特許第6829746号(P6829746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6829746自動制御機構付きミシン及びその自動制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6829746
(24)【登録日】2021年1月26日
(45)【発行日】2021年2月10日
(54)【発明の名称】自動制御機構付きミシン及びその自動制御方法
(51)【国際特許分類】
   D05B 19/12 20060101AFI20210128BHJP
【FI】
   D05B19/12
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-114641(P2019-114641)
(22)【出願日】2019年6月20日
(65)【公開番号】特開2021-208(P2021-208A)
(43)【公開日】2021年1月7日
【審査請求日】2019年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】597069501
【氏名又は名称】高林股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 培嘉
【審査官】 ▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−167010(JP,A)
【文献】 特開2016−064096(JP,A)
【文献】 特開2013−188262(JP,A)
【文献】 特開2016−174795(JP,A)
【文献】 特開2015−089474(JP,A)
【文献】 特開2005−087251(JP,A)
【文献】 特開2013−179980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D05B 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地に対する裁縫動作を行う自動制御機構付きミシンであって、
ユーザーによる外部操作を受け、それによって、制御命令を生成する操作用インタフェースと、
前記操作用インタフェースに電気的に接続された制御ユニットであって、前記操作用インタフェースから送信された前記制御命令を受信し、対応する操作信号を生成するために通常運転モードでは前記ミシンの制御を前記操作用インタフェースに引き渡す制御ユニットと、
モーターと、
前記制御ユニットと前記モーターとに電気的に接続され、前記操作信号に基づいて該モーターの回転速度を制御するモーター駆動ユニットと、
前記制御ユニットに電気的に接続され、前記布地の現在の厚みを検出する布地検出ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、前記布地の現在の厚みが閾値の範囲内にあると判断した場合には通常運転モードで前記ミシンを動作させ、前記布地の現在の厚みが閾値を超えると判断した場合には制限運転モードで前記ミシンを動作させ、
前記制限運転モードでは、前記制御ユニットがミシンの制御権を前記操作用インタフェースから前記制御ユニットに移し、前記制御ユニットが自動的に減速信号を生成して前記モーター駆動ユニットに送信し、
前記モーター駆動ユニットは、前記操作信号に代えて前記減速信号を用い、それによって、前記モーターの前記回転速度を変更する、自動制御機構付きミシン。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記現在の厚みが前記閾値内にあると判断した場合に、前記制限運転モードから前記通常運転モードに復帰させて前記操作用インタフェースに前記制御権を返還し、前記制御命令に基づき、前記操作信号を再度生成して送信し、
前記モーター駆動ユニットは、前記操作信号に基づいて前記モーターの前記回転速度を回復させる、請求項1に記載の自動制御機構付きミシン。
【請求項3】
前記布地を載置するテーブルと、
前記テーブルの下面に設けられ、一方の方向に回動し、それによって、前記布地を該方向に送る送り歯と、
前記テーブルの上面に設けられ、前記布地を押圧力で前記送り歯に押さえ付け、前記布地の送りに伴って変位を生じる押さえ足機構と、
を更に備える、請求項1に記載の自動制御機構付きミシン。
【請求項4】
前記布地検出ユニットは、前記押さえ足機構の変位量を検出し、
前記制御ユニットは、前記変位量に基づいて前記布地の前記現在の厚みを算出する、請求項3に記載の自動制御機構付きミシン。
【請求項5】
前記押さえ足機構は、
前記テーブルに対して垂直に上下動する動力伝達軸と、
前記動力伝達軸の一端に設けられた軸ピンと、
前記軸ピンを通じて前記動力伝達軸にピボット連結され、前記軸ピンによって揺動可能な布押え部材と、
を備え、
前記布地検出ユニットは、前記布押え部材と前記送り歯との間の相対的高さの変化量を検出し、前記制御ユニットは、前記相対的高さの変化量に基づいて前記布地の前記現在の厚みを算出する、請求項3に記載の自動制御機構付きミシン。
【請求項6】
前記布地検出ユニットは、前記布地の画像を取り込むカメラであり、
前記制御ユニットは、前記画像に対する画像認識を行い、それによって、前記布地の前記現在の厚みを算出する、請求項3に記載の自動制御機構付きミシン。
【請求項7】
布地を裁縫するミシンに適用するミシンの自動制御方法であって、
a)前記ミシンの布地検出ユニットが前記布地の現在の厚みを検出するステップと、
b)前記ミシンの操作用インタフェースを通じてユーザーからの外部操作を受けるとともに制御命令を生成するステップと、
c)通常運転モードにおいて、前記ミシンの制御ユニットが前記制御命令を受信するとともに、該制御命令に基づいて対応する操作信号を生成するために、前記操作用インタフェースに前記ミシンの制御権を移すステップと、
d)前記ミシンのモーター駆動ユニットが前記操作信号を受信するとともに、前記操作信号に基づいてモーターの回転速度を制御するステップと、
e)前記制御ユニットは、前記現在の厚みが閾値を超えているか否かを判断し、前記現在の厚みが前記閾値内に収まると判断した場合に、前記通常運転モードで前記ミシンを動作させるステップと、
f)前記制御ユニットは、前記現在の厚みが前記閾値を超えていると判断した場合に、前記ミシンを制限運転モードで動作させ、前記ミシンの制御権を前記操作用インタフェースから前記制御ユニットに返還させ、前記制御ユニットにおいて自動的に減速信号を生成するステップと、
g)前記モーター駆動ユニットは、前記操作信号に代えて前記減速信号を用い、それによって、前記モーターの前記回転速度を変更するステップと、
を含む、自動制御方法。
【請求項8】
h)前記制御ユニットは、前記制限運転モードから前記通常運転モードに復帰した場合に、前記現在の厚みが前記閾値内に回復したと判断し前記操作用インタフェースに制御権を返還するステップと、
i)前記制御ユニットは、前記操作用インタフェースから送信された前記制御命令に基づいて前記操作信号を再度生成するステップと、
j)前記モーター駆動ユニットは、前記操作信号に基づいて前記モーターの前記回転速度を回復させるステップと、
を更に含む、請求項7に記載の自動制御方法。
【請求項9】
前記ミシンは、
前記布地を載置するテーブルと、
前記テーブルの下面に設けられた送り歯と、
前記テーブルの上面に設けられ、前記布地を押圧力で前記送り歯に押さえ付ける押さえ足機構と、
を更に備え、
前記ステップe)は、前記布地検出ユニットが前記布地の送りにより生じる前記押さえ足機構の変位量を検出するとともに、前記制御ユニットが前記変位量に基づいて前記布地の前記現在の厚みを算出する、請求項7に記載の自動制御方法。
【請求項10】
前記ミシンは、
前記布地を載置するテーブルと、
前記テーブルの下面に設けられた送り歯と、
前記テーブルの上面に設けられ、前記布地を押圧力で前記送り歯に押さえ付ける押さえ足機構と、
を更に備え、
前記押さえ足機構は、
前記テーブルに対して垂直に上下動する動力伝達軸と、
前記動力伝達軸の一端に設けられた軸ピンと、
前記軸ピンを通じて前記動力伝達軸にピボット連結された布押え部材と、
を備え、
前記ステップe)は、前記布地検出ユニットが前記布押え部材と前記送り歯との間の相対的高さの変化量を検出するとともに、前記制御ユニットが前記相対的高さの変化量に基づいて前記布地の前記現在の厚みを算出する、請求項7に記載の自動制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミシンに関し、特に、自動制御機構を有するミシン、及びミシンの自動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ミシンの操作技術者は、特に必要のない通常の場合には、ミシンが最高限度の速度で作動して最高の作業効率を得るように、最高回転速度でミシンを操作する。操作技術者は、特定の場合に、ミシンの機械部品が損傷して進みが止まってしまうという不具合が生じないように、ミシンの回転速度を適宜調整して速度を落とすようにする。
【0003】
具体的には、ミシンの運転時に縫針が布地を刺す際に受ける反力は、モーターの回転速度の増加に伴って大きくなり、布地の厚みが厚いほど縫針の上述の反力も大きくなる。ミシンは、モーターの高速回転のまま一定の厚み以上の布地を刺すように縫針が制御されると、縫針に生じる反力が縫針自体の耐え得る力よりも大きくなり、縫針が破損してしまうおそれがある。
【0004】
ミシンの運転中に縫針が破損しないようにするために、操作技術者は、ミシンの運転時に自分の視覚及び/又は触覚で現在の布地の厚みの変化を見て、布地が厚くなると、縫針が破損しないようにミシンの回転速度を迅速に調整して速度を落とし、布地が薄くなると、生産効率を確保及び維持するようにミシンの回転速度を回復させる必要がある。
【0005】
上述の説明からわかるように、従来のミシンは、操作技術者自身が極めて高い集中力及び反応力で操作する必要があり、さもなければ、上述の不具合を回避することができない。しかしながら、高い集中力及び反応力により、操作技術者の疲労度が増してしまう。このため、生産効率及び品質を維持したままどのように操作技術者の疲労度を低減させることができるかという課題があり、本発明者はこれについて鋭意検討した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、主に、現在裁縫している布地の厚みに基づいてモーターの回転速度を自動的に制御して変更することが可能な自動制御機構付きミシン及びその自動制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のミシンは、主に、制御ユニットと、操作用インタフェースと、布地検出ユニットと、モーター駆動ユニットと、モーターとを備えている。上記布地検出ユニットは、現在裁縫している布地の厚みを検出するためのものである。上記布地の厚みが閾値内にある場合、上記制御ユニットは、上記操作用インタフェースから送信された指示を受けて、対応する操作信号を上記モーター駆動ユニットに送信し、上記モーター駆動ユニットは、上記制御ユニットの上記操作信号に基づいて対応して上記モーターの回転速度を制御する。上記布地検出ユニットが上記布地の厚みの変化を検出した場合、上記制御ユニットは、自動的に減速信号を生成して上記モーター駆動ユニットに送信し、上記モーター駆動ユニットは、元来の上記操作信号に代えて上記減速信号を用いて上記モーターの上記回転速度を変更する。
【発明の効果】
【0008】
本発明が関連技術に対して達成可能な技術的効果は、布地の厚みに基づいてモーターの回転速度を自動的に制御して制限することにより、操作技術者の不注意な操作によるミシンの損傷という不具合を回避することができる点にある。このように、本発明は、手動の操作を効果的に支援し、ミシンに対して操作技術者に要求される熟練度、集中力及び反応力を大幅に軽減することによって、上述の不具合の発生を回避しつつ、生産効率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の具体的な実施形態に係るミシンのブロック図である。
図2】本発明の第1の具体的な実施形態に係るミシンの運転の模式図である。
図3】本発明の第1の具体的な実施形態に係る変位量信号の模式図である。
図4】本発明の第1の具体的な実施形態に係る制御フロー図である。
図5】本発明の第2の具体的な実施形態に係るミシンの運転の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら以下の通り詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1の具体的な実施形態に係るミシンのブロック図である。本発明には、自動制御機構付きミシン(以下、明細書において単に「ミシン1」という)が開示されており、図1に示すように、上記ミシン1は、少なくとも制御ユニット10と、制御ユニット10に対して電気的に接続された操作用インタフェース11と、モーター駆動ユニット12と、布地検出ユニット15とを備えている。
【0012】
上記制御ユニット10は、主に、ミシン1の内部の電子部品を統括し、対応する電気信号を伝達するためのものである。一実施形態では、上記制御ユニット10は、例えばマイクロコントロールユニット(MCU:Micro Control Unit)、プロセッサー(Processor)又はシステムオンチップ(System On a Chip)等とすることができ、それらに限定されるものではない。
【0013】
上記操作用インタフェース11は、物理インタフェース(例えば、物理的なプッシュボタン、スイッチ、開閉器、操作レバー等により構成されるインタフェース)又は仮想インタフェース(例えば、画面に表示されるマンマシンインタフェース)とすることができ、ユーザーは、操作用インタフェース11を通じてミシン1を制御することができる。一実施形態では、ミシン1は、主に、ミシン1の運転モード及び運転速度等のパラメーターを調整するように、操作用インタフェース11を通じてユーザー(例えば、操作技術者)の操作を受けることができる。
【0014】
図1に示すように、上記モーター駆動ユニット12は、ミシン1のモーター13に電気的に接続されており、制御ユニット10の制御に基づいてモーター13の回転速度を調整する。
【0015】
具体的には、ユーザーが操作用インタフェース11で操作すると、操作用インタフェース11は、ユーザーの操作行為に基づいて対応する制御命令を生成するとともに、制御命令を制御ユニット10へ伝送する(例えば、回線制御方式で電気信号を制御ユニット10へ送信する)。通常運転の場合には、ミシン1の制御権は、操作用インタフェース11に属すように予め設定されている。すなわち、ユーザーは、操作用インタフェース11を通じてミシン1の運転を完全にコントロールすることができる。この場合、制御ユニット10は、受信した制御命令に基づいて対応する操作信号を生成するとともに、操作信号をモーター駆動ユニット12に伝送する。
【0016】
本実施形態では、制御ユニット10の生成する操作信号も一種の電気信号である。モーター駆動ユニット12は、制御ユニット10から送信された操作信号を受信すると、操作信号に基づいて対応する電力をモーター13に出力して、モーター13を回転駆動させることができる。なお、モーター駆動ユニット12から出力される電力の大きさは上記操作信号の内容に対応しており、これにより、モーター駆動ユニット12は、モーター13を特定の回転速度で回転させるようにすることができる(すなわち、モーター13の回転速度をユーザーの操作行為に対応させる)。
【0017】
図1に示すように、上記モーター13は、主に、ミシン主軸14に取り付けられており、モーター13の回転によって、ミシン1の裁縫部材(後述する)を制御するようにミシン主軸14を駆動させることができ、これにより、裁縫動作が実施される。本発明では、モーター13の回転速度は、上記裁縫部材の運転効率に対応している(一定の範囲において、モーター13の回転速度が速いほど、裁縫部材の達成し得る運転効率も高くなることを表している)。
【0018】
本発明の技術的手段の1つによると、ミシン1が布地(図2に示す布地4)に対する裁縫動作を行う際に、制御ユニット10は、布地4の現在の厚みを継続的に検出するように布地検出ユニット15を自発的又は受動的に制御するとともに、布地4の厚みの変化を検出するとミシン1の上記制御権を切り換えることができる。
【0019】
具体的には、本発明のミシン1は、運転モードを、少なくとも通常運転モードと、制限運転モードとに区分することができる。通常運転モードでは、制御ユニット10は、ミシン1の制御権を操作用インタフェース11に渡している(すなわち、ミシン1の制御権が全てユーザーにある)。言い換えると、ユーザーは、操作用インタフェース11を通じて直接にモーター13の回転速度を制御することによって、ミシン1全体の運転効率を制御することができる。
【0020】
上述したように、布地4の厚みが厚すぎると、ミシン1が比較的速い回転速度で運転している場合に、縫針(図2に示される縫針22)の破損が起こるおそれがある。本発明では、制御ユニット10は、布地4の厚みを継続的に検出するように上記布地検出ユニット15を制御しており、布地4の厚みに変化がないか(すなわち、初期の厚みと同じであるか)、又は所定の閾値を超えていない場合には、ミシン1を上記通常運転モードで運転させる(すなわち、制御権を操作用インタフェース11に渡している)。また、制御ユニット10は、布地検出ユニット15が布地4の厚みが変化したか(すなわち、初期の厚みと異なったか)、又は閾値を超えていることを検出した場合には、ミシン1を上記制限運転モードで運転させる。
【0021】
上記制限運転モードでは、制御ユニット10は、主に、ミシン1の制御権を操作用インタフェース11から制御ユニット10に移し、制御ユニット10自身が所定のスクリプトに従ってモーター13の回転速度を制御することによって、ミシン1を或る特定の運転効率に制限する。言い換えると、ミシン1が上記制限運転モードにある場合には、ユーザーが操作用インタフェース11でどのような操作行為をしたかにかかわらず、モーター駆動ユニット12が制御ユニット10の命令に従ってモーター13を或る特定の回転速度で回転させる。
【0022】
一実施形態では、上記特定の回転速度とは、布地4の現在の厚みにおいて縫針22の破損が起こらない最高回転速度である。上記特定の回転速度は、ミシン1の製造業者が実験テストを多数行ってから求め、制御ユニット10のファームウェアに直接記録することができるが、これに限定されるものではない。
【0023】
具体的には、制御ユニット10が布地検出ユニット15から布地4の関連情報を取得して布地4の現在の厚みが変化したか、又は現在の厚みが所定の閾値を超えたと判断した場合に、自動的に操作用インタフェース11からミシン1の制御権を取り戻し、自動的に1組の減速信号を生成するとともに、生成された減速信号をモーター駆動ユニット12に伝送する。本実施形態では、上記閾値は布地4の或る特定の厚みに対応しており、ミシン1のモーター13が最高回転速度で回転するとともに布地4が上記特定の厚みを超えると、縫針22の破損が起こり得る。
【0024】
上記制限運転モードでは、制御権が制御ユニット10に属しているので、モーター駆動ユニット12は、制御権を有する制御ユニット10から送信された上記減速信号を受信すると、取得していた元来の操作信号に代えて減速信号を用い(又は、そのまま操作信号を捨て)、減速信号の内容に基づいてモーター13の回転速度を変更し(すなわち、出力する電力の大きさを変更し)、これにより、モーター13の回転速度が制限運転モードの要件を満たすようにする。
【0025】
一実施形態では、制限運転モードに移行する度に制御ユニット10で生成される減速信号はいずれも同じであり、これにより、モーター駆動ユニット12は、減速信号を受信する度に、同じ回転速度で回転するようにモーター13を駆動する。別の実施形態では、制御ユニット10は、制限運転モードに移行すると、布地4の現在の厚みに基づいて対応する内容の減速信号を生成することができ、これにより、モーター駆動ユニット12は、縫針22の破損が起こらない最高回転速度で回転するようにモーター13を駆動することができる。
【0026】
具体的には、上記制御ユニット10は、アルゴリズム101を含むことができ、上記アルゴリズム101は、布地検出ユニット15の検出信号を取得するとともに、布地4の現在の厚みを判断するように、検出信号を演算することができる。さらに、上記アルゴリズム101は、現在の厚みに基づきルックアップテーブル(lookup table)を用いて演算することによって、現在の厚みに対応可能な内容を有する上記減速信号を生成することもできる。このようにして、制御ユニット10は、減速信号の生成及び送信を通じて、最適な回転速度でモーター13を回転させることができる。ただし、これらは本発明の具体的な例示にすぎず、これらに限定されるものではない。
【0027】
本発明では、上記通常運転モードであるか、上記制限運転モードであるかにかかわらず、制御ユニット10はいずれも、布地検出ユニット15の検出信号を継続的に取得する。ミシン1が上記制限運転モードで運転しており、制御ユニット10が検出信号によって布地4の現在の厚みが既に上記閾値内に回復していると判断した場合には、ミシン1を上記通常運転モードに復帰させるように、ミシン1の制御権を操作用インタフェース11に返還することができる(すなわち、ユーザーが操作用インタフェース11を通じてミシン1の制御権を再度掌握することができるようにする)。
【0028】
具体的には、布地4の現在の厚みが閾値内に回復した場合は、布地4の厚みが薄くなり、ミシン1には縫針22破損のリスクがなくなったことを表している。したがって、制御ユニット10は、ユーザーが自らモーター13の回転速度を制御するのを許容することができ、すなわち、ユーザーが自らミシン1の運転効率を調整して制御するのを許容することができる。制御権が操作用インタフェース11に返還されると、制御ユニット10は、上記減速信号の生成及び送信を停止する。また、制御ユニット10は、ユーザーの操作行為より生成された上記制御命令を操作用インタフェース11から継続的に受信するとともに、制御命令の内容に基づいて上記操作信号を再度生成する。上記モーター駆動ユニット12は、ミシン1が通常運転モードに復帰すると、上述の減速信号を捨てて、制御ユニット10から再度送信された操作信号に基づいて出力電力を調整し、これにより、モーター13の回転速度を回復させることができる。
【0029】
図1に示すように、本発明のミシン1は、制御ユニット10に電気的に接続された設定用インタフェース16と、表示用インタフェース17とを更に備えている。上記設定用インタフェース16は、ミシン1が種々の状態のシステム自動制御の要件に応じることができるように、ユーザーの操作を受け、それによって、ミシン1に関連するシステム制御パラメーターを設定することができる。上記表示用インタフェース17は、現在の各種システム制御パラメーターをユーザーが明確に理解するように、設定用インタフェース16を通じてユーザーが行った各種設定を表示するのに用いることができる。上述の設定用インタフェース16と、表示用インタフェース17とは、それぞれ物理インタフェース又は仮想インタフェースとすることができ、限定されるものではない。
【0030】
続いて、図2は、本発明の第1の具体的な実施形態に係るミシンの運転の模式図である。
【0031】
図2に示すように、本発明のミシン1は、水平に設けられた1つのテーブル18を更に備え、上記テーブル18は、裁縫しようとする上記布地4を載置するためのものである。上述したように、ミシン1のモーター13は、主に、ミシン主軸14に取り付けられており、ミシン主軸14は、連動部材(図示せず)によって、テーブル18に対して垂直に設けられた針棒21に連結され、針棒21には、テーブル18側の一端に上記縫針22が設けられている。モーター13が回転すると、ミシン主軸14を駆動させることができ、ミシン主軸14は、針棒21と縫針22とを上下運動させることができ、これにより、縫針22を通じてテーブル18の布地4に対する裁縫動作が行われる。
【0032】
図2に示すように、上記テーブル18の下面には、送り歯19が設けられ、上記送り歯19は、テーブル18の下面から挿通されて布地4に接触することができる。ミシン1の運転時に、送り歯19は、第1の方向(すなわち、図2の矢印の方向)に回動するように制御され、それによって、テーブル18の布地4を第1の方向に送る。テーブル18の上面には、更に押さえ足機構3が設けられ、上記押さえ足機構3は、一定の押圧力で布地4を送り歯19に押さえ付けるように制御されており、布地4の送りに伴って変位(主に、上下方向の変位)を生じる。
【0033】
一実施形態では、本発明の布地検出ユニット15は、ミシン1の適宜の位置に設けられており、機械的方式又は電気的方式によって上記押さえ足機構3の変位量を検出する(例えば、押さえ足機構3に直接接続されているか、又は電気的に接続されている)。より具体的には、上記布地4は、押さえ足機構3と送り歯19との間に挟まれているので、押さえ足機構3の下面と送り歯19の上面との間の高さが布地4の現在の厚みとなり、Z軸方向(すなわち、上下方向)における押さえ足機構3の変位量ともなる。つまり、布地4の現在の厚みが厚くなると、押さえ足機構3の変位量が増加し、布地4の現在の厚みが薄くなると、押さえ足機構3の変位量が減少する。
【0034】
また、図3は、本発明の第1の具体的な実施形態に係る変位量信号の模式図である。図3は、布地検出ユニット15で生成された電気信号を説明するためのものである。本実施形態では、布地検出ユニット15で検出されて生成された電気信号が、押さえ足機構3の変位量を表すための変位量信号である。
【0035】
図3に示すように、布地4の厚みが変化すると(図3では、厚くなる例である)、布地検出ユニット15で生成される変位量信号が、押さえ足機構3の変位量の上昇に伴って大幅に変化する。本発明では、上記制御ユニット10は、布地検出ユニット15で検出されて生成された電気信号を継続的に受信するとともに、アルゴリズム101によって電気信号を分析及び演算し、これにより、押さえ足機構3の変位量に基づいて布地4の現在の厚みを算出する。このようにして、制御ユニット10は、布地4の現在の厚みに基づき、ミシン1を通常運転モードのまま運転させるか、又は制限運転モードに切り換えるかを決定することができる。
【0036】
一実施形態では、制御ユニット10は、上記変位量信号に基づいて布地4の厚みが変化して厚くなったと判断しさえすれば、上記制限運転モードに移行するようにミシン1を制御する(すなわち、操作用インタフェース11の制御権を取り戻す)。また、制御ユニット10は、上記変位量信号に基づいて布地4の厚みが再度変化して薄くなったと判断した場合に、上記通常運転モードに復帰するようにミシン1を制御する(すなわち、制御権を操作用インタフェース11に返還する)。
【0037】
別の実施形態では、制御ユニット10は、1つの閾値(例えば、変位の範囲に対応する変位閾値、又は厚みの範囲に対応する厚み閾値)を予め設定することができる。制御ユニット10は、変位量信号に基づき、布地4の厚みが変化し、変化後の厚みが上記閾値よりも大きいと判断した場合に、上記制限運転モードに移行するようにミシン1を制御する。また、制御ユニット10は、変位量信号に基づき、布地4の厚みが変化し、変化後の厚みが閾値内に回復したと判断した場合に、上記通常運転モードに復帰するようにミシン1を制御する。
【0038】
図2に戻ると、上記押さえ足機構3は、主に、テーブル18に対して垂直に上下方向に移動可能な動力伝達軸31と、動力伝達軸におけるテーブル18側の一端に設けられた軸ピン32と、軸ピン32を通じて動力伝達軸31にピボット連結され、軸ピン32によって揺動可能な布押え部材33とを備えている。本実施形態では、押さえ足機構3は、主に、布押え部材33によって布地4を送り歯19上に押さえ付けている。本実施形態における押さえ足機構3と送り歯19との間の距離とは、布押え部材33の下面と送り歯19の上面との間の距離である。
【0039】
一実施形態では、上記布地検出ユニット15は、主に、布押え部材33と送り歯19との間の相対的高さの変化量を継続的に検出する。すなわち、布地検出ユニット15で生成される電気信号は、高さの変化量を表す変化量信号とすることもできる。上記制御ユニット10は、布地検出ユニット15から上記電気信号を受信すると、アルゴリズム101によって、電気信号(すなわち、上記相対的高さの変化量)を分析及び演算し、さらに、布地4の現在の厚みを求めることができる。
【0040】
図2に示すように、押さえ足機構3は、布押え部材33を介して布地4を送り歯19に押さえ付けているので、布押え部材33と送り歯19との間の距離(すなわち、第1の高さH1)が布地4の現在の厚みとなる。布地4が厚くなると、布押え部材33と送り歯19との間の距離は、第2の高さH2に変化する。本実施形態では、上記布地検出ユニット15は、第1の高さH1に対する第2の高さH2の変化量を検出するとともに、この変化量に基づいて上記電気信号を生成する。
【0041】
上述の実施形態では、制御ユニット10は、布押え部材33と送り歯19との間の距離が第1の高さH1である場合に、布地4の現在の厚みが閾値内にあると判断することができるので、ミシン1を通常運転モードのままにする。布押え部材33と送り歯19との間の距離が第2の高さH2に変化した場合に、制御ユニット10は、布地4の現在の厚みが変化して閾値を超えたと判断することができるので、ミシン1を制限運転モードに移行させる。そして、布押え部材33と送り歯19との間の距離が第2の高さH2から第1の高さH1に変化した場合には、制御ユニット10は、布地4の現在の厚みが閾値内に回復したと判断することができるので、ミシン1を通常運転モードに復帰させる。このことからわかるように、本発明の技術案によれば、ユーザーの高い集中力及び反応力に依存することなく、確実に、ミシン1の自動制御プログラムでミシン1の運転効率を維持しつつ、縫針22破損のリスクを避けることができ、大変便利である。
【0042】
続いて、図4は、本発明の第1の具体的な実施形態に係る制御フロー図である。本発明は、自動制御方法を更に開示している。上記自動制御方法は、主に、図1及び図2に示すミシン1に適用される。本発明の自動制御方法によれば、ミシン1のユーザーの高い集中力及び反応力を必要とすることなく、ミシン1が自ら布地の現在の厚みを監視して制御するとともに、現在の厚みに基づいてモーターの回転速度を自動的に制限することができ、これにより、布地が厚すぎ、モーターの回転速度が速すぎることによる縫針破損の不具合が回避される。
【0043】
図4に示すように、本発明の自動制御方法を用いるには、まず、ユーザーが上記ミシン1を起動させる必要がある(ステップS10)。ミシン1が起動されると、上記制御ユニット10が布地4の現在の厚みを継続的に検出するように布地検出ユニット15を制御する(ステップS12)。一実施形態では、布地検出ユニット15は、ステップS12において上記押さえ足機構3の変位量の変化を検出し、制御ユニット10は、変位量の変化に基づいて布地4の現在の厚みを算出する。別の実施形態では、布地検出ユニット15は、ステップS12において上記布押え部材33と送り歯19との間の相対的高さの変化量を検出し、制御ユニット10は、相対的高さの変化量に基づいて布地4の現在の厚みを算出する。
【0044】
なお、制御ユニット10は、ミシン1が通電され始動されることにより、布地4を検出し始めるように布地検出ユニット15を自動的に制御するか、又はユーザーがミシン1の検出機能をトリガーすることにより、ユーザーの制御に基づいて布地検出ユニット15を使用可能にしてもよく、限定されるものではない。
【0045】
制御ユニット10は、布地検出ユニット15で検出されて生成された電気信号を継続的に受信し、電気信号の内容に基づいて布地4の現在の厚みを算出するとともに、布地4の現在の厚みが所定の閾値を超えているか否かを判断する(ステップS14)。一実施形態では、上記閾値は、モーター13の最高回転速度において縫針22が破損するおそれのある布地の厚みである。ただし、これは本発明の例示の1つにすぎず、これに限定されるものではない。
【0046】
布地4の現在の厚みが上記閾値を超えていない場合には、本実施形態では、制御ユニット10は、ミシン1の制御権を操作用インタフェース11に渡す(ステップS16)。すなわち、ミシン1を上記通常運転モードにする。通常運転モードでは、ユーザーが操作用インタフェース11を通じてミシン1を全面的に制御することができる。すなわち、ユーザーは、モーター13の回転速度(すなわち、ミシン1の運転効率)を任意に調整することができる。
【0047】
通常運転モードでは、制御ユニット10は、操作用インタフェース11を通じて、ユーザーの操作行為により生成された制御命令を継続的に受信しており(ステップS18)、制御命令の内容に基づいて対応する操作信号を生成するとともに、生成された操作信号をモーター駆動ユニット12に伝送する(ステップS20)。モーター駆動ユニット12は、制御ユニット10から上記操作信号を受信するとともに、操作信号の内容に基づいて対応する電力をモーター13へ出力し、それによって、モーター13の回転速度がユーザーの操作行為に適合するようにモーター13の回転速度を制御することができる(ステップS22)。
【0048】
ステップS14で布地4の現在の厚みが上記閾値を超えていると判断された場合には、制御ユニット10は、ミシン1を通常運転モードから上記制限運転モードに移行させるように、操作用インタフェース11からミシン1の制御権を取り戻す(ステップS24)。上記制限運転モードでは、制御ユニット10は、所定のスクリプトに基づいて自動的に1つの減速信号を生成するとともに、減速信号をモーター駆動ユニット12に伝送する(ステップS26)。モーター駆動ユニット12は、制御ユニット10から上記減速信号を受信すると、取得していた元来の操作信号に代えて減速信号を用い、出力電力を変更することによって、モーター13の回転速度が制御ユニット10から送信された減速信号の内容に適合するようにモーター13の回転速度を変更する(ステップS28)。
【0049】
なお、上記制限運転モードでは、ユーザーが依然として操作用インタフェース11を操作し続けることができ、操作用インタフェース11がユーザーの操作行為に基づいて上記制御命令の生成及び送信を継続することができる。しかし、制限運転モードの際のミシン1の制御権は制御ユニット10にあるので、制御ユニット10は、操作用インタフェース11から送信された制御命令を無視して(又は、受信後に制御命令を捨てて)、自身で生成した減速信号でモーター駆動ユニット12を制御する。
【0050】
本発明では、上記減速信号の内容は、主に、現在検出されている布地の厚みにおいて縫針22の破損が起こらないモーター13の最高回転速度に対応している。言い換えると、モーター駆動ユニット12が減速信号の内容に基づいてモーター13の回転速度を制御しさえすれば、布地4の現在の厚みが厚すぎることによる縫針22の破損が起こることはない。ただし、これは本発明の例示の1つにすぎず、これに限定されるものではない。
【0051】
一実施形態では、制御ユニット10は、制限運転モードに移行する度に同じ内容の減速信号を生成し、これにより、同じ回転速度で回転するようにモーター13を制限することができる。
【0052】
別の実施形態では、制御ユニット10は、制限運転モードに移行すると、アルゴリズム101によって布地4の現在の厚みを演算し、それによって、その厚みにおいて縫針22の破損が起こらない最高回転速度を取得するとともに、その最高回転速度に基づいて上記減速信号を生成することができる。この実施形態では、ミシン1が制限運転モードで運転されているが、モーター13は依然として布地4の現在の厚みに伴ってその回転速度を変更することができ、これにより、ミシン1の運転効率が効果的に維持される。
【0053】
ミシン1の運転中、制御ユニット10は、ユーザーの操作が終了したか否かを継続的に判断する(ステップS30)とともに、操作が終了するまで、モーターの回転速度をユーザーが制御する通常運転モードと、モーターの回転速度をシステムで自動的に制御する制限運転モードとの間で動的な切り換えを布地4の現在の厚みに基づいてミシン1で繰り返し行うように、上述のステップS12〜ステップS28を継続的に実行する。
【0054】
なお、ミシン1が上記制限運転モードで運転しており、制御ユニット10がステップS14において布地4の現在の厚みが閾値内に回復したと判断した場合には、制御ユニット10は、さらに、制御権を操作用インタフェース11に返還するとともに、操作用インタフェース11から送信された制御命令に基づいて操作信号を再度生成する。モーター駆動ユニット12は、制御ユニット10から上記操作信号を取得すると、取得していた元来の減速信号に代えて操作信号を用いて出力電力を変更し、これにより、モーター13の回転速度がユーザーの操作行為に再度適合するようにモーター13の回転速度を回復させることができる。
【0055】
本発明の自動制御方法によれば、ミシンは、布地の厚みが比較的薄い場合には、最適な運転効率が得られるように、ミシン1の制御権をユーザーに完全に掌握させることができる。また、布地が厚くなった場合には、ミシンはモーターの回転速度を自動的に制御して制限することができ、これにより、ユーザーの集中力及び反応力に過度に依存することなく、自動制御の方式で縫針破損の不具合が回避される。
【0056】
続いて、図5は、本発明の第2の具体的な実施形態に係るミシンの運転の模式図である。
【0057】
上述の実施形態では、布地検出ユニット15は、主に、押さえ足機構3の変位量(又は相対的高さの変化量)を検出するとともに、対応する電気信号を生成し、これにより、制御ユニット10に布地4の現在の厚みを算出させるものである。本実施形態では別の布地検出ユニット5が開示されており、図5に示すように、上記布地検出ユニット5は、カメラとすることができ、制御ユニット10のアルゴリズム101は、画像認識アルゴリズムとすることができる。
【0058】
本実施形態では、上記布地検出ユニット5は、主にテーブル18の片側に設けられることができ、布地4の載置位置に対して画像取込み動作を行う。制御ユニット10は、ミシン1の運転中に布地4の画像を継続的に取り込むように布地検出ユニット5を制御することができ、制御ユニット10は、画像認識アルゴリズムによって布地4の画像に対する画像認識を行い、これにより、認識結果に基づいて布地4の現在の厚みを判断することができる。
【0059】
一実施形態では、制御ユニット10は、画像から布地4の画像を取り込むとともに、布地4の現在の厚みを直接判断するように布地4の画像に対する画像認識を行うことができる。別の実施形態では、制御ユニット10は、画像から上記布押え部材33及び送り歯19の画像を取り込み、布押え部材33と送り歯19との間の相対的高さを判断するように布押え部材33及び送り歯19の画像に対する画像認識を行うとともに、相対的高さに基づいて布地4の現在の厚みを算出することができる。
【0060】
以上の記載は本発明の好適かつ具体的な例示にすぎず、それにより本発明の特許請求の範囲が制限されるものではなく、本発明の内容を利用してなされた等価な変化は、いずれも同様に本発明の範囲内にすべて含まれることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0061】
1 ミシン
10 制御ユニット
101 アルゴリズム
11 操作用インタフェース
12 モーター駆動ユニット
13 モーター
14 ミシン主軸
15 布地検出ユニット
16 設定用インタフェース
17 表示用インタフェース
18 テーブル
19 送り歯
21 針棒
22 縫針
3 押さえ足機構
31 動力伝達軸
32 軸ピン
33 布押え部材
4 布地
5 布地検出ユニット
H1 第1の高さ
H2 第2の高さ
S10〜S30 制御ステップ
図1
図2
図3
図4
図5