【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示日 平成28年9月13日〜平成28年9月16日 展示会名 第12回 国際物流総合展2016 開催場所 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3−11−1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上框材の各コーナ部に、前記上框材の辺々の端部同士を連結するコーナ金具を配設すると共に、当該コーナ金具に、前記角筒状の側板パネルの四隅角部に外側から当接する当接部を設けたことを特徴とする請求項1の輸送容器。
前記ベース部材の下側の両端に一対の滑材を平行に配設し、当該滑材の両端部に下向き開口の穴部を形成すると共に、前記コーナ金具に前記穴部に嵌合可能な半球状の凸部を形成し、請求項1の輸送容器を上下方向に段積みする際に、上段の輸送容器の前記滑材の前記穴部に、下段の輸送容器の前記コーナ金具の前記凸部を嵌合可能にしたことを特徴とする請求項2の輸送容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来の輸送容器は以下の課題がある。
(1)パレット2と箱体3とを一体化するバンド掛けに手間がかかる。
(2)輸送容器1の使用後は箱体3の全部が廃材となるので、天井キャップ3bと床キャップ3c及び角材を廃材として処理するための費用が嵩む。
(3)天井キャップ3bと床キャップ3cの周縁部の内法に側板パネル3aを嵌め込むため、周縁部の外法と内法の差が輸送容器の容積ロスとなる。
【0006】
そこで本発明の目的は、バンド掛け作業が不要であり、天井キャップと床キャップを省略することで容積ロスをなくすと共に製造コストと廃材処理費を節約でき、補強用角材なしでも必要な段積み強度を確保可能な輸送容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、上向き開口した下溝部を四辺に沿って配設した矩形状のベース部材と、前記下溝部に下端部が収容された角筒状の側板パネルと、前記側板パネルの上端部を収容する上溝部を備えた矩形状の上框材と、前記上框材の四辺の長手方向中間部と前記ベース部材との間を垂直方向に連結する中支柱と、を有することを特徴とする輸送容器である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の輸送容器は中支柱によって垂直方向の必要強度を保持可能であるから、従来の輸送容器の天井キャップや床キャップ及び補強用角材を省略すると共にバンド掛けも不要化して低コスト化を図ることが可能である。また側板パネルの下端部をベース部材の周縁部に合わせて配置することで容積ロスもなくすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、全図を通じて同一又は相当部分には同一符号を付することで重複した説明を適宜省略する。
【0011】
(輸送容器の構成)
図1は本発明の一実施形態に係るワンウェイタイプの輸送容器100の斜視図である。この輸送容器100は、鋼板製波板を主体とする矩形状(正方形)のベース部材10と、当該ベース部材10の上に配置した段ボール製の側板パネル20とを有する。側板パネル20は、帯状の段ボール紙の長手方向4箇所を直角に折り曲げ、長手方向両端を所定幅で重ね合わせた後、当該重ね合わせ部分を複数のステープルで連結したもので、上下両端に正方形の開口を有する角筒状に構成されている。
【0012】
ベース部材10の下面の中央と両端に、互いに平行な計3本の滑材11が溶接で固定されている。ベース部材10は
図2のように平面視で正方形であるが、用途に応じて任意の長方形で構成することも可能である。ベース部材10を長方形にする場合は、側板パネル20の形状もそれに合わせた長方形開口を有する角筒状に構成する。
【0013】
ベース部材10の四辺には、
図3(a)〜(c)に示すように断面コ字状の板金製のヘッダ30が溶接で固定されている。このヘッダ30は側板パネル20の下端部を位置決めするためのもので、
図3(c)に示すように側板パネル20の下端部を嵌め込んで収容する下溝部30aを有する。
【0014】
図3のヘッダ30を
図2のようにベース部材10の周縁部に対向状に一対で配置し、各ヘッダ30の二箇所に形成した折り曲げ部31、32を境として
図3(a)のように矢印方向に直角に曲げて平面視コ字形にする。そして当該コ字形のヘッダ30をベース部材10の対向する三辺に沿わせて配置した後、溶接によりベース部材10に固定する。
【0015】
ヘッダ30の2つの折り曲げ部31と32の間の長さL(=L1+L2)は、ベース部材10の一辺の長さに対応している。また一方の折り曲げ部31からヘッダ30の一端部33までの長さL1と、他方の折り曲げ部32からヘッダ30の他端部34までの長さL2は、この実施形態では不等長(L1<L2)にしている。
【0016】
このように不等長にする理由は、後述する中支柱40の下端部を挿入連結する第1スリット穴35が、ヘッダ30の端部位置で分割されるのを避けるためである。第1スリット穴35が一対のヘッダ30の間で分割されると、第1スリット穴35の強度が低下して中支柱40の固定強度が低下する。
【0017】
ヘッダ30の他端部34から所定距離L3の位置と、2つの折り曲げ部31と32の中間位置に、第1スリット穴35が形成されている。この第1スリット穴35に、後述する4本の中支柱40の下端部を挿入して固定する。
【0018】
また、折り曲げ部31、32の両側所定距離L4の位置に、第2スリット穴36が形成されている。この第2スリット穴36に、後述する下部コーナ金具50の固定脚50aを挿入して固定する。
【0019】
下部コーナ金具50は、
図4に示すように平面視でL字状の金具であり、ヘッダ30から垂直に立ち上がった垂直板部50bと、垂直板部50bの上端から外側に傾斜した傾斜板部50cを有する。垂直板部50bの下端部に固定脚50aが形成され、当該固定脚50aを
図4(e)のようにヘッダ30の第2スリット穴36に上方から挿入し、
図4(f)のように180度折り返して下部コーナ金具50をヘッダ30に固定する。固定脚50aの基端部には手作業での折り返しが容易なようにスリット50dが形成されている。
【0020】
中支柱40は
図5のように細長い矩形断面の板金製棒状体である。中支柱40は垂直方向の必要強度を保持するために所定の大きさの矩形断面を有する。この実施形態では幅25mm、厚さ12mm、長さ約1mの板金製棒状体を使用する。
【0021】
中支柱40の上下両端部に比較的薄厚の板金で構成された固定脚41が溶接で固定されている。この固定脚41は中支柱40の上下両端部をヘッダ30と後述の上框材60にそれぞれ連結・固定する際に使用するもので、固定脚41の基端部に固定脚41を折曲げやすくするためのスリット41aが形成されている。
【0022】
側壁パネル20の上端部に、
図6に示す上框材60が取り付けられている。この上框材60は、コ字状断面のプレス板金製である。上框材60を2本使用して側壁パネル20の上端部四辺に上框を構成する。
【0023】
上框材60の長手方向の中央部に折り曲げ部61が形成され、この折り曲げ部61で上框材60を
図6(a)のように矢印方向で直角に折り曲げて側壁パネル20の上端部に嵌め込む。この際、折り曲げ部61を側壁パネル20のコーナ部に合せる。
【0024】
上框材60の両端部62と折り曲げ部61の中央位置に、中支柱40の上端部の固定脚41を挿入固定するための第1スリット穴63が形成されている。また上框材60の両端部62から所定距離L5の位置と、折り曲げ部61の両側所定距離L5の位置に、後述する上部コーナ金具70の固定脚70aを挿入固定するための第2スリット穴64が形成されている。この第2スリット穴64の断面は
図6の(c)((a)のc−c線断面)に示されている。
【0025】
この実施形態の輸送容器100は段積み可能に構成されている。当該段積みのために、
図7のように、上部コーナ金具70の上に半球状凸部71が形成され、当該凸部71に対応してベース部材10の滑材11下面に円形穴部が形成されている。そして輸送容器100を段積みすると、下段の輸送容器100の半球状凸部71が上段の輸送容器100のベース部材10の円形穴部に嵌合して上下の輸送容器100相互間の水平方向の位置ズレが防止されるようになっている。
【0026】
上部コーナ金具70は上框材60の第2スリット穴64に挿入固定するための固定脚70aと、上框材60の外側縁部に係合する係合脚70bと、側板パネル20の四隅角部に外側から当接する当接部70cを有する。当該当接部70cに
図8Aのように側板パネル20の四隅角部のコーナ部21を隙間なく押し当てることで、上框材60と側板パネル20との間の位置ズレを矯正することができる。
【0027】
当接部70cの形状は図示例では単純な平板状にし、当接部70cの法線方向がコーナ部21の直角を二等分する方向に向けている。その理由は、当接部70cをコーナ部21に押し当てた時に出来るコーナ部21の自然な撓みを許容するためである。当接部70cの形状をコーナ部21の形状に合わせてL字状断面にすることも可能であるが、そうすると前記自然な撓みを規制する結果になり、コーナ部21の過度の変形・損傷を引き起こすおそれがある。
【0028】
図8Bは
図8Aと比較するため別仕様の当接部70dを有する上部コーナ金具70を示している。当該当接部70dと側板パネル20のコーナ部21との間には若干の隙間が出来ている。このような隙間があると側板パネル20が同図で矢印で示すように上下方向・左右方向に位置ズレするので、側板パネル20の強度保持ひいては輸送容器100全体の強度保持が困難になる。
【0029】
(輸送容器の組み立て方)
前述した輸送容器100を組み立てるには、まずベース部材10の四隅においてヘッダ30に対して
図4(e)(f)のように下部コーナ金具50を取り付ける。すなわち下部コーナ金具50の2つの固定脚50aを
図4(e)のように第2スリット穴36に差し込み、ヘッダ30の下側に出た固定脚50aを上方に折り返す。これでヘッダ30に対する下部コーナ金具50の取り付けを完了する。
【0030】
次に、ベース部材10のヘッダ30の下溝部30aに側板パネル20の下端部を嵌合する。この際、側板パネル20の四隅を下部コーナ金具50に位置合わせし、下部コーナ金具50の傾斜部50cを利用して側板パネル20の四隅を下溝部30aに嵌め込む。これで側板パネル20をベース部材10の上に垂直に立てることができる。
【0031】
次に、側板パネル20の上端部に上框材60を取り付ける。その後、中支柱40の上下両端部の固定脚41を、ベース部材10のヘッダ30の第1スリット穴35と、上框材60の第1スリット穴63に、それぞれ挿入する。そして当該固定脚41を挿入方向と反対方向に180度折り曲げて中支柱40を固定する。
【0032】
固定脚41はその基端部の折曲げ位置に形成してあるスリット41aにより手作業でも容易に折曲げ可能なので、中支柱40を簡単に取り付けることができる。なお折曲げ後のスリット41aを溶接で穴埋めることで中支柱40の固定強度をさらに高めることも可能である。
【0033】
そして最後に上框材60の四隅に上部コーナ金具70を取り付ける。上部コーナ金具70の取り付けは、上部コーナ金具70の2つの固定脚70aを上框材60の第2スリット穴64に手で押し込むことで行う。
【0034】
上部コーナ金具70を上框材60の四隅に取り付けると、上部コーナ金具70の2つの係合脚70bの下端部が抜止めのため上框材60の外側縁部に係合する。以上のように上部コーナ金具70を取り付けることで、上框材60の辺々相互が上部コーナ金具70を介して強固に連結され、これで輸送容器100の組み立てを完了する。
【0035】
上部コーナ金具70を
図7のように上框材60に固定すると、
図8Aのように上部コーナ金具70の当接部70cが側板パネル20の四隅角部のコーナ部21に外側から当接する。これにより上框材60に対する側板パネル20の位置ズレが規制され、輸送容器100の剛性が高まって安定した強度が保持される。
【0036】
これに対して
図8Bのように上部コーナ金具70の当接部70dを側板パネル20のコーナ部21から離れた位置に形成すると、コーナ部21との間に出来る隙間のために側板パネル20が
図8Bで矢印のように左右方向及び上下方向に位置ズレしやすくなる。そうすると輸送容器100の剛性が低下して強度的にも不安定になる。
【0037】
本実施形態の輸送容器100は、4本の中支柱40による垂直方向の強度出しに加え、上部コーナ金具70の当接部70cによる側板パネル20の横方向の位置ズレ規制により、輸送容器100全体としての剛性アップを実現している。したがって必要強度を保持しつつ、
図9の従来の輸送容器に比べて天井キャップ3b、床キャップ3c及びバンド4を不要化して低コスト化を図ることができる。また側板パネル20の下端部はベース部材10の周縁部に合わせて配置可能なので、
図9のように床キャップ3cを採用することによる容積ロスもなくすことができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば前記実施形態では側板パネルを段ボールで構成したが、当該段ボールに代えてプラダンや樹脂パネル等で側板パネルを構成してもよい。またベース部材は前記実施形態では鋼板製波板を使用したが、当該鋼板製波板に代えて樹脂ボード等でベース部材を構成してもよい。
【0039】
また中支柱40は前記実施形態のように上框材60の四辺の中央部とベース部材10の四辺の中央部とを垂直方向に連結するように配置する他、上框材60の各辺とベース部材10の各辺とを1本又は2本以上の中支柱40で垂直方向に連結することも可能である。特にベース部材10の形状が長方形の場合は、上框材60の長辺とベース部材10の長辺とを適当な間隔を空けた2本以上の中支柱40で垂直方向に連結するとよい。