー102)と、を備え、可動体が動作することによって、電池122が交換可能となるよう構成されている。
したがって、第1実施形態の情報発信アダプタ100によれば、可動体(回転カバー102)が動作することによって電池122が交換可能となるが、当該可動体は火災感知器200の外部からの作用によって動作するため、感知器ベース210と感知器本体220との接続を解除しなくても可動体を動作させることができる。したがって、火災感知器200による火災監視を中断することなく電池交換を行うことができる。
【0065】
具体的には、第1実施形態の情報発信アダプタ100は、火災感知器200の近傍に取付可能であり、火災感知器200の外周側面よりも外方に位置するベース部材110を備え、ベース部材110は、電池122を着脱自在に収容する収容凹部(収容室110c)を有し、可動体(回転カバー102)は、孔部(第一孔部102c、第二孔部102d)を有し、ベース部材110に回転自在に装着され、可動体が回転することによって、収容凹部が当該可動体によって隠蔽された状態(閉塞状態)と、収容凹部が孔部を介して露出された状態(開放状態)と、に変換可能であるよう構成されている。
したがって、火災感知器200の外部からの作用により可動体(回転カバー102)を回転させるだけで電池122が交換可能となるため、電池交換を容易に行うことが可能となる。
【0066】
また、以上説明した第1実施形態の電池交換装置10は、電池駆動式の情報発信モジュール120を備えた情報発信アダプタ100に搭載されている電池122を交換するための電池交換装置であって、情報発信アダプタ100から使用済みの電池122を回収する電池回収部13と、情報発信アダプタ100に未使用の電池122を供給する電池供給部14と、回転自在な回転部(回転プレート12)と、を備え、電池回収部13、電池供給部14、および回転部のうちの少なくとも1つ(本実施形態の場合、電池回収部33および電池供給部34)が情報発信アダプタ100の一部(回転カバー102)と接した状態で回転部を回転させることによって、電池122を交換できるよう構成されている。
【0067】
したがって、本発明の電池交換装置10によれば、情報発信アダプタ100が有する可動体(回転カバー102)と接した状態で回転部(回転プレート12)を回転させるだけで、情報発信アダプタ100の電池122を交換できるため、電池交換を容易に行うことができる。
【0068】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0069】
[情報発信アダプタ]
図10は、第2実施形態に係る情報発信アダプタの設置例を示す図である。
第2実施形態の情報発信アダプタ300は、例えば
図10に示すように、火災感知器200内に配設可能である。なお、本実施形態では、情報発信アダプタ300を、感知器ベース210内に配設するよう構成しているが、これに限ることはなく、情報発信アダプタ300を、感知器本体220内に配設するよう構成してもよい。
【0070】
図11(a)は、第2実施形態に係る感知器ベースの一例を示す図であって、上面側から見た斜視図である。
図11(b)は、第2実施形態に係る情報発信アダプタの一例を示す図であって、上面側から見た斜視図である。
図12は、第2実施形態に係る感知器ベースおよび情報発信アダプタの一例を示す図であって、(a)は上面側から見た斜視図であり、(b)は上面側から見た図である。なお、第2実施形態の説明に用いる各図面(
図10〜
図16)では、感知器ベースとしての機能を実現する機能部(接続端子212や挿通孔213や引込孔214など)の図示を省略している。
【0071】
本実施形態の感知器ベース210は、本体211(筐体)の内部に情報発信アダプタ300を収容するアダプタ用空間218が設けられている点のみが、第1実施形態の感知器ベース210と異なる。
具体的には、本実施形態の感知器ベース210は、例えば
図11(a)に示すように、本体211(筐体)の内部に、アダプタ用空間218と、機能部用空間と、を有している。ここで、機能部用空間は、感知器ベースとしての機能を実現する機能部(接続端子212や挿通孔213や引込孔214など)のための空間である。
【0072】
すなわち、既存の感知器ベース(第1実施形態の感知器ベース210のようなアダプタ用空間218を有していない感知器ベース)において、当該感知器ベースの本体の内部空間のうち何にも使用されていない空虚な空間が、アダプタ用空間218になり得る。したがって、感知器ベース210の本体211(筐体)の内部のうち機能部用空間として用いられていない空間に、アダプタ用空間218が設けられているため、感知器ベース210の大型化を抑制でき、均整のとれた感知器ベース210の外観を維持することができる。
【0073】
アダプタ用空間218と機能部用空間とは、当該アダプタ用空間218を形成する区画壁によって隔離されている。すなわち、アダプタ用空間218に収容されている情報発信アダプタ300の影響が、機能部用空間に配置されている機能部に及ばないよう構成されている。
また、アダプタ用空間218を形成する区画壁のうちの下壁部によって、アダプタ用空間218と感知器本体220とは隔離されている。すなわち、アダプタ用空間218に収容されている情報発信アダプタ300の影響が、感知器本体としての機能を実現する機能部に及ばないよう構成されている。
このように、本実施形態においては、火災感知器200内に配設されている情報発信アダプタ300の影響が、火災感知器としての機能を実現する機能部に及ばないよう構成されているため、火災感知器200の火災感知機能の信頼性が低下することはない。
【0074】
例えば
図11(a)に示すように、アダプタ用空間218は、側方に向けて開口している。すなわち、感知器ベース210の本体211(筐体)の外周側面に、アダプタ用空間218の開口部が設けられている。そして、アダプタ用空間218には、当該開口部を介して、火災感知器200の外方から情報発信アダプタ300が挿入されるようになっている。
【0075】
情報発信アダプタ300は、例えば
図11(b)に示すように、アダプタ用空間218の形状に適合する形状のアダプタベース310と、当該アダプタベース310に装着された情報発信モジュール120と、を備えて構成される。
アダプタベース310は、端末用ベース部材311と電池用ベース部材312とに分離可能に構成されている。具体的には、アダプタベース310は、当該アダプタベース310の厚み方向(本実施形態では上下方向)に略直交する切断面で分割可能な端末用ベース部材311と電池用ベース部材312とが組み合わされてなる。
【0076】
情報発信モジュール120の情報発信端末121は、端末用ベース部材311に装着されており、情報発信モジュール120の電池122は、電池用ベース部材312に装着されている。電池用ベース部材312には、下方に向けて開口する凹状の収容室312aが1個設けられており、この収容室312aに一の電池122が着脱自在に収容される。
また、電池122から情報発信端末121へと電力を供給することができるよう、端末用ベース部材311の切断面と電池用ベース部材312の切断面との双方には、端末用ベース部材311と電池用ベース部材312とが合体した状態(
図11(b)に示す状態)において互いに接触導通する接触端子(図示省略)が設けられている。
【0077】
端末用ベース部材311は、例えば
図12(a)に示すように、アダプタ用空間218に接合された状態で収容されており、当該接合を解除しなければアダプタ用空間218から取外すことができない。ここで、アダプタ用空間218に接合された状態とは、アダプタ用空間218にネジ止めされている状態や、アダプタ用空間218に爪で係止されている状態や、アダプタ用空間218に接着されている状態や、アダプタ用空間218に溶接されている状態などである。すなわち、端末用ベース部材311は、着脱困難にアダプタ用空間218に収容されている。
なお、端末用ベース部材311は、感知器ベース210の本体211と一体的に形成されていてもよい。
また、端末用ベース部材311は、アダプタ用空間218に接合されていない状態で収容されていてもよい。
また、端末用ベース部材311は、電池用ベース部材312と一体的に形成されていてもよい。
【0078】
一方、電池用ベース部材312は、アダプタ用空間218に接合されていない状態で収容されている。すなわち、電池用ベース部材312は、着脱容易にアダプタ用空間218に収容されている。
アダプタ用空間218に対する電池用ベース部材312の着脱方向は任意である。本実施形態の電池交換装置30(後述)を用いた場合、電池用ベース部材312を、例えば
図12(a),(b)に示すように、火災感知器200の外方の所定位置にある回転軸を中心とした円周方向に沿って着脱することができる。
【0079】
本実施形態の感知器ベース210は、アダプタ用空間218に情報発信アダプタ300が収容されている状態においても、アダプタ用空間218に情報発信アダプタ300が収容されていない状態においても、既存の感知器ベース、すなわちアダプタ用空間218を有していない感知器ベースと同じように使用することができる。
ここで、アダプタ用空間218に情報発信アダプタ300が収容されている状態とは、情報発信端末121が装着された端末用ベース部材311と、電池122が装着された電池用ベース部材312と、の双方がアダプタ用空間218内に配設されている状態である。
また、アダプタ用空間218に情報発信アダプタ300が収容されていない状態とは、情報発信端末121が装着された端末用ベース部材311と、電池122が装着された電池用ベース部材312と、の一方あるいは双方がアダプタ用空間218内に配設されていない状態である。
【0080】
また、本実施形態の感知器ベース210は、アダプタ用空間218の開口部を塞ぐ封止部材を備えるよう構成されていてもよい。このように構成することによって、アダプタ用空間218に情報発信アダプタ300が収容されていない状態で感知器ベース210を使用する際や保管する際などに、アダプタ用空間218の開口部を塞いでおくことができるため、アダプタ用空間218内への埃等の侵入を防ぐことが可能となる。封止部材は、アダプタ用空間218の開口部を塞ぐことができるものであれば適宜選択可能であり、例えば、感知器ベース210の本体211と同じ材質の蓋体等の非粘着性の部材であってもよいし、粘着テープ等の粘着性の部材であってもよい。
【0081】
なお、本実施形態では、例えば
図12(a)に示すように、アダプタ用空間218の上部に端末用ベース部材311を配設し、アダプタ用空間218の下部に電池用ベース部材312を配設したが、これに限ることはなく、例えば、アダプタ用空間218の上部に電池用ベース部材312を配設し、アダプタ用空間218の下部に端末用ベース部材311を配設することも可能である。
また、アダプタベース310の分割数は、端末用ベース部材311と電池用ベース部材312との2つに限定されず適宜変更可能である。また、分割方向は、上下に限定されず適宜変更可能である。また、アダプタベース310は分割可能でなくてもよく、その場合、例えば、分解不能なアダプタベース310の上面側に情報発信端末121が装着され、下面側に電池122が装着される。
【0082】
また、本実施形態では、感知器ベース210に1つのアダプタ用空間218を設けて、端末用ベース部材311と電池用ベース部材312とを同じアダプタ用空間218に収容したが、これに限定されるものではない。例えば、感知器ベース210に複数のアダプタ用空間218を設けて、端末用ベース部材311と電池用ベース部材312とを別のアダプタ用空間218に収容するよう構成することも可能である。
【0083】
[電池交換装置]
図13は、第2実施形態に係る電池交換装置の一例を示す図であって、(a)は上面側から見た図であり、(b)は上面側から見た斜視図である。
図14は、第2実施形態に係る電池交換装置の一例を示す図であって、
図13において支持プレート上に電池用ベース部材が載置された状態を示す図である。
第2実施形態の電池交換装置30は、例えば
図13(a),(b)に示すように、支持プレート31と、支持プレート31上に当該支持プレート31に対して回転自在に取付けられた回転体32と、支持プレート31から下方に向けて突設された有底円筒状の電池回収部33および有底円筒状の電池供給部34と、把持部35と、支持プレート31と把持部35とを連結する連結部36と、を備えて構成される。
【0084】
電池交換装置30は、例えば
図14(a)に示すように、火災感知器200の外周側面に当接した状態で使用される。電池交換装置30は、例えば
図14(a),(b)に示すように、支持プレート31上に2つの電池用ベース部材312を載置可能であり、回転体32が回転することで、アダプタ用空間218に収容されている電池用ベース部材312を、支持プレート31上の電池用ベース部材312(未使用の電池122が装着された電池用ベース部材312)に交換することができる。
【0085】
回転体32は、例えば
図13(a),(b)に示すように、回転軸32aを回転中心とした回転が可能なように支持プレート31に取付けられている。
回転体32は、正三角形状の板の各辺に、所定の曲率で凹んだ窪部32bを設けた形状をなしている。窪部32bの曲率半径は、感知器ベース210の半径と同一である。したがって、電池用ベース部材312の外周面(アダプタ用空間218の開口部から露出する面)に、窪部32b全体を当接させることができる。
【0086】
支持プレート31は、火災感知器200の感知器ベース210の外径よりも小さな径の円板に、所定の曲率で凹んだ窪部31aを設けた形状をなしている。窪部31aの曲率半径は、感知器ベース210の半径と同径であるため、感知器ベース210の外周側面に窪部31a全体を当接させることができる。これにより、火災感知器200に対する電池交換装置30の位置を適正に保った状態で、電池交換を行うことができる。
また、支持プレート31の外縁(窪部31aは除く)には、上側に突出する壁部31bが設けられている。この壁部31bは、支持プレート31上の電池用ベース部材312が回転する回転体32に追従してスライド移動(回転軸32aを中心とした円周方向に沿ったスライド移動)するよう、当該電池用ベース部材312の外周面を回転体32の窪部32b全体に当接させるために設けられている。
また、支持プレート31には、上下方向に貫通する第一孔部31cおよび第二孔部31dが設けられている。第一孔部31cと第二孔部31dとは、第一孔部31c→第二孔部31dの順で反時計回り方向に並んでいる。すなわち、第一孔部31cは、第二孔部31dの時計回り側に位置している。
【0087】
電池回収部33は、第1実施形態の電池回収部13と同様、その内部に電池122(使用済みの電池122)を複数積層して収容できるよう構成されている。
電池回収部33の外径は、支持プレート31の第一孔部31cの径と同径である。電池回収部33は、当該電池回収部33の開放端が支持プレート31の上面と面一の状態で、当該電池回収部33の外周面が第一孔部31cを形成する周壁面に接合している。
【0088】
電池供給部34は、第1実施形態の電池供給部14と同様、その内部に電池122(未使用の電池122)を複数積層して収容できるよう構成されているとともに、その内部に、電池122が載置される載置板14aと、載置板14aを上側(電池供給部34の開放端側)に付勢するコイルばね14bと、が配設されている。
電池供給部34の外径は、支持プレート31の第二孔部31dの径と同径である。電池供給部34は、当該電池供給部34の開放端が支持プレート31の上面と面一の状態で、当該電池供給部34の外周面が第二孔部31dを形成する周壁面に接合している。
【0089】
把持部35は、情報発信アダプタ300の電池交換を行う作業者によって把持される棒状部材であり、被取付部Pに設置されている火災感知器200へと支持プレート31を近づけるために用いられる。
連結部36は、把持部35に対する支持プレート31の角度を切替可能に、支持プレート31と把持部35とを連結している。
【0090】
本実施形態において、電池交換装置30は、回転体32を、回転軸32aを中心に所定方向(本実施形態の場合、反時計回り方向)に回転させる回転機構(図示省略)を備えている。
回転機構は、例えば、駆動源と、当該駆動源の駆動力を回転体32に伝達する伝達部材と、を有している。
本実施形態において、把持部35には、ユーザが操作可能なボタン(図示省略)が設けられており、当該ボタンが押圧されると、電池交換装置30の回転機構が停止状態から回転状態に切り替わるよう構成されている。また、回転機構は、回転開始からの回転角度が所定角度(本実施形態の場合、120度)に達すると、自動的に回転停止するよう構成されている。
【0091】
回転機構の停止状態においては、例えば
図13(a),(b)に示すように、回転体32の3つの窪部32bのうちの2つが支持プレート31の壁部31bと対向し、残りの1つが支持プレート31の窪部31aと同一方向を向いている。
そして、この状態においては、支持プレート31上の2つの電池用ベース部材312のうち、一方の収容室312aが支持プレート31の第一孔部31cの直上に位置し、他方の収容室312aが支持プレート31の第二孔部31dの直上に位置する。すなわち、この状態においては、支持プレート31上の2つの電池用ベース部材312のうち、一方が支持プレート31上の第一孔部31c側の領域に位置し、他方が支持プレート31上の第二孔部31d側の領域に位置する。
【0092】
第一孔部31cには電池回収部33が取付けられているため、支持プレート31上の第一孔部31c側の領域に電池122が装着された電池用ベース部材312が位置すると、当該電池122が第一孔部31cを介して落下して電池回収部33内に収容される。これにより、使用済みの電池122を回収することができる。
また、第二孔部31dには電池供給部34が取付けられているため、支持プレート31上の第二孔部31d側の領域に収容室312aが空の電池用ベース部材312(すなわち、電池122が装着されていない電池用ベース部材312)が位置すると、電池供給部34のコイルばね14bの付勢力によって、電池供給部34が有する電池122が当該収容室312a内に押し出されて当該収容室312aに収容される。これにより、未使用の電池122を空の収容室312aに供給することができる。
【0093】
前述したように、本実施形態において、電池回収部33が取付けられている第一孔部31cは、電池供給部34が取付けられている第二孔部31dの時計回り側に位置している。したがって、回転体32を反時計回り方向に回転させて、支持プレート31上の2つの電池用ベース部材312およびアダプタ用空間218内の電池用ベース部材312を反時計回り方向にスライド移動させることで、情報発信アダプタ300の電池122を交換することができる。
【0094】
具体的には、回転体32を反時計回り方向に回転させることで、例えば
図15(a)〜(c)に示すように、支持プレート31上の第一孔部31c側の領域に位置していた電池用ベース部材312(斜線ハッチングが付された電池用ベース部材312)を第二孔部31d側の領域へと移動させ、支持プレート31上の第二孔部31d側の領域に位置していた電池用ベース部材312(水玉ハッチングが付された電池用ベース部材312)をアダプタ用空間218内へと移動させ、アダプタ用空間218内の電池用ベース部材312(格子ハッチングが付された電池用ベース部材312)を支持プレート31上の第一孔部31c側の領域へと移動させることができる。
これにより、アダプタ用空間218から電池用ベース部材312および当該電池用ベース部材312に装着されている電池122(使用済みの電池122)を取出すとともに、電池供給部34から供給された電池122(未使用の電池122)が装着されている電池用ベース部材312を当該アダプタ用空間218に取付けることができる。すなわち、電池用ベース部材312を再利用しながら、情報発信アダプタ300の電池122を交換することができる。
【0095】
ここで、電池交換装置30を用いた情報発信アダプタ300の電池交換方法の一例を説明する。
情報発信アダプタ300の電池交換タイミングになった場合には、まず、支持プレート31を火災感知器200に近づけて、回転体32の一の窪部32b(3つの窪部32bのうちの、支持プレート31の窪部31aと同一方向を向いている窪部32b)が、アダプタ用空間218内の電池用ベース部材312の外周面と対向するように位置合わせする。そして、この状態で、支持プレート31を火災感知器200にさらに近づける(支持プレート31の窪部31aを火災感知器200の外周側面に当接させる)と、回転体32の当該一の窪部32bが、アダプタ用空間218内の電池用ベース部材312の外周面に当接される。
【0096】
次いで、把持部35に設けられたボタンを押圧すると、電池交換装置30の回転機構が停止状態から回転状態に切り替わる。これにより、回転体32が所定方向(本実施形態の場合、反時計回り方向)に回転するととともに、当該回転に追従して、支持プレート31上の2つの電池用ベース部材312およびアダプタ用空間218内の電池用ベース部材312が当該所定方向にスライド移動する。
【0097】
具体的には、アダプタ用空間218内の電池用ベース部材312が、支持プレート31上の第一孔部31c側の領域へとスライド移動するため、例えば
図16に示すように、当該電池用ベース部材312の収容室312aに収容されていた電池122(使用済みの電池122)が電池回収部33に回収される。
また、支持プレート31上の第一孔部31c側の領域に位置する電池用ベース部材312(すなわち、収容室312aが空の電池用ベース部材312)が、支持プレート31上の第二孔部31d側の領域へとスライド移動するため、例えば
図16に示すように、当該電池用ベース部材312の収容室312aに電池供給部34から電池122(未使用の電池122)が供給される。
また、支持プレート31上の第二孔部31d側の領域に位置する電池用ベース部材312(すなわち電池供給部34から供給された電池122が装着されている電池用ベース部材312)が、アダプタ用空間218内へと移動する。
これにより、情報発信アダプタ300の電池122が交換される。
【0098】
なお、本実施形態では、電池回収部33を第一孔部31cに取付けるとともに、電池供給部34を第二孔部31dに取付けるよう構成したが、これに限ることはなく、電池回収部33を第二孔部31dに取付けるとともに、電池供給部34を第一孔部31cに取付けるよう構成することも可能である。この場合、回転体32を時計回り方向に回転させることで、情報発信アダプタ300の電池122を交換することが可能となる。
また、電池交換装置30は、電池122を交換するときだけでなく、情報発信アダプタ300を設置するとき(具体的には、例えば、アダプタ用空間218に情報発信アダプタ300が収容されていない状態で使用中の火災感知器200に、電池122が装着された電池用ベース部材312を取付けるとき)にも使用することができる。この場合、アダプタ用空間218内に収容室312aが空の電池用ベース部材312を予め配設しておき、この電池用ベース部材312を、電池交換装置30を用いて、未使用の電池122が装着された電池用ベース部材312と交換するようにしてもよい。
【0099】
このように、本実施形態の情報発信アダプタ300は、火災感知器200の内部に設置されている状態で、電池122が装着された電池用ベース部材312のみを着脱することができる。したがって、火災感知器200を被取付部Pから外したり、感知器ベース210から感知器本体220を外したり、取付ネジ230を緩めたりしなくても、電池122が装着された電池用ベース部材312のみを着脱することができるため、火災感知器200による火災監視を中断することなく電池交換を行うことができる。
【0100】
また、本実施形態の電池交換装置30を用いることで、情報発信アダプタ300の電池交換を簡単に行うことができる。
なお、本実施形態の電池交換装置30を、感知器試験器20に設けることも可能である。この場合、電池交換装置30は、例えば、支持プレート31と、支持プレート31上に当該支持プレート31に対して回転自在に取付けられた回転体32と、支持プレート31から下方に向けて突設された電池回収部33および電池供給部34と、支持プレート31とヘッド部20aとを連結する連結部と、を備え、ヘッド部20aで火災感知器200を覆うと、支持プレート31の窪部31aが火災感知器200の外周側面に当接するよう構成される。電池交換装置30を、感知器試験器20に設けることで、火災感知器200の作動試験を行いながら、情報発信アダプタ300の電池交換を行うことができるため、定期点検の作業効率が向上する。
また、本実施形態の電池交換装置30は、電池122が装着された電池用ベース部材312のみを交換可能であるが、これに限ることはなく、電池交換装置30は、電池122が装着された電池用ベース部材312および情報発信端末121が装着された端末用ベース部材311をまとめて交換可能、すなわち情報発信アダプタ300全体を交換可能に構成されていてもよい。電池交換装置30が情報発信アダプタ300全体を交換可能に構成されている場合、端末用ベース部材311と電池用ベース部材312とは、分離不能に(一体的に)形成されていてもよいし、本実施形態のように分離可能に形成されていてもよい。
【0101】
以上説明した第2実施形態の情報発信アダプタ300は、火災感知器200に取付可能な情報発信アダプタであって、情報発信端末121と当該情報発信端末121に電力を供給する電池122とを有する情報発信モジュール120と、火災感知器200の外部からの作用によって動作可能な可動体(電池用ベース部材312)と、を備え、可動体が動作することによって、電池122が交換可能となるよう構成されている。
したがって、第2実施形態の情報発信アダプタ300によれば、可動体(電池用ベース部材312)が動作することによって電池122が交換可能となるが、当該可動体は火災感知器200の外部からの作用によって動作するため、感知器ベース210と感知器本体220との接続を解除しなくても可動体を動作させることができる。したがって、火災感知器200による火災監視を中断することなく電池を交換することができる。
【0102】
具体的には、第2実施形態の情報発信アダプタ300は、火災感知器200の内部に取付可能であり、可動体(電池用ベース部材312)は、電池122を着脱自在に収容する収容凹部(収容室312a)を有し、火災感知器200に対してスライド移動自在であり、可動体がスライド移動することによって、当該可動体が火災感知器200の外面に設けられた着脱口(アダプタ用空間218の開口)から挿入されて収容凹部が火災感知器200の内部に隠蔽された状態(電池用ベース部材312がアダプタ用空間218内に配設された状態)と、当該可動体が着脱口から抜去されて収容凹部が外部に露出した状態(電池用ベース部材312がアダプタ用空間218外(例えば、支持プレート31上)に配設された状態と、に変換可能であるよう構成されている。
したがって、火災感知器200の外部からの作用により可動体(電池用ベース部材312)をスライド移動させるだけで電池122が交換可能となるため、電池交換を容易に行うことができる。
【0103】
また、以上説明した第2実施形態の電池交換装置30は、電池駆動式の情報発信モジュール120を備えた情報発信アダプタ100に搭載されている電池122を交換するための電池交換装置であって、情報発信アダプタ100から使用済みの電池122を回収する電池回収部33と、情報発信アダプタ100に未使用の電池122を供給する電池供給部34と、回転自在な回転部(回転体32)と、を備え、電池回収部33、電池供給部34、および回転部のうちの少なくとも1つ(本実施形態の場合、回転部(回転体32))が情報発信アダプタ100の一部(電池用ベース部材312)と接した状態で回転部を回転させることによって、電池122を交換できるよう構成されている。
【0104】
したがって、本発明の電池交換装置30によれば、情報発信アダプタ300が有する可動体(電池用ベース部材312)と接した状態で回転部(回転体32)を回転させるだけで、情報発信アダプタ300の電池122を交換できるため、電池交換を容易に行うことができる。
【0105】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、情報発信モジュール120として発信機能を有するものを使用した例を示したが、発信機能の他、受信機能を有するものを使用してもよい。
また、火災感知器200は、感知器ベース210と感知器本体220とに分離可能なものに限定されず適宜変更可能であり、例えば、感知器ベース210を備えない火災感知器、すなわち、感知器ベースを介することなく、被取付部Pに一体的な構成のまま取り付けられる火災感知器であってもよい。
【0106】
また、上記第1実施形態において、アダプタ本体101のベース部材110や回転カバー102の形状は、適宜変更可能であるが、ベース部材110や回転カバー102の形状にかかわらず、情報発信アダプタ100は、火災感知器200の検出機能を妨害することがない位置(具体的には、火災感知器200が熱検知タイプのものであれば、サーミスタおよびプロテクタ周辺を避けた位置、火災感知器200が煙検知タイプのものであれば、煙流入部周辺を避けた位置)に配設されることが好ましい。
【0107】
また、上記第2実施形態においては、感知器本体220に、アダプタ用空間218を備えることも可能である。この場合、感知器本体220の筐体の内部のうち、感知器本体としての機能を実現する機能部のための機能部用空間として用いられていない空間に、アダプタ用空間218が配置される。ここで、感知器本体としての機能を実現する機能部は、例えば、火災を感知する感知手段、火災を感知したときに報知する報知手段等である。すなわち、この場合、既存の感知器本体(アダプタ用空間218を有していない感知器本体)において、当該感知器本体の筐体の内部空間のうち何にも使用されていない空虚な空間が、アダプタ用空間218になり得る。
その他、実施形態で示した構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。