特許第6830250号(P6830250)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6830250画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、遊技機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6830250
(24)【登録日】2021年1月28日
(45)【発行日】2021年2月17日
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、遊技機
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20210208BHJP
   A63F 7/02 20060101ALI20210208BHJP
【FI】
   G09G5/00 510V
   A63F7/02 320
   G09G5/00 550X
   G09G5/00 530H
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-154487(P2017-154487)
(22)【出願日】2017年8月9日
(65)【公開番号】特開2019-32473(P2019-32473A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2019年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】398034168
【氏名又は名称】株式会社アクセル
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 英智
(72)【発明者】
【氏名】美辺 央希
(72)【発明者】
【氏名】菅野 裕揮
【審査官】 小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/053281(WO,A1)
【文献】 特開2007−133127(JP,A)
【文献】 特開2013−088465(JP,A)
【文献】 特開2010−022741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00−5/42
H04N 5/64−5/74
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像表示手段に表示させる複数の画像を生成する画像処理装置であって、
一以上の画像表示手段としての第一の画像表示手段に表示する第一の画像と、前記第一の画像表示手段以外の画像表示手段としての第二の画像表示手段に表示する、前記第一の画像よりもデータ量の小さい第二の画像とを生成する画像生成手段を備え、
該画像生成手段は、前記第一の画像を複数のブロック単位で分割した複数の分割画像を取得し、取得したそれぞれの前記分割画像によって生成した画像により前記第二の画像表示手段に表示しうる前記第二の画像を複数生成する画像変更手段を備え、
前記第一の画像を記憶する第一の記憶手段と、
前記第一の記憶手段の記憶容量より小さい記憶容量であって前記第二の画像を記憶できる大きさの記憶容量に形成され、前記第二の画像を記憶する第二の記憶手段と、
を備え
前記画像生成手段は、前記第一の画像と複数の前記第二の画像のうちの少なくとも一つが前記第一の画像表示手段と前記第二の画像表示手段とに同時に表示されるように出力すると共に、複数の前記第二の画像のそれぞれが異なるタイミングで前記第二の画像表示手段に表示されるように出力されるように構成したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像変更手段は、前記第一の画像のデータ量を所定の基準で削減して前記第二の画像を生成し、
前記第二の記憶手段の記憶容量は前記第二の画像を記憶できる大きさに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第一の画像表示手段は液晶ディスプレイであって、前記第一の画像は液晶画面で表示される画像であり、
前記第二の画像表示手段は複数のLEDが所定の規則で配列されたLEDディスプレイであって、前記第二の画像はLED画面で表示される画像であり、
前記画像生成手段は、前記第一の画像表示手段に表示される前記第一の画像の少なくとも一部である所定領域の画像を取得し、前記所定領域の画像を前記第二の画像表示手段に表示しうる画像に変更することで前記第二の画像を生成する画像変更手段を備え、
前記画像変更手段は、前記第二の画像を、前記LEDの配列の規則に基づいて点灯させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一つに記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
第一の記憶手段と、前記第一の記憶手段の記憶容量よりも小さい記憶容量で形成される第二の記憶手段とを備え、複数の画像表示手段に表示させる複数の画像を生成する画像処理装置により実行される画像処理方法であって、
一以上の画像表示手段としての第一の画像表示手段に表示する第一の画像を生成し、
前記第一の画像を複数のブロック単位で分割した複数の分割画像を生成する分割画像を取得し、取得したそれぞれの前記分割画像によって生成した画像により、前記第一の画像表示手段以外の画像表示手段としての第二の画像表示手段に表示する、前記第一の画像よりもデータ量の小さい第二の画像を複数生成し、
前記第一の記憶手段に前記第一の画像を記憶し、
前記第一の記憶手段の記憶容量より小さい記憶容量であって前記第二の画像を記憶できる大きさの記憶容量に形成された前記第二の記憶手段に前記第二の画像を記憶し、
前記第一の画像と複数の前記第二の画像のうちの少なくとも一つが前記第一の画像表示手段と前記第二の画像表示手段とに同時に表示されるように出力すると共に、複数の前記第二の画像のそれぞれが異なるタイミングで前記第二の画像表示手段に表示されるように出力されるように構成する
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
第一の記憶手段と、第二の記憶手段とを備え、複数の画像表示手段に表示させる複数の画像を生成する画像処理装置のプロセッサにより実行される画像処理プログラムであって、
一以上の画像表示手段としての第一の画像表示手段に表示する第一の画像を生成し、
前記第一の画像を複数のブロック単位で分割した複数の分割画像を生成する分割画像を取得し、取得したそれぞれの前記分割画像によって生成した画像により、前記第一の画像表示手段以外の画像表示手段としての第二の画像表示手段に表示する、前記第一の画像よりもデータ量の小さい第二の画像を複数生成し、
前記第一の記憶手段に前記第一の画像を記憶し、
前記第一の記憶手段の記憶容量よりも小さい記憶容量であって前記第二の画像を記憶できる大きさの記憶容量に形成される前記第二の記憶手段に前記第二の画像を記憶し、
前記第一の画像と複数の前記第二の画像のうちの少なくとも一つが前記第一の画像表示手段と前記第二の画像表示手段とに同時に表示されるように出力すると共に、複数の前記第二の画像のそれぞれが異なるタイミングで前記第二の画像表示手段に表示されるように出力されるように構成する
ことを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項7】
画像を表示する第1表示装置と、縦横に並んだ複数の発光素子を有し各発光素子をライン単位で時分割に点灯することにより画像を表示する第2表示装置と、に表示する画像を処理する画像処理装置であって、
第1画像を識別する画像識別子と、第1画像の領域を指定する指定情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記第1表示装置に第1画像を表示するとき、表示する第1画像の画像識別子と関連付けられた指定情報がある場合、前記指定情報が指定する領域の第2画像を抽出する抽出部と、
前記第2画像から前記第2表示装置で点灯させるライン単位のライン画像を取得する取得部と、
前記ライン画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる点灯部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
前記画像処理装置は、さらに、
前記ライン画像の解像度を前記第2表示装置のラインの解像度に変更した変更画像を生成する生成部を備え、
前記点灯部は、前記ライン画像に代えて、
前記変更画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第1画像を格納する第1バッファと、
前記第1バッファよりも記憶容量の小さい、前記変更画像を格納する第2バッファと、
を備え、
前記点灯部は、
前記第2バッファに格納された前記ライン画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記第1画像を格納する第1バッファと、
前記第1バッファよりも記憶容量の小さい、前記変更画像を格納する第2バッファと、
を備え、
前記点灯部は、
前記第2バッファに格納された前記変更画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項11】
画像を表示する第1表示装置と、縦横に並んだ複数の発光素子を有し各発光素子をライン単位で時分割に点灯することにより画像を表示する第2表示装置と、に表示する画像を処理する画像処理装置であって、
第1画像を識別する画像識別子と、第1画像の領域を指定する指定情報と、第1画像を前記第1表示装置に表示する第1タイミングと、前記指定情報が指定する領域の第2画像を前記第2表示装置に表示する第2タイミングと、を関連付けて記憶する記憶部と、
前記第1表示装置に表示される第1画像が決定されたとき、決定された第1画像の画像識別子と関連付けられた指定情報がある場合、前記指定情報が指定する領域の第2画像を抽出する抽出部と、
前記抽出部から前記第2表示装置で点灯させるライン単位のライン画像を取得する取得部と、
前記ライン画像の取得元の第1画像と関連付けられた第2タイミングに、前記ライン画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる点灯部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項12】
前記画像処理装置は、さらに、
前記ライン画像の解像度を前記第2表示装置のラインの解像度に変更した変更画像を生成する生成部を備え、
前記点灯部は、前記ライン画像に代えて、
前記ライン画像の取得元の第1画像と関連付けられた第2タイミングに、前記変更画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる
ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
画像を表示する第1表示装置と、縦横に並んだ複数の発光素子を有し各発光素子をライン単位で時分割に点灯することにより画像を表示する第2表示装置と、に表示する画像を処理する画像処理装置であって、第1画像を識別する画像識別子と、第1画像の領域を指定する指定情報とを関連付けて記憶する記憶部を備える画像処理装置の画像処理方法であって、
前記第1表示装置に第1画像を表示するとき、表示する第1画像の画像識別子と関連付けられた指定情報がある場合、前記指定情報が指定する領域の第2画像を抽出し、
前記第2画像から前記第2表示装置で点灯させるライン単位のライン画像を取得し、
前記ライン画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
画像を表示する第1表示装置と、縦横に並んだ複数の発光素子を有し各発光素子をライン単位で時分割に点灯することにより画像を表示する第2表示装置と、に表示する画像を処理する画像処理装置であって、第1画像を識別する画像識別子と、第1画像の領域を指定する指定情報とを関連付けて記憶する記憶部を備える画像処理装置のコンピュータに実行させる表示制御プログラムであって、
前記第1表示装置に第1画像を表示するとき、表示する第1画像の画像識別子と関連付けられた指定情報がある場合、前記指定情報が指定する領域の第2画像を抽出し、
前記第2画像から前記第2表示装置で点灯させるライン単位のライン画像を取得し、
前記ライン画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示手段に表示させる画像を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、それぞれ別個の画像を表示させる複数の表示手段や部分毎に別個の画像を表示させる一の表示手段に、別個の画像を表示させる技術が存在する。ここで、パチンコやスロットなどの遊技機の分野では、画像処理装置を搭載し、遊技の進行に応じて処理した画像を表示装置に表示させることにより、画像を用いた抽選や演出を行うことが主流となっている。そして、遊技機の分野において、多様な演出効果を得る目的等により、遊技機が複数の表示装置を搭載し、各表示装置が抽選と演出との表示を協働して行う技術も知られている。
【0003】
これに関連する他の技術として、以下に示すものが知られている。即ち、遊技機は、画面解像度がSVGA(Super Video Graphics Array)の第1図柄表示装置と、画面解像度がVGA(Video Graphics Array)の第2図柄表示装置と、第1図柄表示装置及び第2図柄表示装置をそれぞれ駆動制御することが可能であるとともに、第1図柄表示装置及び第2図柄表示装置のそれぞれに対応して設けられた複数の図柄制御基板とを備えている。そして、遊技機の図柄制御基板に、第1図柄表示装置及び第2図柄表示装置のそれぞれに対応する2つのドットクロック周波数を発生可能なクロック周波数発生手段と、クロック周波数発生手段にて発生するドットクロック周波数を選択するクロック周波数選択手段とを設ける技術である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3121052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、複数の画像生成装置によって生成した画像を表示手段に表示させる場合、それぞれの画像生成装置を別個の記憶手段例えば別個のフレームバッファに一時的に格納したのちに表示手段に表示させる。そして、上記特許文献1に記載の画像処理技術を有する画像処理装置では、遊技の進行に応じて、記憶装置に記憶されている画像データをレンダリング処理したあと、生成した画像をフレームバッファに格納することになる。したがって、上記特許文献1に記載の発明においては、複数の表示装置に表示する画像を一時的に格納する、複数の画像データに対応した記憶容量の複数のフレームバッファを搭載するため、搭載するバッファの容量が増大してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、記憶手段の記憶容量の過大化を抑止しつつ、複数の表示手段に画像を表示させて多様な視覚効果を得ることができる画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、及び遊技機を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の画像表示手段に表示させる複数の画像を生成する画像処理装置であって、一以上の画像表示手段としての第一の画像表示手段に表示する第一の画像と、前記第一の画像表示手段以外の画像表示手段としての第二の画像表示手段に表示する、前記第一の画像よりもデータ量の小さい第二の画像とを生成する画像生成手段を備え、該画像生成手段は、前記第一の画像を複数のブロック単位で分割した複数の分割画像を取得し、取得したそれぞれの前記分割画像によって生成した画像により前記第二の画像表示手段に表示しうる前記第二の画像を複数生成する画像変更手段を備え、前記第一の画像を記憶する第一の記憶手段と、前記第一の記憶手段の記憶容量より小さい記憶容量であって前記第二の画像を記憶できる大きさの記憶容量に形成され、前記第二の画像を記憶する第二の記憶手段と、を備え、前記画像生成手段は、前記第一の画像と複数の前記第二の画像のうちの少なくとも一つが前記第一の画像表示手段と前記第二の画像表示手段とに同時に表示されるように出力すると共に、複数の前記第二の画像のそれぞれが異なるタイミングで前記第二の画像表示手段に表示されるように出力されるように構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の構成に加え、前記画像変更手段は、前記第一の画像のデータ量を所定の基準で削減して前記第二の画像を生成し、前記第二の記憶手段の記憶容量は前記第二の画像を記憶できる大きさに形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、 前記一の画像表示手段は液晶ディスプレイであって、前記第一の画像は液晶画面で表示される画像であり、前記第二の画像表示手段は複数のLEDが所定の規則で配列されたLEDディスプレイであって、前記第二の画像はLED画面で表示される画像であり、前記画像生成手段は、前記一の画像表示手段に表示される前記第一の画像の少なくとも一部である所定領域の画像を取得し、前記所定領域の画像を前記他第二の画像表示手段に表示しうる画像に変更することで前記第二の画像を生成する画像変更手段を備え、前記画像変更手段は、前記第二の画像を、前記LEDの配列の規則に基づいて点灯させることを特徴とするたことを特徴とする。
【0012】
請求項に記載の発明は、遊技機であって、請求項1乃至の何れか一つに記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項に記載の発明は、第一の記憶手段と、前記第一の記憶手段の記憶容量よりも小さい記憶容量で形成される第二の記憶手段とを備え、複数の画像表示手段に表示させる複数の画像を生成する画像処理装置により実行される画像処理方法であって、一以上の画像表示手段としての第一の画像表示手段に表示する第一の画像を生成し、前記第一の画像を複数のブロック単位で分割した複数の分割画像を生成する分割画像を取得し、取得したそれぞれの前記分割画像によって生成した画像により、前記第一の画像表示手段以外の画像表示手段としての第二の画像表示手段に表示する、前記第一の画像よりもデータ量の小さい第二の画像を複数生成し、前記第一の記憶手段に前記第一の画像を記憶し、前記第一の記憶手段の記憶容量より小さい記憶容量であって前記第二の画像を記憶できる大きさの記憶容量に形成された前記第二の記憶手段に前記第二の画像を記憶し、前記第一の画像と複数の前記第二の画像のうちの少なくとも一つが前記第一の画像表示手段と前記第二の画像表示手段とに同時に表示されるように出力すると共に、複数の前記第二の画像のそれぞれが異なるタイミングで前記第二の画像表示手段に表示されるように出力されるように構成することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、第一の記憶手段と、第二の記憶手段とを備え、複数の画像表示手段に表示させる複数の画像を生成する画像処理装置のプロセッサにより実行される画像処理プログラムであって、一以上の画像表示手段としての第一の画像表示手段に表示する第一の画像を生成し、前記第一の画像を複数のブロック単位で分割した複数の分割画像を生成する分割画像を取得し、取得したそれぞれの前記分割画像によって生成した画像により、前記第一の画像表示手段以外の画像表示手段としての第二の画像表示手段に表示する、前記第一の画像よりもデータ量の小さい第二の画像を複数生成し、前記第一の記憶手段に前記第一の画像を記憶し、前記第一の記憶手段の記憶容量よりも小さい記憶容量であって前記第二の画像を記憶できる大きさの記憶容量に形成される前記第二の記憶手段に前記第二の画像を記憶し、前記第一の画像と複数の前記第二の画像のうちの少なくとも一つが前記第一の画像表示手段と前記第二の画像表示手段とに同時に表示されるように出力すると共に、複数の前記第二の画像のそれぞれが異なるタイミングで前記第二の画像表示手段に表示されるように出力されるように構成することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、画像を表示する第1表示装置と、縦横に並んだ複数の発光素子を有し各発光素子をライン単位で時分割に点灯することにより画像を表示する第2表示装置と、に表示する画像を処理する画像処理装置であって、第1画像を識別する画像識別子と、第1画像の領域を指定する指定情報とを関連付けて記憶する記憶部と、前記第1表示装置に第1画像を表示するとき、表示する第1画像の画像識別子と関連付けられた指定情報がある場合、前記指定情報が指定する領域の第2画像を抽出する抽出部と、前記第2画像から前記第2表示装置で点灯させるライン単位のライン画像を取得する取得部と、前記ライン画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる点灯部と、を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の構成に加え、前記画像処理装置は、さらに、前記ライン画像の解像度を前記第2表示装置のラインの解像度に変更した変更画像を生成する生成部を備え、前記点灯部は、前記ライン画像に代えて、前記変更画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の構成に加え、前記第1画像を格納する第1バッファと、前記第1バッファよりも記憶容量の小さい、前記変更画像を格納する第2バッファと、を備え、前記点灯部は、前記第2バッファに格納された前記ライン画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の構成に加え、前記第1画像を格納する第1バッファと、前記第1バッファよりも記憶容量の小さい、前記変更画像を格納する第2バッファと、を備え、前記点灯部は、前記第2バッファに格納された前記変更画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、画像を表示する第1表示装置と、縦横に並んだ複数の発光素子を有し各発光素子をライン単位で時分割に点灯することにより画像を表示する第2表示装置と、に表示する画像を処理する画像処理装置であって、第1画像を識別する画像識別子と、第1画像の領域を指定する指定情報と、第1画像を前記第1表示装置に表示する第1タイミングと、前記指定情報が指定する領域の第2画像を前記第2表示装置に表示する第2タイミングと、を関連付けて記憶する記憶部と、前記第1表示装置に表示される第1画像が決定されたとき、決定された第1画像の画像識別子と関連付けられた指定情報がある場合、前記指定情報が指定する領域の第2画像を抽出する抽出部と、前記抽出部から前記第2表示装置で点灯させるライン単位のライン画像を取得する取得部と、前記ライン画像の取得元の第1画像と関連付けられた第2タイミングに、前記ライン画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる点灯部と、を備えることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の構成に加え、前記画像処理装置は、さらに、前記ライン画像の解像度を前記第2表示装置のラインの解像度に変更した変更画像を生成する生成部を備え、前記点灯部は、前記ライン画像に代えて、前記ライン画像の取得元の第1画像と関連付けられた第2タイミングに、前記変更画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、画像を表示する第1表示装置と、縦横に並んだ複数の発光素子を有し各発光素子をライン単位で時分割に点灯することにより画像を表示する第2表示装置と、に表示する画像を処理する画像処理装置であって、第1画像を識別する画像識別子と、第1画像の領域を指定する指定情報とを関連付けて記憶する記憶部を備える画像処理装置の画像処理方法であって、前記第1表示装置に第1画像を表示するとき、表示する第1画像の画像識別子と関連付けられた指定情報がある場合、前記指定情報が指定する領域の第2画像を抽出し、前記第2画像から前記第2表示装置で点灯させるライン単位のライン画像を取得し、前記ライン画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる、ことを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、画像を表示する第1表示装置と、縦横に並んだ複数の発光素子を有し各発光素子をライン単位で時分割に点灯することにより画像を表示する第2表示装置と、に表示する画像を処理する画像処理装置であって、第1画像を識別する画像識別子と、第1画像の領域を指定する指定情報とを関連付けて記憶する記憶部を備える画像処理装置のコンピュータに実行させる表示制御プログラムであって、前記第1表示装置に第1画像を表示するとき、表示する第1画像の画像識別子と関連付けられた指定情報がある場合、前記指定情報が指定する領域の第2画像を抽出し、前記第2画像から前記第2表示装置で点灯させるライン単位のライン画像を取得し、前記ライン画像を用いて、前記第2表示装置が有する複数の発光素子をライン単位で点灯させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1、請求項、請求項に記載の発明によれば、第一の画像に依存して前記第一の画像よりもデータ量の小さい第二の画像を生成し、第一の画像を記憶する第一の記憶手段の記憶容量よりも第二の画像を記憶する第二の記憶手段の記憶容量を小さく形成することにより、第一の記憶手段と第二の記憶手段とを、それぞれ第一の画像のデータ量と第二の画像のデータ量とに対応した記憶容量に形成できる。これにより、記憶手段の記憶容量の過大化を抑止しつつ、複数の表示手段に画像を表示させて多様な視覚効果を得ることが可能になる。
【0015】
請求項1、請求項5、請求項6に記載の発明によれば、第一の画像の所定領域を取得して第二の画像を生成することにより、第一の画像の少なくとも一部に対応する、データ量が第一の画像のデータ量以下の第二の画像を生成できる。そして、第二の記憶手段を第二の画像のデータ量に対応した記憶容量に形成できるので、第二の記憶手段が過大な大きさになることを抑止し、記憶手段の記憶容量の過大化を抑止することが可能となる。
【0016】
請求項1、請求項5、請求項6に記載の発明によれば、第一の画像を複数のブロック単位で分割した分割画像によって第二の画像を生成することにより、第二の画像のデータ量を、確実に第一の画像のデータ量よりも小さく生成できる。そして、第二の記憶手段を第二の画像のデータ量に対応した記憶容量に形成できるので、第二の記憶手段が過大な大きさになることを抑止し、記憶手段の記憶容量の過大化を抑止することが可能となる。
【0017】
請求項に記載の発明によれば、第一の画像のデータ量を所定の基準で削減して第二の画像を生成することにより、第二の画像のデータ量を、確実に第一の画像のデータ量以下に生成できる。そして、第二の記憶手段を第二の画像のデータ量に対応した記憶容量に形成できるので、第二の記憶手段が過大な大きさになることを抑止し、記憶手段の記憶容量の過大化を抑止することが可能となる。
【0018】
請求項に記載の発明によれば、液晶画像に基づいてLED画面で表示される画像を生成することにより、液晶ディスプレイとLEDディスプレイとを併用する場合において、所定領域の画像に基づいて生成された第二の画像を、LEDの配列の規則に基づいて時分割に点灯させることにより、ダイナミック点灯方式のLEDディスプレイに本発明を適用できる。また、第二の記憶手段の記憶容量をLEDの所定の配列単位に基づく大きさにすることができ、LED画面に表示する画像を記憶する第二の記憶手段が過大な大きさになることを抑止し、記憶手段の記憶容量の過大化を抑止することが可能となる。さらに、第一の画像を第二の画像に変更する際の解像度を、LEDの配列の規則に基づく時分割の範囲を基準に変更できるので、第二の画像を生成する際の処理負荷を軽減できる。
【0019】
請求項に記載の発明によれば、記憶手段の記憶容量の過大化を抑止しつつ、複数の表示手段に画像を表示させて多様な視覚効果を得ることができる遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この実施の形態の画像処理装置を示す機能ブロック図である。
図2】同上画像形成装置における点灯部の構成を概略的に示す図である。
図3】同上画像処理装置における領域情報の一例を示すブロック図である。
図4】同上画像処理装置における遊技機及び第1表示装置、第2表示装置を模式的に示す図である。
図5】同上画像処理装置における抽出処理の一例を示す説明図である。
図6】同上画像処理装置における取得処理の一例を示す説明図である。
図7】同上画像処理装置における矩形転送処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1乃至図7にこの発明の実施の形態を示す。
【0022】
[基本構成]
図1は、この実施の形態に係る画像処理システム1Aの全体構造を示す機能ブロック図である。
【0023】
[画像処理システム]
図1に示す画像処理システム1Aは、画像処理装置1、第1表示装置19、第2表示装置20を備える。
【0024】
画像処理装置1は、「第一の画像表示手段」としての第1表示装置19、「第二の画像表示手段」としての第2表示装置20に表示させる画像を生成し画像を供給するための各種処理を行う。具体的には後述の[画像処理装置]の項で詳述する。
【0025】
第1表示装置19は、LCD等の液晶ディスプレイであり、「第一の画像」としての液晶画面用の動画像(以下単に「動画像」と称する。本明細書にて同じ。なお静止画像でもよい。)を表示する。この実施の形態において、第1表示装置19は液晶の画素が所定の規則(例えばマトリクス状)に配設され、それぞれの画素に、点灯制御を行う際に用いる座標(たとえば横軸方向(X軸方向)、縦軸方向(Y軸方向)の座標)が設定されている。
【0026】
第2表示装置20は、多数の発光素子の集合体で構成されるディスプレイであり、ここではLEDディスプレイである。第2表示装置20は、複数のLED(例えばカラーLED)が所定の規則(例えばマトリクス状)に配列されている。第2表示装置20は、構成するそれぞれのLEDの点灯状態により「第二の画像」としての変更画像を表示する(変更画像については後述する。)。第2表示装置20はそれぞれのLEDが所定の規則(例えばマトリクス状)に配設され、それぞれのLEDに点灯制御を行う際に用いる座標(たとえば横軸方向(X軸方向)、縦軸方向(Y軸方向)の座標)が設定されている。
【0027】
画像処理システム1Aは、図4に示す遊技機100に用いられる。この実施の形態の遊技機100はパチンコ機だが、パチスロ機等、どのような遊技機であってもよい。
【0028】
[画像処理装置]
画像処理装置1は、遊技機100に配設された第1表示装置19、第2表示装置20に画像を表示させるための処理を行う。
【0029】
画像処理装置1は、プロセッサ等の制御手段(図示せず)を備え、プログラムやデータの演算処理等を行う。そして、図1に示す通り、この実施の形態の画像処理装置1は、機能手段として、「画像生成手段」としての画像生成部11、「画像生成手段」としての抽出部12、「画像生成手段」及び「画像変更手段」としての取得部13、「画像生成手段」及び「画像変更手段」としての生成部14、点灯部15、第1記憶部16、駆動部17、第2記憶部18を備え、それらが接続部21によって接続されている。駆動部17には「第一の記憶手段」としての第1バッファ171が、点灯部15には「第二の記憶手段」としての第2バッファ151がそれぞれ設けられている。画像生成部11、抽出部12、取得部13、生成部14、点灯部15及び第2バッファ151、第1記憶部16、駆動部17及び第1バッファ171、第2記憶部18、接続部21は、いずれも、各種ハードウェアと、制御手段(図示せず)において演算処理されるプログラム(画像処理プログラム)等のソフトウェアとの協働によって実現される。ただし、これらの構成は、いずれも、ハードウェアのみで構成されていてもソフトウェアのみで構成されていてもよい。なお、演算処理されるプログラムは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、又はフラッシュメモリなどの非一時的記録媒体に記録されてもよい。
【0030】
画像生成部11は、第2記憶部18に記録された画像データ等に基づいて、第1表示装置19に表示される画像としての動画像を生成する。画像生成部11はデータに基づいて個々のフレームを生成し、動画像は、複数のフレームから成る。
【0031】
抽出部12は、第1表示装置19に動画像が表示されたとき、表示された動画像と関連付けられた指定情報がある場合、指定情報が指定する領域の指定画像(後述)を抽出する。
【0032】
取得部13は、抽出部12が抽出した指定画像から第2表示装置20で点灯させる画像を取得する。取得部13は、所定の基準により指定画像を分割し、分割した単位ごとに画像を取得する。この実施の形態ではライン単位のライン画像(後述)を取得する。
【0033】
生成部14は、取得部13がライン画像を取得したとき、ライン画像の解像度を第2表示装置20のラインの解像度に変更して変更画像(後述)を生成する。
【0034】
点灯部15は、LEDドライバであり、変更画像を用いて、第2表示装置20が有する複数の発光素子を所定の基準(例えばライン画像のラインに依存した分割単位)で時分割に点灯させる(図2参照。詳しくは後述する。)。これにより、点灯部15は、複数のLEDをダイナミック点灯方式(複数のLEDをまとめて一度に点灯させる点灯方式のこと。)で時分割に点灯させることができる。
【0035】
第1記憶部16は、RAM、EEPROM、ROM等の各種記憶媒体であり、画像を識別する画像識別子と、各画像の領域を指定する指定情報とを関連付けて記憶する(図3参照。詳しくは詳述する。)。
【0036】
駆動部17は、液晶ドライバ(LCDドライバ)であり、第1表示装置19を構成するそれぞれの液晶ディスプレイの点灯制御(点灯・消灯や、輝度、色彩などの制御)を行う。
【0037】
第1バッファ171は駆動部17に設けられた、RAM、EEPROM等の記憶媒体であり、第1表示装置19で表示される動画像を、第1表示装置19に供給する前に一時的に記憶させる。第1バッファ171の記憶容量は、第1表示装置19で表示される動画像のそれぞれのフレームを記憶するに足りる大きさに形成されている。
【0038】
第2バッファ151は、点灯部15に設けられた、RAM、EEPROM等の記憶媒体であり、第2表示装置20で表示される第2画像を、第2表示装置20に供給する前に一時的に記憶させる。第2バッファ151の記憶容量は、第2表示装置20にライン単位で表示させる画像を記録できる大きさに形成されている。また、第2バッファ151の記憶容量は、第1バッファ171の記憶容量より小さい記憶容量で形成されている。
【0039】
第2記憶部18は、例えば磁気ディスクやEPROM等の外部記憶媒体であり、第1表示装置19に表示される動画像の画像データ等が記憶されている。
【0040】
接続部21は、例えばバスであり、それぞれのハードウェアによって構成された機能手段を接続させる。但し、接続部21は、プログラムの演算等によって構成された機能手段を論理的に接続するものであってもよい。
【0041】
[第2表示装置の構成]
図4に、この実施の形態の遊技機に用いられる第2表示装置を模式的に示す。
【0042】
同図に示す通り、この実施の形態の遊技機100における第2表示装置20は、遊技機100の表面に複数のLED20aが縦横方向に均等なマトリクス状に配列されている。ただし、第2表示装置20のLED20aの配列はどのようなものでもよい。例えば、LED20aが放射状に配列されていてもよいし、三角形や六角形の集合体のように配列されていてもよいし、不均等に(例えば列の一方側はLED20a同士の間隔が狭く、他方側は間隔が広くなるように)配列されていてもよい。
【0043】
[点灯部の構成]
図2は、この実施の形態の点灯部15の構成を概略的に示す図である。
【0044】
同図に示す通り、点灯部15は、第2バッファ151の他に、制御部152、駆動回路1510、1520、1530、数字表示部1541−1543、スイッチ1551−1554、スイッチ1561−1563、電源電圧部Vddを備えている。
【0045】
制御部152は、点灯部15全体の動作や処理を制御する。制御部152は、画像処理装置1の制御手段(図示せず)の制御機能の一部として実現されてもよいし、画像処理装置1の制御手段(図示せず)とは別のプロセッサ等によって実現されてもよい。
【0046】
駆動回路1510,1520,1530は、各種スイッチ素子を備え、第2表示装置20や数字表示部1541,1542,1543への通電状態を制御する。このうち、駆動回路1510,1520が第2表示装置20に接続されて、第2表示装置20のLED20aの点灯制御に用いられる。また、駆動回路1530が数字表示部1541−1543に接続されて数字表示部1541−1543の数字表示に用いられる。
【0047】
数字表示部1541−1543は7セグメントのLED表示器であって、通電状態により各セグメントを点灯・消灯させて0〜9の10個の数字を表示させる。数字表示部1541−1543は、遊技機100の遊技中の特定の状態(例えば確率変動が生じている状態)の数字の変化等や確定した数字等を表示する。
【0048】
スイッチ1551−1554、スイッチ1561−1563は、MOSFETで形成された通電スイッチである。スイッチ1551−1554は、第2表示装置20のマトリクス状に配列されたLED20aの列方向の通電状態を制御してこれらのLED20aの列ごとの点灯制御を行う。これにより、第2表示装置20のLED20aは列ごとにダイナミック点灯制御が行われる。
【0049】
なお、スイッチ1551−1554による第2表示装置20の点灯制御は、LED20aの列ごとの点灯制御以外のどのような基準による制御でもよい。例えば、マトリクス状に配列されたLED20aを行ごとに点灯制御してもよいし、配列の斜め方向に点灯制御してもよいし、升目状の区画ごとに点灯制御してもよいし、中央部から周辺部、あるいは周辺部から中央部に向けて点灯制御してもよい。
【0050】
スイッチ1561−1563は、数字表示部1541−1543のそれぞれの通電状態を制御して数字表示部1541−1543のそれぞれに0−9の数字を表示させる。
【0051】
電源電圧部Vddは、スイッチ1551−1554、スイッチ1561−1563を構成するMOSFETのドレイン端子に接続されてスイッチ1551−1554、スイッチ1561−1563に所定の駆動電圧を供給する。
【0052】
[遊技機の構成]
図4は、この実施の形態の遊技機の表面部を模式的に示した図である。
【0053】
同図に示す通り、遊技機100は、表面部の上方に第1表示装置19が、下方に第2表示装置20がそれぞれ設けられている。
【0054】
なお、図4に示す通り、第1表示装置19と第2表示装置20とは遊技機100にどのように配設されていてもよい。たとえば、第1表示装置19が遊技機100の中央に、第2表示装置20が周囲に、それぞれ設けられていてもよい。また、第1表示装置19や第2表示装置20が遊技機100に複数設けられていてもよい。この場合、複数の第1表示装置19のそれぞれには同一又は別個の動画像(後述)が、複数の第2表示装置20のそれぞれには同一又は別個の変更画像(後述)が、表示される。
【0055】
[指定情報]
この実施の形態において、第1記憶部16には、第1の画像から第2の画像を生成するために必要な指定情報が記録されている。
【0056】
図3は、この実施の形態の画像処理装置1の第1記憶部16に記録された領域情報161の一例を模式的に示した図である。同図に示す通り、記憶部50に記録された領域情報161は、画像識別子情報1611と、指定情報1612とを有する。
【0057】
画像識別子情報1611は、第1表示装置19に表示される「第一の画像」としての液晶画像の識別情報である。動画に画像識別子情報1611が付与される場合、動画全体に1つの画像識別子情報1611が付与されてもよいし、動画を構成するフレームごとに画像識別子情報1611が付与されてもよい。
【0058】
指定情報1612は、液晶画像の取得される領域を特定するための情報である。この実施の形態では、指定情報1612は、液晶画像の取得される領域の頂点のピクセル位置を示す座標情報として機能する。
【0059】
図3及び図5を参照して、具体的に説明する。図3に示すように、画像情報1613は、画像Aと指定情報[(x1,y1)(x2,y2)]とを含む。画像Aは、図5に示すように、第1表示装置19に表示された動画像であるものとする。この場合、抽出部12は、第1表示装置19に画像Aが表示されたとき、画像Aと関連付けられた指定情報[(x1,y1)(x2,y2)]を参照する。そして、抽出部12は、第1表示装置19に表示された動画像の一又は複数のフレームから、第1の座標16131(x1,y1)、第2の座標16132(x2,y2)を対角線方向の頂点とする矩形1613aの範囲の画像を指定画像30として抽出する。生成部14は、抽出した指定画像30を用いて、第2表示装置20に表示する第2の画像を生成する。
【0060】
なお、指定情報1612は、指定画像を抽出する範囲を特定できる情報であればどのようなものでもよい。例えば、3つ以上の座標情報でもよいし、座標以外の情報、例えば動画像中に存在する特定の形状の図形の情報や特定の文字を示す情報等でもよい。
【0061】
[指定画像の抽出]
図5は、この実施の形態の画像処理装置1において、抽出部12が第1表示装置19に表示された動画像から指定情報を抽出する態様を模式的に示した図である。
【0062】
図5の(A)に示すように第1表示装置19に動画像が表示され、この動画像が指定情報(図3参照)で指定された画像識別子に一致する画像(例えば図3画像情報1613で示す画像A)である場合、図5の(A)に示すように、抽出部12は、この動画像の一又は複数のフレームから、上記[指定情報]に記載した手順により、指定情報(図3の指定情報1612参照)に基づいて指定された部分の画像を抽出し、これを図5の(B)に示す指定画像30とする。
【0063】
なお、抽出部12は、第2表示装置20に表示される前の動画像や第2表示装置20に表示された後の動画像を用いて指定画像30を抽出してもよい。
【0064】
[変更画像の取得(1)]
図6は、この実施の形態の画像処理装置1において、取得部13が指定画像30からライン画像を取得する態様を模式的に示した図である。
【0065】
図5の(B)に示すように指定画像30が抽出された場合、取得部13は、この指定画像30を所定の基準で分割する。この実施の形態では図6の(A)に示すように、この指定画像を列方向に均等な大きさに(例えば図6の(A)に示す幅aに、即ち、例えば横方向の画素数が4096である場合は512画素毎に)分割する。図6の(A)は、これにより「分割画像」としての第1ライン画像31〜第8ライン画像38に8分割された状態が模式的に示されている。
【0066】
取得部13は、これらの第1ライン画像31〜第8ライン画像38を、取得タイミングを変えながら順次取得する。例えば、図6の(B)〜(E)に示すように、取得部13は、まず第1ライン画像31と第5ライン画像35(図6の(B))、次に第2ライン画像32と第6ライン画像36(図6の(C))、次に第3ライン画像33と第7ライン画像37(図6の(D))、次に第4ライン画像34と第8ライン画像38(図6の(E))、のように取得する。
【0067】
なお、取得部13による指定画像30の分割の個数や態様は図6に示すもの以外でもよい。例えば、指定画像30の分割により得られるライン画像は8個より多くても少なくてもよく、分割の態様も行方向や斜め方向や同心円状などでもよいし、升目状やハニカム形状でもよいし、それらが不均等な形状となる分割でもよい。
【0068】
[変更画像の取得(2)]
取得部13が取得した第1〜第8ライン画像31〜38は、生成部14において処理が行われ、変更画像が生成される。具体的には、生成部14は、第1〜第8ライン画像31〜38を、ライン毎に、第2表示装置70で表示できる解像度に変更する(例えば、複数の画素の色や明るさの情報を混合させて、画素数の少ない画像に変更する。)ことで変更画像を生成する。すなわち、生成部14は、動画像のデータ量を所定の基準で削減する。
【0069】
生成部14は、これらの変更画像をライン毎に(例えば、図6の(B)〜(E)に示す第1ライン画像31〜第8ライン画像38の取得順に)点灯部15の第2バッファ151に記録する。
【0070】
第2バッファ151に記録された変更画像は、順次第2表示装置20に送信され、第2表示装置20のそれぞれのLED20aが点灯することで画像表示される。
【0071】
[処理手順]
図7は、この実施の形態の画像処理装置1における処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいてこの実施の形態の処理手順を説明する。
【0072】
まず、画像処理装置1は、第2記憶部18から画像データのファイルを取得し、画像生成部11で動画像を生成して(画像生成手順)第1表示装置19に画像表示する。このとき、第1バッファ171には第1表示装置19に表示される動画像が記録される(第一の記憶手順)。
【0073】
抽出部12は、第1表示装置19に動画像が表示されているか否かを検出する。検出の結果、第1表示装置19に動画像が表示されている場合(ステップS101の“Yes”)、抽出部12は、第1記憶部16の領域情報161に、第1表示装置19に表示されている動画像の画像識別子に関連付けられた指定情報が記録されているかを確認する。確認の結果、領域情報161の中に、第1表示装置19に表示されている動画像の画像識別子に関連付けられた指定情報がある場合(ステップS103の“Yes”)、抽出部12は、第1表示装置19に表示されている動画像のフレームの一部から指定画像30を抽出し(画像生成手順)、第1記憶部16に記録する(ステップS104)。
【0074】
指定画像30が抽出されると、取得部22は、所定の基準に基づいて指定画像30を分割して第1ライン画像31〜第8ライン画像38を取得する(ステップS105、画像生成手順)。
【0075】
第1ライン画像31〜第8ライン画像38が取得されると、生成部14は、図6の(B)〜図6の(E)に示すように、これらのライン画像31〜38を順次取得して解像度を変更し、変更画像を生成する(ステップS106、画像生成手順)。
【0076】
生成された変更画像は、点灯部15の第2バッファ151に一時的に記録されたのち(第二の記憶手順)、第2表示装置20に送信される。点灯部15は、第1ライン画像31〜第8ライン画像38の分割に依存した状態で、第2表示装置20を構成するLED20aをダイナミック点灯方式で時分割に点灯する(ステップS107)。これにより、変更画像が第2表示装置20に表示される。
【0077】
一方、第1表示装置19に表示された動画像に指定情報がない場合(ステップS101のステップS101の“Yes”〜ステップS103の“No”)や、第1表示装置19に動画像が表示されておらず電源がオンの場合(ステップS101の“No”〜ステップS102の“No”)は、抽出部12は指定画像30の抽出される前の状態で待機する(「A」の表示)。
【0078】
また、第1表示装置19に動画像が表示されておらず電源がオフに入っている場合(ステップS101の“No”〜ステップS102の“Yes”)は、処理が終了する。
【0079】
以上、この実施の形態においては、動画像に依存して動画像よりもデータ量の小さい変更画像を生成し、動画像を記憶する第1バッファ171の記憶容量よりも変更画像を記憶する第2バッファ151の記憶容量を小さく形成することにより、第1バッファ171と第2バッファ151とを、それぞれ動画像のデータ量と変更画像のデータ量とに対応した記憶容量に形成できる。これにより、第2バッファ151を含む記憶手段の記憶容量の過大化を抑止しつつ、複数の表示手段に画像を表示させて多様な視覚効果を得ることが可能になる。
【0080】
この実施の形態においては、動画像の所定領域を取得して変更画像を生成することにより、動画像の少なくとも一部に対応する、データ量が動画像のデータ量以下の変更画像を生成できる。そして、第2バッファ151を変更画像のデータ量に対応した記憶容量に形成できるので、第2バッファ151が過大な大きさになることを抑止し、第2バッファ151を含む記憶手段の記憶容量の過大化を抑止することが可能となる。
【0081】
この実施の形態においては、動画像を複数のブロック単位で分割した第1ライン画像31〜第8ライン画像38によって変更画像を生成することにより、変更画像のデータ量を、確実に動画像のデータ量よりも小さく生成できる。そして、第2バッファ151を第1ライン画像31〜第8ライン画像38のうちの少なくとも一部のデータ量に対応した記憶容量に形成できるので、第2バッファ151が過大な大きさになることを抑止し、第2バッファ151を含む記憶手段の記憶容量の過大化を抑止することが可能となる。
【0082】
この実施の形態においては、動画像のデータ量を所定の基準で削減して変更画像を生成することにより、変更画像のデータ量を、確実に動画像のデータ量以下に形成できる。そして、第2バッファ151を変更画像のデータ量に対応した記憶容量に形成できるので、第2バッファ151が過大な大きさになることを抑止し、第2バッファ151を含む記憶手段の記憶容量の過大化を抑止することが可能となる。
【0083】
この実施の形態においては、液晶画像である動画像に基づいてLED画面で表示される変更画像を生成することにより、液晶ディスプレイとLEDディスプレイとを併用する場合において、所定領域の画像に基づいて生成された変更画像を、第1ライン画像31〜第8ライン画像38として、LED20aの配列の規則に基づいて時分割に点灯させることにより、ダイナミック点灯方式のLEDディスプレイに本発明を適用できる。また、第2バッファ151の記憶容量をLED20aの所定の配列単位である第1ライン画像31〜第8ライン画像38の少なくとも一部に基づく大きさにすることができ、LED画面に表示する画像を記憶する第二の記憶手段が過大な大きさになることを抑止し、第2バッファ151を含む記憶手段の記憶容量の過大化を抑止することが可能となる。さらに、動画像を変更画像に変更する際の解像度を、生成部14の処理により、LED20aの配列の規則に基づく時分割の範囲を基準(毎に)に変更できるので、変更画像を生成する際の処理負荷を軽減できる。
【0084】
なお、上記実施の形態においては、第1表示装置19を液晶画面として、第2表示装置20をLEDディスプレイとしてそれぞれ構成したが、これに限定されず、第1表示装置19や第2表示装置20をどのような画面にて構成してもよい。例えば、第1表示装置19も第2表示装置20も複数のLED20aが配列されたLEDディスプレイとして構成してもよいし、第2表示装置20を有機ELディスプレイとして構成してもよい。即ち、ダイナミック点灯制御あるいはそれに類する点灯制御を行えるものであれば、どのような表示装置を第2表示装置20としてもよい。
【0085】
上記実施の形態においては、点灯部15としてのLEDドライバはダイオードを用いた電気回路として構成したが、これに限定されず、例えばIC等の集積回路等により点灯部15を構成し、LED20aの点灯制御を行ってもよい。
【0086】
上記実施の形態は本発明の例示であり、本発明が上記実施の形態のみに限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0087】
1・・・画像処理装置
11・・・画像生成部(画像生成手段)
12・・・抽出部(画像生成手段)
13・・・取得部(画像生成手段、画像変更手段)
14・・・生成部(画像生成手段、画像変更手段)
19・・・第1表示装置(第一の画像表示手段)
20・・・第2表示装置(第二の画像表示手段)
20a・・・LED
30・・・指定画像
31〜38・・・第1ライン画像〜第8ライン画像(分割画像)
100・・・遊技機
151・・・第2バッファ(第二の記憶手段)
171・・・第1バッファ(第一の記憶手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7