特許第6829901号(P6829901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サンテックの特許一覧

<>
  • 特許6829901-貼り付けシート供給装置 図000002
  • 特許6829901-貼り付けシート供給装置 図000003
  • 特許6829901-貼り付けシート供給装置 図000004
  • 特許6829901-貼り付けシート供給装置 図000005
  • 特許6829901-貼り付けシート供給装置 図000006
  • 特許6829901-貼り付けシート供給装置 図000007
  • 特許6829901-貼り付けシート供給装置 図000008
  • 特許6829901-貼り付けシート供給装置 図000009
  • 特許6829901-貼り付けシート供給装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6829901
(24)【登録日】2021年1月27日
(45)【発行日】2021年2月17日
(54)【発明の名称】貼り付けシート供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/18 20060101AFI20210208BHJP
   B65H 35/07 20060101ALI20210208BHJP
   B65H 41/00 20060101ALI20210208BHJP
   G09F 3/10 20060101ALN20210208BHJP
【FI】
   B65C9/18
   B65H35/07 Z
   B65H41/00 C
   !G09F3/10 A
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-134716(P2019-134716)
(22)【出願日】2019年7月22日
(65)【公開番号】特開2021-17274(P2021-17274A)
(43)【公開日】2021年2月15日
【審査請求日】2020年2月12日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年7月3日に第21回インターフェックスジャパン−[医薬品][化粧品][洗剤]製造・包装展−(開催場所:東京ビックサイト 西・南展示棟)において発表
(73)【特許権者】
【識別番号】000130916
【氏名又は名称】株式会社サンテック
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 祥人
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】上山口 聡
(72)【発明者】
【氏名】北野 美雄
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−30333(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0152369(US,A1)
【文献】 特開2003−237748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 9/18
B65H 35/07
B65H 41/00
G09F 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の台紙に間隔を空けて複数のラベルが貼付された長尺ラベルをロール状態で保持する第1保持部と、
一方の面を粘着面とする長尺テープをロール状態で保持する第2保持部と、
前記第1保持部に保持されたラベルロールから引き出された前記長尺ラベルが搬送される長尺ラベル搬送部と、
前記長尺ラベルから前記複数のラベルが剥離された後、前記台紙を搬送する台紙搬送部と、
前記第2保持部に保持されたテープロールから引き出された前記長尺テープが搬送される長尺テープ搬送部と、
を備え、
前記台紙搬送部の一部と前記長尺テープ搬送部の一部とが共用される、貼り付けシート供給装置。
【請求項2】
前記台紙搬送部において前記台紙を搬送するための駆動ローラと前記長尺テープ搬送部において前記長尺テープを搬送するための駆動ローラとが共用される、請求項1に記載の貼り付けシート供給装置。
【請求項3】
前記台紙搬送部により搬送される前記台紙が、前記第2保持部において巻き取られる、請求項1または請求項2に記載の貼り付けシート供給装置。
【請求項4】
前記長尺ラベルから前記複数のラベルを剥離する剥離部と、
前記長尺テープを切断するテープカッターと、
前記長尺テープの先端部を保持して、前記テープカッターによる切断位置に対して第1の方向に進退するテープ保持部と、
をさらに備え、
前記テープ保持部は、前記第1の方向と直交する第2の方向に関して前記剥離部および前記第1保持部の間の位置において前記第1の方向に進退する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の貼り付けシート供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼り付けシートを連続的に供給する供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日用品、食品、医薬品等、出荷時に箱詰めされる商品がある。商品が箱詰めされた後、箱の蓋が閉じられ、閉じられた蓋は、貼り付けシートによって封緘される。閉じられた蓋を封緘する作業を自動化させ、連続的に複数の箱を封緘する封緘装置がある。封緘装置において、商品を収容した箱がコンベア上を連続的に搬送され、箱の蓋に貼り付けシートを貼付する作業が連続的に実行される。
【0003】
封緘装置に供給される貼り付けシートには、ラベルと呼ばれるシートがある。ラベルは粘着剤によって台紙に貼付される。ラベルは、長尺の台紙上に間隔を空けて複数枚配置される。台紙上から剥がされた1枚のラベルが、封緘装置に供給され、箱の蓋に貼付される。
【0004】
封緘装置に供給される貼り付けシートには、テープと呼ばれるシートがある。テープは、一方の面を粘着面とする長尺テープを切断することによって得られる。長尺テープから切断された1枚のテープが、封緘装置に供給され、箱の蓋に貼付される。
【0005】
下記特許文献1には、ロール状封緘テープを用いた封緘方法に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4672087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、貼り付けシートには、ラベルと呼ばれるシートおよびテープと呼ばれるシートがある。商品の箱詰め、および、封緘作業を行う業者は、ユーザの要望に応じて、ラベルまたはテープを使い分ける必要がある。そのため、業者は、ラベル供給部を備えた封緘装置およびテープ供給部を備えた封緘装置をそれぞれ別の設備として保有し、ユーザの要望に応じて設備を使い分けている。
【0008】
このため、封緘作業を行う業者にとっては、複数の設備を準備する必要があり、設備の設置スペースを広く確保する必要がある。また、複数の設備を準備するためのコストが高くなるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、ユーザの要望に応じてラベルまたはテープを使い分けて供給可能な装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の一の局面に従う貼り付けシート供給装置は、長尺の台紙に間隔を空けて複数のラベルが貼付された長尺ラベルをロール状態で保持する第1保持部と、一方の面を粘着面とする長尺テープをロール状態で保持する第2保持部と、第1保持部に保持されたラベルロールから引き出された長尺ラベルが搬送される長尺ラベル搬送部と、長尺ラベルから複数のラベルが剥離された後、台紙を搬送する台紙搬送部と、第2保持部に保持されたテープロールから引き出された長尺テープが搬送される長尺テープ搬送部とを備え、台紙搬送部の一部と長尺テープ搬送部の一部とが共用される。
【0011】
1台の貼り付けシート供給装置において、ラベルおよびテープの両方を供給可能としながら、装置構成をコンパクトとすることができ、また、コスト低減を図ることができる。
【0012】
(2)台紙搬送部において台紙を搬送するための駆動ローラと長尺テープ搬送部において長尺テープを搬送するための駆動ローラとが共用されてもよい。
【0013】
1台の貼り付けシート供給装置において、ラベルおよびテープの両方を供給可能としながら、駆動源を共通化させることができる。装置構成をコンパクトとすることができ、また、コスト低減を図ることができる。
【0014】
(3)台紙搬送部により搬送される台紙が、第2保持部において巻き取られてもよい。
【0015】
第2保持部は、テープの供給時には、テープロールを保持する保持部として用いられ、ラベル供給時には、台紙の巻き取り部として用いられる。装置構成をコンパクトにすることができ、また、コスト低減を図ることができる。
【0016】
(4)貼り付けシート供給装置は、さらに、長尺ラベルから複数のラベルを剥離する剥離部と、長尺テープを切断するテープカッターと、長尺テープの先端部を保持して、テープカッターによる切断位置に対して第1の方向に進退するテープ保持部とを備え、テープ保持部は、第1の方向と直交する第2の方向に関して剥離部および第1保持部の間において第1の方向に進退してもよい。
【0017】
ラベルの供給時には、使用されないテープ保持部を第1の方向に移動させて退避させることができる。これにより、剥離部の周辺の空間を確保することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザの要望に応じてラベルまたはテープを使い分けて供給可能な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】長尺ラベルの平面図である。
図2】長尺ラベルの側面断面図である。
図3】長尺テープの平面図である。
図4】長尺テープの側面断面図である。
図5】ラベルにより封緘された箱の斜視図である。
図6】ラベルの供給動作を実行中の貼り付けシート供給装置の正面図である。
図7】ラベルの供給動作を実行中の貼り付けシート供給装置の背面図である。
図8】テープの供給動作を実行中の貼り付けシート供給装置の正面図である。
図9】テープの供給動作を実行中の貼り付けシート供給装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本実施の形態の貼り付けシート供給装置を詳しく説明する。本実施の形態の貼り付けシート供給装置は、ラベルおよびテープの両方を供給可能なハイブリッド側の供給装置である。まず、ラベルおよびテープの構造について説明する。
【0021】
(1)ラベルの構造
図1は、長尺ラベルLLの平面図である。図2は、長尺ラベルLLの側面断面図である。長尺ラベルLLは、長尺の台紙BP上に、間隔を空けて複数のラベルLが貼付されて構成される。以下の説明において、隣り合うラベルLの間の部分をギャップGPと呼ぶ。なお、図2の側面断面図においては、長尺ラベルLLの構造を分かりやすくするために、台紙BPおよびラベルLの厚みを、実際の厚みよりも厚く描いている。
【0022】
台紙BPの材質は例えば紙である。ただし、台紙BPの材質は特に限定されるものではなく、フィルム材であってもよい。ラベルLの材質は例えば紙である。ただし、ラベルLの材質は特に限定されるものではなく、フィルム材であってもよい。
【0023】
ラベルLの台紙BPへの貼付面には、粘着剤が塗布されている。粘着剤は、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の材料が用いられる。台紙BPの面のうち、ラベルLが貼付される面は、ラベルLの粘着剤を保護するための剥離剤が塗布されている。例えば、長尺ラベルLLは、台紙およびラベルの2層構造を有するシートにおいて、ラベル部分を型抜き(半抜き)することによって作製される。
【0024】
ラベルLの大きさは、貼付する箱の形状、サイズによって選択される。例えば、ラベルLのサイズは、縦3cm×横4cm等の長方形である。ラベルLの形状は特に限定されるものではなく、図1に示すように長方形以外にも、角が丸みを帯びた矩形または円形であってもよい。
【0025】
(2)テープの構造
図3は、長尺テープLTの平面図である。図4は、長尺テープLTの側面断面図である。長尺テープLTは、一方の面が粘着面BFとなっている。なお、図4の側面断面図においては、長尺テープLTの構造を分かりやすくするために、長尺テープLTの厚みを、実際の厚みよりも厚く描いている。
【0026】
長尺テープLTの材質は例えば紙である。ただし、長尺テープLTの材質は特に限定されるものではなく、フィルム材であってもよい。長尺テープLTの粘着面BFには、粘着剤が塗布されている。粘着剤は、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の材料が用いられる。
【0027】
長尺テープLTの大きさは、貼付する箱の形状、サイズによって選択される。例えば、長尺テープLTは3cm幅の長尺シートである。長尺テープLTは、後で説明する貼り付けシート供給装置において、所定の長さにカットされる。例えば、長尺テープLTは、図3の破線で示す箇所でカットされ、複数のテープTに分割される。
【0028】
図5は、箱6の蓋61に貼付されたラベルLを示す図である。後述する貼り付けシート供給装置によって長尺ラベルLLから剥がされたラベルLは、別途設けられる貼付装置によって箱6に貼付される。テープTの箱6に対する貼付態様も同様である。
【0029】
(3)貼り付けシート供給装置の構成
次に、本実施の形態の貼り付けシート供給装置の構成について説明する。以下の説明において、各図面に示されたX方向、Y方向およびZ方向を適宜参照する。以下の図面において、XZ平面は水平面に対応し、Y方向は垂直方向に対応する。また、以下の図面において、X方向は左右方向であり、Y方向は上下方向である場合を例として説明する。
【0030】
図6は、ラベルの供給動作を実行中の貼り付けシート供給装置1の正面図である。図7は、ラベルの供給動作を実行中の貼り付けシート供給装置1の背面図である。図6および図7に示すように、貼り付けシート供給装置1は、正面視で略長方形上の装置本体10を備える。装置本体10には、制御部11、第1保持部101、第2保持部201、長尺ラベル搬送部AS、台紙搬送部BSおよび長尺テープ搬送部CSが設けられる。
【0031】
第1保持部101は、ラベルロールLRを保持する。ラベルロールLRは、長尺ラベルLLを巻回したロールである。つまり、第1保持部101は、長尺ラベルLLをロール状態で保持する。第1保持部101は、ラベルロールLRを回転可能に支持する。
【0032】
第2保持部201は、テープロールTRを保持する。テープロールTRは、長尺テープLTを巻回したロールである。つまり、第2保持部201は、長尺テープLTをロール状態で保持する。第2保持部201は、テープロールTRを回転可能に支持する。
【0033】
第2保持部201は、また、長尺ラベルLLの台紙BPを巻き取って保持する。つまり、第2保持部201は、テープロールTRの保持用および台紙BPの巻き取り用として兼用される。
【0034】
長尺ラベル搬送部ASは、従動ローラ102、従動ローラ105、ラベル検知センサ106、テンションプレート108、ラベルブレーキ109、ギャップ検知センサ110、従動ローラ111および剥離エッジ部材120を備える。
【0035】
台紙搬送部BSは、剥離エッジ部材120、従動ローラ115、従動ローラ117、駆動ローラ203、従動ローラ202およびテープ検知センサ210を備える。剥離エッジ部材120は、長尺ラベル搬送部ASおよび台紙搬送部BSの両方に含まれる。
【0036】
長尺テープ搬送部CSは、従動ローラ202、駆動ローラ203、従動ローラ204、従動ローラ205、従動ローラ207、従動ローラ208、テープ第1吸着部130、テープ第2吸着部131およびテープカッター132を備える。
【0037】
このように、従動ローラ202および駆動ローラ203は、台紙搬送部BSおよび長尺テープ搬送部CSにおいて共用される。
【0038】
(4)ラベルの供給動作
次に、図6および図7を参照しながら、貼り付けシート供給装置1によるラベルLの供給動作について説明する。図6に示すように、ラベルロールLRが第1保持部101にセットされる。しかし、ラベルLの供給動作を行う場合は、テープロールTRは、第2保持部201にセットされない。第2保持部201は、台紙BPの巻き取り用として用いられる。
【0039】
ラベルロールLRから左斜め下方に向かって引き出された長尺ラベルLLは、従動ローラ102に巻回される。従動ローラ102に沿って右斜め上方向に搬送方向を変更された長尺ラベルLLは、従動ローラ105に巻回される。従動ローラ105に巻回された長尺ラベルLLは、左斜め下方向に向かって搬送され、ラベルブレーキ109に巻回される。ラベルブレーキ9は、長尺ラベルLLが巻回されるローラであって、回転しないローラである。
【0040】
ラベルブレーキ109の右上方に設けられたラベル検知センサ106により、長尺ラベルLLの検知が行われる。ラベル検知センサ106は、長尺ラベルLLの検知の有無を、制御部11に出力する。ラベル検知センサ106において長尺ラベルLLが検知されない場合、制御部11は、貼り付けシート供給装置1によるラベルLの供給動作を停止する。
【0041】
ラベルブレーキ109に沿って搬送される長尺ラベルLLには、左上方からテンションプレート108が接触する。テンションプレート108によって、搬送される長尺ラベルLLに適度なテンションが付与され、長尺ラベルLLに弛みが発生するのが防止される。
【0042】
テンションプレート108およびラベルブレーキ109の間を搬送される長尺ラベルLLは下方(Y軸方向)に向かって搬送され、従動ローラ111に巻回される。ラベルブレーキ109から従動ローラ111へと至る経路の途中には、ギャップ検知センサ110が設けられる。ギャップ検知センサ110は、左右から長尺ラベルLLを挟み込むように配置される。ギャップ検知センサ110は、長尺ラベルLLの一方の面に向かって光を照射する発光部と、長尺ラベルLLを透過した光を受光する受光部を備える。ギャップ検知センサ110は、受光部において受光した透過光の強度に基づいて、隣り合うラベルLの間のギャップGPを検知する。ギャップ検知センサ110による検知結果は制御部11に出力される。
【0043】
従動ローラ111に巻回され、搬送方向を左方向(X軸方向)に変更された長尺ラベルLLは、剥離エッジ部材120の上面を左方向に搬送される。このとき、長尺ラベルLLは、ラベルLが貼付されている面を上面として、左方向に搬送される。剥離エッジ部材120の上面を搬送される長尺ラベルLLは、剥離エッジ部材120の先端部121で鋭角に搬送方向を変える。先端部121において長尺ラベルLLが鋭角に搬送方向を変えるとき、長尺ラベルLLから1枚のラベルLが剥離される。つまり、台紙BPは、先端部121の形状に沿って、鋭角に方向を変えて右方向に搬送され、台紙BPの上面に貼付されていたラベルLが剥離され、左方向に押し出される。
【0044】
先端部121において剥離された1枚のラベルLは、上方から下降する貼付装置5に受け渡される。その後、貼付装置5によってラベルLは、図5に示すように、箱6の蓋61に貼付される。
【0045】
先端部121において長尺ラベルLLからラベルLが剥離された後、台紙BPだけが剥離エッジ部材120の下面に沿って、右方向(X軸方向)に搬送される。右方向に搬送された台紙BPは、従動ローラ115に巻回される。従動ローラ115において搬送方向を上方向(Y軸方向)に変更された台紙BPは、上方に向かって搬送される。
【0046】
上方に搬送される台紙BPは、従動ローラ117に巻回される。従動ローラ117において、右斜め上方向に搬送方向を変更された台紙BPは、駆動ローラ203に巻回される。駆動ローラ203において、左斜め上方向に搬送方向を変更された台紙BPは、従動ローラ202に巻回される。従動ローラ202において、再び、右斜め上方向に搬送方向を変更された台紙BPは、第2保持部201において巻き取られる。
【0047】
このようにして、ラベルロールLRから引き出された長尺ラベルLLは、長尺ラベル搬送部ASにより下方に向かって搬送される。長尺ラベル搬送部ASにより搬送された長尺ラベルLLは、剥離エッジ部材120の先端部121においてラベルLが剥離される。長尺ラベルLLからラベルLが剥離された後、台紙BPは、台紙搬送部BSにより上方に向かって搬送されて、第2保持部201において巻き取られる。
【0048】
長尺ラベルLLおよび台紙BPを搬送する駆動源は、駆動ローラ203である。駆動ローラ203には、図示しない回転駆動源が接続されており、回転駆動源が駆動することにより、駆動ローラ203が回転駆動する。駆動ローラ203は、制御部11の制御により、ラベルLを1枚剥離するために必要な長さだけ回転駆動する。具体的には、駆動ローラ203は、ギャップ検知センサ110の検知結果に基づいて、ラベルLのギャップGPを検知する位置まで駆動ローラ203を回転駆動する。結果的に、駆動ローラ203は、1回の回転駆動により、長尺ラベルLLを図1で示した長さLmだけ送り出す。これにより、長尺ラベルLLから1枚のラベルLが剥離され、貼付装置5にラベルLが引き渡される。そして、貼付装置5が次のラベルLを受け取り可能となるタイミングで再び駆動ローラ203が回転駆動し、長尺ラベルLLが長さLmだけ送り出され、次の1枚のラベルLが剥離される。
【0049】
図7に示すように、貼り付けシート供給装置1の背面には、ベルト33が設けられる。ベルト33は、プーリー31およびプーリー32に巻回される。プーリー31は、図6に示す駆動ローラ203と同軸上に設けられる。したがって、図示しない回転駆動源が駆動することにより、駆動ローラ203およびプーリー31が回転駆動する。プーリー32は、図6に示す第2保持部201と同軸上に設けられる。以上の構成により、図示しない回転駆動源が駆動することにより、駆動ローラ203およびプーリー31が回転駆動する。プーリー31の回転は、ベルト33を介してプーリー32に伝達され、プーリー32が回転する。これにより、第2保持部201が回転駆動する。この構成により、駆動ローラ203および第2保持部201が同期して回転駆動する。駆動ローラ203の回転駆動により、台紙搬送部BSにおいて搬送される台紙BPは、駆動ローラ203と同期して回転駆動する第2保持部201により巻き取られる。
【0050】
(5)テープの供給動作
次に、図8および図9を参照しながら、貼り付けシート供給装置1によるテープTの供給動作について説明する。図8に示すように、テープロールTRが第2保持部201にセットされる。しかし、テープTの供給動作を行う場合は、ラベルロールLRは、第1保持部101にセットされない。
【0051】
テープロールTRから左斜め下方に向かって引き出された長尺テープLTは、従動ローラ202に巻回される。従動ローラ202に巻回され、右斜め下方向に搬送方向を変更された長尺テープLTは、従動ローラ202および駆動ローラ203の間を搬送される。
【0052】
従動ローラ202の右上方に設けられたテープ検知センサ210により、長尺テープLTの検知が行われる。テープ検知センサ210は、長尺テープLTの検知の有無を、制御部11に出力する。テープ検知センサ210において長尺テープLTが検知されない場合、制御部11は、貼り付けシート供給装置1によるテープTの供給動作を停止する。
【0053】
駆動ローラ203により右斜め下方に向かって搬送される長尺テープLTは、従動ローラ204に巻回される。従動ローラ204に巻回され、搬送方向を下方向(Y軸方向)に変更された長尺テープLTは、従動ローラ205に巻回される。従動ローラ205に巻回され、搬送方向を上方向(Y軸方向)に変更された長尺テープLTは、従動ローラ207に巻回される。
【0054】
従動ローラ205は、ガイド溝206内を上下方向に移動可能に装置本体10に支持されている。より具体的には、ガイド溝206は、円弧状に形成されており、従動ローラ205は、ガイド溝206の形状に沿って円弧を描きながら上下に移動可能である。従動ローラ205は、自重により下方に移動する。駆動ローラ203の駆動により長尺テープLTが送り出されると、従動ローラ205が自重により下方に移動する。従動ローラ205が下方に移動すると、従動ローラ204、205および207の経路が長くなり、その経路において長尺テープLTがストックされる。
【0055】
従動ローラ207に巻回され、搬送方向を下方向(Y軸方向)に変更された長尺テープLTは、従動ローラ208に巻回される。従動ローラ208に巻回され、搬送方向を左方向(X軸方向)に変更された長尺テープLTは、テープ第1吸着部130において保持される。テープ第1吸着部130の下面には、図示しないエアポンプに接続された吸引口が設けられており、X軸方向に延びる長尺テープLTの上面を吸引して保持する。テープ第1吸着部130が吸引する長尺テープLTの上面は、粘着面BFとは反対側の面である。
【0056】
次に、テープ第2吸着部131が長尺テープLTを保持する。テープ第2吸着部131の上面には、図示しないエアポンプに接続された吸引口が設けられており、X軸方向に延びる長尺テープLTの下面を吸引して保持する。次に、テープ第2吸着部131は、長尺テープLTの下面を保持した状態で、左方向(X軸方向)に移動する。テープ第2吸着部131は、図示しないアクチュエータに接続されており、アクチュエータを駆動することで、左右方向(X軸方向)に移動可能となっている。
【0057】
テープ第2吸着部131が長尺テープLTを保持しながら左方向(X軸方向)に移動し、長尺テープLTの切断ラインがテープカッター132の下方に位置する状態で停止する。テープ第2吸着部131は、テープ第2吸着部131の上面より右側に切断ラインが位置するように長尺テープLTを保持する。したがって、テープ第2吸着部131は、テープカッター132による切断位置よりも左側まで移動し、長尺テープLTの切断ラインをテープカッター132の切断位置に合わせる。テープ第2吸着部131が長尺テープLTを切断位置まで移動させた後、テープカッター132が駆動し、長尺テープLTが切断ラインにおいて切断される。長尺テープLTがテープカッター132により切断されることにより、1枚のテープTが作成される。図3に示すように、切断されたテープTの長さはTmである。
【0058】
長尺テープLTがテープカッター132により切断されると、テープ第2吸着部131は、テープカッター132により切断された1枚のテープTを保持した状態で、さらに左方向(X軸方向)に移動する。そして、テープ第2吸着部131において保持されたテープTは、上方から下降する貼付装置5に受け渡される。その後、貼付装置5によってテープTは、図5に示すように、箱6の蓋61に貼付される。テープ第2吸着部131は、切断されたテープTを貼付装置5に受け渡した後、右方向(X軸方向)に移動し、元の位置に戻る。そして、再び長尺テープLTを保持して左方向に移動する。なお、テープ第2吸着部131が切断されたテープTを貼付装置5に受け渡している間、長尺テープLTは、テープ第1吸着部130によって吸引保持される。また、テープ第2吸着部131が、長尺テープLTの先端部を保持して左方向に引き出すタイミングでは、テープ第1吸着部130による吸引は解除される。
【0059】
このようにして、テープロールTRから引き出された長尺テープLTは、長尺テープ搬送部CSにより下方に向かって搬送される。長尺テープ搬送部CSにより搬送された長尺テープLTは、テープカッター132により所定の長さに切断されて、1枚のテープTが作製される。
【0060】
長尺テープLTを搬送する駆動源は、駆動ローラ203である。駆動ローラ203には、上述したように、図示しない回転駆動源が接続されており、回転駆動源が駆動することにより、駆動ローラ203が回転駆動する。駆動ローラ203は、制御部11の制御により、従動ローラ204、205および207間でストックする長尺テープLTの長さ分だけ回転駆動する。従動ローラ204、205および207間でストックされた長尺テープLTは、テープ第2吸着部131の左方向への移動によって、引き出される。例えば、従動ローラ204、205および207間にテープTの10枚分の長さがストックされている場合、テープ第2吸着部131の10回の往復動作によって、従動ローラ204、205および207間でストックされた長尺テープLTが引き出される。
【0061】
図9に示すように、貼り付けシート供給装置1の背面には、プーリー31、プーリー32およびベルト33が設けられる。図7を用いて説明したように、図示しない回転駆動源が駆動することにより、プーリー31が回転駆動する。プーリー31の回転は、ベルト33を介してプーリー32に伝達され、プーリー32が回転する。この構成により、駆動ローラ203および第2保持部201が同期して回転駆動する。駆動ローラ203と同期して回転駆動する第2保持部201により送り出された長尺テープLTは、駆動ローラ203の回転駆動により、長尺テープ搬送部CSにおいて搬送される。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態の貼り付けシート供給装置1において、台紙搬送部BSの一部と長尺テープ搬送部CSの一部とが共用される。上記の実施の形態においては、従動ローラ202および駆動ローラ203を含む搬送部が共用される。これにより、1台の貼り付けシート供給装置1において、ラベルLおよびテープTの両方を供給可能としながら、装置構成をコンパクトとすることができ、また、コスト低減を図ることができる。
【0063】
また、本実施の形態の貼り付けシート供給装置1においては、台紙搬送部BSにおいて台紙BPを搬送するための駆動ローラ203と長尺テープ搬送部CSにおいて長尺テープLTを搬送するための駆動ローラ203とが共用される。これにより、1台の貼り付けシート供給装置1において、ラベルLおよびテープTの両方を供給可能としながら、駆動源を共通化させることができる。モータおよび動力伝達機構などの部品を共通化させることで、装置構成をコンパクトとすることができ、また、コスト低減を図ることができる。
【0064】
また、本実施の形態の貼り付けシート供給装置1においては、台紙搬送部BSにより搬送される台紙BPが、第2保持部201において巻き取られる。第2保持部201は、テープTの供給時には、テープロールTRを保持する保持部として用いられ、ラベル供給時には、台紙BPの巻き取り用として用いられる。これにより、装置構成をコンパクトにすることができ、また、コスト低減を図ることができる。
【0065】
また、本実施の形態の貼り付けシート供給装置1において、テープ第2吸着部131は、剥離エッジ部材120よりも上方位置において水平方向に進退する。ラベルLの供給時には、使用されないテープ第2吸着部131を右方向(X軸方向)に退避させることができる。これにより、ラベルLの供給動作時には、剥離エッジ部材120の上方の空間を確保することができる。これにより、上方から下降する貼付装置5を、貼り付けシート供給装置1の近くに配置することができる。貼付装置5も含めた全体の装置構成をコンパクトにすることができる。
【0066】
(6)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明する。上記の実施の形態では、剥離エッジ部材が剥離部の例である。また、テープ第2吸着部がテープ保持部の例である。また、上記の実施の形態においては、X方向が第1の方向の例であり、Y方向が第2の方向の例である。
【0067】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する種々の要素を用いることもできる。
【0068】
(9)他の実施の形態
上記の実施の形態においては、貼り付けシート供給装置1は、従動ローラ202、駆動ローラ203および駆動ローラ203を駆動するための駆動源等を共用させる構成とした。他の実施の形態として、共用させる部材をさらに多くしてもよい。例えば、さらに別の従動ローラを共用させるようにしてもよい。
【0069】
上記実施の形態においては、第2保持部201が、テープロールTRの保持部および台紙BPの巻き取り部として共用された。別の実施の形態として、テープロールTRの保持部および台紙BPの巻き取り部は、別に設けるようにしてもよい。
【0070】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0071】
1…貼り付けシート供給装置
101…第1保持部
203…駆動ローラ
210…第1保持部
AS…長尺ラベル搬送部
BS…台紙搬送部
CS…長尺テープ搬送部
LL…長尺ラベル
L…ラベル
LT…長尺テープ
T…テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9