特許第6829713号(P6829713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6829713
(24)【登録日】2021年1月26日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20210128BHJP
【FI】
   B25F5/00 G
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-500324(P2018-500324)
(86)(22)【出願日】2016年6月13日
(65)【公表番号】特表2018-519178(P2018-519178A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】EP2016063474
(87)【国際公開番号】WO2017001176
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2019年5月29日
(31)【優先権主張番号】1550912-8
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】502212604
【氏名又は名称】アトラス・コプコ・インダストリアル・テクニーク・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン カール ゴラン
【審査官】 中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−066804(JP,A)
【文献】 特開昭61−105332(JP,A)
【文献】 特開平02−009508(JP,A)
【文献】 特開昭56−055714(JP,A)
【文献】 特開平03−272348(JP,A)
【文献】 特開平06−047680(JP,A)
【文献】 特開平06−339868(JP,A)
【文献】 特開2002−264102(JP,A)
【文献】 特表2005−508060(JP,A)
【文献】 特表2007−505269(JP,A)
【文献】 特開2011−197298(JP,A)
【文献】 特表2013−525128(JP,A)
【文献】 特開2013−133873(JP,A)
【文献】 米国特許第3313124(US,A)
【文献】 米国特許第4357137(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 31/00−33/00
B25B 21/00−21/02
B25B 23/00−23/18
B25D 17/10
B25F 1/00−5/02
B26B 15/00
F16H 3/00−3/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具(10)であって、
‐モータ歯車(15)を備えた電気モータ(11)と、
‐入力歯車(16)を備えた出力シャフト(13)と、
‐前記モータ歯車(15)を前記入力歯車(16)に連結するカップリング(17)と、
‐前記モータ(11)、前記モータ歯車(15)、前記カップリング(17)および前記入力歯車を収容したハウジング(18)とを有する、電動工具において、前記カップリング(17)は、シャフト部分(25)および前記シャフト部分の互いに反対側の端のところに配置されていて前記モータ歯車(15)および前記入力歯車(16)にそれぞれ連結可能な2つの連結部分(26)を有し、前記モータ歯車(15)と前記入力歯車(16)の両方は、上反り輪郭形状を有し、該上反り輪郭形状により、前記上反り輪郭形状を有する前記モータ歯車(15)および前記入力歯車(16)のうちの一方の軸方向位置に対する前記カップリング(17)の傾斜運動が可能であり、
前記連結部分(26)の両方は、前記モータ歯車(15)および前記入力歯車(16)にそれぞれ噛み合い連結可能なスプラインを有し
前記カップリングの前記2つの互いに反対側の連結部分(26)は、前記シャフト部分(25)内に嵌め込まれるプラスチック部品であり、
前記シャフト部分(25)は、管の形をしており、
前記連結部分(26)は、前記シャフト部分(25)内に圧力嵌めされている、
ことを特徴とする電動工具。
【請求項2】
前記連結部分(26)は、凹部(30)を有し、前記シャフト部分(25)の案内(31)が前記連結部分(26)および前記シャフト部分(25)を前記連結部分(26)と前記シャフト部分(25)の相互回転が生じないようロックするために前記凹部内に嵌まり込む、
請求項記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝動装置を介して出力シャフトに連結されている電気モータを備えた電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
トルク送出電動工具、例えばねじ回しは、多様な分野で用いられている。互いに異なる用途には、性能パラメータ、例えば速度およびトルクレベルに対して互いに異なる要求が定められる。したがって、電動工具をモジュラー形状で製作してコンポーネント、例えばモータおよび減速歯車装置を、時間のかかるかつコスト高の改造を必要としないで、既存のツールハウジング内で異なるものに交換することができるようにする要望が存在する。
【0003】
モジュラー動力工具は、典型的には、特定の要望または用途に応じて互いに異なるモータおよび/または互いに異なる歯車装置を受け入れるようになったケーシングを有する。しかしながら、かかる動力工具に関する問題は、動力伝動装置を通常、互いに異なるモジュールに容易には合わせることができないということにある。通常、動力伝動装置は、できるだけ損失を少なくした状態でトルクを最善の仕方で伝達するようできるだけ高剛性に製作される。この結果、動力伝動装置は、軸方向位置合わせ不良に関する公差が貧弱になる場合があり、それにより、動力伝動装置に沿ってまたはモータもしくは出力シャフト中に有害な応力が生じる場合がある。さらに、かかる動力伝動装置は、互いに異なる用途に合わせて交換しまたは適合させるようには構成されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ、互いに異なるサイズのモジュールへの融通性のある適合を可能にするとともに動力伝動に関与するコンポーネントの軸方向位置合わせ不良に対する許容可能な公差を備えた信頼性のある動力伝動を可能にする動力伝動装置を備えた動力工具が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、動力工具の部品をモジュールとして交換すると同時に効率的かつ信頼性のある動力伝動を提供することを可能にする伝動工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載された本発明によって達成され、本発明は、電動工具であって、モータ歯車に連結された電気モータと、入力歯車に連結された出力シャフトと、モータ歯車を入力歯車に連結するカップリングと、モータ、モータ歯車、カップリングおよび入力歯車を収容したハウジングとを有する形式の電動工具に関する。カップリングは、シャフト部分と、シャフト部分の互いに反対側の端のところに配置されていてモータ歯車および入力歯車にそれぞれ連結可能な2つの連結部分とを有し、モータ歯車および入力歯車のうちの少なくとも一方は、上反り輪郭形状を有し、この上反り輪郭形状により、上反り輪郭形状を有するモータ歯車および入力歯車のうちの一方の軸方向位置に対するカップリングの傾斜運動が可能である。
【0007】
この構成は、従来構成に対して動力伝動に関与するコンポーネントの軸方向位置合わせ不良に対する向上した公差を有する。
【0008】
さらに、この構成により、カップリングは、カップリングのシャフト部分を異なる長さのシャフト部分で単に置き換えることによって異なる長さの互いに異なるモジュールに容易に適合可能である。
【0009】
本発明の他の特徴および他の利点は、独立形式の請求項の記載および図示の実施形態の詳細な説明から明らかになる。
【0010】
以下の詳細な説明において、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の特定の実施形態としての動力工具を示す図である。
図2図1の動力工具の動力伝動装置の断面図である。
図3】本発明のカップリングの切除斜視図である。
図4】本発明のカップリングの分解組立て図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1には、本発明の特定の実施形態としての動力工具が示されている。図示の動力工具10は、モータ11を有するトルク送出電動工具であり、モータ11は、減速歯車装置12を含む動力伝動装置を介して出力シャフト13に連結されている。ビットホルダ14がねじまたはナットにより連結可能なビットの挿入を行うことができるよう出力シャフト13の外端に取り付けた状態で配置されている。
【0013】
動力伝動装置は、モータ11によって駆動されるとともにカップリング17を介して減速歯車装置12の入力歯車16に連結されたモータ歯車15を更に有する。ハウジング18がモータ11および動力伝動装置を収容するよう構成されている。出力シャフト13は、ハウジング18の前端を貫通している。図示の実施形態では、捩じりばね19が減速歯車装置12とハウジング18との間に働く反力を吸収するよう配置されている。図示の捩じりばね19は、ハウジング18の管状部分内にぴったりと嵌め込まれた螺旋ばねである。
【0014】
図2には、動力工具10の動力伝動装置の断面図が示されている。図示の実施形態では、減速歯車装置12は、遊星歯車装置連結部33を介して入力歯車16に連結された太陽歯車22によって駆動される遊星歯車装置である。遊星歯車装置の出力歯車23が遊星歯車装置の遊星キャリヤ(図示せず)に連結されている。歯車リム(図示せず)が遊星キャリヤの外側に配置されている。歯車リムは、ハウジングに対して単一の軸受24内に配置されている。それゆえ、歯車リムは、ハウジングには固定されておらず、捩じりばね19の作用に抗して回転するよう配置されている。これは、例示の実施形態そのものであり、遊星歯車もまさにまた、ハウジング18によって全体が支持されるのが良く、捩じりばねをなしで済ますことができる。歯車モータ15を入力歯車16に連結する本発明のカップリング17が捩じりばね19の内部に位置した状態で示されている。
【0015】
カップリング17は、細部が図3および図4に示されている。カップリングは、シャフト部分25およびシャフト部分25の互いに反対側の端のところに配置されていてモータ歯車15および入力歯車16にそれぞれ連結可能な2つの連結部分26を有する。モータ歯車15は、モータによって駆動されるモータシャフト28に連結され、入力歯車は、減速歯車装置連結部33を介して減速歯車装置に連結されている。
【0016】
図4に示されているように、特定の実施形態のモータ歯車15および入力歯車16は、上反り輪郭形状を有し、これら上反り輪郭形状により、カップリング17の軸方向位置に対する傾斜運動が可能である。上反り輪郭形状は、歯車の歯付き部分が軸方向に変化する半径を有することを意味している。この半径は、歯車の中間部の近くで最も大きく、中間部の近くの最大半径から両方の方向に減少する。歯車15,16は、連結部分26と噛み合い接触関係をなして配置されるべきであり、連結部分26は、それゆえに、歯付きまたはスプライン付き内部32を有する。スプライン付き内部32は、そのスプライン付き長さ分全体を通じて同一の内側輪郭形状を備えた真っ直ぐなスプラインを有する。最適噛み合い相互作用を達成するため、上反り歯の曲率は、連結部が僅かに傾けられているかあるいは完全に真っ直ぐであるかとは無関係に、連結部分26のスプライン付き内部32と等しい良好な噛み合い状態をもたらす部分円形周囲を有するべきである。
【0017】
図示の実施形態では、モータ歯車15と入力歯車16の両方は、上反り歯車輪郭形状を有する。しかしながら、モータ歯車15および入力歯車16のうちの一方だけが上反り歯車輪郭形状を有する限り、上反り輪郭形状を有するモータ歯車15および入力歯車16のうちの一方の軸方向位置に対するカップリング17の傾斜運動を可能にする作用効果が達成される。
【0018】
連結部分26の両方は、モータ歯車15および入力歯車16へのそれぞれの噛み合い連結可能なスプラインを有する。有利には、カップリングのスプライン付き連結部分26は、シャフト部分25内に嵌め込まれるプラスチック部品である。好ましくは、連結部分26は、シャフト部分25の端開口部内に圧力嵌めされるよう厳しい公差で製作される。圧力嵌め構成の利点は、接着剤が不要であるということにある。
【0019】
シャフト部分25は、管の形をしているのが良いが、このシャフト部分は、図示の実施形態の場合のように、中実中間区分27を更に有するのが良い。中実中間区分27は、連結部分26のための軸方向停止部および支持体として機能することができる。さらにそうは言うものの、各連結部分26は、これまた連結部分26のための軸方向停止部および支持体として機能するリム29を備えても良く、その結果、中実中間区分27はその目的のためには不要である。
【0020】
リム29は、凹部30を有し、シャフト部分25の案内31が連結部分26およびシャフト部分25を相互回転しないようロックするようにこれら凹部内に嵌まり込む。案内31はまた、連結部分26をシャフト部分25に軸方向にロックするグリップ端部(図示せず)を更に有するのが良い。代表的には、そうは言うものの、かかるグリップ端部は、必要ではなく、と言うのは、シャフト部分25と連結部分26との締まり嵌めは、シャフト部分25および連結部分26が互いに対してロック状態のままであるようにするのに足るほど締まり状態にあるからである。
【0021】
上述したように、上述したように、本発明の特定の実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、この実施形態に限定されることはない。本発明は、特許請求の範囲の記載によって定められた本発明の保護範囲内で別の実施形態を含むことは、当業者には明らかである。
図1
図2
図3
図4