(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6830461
(24)【登録日】2021年1月28日
(45)【発行日】2021年2月17日
(54)【発明の名称】真空チャック
(51)【国際特許分類】
B23Q 3/08 20060101AFI20210208BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20210208BHJP
【FI】
B23Q3/08 A
B23Q11/00 Q
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-139556(P2018-139556)
(22)【出願日】2018年7月25日
(65)【公開番号】特開2020-15133(P2020-15133A)
(43)【公開日】2020年1月30日
【審査請求日】2019年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】591089501
【氏名又は名称】株式会社タカハシキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 徹
(72)【発明者】
【氏名】酒井 政昭
【審査官】
久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−019647(JP,A)
【文献】
特開2001−113436(JP,A)
【文献】
特開平04−074412(JP,A)
【文献】
特開平03−281138(JP,A)
【文献】
特開2006−015457(JP,A)
【文献】
実開平2−143131(JP,U)
【文献】
特開2005−118979(JP,A)
【文献】
実開昭61−089410(JP,U)
【文献】
特許第3191006(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/08
B23Q 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋削加工機械の回転する主軸の前部に配設され、被加工物を負圧吸着するための吸引路を有するチャック体を備えてなり、上記チャック体の前端面に同一円周上の複数個の上記吸引路を結ぶ円環状の凹環溝が複数個形成され、上記チャック体の前端面に適度な硬度及び弾性を有する接触面材が配置され、上記接触面材は上記チャック体の前端面に接着手段により接着固定され、該チャック体の前端面に接着固定された該接触面材に上記吸引路に連通する吸引口部が開口形成され、該吸引口部は同一円周状の複数個の上記吸引路を結ぶ上記凹環溝と同形状の円環溝状に形成され、該円環溝状の吸引口部が開口形成された該接触面材の前端面を該被加工物を負圧吸着可能な吸着面に形成してなることを特徴とする真空チャック。
【請求項2】
上記接触面材は適度な硬度及び弾性を有するウレタンゴムシートからなることを特徴とする請求項1記載の真空チャック。
【請求項3】
上記ウレタンゴムシートの硬度は、ショア硬さはHs90以上、Hs95以下の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の真空チャック。
【請求項4】
上記チャック体はアルミニウム材からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空チャック。
【請求項5】
上記チャック体の外周面は、旋削加工時の該チャック体の高速回転に伴う遠心力により上記吸着面から離反するに従って次第に外方に流れる気流を生成して旋削加工により生じた切粉を該吸着面から離反する方向に導出させるために上記吸着面から離反するに従って次第に径大となるテーパー面に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空チャック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えばパソコン用磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の各種の情報記録媒体としての円盤状のディスク素材の旋削加工機械等に用いられる真空チャックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の真空チャックとして、旋盤等の機体に主軸を回転自在に配設し、主軸の前部に被加工物を負圧吸着するための吸引路を有するチャック体が配置され、チャック体の前端面は被加工物を負圧吸着可能な吸引口部を有する吸着面に形成され、上記吸引路に負圧源が接続され、チャック体の吸着面の吸引口部により負圧吸着作用を生じさせ、チャック体の吸着面に被加工物を吸着する構造のものが知られている。
【0003】
しかして、上記チャック体に被加工物を吸着させ、上記主軸を駆動源により回転させ、上記チャック体を回転させ、バイト等の刃物により被加工物に旋削加工等を行うことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3191006号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来構造の場合、上記旋削加工等により生じた切粉がチャック体の吸着面に付着残存し、吸着面と被加工物との間に切粉が挟み込まれることがあり、切粉の挟み込みにより吸着面に被加工物が密着しないことになり、被加工物の密着性が低下し、それだけ、被加工物の吸着位置精度が低下し、被加工物の平坦度等の加工精度を低下させると共に薄板状の脆い被加工物にあっては破損することもあり、それだけ歩留まりの低下を余儀なくされることもあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、
旋削加工機械の回転する主軸の前部に配設され、被加工物を負圧吸着するための吸引路を有するチャック体を備えてなり、
上記チャック体の前端面に同一円周上の複数個の上記吸引路を結ぶ円環状の凹環溝が複数個形成され、上記チャック体の前端面に適度な硬度及び弾性を有する接触面材が配置され、
上記接触面材は上記チャック体の前端面に接着手段により接着固定され、該チャック体の前端面に接着固定された該接触面材に上記吸引路に連通する吸引口部が開口形成され、
該吸引口部は同一円周状の複数個の上記吸引路を結ぶ上記凹環溝と同形状の円環溝状に形成され、該円環溝状の吸引口部が開口形成された該接触面材の前端面を該被加工物を負圧吸着可能な吸着面に形成してなることを特徴とする真空チャックにある。
【0007】
又、請求項
2記載の発明は、上記接触面材は適度な硬度及び弾性を有するウレタンゴムシートからなることを特徴とするものであり、又、請求項
3記載の発明は、上記ウレタンゴムシートの硬度は、ショア硬さはHs90以上、Hs95以下の範囲であることを特徴とするものであり、又、請求項
4記載の発明は、上記チャック体はアルミニウム材からなることを特徴とするものであり、又、請求項
5記載の発明は、上記チャック体の外周面は、
旋削加工時の該チャック体の高速回転に伴う遠心力により上記吸着面から離反するに従って次第に外方に流れる気流を生成して旋削加工により生じた切粉を該吸着面から離反する方向に導出させるために上記吸着面から離反するに従って次第に径大となるテーパー面に形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、チャック体の前端面に適度な硬度及び弾性を有する接触面材が配置され、
上記接触面材は上記チャック体の前端面に接着手段により接着固定されているから、経年使用等により接触面材の吸着面が損耗した場合、新たな接触面材に貼り替え交換することができ、接触面材の交換によりチャック体を繰り返し使用することができ、経済性を向上することができ、更に、上記チャック体の前端面に同一円周上の複数個の上記吸引路を結ぶ円環状の凹環溝が複数個形成され、チャック体の前端面に接着固定された接触面材に上記吸引路に連通する吸引口部が開口形成され、
吸引口部は同一円周状の複数個の上記吸引路を結ぶ上記凹環溝と同形状の円環溝状に形成され、円環溝状の吸引口部が開口形成された接触面材の前端面を被加工物を負圧吸着可能な吸着面に形成しているから、
接触面材に上記吸引路に連通する吸引口部が同一円周状の複数個の上記吸引路を結ぶ上記凹環溝と同形状の円環溝状に開口形成され、接触面材の適度な硬度及び弾性により被加工物と接触面材の吸着面との密着性を向上することができ、接触面材と被加工物との密着性の向上により摩擦力も向上して被加工物をチャック体に確実に吸着保持することができ、安定した吸着力を得ることができ、被加工物の吸着位置精度を向上することができ、被加工物の加工精度を向上することができる。
【0009】
又、請求項
2記載の発明にあっては、上記接触面材は適度な硬度及び弾性を有するウレタンゴムシートからなるので、適度な硬度及び弾性を有する接触面材を容易に得ることができ、又、請求項
3記載の発明にあっては、上記ウレタンゴムシートの硬度は、ショア硬さはHs90以上、Hs95以下の範囲とされているから、適度な硬度及び弾性を有して接触面材と被加工物との密着性の向上により安定した吸着力を得ることができ、被加工物の吸着位置精度を向上することができ、又、請求項
4記載の発明にあっては、上記チャック体はアルミニウム材からなるので、チャック体の軽量化によりチャック体の高速回転時の振動抑制効果及びチャック体の加減速時間の短縮効果を得ることができ、又、請求項
5記載の発明にあっては、上記チャック体の外周面は
、旋削加工時の該チャック体の高速回転に伴う遠心力により上記吸着面から離反するに従って次第に外方に流れる気流を生成して旋削加工により生じた切粉を吸着面から離反する方向に導出させるために上記吸着面から離反するに従って次第に径大となるテーパー面に形成されているから、チャック体の高速回転に伴う遠心力により吸着面から離反するに従って次第に外方に流れる気流が生成され、この生成された気流により上記旋削加工等により生じた切粉を吸着面から離反する方向に導出し、切粉の排出を良好に行うことができ、吸着面への切粉の残留を防ぐことができ、被加工物と接触面材の吸着面との密着性を向上することができ、被加工物をチャック体に確実に吸着保持することができ、安定した吸着力を得ることができ、被加工物の吸着位置精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】本発明の実施の形態例の部分拡大正面図である。
【
図4】本発明の実施の形態例の拡大分離断面図である。
【
図6】本発明の実施の形態例の部分拡大側面図である。
【
図7】本発明の実施の形態例の部分拡大正面図である。
【
図8】本発明の実施の形態例の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至
図8は本発明を旋削加工機械に適用した実施の形態例を示し、1は機体であって、この場合、
図1の如く、機体1に主軸2を回転自在に横設し、主軸2を回転軸線Oを中心として、図示省略の駆動モータにより高速回転させるように構成している。
【0012】
3はチャック体であって、この場合、
図2、
図3の如く、上記主軸2の前部に取付部材4を取付け、取付部材4に中間部材5を取付けると共にチャック体3を取り付け、チャック体3に複数個の吸引路6・・が放射状に四等配位置に形成され、筒状の主軸2の内穴2aに図示省略の真空ポンプ等の負圧源が接続され、中間部材5に主軸2の内穴2aと吸引路6・・とを連通する連通路7が形成され、チャック体3の前端面3aに同一円周上の複数個の吸引路6・・を結ぶ円環状の凹環溝6aが複数個形成されている。
【0013】
8は接触面材であって、この場合、
図2、
図3の如く、適度な硬度及び弾性を有する材料により製作され、上記チャック体3の前端面3aに固定配置され、接触面材8に上記吸引路6・・に連通する吸引口部8a・・が開口形成され、接触面材8の前端面8bを被加工物Wを負圧吸着可能な吸着面Qに形成し、負圧源の負圧作用により被加工物Wを吸着面Qに吸着すると共に負圧解除により被加工物Wを吸着面Qから釈放するように構成している。
【0014】
この場合、
図5、
図6、
図7、
図8の如く、上記吸引口部8a・・は同一円周上の複数個の上記吸引路6・・を結ぶ上記凹環溝6aと同形状の円環溝状に形成され、又、この場合、
図2の如く、上記接触面材8は上記チャック体3の前端面3aに接着手段Eにより接着固定され、チャック体3に接触面材8を接着した後、上記吸引口部8a・・を形成するように構成されている。
【0015】
又、この場合、上記接触面材8は適度な硬度及び弾性を有するウレタンゴムシートDにより製作され、この場合、上記ウレタンゴムシートDの硬度は、ショア硬さはHs90以上、Hs95以下の範囲とされ、すなわち、ウレタンゴムシートDの硬度がHs90未満であると被加工物Wの吸着位置精度が低下するおそれがあり、又、Hs95を超えると被加工物Wの密着性が低下するおそれがあり、ショア硬さがHs90以上、Hs95以下の範囲であると、適度な硬度及び弾性を有して接触面材8と被加工物Wとの密着性の向上により安定した吸着力を得ることができ、被加工物Wの吸着位置精度を向上することになる。
【0016】
又、この場合、上記チャック体3はアルミニウム材により製作され、チャック体3の軽量化によりチャック体3の高速回転時の振動抑制効果及びチャック体3の加減速時間の短縮効果を得るようにしている。
【0017】
又、この場合、
図6の如く、上記チャック体3の外周面3bは上記吸着面Qから離反するに従って次第に径大となるテーパー面Hに形成され、テーパー角は適宜選択され、この場合、約20度のテーパー角(勾配約10度)に形成され、このテーパー面Hの形状によりチャック体3の高速回転に伴う遠心力により図中矢印のような吸着面Qから離反するに従って次第に外方に流れる気流Fが生成され、この生成された気流Fにより上記旋削加工等により生じた切粉W
1を吸着面Qから離反する方向に導出し、吸着面Qへの切粉W
1の残留を防ぐことになる。
【0018】
9は受入凹部であって、
図2、
図3の如く、上記チャック体3の中央部に吸着面Qに開口して有底穴状に形成され、チャック体3に上記受入凹部9とチャック体3の外周面3bとを連通する導出路10を形成し、接触面材8の中央部に通穴部11が形成されている。
【0019】
この場合、
図2、
図4の如く、上記受入凹部9の開口部側内周面としての範囲Tは底に向かうに従って次第に径大となるテーパー面9aに形成されると共に底部側内周面としての範囲Sはテーパー面9aに接続されたストレート面9bに形成され、ストレート面9bとチャック体3の外周面3bとを連通して形成され、かつ、受入凹部9の底面に接続される底面と内周面との接続面は先細りのテーパー面9cに形成されている。
【0020】
この実施の形態例は上記構成であるから、図外の負圧源と吸引路6・・とが連通路7を介して接続され、
図2の如く、吸引Kにより吸引路6・・に負圧吸引作用が生じ、チャック体3に被加工物Wが吸着され、上記主軸2を駆動源により回転させてチャック体3を回転軸線Oを中心として回転させ、被加工物Wを図示省略のバイト等の刃物により旋削加工等を行うことになり、この際、
図6の如く、チャック体3の前端面3aに適度な硬度及び弾性を有する接触面材8が配置され、接触面材8に上記吸引路6・・に連通する吸引口部8a・・が開口形成され、接触面材8の前端面8bを被加工物Wを負圧吸着可能な吸着面Qに形成しているから、接触面材8の適度な硬度及び弾性により被加工物Wと接触面材8の吸着面Qとの密着性を向上することができ、接触面材8と被加工物Wとの密着性の向上により摩擦力も向上して被加工物Wをチャック体3に確実に吸着保持することができ、安定した吸着力を得ることができ、被加工物Wの吸着位置精度を向上することができ、被加工物Wの加工精度を向上することができる。
【0021】
又、この場合、
図2、
図6の如く、上記接触面材8は上記チャック体3の前端面3aに接着手段Eにより接着固定されているから、経年使用等により接触面材8の吸着面Qが損耗した場合、新たな接触面材8に貼り替え交換することができ、接触面材8の交換によりチャック体3を繰り返し使用することができ、経済性を向上することができ、又、この場合、上記接触面材8は適度な硬度及び弾性を有するウレタンゴムシートDからなるので、適度な硬度及び弾性を有する接触面材8を容易に得ることができ、又、この場合、上記ウレタンゴムシートDの硬度は、ショア硬さはHs90以上、Hs95以下の範囲とされているから、適度な硬度及び弾性を有して接触面材8と被加工物Wとの密着性の向上により安定した吸着力を得ることができ、被加工物Wの吸着位置精度を向上することができ、又、この場合、上記チャック体3はアルミニウム材からなるので、チャック体3の軽量化によりチャック体3の高速回転時の振動抑制効果及びチャック体3の加減速時間の短縮効果を得ることができ、又、この場合、
図6の如く、上記チャック体3の外周面3bは上記吸着面Qから離反するに従って次第に径大となるテーパー面Hに形成されているから、チャック体3の高速回転に伴う遠心力により図中矢印のような吸着面Qから離反するに従って次第に外方に流れる気流Fが生成され、この生成された気流Fにより上記旋削加工等により生じた切粉W
1を吸着面Qから離反する方向に導出し、切粉W
1の排出を良好に行うことができ、吸着面Qへの切粉W
1の残留を防ぐことができ、被加工物Wと接触面材8の吸着面Qとの密着性を向上することができ、被加工物Wをチャック体3に確実に吸着保持することができ、安定した吸着力を得ることができ、被加工物Wの吸着位置精度を向上することができる。
【0022】
又、この場合、
図2、
図3、
図4の如く、上記チャック体3の中央部に有底穴状の受入凹部9が形成され、接触面材8の中央部に通穴部11が形成され、かつ、チャック体3に受入凹部9とチャック体3の外周面3bとを連通する導出路10が形成されているので、例えば、被加工物Wの内径W
2の旋削加工等により生じた切粉W
1は受入凹部9内に侵入したのち、チャック体3の回転に伴う遠心力により受入凹部9から導出路10を介して図中矢印方向にチャック体3の外周面3bへと導出され、切粉排出作用により切粉W
1がチャック体3の吸着面Qに付着残存して吸着面Qと被加工物Wとの間に切粉W
1が挟み込まれることを抑制することができ、それだけ吸着面Qと被加工物Wとの密着を確実に行うことができ、被加工物Wの変形を防止して吸着位置精度を向上することができ、被加工物Wの平坦度等の加工精度を高めることができると共に薄板状の脆い被加工物Wにあっても破損を防ぐことができ、それだけ歩留まりの向上を図ることができる。
【0023】
又、この場合、
図2、
図4の如く、上記受入凹部9の開口部側内周面は底に向かうに従って次第に径大となるテーパー面9aに形成されると共に底部側内周面はテーパー面9aに接続されたストレート面9bに形成され、このストレート面9bとチャック体3の外周面3bとを連通する上記導出路10を形成しているから、テーパー面9aの存在により切粉W
1の受入凹部9内への侵入が容易となると共に受入凹部9内に侵入した切粉W
1が吸着面Q側に出ることを抑制することができてそのまま遠心力により導出路10を介してチャック体3の外周面3bへと導出させることができ、さらに、この場合、受入凹部9の底面に接続される底面と内周面との接続面は先細りのテーパー面9cに形成されているので、テーパー面9cによって、受入凹部9の底面に到達した切粉W
1をストレート面9bに戻させることができ、よって、切粉W
1を確実に導出路10を介してチャック体3の外周面3bへと導出させることができる。
【0024】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、被加工物W、吸着面Q、接着手段E、ウレタンゴムシートD、テーパー面H、主軸2、チャック体3、前端面3a、外周面3b、吸引路6、接触面材8、吸引口部8a、前端面8bの構造や形態等は適宜変更して設計される。
【0025】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0026】
W 被加工物
W1 切粉
Q 吸着面
E 接着手段
D ウレタンゴムシート
H テーパー面
F 気流
2 主軸
3 チャック体
3a 前端面
3b 外周面
6 吸引路
6a 凹環溝
8 接触面材
8a 吸引口部
8b 前端面