(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1、
図2に示すように、ラベル貼付装置10は、両面印字用ラベル3を印字して荷札ラベル2(両面印字ラベル)を発行するラベル発行装置100と、発行された荷札ラベル2をローラコンベア280上の荷物1(被着体)に貼付するラベル貼付機構200と、を備える。
【0012】
まず、
図3から
図5を参照して両面印字用ラベル3について説明する。なお、各図において、両面印字用ラベル3は、便宜上、その厚さを実際より大きい寸法に誇張して示している。
【0013】
図3に示すように、両面印字用ラベル3は、帯状の裏面側ラベル4に単葉の表面側ラベル5を貼り連ねたラベル連続体である。
【0014】
表面側ラベル5は、表面切り取り線としての周回状のミシン目5aにより外縁部5bと内側部5cとに区画される。また、内側部5cは、ミシン目5dにより複数の領域に区画される。
【0015】
図4に示すように、裏面側ラベル4は、裏面切り取り線としての周回状の切り目4aにより外縁部4bと内側部4cとに区画される。内側部4cは、2本のスリット目4dにより裏面側ラベル4の長手方向における端部4eと中央部4fとに区画される。
【0016】
表面側ラベル5の外縁部5bには粘着剤層5eが四角形の枠状の領域に設けられ、裏面側ラベル4の外縁部4bには剥離剤層4gが設けられる。表面側ラベル5と裏面側ラベル4とは、粘着剤層5eと剥離剤層4gとを対向して貼り合わされる。
【0017】
図5は、両面印字用ラベル3から分離して発行された荷札ラベル2が荷物1に貼付された状態を示す図である。単葉の荷札ラベル2は、薄い紙を重ね合わせた伝票となる内側部4c、5cと、伝票を囲むようにして荷物1に貼付される枠状の外縁部5bと、を有する。外縁部5bは、その裏面に設けられた粘着剤層5eにより荷物1に貼付される。裏面側ラベル4の内側部4cは、荷札ラベル2を荷物1に貼付した状態では表面側ラベル5に覆われて外部から見えないようになっている。
【0018】
次に、
図1、
図2を参照してラベル発行装置100について説明する。
【0019】
図1に示すように、架台105には、両面印字用ラベル3が置かれる供給部101が設けられる。ファンフォールド型の両面印字用ラベル3は、折り畳まれた状態で、供給部101に置かれる。供給部101と並んでストック部102が設けられる。ストック部102には、予備の両面印字用ラベル3が置かれる。
【0020】
供給部101の上方には、両面印字用ラベル3を案内するガイド103が設けられる。両面印字用ラベル3の側方には、
図2に示すように両面印字用ラベル3の有無を検出するラベル検出センサ104が設けられる。コントローラ290は、ラベル検出センサ104の検出信号に応じて、供給部101に両面印字用ラベル3のラベル残量が少なくなった場合に、ラベル貼付装置10の作動を停止させる、もしくは、ラベル貼付装置10が警告を発するようにする。
【0021】
ラベル発行装置100は、感熱媒体である両面印字用ラベル3を熱して印字を行う感熱方式の両面プリント装置110を備える。
【0022】
図2に示すように、両面プリント装置110は、筐体111と、両面印字用ラベル3の表面に印字を行うための第1サーマルヘッド112と、両面印字用ラベル3の裏面に印字を行うための第2サーマルヘッド113と、第1サーマルヘッド112の直下に配置される第1プラテンローラ114と、第2サーマルヘッド113の直上に配置される第2プラテンローラ115と、ベルトやギヤ等を介して第1プラテンローラ114を駆動する第1プラテン駆動モータ116と、ベルトやギヤ等を介して第2プラテンローラ115を駆動する第2プラテン駆動モータ117と、両面印字用ラベル3の位置を検出する位置検出センサ118と、を備える。
【0023】
両面印字用ラベル3は、表面側ラベル5を上側にして両面プリント装置110の筐体111に設けられた供給口111aから筐体111内に供給され、第1サーマルヘッド112と第1プラテンローラ114との間及び第2サーマルヘッド113と第2プラテンローラ115との間に挟持される。
【0024】
この状態で第1サーマルヘッド112の発熱素子への通電が行われると、発熱素子の熱によって感熱媒体である表面側ラベル5が自己発色して印字が行われる。また、第2サーマルヘッド113の発熱素子への通電が行われると、発熱素子の熱によって感熱媒体である裏面側ラベル4が自己発色して印字が行われる。
【0025】
表面側ラベル5の内側部5cが両面印字用ラベル3の表面印字領域とされ、裏面側ラベル4の中央部4fが両面印字用ラベル3の裏面印字領域とされる。両面印字用ラベル3の表面印字領域には、例えば、荷物1の届け先情報等が印字される。また、両面印字用ラベル3の裏面印字領域には、例えば、品名、金額等の秘匿にしたい情報等が印字される。
【0026】
第1プラテン駆動モータ116及び第2プラテン駆動モータ117によって第1プラテンローラ114及び第2プラテンローラ115が正回転すると、両面印字用ラベル3が下流側へと搬送され、筐体111に設けられた排出口111bから排出される。第1プラテンローラ114及び第2プラテンローラ115は、両面印字用ラベル3に弛みが発生したり張力がかかって破れたりしないように同期して回転する。
【0027】
位置検出センサ118は、両面印字用ラベル3の裏面側ラベル4に所定の間隔で予め印刷されている位置検出用のアイマークを検出するものであって、第1サーマルヘッド112及び第2サーマルヘッド113に対する両面印字用ラベル3の相対位置を検出するために利用される。コントローラ290は、位置検出センサ118の検出信号に応じて、第1プラテン駆動モータ116及び第2プラテン駆動モータ117の作動を制御する。
【0028】
ラベル発行装置100は、印字を行われた両面印字用ラベル3から単葉の荷札ラベル2を分離するラベル剥離機構120を備える。
【0029】
ラベル剥離機構120は、両面プリント装置110の下流側に配設され、表面側ラベル5から裏面側ラベル4の外縁部4bを剥離して、表面側ラベル5と裏面側ラベル4の内側部4cとで構成される単葉の荷札ラベル2を両面印字用ラベル3から分離する機構である。
【0030】
ラベル剥離機構120は、表面側ラベル5から剥離した裏面側ラベル4の外縁部4bを巻き取るラベル巻取器121と、ベルトやギヤ等を介してラベル巻取器121を駆動する巻取器駆動モータ122と、両面プリント装置110から排出された両面印字用ラベル3の裏面に当接して表面側ラベル5から裏面側ラベル4の外縁部4bを剥離する剥離板123と、表面側ラベル5から剥離した裏面側ラベル4の外縁部4bをラベル巻取器121まで案内するガイドローラ124〜127と、を備える。ガイドローラ126は、図示しないモータによって駆動され、ガイドローラ127との間に挟んだ裏面側ラベル4の外縁部4bを送るようになっている。
【0031】
ラベル巻取器121は、一対の回転板121aと、一対の回転板121aにわたって延びる4本の巻取シャフト121bと、を備える。裏面側ラベル4の外縁部4bは、4本の巻取シャフト121bに係合して、2枚の回転板121aの間に巻き取られる。
【0032】
ガイドローラ126及びラベル巻取器121は、両面プリント装置110の第1プラテンローラ114及び第2プラテンローラ115と同期して正逆両方向に回転駆動される。これにより、ラベル巻取器121が裏面側ラベル4の外縁部4bを巻き取る際に両面印字用ラベル3あるいは裏面側ラベル4の外縁部4bに弛みが発生したり張力がかかって破れたりしないようになっている。
【0033】
裏面側ラベル4の外縁部4bは、ラベル巻取器121に巻き取られていくと、剥離板123の先端位置で屈曲することで表面側ラベル5から順次剥離する。裏面側ラベル4の内側部4cは、外縁部4bが表面側ラベル5から剥離しても表面側ラベル5から剥離せず、切り目4aにより外縁部4bと分離する。こうして、表面側ラベル5と裏面側ラベル4の内側部4cとを有する荷札ラベル2が両面印字用ラベル3から分離して発行される。
【0034】
次に、ラベル発行装置100から発行される荷札ラベル2を荷物1に貼付するラベル貼付機構200について説明する。
【0035】
図1、
図2に示すように、ラベル貼付機構200は、ラベル発行装置100から発行される荷札ラベル2を搬送する搬送機構210と、搬送機構210によって搬送された荷札ラベル2を受け取り、荷物1に貼付する貼付機構240と、を備える。
【0036】
搬送機構210には、複数(2機)の搬送コンベア211(搬送部)が並んで設けられる。搬送コンベア211は、ラベル剥離機構120により両面印字用ラベル3から分離して発行された荷札ラベル2を、貼付機構240への受け渡し位置まで搬送する搬送部である。なお、搬送機構210に設けられる搬送コンベア211の数は、2機に限らず、荷札ラベル2の大きさ等に応じて任意に設定される。
【0037】
搬送コンベア211は、荷札ラベル2を搬送するためのベルト212と、ベルト212が掛け回されるローラ214、215と、一方のローラ214をベルトやギヤ等を介してベルト212を駆動するコンベア駆動モータ213と、を備える。
【0038】
ベルト212は、両面プリント装置110の第1プラテンローラ114、第2プラテンローラ115、及びラベル巻取器121と同期して循環する。これにより、両面印字用ラベル3から分離して発行される荷札ラベル2が、ラベル発行装置100から搬送コンベア211に滞りなく移載されるようになっている。
【0039】
搬送コンベア211の近傍には、ラベル検出センサ216が設けられる。ラベル検出センサ216は、荷札ラベル2の有無を検出する反射型光電センサである。コントローラ290は、ラベル検出センサ216の検出信号に応じて、荷札ラベル2を貼付機構240への受け渡し位置まで搬送するように、搬送コンベア211の作動を制御する。
【0040】
荷札ラベル2の裏面には、表面側ラベル5から裏面側ラベル4の外縁部4bが剥離したことで粘着剤層5eが露出している。これに対処して、ベルト212の表面には、図示しない剥離剤層が設けられる。これにより、ベルト212に粘着剤層5eを介して荷札ラベル2が貼り付くことが防止される。また、ベルト212に粘着剤層5eの粘着剤が付着することが防止される。
【0041】
なお、搬送コンベア211は、ベルト212に多数の孔が設けられ、各孔に負圧を発生させる負圧発生機を備えてもよい。この場合は、荷札ラベル2がベルト212に吸着した状態で搬送されることにより、ベルト212の上で荷札ラベル2が滑ったり位置ずれしたりすることが防止される。
【0042】
搬送機構210には、搬送コンベア211によって搬送された荷札ラベル2を搬送コンベア211から押上げる押上部220が設けられる。
【0043】
図2に示すように、押上部220は、搬送コンベア211と並んで配置される複数(6枚)のブレード221(押上部材)と、各ブレード221を昇降するアクチュエータ222と、を備える。
【0044】
図6に示すように、押上部220には、2枚のブレード221が1組となったものが3セット設けられる。2枚1組のブレード221からなる各セットは、各搬送コンベア211を挟むように配置され、荷札ラベル2の両側部と中央部に当接するようになっている。
【0045】
図7、
図8に示すように、各ブレード221は、押上フレーム225に固定して取り付けられる。押上フレーム225は、アクチュエータ222によって上下方向に駆動される。
【0046】
これにより、各ブレード221は、
図8、
図9Aに示すように搬送コンベア211のベルト212より下方に退避する退避位置と、
図9Bに示すように搬送コンベア211のベルト212から上方に突出して荷札ラベル2を持ち上げる突出位置と、の間で昇降する。
【0047】
薄い板状をしたブレード221は、搬送コンベア211の側部に沿って延び、かつ上下方向(鉛直方向)に延びるように配置される。
【0048】
ブレード221は、その上部に直線状に延びる先端221aを有する。先端221aの幅T1(
図6参照)は、荷札ラベル2の粘着剤層5eの幅T5(
図5参照)より小さく設定され、粘着剤層5eに線状に接触するようになっている。
【0049】
先端221aの表面には、図示しない剥離剤層が設けられる。これにより、ブレード221に粘着剤層5eを介して荷札ラベル2が貼り付くことが防止される。また、ブレード221に粘着剤層5eの粘着剤が付着することが防止される。
【0050】
2枚のブレード221は、複数(2つ)のスペーサ224を介して結合される。2枚のブレード221は、所定の間隔を持つ。具体的には、2枚のブレード221の先端221aが設けられるブレード設置幅T2(
図6、
図7参照)は、後述する吸着パッド241の吸着幅T3(
図6、
図7参照)より小さく設定される。
【0051】
こうして、2枚のブレード221は、吸着パッド241に対向するように配置される。なお、吸着パッド241に対向するブレード221の枚数は、2枚に限らず、吸着パッド241の大きさ等に応じて任意に設定される。
【0052】
また、前述した荷札ラベル2の有無を検出するラベル検出センサ216は、互いに並ぶ2枚のブレード221の間に配置されるように設けてもよい。この場合は、ラベル検出センサを荷札ラベル2の中央に対向するように配置することが可能になる。これにより、ラベル検出センサ216は、ブレード221上における荷札ラベル2の有無を的確に検出することができる。
【0053】
図7、
図8に示すように、貼付機構240は、荷札ラベル2を吸着する複数(8個)の吸着パッド241(吸着部)と、各吸着パッド241が接続されるパイプ242と、各パイプ242が取り付けられる昇降フレーム245と、を備える。パイプ242は、図示しない配管を介して負圧発生器に接続され、吸着パッド241の内側に負圧を導く。吸着パッド241は、荷札ラベル2を負圧によって吸着する吸着部である。なお、吸着パッド241の個数は、8個に限らず、荷札ラベル2の大きさ等に応じて任意に設定される。
【0054】
吸着パッド241は、例えばゴム等の弾性材によって形成される。吸着パッド241は、荷札ラベル2を吸着する負圧によって弾性変形して軸方向(上下方向)に収縮する。
【0055】
吸着パッド241は、ベローズ状の断面形を有する筒状に形成され、荷札ラベル2を吸着する円環状の吸着面241aを有する。吸着面241aの直径が、荷札ラベル2を吸着する吸着幅T3となる。なお、吸着パッド241は、この形状に限らず、その内側に生じる圧力変化によって弾性変形して伸縮するものであればよい。
【0056】
図6に2点鎖線で示すように、8個の吸着パッド241は、荷札ラベル2の外縁部5bに対向するように配置される。
【0057】
また、
図6において左右方向に並ぶ複数(3個または2個)の吸着パッド241は、荷札ラベル2の長手方向(
図6において左右方向)に延びる3セットのブレード221にそれぞれ対向するように配置される。
【0058】
図7、
図8に示すように、貼付機構240は、吸着パッド241に吸着される荷札ラベル2を支持する支持部250を備える。吸着パッド241が荷札ラベル2を吸着して収縮する際に、支持部250は、荷札ラベル2を当接させて支持する。これにより、荷札ラベル2が吸着パッド241の間で弛むことが規制される。
【0059】
支持部250は、吸着パッド241に吸着される荷札ラベル2に当接する複数(2個)の弾性部材251と、弾性部材251を昇降フレーム245に取り付ける複数(2個)のブラケット253と、を備える。
【0060】
図6に2点鎖線で示すように、2つの弾性部材251は、荷札ラベル2の長手方向(
図6において左右方向)について3列に並ぶ各吸着パッド241の間に延びるように配置される。なお、弾性部材251の個数は、2個に限らず、吸着パッド241の列数に応じて任意に設定される。
【0061】
ブロック状の弾性部材251は、立方体の外形をしており、水平方向に延びる支持面251aを有する。支持面251aは、荷札ラベル2に対向するように設けられ、各吸着パッド241に吸着される荷札ラベル2に当接するようになっている。
【0062】
弾性部材251は、エチレンプロピレンゴム(EDPM)等のゴムを原料として発泡成形した多数の気泡を有する多孔質材(スポンジ)によって形成される。
【0063】
弾性部材251は、ブラケット253の下面に接合して取り付けられる。ブラケット253は、昇降フレーム245に複数(2本)のボルト254を介して締結される。昇降フレーム245に対してブラケット253が締結される位置を変えることにより、吸着パッド241に対する弾性部材251の取り付け位置が調整される。
【0064】
弾性部材251は、下記の条件を満たすように取り付けられている。
・吸着パッド241が負圧によって収縮していない非吸着時状態(自由状態)において、吸着パッド241の吸着面241aが弾性部材251の支持面251aに対して所定量だけ下方(離間した位置)に位置する。
・吸着パッド241が負圧によって収縮している吸着状態(弾性変形状態)において、吸着パッド241の吸着面241aが弾性部材251の支持面251aと略同一高さに来る。これにより、吸着面241aと支持面251aとは、互いに同一直線上に延びるように配置される。
【0065】
吸着パッド241は、荷札ラベル2を吸着する負圧によって所定量(例えば2mm程度)だけ収縮することにより、荷札ラベル2を吸着する吸着面241aが弾性部材251の支持面251aより下方(離間した位置)に設定される初期位置から、少なくとも弾性部材251の支持面251aと同一高さになる位置まで上昇する。
【0066】
図6に示すように、2つの弾性部材251の間には、ラベル検出センサ248が設けられる。ラベル検出センサ248は、荷札ラベル2の有無を検出する反射型光電センサである。コントローラ290は、ラベル検出センサ248の検出信号に応じて、荷札ラベル2が有ることを判定して、後述するように移動機構230を作動させて荷札ラベル2を荷物1に貼付する。荷札ラベル2が無い場合には、移動機構230の作動を停止する。
【0067】
図1に示すように、移動機構230は、固定フレーム231と、固定フレーム231上にてローラコンベア280の搬送方向と直交する水平方向に延びる水平レール232と、水平レール232に沿って移動自在に設けられる移動体233と、移動体233を駆動する図示しないアクチュエータと、移動体233から鉛直方向に延びる鉛直レール234と、鉛直レール234に沿って昇降自在に設けられる昇降フレーム245と、昇降フレーム245を駆動する図示しないアクチュエータと、を備える。
【0068】
移動体233は、アクチュエータによってローラコンベア280の搬送方向と直交する水平方向に移動する。移動体233は、貼付機構240が搬送機構210上に位置するラベル受け取り位置(
図1の2点鎖線)と、貼付機構240がローラコンベア280上に位置するラベル貼付位置(
図1の実線)と、の間で移動する。昇降フレーム245は、アクチュエータによって移動体233に対して昇降する。
【0069】
これにより、貼付機構240は、ブレード221上から荷札ラベル2を受け取る位置と、ローラコンベア280上の荷物1に貼付する位置と、のそれぞれにおいて昇降する。
【0070】
ローラコンベア280は、図示しないストッパを備えており、荷物1への荷札ラベル2の貼付が完了するまで荷物1をラベル貼付位置で停止させる。荷物1への荷札ラベル2の貼付が完了すると、ローラコンベア280のストッパが解除され、荷物1が下流側へ搬送される。
【0071】
次に、
図9Aから
図9Fを参照して、ラベル貼付機構200において荷札ラベル2が荷物1に貼付される動作を説明する。
【0072】
まず、
図9Aに示すように、搬送コンベア211がベルト212を循環させて、ベルト212に載せられた荷札ラベル2を貼付機構240の受け渡し位置に搬送する。
【0073】
このときに、ブレード221は、ベルト212より下方に下降した退避位置にあり、搬送された荷札ラベル2と干渉しない。
【0074】
続いて、
図9Bに示すように、ブレード221が突出位置へと上昇する。これにより、ブレード221の先端221aがベルト212の上方に突出して、荷札ラベル2がベルト212から離れて持ち上げられる。
【0075】
続いて、
図9Cに示すように、貼付機構240の各吸着パッド241が下降する。
【0076】
このときに、各吸着パッド241の吸着面241aが弾性部材251の支持面251aより下方にあるため、弾性部材251より先に各吸着パッド241が荷札ラベル2に当接して、吸着パッド241の内側に導かれる負圧により荷札ラベル2を吸着する。
【0077】
各吸着パッド241が荷札ラベル2を吸着するときに、各吸着パッド241は荷札ラベル2を各ブレード221の先端221aとの間に挟む。荷札ラベル2は、各ブレード221の先端221aに線状に当接して支持される。
【0078】
また、このときに、ベルト212はブレード221の先端221aより下方にあるため、荷札ラベル2の粘着剤層5eがベルト212に押し付けられることが回避される。
【0079】
こうして、各吸着パッド241が荷札ラベル2を吸着すると、
図9Dに示すように、各吸着パッド241が負圧によって収縮し、各吸着パッド241の吸着面241aが弾性部材251の支持面251aと略同一高さに来る。これにより、各吸着パッド241に吸着された荷札ラベル2は、吸着パッド241の吸着面241aと並んで同一直線上に延びる各弾性部材251の支持面251aに当接することで、真っ直ぐに延びた状態に支持される。
【0080】
続いて、移動体233がラベル受け取り位置(
図1の2点鎖線)からラベル貼付位置(
図1の実線)に移動する。
【0081】
続いて、
図9Eに示すように、貼付機構240が下降することによって荷札ラベル2が荷物1に貼付される。
【0082】
このときに、同一直線上に延びる吸着パッド241の吸着面241aと弾性部材251の支持面251aが荷札ラベル2を押圧する。荷札ラベル2は、真っ直ぐに延びた状態で皺が生じることなく、荷物1の被貼付面(上面)に貼付される。
【0083】
また、このときに、荷物1の被貼付面に段差や傾斜などの起伏がある場合には、各吸着パッド241及び各弾性部材251が荷物1の被貼付面の形状に追従して弾性変形する。こうして、荷札ラベル2は、粘着剤層5eが荷物1の被貼付面に対して広い範囲で押し付けられることで、粘着剤を介して貼付される。
【0084】
最後に、
図9Fに示すように、貼付機構240が上昇した後に、移動体233がラベル受け取り位置(
図1の2点鎖線)に移動し、次の荷札ラベル2を貼付する動作に移行する。
【0085】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0086】
本実施形態によれば、ラベル貼付装置10は、荷札ラベル2(ラベル)を搬送する搬送機構210と、搬送機構210によって搬送された荷札ラベル2を受け取り、荷物1(被着体)に貼付する貼付機構240と、を備える。
【0087】
そして、搬送機構210は、荷札ラベル2を搬送する搬送コンベア211(搬送部)と、搬送コンベア211によって搬送された荷札ラベル2を搬送コンベア211から押上げる押上部220と、を備える。
【0088】
上記構成に基づき、搬送コンベア211によって搬送された荷札ラベル2は、押上部220によって搬送コンベア211から押上げられた状態で、貼付機構240によって受け取られる。これにより、荷札ラベル2の粘着剤層5eが搬送コンベア211に押し付けられることがないため、荷札ラベル2の粘着剤層5eがベルト212の表面に貼り付くことが抑えられ、荷札ラベル2の受け渡しが円滑に行われる。そして、粘着剤層5eの粘着剤が搬送コンベア211に付着することが防止されるため、搬送コンベア211が荷札ラベル2を搬送することが円滑に行われる状態が維持される。
【0089】
また、貼付機構240は、荷札ラベル2を負圧によって吸着する吸着パッド241(吸着部)を備え、押上部220は、吸着パッド241に対向する位置に設けられる。
【0090】
上記構成に基づき、吸着パッド241は押上部220との間に荷札ラベル2を挟むようにして吸着する。これにより、貼付機構240では、吸着パッド241によって荷札ラベル2を吸着することが確実に行われる。
【0091】
また、吸着パッド241は、荷札ラベル2の粘着剤層5eとは反対側の面を吸着するように配置される。
【0092】
上記構成に基づき、荷札ラベル2を荷物1に貼付する際に、吸着パッド241が荷札ラベル2の粘着剤層5eとは反対側の面を押圧する。これにより、荷札ラベル2は、吸着パッド241によって粘着剤層5eが荷物1に押し付けられ、荷物1に貼付されることが確実に行われる。
【0093】
また、押上部220は、荷札ラベル2に対して線状に接触するブレード221を備える。
【0094】
上記構成に基づき、ブレード221は、荷札ラベル2の粘着剤層5eに線状に接触し、粘着剤層5eに対する接触面積が減少するため、荷札ラベル2が粘着剤層5eを介して粘着されることが防止される。これにより、貼付機構240が荷札ラベル2を受け取ることが円滑に行われる。
【0095】
なお、ブレード221は、上述した構成に限らず、複数のピン状の突起が間隔を持って並ぶ先端部を有して、荷札ラベル2の粘着剤層5eに対して点状に接触する構成としてもよい。この場合に、ブレード221は、粘着剤層5eに対する接触面積が減少するため、粘着剤層5eに粘着することを有効に防止できる。
【0096】
また、押上部220は、複数のブレード221が荷札ラベル2を介して吸着パッド241に対向するように配置される。
【0097】
上記構成に基づき、荷札ラベル2が複数のブレード221にわたって支持されるため、吸着パッド241に対向する部位に撓み等が生じることが抑えられる。吸着パッド241は複数のブレード221との間に荷札ラベル2を挟むようにして吸着することにより、荷札ラベル2を吸着することが確実に行われる。
【0098】
また、貼付機構240は、搬送機構210の上方で昇降することで搬送機構210から荷札ラベル2を受け取り、荷物1の上方で昇降することで荷札ラベル2を荷物1に貼付する構成とする。
【0099】
上記構成に基づき、ラベル貼付装置10は、搬送機構210から荷札ラベル2を受け取って、荷札ラベル2を荷物1に貼付することが確実に行われる。
【0100】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0101】
本願は2016年2月29日に日本国特許庁に出願された特願2016−037962に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。