(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各々に少なくとも一つの発光素子が属する複数の系統に対して系統毎に別々の電流を供給する発光素子駆動装置の少なくとも一部を構成する発光素子駆動用半導体集積回路であって、
或る1系統の点灯個数が減少したことによる前記或る1系統の輝度減少が生じているか否かを判定する判定部と、
前記発光素子駆動装置の複数のパワー素子を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記或る1系統の点灯個数が減少したことによる前記或る1系統の輝度減少が生じていると前記判定部によって判定された場合に、前記発光素子駆動装置から前記或る1系統への電流供給を停止するように前記或る1系統に対応する前記パワー素子を制御し、前記発光素子駆動装置から前記或る1系統以外の系統に供給される電流が増加するように前記或る1系統以外の系統に対応する少なくとも一つの前記パワー素子を制御することを特徴とする発光素子駆動用半導体集積回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図10に示す発光装置に設けられる複数の発光ダイオード101は、製造ばらつき等によって個々の発光ダイオードの寿命がそれぞれ異なっている。したがって、最も寿命が短い発光ダイオードの寿命がショート異常の発生により尽きた場合、まだ寿命が尽きていない残りの発光ダイオードは駆動回路102Bから出力される電流によって駆動(点灯)する。しかしながら、このような点灯状態では発光ダイオードの点灯個数が一つ減少しているため輝度不足が生じ、安全を確保するために必要な輝度を得る事ができないおそれがある。
【0007】
図11に示す発光装置は3つの系統を有しているため或る1系統の発光ダイオードの点灯個数が減少した場合であっても残る2系統の発光ダイオードは正常に点灯する。しかしながら、このような点灯状態では発光ダイオードの点灯個数が減少しているため輝度不足が生じ、安全を確保するために必要な輝度を得る事ができないおそれがある。
【0008】
そこで、
図10に示す発光装置に予備用として複数の発光ダイオード101’及び複数の発光ダイオード101’を駆動する駆動回路102’を追加して
図12に示す構成とし、使用する発光ダイオード及び駆動回路を複数の発光ダイオード101の点灯個数が減少した場合に予備用に切り替える対策が考えられる。同様に、
図11に示す発光装置に予備用として少なくとも一つの発光ダイオード101D及び少なくとも一つの発光ダイオード101Dを駆動する駆動回路102Dを追加して
図13に示す構成とし、或る1系統の発光ダイオードの点灯個数が減少した場合に、発光ダイオードの点灯個数が減少した1系統を使用する代わりに予備用を使用する対策が考えられる。
【0009】
しかしながら、
図12に示す構成は
図10に示す構成よりも部品数が多くなるため、消費電力及びコストが増加するという問題があった。同様に、
図13に示す構成は
図11に示す構成よりも部品数が多くなるため、消費電力及びコストが増加するという問題があった。
【0010】
なお、特許文献1では、複数の光源のいずれかに短絡故障が生じても適切な輝度を提供することが可能な光源制御装置が提案されている。しかしながら、特許文献1で提案されている光源制御装置は、並列接続された複数の光源を制御しており、短絡故障した発光ダイオードへの電流供給をスイッチによって遮断することによって短絡故障していない発光ダイオードが点灯しなくなることを防止している。
図10に示す発光装置及び
図11に示す発光装置はそれぞれ発光ダイオードが並列接続される構成ではないため、上述した特許文献1で提案されている技術を
図10に示す発光装置及び
図11に示す発光装置に適用しても、発光ダイオードの点灯個数が減少して輝度不足が生じることを抑えることはできない。
【0011】
本発明は、上記の状況に鑑み、複数の発光素子の一部が故障して発光素子の点灯個数が減少した場合に輝度不足が生じることを抑えることができる発光素子駆動用半導体集積回路を提供することを目的とする。また、本発明は、上記の状況に鑑み、複数の発光素子の一部が故障して発光素子の点灯個数が減少した場合に輝度不足が生じることを抑えることができる発光素子駆動装置並びにこれを用いた発光装置及び車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書中に開示されている第1の構成の発光素子駆動用半導体集積回路は、複数の発光素子から成る直列接続体を駆動する発光素子駆動装置の少なくとも一部を構成する発光素子駆動用半導体集積回路であって、前記複数の発光素子のうち一つが短絡していることを検出する1灯短絡検出部と、前記複数の発光素子のうち一つが短絡していることが前記1灯短絡検出部によって検出された場合に、前記発光素子駆動装置から前記直列接続体に供給される電流が増加するように前記発光素子駆動装置のパワー素子を制御する制御部と、を有する構成である。
【0013】
本明細書中に開示されている第2の構成の発光素子駆動用半導体集積回路は、少なくとも一つの発光素子を駆動する発光素子駆動装置の少なくとも一部を構成する発光素子駆動用半導体集積回路であって、前記少なくとも一つの発光素子の点灯個数が減少したことによる前記少なくとも一つの発光素子の輝度減少が生じているか否かを判定する判定部と、前記少なくとも一つの発光素子の点灯個数が減少したことによる前記少なくとも一つの発光素子の輝度減少が生じていると前記判定部によって判定された場合に、通知信号を他の発光素子駆動用半導体集積回路に送信する送信部と、他の発光素子駆動用半導体集積回路から送信される他の通知信号を受信する受信部と、前記発光素子駆動装置のパワー素子を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記少なくとも一つの発光素子の点灯個数が減少したことによる前記少なくとも一つの発光素子の輝度減少が生じていると前記判定部によって判定された場合に、前記発光素子駆動装置から前記少なくとも一つの発光素子への電流供給を停止するように前記パワー素子を制御し、前記他の通知信号が前記受信部によって受信された場合に、前記発光素子駆動装置から前記少なくとも一つの発光素子に供給される電流が増加するように前記パワー素子を制御する構成である。
【0014】
本明細書中に開示されている第3の構成の発光素子駆動用半導体集積回路は、各々に少なくとも一つの発光素子が属する複数の系統に対して系統毎に別々の電流を供給する発光素子駆動装置の少なくとも一部を構成する発光素子駆動用半導体集積回路であって、或る1系統の点灯個数が減少したことによる前記或る1系統の輝度減少が生じているか否かを判定する判定部と、前記発光素子駆動装置の複数のパワー素子を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記或る1系統の点灯個数が減少したことによる前記或る1系統の輝度減少が生じていると前記判定部によって判定された場合に、前記発光素子駆動装置から前記或る1系統への電流供給を停止するように前記或る1系統に対応する前記パワー素子を制御し、前記発光素子駆動装置から前記或る1系統以外の系統に供給される電流が増加するように前記或る1系統以外の系統に対応する少なくとも一つの前記パワー素子を制御する構成である。
【0015】
また、上記第1〜第3いずれかの構成の発光素子駆動用半導体集積回路において、前記複数の発光素子のうち一つが短絡していることが前記1灯短絡検出部によって検出された場合、前記少なくとも一つの発光素子の点灯個数が減少したことによる前記少なくとも一つの発光素子の輝度減少が生じていると前記判定部によって判定された場合、又は、前記或る1系統の点灯個数が減少したことによる前記或る1系統の輝度減少が生じていると前記判定部によって判定された場合に、点灯していない前記発光素子が存在することを示す異常通知信号を外部に出力する外部出力部を有する構成(第4の構成)であってもよい。
【0016】
本明細書中に開示されている第5の構成の発光素子駆動装置は、複数の発光素子から成る直列接続体を駆動する発光素子駆動装置であって、パワー素子と、前記複数の発光素子のうち一つが短絡していることを検出する1灯短絡検出部と、前記複数の発光素子のうち一つが短絡していることが前記1灯短絡検出部によって検出された場合に、前記発光素子駆動装置から前記直列接続体に供給される電流が増加するように前記パワー素子を制御する制御部と、を有する構成である。
【0017】
本明細書中に開示されている第6の構成の発光素子駆動装置は、各々に少なくとも一つの発光素子が属する複数の系統に対して系統毎に別々の電流を供給する発光素子駆動装置であって、複数のパワー素子と、或る1系統の点灯個数が減少したことによる前記或る1系統の輝度減少が生じているか否かを判定する判定部と、前記複数のパワー素子を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記或る1系統の点灯個数が減少したことによる前記或る1系統の輝度減少が生じていると前記判定部によって判定された場合に、前記発光素子駆動装置から前記或る1系統への電流供給を停止するように前記或る1系統に対応する前記パワー素子を制御し、前記発光素子駆動装置から前記或る1系統以外の系統に供給される電流が増加するように前記或る1系統以外の系統に対応する少なくとも一つの前記パワー素子を制御する構成である。
【0018】
また、上記第5または第6の構成の発光素子駆動装置において、前記複数の発光素子のうち一つが短絡していることが前記1灯短絡検出部によって検出された場合、又は、前記或る1系統の点灯個数が減少したことによる前記或る1系統の輝度減少が生じていると前記判定部によって判定された場合に、点灯していない前記発光素子が存在することを示す異常通知信号を外部に出力する外部出力部を有する構成(第7の構成)であってもよい。
【0019】
本明細書中に開示されている発光装置は、複数の発光素子と、前記複数の発光素子を駆動する上記第5〜第7いずれかの構成の発光素子駆動装置と、を有する構成(第8の構成)である。
【0020】
また、上記第8の構成の発光装置において、前記発光素子は、発光ダイオード、または、有機EL素子である構成(第9の構成)であってもよい。
【0021】
また、上記第8または第9の構成の発光装置において、車載ランプとして用いられる構成(第10の構成)であってもよい。
【0022】
また、上記第10の構成の発光装置において、ヘッドライトモジュール、ターンランプモジュール、または、リアランプモジュールとして車両に装着される構成(第11の構成)であってもよい。
【0023】
本明細書中に開示されている車両は、上記第10または第11の構成の発光装置を有する構成(第12の構成)である。
【0024】
また、上記第12の構成の車両において、前記発光装置は、ヘッドライト、白昼夜走行用光源、テールランプ、ストップランプ、及び、ターンランプの少なくとも一つとして用いられる構成(第13の構成)であってもよい。
【発明の効果】
【0025】
本明細書中に開示されている発光素子駆動用半導体集積回路、発光素子駆動装置、発光装置、及び車両によれば、複数の発光素子の一部が故障して発光素子の点灯個数が減少した場合に輝度不足が生じることを抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1構成例>
図1は、発光装置の第1構成例を示す図である。
図1に示す発光装置は、発光素子駆動用IC10と、コイルL1と、出力コンデンサC1と、センス抵抗Rsと、コンデンサC2と、を有する発光素子駆動装置を備える。また、
図1に示す発光装置は、当該発光素子駆動装置の駆動対象である発光ダイオードZ1〜Z3を備える。なお、
図1の構成例では、発光ダイオードの個数、発光素子駆動用IC10の内部に設けられる短絡検出回路の個数をそれぞれ3個にしているが、3個に限定されることはなく複数であればよい。
【0028】
発光素子駆動用IC10は、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ1H及び1L(以下では、上側トランジスタ1H及び下側トランジスタ1Lと呼ぶ)と、上側ドライバ2H及び下側ドライバ2Lと、ダイオードD1と、制御部3と、アンプ4と、短絡検出回路5A〜5Cと、を集積化した半導体集積回路装置(いわゆるLEDドライバIC)である。また、発光素子駆動用IC10は、外部との電気的な接続を確立するために外部端子T1〜T13を有する。
【0029】
発光素子駆動用IC10の外部において、外部端子T1は、入力電圧Viの印加端に接続されている。外部端子T2は、コイルL1の第1端に接続されている。コイルL1の第2端(出力電圧Voの印加端)は、センス抵抗Rsの第1端に接続されている。センス抵抗Rsの第2端は、発光ダイオードZ1〜Z3から成る直列接続体のアノードに接続されている。発光ダイオードZ1〜Z3から成る直列接続体のカソードは、接地端に接続されている。出力コンデンサC1の第1端は、コイルL1の第2端に接続されている。出力コンデンサC1の第2端は、接地端に接続されている。外部端子T3は、接地端に接続されている。外部端子T4は、コンデンサC2を介してコイルL1の第1端に接続されている。外部端子T5は、センス抵抗Rsの第1端に接続されている。外部端子T6は、センス抵抗Rsの第2端に接続されている。外部端子T7は、抵抗R1を介して接地端に接続されている。外部端子T8は、抵抗R2を介して接地端に接続されている。外部端子T9は、発光ダイオードZ1のアノードに接続されている。外部端子T10は、発光ダイオードZ1のカソード及び発光ダイオードZ2のアノードに接続されている。外部端子T11は、発光ダイオードZ2のカソード及び発光ダイオードZ3のアノードに接続されている。外部端子T12は、発光ダイオードZ3のカソードに接続されている。
【0030】
発光素子駆動用IC10の内部において、上側トランジスタ1Hのドレインは、外部端子T1に接続されている。上側トランジスタ1Hのソースは、外部端子T2に接続されている。上側トランジスタ1Hのゲートは、上側ドライバ2Hの出力端に接続されている。下側トランジスタ1Lのドレインは、外部端子T2に接続されている。下側トランジスタ1Lのソースは、外部端子T3に接続されている。下側トランジスタ1Lのゲートは、下側ドライバ2Lの出力端に接続されている。すなわち、上側トランジスタ1H及び下側トランジスタ1Lは、入力電圧Viの印加端と接地端との間に直列接続されており、互いの接続ノード(スイッチ電圧Vswの印加端)がコイルL1を介して出力コンデンサC1に接続されている。
【0031】
上側ドライバ2Hは、制御部3からの指示に基づいて上側トランジスタ1Hの制御信号GHを生成する。上側トランジスタ1Hは、制御信号GHがハイレベルであるときにオンとなり、制御信号GHがローレベルであるときにオフとなる。下側ドライバ2Lは、制御部3からの指示に基づいて下側トランジスタ1Lの制御信号GLを生成する。下側トランジスタ1Lは、制御信号GLがハイレベルであるときにオンとなり、制御信号GLがローレベルであるときにオフとなる。
【0032】
ダイオードD1と、発光素子駆動用IC10に外付けされるコンデンサC2とによってブートストラップ回路が構成される。当該ブートストラップ回路は、ブースト電圧Vbstを生成する。ダイオードD1のアノードは、定電圧Vregの印加端に接続されている。ダイオードD1のカソードは、外部端子T4に接続されている。
【0033】
上側ドライバ2Hの第1電源端及び制御部3の第1電源端は、外部端子T4(ブースト電圧Vbstの印加端)に接続されている。上側ドライバ2Hの第2電源端は、外部端子 T2(スイッチ電圧Vswの印加端)に接続されている。従って、上側トランジスタ1Hのゲートに印加される制御信号GHのハイレベルはブースト電圧Vbstとなり、制御信号GHのローレベルはスイッチ電圧Vswとなる。
【0034】
下側ドライバ2Lの第1電源端は、定電圧Vregの印加端に接続されている。下側ドライバ2Lの第2電源端は、外部端子T3(接地電圧GNDの印加端)に接続されている。従って、下側トランジスタ1Lのゲートに印加される制御信号GLのハイレベルは定電圧Vregとなり、制御信号GLのローレベルは接地電圧GNDとなる。
【0035】
上記構成から成るブートストラップ回路の動作について説明する。上側トランジスタ1Hがオフされて下側トランジスタ1Lがオンされることにより、スイッチ電圧Vswがローレベル(GND)となっているときには、定電圧Vregの印加端からダイオードD1を介してコンデンサC2に流れ込む電流によってコンデンサC2が充電される。このとき、ブースト電圧Vbstは、ほぼ定電圧Vreg(より正確には、定電圧VregからダイオードD1の順方向降下電圧Vfを差し引いた値(Vreg−Vf))となる。
【0036】
一方、コンデンサC2が充電されている状態で、上側トランジスタ1Hがオンされ、下側トランジスタ1Lがオフされることにより、スイッチ電圧Vswがローレベル(GND)からハイレベル(Vi)に立ち上げられると、ブースト電圧Vbstは、スイッチ電圧Vswのハイベル(Vi)よりも更にコンデンサ C2の充電電圧分(ほぼVreg)だけ高い値(Vi+Vreg)に引き上げられる。このようなブースト電圧Vbstが上側ドライバ2Hの第1電源端に印加されることにより、上側トランジスタ1Hを確実にオン/オフ駆動することが可能となっている。
【0037】
制御部3は、内部でPWM信号を生成し、PWM信号のオン期間(ハイレベル期間)には帰還電圧Vfbに応じて上側トランジスタ1H及び下側トランジスタ1Lをオン/オフするように上側ドライバ2H及び下側ドライバ2Lを駆動する。一方、制御部3は、PWM信号のオフ期間(ローレベル期間)において、出力電圧Voの生成動作を停止するように上側ドライバ2H及び下側ドライバ2Lを駆動する。
【0038】
アンプ4は、非反転入力端(+)と反転入力端(−)との間に印加されるセンス抵抗Rsの両端電圧を増幅して帰還電圧Vfbを生成する。従って、帰還電圧Vfbは、センス抵抗Rsに流れる出力電流Ioに応じて増減する電圧信号となる。
【0039】
なお、上記した上側トランジスタ1H、下側トランジスタ1L、上側ドライバ2H、下側ドライバ2L、制御部3、及び、アンプ4は、制御部3で生成されるPWM信号のオン期間には発光ダイオードZ1〜Z3に流れる出力電流Ioが目標値と一致するように入力電圧Viから出力電圧Voを生成し、制御部3で生成されるPWM信号のオフ期間には出力電圧Voの生成動作を停止する出力電圧生成部を形成する。
【0040】
短絡検出回路5Aは、発光ダイオードZ1のアノード−カソード間電圧(外部端子T9−外部端子T10間電圧)が略零になっているか否かを確認し、略零になっていれば発光ダイオードZ1の短絡を検出してローレベルの信号を出力し、発光ダイオードZ1の短絡を検出していないときはハイレベルの信号を出力する。短絡検出回路5Bも同様にして発光ダイオードZ2の短絡を検出し、短絡検出回路5Cも同様にして発光ダイオードZ3の短絡を検出する。
【0041】
短絡検出回路5A〜5C全てが発光ダイオードの短絡を検出していない場合すなわち短絡検出回路5A〜5C全てがハイレベルの信号を出力している場合、制御部3は、外部端子T7に接続されている抵抗R1の抵抗値に応じたオンデューティのPWM信号を生成する。一方、短絡検出回路5A〜5Cのいずれか一つが発光ダイオードの短絡を検出している場合すなわち短絡検出回路5A〜5Cのいずれか一つがローレベルの信号を出力し残り二つの短絡検出回路がハイレベルの信号を出力している場合、制御部3は、外部端子T8に接続されている抵抗R2の抵抗値に応じたオンデューティのPWM信号を生成する。抵抗R2の抵抗値に応じたオンデューティは抵抗R1の抵抗値に応じたオンデューティよりも大きく設定される。
【0042】
また、短絡検出回路5A〜5Cのいずれか一つが発光ダイオードの短絡を検出している場合すなわち短絡検出回路5A〜5Cのいずれか一つがローレベルの信号を出力し残り二つの短絡検出回路がハイレベルの信号を出力している場合、制御部3は、点灯していない発光ダイオードが存在することを示す異常通知信号S1を外部端子T13に出力する。
【0043】
以上説明した
図1に示す発光装置によれば、発光ダイオードZ1〜Z3のうち最も寿命が短い発光ダイオードの寿命がショート異常の発生により尽きた場合、まだ寿命が尽きていない残りの二つの発光ダイオードに流れる電流は、オンデューティが大きくなったPWM信号に基づいて通常よりも増加する。これにより、発光ダイオードの点灯個数が一つ減少しても輝度不足を抑えることができる。
【0044】
また、
図1に示す発光装置は、発光ダイオードの点灯個数が一つ減少しても輝度不足を抑えることができるため、一つの発光ダイオードが短絡していることを使用者が気付きにくい。しかしながら、
図1に示す発光装置は、一つの発光ダイオードが短絡している場合に外部端子T13から外部に異常通知信号S1を出力するので、この異常通知信号S1を利用して
図1に示す発光装置の修理を使用者に容易に促すことができる。
【0045】
また、上述した構成とは異なる次のような構成にしてもよい。短絡検出回路5A〜5C全てが発光ダイオードの短絡を検出していない場合、制御部3は、外部端子T7に接続されている抵抗R1の抵抗値に応じた出力電流Ioの目標値を設定する。一方、短絡検出回路5A〜5Cのいずれか一つが発光ダイオードの短絡を検出している場合、制御部3は、外部端子T8に接続されている抵抗R2の抵抗値に応じた出力電流Ioの目標値を設定する。抵抗R2の抵抗値に応じた出力電流Ioの目標値は抵抗R1の抵抗値に応じた出力電流Ioの目標値よりも大きく設定される。この構成により、発光ダイオードの点灯個数が一つ減少しても輝度不足を抑えることができる。なお、この構成は通常(発光ダイオードに短絡が生じていない状態)において、制御部3によって生成されるPWM信号のオンデューティが100%に近い場合に特に好適である。
【0046】
さらに、上述した構成と上述した変形例とを組み合わせて次のような構成にしてもよい。短絡検出回路5A〜5C全てが発光ダイオードの短絡を検出していない場合、制御部3は、外部端子T7に接続されている抵抗R1の抵抗値に応じたオンデューティのPWM信号を生成し、別途設けた電流設定用外部端子に接続されている電流設定用抵抗の抵抗値に応じた出力電流Ioの目標値を設定する。一方、短絡検出回路5A〜5Cのいずれか一つが発光ダイオードの短絡を検出している場合、制御部3は、外部端子T8に接続されている抵抗R2の抵抗値に応じたオンデューティのPWM信号を生成し、他の別途設けた電流設定用外部端子に接続されている他の電流設定用抵抗の抵抗値に応じた出力電流Ioの目標値を設定する。
【0047】
<第2構成例>
図2は、発光装置の第2構成例を示す図である。
図2に示す発光装置は、第1系統に属する少なくとも一つの発光ダイオード11Aと、少なくとも一つの発光ダイオード11Aを駆動する駆動回路12Aと、第2系統に属する少なくとも一つの発光ダイオード11Bと、少なくとも一つの発光ダイオード11Bを駆動する駆動回路12Bと、第3系統に属する少なくとも一つの発光ダイオード11Cと、少なくとも一つの発光ダイオード11Cを駆動する駆動回路12Cと、を有する。駆動回路12A〜12Cはそれぞれ他の駆動回路との相互通信が可能な構成である。
【0048】
駆動回路12A〜12Cはそれぞれ同様の構成であるため、ここでは駆動回路12A〜12Cを代表して駆動回路12Aの構成例について説明する。
図3は、駆動回路12Aの一構成例を示す図である。なお、
図3においては、駆動回路12Aに接続される少なくとも一つの発光ダイオード11Aも図示している。また、
図3において
図1と同様に部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0049】
図3に示す構成例の駆動回路12Aは、発光素子駆動用IC13及びその外付け部品によって構成される。発光素子駆動用IC13は、コンパレータ14A及び14Cと、基準電圧源14B及び14Dと、ORゲート14Eとによって構成される判定部を有する。また、発光素子駆動用IC13は通信部15を有する。
【0050】
コンパレータ14Aは、外部端子T6の電圧と、基準電圧源14Bから出力される第1基準電圧V
REF1とを比較し、外部端子T6の電圧が第1基準電圧V
REF1以上であればハイレベルの信号を出力する。コンパレータ14Cは、外部端子T6の電圧と、基準電圧源14Dから出力される第2基準電圧V
REF2(<第1基準電圧V
REF1)とを比較し、外部端子T6の電圧が第2基準電圧V
REF2未満であればハイレベルの信号を出力する。ORゲート14Eは、コンパレータ14A及び14Cの少なくとも一つの出力信号がハイレベルであれば、ハイレベルの信号を制御部3及び通信部15に出力する。
【0051】
第1基準電圧V
REF1は、例えば発光ダイオード12Aの総順方向電圧よりも大きい値に設定し、発光ダイオード12Aが断線して点灯しなくなる異常の有無を判定する閾値とする。第2基準電圧V
REF2は、例えば発光ダイオード12A内の一つの素子の順方向電圧よりも小さい値に設定し、発光ダイオード12Aが地絡して点灯しなくなる異常の有無を判定する閾値とする。これにより、上記判定部は、発光ダイオード12Aの点灯個数が減少したことによる発光ダイオード12Aの輝度減少が生じているか否かを判定することができ、発光ダイオード12Aの点灯個数が減少したことによる発光ダイオード12Aの輝度減少が生じていると判定した場合に、ハイレベルの信号を出力する。
【0052】
通信部15は、ORゲート14Eからハイレベルの信号を受け取ると、通知信号を外部端子T14に出力して、発光素子駆動用IC13の外部端子T14に接続されている他の発光素子駆動用IC(駆動回路12Bの一部を構成する発光素子駆動用IC及び駆動回路12Cの一部を構成する発光素子駆動用IC)の外部端子T14に通知信号を供給する。
【0053】
また通信部15は、他の発光素子駆動用IC(駆動回路12Bの一部を構成する発光素子駆動用IC及び駆動回路12Cの一部を構成する発光素子駆動用IC)の外部端子T14から送信され発光素子駆動用IC13の外部端子T14に入力される通知信号を受信する。
【0054】
ORゲート14Eがローレベルの信号を出力しており通信部15が通知信号を受信していない場合、制御部3は、外部端子T7に接続されている抵抗R1の抵抗値に応じたオンデューティのPWM信号を生成する。一方、ORゲート14Eがローレベルの信号を出力しており通信部15が通知信号を受信している場合、制御部3は、外部端子T8に接続されている抵抗R2の抵抗値に応じたオンデューティのPWM信号を生成する。抵抗R2の抵抗値に応じたオンデューティは抵抗R1の抵抗値に応じたオンデューティよりも大きく設定される。また、ORゲート14Eがハイレベルの信号を出力している場合、制御部3は、PWM信号のオンデューティを0%にしてスイッチング制御を停止する。
【0055】
そして、ORゲート14Eがハイレベルの信号を出力している場合、制御部3は、点灯していない発光ダイオードが存在することを示す異常通知信号S1を外部端子T13に出力する。
【0056】
以上説明した
図3に示す発光装置によれば、3つの系統のうちの或る1系統の発光ダイオードの点灯個数が減少したことによる当該或る1系統の発光ダイオードの輝度減少が生じた場合、残る2系統の発光ダイオードに流れる電流は、オンデューティが大きくなったPWM信号に基づいて通常よりも増加する。これにより、或る1系統の発光ダイオードの輝度減少が生じても輝度不足を抑えることができる。
【0057】
また、
図3に示す発光装置は、或る1系統の発光ダイオードの輝度減少が生じても輝度不足を抑えることができるため、或る1系統の発光ダイオードの点灯個数が減少したことによる当該或る1系統の発光ダイオードの輝度減少が生じていることを使用者が気付きにくい。しかしながら、
図3に示す発光装置は、或る1系統の発光ダイオードの点灯個数が減少したことによる当該或る1系統の発光ダイオードの輝度減少が生じている場合に、当該或る1系統の発光素子駆動用ICの外部端子T13から外部に異常通知信号S1を出力するので、この異常通知信号S1を利用して
図3に示す発光装置の修理を使用者に容易に促すことができる。
【0058】
また、本構成例についても上述した第1構成例の変形例と同様の変形が可能である。
【0059】
<第3構成例>
図4は、発光装置の第3構成例を示す図である。
図4に示す発光装置は、
図3に示す発光装置では系統毎に3つに分かれていた発光素子駆動用ICを一つの発光素子駆動用IC16に統合した構成である。すなわち、発光素子駆動用IC16は第2系統用回路17及び第3系統用回路19を有しており、第2系統用外付け部品群18及び第3系統用外付け部品群20が発光素子駆動用IC16に外付けされている。
図3に示す発光装置で用いていた通信部15は、
図4に示す発光装置では発光素子駆動用IC同士の通信が不要になるため取り除いている。
【0060】
入力電圧Viの印加端に接続される発光素子駆動用IC16の外部端子、接地端に接続される発光素子駆動用IC16の外部端子などは第1系統〜第3系統で共用化が可能であるため、共用化することが望ましい。
【0061】
図4に示す発光装置における第1系統〜第3系統の各出力電流Ioの制御は、
図3に示す発光装置における第1系統〜第3系統の各出力電流Ioの制御と基本的に同じであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図4に示す発光装置は、
図3に示す発光装置と同様の効果を奏する。
【0062】
<用途>
上記した発光装置は、例えば、
図5及び
図6で示す通り、車両X10のヘッドライト(ハイビーム/ロービーム/スモールランプ/フォグランプなどを適宜含む)X11、白昼夜走行(DRL)用光源X12、テールランプ(スモールランプやバックランプなどを適宜含む)X13、ストップランプX14、及び、ター ンランプX15などとして好適に用いることができる。
【0063】
なお、上述した発光装置は、モジュール(
図7のLEDヘッドライトモジュールY10、
図8の LEDターンランプモジュールY20、及び、
図9のLEDリアランプモジュールY30など)として提供されるものであってもよい。また、上述した発光装置から発光ダイオード及び発光素子駆動用ICの外付け部品などを取り除いた半製品である発光個数制御機能付き駆動装置の形態で提供されてもよい。
【0064】
また上記した発光装置は、例えば、表示装置のバックライトとしても用いることができる。
【0065】
<その他の変形例>
なお、上記の実施形態では、発光素子として発光ダイオードを用いた構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、発光素子として有機EL[electro-luminescence]素子を用いることも可能である。
【0066】
また、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、発光素子を駆動する発光素子駆動装置として、出力電流Ioが目標値と一致するようにパワー素子(上側トランジスタ1H及び下側トランジスタ1L)をスイッチング制御するスイッチングレギュレータを用いたが、目標値と一致するようにパワー素子のオン抵抗を制御するリニアレギュレータをスイッチングレギュレータの代わりに用いてもよい。また、例えば、第1構成例と第2構成例を組み合わせて実施することも可能である。同様に第1構成例と第3構成例を組み合わせて実施することも可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。