(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パラメータ設定部が、オペレータによる入力操作に応じて、入力操作で選択された少なくとも1つのパラメータによって構成されるモードを新たに設定することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
前記パラメータ設定部が、一連の固定パラメータの中で前記外部メモリから読み出された中間パラメータに含まれるパラメータによってパラメータ更新することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
前記複数のモードが、患者情報に基づくモード、オペレータの観察画像に対する画質嗜好に基づくモード、観察対象部位に基づくモードの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内視鏡装置。
前記複数の中間パラメータ各々が、プロセッサ画像処理に関連するパラメータ、プロセッサ画像処理に関連する複数のパラメータの値を一義的に定めるカスタムパラメータ、スコープ特性に関するパラメータ、患者に関するパラメータのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内視鏡装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医師などのオペレータが一度設定した一連のパラメータを固定化すると、オペレータによって異なる嗜好、患部の特徴の違い、作業機器環境(例えば、照明、撮像素子画素数、モニタ解像度)の相違により、中には適合しないパラメータ値によって処理を実行することになり、適切な処理を行うことができない。
【0006】
例えば、医師が他の病院あるいは施設において手術等の内視鏡作業を行う場合、内視鏡装置が同機種であったとしても、その設置環境に基づいてシステム構築された内視鏡装置では、医師の好みで設定した画像処理に関するパラメータに基づく観察画像を得ることができない。また、内視鏡装置が故障したために同機種の代替機器で内視鏡作業を行う場合においても、同様の問題が生じる。
【0007】
一方、内視鏡装置に備えられる処理機能が多角化し、また、オペレータによる内視鏡機能の使い方が多様化する中、使用者、患者、作業機器環境などに応じて個々のパラメータについて細かく設定する作業は、非常に煩雑である。そのため、編集作業を効率よく行うことができず、その手間は内視鏡作業にも影響を及ぼす。
【0008】
したがって、内視鏡装置において、多種多様な使い方に合わせて、処理機能に関するパラメータを効果的に設定できることが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の内視鏡装置は、内視鏡装置の動作処理に関連したパラメータを保存可能なメモリと、オペレータによる入力操作に従い、パラメータを設定し、メモリに記憶させるパラメータ設定部とを備える。パラメータとして、例えば、自動調光処理、画像処理、静止画像のキャプチャ/記録処理などプロセッサ画像処理、スコープ特性に応じて定められるパラメータ、者に関するパラメータなどが含まれる。また、いくつかのパラメータを組み合わせて1つのパラメータ値で一括設定可能なパラメータ(カスタムパラメータ)を含めることも可能である。モードとしては、患者情報に基づくモード、オペレータの観察画像に対する画質嗜好に基づくモード、観察対象部位に基づくモードなどが設定可能である。
【0010】
本発明では、メモリには、編集不可能な一連の固定パラメータと、動作処理に反映される一連の実行パラメータと、一連の固定パラメータの一部で構成される編集可能なパラメータであって、複数のモードに応じてそれぞれパラメータ群で構成される複数の中間パラメータとが、保存されている。また、パラメータ群を構成するパラメータ各々は、所属するモードを特定するモード情報と、機能を特定する機能情報とを対応付けて保存されており、例えば、ID、Indexによってそのパラメータの機能内容と対応付けられている。各中間パラメータは、モードに応じてその組み合わせが異なるパラメータ群で構成することができる。
【0011】
そして、本発明のパラメータ設定部は、オペレータによる入力操作に応じて所定のモードに応じた中間パラメータを設定し、設定された中間パラメータを一連の実行パラメータに反映させる。
【0012】
オペレータは、実行パラメータではなく、あらかじめ用意されたパラメータの一部で構成される中間パラメータに対して編集作業などを行うことが可能であり、設定変更された中間パラメータが実行パラメータに反映されることになる。オペレータが選択するモードに対応したパラメータ群が実行パラメータに反映されることにより、オペレータの好みに合わせて任意のパラメータ群を書き換え、更新させることができる。特に、パラメータがそれぞれモード情報と機能情報とを対応付けて備えているため、一連の実行パラメータの中で反映させるべきパラメータを容易に選定し、変更することができる。
【0013】
パラメータの分け方としては、一連の固定パラメータ、一連の中間パラメータ、および一連の実行パラメータを、この順で階層化することが可能である。一連の実行パラメータの構成については、一連の固定パラメータと一連の中間パラメータとを合わせたパラメータから構成することが可能であり、元々用意されたパラメータと、自ら編集したパラメータ両方を使用することが可能となる。
【0014】
パラメータ設定部は、オペレータによる入力操作に応じて、所定のモードに含まれるパラメータを設定変更することが可能である。また、オペレータによる入力操作に応じて、入力操作で選択されたパラメータによって構成されるモードを新たに設定することが可能である。
【0015】
パラメータ設定部は、選択されたモードに応じた中間パラメータを外部メモリに保存することができる。そして、パラメータ設定部は、一連の固定パラメータの中で外部メモリから読み出された中間パラメータに含まれるパラメータによってパラメータ更新することができる。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明によれば、内視鏡装置において、煩雑な作業を伴うことなく適切なパラメータを設定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図面を参照して本実施形態である電子内視鏡装置について説明する。
【0019】
図1は、第1の実施形態における電子内視鏡装置のブロック図である。
【0020】
電子内視鏡装置は、体内に挿入されるビデオスコープ10と、プロセッサ30とを備える。ビデオスコープ10は、プロセッサ30に着脱自在に接続可能であり、プロセッサ30には、モニタ60、さらにはキーボード70、マウス80、USBなどのメモリデバイス90が接続されている。
【0021】
プロセッサ30は、キセノンランプなどのランプ48を備え、ランプ48はランプ駆動回路43によって駆動される。ランプ48から放射された光は、集光レンズ45を介してビデオスコープ10内に設けられたライトガイド11の入射端11Aに入射する。ライトガイド11から射出した光は、配光レンズ21を介してスコープ先端部10Tから被写体(観察対象)に向けて照射される。ランプ48とライトガイド11との間には絞り46が設けられており、絞り46の開閉によって照明光量が調整される。
【0022】
被写体に反射した照明光は、スコープ先端部10Tに設けられた対物レンズ13によって結像し、被写体像がイメージセンサ12の受光面に形成される。CMOS、CCDなどによって構成されるイメージセンサ12は駆動回路17によって駆動され、1フィールドもしくは1フレーム分の画素信号がイメージセンサ12から所定のフィールド/フレーム時間間隔(例えば1/60秒あるいは1/30秒間隔)で読み出される。イメージセンサ12の受光面上には、Cy、Ye、G、MgあるいはR、G、Bなどのカラーフィルタをマトリクス配列させたカラーフィルタアレイ(図示せず)が配設されている。
【0023】
イメージセンサ12から読み出された一連の画素信号は、アンプ14を経由して初期回路15に入力し、デジタル化される。そして、プロセッサ30の画像信号処理回路36では、デジタル画素信号に対し、ホワイトバランス処理、ガンマ補正処理などの画像信号処理が施される。これにより、R、G、Bの画像信号が生成される。
【0024】
R,G,B画像信号は、画像メモリ34に一時的に保存された後、後段画像信号処理回路37へ送られる。後段画像信号処理回路37では、輪郭強調処理、スーパーインポーズ処理などが画像信号に対して施される。画像信号が映像信号としてモニタ60に出力されることにより、観察画像がリアルタイムでモニタ60に表示される。
【0025】
CPU、ROMなどを含むシステムコントロール回路40は、タイミングジェネレータ38、後段画像信号処理回路37などへ制御信号を出力し、プロセッサ30が電源ON状態である間プロセッサ30の動作を制御する。動作制御プログラムは、あらかじめROMに記憶されている。
【0026】
ビデオスコープ10がプロセッサ30に接続されると、システムコントロール回路40はビデオスコープ10の動作を制御するスコープコントローラ19と相互通信し、不揮発性のメモリ18に格納されたスコープ特性(解像度、スコープ種類など)に関するデータをRAM49などに保存する。
【0027】
プロセッサ30のタイミングジェネレータ38は、画像信号処理回路36などプロセッサ30の各回路へクロックパルス信号を出力し、各回路の入出力タイミングを制御、調整する。一方、ビデオスコープ10のタイミングジェネレータ22は、駆動回路17などビデオスコープ10内の各回路へクロックパルス信号を出力する。ビデオスコープ10に設けられたフリーズ用ボタン23が操作されると、静止画像が記録されるとともに、キャプチャした静止画像がモニタ60に表示される。
【0028】
プロセッサ30では、表示される被写体像の明るさが適正な明るさを維持するように自動調光処理が行われる。システムコントロール回路40は、読み出された画素信号の輝度レベルを検出し、基準輝度値との差に基づいてモータドライバ42を制御する。これに応じて、絞り46がモータ44によって開閉する。
【0029】
プロセッサ30のフロントパネル50には、自動調光処理時に参照となる明るさレベルを調整する明るさ調整ボタン、画像輪郭を強調するエンハンスボタン(図示せず)など、観察画像の調整、編集などに関するボタンが設けられており、オペレータが必要に応じて操作する。
【0030】
また、オペレータは、キーボード70、マウス80といった入力操作部を使用することによって、それ以外の画像処理さらには内視鏡作業に関連する処理を実行するときに用いられるパラメータを調整することが可能であり、I/F回路39を介してシステムコントロール回路40に送られる操作信号に基づき、作業環境に合わせたパラメータ値の設定が行われる。このとき、オペレータは、いくつかのパラメータを一括設定、変更可能であり、一括設定可能なパラメータ群(以下、カスタムパラメータという)については、オペレータの編集作業によってそのパラメータ値が一括で変更される。
【0031】
本実施形態では、カスタムパラメータを含めた一連のパラメータを階層化し、編集不可能なあらかじめ用意されたパラメータ群から成る層(以下、固定パラメータ層という)と、オペレータが編集可能なパラメータ群から成る層(以下、中間パラメータ層)と、それら2つの層に含まれるパラメータを合わせたオペレータ編集可能なパラメータ群から成る層(以下、実行パラメータ層という)とによって構成される。そして、中間パラメータ層の編集作業によって、患者、機器、作業環境に適合させたパラメータの設定を適宜可能にする。
【0032】
以下、
図2、3を用いて、階層化されたパラメータおよび編集作業によるパラメータ設定処理について説明する。
【0033】
図2は、パラメータの階層構造を示した図である。
【0034】
一連のパラメータは、固定パラメータ層M1、中間パラメータ層M2、実行パラメータ層M3の3つの層(以下、それぞれレイヤー1、レイヤー2、レイヤー3ともいう)から構成されており、固定パラメータ層M1は編集不可の固定値である一方、中間パラメータ層M2、実行パラメータ層M3に含まれるパラメータについては、オペレータによって編集可能である。機器側の固定パラメータ層M1からオペレータ側の実行パラメータ層M3の間に、中間パラメータ層M2が設けられている。
【0035】
固定パラメータ層M1には、内視鏡作業に関してあらかじめ用意されたすべての一連のパラメータ(固定パラメータ)が含まれており、不揮発性のメモリ41に記憶されている。例えば、被写体像の明るさレベルを表すパラメータ、エンハンスのON/OFFを示すパラメータ、フリーズ画像表示における画像サイズを表すパラメータ、スコープの種類を表すパラメータなどがメモリ41に記憶されている。
【0036】
一方、中間パラメータ層M2に属するパラメータ(中間パラメータ)は、固定パラメータ層M1に属する一連のパラメータの一部によって構成されている。中間パラメータ層M2に属するパラメータは、オペレータによって編集可能であり、パラメータ値を設定、変更することが可能となる。
【0037】
さらに中間パラメータ層M2には、上述の複数のパラメータを組み合わせたカスタムパラメータが含まれている。オペレータは、カスタムパラメータの値を一括設定することが可能であり、カスタムパラメータのパラメータ値設定変更に応じて、カスタムパラメータを構成する各パラメータの値が設定変更される。
【0038】
例えば、エンハンスと明るさレベルとを組み合わせたカスタムパラメータのパラメータ値を1つ設定することによって、オペレータは、観察画像の画質に関し各パラメータを別々に設定することなく、一括で設定することが可能となる。また、このようなカスタムパラメータについては、ビデオスコープの種類、患者(患部)ごとに異なるパラメータ値が設定される。これは、ビデオスコープの光学特性、撮像素子、あるいは観察対象となる部位の撮影状況などに応じて、観察画像の明るさレベル、表示画像サイズ等を調整する必要があるためである。
【0039】
オペレータは、中間パラメータ層M2に属するパラメータあるいはカスタムパラメータに対してパラメータ値の変更が可能であるのに加え、カスタムパラメータブロックを構成するパラメータの選定、追加、削除など、パラメータ値変更以外の編集作業も可能である。例えば、フリーズ操作による静止画像記録時に表示されるキャプチャ画像のサイズなどを、上述したカスタムパラメータに加えることも可能である。
【0040】
実行パラメータ層M3に属するパラメータ(実行パラメータ)は、最終的に内視鏡作業に関連した処理(画像処理など)に反映されるパラメータ値が設定されているパラメータ群によって構成されており、固定パラメータ層M1と、中間パラメータ層M2に属するパラメータ(カスタムパラメータも含む)の両方が含まれている。したがってオペレータは、固定パラメータ層M1、中間パラメータ層M2両方のパラメータについて編集作業することができる。
【0041】
図3は、オペレータの編集作業に伴うパラメータ設定処理のフローチャートを示した図である。オペレータによる編集作業の開始に合わせて処理が開始される。
【0042】
オペレータによって中間パラメータ層M2のパラメータがメモリ41から読み出され、モニタ60などにパラメータに関するキャラクタ情報が表示される(S101)。そして、オペレータの入力操作によって所定のパラメータに対するパラメータ値の設定、変更、また、パラメータブロックのパラメータ値の設定、変更が行われると、それに応じたパラメータの設定処理が実行され、中間パラメータ層M2に属するパラメータがメモリ41あるいはRAM49や外部のメモリデバイス90へ保存される(S102、S103)。
【0043】
ステップS104では、編集作業によって設定変更された中間パラメータ層M2のパラメータ(カスタムパラメータを含む)について、実行パラメータ層M3に反映させるか否かが判断される。具体的には、モニタ60に編集内容を反映させるか否かを表す文字情報などを表示した後、オペレータの入力操作に基づいて判断する。反映させない場合、メモリ41に記憶された実行パラメータ層M3がそのまま使用される。
【0044】
一方、中間パラメータ層M2のパラメータを実行パラメータ層M3に反映させる場合、メモリ41に記憶されている実行パラメータ層M3のパラメータを読み出し、メモリ41に保存された中間パラメータ層M2のパラメータを実行パラメータ層M3に加える(S105、S106)。設定変更された実行パラメータ層M3のパラメータは、RAM49などのメモリに保存され、これによって画像処理など内視鏡作業に関連する処理においてパラメータが使用される(S107)。
【0045】
このように本実施形態によれば、内視鏡装置によって実行される処理に用いられる一連のパラメータが、固定パラメータ層M1、中間パラメータ層M2、実行パラメータ層M3から構成されており、オペレータの編集作業に応じて、中間パラメータ層M2に属するパラメータが設定されると、設定された中間パラメータ層M2のパラメータが実行パラメータ層M3に組み入れられる。そして、設定変更された実行パラメータ層M3に属するパラメータに基づいて内視鏡作業に関連した処理が実行される。
【0046】
オペレータ編集専用のパラメータ階層を中間層として取り入れた3つの階層構造をもつことにより、オペレータは、種類、数の少ない中間パラメータ層M2に対する編集作業をするだけでよく、作業環境に適したパラメータを効率よく設定することが可能となる。
【0047】
また、編集した中間パラメータ層M2のパラメータを実際に反映させるか否かを選択させることにより、使用環境に適合しているか否か十分検討することが可能となる。また、編集した中間パラメータ層M2のパラメータを保存することにより、オペレータは、その後の内視鏡作業時において編集したパラメータを反映させたいときに使用することが可能となる。なお、パラメータを階層化せずに、グループ分けするだけでもよい。
【0048】
次に、
図4〜8を用いて、第2の実施形態である電子内視鏡装置について説明する。第2の実施形態では、中間パラメータ層がモードに応じて複数に分類されており、オペレータのモード選択に従って実行される。それ以外の構成については第1の実施形態と実質的に同じである。
【0049】
図4は、第2の実施形態におけるパラメータの階層を示した図である。
図5は、中間パラメータ層のモードに応じたパラメータ群を示した図である。
【0050】
図4に示すように、中間パラメータ層M2は、3種類の中間パラメータ層M2A、M2B、M2Cから構成されている。これらの層を構成するパラメータ群は、ユーザがそのパラメータ内容および数を自由に設定変更可能であり、各中間パラメータ層はモードとして特定される。
【0051】
具体的には、中間パラメータ層M2Aのモード(以下、モードAという)は、医師の好みに応じて設定されるパラメータ群が属する中間パラメータ層を示す。中間パラメータ層M2Bのモード(以下、モードBという)は、患者情報を含むパラメータ群から成る中間パラメータ層を示す。そして、中間パラメータ層M2Cのモード(以下、モードCという)は、スコープ特性およびエンハンス、輝度補正などの画像処理に関して複数のパラメータ値が一括で一義的に定められるカスタムパラメータ(以下、ISCANパラメータという)が含まれる中間パラメータ層を示す。
【0052】
図5には、固定パラメータ層M1、中間パラメータ層M2、実行パラメータ層M3において設定されるパラメータの一部を示している。各パラメータは、モードを特定するIDと、機能を特定するIndexと、そのIndexで一義的に定められている機能のStatus(内容)によって構成される。
【0053】
例えば、医師のセッティングが考慮されたモードAでは、プロセッサ30において行われるノイズリダクションのパラメータ、画像輪郭強調に関するエンハンスパラメータ、さらには輝度レベル補正パラメータ(図示せず)などが含まれている。一方、患者に基づいたモードBでは、患者情報(個人名、対象患部など)のパラメータが含まれており、ISCANパラメータが含まれるモードCでは、ISCANパラメータが含まれている。
【0054】
また、スコープ情報のパラメータには、スコープ特性(撮像素子サイズ、光学特性)に起因するゲイン値、絞り値のパラメータが含まれている。さらに、ユーザの名称、システム設置値(図示せず)などのパラメータも含まれている。
【0055】
プロセッサが電源ON状態になると、前回の起動時に選択していたモードが適用され、実行オペレータ層のパラメータに反映される。また、オペレータは、編集作業でいずれかのモード、すなわち中間パラメータ層を選択することが可能である。
【0056】
図6は、第2の実施形態におけるパラメータ設定処理のフローチャートである。
図7は、モニタに表示されるモード設定画面を示した図である。オペレータによってモード選択するための操作が行われると、処理が開始される。
【0057】
ステップS201では、選択可能な複数の中間パラメータ層M2A、M2B、M2Cのデータがメモリ41から読み出されるとともに、複数のモードを選択する画面が表示される。前回の起動時に選択されたモード、すなわち今現在選択されているモードが、他のモードと区別するように表示される。
図7では、モードAが今現在選択されていることを示している。
【0058】
オペレータによってモードA、モードB、モードCいずれかが選択されると、選択された中間パラメータ層は、RAM49などに一時保存される(S202〜S205)。実行パラメータ層M3がメモリ41から読み出されると、選択された中間パラメータ層と実行パラメータ層M3とを合わせたパラメータ群を、実行パラメータ層M3として設定し、RAM49などのメモリに保存する(S205〜S207)。これにより、新たに選択されたモードによって実行パラメータ層M3が設定され、内視鏡作業に反映される。
【0059】
図7では、3つのモードA、B、Cから1つのモードを選択する構成を示しているが、オペレータは、新たなモードを作成することも可能である。たとえば、耳鼻科用、消化器用のモードなど、観察部位によって異なるモードを設定することができる。この場合、そのモードに含まれるパラメータ群の中からオペレータが任意のパラメータを選んで設定すればよい。
【0060】
図8は、モード登録画面を示した図である。オペレータは、チェックボックスをチェックすることで、新たに作成するモードDに含まれるパラメータを選択することができる。これにより、オペレータは様々なモードに応じた中間パラメータ層を作成することができる。また、一度作成したモードに含まれるパラメータの一部を削除し、あるいは一部追加することも可能である。
【0061】
このように第2の実施形態によれば、中間パラメータ層が、複数のモードに対応して複数種類の中間パラメータから構成されており、各パラメータは、モードに応じたパラメータ群が構成される。そして、オペレータが、作業環境に適合したモード(中間パラメータ層M2)を選択することが可能となる。また、オペレータは、複数のモード(中間パラメータ層M2)のパラメータを随時編集することが可能となる。さらに、様々なモードを作成、保存し、必要に応じて読み出すことが可能となる。
【0062】
次に、
図9〜13を用いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、異なる内視鏡システムの間で、外部メモリに記憶された中間パラメータ層のパラメータを用いてデータ更新する。
【0063】
図9は、第3の実施形態におけるパラメータ記録処理のフローチャートである。
図10は、パラメータ記録画面を示した図である。
【0064】
オペレータは、今現在使用している内視鏡システムにおいてセッティングされた画像処理などに関連するパラメータ値を他の内視鏡システムでも使用したい場合、特定のモードに応じた中間パラメータ層のデータを外部メモリに記録することができる。
【0065】
記録処理が開始されると、モード選択画面が表示される(S301)。オペレータによっていずれかのモードが選択されると、無線あるいは有線で接続されたメモリデバイス90に選択されたモードの中間パラメータ層に属するパラメータが、データとして記録される(S302、S303)。
図10では3つのモードA、B、CのうちモードAが今現在選択されていることを示している。そして、モードAに対応する中間パラメータ層のパラメータを外部メモリであるメモリデバイス90に記録しようとするときに、プロセッサ固有のパスワード1を入力し、保存データ対象のパスワード2を任意に入力することで、記録可能となる。選択されたモードの中間パラメータ層では、パスワード2のデータが付随して記録される。なお、USBなどのメモリデバイスを適用してもよい。
【0066】
図11は、第3の実施形態におけるパラメータ設定処理のフローチャートである。
図12は、システム間でのパラメータ階層を示した図である。
図13は、モードに応じた中間パラメータの読み出し画面を示した図である。
【0067】
図12に示すように、ここでは内視鏡装置のシステムA〜Cの間で固定パラメータ層、中間パラメータ層、実行パラメータ層の階層が設定されており、内視鏡システムA〜C間では固定パラメータ層の内容、数が完全には一致しない。例えば、輝度補正のパラメータはシステムB、Cにのみ設定され、ISCANのパラメータはシステムCのみ設定されている。
【0068】
一方、メモリデバイス90に記憶されたモード(以下、モードEとする)に応じた中間パラメータ層のデータは、エンハンス、ノイズリダクション、ユーザ情報から構成されており、医師などのオペレータの嗜好に合わせて設定されたパラメータ群で構成されている。ここでは、システムBの内視鏡装置からモードEのパラメータデータが読み出されてメモリデバイス90に記憶されているとする。
【0069】
システムAの内視鏡装置に対してメモリデバイス90が接続され、メモリデバイス90に記憶された特定のモード(ここでは、モードE)のパラメータデータが選択されて読み出されるとともに、それらのパラメータが固定パラメータ層に反映されて保存される(S401〜S406)。なお、メモリデバイス90からパラメータのデータを読み出すとき、
図13に示すように、メモリデバイス90に保存した時のパスワード2と、該当するシステム(ここではシステムA)のパスワード3が入力される。
【0070】
各パラメータにおけるIndex、Statusは、システム間で共通仕様となり、システムが異なっていてもパラメータの内容はIndex、Statusによって特定される。内視鏡装置のシステムAでは、モードEに対応するパラメータが更新される(IDが00→05に変更)。システムAでは、モードEに含まれる3つのパラメータすべてが含まれているため、3つのパラメータがすべて更新される。仮に、システムCの内視鏡装置にモードEを反映させる場合、システムCに含まれていないノイズリダクションパラメータ以外のパラメータについてパラメータ値が更新される。
【0071】
このようにシステム間でモードに応じたパラメータ内容を更新、書き換えることができるため、異なる医療現場においても必要なパラメータについて共通化させることができる。例えば、システムBの内視鏡装置を普段使用している医師などがシステムAの内視鏡装置を装備する他の病院施設で検査、処置などを行う場合、モードEの中間パラメータ層のデータをシステムBからメモリデバイス90に移し、システムAにおいてそのパラメータデータを固定パラメータ層に反映させることができる。この場合、医師は、自身の好みで設定しているエンハンスパラメータ、ノイズリダクションパラメータに基づく観察画像を見ながら作業を行うことができる。
【0072】
一方、
図12に示す内視鏡装置のシステムAとシステムA’では、観察対象部位が共通であって同一シリーズのシステムであり、ヴァージョンだけが異なる(システムA’の方が最新ヴァージョン)。システムAから読み出したモード(以下、モードF)の中間パラメータ層のパラメータデータに基づいて、システムA’の実行パラメータ層が更新されると、エンハンスパラメータ、ユーザ情報のパラメータ、スコープ情報のパラメータが更新される。
【0073】
システムAとシステムA’では、観察対象部位が共通であることから同一タイプのビデオスコープが接続される。モードFに基づくシステムA’のパラメータ更新により、最新のシステムA’においてもシステムAで設定されたスコープ情報に基づく画像処理が行われる。
【0074】
このように第3の実施形態によれば、所定の内視鏡システムにおいて、特定のモードに応じた中間パラメータ層のパラメータデータがメモリデバイス90に記憶される。そして、異なる内視鏡システムにおいてメモリデバイス90に記憶されたパラメータデータを読み出し、そのシステムにおける実行パラメータ層に反映させる。