(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つまたはそれ以上のウレイド置換(メタ)アクリレートモノマー(c)が、モノマー混合物の総重量を基準にして0.05〜0.9重量%の量で存在する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感圧接着性組成物。
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、改善された耐熱性を有する感圧接着剤(PSA)に関する。特に、本発明は、耐熱性が向上したアクリル系エマルジョン接着剤に関する。
【0002】
[発明の背景]
アクリル系感圧接着剤は、可撓性材料を表面に接着する多くの用途に利用されており、そして、高い固形分、低い揮発性有機含有量、良好な紫外線(UV)/熱に対する安定性、および高いコーティング速度のために、たとえば、テープおよびラベル産業で使用されている。ある適用、特に、耐熱性が望ましい、特殊テープ(specialty tapes)において、溶媒およびUV硬化型感圧接着剤(UV PSA)が典型的に使用される。
【0003】
アクリル系感圧接着剤(PSA)は、典型的には、乳化重合または溶液重合によって製造され、乳化重合が好ましい。アクリル系エマルジョン感圧接着剤(PSA)の接着特性は、重合プロセスで使用されるモノマーの種類および相対量によって影響される。
【0004】
したがって、溶媒およびUV硬化型感圧接着剤(UV PSA)に匹敵し、強化された耐熱性を有するアクリル系エマルジョン感圧接着剤(PSA)の必要性が存在する。
【0005】
[発明の概要]
一実施形態では、
(a)1つまたはそれ以上のアクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステル;
(b)1つまたはそれ以上のヒドロキシル官能性(メタ)アクリルモノマー;
(c)1つまたはそれ以上のウレイド置換(メタ)アクリレートモノマー;
(d)任意の、1つまたはそれ以上の炭化水素モノマー;および
(e)任意の、1つまたはそれ以上のエチレン性不飽和カルボン酸;
を含む、モノマー混合物の乳化重合生成物を含む感圧接着性組成物が提供される。
【0006】
別の実施形態では、以下を含む、モノマー混合物の乳化重合生成物を含む、感圧接着性組成物が提供される。
(a)1つまたはそれ以上のアクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステルの約50重量%またはそれ以上;
(b)1つまたはそれ以上のヒドロキシル官能性(メタ)アクリルモノマーの約0.1〜約5重量%;
(c)1つまたはそれ以上のウレイド置換(メタ)アクリレートモノマーの約0.05〜約3重量%;
(d)任意に、1つまたはそれ以上の炭化水素モノマーの、0〜約10重量%、または、0〜約3重量%;および、
(e)任意に、1つまたはそれ以上のエチレン性不飽和カルボン酸の、0〜約6重量%。
ここで、重量%は、モノマー混合物の総重量に基づく。
【0007】
別の実施形態では、以下を含む、モノマー混合物の乳化重合生成物を含む、感圧接着性組成物が提供される。
(a)C
1〜C
17アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートである、1つまたはそれ以上のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル;
(b)C
1〜C
17ヒドロキシ官能性アクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキル、またはC
2〜C
12カルボン酸のグリシジルエステルから調製された1つまたはそれ以上のアクリル酸エステルである、1つまたはそれ以上のヒドロキシル官能性(メタ)アクリルモノマー;および
(c)C
8〜C
17ウレイドアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートである、1つまたはそれ以上のウレイド置換(メタ)アクリレートモノマー。
【0008】
[発明の詳細な説明]
本発明の感圧接着性組成物は、
(a)1つまたはそれ以上のアクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステル、
(b)1つまたはそれ以上のヒドロキシル官能性(メタ)アクリルモノマー、(c)1つまたはそれ以上のウレイド置換された(メタ)アクリレートモノマー、
(d)任意の、1つまたはそれ以上の炭化水素モノマー(複数可)、および
(e)任意の、1つまたはそれ以上のエチレン性不飽和カルボン酸
を、乳化重合することによって得ることができる。
ヒドロキシル官能性(メタ)アクリルモノマーとウレイド置換(メタ)アクリレートモノマーとの組み合わせが、優れた高温性能を有するエマルジョン感圧接着剤(PSA)を生成することが発見されている。
【0009】
本発明で使用するのに適している、成分(a)の、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの例としては、C
1〜C
17アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートが挙げられる。代表的な例は、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、3,3−ジメチルブチルメタクリレート、ラウリルアクリレートおよびそれらの任意の組み合わせまたは部分集合(subset)を含む。
【0010】
一実施形態では、成分(a)は、ホモポリマーのガラス転移温度(T
g)が−20℃以下である、1つまたはそれ以上のアクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステルを含む。別の実施形態では、成分(a)は、ホモポリマーのガラス転移温度(T
g)が、−10℃以下であるか、または−20℃以下、またはより低い、1つまたはそれ以上のアクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステルのみを含む。
【0011】
本発明の感圧接着性(PSA)組成物のためのモノマー混合物は、成分(a)〜(e)の重量に基づいて、約50重量%以上、または約50〜約99重量%、または約50〜約95重量%、または約60〜95重量%、または約75〜約95重量%、または約75〜90重量%のアクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステルを含む。
別の実施形態において、本発明の感圧接着性(PSA)組成物のためのモノマー混合物は、成分(a)〜(e)の重量に基づいて、約50重量%依り大きい、または約60〜95重量%、または約75〜約95重量%、または約75〜90重量%の、そのホモポリマーが、−20℃以下のガラス転移温度(T
g)を有する、アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステルを含む。
別の実施形態において、アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマーのTgは、約−100℃〜10℃の間、または約−70℃〜10℃の間、または約−70℃〜−10℃の間である。
【0012】
成分(b)の、ヒドロキシル官能性(メタ)アクリルモノマーの例としては、C
1〜C
17のヒドロキシ官能性アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートを含む。典型的な例は、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ヒドロキシエチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルヘキシルメタクリレート、およびそれらの任意の組み合わせまたは部分集合(subset)を含む。ヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートモノマーの他の例としては、C
2〜C
12カルボン酸のグリシジルエステルから製造されたアクリル酸エステル、たとえばHexion社から市販されているACE
TMヒドロキシルアクリレートモノマーが挙げられる。
【0013】
本発明の感圧接着性(PSA)組成物のためのモノマー混合物は、成分(a)〜(e)の重量に基づいて、約0.1〜約5重量%、または0.5〜約3重量%のヒドロキシル官能性(メタ)アクリルモノマーを含むことができる。
【0014】
成分(c)のウレイド置換の(メタ)アクリレートモノマーの例としては、C
7〜C
17、好ましくは、C
8〜C
17ウレイドアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートを含む。典型的な例としては、
2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル 2−メチルプロプ−2−エノエート;
2−(1−メチル−2−オキソイミダゾリジン−1−イウム−1−イル)エチル 2−メチルプロプ−2−エノエート;
ジメチル−[2−(2−メチルプロプ−2−エノイルオキシ)エチル]−[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル]アザニウム;
ジメチル−[2−(2−メチルプロプ−2−エノイルオキシ)エチル]−[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル]アザニウム クロリド;
ジメチル−[2−(2−メチルプロプ−2−エノイルオキシ)エチル]−[1−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル]アザニウム;
ジメチル−[2−(2−メチルプロプ−2−エノイルオキシ)エチル]−[1−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル]アザニウム クロリド;
2−(4−メチル−2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル 2−メチルプロプ−2−エノエート;
1−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル 2−メチルプロプ−2−エノエート;
2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル 2−メチリデンブタノエート;
[1−アセトアミド−2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル]2−メチルプロプ−2−エノエート;
[2−オキソ−2−[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチルアミノ]エチル] 2−メチルプロプ−2−エノエート;
2−(3−メチル−2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチル 2−メチルプロプ−2−エノエート;
[2−オキソ−2−[2−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エトキシ]エチル] 2−メチルプロプ−2−エノエート;
[2−オキソ−2−[1−(2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチルアミノ]エチル] 2−メチルプロプ−2−エノエート;など、および、それらの任意の組合せまたは部分集合(subset)を含む。
【0015】
本発明の感圧接着性(PSA)組成物のためのモノマー混合物は、成分(a)〜(e)の重量に基づいて、約0.05〜約3重量%、または0.1〜1重量%、または0.05〜0.9重量%のウレイド置換(メタ)アクリル酸モノマーを含むことができる。
【0016】
使用される場合、本発明に使用されるのに適した、成分(d)の、任意の炭化水素モノマーの例には、スチレン化合物(たとえば、スチレン、カルボキシル化スチレンおよびα−メチルスチレン)、エチレン、プロピレン、ブチレンおよび共役ジエン(たとえば、ブタジエン、イソプレンおよび、ブタジエンとイソプレンとのコポリマー)およびそれらの任意の組合せまたは部分集合(subset)が挙げられる。
【0017】
使用される場合、本発明の感圧接着性(PSA)組成物用のモノマー混合物は、成分(a)〜(e)の重量を基準にして、約5〜約10重量%の炭化水素モノマーを含むことができる。
【0018】
使用される場合、成分(e)の、任意のエチレン性不飽和カルボン酸の例には、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、およびカルボキシエチルアクリレートなどのモノエチレン性不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸などのモノエチレン性不飽和ジカルボン酸、アコニット酸などのモノエチレン性不飽和トリカルボン酸、およびハロゲン置換誘導体(たとえば、α−クロラシリック(alphachloracylic)アシッドおよびこれらの酸の無水物(たとえば、無水マレイン酸および無水シトラコン酸)を含む。あるいは、モノマー混合物は、エチレン性不飽和カルボン酸を含まない。
【0019】
使用する場合、本発明の感圧接着性(PSA)組成物用のモノマー混合物は、成分(a)〜(e)の重量に基づいて、約0.5〜約3重量%のモノエチレン性不飽和カルボン酸を含むことができる。
【0020】
上記に加えて、別の実施形態では、本発明の感圧接着性(PSA)組成物用のモノマー混合物は、任意に、成分(a)〜(e)とは異なる、さらなるモノマーを含むことができる。さらなるモノマーの例には、アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルのような上記エチレン性不飽和カルボン酸のニトリルが含まれる。
例としては、非置換アミド(たとえば、(メタ)アクリルアミド)のようなこれらのカルボン酸のアミド、および上記のカルボン酸のアミドとアルデヒド(たとえば、ホルムアルデヒド)との反応によって得られる他のアルファ置換アクリルアミドおよびn−置換アミドが挙げられる。典型的なn−置換アミドとしては、n−メチロールアクリルアミド、n−メチロールメタクリルアミド、アルキル化n−メチロールアクリルアミド、およびn−メチロールメタクリルアミド(たとえば、n−メトキシメチルアクリルアミドおよびn−メトキシメチルメタクリルアミド)が挙げられる。
存在する場合、本発明の感圧接着性(PSA)組成物のためのモノマー混合物は、成分(a)〜(e)の重量に基づいて、約0.5〜約5重量%のニトリル、および/またはモノエチレン性不飽和カルボン酸のアミドを含むことができる。
【0021】
他のモノマーの例としては、たとえば、Hexion社から共に市販されている、VeoVa
TM 9ビニルエステル、またはVeoVa
TM 10ビニルエステルのような、C
2〜C
12カルボン酸のビニルエステルのようなカルボン酸のビニルエステルを含む。
存在する場合、本発明の感圧接着性(PSA)組成物は、成分(a)〜(e)の重量に基づいて、約0.5〜約6重量%のカルボン酸のビニルエステルを含んでいてもよい。
【0022】
本発明の別の実施形態では、本発明の分散液を調製する方法は、連続相(通常は水)を利用することができ、そして、開始剤、還元剤、界面活性剤、消泡剤湿潤剤、架橋剤、防腐剤などのような、本技術分野で標準および公知の他の成分を含むことができる。
たとえば、乳化重合に適した任意の従来からの水溶性重合開始剤を使用することができる。上記開始剤の典型的な重量%は、モノマーの総重量に基づき、0.01%〜2.0重量%であり、そして、好ましくは0.01〜約1.0重量%である。
開始剤の例としては、過硫酸(persulfates)、過酸化物、アゾ化合物、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
水に溶解可能な開始剤は、単独で、またはホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、第一鉄塩、キレートされた鉄塩などのような、1つまたはそれ以上の従来の還元剤と組み合わせて使用することができ、これらに限定されない。
【0023】
一の実施形態では、水溶性の重合開始剤(intiator)システムは、キレート鉄錯体触媒とともに、tert−ブチルヒドロペルオキシド ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(tert−butyl hydroperoxide sodium formaldehyde sulfoxylate)をベースにしたシステムのような従来の還元剤との組み合わせで利用される、過酸化物である。
【0024】
適切な界面活性剤系の例は、当技術分野で公知のものであり、そして、アニオン性、非イオン性、カチオン性または両性の乳化剤およびそれらの混合物を含む。
アニオン性界面活性剤の例には、硫酸アルキル、エトキシレートアルコールのスルフェート、アリールスルホネート、エトキシル化アルコールのホスフェート、スルホサクシネート、エトキシル化されたアルキルフェノールのサルフェートおよびスルホネート、およびそれらの混合物を含むが、これら限定されない。非イオン性界面活性剤の例としては、限定されないが、エトキシル化アルコール、エトキシル化アルキルフェノール、およびそれらの混合物を含む。カチオン性界面活性剤の例としては、エトキシル化脂肪族アミンが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、反応性の炭素−炭素二重結合を有する反応性界面活性剤化合物が利用される。反応性化合物の例としては、限定されないが、アルケニル置換基を有するアルキルフェノール エトキシレート、ポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテルサルフェート塩化合物、ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)塩、α−スルホ−オメガ−[1−(ヒドロキシメチル)−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ](アデカSRシリーズ、アデカ社(Adeka Corporation)から市販されている)、およびそれらの混合物または部分集合(subset)である。
一実施形態では、反応性界面活性剤は、Adeka SRシリーズの反応性界面活性剤を含む。界面活性剤の典型的な重量は、0.2〜5.0重量%であり、そして、より好ましくは、1.0〜5.0重量%であり、さらに、最も好ましくは、1.0〜3.0重量%である。界面活性剤は、当該技術分野において周知の従来の方法によって利用される。一実施形態では、感圧接着剤(PSA)を調製するプロセスは、重合反応に先立ち、界面活性剤系とのモノマー混合物の乳化を含む。
【0025】
重合後、ラテックスエマルジョンのpHを、金属水酸化物、水酸化アンモニウム、アミン、およびそれらの混合物を含むが、これらに限定されない適切な塩基で調節する。pHは、少なくとも、6.0、そして、より好ましくは、6.5〜9.5、および、最も好ましくは、7.0〜9.0に調整される。一実施形態では、適切な塩基は水酸化アンモニウムである。
【0026】
本発明の感圧接着性(PSA)エマルションは、約30〜70%、そして、好ましくは、40〜55%の典型的な固形分(solids content)を有する。重合は、乳化重合のための典型的な温度で行うことができる。重合は、好ましくは、110°F(43.3℃)〜210°F(99℃)、そして、より好ましくは、130°F(54℃)〜190°F(88℃)の範囲で行われる。
【0027】
本発明による感圧接着性(PSA)組成物は、感圧接着性(PSA)組成物に要求される特性を調節するために、さらなる添加剤を含むことができる。たとえば、粘着付与剤および/またはポリオレフィンエマルションを添加して、ステンレス鋼および高密度ポリエチレンなどの特定の基材上の接着特性を改善することができる。粘着付与剤およびポリオレフィンのエマルジョンは、感圧接着性(PSA)組成物の全固形分に基づいて、1〜60重量%、好ましくは、5〜40重量%、最も好ましくは、10〜25重量%の量で添加されてもよい。
【0028】
適切な粘着付与剤は、ロジン酸、ロジンエステル、テルペン、または炭化水素ベースの粘着付与剤から選択することができる。商業的に入手可能な例は、Arizona化学社製のAquatac 6085、Lawter社製のSnowtack FH95G、Eastman社製のTacolyn 1070、およびDRT社製のDermulsene TR501が挙げられる。
【0029】
適切なポリオレフィンエマルションは、ポリエチレンまたはポリプロピレン分散物から選択することができる。ポリオレフィンは、酸官能基を含んでいてもよい。市販の例は、Honeywell社製のCohesa 0001、Michelman社製のMichem Prime 499OR、およびDow Chemical社製のHYPOD 4501である。
【0030】
本発明の代表的な利点を含む、本発明のより良い理解を提供するために、以下の実施例が提供される。
【0031】
[実施例]
実施例1(対照)
プレエマルジョンを、231.3グラムの水、25.4グラムのDowfax2A1(ダウ社製)、4.6グラムのAbex 2535(ソルベイ社製)、380.4グラムの2−エチルヘキシルアクリレート、270.1グラムのn−ブチルアクリレート、72.3グラムのメチルメタクリレート、22.8グラムのスチレン、および15.2グラムの2−ヒドロキシエチルアクリレートを混合することによって形成した。
2つの別個の溶液を調製した:
(A)54.8グラムの水中に、2.3グラムの過硫酸ナトリウム、および
(B)13.7グラムの水中に、1.5グラムの過硫酸ナトリウム。
349グラムの水および1.0グラムのDowfax 2A1界面活性剤を、反応器に充填した。窒素パージを開始し、そして、78℃に加熱した。78℃で、プレエマルジョン31グラムを、反応器に添加した。溶液Bをケトル(kettle)に充填し、そして、3グラムの水で洗い流した(flushed)。窒素パージを止め、そして、反応発熱が始まった。発熱がピークに達した15分後、プレエマルションタンクからの混合物および溶液Aを、3.5時間、反応器に流入させ、そして、反応器温度を85℃に制御した。流入が完了した後、プレエマルジョンを8グラムの水で洗い流し、そして、反応器を、87℃で、45分間維持し、次いで冷却した。溶液(C)、20グラムの水に、2.7グラムのt−ブチルヒドロペルオキシドおよび、(D)、16グラムの水に、1.2グラムのホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム(sodium formaldehyde sulfoxylate)を調製した。溶液CおよびDの、45分間にわたる反応器への流入を開始し、そして、反応器をさらに15分間維持した。反応器を、室温まで冷却し、そして、28%アンモニア水溶液で、pHを6.0〜8.0に調整した。総重量に基づいて、1%のエアロゾル OT−75(サイテック社製)を添加し、1時間、混合した。
【0032】
実施例2〜9は、実施例1と同じ方法を用いて、表1に示す異なるモノマー組成で調製した。
【0033】
サンプルを2ミルのPETフィルム上にコーティングし、室温で、30分間、風乾し、そして、110℃のオーブンで、3分間乾燥させ、50グラム/m2の目標の乾燥接着剤被膜重量で試験した。被覆したPETを、積層して剥離ライナーとした。PET/接着剤/ライナー構造を、1インチ幅の一片に切断し、剥離ライナーを除去し、そして接着剤を含むPETフィルムを、PSTC−101法に基づく剥離試験のために、ステンレス鋼(SS)に、15分間積層し、24時間の滞留時間で積層させた。
試験パネルに接着した後、2キログラムの重量ローラーで2回圧延した。インストロン試験機を用いて、規定の滞留時間で、180度の剥離を行った。サンプル片はまた、PSTC−17法を用いて、SAFT(断界面破壊温度)について試験した。
両方のPSTC法は、Pressure Sensitive Tape Council(米国)からのものである。長さ6インチの1インチ幅の片を、切断し、そして、高温での引き裂きを避けるために裏側を、アルミホイルテープで補強した。それは1インチ×1インチの接触面積を有するステンレス鋼パネルに接着され、そして、2キログラムの重量ローラによって、2回、転がされた。片を有するスチールパネルは、パネルが178°〜180°の角度を形成するように、40
OCのオーブンでラック(rack)に保持した。接着剤の片を有する鋼パネルをオーブンに入れた直後に、それを30分間オーブンに入れた。次に、1キログラムの重りを片に掛けた。オーブンは、重りを掛けた直後に、20分間、40
OCに保持するようにプログラムした。20分保持後、炉温度を、毎分0.5
OCの割合で増加させた。オーブンの温度が、200℃に達したとき、テストを完了し、そして、オーブンの冷却を開始した。スチールパネル上の試験片の破損により、1キログラムの重りが落ちたとき、その温度を、SAFTとして記録される。試験片が、温度上昇の過程を通じて落下しなかった場合は、SAFTは、200+℃として記録される。
【0034】
結果を表2に示す。
実施例10〜12
実施例10は、実施例8の繰返しである。
実施例11の組成物において、Cohesa 0001(Honeywellから市販されているポリオレフィン分散液)を、表3に示す量で加える。
実施例12では、、Lawterから市販されているロジン粘着付与剤(rosin tackifier)の分散剤である、Snowtack FH95Gを、表3に示す量で加える。
ステンレス鋼(SS)および高密度ポリエチレン(HDPE)の基質上のPL15剥離強度の結果(ポンド/インチ)を表3に報告する。