特許第6830306号(P6830306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6830306
(24)【登録日】2021年1月28日
(45)【発行日】2021年2月17日
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置及びディスプレイ方法
(51)【国際特許分類】
   G03H 1/04 20060101AFI20210208BHJP
   G02B 13/00 20060101ALI20210208BHJP
   G02B 30/00 20200101ALI20210208BHJP
   G03H 1/22 20060101ALI20210208BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20210208BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20210208BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20210208BHJP
【FI】
   G03H1/04
   G02B13/00
   G02B30/00
   G03H1/22
   G09G3/20 660X
   G09G3/34 J
   G09G3/36
【請求項の数】29
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-107197(P2014-107197)
(22)【出願日】2014年5月23日
(65)【公開番号】特開2014-228870(P2014-228870A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2017年3月23日
【審判番号】不服2019-12729(P2019-12729/J1)
【審判請求日】2019年9月25日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0058513
(32)【優先日】2013年5月23日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0132351
(32)【優先日】2013年11月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】南 東 ▲ぎょん▼
(72)【発明者】
【氏名】魏 浩 千
(72)【発明者】
【氏名】李 碩
【合議体】
【審判長】 樋口 信宏
【審判官】 福村 拓
【審判官】 関根 洋之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−501824(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0277779(US,A1)
【文献】 特開2000−148063(JP,A)
【文献】 特開平6−124058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03H 1/00-5/00
G02B 5/18, 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行光を発生するバックライト部と、
前記平行光の照射を受ける複数のピクセルと、
前記複数のピクセルの各々に対応する焦点に前記平行光を集中させ、前記焦点に伝播した光の干渉を用いてホログラムを形成するように、前記複数のピクセル各々について各自のコヒーレンス光を生成するコヒーレンス光生成部と、
を備え、前記焦点に伝播する光は、ピクセルの幅及び焦点距離から決定される角度で前記焦点に入射し、入射角と同じ角度で前記焦点から伝播し、前記ホログラムを形成することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記コヒーレンス光生成部は、屈折率が異なる2つの媒質で前記平行光が進行する光経路の長さの差による位相差を用いて、前記平行光を焦点に集中するレンズであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
記コヒーレンス光生成部は前記ピクセルが位置する面の後面に位置し、前記ピクセルを通過した前記平行光を前記焦点に集中させることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
スリットを含まないことを特徴とする請求項1−3のうち何れか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記複数のピクセルのうちのピクセルごとに前記コヒーレンス光生成部が形成されることを特徴とする請求項1−4のうち何れか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記レンズは、凸形構造のレンズ及び凹形構造のレンズの1つであることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記コヒーレンス光生成部は、光軸の中心と光軸周辺とで屈折率を互いに異ならせ、前記平行光が進行する光経路の位置に応じた位相差を用いることによって、前記平行光を焦点に集中させる位相変換器であることを特徴とする請求項1−6のうち何れか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記コヒーレンス光生成部は、前記平行光が進行する複数の互いに異なる光経路の長さの差による位相差を用いて、前記平行光を焦点に集中させる位相変換グレーティングであることを特徴とする請求項1−6のうち何れか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記コヒーレンス光生成部は、前記平行光が進行する複数の光経路の一部を遮断することで、振幅差を用いて前記平行光を焦点に集中させる振幅変換グレーティングであることを特徴とする請求項1−6のうち何れか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記焦点に伝播した光は15°以上の広角を有することを特徴とする請求項1−9のうち何れか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記焦点に伝播した光は30°以上の広角を有することを特徴とする請求項1−9のうち何れか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記焦点に伝播した光は60°以上の広角を有することを特徴とする請求項1−9のうち何れか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
複数のピクセルを含み、前記ピクセルの幅は10μm以上であることを特徴とする請求項1−12のうち何れか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
平行光をバックライト部により発生するステップと、
前記平行光の照射を受ける複数のピクセルの各々に対応する焦点に前記平行光を集中させ、前記焦点に伝播した光の干渉を用いてホログラムを形成するように、前記複数のピクセル各々について各自のコヒーレンス光を生成するステップと、
を含み、前記焦点に伝播する光は、ピクセルの幅及び焦点距離から決定される角度で前記焦点に入射し、入射角と同じ角度で前記焦点から伝播し、前記ホログラムを形成することを特徴とするディスプレイ方法。
【請求項15】
前記コヒーレンス光を生成するステップは、レンズによって屈折率が異なる2つの媒質で前記平行光が進行する光経路の長さの差による位相差を用いることによって、前記平行光を焦点に集中させることを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ方法。
【請求項16】
前記コヒーレンス光を生成するステップは、位相変換器によって光軸の中心と光軸周辺とで屈折率を互いに異ならせ、前記平行光が進行する光経路の位置による位相差を用いることによって、前記平行光を焦点に集中させることを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ方法。
【請求項17】
前記コヒーレンス光を生成するステップは、位相変換グレーティングによって前記平行光が進行する複数の互いに異なる光経路の長さの差による位相差を用いて、前記平行光を焦点に集中させることを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ方法。
【請求項18】
前記コヒーレンス光を生成するステップは、振幅変換グレーティングによって前記平行光が進行する複数の光経路の一部を遮断することで、振幅差を用いて前記平行光を焦点に集中させることを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ方法。
【請求項19】
請求項14〜請求項18のいずれか一項に記載のディスプレイ方法をディスプレイ装置に実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体。
【請求項20】
平行光を発生するバックライト部と、
前記平行光の照射を受ける複数のピクセルを含み、前記複数のピクセルを通過する前記平行光の位相または振幅を変調する空間光変調部と、
前記複数のピクセルごとに前記位相または振幅が変調された光を焦点に集中させて前記焦点から光が伝播するようにコヒーレンス光を生成するコヒーレンス光生成部と、
前記複数のピクセルごとに生成された前記コヒーレンス光の干渉を用いて空間上に3次元映像を表示するディスプレイ部と、
を備え、前記焦点に伝播する光は、ピクセルの幅及び焦点距離から決定される角度で前記焦点に入射し、入射角と同じ角度で前記焦点から伝播し、ホログラムを形成することを特徴とするコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置。
【請求項21】
前記コヒーレンス光生成部は、屈折率が異なる2つの媒質で前記平行光が進行する光経路の長さの差による位相差を用いて、前記平行光を焦点に集中させるレンズであることを特徴とする請求項20に記載のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置。
【請求項22】
前記コヒーレンス光生成部は、光軸の中心と光軸周辺とで屈折率を互いに異ならせ、前記平行光が進行する光経路の位置による位相差を用いることによって、前記平行光を焦点に集中させる位相変換器であることを特徴とする請求項20に記載のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置。
【請求項23】
前記コヒーレンス光生成部は、前記平行光が進行する複数の互いに異なる光経路の長さの差による位相差を用いて、前記平行光を焦点に集中させる位相変換グレーティングであることを特徴とする請求項20に記載のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置。
【請求項24】
前記コヒーレンス光生成部は、前記平行光が進行する複数の光経路の一部を遮断することで、振幅差を用いて前記平行光を焦点に集中させる振幅変換グレーティングであることを特徴とする請求項20に記載のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置。
【請求項25】
平面に配置される複数のピクセルと、
前記ピクセルが配置された平面に平行な単一波長のコヒーレンス光及び平行光を発生するバックライト部と、
前記平行光の照射を受ける前記複数のピクセルの各々について各自のコヒーレンス光を生成するために、前記複数のピクセルの各々に対応する焦点に前記平行光を集中させるコヒーレンス光生成部であって、前記ピクセルに対応するように平面の側面に配置される、コヒーレンス光生成部と、
を備え、前記焦点に伝播する光は、ピクセルの幅及び焦点距離から決定される角度で前記焦点に入射し、入射角と同じ角度で前記焦点から伝播し、ホログラムを形成することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項26】
前記コヒーレンス光生成部は、所定の空間角度以上広い広角で前記コヒーレンス光を生成し、前記所定の空間角度は15°であることを特徴とする請求項25に記載のディスプレイ装置。
【請求項27】
平面上に格子パターンで配置される複数のピクセルと、
前記ピクセルが配置された前記平面に平行な単一波長のコヒーレンス光及び平行光を発生するバックライト部と、
前記平行光の照射を受ける前記複数のピクセルの各々について各自のコヒーレンス光を生成するために、前記複数のピクセルの各々に対応する焦点に前記平行光を集中させる複数のコヒーレンス光生成部であって、前記複数のコヒーレンス光生成部のそれぞれは前記複数のピクセルの1つに対応するように前記平面の側に位置する、複数のコヒーレンス光生成部と、
前記複数のピクセルそれぞれに対して生成されるコヒーレンス光の干渉に基づいて3次元イメージを表示するディスプレイ部と、
を備え、前記焦点に伝播する光は、ピクセルの幅及び焦点距離から決定される角度で前記焦点に入射し、入射角と同じ角度で前記焦点から伝播し、ホログラムを形成することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項28】
前記複数のコヒーレンス光生成部のそれぞれは、所定の空間角度以上広い広角で前記コヒーレンス光を生成し、前記所定の空間角度は15°であることを特徴とする請求項27に記載のディスプレイ装置。
【請求項29】
前記コヒーレンス光生成部のそれぞれは、前記対応するピクセルの中心に整列されることを特徴とする請求項27又は28に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記で説明する例は、コヒーレンス光を広角に生成する方法及び装置、広角のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元ディスプレイ技術は、映画、TV、携帯電話などの様々な映像ディスプレイ分野に適用される。3次元ディスプレイの究極的な目的は、人が実際環境で経験するような立体感を感じさせることであり、そのため、ステレオ方式、多視点方式などの数多い種類の技術が研究されている。
【0003】
しかし、視点(viewpoint)に基づいた映像技術は、空間上の特定地点で2次元に投射された光情報のみを用いるため3次元光情報を全て表現することができず、これによって不自然な立体表現となってしまうことや、立体視聴時に視覚的な疲労を伴うこと等が懸念される。
【0004】
3次元空間の光情報を実際のように復元する代表的な技術としてホログラフィが挙げられ、ホログラフィは光の波動的特性である干渉を用いて空間に光を復元することを特徴とする。ホログラムの概念は、1948年Dennis Garborによって最初提案されたが、現在においてもホログラムディスプレイは充分には商用化されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、大画面の広視野角のホログラムディスプレイを実現するためにスリットを介することなくコヒーレンス光を生成する光学的な手段を用いて各ピクセルで生成される光が広視野角を有するようにする方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面におけるコヒーレンス光生成装置は、平行する光を発生するバックライト部と、前記平行する光を焦点に集中させて前記焦点で伝播した光の干渉を用いてホログラムを形成するようにコヒーレンス光を生成するコヒーレンス光生成部とを備える。
【0007】
前記コヒーレンス光生成部は、屈折率が異なる2つの媒質で前記平行する光が移動する光経路の長さの差による位相差を用いて、前記平行する光を焦点に集中するレンズであってもよい。
【0008】
前記コヒーレンス光生成装置は、ピクセルをさらに含み、前記コヒーレンス光生成部は前記ピクセルが位置する面の後面に位置し、前記ピクセルを通過した前記平行する光を前記焦点に集中してもよい。
【0009】
前記コヒーレンス光生成装置は、スリットを含まなくてもよい。
【0010】
前記コヒーレンス光生成装置は、複数のピクセルをさらに含み、各ピクセルごとに前記コヒーレンス光生成部が形成されてもよい。
【0011】
前記コヒーレンス光生成装置は、ピクセルをさらに含み、前記コヒーレンス光生成部は前記ピクセルが位置する面の前面に位置し、前記平行する光が前記ピクセルを通過する前に前記平行する光を前記焦点に集中してもよい。
【0012】
前記レンズは、凸形構造のレンズ及び凹形構造のレンズの1つであってもよい。
【0013】
前記コヒーレンス光生成部は、光軸の中心と光軸周辺の屈折率を互いに異なるように変化させ、前記平行する光が移動する光経路の様々な位置による位相差を用いることによって、前記平行する光を焦点に集中する位相変換器であってもよい。
【0014】
前記コヒーレンス光生成部は、前記平行する光が移動する複数の互いに異なる光経路の長さの差による位相差を用いて、前記平行する光を焦点に集中する位相変換グレーティングであってもよい。
【0015】
前記コヒーレンス光生成部は、前記平行する光が移動する複数の光経路の一部を遮断することで、振幅差を用いて前記平行する光を焦点に集中する振幅変換グレーティングであってもよい。
【0016】
前記焦点で伝播した光は15°以上の広角を有してもよい。一例として、前記焦点で伝播した光は30°以上の広角を有ぃてもよい。前記焦点で伝播した光は60°以上の広角を有してもよい。
【0017】
前記コヒーレンス光生成部は、複数のピクセルを含み、前記ピクセルの幅は10μm以上であってもよい。
【0018】
一側面において、コヒーレンス光生成方法は、平行する光を発生するステップと、前記平行する光を焦点に集中させて前記焦点で伝播した光の干渉を用いてホログラムを形成するようにコヒーレンス光を生成するステップとを含む。
【0019】
前記コヒーレンス光を生成するステップは、レンズによって屈折率が異なる2つの媒質で前記平行する光が移動する様々な光経路の長さの差による位相差を用いることによって、前記平行する光を焦点に集中してもよい。
【0020】
前記コヒーレンス光を生成するステップは、位相変換器によって光軸の中心と光軸周辺の屈折率を互いに異なるように変化させ、前記平行する光が移動する光経路の様々な位置による位相差を用いることによって、前記平行する光を焦点に集中してもよい。
【0021】
前記コヒーレンス光を生成するステップは、位相変換グレーティングによって前記平行する光が移動する複数の互いに異なる光経路の長さの差による位相差を用いて、前記平行する光を焦点に集中してもよい
【0022】
前記コヒーレンス光を生成するステップは、振幅変換グレーティングによって前記平行する光が移動する複数の光経路の一部を遮断することで、振幅差を用いて前記平行する光を焦点に集中してもよい。
【0023】
一側面において、コヒーレンス光を用いたディスプレイ装置は、平行する光を発生するバックライト部と、複数のピクセルを含み、前記複数のピクセルを通過する前記平行する光の位相または振幅を変調する空間光変調部と、前記複数のピクセルごとに前記位相または振幅が変調した光を焦点に集中させて前記焦点で光が伝播するようにコヒーレンス光を生成するコヒーレンス光生成部と、前記複数のピクセルごとに生成された前記コヒーレンス光の干渉を用いて空間上に3次元映像を表示するディスプレイ部とを備える。
【0024】
一側面において、平面に配置されるピクセルと、前記ピクセルが配置された平面に平行した単一波長のコヒーレンス及び平行する光を発生するバックライト部と、コヒーレンス光を生成するために前記平行する光を焦点に集中させるコヒーレンス光生成部(前記コヒーレンス光生成部は前記ピクセルに対応するように平面の側面に配置する)とを備えるコヒーレンス光生成装置を提供する。ここで、前記コヒーレンス光生成部は、広角で前記コヒーレンス光を生成してもよい。
【0025】
一側面において、平面上に格子パターンで配置される複数のピクセルと、前記ピクセルが配置された前記平面に平行した単一波長のコヒーレンス及び平行する光を発生するバックライト部と、コヒーレンス光を生成するために前記平行する光を焦点に集中させる複数のコヒーレンス光生成部(前記複数のコヒーレンス光生成部のそれぞれは前記複数のピクセルの1つに対応するよう前記平面の側面に位置する)と、前記複数のピクセルそれぞれに対して生成されるコヒーレンス光の干渉に基づいて3次元イメージを表示するディスプレイ部とを備えるディスプレイ装置を提供する。
【0026】
前記複数のコヒーレンス光生成部のそれぞれは、広角で前記コヒーレンス光を生成し、前記コヒーレンス光生成部のそれぞれは、前記対応するピクセルの中心に整列されてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、大画面の広視野角ホログラムディスプレイを実現するために、光学的な手段によって平行する光を1つの焦点に集中させることで広角のコヒーレンス光を生成する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置のブロック図である。
図2】一実施形態に係るコヒーレンス光生成部がレンズである場合の図である。
図3】一実施形態に係るコヒーレンス光生成部が位相変換器である場合の図である。
図4】一実施形態に係るコヒーレンス光生成部が位相変換グレーティングである場合の図である。
図5】一実施形態に係るコヒーレンス光生成部が振幅変換グレーティングである場合の図である。
図6】他の一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置のブロック図である。
図7】一実施形態に係る広角のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置のブロック図である。
図8】一実施形態に係る広角のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置の構造を示す図である。
図9】他の一実施形態に係る広角のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置の構造を示す図である。
図10】他の一実施形態に係る広角のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置の構造を示す図である。
図11】一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、一側面による実施形態を添付する図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
ホログラムは、コヒーレンス光(coherent light)の干渉特性を用いて生成される。ここで、コヒーレンス光とは光学的に干渉を起こし得る光を意味し、一般的には同じ波長の光、言い換えれば、単一波長の光をいう。干渉を制御するためには光の位相情報を予め把握する必要がある。
【0031】
複数のコヒーレンス光を同時に生成する一般的な方法として、スリットを使用することが挙げられる。ホログラム実験などに多く用いられているディスプレイはLCoS(Lyquid Crystal on Silicon)技術を用いたマイクロディスプレイであり、現在の技術レベルでは、0.7インチの大きさに200万ピクセルが実現されている。ピクセル幅は8um程度であり、回折角は3.9゜であるが、通常のディスプレイとして使用するためには大きさ及び光生成角度等の観点からは充分でない。
【0032】
広視野角ホログラムを実現する他の方法として、ユーザの目の動きを追跡するアクティブレンダリング(Active Rendering)技術がある。アクティブレンダリングディスプレイは、1500万画素レベルの比較的低いスペックとして、回折角度は0.2゜レベルであり、目を追跡することによって20インチの画面で15゜の視野角を提供する。しかし、ディスプレイの使用は1人用に制限されており、現在のディスプレイでは輝度特性が低い。
【0033】
以上で説明したように、ホログラムを大画面、広角に実現するための多くの研究が行われているが、現在実現されている手段は複数のピクセルリソースを使用しているためディスプレイに適用するには困難である。
【0034】
光は電磁場の時空間的な変化による電磁波動(electromagnetic wave)であり、電子の動き変化によって発生する。そのため、光は波動の特徴である波長(wave length)、振幅又は強度(amplitude)、位相(phase)の情報を有し、普通、同時に複数の電子によって発生させるので集合的特性(group property)を有し、波長、強度、位相が互いに異なる多くの波動(波)が干渉した又は結合された結果として表現される。
【0035】
ホログラフィは、空間上の特定位置に複数の波動を建設的又は非建設的に干渉させ、補強又は相殺させて空中で像を表現する技術であり、ホログラムを表現するためには相互干渉可能なコヒーレンス(coherent)光が必要である。例えば、単一波長の光はコヒーレンス性を有するため、ホログラムの表現に利用可能である。
【0036】
図1は、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置のブロック図である。図1を参照すると、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、バックライト部110及びコヒーレンス光生成部130を備える。
【0037】
バックライト部110は、ピクセル120が位置する面に平行な光(平行光)を発生する。例えば、バックライト部110は単一波長の光を発生してもよい。例えば、バックライト部110は、LEDなどのような様々な光源を用いてピクセル120が位置する面に平行な光を発生してもよい。一実施形態によると、バックライト部110は、コヒーレンス光、平行光(collimated light)または2種類全てを発生してもよい。
【0038】
コヒーレンス光生成部130は、バックライト部110で発生した平行光を焦点140に集中させて広角のコヒーレンス光を生成する。コヒーレンス光生成部130は、平行光を1つの焦点140に集中させ得る様々な種類及び形態の光学的な手段に対応する。
【0039】
コヒーレンス光生成部130はピクセル120が位置する面の後面側に位置し、ピクセル120を通過した平行光を焦点140に集中させる。例えば、コヒーレンス光生成部130は、バックライト部110が配置される面の反対面に位置してもよい。
【0040】
一実施形態において、コヒーレンス光生成部130はレンズであってもよい。レンズは、屈折率が異なる2つの媒質でバックライト部110で発生した平行光が進行する光経路の長さの差による位相差を用いて、平行光を焦点に集中させてもよい。
【0041】
レンズの形状に応じて平行光が進行する光経路の長さに差が発生し、光経路の長さの差に基づいて同じレンズに入射した平行光の間に位相差が発生する。位相差に基づいて、平行光は1つの焦点に集中し、焦点から、入射された角度と同一の角度で伝播(propagation)さてもよい。伝播される光はコヒーレンス光として補強、相殺干渉を介してホログラムの生成に使用されてもよい。

【0042】
レンズは凸形構造のレンズ及び凹形構造のレンズのうちの1つであってもよい。凸形構造のレンズであれば、焦点は光が進行する方向の観点でレンズの後面に位置してもよい。凹形構造のレンズであれば、焦点は光が進行する方向の観点でレンズの前面に位置してもよい。
【0043】
他の一実施形態において、コヒーレンス光生成部130は位相変換器であってもよい。位相変換器は光軸の中心と光軸周辺の屈折率を互いに異なるように変化させ、バックライト部110で発生した平行する光が進行する光経路の位置に応じた位相差を用いることで、平行する光を焦点に集中させる。
【0044】
位相変換器においては、光軸の中心の屈折率と光軸周辺の屈折率とが異なる。屈折率の差に基づいて、同じ条件で位相変換器に入射された平行光の間に位相差が発生する。位相差に基づいて、平行光は1つの焦点に集中し、焦点から、入射された角度と同じ角度で伝播されてもよい。伝播される光はコヒーレンス光として干渉によってホログラムの生成に用いられてもよい。
【0045】
他の一実施形態において、コヒーレンス光生成部130は、位相変換グレーティング(phase modulating grating)であってもよい。位相変換グレーティングは、平行光が進行する複数の互いに異なる光経路の長さの差による位相差を用いて、平行する光を焦点に集中させる。
【0046】
位相変換グレーティングの形状に応じて、平行光が進行する光経路の長さに差が発生し、光経路の長さの差に基づいて同じ条件で位相変換グレーティングに入射された平行光の間に位相差が発生する。位相差に基づいて、平行光は1つの焦点に集中し、焦点から、入射された角度と同じ角度で伝播されてもよい。伝播される光はコヒーレンス光として干渉によってホログラムの生成に用いられてもよい。
【0047】
コヒーレンス光生成部130は、振幅変換グレーティングであってもよい。振幅変換グレーティングは、平行光が進行する複数の光経路の一部を遮断することで、振幅差を使用して平行光を焦点に集中させる。
【0048】
振幅変換グレーティングは、平行光の進行を部分的に遮断することによって振幅変換グレーティングを通過した光の間に振幅の差が発生する。振幅差に基づいて、平行光は1つの焦点に集中し、焦点から、入射された角度と同じ角度で伝播されてもよい。伝播される光はコヒーレンス光として干渉によってホログラムの生成に用いられてもよい。
【0049】
コヒーレンス光生成部130によって平行光が集中する焦点は数式(1)に基づいて算出される。
f=(p/2)・cot(θ/2) (1)
【0050】
ここで、fは焦点、pはピクセルの幅、θは焦点から伝播されるコヒーレンス光の空間角度を示す。以下で説明するコヒーレンス光生成部130によって光を焦点に集中して伝播する場合、空間角度の広いコヒーレンス光を形成してもよい。数式(1)から分かるように、ピクセルの幅pと焦点fを調節することによって空間角度θは15°以上、30°以上、または60°以上に変化させることが可能である。それだけではなく、ピクセルの幅が数μmあるいは10μm以上に制限されても焦点fを調節することにより空間角度θが15°以上、30°以上、または60°以上になる光生成装置を実現することができる。
【0051】
図2は、一実施形態に係るコヒーレンス光生成部がレンズである場合の図である。図2を参照すると、バックライト部210は、ピクセル220が位置する面に平行な光、例えば、平行波211、213、215、217を発生する。一実施形態において、バックライト部110は、コヒーレンス光、平行光(collimated light)または2種類の全てを発生してもよい。レンズ230は、ピクセル220の後面に位置してもよい。ピクセル220を通過した光はレンズ230を通過しながら焦点240に集中する。焦点240を通過した光250は広角(θ)に伝播されてもよい。
【0052】
光がレンズ230を通過する部分270を拡大すると、レンズ230の部分271と空気273の屈折率が異なり、光が進行する光経路の長さの差が発生して位相差が発生する。位相の差に基づいてレンズ230を通過した光は1つの焦点240に集中する。
【0053】
光がレンズ230を通過した後、集中する焦点240に対する部分260について説明すると、光は広角(θ)で焦点240に集中した後、広角(θ)に再び伝播される。伝播される光は、干渉によってホログラムを形成するために用いられてもよい。
【0054】
レンズ230は光を一点240に集中させ得るレンズであればどのようなものでも使用してよい。ピクセル220を通過した光はレンズ230によって屈折し、一点240に集中した後、引き続き伝播する。
【0055】
レンズ230面に入射された光はレンズ230の屈折率に反比例して速度が減少して伝播するが、レンズ230の面が球面あるいは放物面をなしているため、光軸中心から遠い側の光はレンズを通過する光経路が短いため位相が早いが、光軸中心ではレンズを通過する光経路が長いため相対的に位相が遅い。
【0056】
レンズ230を通過して位相が変化した光は焦点240に向かって波面が円形に形成され、焦点240を通過しても円形の波面を保持したまま伝播される。焦点240から見れば光が1つの位相を有し、単一波長に伝播されるためコヒーレンス特性が保持され、広い角度で伝播される特性を有する。このようにピクセル220ごとに同じ形態のレンズ230が配置されると、各焦点240で同一じ位相のコヒーレンス光が生成されて広角に伝播され得る。
【0057】
このような広角のコヒーレンス光を制御すれば、空間の所望する位置に補強、相殺干渉を通したホログラム映像を生成することができる。
【0058】
図3は、一実施形態に係るコヒーレンス光生成部が位相変換器の場合を示す図である。図3を参照すると、バックライト部310はピクセル320が位置する面に平行な光、平行波311を発生してもよい。位相変換器330はピクセル320の後面(右側)に位置してもよい。ピクセル320を通過した光は位相変換器330を通過しながら、焦点340に集中する。焦点340を通過した光350は広角(θ)に伝播される。
【0059】
光が位相変換器330を通過する部分370を拡大してみると、位相変換器330の光軸331に近い部分371と光軸331から遠い部分373の屈折率n(x)が異なるため、位相差が発生する。位相差に基づいて、位相変換器330を通過した光の波面375、377、379は円形に形成され、1つの焦点340に集中される。
【0060】
光が位相変換器330を通過した後、集中される焦点340に対する部分360について説明すると、光は広角(θ)で焦点340に集中された後、広角(θ)に再び伝播される。
【0061】
位相変換器330は、光軸331を中心に互いに異なる屈折率を有し得る。図2に示す場合、レンズ230を用いて光を集中させることが屈折率の異なる2つの媒質で光経路長の差による位相差を利用したものである。図3に示す場合は、光経路の絶対長さは同一であるが、光軸331の中心と光軸331の周辺の屈折率を連続的に変化させることで位相変換器330を通過した光が位置に応じて互いに異なる位相を有するようにしてもよい。
【0062】
位相変換器330は、ホログラフィック光学エレメント(Holographic Optical Element:HOE)を用いて実現され得る。
【0063】
図4は、一実施形態に係るコヒーレンス光生成部が位相変換グレーティングである場合を示す図である。図4を参照すると、バックライト部410は、ピクセル420が位置する面に平行な光、すなわち平行波411を発生する。位相変換グレーティング430は、ピクセル420の後面(右側)に位置してもよい。ピクセル420を通過した光は位相変換グレーティング430を通過しながら焦点440に集中する。焦点440を通過した光450は広角(θ)に伝播される。例えば、位相変換グレーティング430は、ノコギリの歯状に生成されてもよい。
【0064】
光が位相変換グレーティング430を通過する部分470を拡大してみると、位相変換グレーティング430の凸凹した部分473及び471の光経路の長さの差が発生して位相差が発生する。位相差に基づいて、位相変換グレーティング430を通過した光は1つの焦点440に集中する。
【0065】
光が位相変換グレーティング430を通過した後、集中する焦点440の部分460について説明すると、光は広角(θ)で焦点440に集中した後、広角(θ)に再び伝播される。
【0066】
位相変換グレーティング430は、エッチング、エッチングなどの方法を用いて高精密で製作できるため、大きい面積においても均一な特性で実現することができる。
【0067】
図5は、一実施形態に係るコヒーレンス光生成部が振幅変換グレーティングである場合を示す図である。図5を参照すると、平行光520は、振幅変換グレーティング510を通過しながら焦点に集中する。焦点を通過した光520は広角(θ)に伝播される。
【0068】
振幅変換グレーティング510はに光520の一部を通過させ、光の一部を通過させない。通過の有無に応じて光の強度又は振幅の差が発生する。振幅差に基づいて、振幅変換グレーティング510を通過した光は1つの焦点に集中される。
【0069】
図6は、他の一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置のブロック図である。図6を参照すると、図1に示す他の一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、バックライト部610及びコヒーレンス光生成部620を備える。
【0070】
バックライト部610は、ピクセル630が位置する面に平行な光を発生する。例えば、バックライト部610は単一波長の光を発生してもよい。例えば、バックライト部610は、LEDなどのような様々な光源を用いてピクセル630が位置する面と平行する光を発生してもよい。
【0071】
コヒーレンス光生成部620は、バックライト部610で発生した平行光を焦点640に集中させて広角のコヒーレンス光を生成する。コヒーレンス光生成部620は、平行光を1つの焦点640に集中させる様々な種類及び形態の光学的な手段に対応する。例えば、コヒーレンス光生成部620は、レンズ、位相変換器、位相変換グレーティング、または振幅変換グレーティングに対応してもよい。
【0072】
コヒーレンス光生成部620は、ピクセル630が位置する面の前面に位置し、平行光がピクセル630を通過する前に平行光を焦点640に集中させてもよい。
【0073】
図7は、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置のブロック図である。図7を参照すると、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置は、バックライト部710、空間光変調部720、コヒーレンス光生成部730、及びディスプレイ部740を備える。
【0074】
バックライト部710は、複数のピクセルが位置する面に平行な光を発生する。一実施形態において、バックライト部710は、コヒーレンス光、平行光、または2種類の全てを発生してもよい。バックライト部710は、単一波長の光を発生する。例えば、バックライト部710は、LEDなどのような様々な光源を用いてピクセルが位置する面に平行な光を発生する。
【0075】
空間光変調部720は複数のピクセルを含み、複数のピクセルを通過する平行する光の位相または振幅を変調する。空間光変調部720はピクセルごとに位置してもよい。空間光変調部720は、ピクセルを通過する光の位相または振幅を変調してもよい。
【0076】
ピクセルごとに空間光変調部720で変調した光の位相または振幅はコヒーレンス光生成部730によって広角のコヒーレンス光に反映され、ディスプレイ部740で空間上に3次元映像を復元するソースとして用いられてもよい。
【0077】
コヒーレンス光生成部730は、複数のピクセルごとに位相または振幅が変調された光を焦点に集中させて広角のコヒーレンス光を生成する。
【0078】
一実施形態において、コヒーレンス光生成部730はレンズであってもよい。レンズは、屈折率が異なる2つの媒質で平行な光が進行する光経路の長さの差による位相差を用いて、平行する光を焦点に集中させてもよい。レンズは凸形構造のレンズ及び凹形構造のレンズの1つであってもよい。
【0079】
他の一実施形態において、コヒーレンス光生成部730は位相変換器であってもよい。位相変換器は、光軸の中心と光軸周辺の屈折率を互いに異なるように変化させ、平行光が進行する光経路の位置による位相差を用いて、平行光を焦点に集中してもよい。
【0080】
更なる一実施形態において、コヒーレンス光生成部730は位相変換グレーティングであってもよい。位相変換グレーティングは、平行光が進行する複数の互いに異なる光経路の長さの差による位相差を用いて、平行光を焦点に集中させてもよい。
【0081】
更なる一実施形態において、コヒーレンス光生成部730は振幅変換グレーティングであってもよい。振幅変換グレーティングは、平行光が進行する複数の光経路の一部を遮断することで、振幅差を用いて平行光を焦点に集中させてもよい。
【0082】
ディスプレイ部740は、複数のピクセルごとに生成された広角のコヒーレンス光の干渉を用いて空間上に3次元映像を表示する。ディスプレイ部740は、ホログラム面にピクセルごとに生成された広角のコヒーレンス光を用いて3次元映像を表示してもよい。ディスプレイ部740の具体的な例として、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT−LCD:Thin Film Transistor−Liquid Crystal Display)、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light−Emitting Diode)、フレキシブルディスプレイ(flexible display)などで構成され、これに限定されることはない。
【0083】
図8は、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置の構造を示す図である。図8を参照すると、広角のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置は、バックライト部810、ディスプレイパネル820、及び光学的な手段830を備える。
【0084】
バックライト部810は、ディスプレイパネル820に対して平行光を発生する。ディスプレイパネル820は、空間光変調器で光の位相または強度を変調できる構造であり、格子形または格子のようなパターンのピクセル構造を有する。
【0085】
ディスプレイパネル820の部分840を拡大して具体的に説明すると、ブラックマトリックス構造の電極843、トランジスタ841、ピクセル845から構成される。例えば、トランジスタ841としてTFT(Thin Film Transistor)が用いられてもよく、ピクセル845としてITO(Indium Tin Oxide)フィルムが用いられてもよい。
【0086】
光学的な手段830の部分850について具体的に説明すると、コヒーレンス光生成部851は、ピクセル845に対応するように位置する。例えば、コヒーレンス光生成部851はピクセル845の平面に沿って位置し、ピクセル845を通過する光が焦点に集中してもよい。コヒーレンス光生成部851では、図2ないし図5を参照して説明したレンズ、位相変換器、位相変換グレーティング、または振幅変換グレーティングの1つを含んでもよい。コヒーレンス光生成部851はピクセル845の前面に配置してもよい。反対に、コヒーレンス光生成部851はディスプレイパネル820のピクセル845の後面に配置してもよい。それぞれの実施形態において、コヒーレンス光生成部851の光軸は一般的にディスプレイパネル820のピクセル845の中心に整列してもよい。他の一実施形態において、光軸は、空間の特定位置で発生したコヒーレンス光が向かうようにピクセルの中央からオフセットの量が配置されてもよい。更なる一実施形態において、コヒーレンス光生成部851がディスプレイパネル820のピクセル845の前面に位置する場合、ピクセル845で光の回折効果を減少するためにディスプレイパネル820のピクセル845及びコヒーレンス光生成部851の間の間隔が最小化されることが要求される。更なる一実施形態において、コヒーレンス光生成部851がディスプレイパネル820のピクセル845の後面に位置する場合、ピクセル間の遮光マスク(light blocking mask)によって光が損失されることを防止するようコヒーレンス光生成部851のピクセル845の焦点面にディスプレイパネル820が位置することが要求されてもよい。
【0087】
図9に示す例として、レンズがコヒーレンス光生成部として用いられることを表示している。レンズは、空間光変調器のピクセルごとにレンズが対応するように配置されてもよい。
【0088】
図9及び図10は、他の一実施形態に係る広角のコヒーレンス光を用いたディスプレイ装置の構造を示す図である。
【0089】
図9は、コヒーレンス光生成部931、933、935、937の配置位置に対する例を示す。コヒーレンス光生成部931、933、935、937は、ディスプレイパネル920面の前に配置される。コヒーレンス光生成部931、933、935、937はディスプレイパネル920のピクセル921、923、925、927ごとに対応するよう位置する。平行光910は、ディスプレイパネル920で位相または振幅が変調した後、コヒーレンス光生成部931、933、935、937を通過して焦点に集中し、焦点から広角に伝播される。
【0090】
図10は、コヒーレンス光生成部1021、1023、1025、1027の配置位置に対する例を示す。コヒーレンス光生成部1021、1023、1025、1027はディスプレイパネル1030面の後に配置される。コヒーレンス光生成部1021、1023、1025、1027は、ディスプレイパネル1030のピクセル1031、1033、1035、1037ごとに対応するよう位置する。平行光1010は、コヒーレンス光生成部1021、1023、1025、1027を通過してディスプレイパネル1030上の焦点に集中し、ディスプレイパネル1030で位相または振幅が変調された後、焦点から広角に伝播される。
【0091】
図11は、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成方法のフローチャートである。図11を参照すると、ステップS1110において、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、ピクセルが位置する面に平行な光を発生する。例えば、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、単一波長の光を発生してもよい。例えば、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、LEDなどのような様々な光源を用いてピクセルが位置する面に平行な光を発生してもよい。
【0092】
ステップS1120において、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、平行光を焦点に集中させ、焦点から伝播される光は広角のコヒーレンス光を生成する。
【0093】
一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、レンズによって屈折率が異なる2つの媒質で平行光が進行する光経路の長さの差による位相差を用いて平行光を焦点に集中させてもよい。
【0094】
一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、位相変換器によって光軸の中心と光軸周辺の屈折率を互いに異なるように変化させ、平行光が進行する光経路の位置による位相差を用いて平行光を焦点に集中させてもよい。
【0095】
一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、位相変換グレーティングによって平行光が進行する複数の互いに異なる光経路の長さの差による位相差を用いて平行光を焦点に集中させてもよい。
【0096】
一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、振幅変換グレーティングによって平行光が進行する複数の光経路の一部を遮断することで、振幅差を用いて平行光を焦点に集中させてもよい。
【0097】
一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、光学的な手段を用いて各ピクセルで生成される光が広い視野角を有するようにしてもよい。
【0098】
また、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、ピクセル幅の大きさを既存の常用ディスプレイレベル、例えば、100μmあるいは100μm以上に保持した状態でも光学的な手段を用いて広角のコヒーレンス光を生成してもよい。
【0099】
また、一実施形態に係る広角のコヒーレンス光生成装置は、ホログラム映像の表現において、光学的な手段を用いて相対的に大幅のピクセルでも広い角度のコヒーレンス光を生成し、ホログラムディスプレイ、ホログラムプリントなどの3次元映像を再現する分野で広く活用され得る。
【0100】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行することができるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読取可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうち1つまたはその組合せを含んでもよい。媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。コンピュータ読取可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、光ディスクのような光磁気媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれてもよい。プログラム命令の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタなどを用いてコンピュータによって実行できる高級言語コードが含まれる。前記したハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されてもよく、その逆も同様である。
【0101】
上述したように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
【0102】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【符号の説明】
【0103】
110 バックライト
120 ピクセル
130 コヒーレンス光生成部
140 焦点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11